JP2006144349A - 建設機械の安全装置 - Google Patents

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英史 石本
Hiroshi Ogura
弘 小倉
Yoshinori Eguchi
義紀 江口
Yasuhiko Kanari
靖彦 金成
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Abstract

【課題】 騒音が発生する状況下でも、建設機械が障害物に近接している危険な状態を建設作業中のオペレータに確実に伝達することができる建設機械の安全装置を提供する。
【解決手段】 操作装置4a〜4fの操作レバーの操作により走行し、作業を行う建設機械に備えられ、建設機械周辺の作業者や物体等の障害物に建設機械が接触するのを予防する建設機械の安全装置を、操作レバーの操作時にその操作に抵抗するような力である操作反力を操作レバーに付与できる反力機構7a〜7fと、障害物が予め設定した危険範囲内に位置すると障害物検出器10a〜10cの検出結果に基づいて判定され、建設機械が障害物に接近する方向に操縦されていると操作レバーの操作信号に基づいて判定されたときに操作反力を操作レバーに付与するように反力機構7a〜7fを制御する制御ユニット9とを設けて構成した。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車体と、この車体に設置されて作業を行うフロント作業機とを有する建設機械に備えられ、建設機械周辺の作業者や物体等の障害物に建設機械が接触するのを予防する建設機械の安全装置に関する。
油圧ショベル、クレーン、ホイールローダ等の建設機械は、操作レバーやペダルのような操作手段を操作することによりクローラやホイールで走行する車体と、この車体に設置され操作レバー等の操作手段を操作することにより掘削作業や荷揚げ作業等の作業を行うフロント作業機とを有する。このフロント作業機は、油圧ショベルを例にとると、油圧アクチュエータとしての油圧シリンダにより垂直方向に回動駆動されるアーム、ブームのような作業腕やバケット等の作業具を有し、油圧アクチュエータとしての旋回モータにより旋回駆動される車体の旋回フレーム上に設置されている。また、車体も、油圧アクチュエータとしての走行モータによりクローラやホイールが駆動される。
こうした建設機械においては、上部旋回体と下部走行体からなる車体やフロント作業機や旋回フレームが油圧アクチュエータでの駆動時に建設機械周辺の作業者や物体等の障害物に接触する危険性がある。そのため、こうした障害物に建設機械が接触するのを予防する建設機械の安全装置が提案されている。この建設機械の安全装置は、建設機械に超音波センサや接触センサ等の障害物検出手段を付設し、建設機械が障害物に接近したときに建設機械の運転者や建設機械周辺の作業者にブザー等の警報器で警報を発して注意を喚起したり、建設機械の種々の前記油圧アクチュエータを非常停止させたりするものである。
この種の建設機械の安全装置は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。このうち、特許文献1には、超音波センサによる障害物検出手段を使用した「建設作業車の自動制御装置」と称する建設機械の安全装置が記載されている。この特許文献1に記載の建設機械の安全装置は、建設機械としてのパワーショベルに第一の超音波送受信器を設置するとともに、第二の超音波送受信器や警報ブザーを内蔵した侵入物体用超音波送受信ユニットをパワーショベル周辺の作業者に携帯させ、第一の超音波送受信器と第二の超音波送受信器との間で超音波による交信を行って互いの存在を確認し、必要に応じて警報を発するようにしたり、パワーショベルを駆動できないようにしたりするものである。
すなわち、侵入物体用超音波送受信ユニットを携帯した作業者が危険ゾーンに隣接する警報ゾーンに侵入したときには、侵入物体用超音波送受信ユニット内の第二の超音波送受信器がