JP2006147756A - 高周波トランジスタの設計方法、および、マルチフィンガーゲートを有する高周波トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配線およびコンタクトの構成に応じて変化する等価回路パラメータのうち、ゲート配線、ソース配線およびドレイン配線の各配線間の結合容量、ならびに、各配線と半導体基板と間の結合容量について、高周波トランジスタの高周波特性に対する感度を測定する(ステップST21)。この感度に基づいて、ゲート配線、ソース配線およびドレイン配線の階層レベルを各々決定する(ステップST22)。そして、決定した各階層レベルにおけるゲート配線、ソース配線およびドレイン配線のパターンと、各配線間あるいは配線とトランジスタ部とを接続するコンタクトの配置と大きさとを設計する(ステップST23)。
【選択図】図17
Description
CMOSトランジスタは、その低コストに加え、高い電流利得遮断周波数ftや最大発振周波数fmaxによる周波数特性の改善が進んでいる。また、CMOSトランジスタ回路は、デジタル回路の高集積化が容易で、これとアナログ回路の共存ができ、さらにSOC(System On a Chip)技術が生かせるなどの数々の利点がある。これらの理由から、比較的低い周波数の高周波回路にCMOSトランジスタが採用され、さらに高い周波数を扱う回路での、その使用が検討されている。
「フィンガーゲート」とは、実効的なゲート部として機能するゲートフィンガー部を、たとえば数十本から百数十本ほど並列かつ略平行に配置し、それらを一方または双方の終端側で連結した平面パターンを有するゲート電極のことである。ゲートフィンガー部を片側で連結したものを、いわゆる櫛形ゲートということがある。
フィンガーゲートを有する高周波トランジスタにおいて、ゲートフィンガー部間の半導体基板部分にソース領域とドレイン領域を交互に配置し、ソース領域同士、ドレイン不純物同士を、それぞれ固有の上層配線により電気的に接続し、ソース配線、ドレイン配線としてトランジスタユニットの外側に引き出す必要がある。また、ゲート電極も上層の配線によりトランジスタユニットの外側に引き出す必要がある。なお、「トランジスタユニット」は、トランジスタ部のほかに、ゲート配線、ドレイン配線およびソース配線、それらのコンタクトを含めたものの総称である。
このため、とくにレイアウト変更に際して多大な労力を費やし、このことが高周波トランジスタの設計を困難なものとしている。
あるいは、前記感度測定ステップにおける前記測定の結果、前記ドレイン配線と前記半導体基板との結合容量を小さくすべきときに、前記レベル決定ステップにおいて、前記ドレイン配線が前記ゲート配線よりも上層となるように各配線の階層レベルを各々決定することが望ましい。
あるいは、前記感度測定ステップにおける前記測定の結果、前記ドレイン配線と前記ソース配線との結合容量を小さくすべきときに、前記レベル決定ステップにおいて、前記ソース配線と前記ドレイン配線が異なる階層となるように各配線の階層レベルを各々決定することが望ましい。
このとき、前記内在的トランジスタ部に接続され、前記高周波トランジスタのチャネル内走行キャリアの時間遅れを示す非準静的パラメータを含む在外的(extrinsic)回路をさらに含むようにするとよい。
そして、前記寄生的回路は、半導体基板と前記ソース配線との結合容量、半導体基板と前記ドレイン配線との結合容量、各結合容量から半導体基板の基準電位までの基板内抵抗と基板内容量、前記ゲート配線と前記ドレイン配線の結合容量、および、前記ゲート配線と前記ソース配線との結合容量を含むことが望ましい。
また、前記内在的トランジスタ部のパラメータであるゲート・ドレイン容量とゲート・ソース容量がバイアス依存性を有することが望ましい。
この各結合容量の高周波特性に与える影響を見積もる際に、通常、シミュレーションを行うが、本発明において、より望ましい方法として、そのシミュレーションにレイアウトパラメータを含む高周波トランジスタモデルを用いる。その場合、配線の階層レベル変更などの結果が高周波特性にどのように影響するかが、レイアウトパラメータの変更とシミュレーションで見積られる。
前記ドレイン配線と前記ソース配線との結合容量を小さくするために、前記ソース配線と前記ドレイン配線が異なる階層に配置されている。
また、結合容量の高周波特性への影響を見積もる際に、通常はシミュレーションを行うが、いままでのMOSトランジスタモデルにおいてレイアウトに依存して変化するレイアウトパラメータと、そうでない他のパラメータの分離がなされていないことから、とくに配線部のレイアウト変更に対応したものとなっていない。
このため、マルチフィンガーゲートを有する高周波トランジスタの設計において、本発明者が新たに提案したレイアウトパラメータを備える高周波トランジスタモデルを当該シミュレーション時に用いることが、その高周波特性の予測精度を上げ設計を容易化する意味で最も望ましい。
図1は、ソース端子とバックバイアス端子とを相互接続した場合を例として高周波トランジスタモデルを示す図である。なお、ソース端子とバックバイアス端子とを接続しなくてもよく、その場合、図1に示すソース端子Sとバックバイアス端子Bを直接接続している線を省略する。
あるいは、内在的トランジスタ部Miを、たとえば相互コンダクタンスgm、ドレインコンダクタンスgds、内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_int、内在的ゲート・ソース容量Cgs_int、内在的ゲート・基板容量Cgb_intなどのパラメータ値を有する等価回路モデルに置き換えることもできる。
外在的回路は、内在的トランジスタ部Miの内在的ゲートノードgi、内在的ドレインノードdi、内在的ソースノードsi、および、内在的バックバイアスノードbiに接続され、本来的にトランジスタに含まれる受動寄生素子のネットワークを形成している。より詳細に外在的回路は、高周波トランジスタの基板回路を構成する受動寄生素子と、非準静的(Non-quasi static)効果(NQS効果)を表す受動寄生素子とを含む。
また外在的回路は、ソース抵抗Rs、ドレイン抵抗Rd、ゲートとソースのオーバーラップ結合容量Cgs_ovおよびゲートとドレインのオーバーラップ結合容量Cgd_ovを含んでいる。
さらに外在的回路は、NQS効果を表す受動寄生素子としてNQSゲート抵抗Rg_NQSを含んでいる。
寄生的回路は図1においては、破線により囲まれている部分以外の部分により示されている。
また寄生的回路は、ゲート配線と基板基準電位との間に直列に接続されているゲート配線・基板結合容量Cc_gbとゲート結合基板抵抗Rsub_gb、ならびに、当該ゲート結合基板抵抗Rsub_gbと並列に接続されているゲート結合基板容量Csub_gbを含む。同様に寄生的回路は、ドレイン配線と基板基準電位との間に直列に接続されているドレイン配線・基板結合容量Cc_dbとドレイン結合基板抵抗Rsub_db、ならびに、当該ドレイン結合基板抵抗Rsub_dbと並列に接続されているドレイン結合基板容量Csub_dbを含む。さらに寄生的回路は、ゲート配線とドレイン配線との間のゲート・ドレイン配線結合容量Cc_gd、および、ゲート配線とソース配線との間のゲート・ソース配線結合容量Cc_gsを含む。
図2に示すように、高周波領域においてはゲート電極とチャネルの結合容量(主に酸化膜容量Cox)とチャネル抵抗Rchを分布定数として表す必要がある。この場合、ソース側から供給されたキャリアがドレイン側に到達するまでの時間遅れにより、たとえばチャネルとゲートの容量Coxを充電する時間が場所によって異なり、これがデバイスの高周波動作に影響する。したがってゲート長が長いほうが電子の遅れ量が大きく、これがNQS効果としてデバイス動作に影響する。
図4(A)〜図4(D)は、このときの実測値とシミュレーション値(「Sim」と表記)とを比較するSパラメータのグラフである。これらの図に示すように、図21に示す従来の等価回路に基づくシミュレーションにおいて、高周波の約10GHz以上で特性にずれが生じることがわかる。これが、NQS効果が取り入れられていないために生じるずれ量である。
本実施の形態において、図1に示すようにゲート抵抗に、elmore抵抗としての分布チャネル抵抗(NQSゲート抵抗)Rg_NQSの成分を含ませていることは、以上の理由による。
図5から、Sパラメータから抽出されるゲート抵抗Rg_sparaは周波数が大きくなるにしたがって増大していくことがわかり、この原因としては、電磁界効果によるスキンエフェクトによる抵抗の増大が考えられる。このため、この電磁界効果の影響を考慮することが、正確なSパラメータの再現に必要である。
実際のデバイスにおいて、上述したNQS効果によってドレインに到達するキャリアの時間遅れが生じ、これが出力抵抗Rdsの増大を伴う。ところが、従来のコンパクトモデルは、図3に示す出力抵抗Rdsを周波数によらず一定としているため、出力側(ドレイン側)でのNQS現象を再現できていない。
従来は、この出力抵抗Rdsの増大に伴う高周波特性のずれを修正する方法として、シミュレーションを行い、出力側を特性インピーダンスで終端したときの出力反射係数S22が理想カーブと合うように、基板抵抗値をフィッティングさせていた。このため、シミュレーションとパラメータの変更を何度か繰り返す手間を要していた。
図6に示す回路は、出力反射係数S22に影響するパラメータとして、ドレイン端子Dとソース端子S(バックバイアス端子Bと同電位)との間に接続されている内在的トランジスタ部Mi内の出力抵抗Rdsのほかに、出力抵抗Rdsと並列に接続されている基板回路部分(外在的回路部分)を示している。
この基板回路部分は、図6に示すように、ドレイン端子Dとソース端子Sとの間に直列に接続されているドレイン接合容量Cj_dbおよび基板抵抗Rsub1、ならびに、ドレイン接合容量Cj_dbと基板抵抗Rsub1との接続中点とソース端子Sとの間に直列に接続されている基板抵抗Rsub2およびソース接合容量Cj_sbを含む。
ここで図1に示すソース抵抗Rsおよびドレイン抵抗Rdは出力抵抗Rdsに比べ無視できるほど小さいことから、図6において省略している。ソース側の基板抵抗Rsub3およびRsub4は出力反射係数S22への寄与は相対的に小さいことから省略している。また、各基板抵抗に並列な基板容量Csub1〜Csub4も簡略化のため省略している。
これが、図4(D)において実測値とシミュレーション値とがずれている理由である。
図8は、レイアウトから計算により求めた基板抵抗値(測定値)とSパラメータのフィッティング後に抽出した基板抵抗値とを比較して示す図表である。
図8において、実測の出力反射係数S22から抽出される抵抗Rsub1の値250[Ω]が、レイアウトから測定される基板抵抗Rsub1の値50[Ω]より大きくなっている。これは、高周波でNQSとして出力抵抗Rdsが上昇する効果を、コンパクトモデルは出力抵抗Rdsを固定としているため反映しておらず、そのためSパラメータのフィッティングを行うと出力反射係数S22の総電力を合わせるように、基板抵抗Rsubが大きくなり、これによって基板側の電力の消費を下げることで説明がつく。
さらに、出力抵抗Rdsをデフォルト値などの一定値としたまま、周波数に応じて出力抵抗Rdsの増加分の影響をキャンセルするように、基板抵抗Rsub1〜Rsub4のすべて、あるいは幾つか、たとえば基板抵抗Rsub1とRsub2に周波数依存性を持たせるようにしてもよい。この場合においても、周波数依存性を持たせる方法としては、そのパラメータ(基板抵抗)を周波数の関数で表現してもよいし、あるいは、周波数ごとに基板抵抗の最適値をメモリにテーブルとして予め格納しておき、使用周波数が決まると、それに応じて基板抵抗の最適値を読み出して自動的に基板抵抗パラメータを設定する構成としてもよい。また、基板抵抗に加えて基板容量にも、上記と同じ様な方法によって周波数依存性を持たせることも可能である。
前述したように、内在的トランジスタ部Miをコンパクトモデルとしてもよいし、等価回路モデルとしてもよい。
このようなレイアウト成分として図1に示すものでは、ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layout、配線と基板の結合容量Cc_gbおよびCc_db、その結合容量に連なる基板抵抗Rsub_gb,Rsub_dbおよび基板容量Csub_gb,Csub_db、配線間の結合容量Cc_gdよびゲート・ソース配線結合容量Cc_gs、配線のインダクタ成分Lg_layout,Ls_layoutおよびLd_layoutがある。また、図1に直接示していないレイアウト成分としては、外在的回路内の基板抵抗Rsub1〜Rsub4のレイアウト成分Rsub1_layout〜Rsub4_layoutがある。
また、ソース端子Sとバックバイアス端子Bを短絡しない場合は、ドレイン側と同様に、ソースと基板の結合容量、その基板抵抗および基板容量、さらには、ソース配線とドレイン配線の結合容量なども、このレイアウト成分に追加する必要がある。
なお、外在的回路の基板回路を構成する基板抵抗および基板容量のうち、とくに基板抵抗Rsub1およびRsub4、ならびに、基板容量Csub1およびCsub4は、トランジスタ本来のレイアウト以外にバックバイアス電圧の印加箇所の位置に応じて異なることから、レイアウトパラメータとして寄生的回路に入れてもよい。
たとえば、SOI(silicon-on-insulator)トランジスタにおいて、図1に示すドレイン接合容量Cj_dbおよびソース接合容量Cj_sbを、いわゆるボックス(box)酸化膜などの絶縁膜容量に置き換えることができる。一般に、絶縁膜容量は接合容量に比べかなり大きいことから、基板抵抗Rsub1〜Rsub4および基板容量Csub1〜Csub4により構成されている基板回路を省略または簡略化することが可能である。半導体基板を電気的フローティング状態とするか、一定電圧で電気的に固定するが、通常、その半導体基板(バックバイアス端子B)が図1に示すようにソース端子Sと接続されることはない。
一方、半導体基板側の影響を無視できる場合において、図1に示す基板回路をSOIボディ領域の等価回路とみなすことも可能である。この場合、基板抵抗や基板容量の値が通常の高周波トランジスタとは大きく異なり、また、SOI型トランジスタの動作を部分空乏型とするか完全空乏型とするかの違い、ボディ領域を電気的にフローティングとするか固定とするかの違いに応じて、基板回路の構成も異なる。
さらに、図1に示す2つのオーバーラップ結合容量Cgs_ovおよびCgd_ovを内在的トランジスタ部Miに含ませ(たとえば、図3に示す等価回路モデル内の容量Cgd_intおよびCgs_intに含ませ)、外在的回路からは省略してもよい。
第1に、本実施の形態に用いる高周波トランジスタモデルはレイアウト起因の寄生成分を含む寄生的回路を有し、ある程度レイアウトにより変化するパラメータが最初からトランジスタモデルに組み込まれていることから、より実デバイスに近い高周波トランジスタモデルとなっている。
つぎに、高周波トランジスタモデルの作成方法の例を、とくにパラメータ値の決定(抽出および確定)の方法を中心に説明する。
この図において便宜上、内在的トランジスタ部のパラメータ決定フロー、外在的回路のパラメータ決定フロー、寄生的回路のパラメータ決定フローを分けて示している。ただし、実際のパラメータ決定はこれに限らず、たとえば測定、計算、シミュレーションなどの作業の種類ごとにパラメータ決定を行うと効率的である。また、パラメータの利用関係に矛盾がない範囲で各ステップの順番は任意である。つまり、当然のことであるが計算等に用いるパラメータ値の決定は、その計算より先に行う必要があり、このことを遵守するかぎり各ステップの順番は任意である。
また、ここに示す具体的なパラメータ抽出方法はあくまで一例であり、これに限らない。さらに、シミュレータの種類(商品名)、すなわちデバイスシミュレータの「Medici」、容量シミュレータの「SENECA」、基板シミュレータの「substrate stream」、「DESISSの3D Sim」も単なる例示にすぎない。
また、高周波トランジスタの容量−電圧(C−V)測定を行い、内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_intを求める。
なお、内在的トランジスタ部のパラメータのうちゲートに接続されている容量、すなわち内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_int、内在的ゲート・ソース容量Cgs_intおよび内在的ゲート・基板容量Cgb_intは、コンパクトモデルや等価回路モデルに既に用意されているコマンド値(op値)を用いてもよい。
ステップST2bにおいて寄生成分抽出のための計算を行い、ドレイン抵抗Rd、ソース抵抗、ドレイン接合容量Cj_dbおよびソース接合容量Cj_sbを求める。
ドレイン抵抗Rdとソース抵抗Rsは、ソース側とドレイン側の拡散層(ソース領域およびドレイン領域)のデザインが対称な場合は同じ計算式から求められる。この計算は、ドレイン抵抗Rdを例にとると次式(1)を用いて行うことができる。
Rd=(W/Ld)・Rsheet_d
+(W/Lext)・Rsheet_ext
+Rcon_d/Ncon_d …(1)
Cj_db=Sarea・Cunit_area
+Lperi・Cunit_peri…(2)
また、基板シミュレーション(S.Sim.)を行い、基板抵抗Rsubyと基板容量Csuby(y=1,2,3,4)を求める。ここでは、たとえば「substrate stream」または「DESISSの3D Sim.」を用いる。なお、基板抵抗Rsubyを、測定値の出力反射係数S22から求めてもよい。
なお、内在的トランジスタ部内の出力抵抗Rdsに周波数依存性を持たせる場合には、このステップST5bおよびステップST3bは省略可能である。
ステップST1cにおいて高周波トランジスタのDC測定を行い、その全ゲート抵抗Rg_totalを求める。本例において、後述するゲート抵抗の電磁界効果成分を分離するための計算(ステップST5c)に必要なことから全ゲート抵抗Rg_totalを予め求めるが、ステップST5cの電磁界効果成分を、たとえばシミュレーションにより直接求めることができるのであれば、この最初のステップST1cは不要である。
ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layoutは、ゲートコンタクトの取り方によって異なる。ゲート電極のフィンガー数がM(M:1以上の整数)でゲート配線が1層の場合を例とすると、ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layoutは次式(3)により求めることができる。
Rg_layout=k・(Lg/(M・Wfinger))・Rsheet_gf
+Rcon_gf/Ncon_gf
+(L1mg/W1mf)・Rsheet_1mg) …(3)
また、同じステップST3cにおいて、ゲート配線のインダクタ成分Lg_layout、ドレイン配線のインダクタ成分Ld_layout、および、ソース配線のインダクタ成分Ls_layoutを求める。これらは計算による他に、それぞれ固有の値に固定してもよいし、シミュレーションにより求めてもよい。本例において、高周波動作にともなうゲート配線のインダクタ成分の増加分は、後述するステップST5cで求める電磁界効果成分Rg_emに含まれる場合、ゲート配線のインダクタ成分を固定とすることが望ましい。なお、とくに詳細に説明しないが、この高周波動作にともなう配線のインダクタ成分の増加分をモデルに反映させるやり方は、ドレイン配線やソース配線に対しても同様に適用できる。
また、基板シミュレーション(S.Sim.)を行い、ゲート結合基板抵抗Rsub_gbとゲート結合基板容量Csub_gb、および、ドレイン結合基板抵抗Rsub_dbとドレイン結合基板容量Csub_dbを求める。ここでは、たとえば「substrate stream」を用いる。
つぎに、ボックス酸化膜を介して半導体基板に伝達する信号の等価回路を構成する。この等価回路を出力抵抗Rdsとボックス酸化膜を介して半導体基板に接続させ、さらにデバイスシミュレーションを行う。この等価回路を接続した場合のシミュレーション結果と、上記未接続時のデバイスシミュレータ結果との差を、電荷の遅れ量を表すNQS成分として算出する。このNQS成分に周波数依存性を持たせることが望ましい。周波数依存成分を持たせる方法としては、周波数とともに増加する関数値としてもよいし、あるいは、周波数に応じた値をテーブルとしてもっていてもよい。
そして、他のパラメータを等価回路にいれ、回路動作をさせることで、所望の高周波でのトランジスタ特性が得られる。このようにして、等価回路から高周波SOI型トランジスタの特性が算出される。
つぎに、上記方法により高周波トランジスタモデルを作成した後に、レイアウトを変更する場合のモデルの再作成(更新)方法を述べる。
ステップST11において、第1のレイアウトから、各パラメータを抽出する。このパラメータ抽出は、図9に示して説明した方法を好適に用いることができる。これにより、第1のレイアウトについての内在的トランジスタ部、外在的回路および寄生的回路の各パラメータの値が抽出または算出される。
ステップST12において測定するDCでのトランジスタ特性としては、相互コンダクタンスgm、ドレインコンダクタンスgds(出力抵抗Rds)などがある。
第2のレイアウトから見積もることができるレイアウト成分としては、ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layout、ゲート・ソース容量のレイアウト成分Cgs_layout、ゲート・ドレイン容量のレイアウト成分Cgd_layout、ソース・基板容量のレイアウト成分Csb_layout、ドレイン・基板容量のレイアウト成分Cdb_layout、ゲート・基板容量のレイアウト成分Cgb_layout、基板抵抗Rsub1〜Rsub4のレイアウト成分Rsub1_layout〜Rsub4_layoutがある。
つまり、ゲート・ソース容量のレイアウト成分Cgs_layoutは、内在的ゲート・ソース容量Cgs_int、ゲートとソースのオーバーラップ容量Cgs_ovおよびゲート・ソース配線結合容量Cc_gsの和で示す総合的な容量からレイアウト成分のみを抽出して示すものであり、ソース配線の材料や寸法(厚さおよび幅)ならびに配線の引き回しが第1および第2のレイアウトで同じとする前提において、このゲート・ソース容量のレイアウト成分Cgs_layoutは、純粋にレイアウトから見積もることができる。
ゲート・ドレイン容量のレイアウト成分Cgd_layoutは、内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_intとゲート・ドレイン配線結合容量Cc_gdの和で示す総合的な容量からレイアウト成分のみを抽出して示すものである。
ソース端子Sとバックバイアス端子Bが接続されていない場合におけるソース・基板容量のレイアウト成分Csb_layoutは、ソース・基板接合容量Cj_sbと基板容量の一部との和で示す総合的な容量からレイアウト成分のみを抽出して示すものである。
ドレイン・基板容量のレイアウト成分Cdb_layoutは、各種容量、すなわちドレイン・基板接合容量Cj_db、基板容量の一部、ドレイン配線・基板結合容量Cc_dbおよびドレイン結合基板容量Csub_dbの和で示す総合的な容量からレイアウト成分のみを抽出して示すものである。
さらに、ゲート・基板容量のレイアウト成分Cgb_layoutは、内在的ゲート・基板容量Cgb_int、ゲート配線・基板結合容量Cc_gbおよびゲート結合基板容量Csub_gbの和で示す総合的な容量からレイアウト成分のみを抽出して示すものである。
図11(A)は第1のレイアウトの平面図、図11(B)は第2のレイアウトの平面図、図11(C)はレイアウト変更にともなうパラメータ変化の倍率を示す図表である。これらの図において、ゲートフィンガー長を2倍にするレイアウト変更を示している。
本例のトランジスタは、P型の半導体基板(またはPウェル)にトランジスタの活性領域100と、基板コンタクト(バックバイアス供給)用のP型不純物領域(以下、基板バイアス領域という)101とが形成されている。活性領域100および基板バイアス領域101は、半導体基板の表面部分に所定パターンの素子分離絶縁層102を形成することにより、それらの幾何学的形状(パターン)が規定されている。
ソース領域SRに対し第1メタルからなるソース配線層104が接続され、ドレイン領域DRに対し第1メタルからなるドレイン配線層105が接続されている。ソース配線層104およびドレイン配線層105は図において同じ向きに引き出されているが、交互に異なる向きに引き出してもよい。
ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layoutについては、1フィンガー当り、フィンガー長が2倍になるとポリシリコン抵抗も2倍となることに加え、単位抵抗あたりのコンタクト数が減るので、それが(取り出し分)として加算される。全体ではフィンガー数が半減することから、1フィンガー当りの変化倍率をさらに2倍にする必要がある。したがって、ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layoutは、レイアウト変更後に、変更前の[4倍+(取り出し分)×2]となる。
具体的には、ゲート・ソース容量のレイアウト成分Cgs_layout、ゲート・ドレイン容量のレイアウト成分Cgd_layout、ソース・基板容量のレイアウト成分Csb_layout、ドレイン・基板容量のレイアウト成分Cdb_layoutは、レイアウト変更によって1フィンガー当り2倍、全体では1倍になる。一方、ゲート・基板容量のレイアウト成分Cgb_layoutは、レイアウト変更によって1フィンガー当り1倍、全体では1/2倍となる。
以上に述べたパラメータの変化倍率を図11(C)の図表にまとめて示す。
ここでは、非レイアウト依存成分がレイアウトに全く依存しないことを前提とする。ただし、若干依存することが認められる場合は、求めた非レイアウト依存成分に経験的に求められる「1」前後の補正係数をかけることも可能である。
図12(A)に示すように、フィンガー長Wfingerを1μm(第1のレイアウト)から2.5μmおよび5μm(第2のレイアウト)に変化させたときに、ゲート抵抗のレイアウト成分Rg_layoutが1.09Ωから、それぞれ3.69Ωおよび11.99Ωに変化している。前述したステップST11で、第1のレイアウトについては全ゲート抵抗Rg_totalが既に求められており、その値を11.40Ωとすると、その非レイアウト依存成分、すなわちNQS成分Rg_NQSと電磁界効果成分Rg_emとの和が10.4Ωと算出できる。この値はレイアウトに依存しない一定値であることから、第2のレイアウトにも適用できる。そこで、フィンガー長Wfingerが2.5μmのときの全ゲート抵抗Rg_totalが14.09Ω、フィンガー長Wfingerが5μmのときの全ゲート抵抗Rg_totalが22.39Ωと、それぞれ算出される。
具体的には、内在的ゲート・基板容量Cgb_int、内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_intおよび内在的ゲート・ソース容量Cgs_intは、コンパクトモデルの場合に、たとえばBSIM3ver.3のコマンド値(op値)を用いる。また、ここではフィンガーゲートのレイアウトパターンを変更し、それ以外の配線のレイアウト変更は行わないとの前提の下、パッドインダクタンスを含むドレイン配線のインダクタンス成分Ld_layoutおよびゲート配線のインダクタンス成分Lg_layoutを一定値、たとえば34pHにし、ソース配線のインダクタンス成分Ls_layoutを一定値、たとえば0.003pHに設定する。
その他、レイアウト変更により値が変化すると想定されるパラメータ値を、計算または、必要ならデバイスシミュレータにより抽出し直す。たとえば、Id−Vd特性における傾きはアナログ回路には非常に重要であるが、この値はフィンガー長Wfingerを変えたことにより変更すべきであることから、この傾きに関与するパラメータをフィンガー長に応じて変更する。
図より両者がよく一致していることがわかり、上記の方法が妥当であることが理解される。上記の方法をとることにより、フィンガー長Wfingerに関するスケーラブルな高周波トランジスタモデルが構築されることが確認できる。
つぎに、高周波トランジスタのパラメータを最適化する手法の例を述べる。
この最適化手法において、高周波特性の維持・改善に寄与するパラメータを特定する感度分析を行い、その結果から、最適化すべきパラメータを特定する。
ここでは図14に示す23個のパラメータについて感度分析を行った。今までに説明していないパラメータとしては、主にゲートフィンガー部以外のゲート電極部分からなるゲート取り出し部の基板との容量Cgb_layoutと、この容量に直列接続される基板内抵抗Rsub_gb_layoutとがある。ここでは、容量Cgb_layoutは容量シミュレータ「SENECA」を用いて計算し、基板内抵抗Rsub_gb_layoutは基板シミュレータ「substrate storm」を用いて計算している。他のパラメータについては既に説明したので、ここで説明を繰り返すことはしない。
その結果、レイアウト変更によって電流利得遮断周波数ftに与える影響が大きいパラメータは、その影響が大きい順に、ゲート取り出し部の基板との容量Cgb_layout、内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_int、ゲート配線・基板結合容量Cc_gbであることがわかった。また、最大動作周波数fmaxに与える影響が大きいパラメータは、その影響が大きい順に、全ゲート抵抗Rg_total、内在的ゲート・ドレイン容量Cgd_int、基板抵抗Rsub1であることがわかった。
なお、パラメータの感度分析を行う高周波特性としては、上記以外に、Sパラメータであってもよい。
具体的には、抽出したパラメータが設定された高周波トランジスタモデルを、たとえばデバイスシミュレータ等で、あるバイアスにて動作させ、そのとき得られたパラメータ値とコンパクトモデルのパラメータ値とを比較し、その差分を求める。この作業を、全ての、あるいは必要なパラメータごとに、全てのバイアス(より現実的には、離散的な代表点)で実行する。この差分または正しいパラメータ値をバイアスごとに、たとえばテーブルとして記憶しておく。実際の高周波トランジスタモデルをシミュレータなどで動作させる際に、要求される動作時のバイアスに応じて、そのバイアスに対応した各パラメータ値の差分または正しいパラメータ値を読み出し、それによって各パラメータの値を自動で補正する。なお、差分を用いる場合は、コンパクトモデルの既存のパラメータ値に、この差分を付加することになる。一方、正しいパラメータ値を用いる場合は、コンパクトモデルの既存のパラメータ値をゼロとして、正しいパラメータ値で事実上、置き換えることになる。
より詳細には、図1に示すゲート配線・基板結合容量Cc_gbとゲート結合基板抵抗Rsub_gbとによりCR直列回路が構成され、また、ドレイン配線・基板結合容量Cc_dbとゲート結合基板抵抗Rsub_dbとによりCR直列回路が構成されている。これらのCR直列回路において消費電力がピークを持ち、そのピーク時の基板抵抗は1/(2πC)により計算できる。ここで「C」はゲート配線・基板結合容量Cc_gbまたはドレイン配線・基板結合容量Cc_dbの値である。実施の形態において基板における消費電力を抑制するためには、配線構造や基板抵抗などの制約があるが、この制約の範囲内で上記ピーク点よりできるだけ離れた基板抵抗となるように、あるいは、十分に消費電力が低減されるように、ゲート配線・基板結合容量Cc_gbまたはドレイン配線・基板結合容量Cc_dbの値を設定することが望ましい。
以上のことを前提として、本発明に係る高周波トランジスタの構造および設計方法について、その実施の形態を、配線のレイヤ(階層)を変更する場合を例として説明する。
図15に、変更前のマルチフィンガーを有する高周波トランジスタの平面図を示す。また、図16に、図15におけるA−A線の概略的な断面を示す。なお、図16に示す断面では簡略化のため絶縁材料からなる部分を一切省略している。
図15に示すように矩形枠状の平面パターンを有する素子分離絶縁層2が半導体基板1に形成され、素子分離絶縁層2によって囲まれた基板領域に、矩形パターンを有する活性領域1Aが形成されている。高周波トランジスタのゲートGとして、活性領域1Aを各フィンガー部Fが横切るようにゲート電極2が形成されている。各フィンガー部Fは、活性領域1Aを熱酸化して形成されている薄いゲート絶縁膜(不図示)上に形成されている。ゲート電極2はたとえばポリシリコンからなり、ほぼ平行に配置されている複数のフィンガー部Fと、隣り合う2本のフィンガー部Fをつなぐ幅広の連結部とによって平面パターンとしては1本のライン状に形成されている。
また、他のレイアウト成分としてのドレイン配線・基板結合容量Cc_db(図1参照)は、図16における結合容量の値C3により決まる。結合容量値C3は、ドレイン配線7が1MTからなること比較的大きく、これを下げることが難しい。
ここでは、図15および図16に示す構成を第1レイアウトとし、この第1レイアウトの等価回路パラメータのうち、主に配線間、あるいは、配線と基板との間の結合容量に関して感度測定を行い、その結果から、第1レイアウトを新たな第2レイアウトに設計変更する場合について説明する。
ステップST20において、トランジスタ部を設計し(トランジスタ部設計ステップ)、その配線部を設計し、これにより第1レイアウトの設計がすでに完了しているものとする。
測定対象となる配線間の結合容量として、ゲート・ドレイン配線結合容量Cc_gdおよびゲート・ソース配線結合容量Cc_gs(図1参照)と、図1において省略しているドレイン・ソース配線結合容量Cc_dsとがある。
測定対象となる配線と半導体基板との間の結合容量として、ドレイン配線・基板結合容量Cc_dbとゲート配線・基板結合容量Cc_gbとがある(図1参照)。また、ソース端子Sとバックバイアス端子Bとを接続しない場合は、ソース配線・基板結合容量Cc_sbを測定対象とする。
この感度測定により、高周波特性に影響が大きい順に、変更すべき結合容量の優先順位が決まる。
そして、つぎのステップST23において、決定した階層レベルを遵守しながら配線部を設計する(配線部設計ステップ)。たとえば、決定した各階層レベルにおける前記ゲート配線、前記ソース配線およびドレイン配線のパターンと、各配線間あるいは配線と前記トランジスタ部とを接続するコンタクトの配置と大きさとを設計する。また、配線間の上下関係を変えることなく、配線の階層レベルを変更してもよい。
また、<高周波トランジスタの構造および設計方法の例>の項で既に述べたように、基板シミュレータ等を用いて半導体基板におけるRC直列回路における消費電力が最大値をとる場合は、その最大値から消費電力が低くなるように基板抵抗などのデバイスパラメータあるいは配線部のパラメータを変更することが望ましい。このときも配線間の上下関係を変えることなく、配線の階層レベルを変更してもよい。変更後は、さらに検証を行って半導体基板におけるRC直列回路の消費電力が最大値から下がっていることを確認する。
本実施の形態に係る高周波トランジスタの設計方法において、ドレイン配線のゲート配線との結合容量、ドレイン配線の基板との結合容量を、トランジスタサイズを変えることなく低減するには、ドレイン配線をゲート配線より上層にすることが望ましい(構造例1)。
図18は、構造例1の断面図である。この場合において、平面パターンそのものは図15と同様に設計することができる。つまり、図18においては、ゲート配線の矩形枠状の部分6Aが1MTにより形成され、その中間接続層4および第2ゲートコンタクト5(図16)は省略され、第1ゲートコンタクト3は、ゲート電極2のフィンガー部Fを連結する幅広部とゲート配線の矩形枠状の部分6Aとを接続するために用いられている。ドレイン配線7は2MTから形成されている。
また、構造例1におけるドレイン配線7と半導体基板1との結合容量の値C30は、図16に示す構造例の場合に比べ、両者の距離が大きくなることから、その結合容量の値C30は、図16に示す結合容量の値C3より十分に小さく、その分、当該トランジスタの高周波特性が改善されている。
図19に、構造例2の高周波トランジスタの図15におけるB−B線と同じ箇所の断面図を示す。
構造例2において、ドレイン配線7をゲート配線6より上層としたことに加え、ドレイン領域のコンタクト部分を最適化している。
より詳細には、2MTから形成されているドレイン配線7は、深いドレインコンタクト8によって半導体基板1に形成されているドレイン領域DRに接続されている。ドレイン領域DRは、隣り合う2つのフィンガー部Fをマスク層としたイオン注入により半導体基板1に形成されている。深いドレインコンタクト8の径が、当該トランジスタの形成に用いる半導体製造プロセスのコンタクトに関する最小寸法Wcを有する。また、深いドレインコンタクト8からフィンガー部Fまでの距離が、上記半導体製造プロセスのコンタクトと他の導電層との距離に関する最小寸法Wc_cとなっている。したがって、ドレイン領域DRの幅が(2Wc_c+Wc)と小さく、その分、トランジスタの占有面積が小さくなっている。なお、フィンガー部Fと深いドレインコンタクト8との距離を縮めると、その部分での結合容量も大きくなるが、水平方向において一方から他方を見たときの投影重なり面積は、配線同士が交差する場合の投影面積より元々十分に小さく、その結合面積の増加が高周波特性に与える影響は比較的小さい。
上記構造例1および構造例2において、ドレイン配線7はゲート配線6より上層であればよく、ドレイン配線7を第3層メタル(3MT)以上の階層レベルとする変形が可能である。
構造例3は、構造例2においてドレイン配線7を3MTにより形成した場合を示すものであり、その断面図を図20に示す。
ソース構造例3において、ドレイン配線7とソース配線10との結合容量C41とC42が図16の場合より小さくなることから、構造例1より、さらにトラジスタの高周波特性が改善される可能性がある。
Claims (14)
- 半導体基板に形成されているソース領域およびドレイン領域ならびにゲート電極を有するトランジスタ部と、前記ソース領域に接続されているソース配線と、前記ドレイン領域に接続されているドレイン配線と、前記ゲート電極に接続されているゲート配線とを有する高周波トランジスタに対し、前記ソース領域およびドレイン領域ならびに前記ゲート電極の各電圧供給ノードから高周波半導体回路のトランジスタユニットの各電極引き出しノードまでの配線およびコンタクトを最適化するための高周波トランジスタの設計方法であって、
前記配線およびコンタクトの構成に応じて変化する等価回路パラメータのうち、前記ゲート配線、前記ソース配線および前記ドレイン配線の各配線間の結合容量、ならびに、各配線と半導体基板と間の結合容量について、前記高周波トランジスタの高周波特性に対する感度を測定する感度測定ステップと、
前記感度に基づいて、前記ゲート配線、前記ソース配線およびドレイン配線の階層レベルを各々決定するレベル決定ステップと、
決定した各階層レベルにおける前記ゲート配線、前記ソース配線およびドレイン配線のパターンと、各配線間あるいは配線と前記トランジスタ部とを接続するコンタクトの配置と大きさとを設計する配線部設計ステップと
を含む高周波トランジスタの設計方法。 - 前記レベル決定ステップにおける前記決定の結果、前記ドレイン配線が前記ゲート配線より上層の場合、前記配線部設計ステップにおいて、前記ドレイン配線を前記ドレイン領域に接続するドレインコンタクトの寸法、および、前記ドレインコンタクトと前記ゲート配線との距離に、半導体製造プロセスの最小寸法を適用する
請求項1に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記感度測定ステップにおける前記測定の結果、前記ドレイン配線と前記半導体基板との結合容量を小さくすべきときに、前記レベル決定ステップにおいて、前記ドレイン配線が前記ゲート配線よりも上層となるように各配線の階層レベルを各々決定する
請求項1に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記感度測定ステップにおける前記測定の結果、前記ドレイン配線と前記ソース配線との結合容量を小さくすべきときに、前記レベル決定ステップにおいて、前記ソース配線と前記ドレイン配線が異なる階層となるように各配線の階層レベルを各々決定する
請求項1に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記トランジスタ部を設計するトランジスタ設計ステップをさらに含み、
前記感度測定のステップに用いた前記ドレイン配線と半導体基板との結合容量値の下では、前記結合容量と半導体基板の抵抗との直列回路において消費電力が最大値をとる場合、当該最大値から消費電力が小さくなるように半導体基板の抵抗値の修正値、前記ドレイン配線と半導体基板との結合容量の修正値の少なくとも一方を求め、求めた修正値を前記トランジスタ設計ステップ、前記感度測定ステップ、前記接続部設計ステップの少なくとも一つに反映させる
請求項1に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記感度測定ステップにおいて、高周波特性のシミュレーション時に前記高周波トランジスタをコンピュータ上で表現するための高周波トランジスタモデルとして、高周波トランジスタの内在的(intrinsic)トランジスタ部と、前記内在的トランジスタ部に接続され、前記トランジスタユニットの電極、配線およびコンタクトのレイアウトの変更に応じて変化するレイアウトパラメータを含む寄生的回路と、を有する高周波トランジスタモデルを用い、前記レイアウトパラメータを各種変更して行うシミュレーションの結果から当該レイアウトパラメータの前記高周波特性に対する感度を測定する
請求項1に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記内在的トランジスタ部に接続され、前記高周波トランジスタのチャネル内走行キャリアの時間遅れを示す非準静的パラメータを含む在外的(extrinsic)回路を
さらに含む請求項6に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記寄生的回路は、半導体基板と前記ソース配線との結合容量、半導体基板と前記ドレイン配線との結合容量、各結合容量から半導体基板の基準電位までの基板内抵抗と基板内容量、前記ゲート配線と前記ドレイン配線の結合容量、および、前記ゲート配線と前記ソース配線との結合容量を含む
請求項6に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記内在的トランジスタ部のパラメータであるゲート・ドレイン容量とゲート・ソース容量がバイアス依存性を有する
請求項6に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 前記高周波トランジスタのゲート電極は、それぞれが実効的なゲート部となる複数のフィンガー部を有する
請求項1に記載の高周波トランジスタの設計方法。 - 半導体基板に形成されているソース領域およびドレイン領域、ならびに、マルチフィンガーを持つゲート電極を有するトランジスタ部と、前記ソース領域に接続されているソース配線と、前記ドレイン領域に接続されているドレイン配線と、前記ゲート電極に接続されているゲート配線とを有する高周波トランジスタであって、
前記ドレイン配線と半導体基板との結合容量を小さくするために、前記ドレイン配線を前記ゲート配線より上層に配置し、前記ドレイン配線を前記ドレイン領域に接続するドレインコンタクトの寸法、および、前記ドレインコンタクトと前記ゲート配線との距離に、半導体製造プロセスの最小寸法を適用している
マルチフィンガーゲートを有する高周波トランジスタ。 - 半導体基板に形成されているソース領域およびドレイン領域、ならびに、マルチフィンガーを持つゲート電極を有するトランジスタ部と、前記ソース領域に接続されているソース配線と、前記ドレイン領域に接続されているドレイン配線と、前記ゲート電極に接続されているゲート配線とを有する高周波トランジスタであって、
前記ドレイン配線と前記ゲート配線との結合容量を小さくするために、前記ドレイン配線が前記ゲート配線よりも上層に配置されている
マルチフィンガーゲートを有する高周波トランジスタ。 - 半導体基板に形成されているソース領域およびドレイン領域、ならびに、マルチフィンガーを持つゲート電極を有するトランジスタ部と、前記ソース領域に接続されているソース配線と、前記ドレイン領域に接続されているドレイン配線と、前記ゲート電極に接続されているゲート配線とを有する高周波トランジスタであって、
前記ドレイン配線と前記ソース配線との結合容量を小さくするために、前記ソース配線と前記ドレイン配線が異なる階層に配置されている
マルチフィンガーゲートを有する高周波トランジスタ。 - 半導体基板に形成されているソース領域およびドレイン領域、ならびに、マルチフィンガーを持つゲート電極を有するトランジスタ部と、前記ソース領域に接続されているソース配線と、前記ドレイン領域に接続されているドレイン配線と、前記ゲート電極に接続されているゲート配線とを有する高周波トランジスタであって、
前記ゲート配線、前記ドレイン配線または前記ソース配線と前記半導体基板との結合容量値の下では、当該結合容量と半導体基板の抵抗との直列回路において消費電力が最大値をとる場合、当該最大値から消費電力が小さくなるように半導体基板の抵抗値、各配線と半導体基板と間の結合容量値の少なくとも一方が決められている
マルチフィンガーゲートを有する高周波トランジスタ。
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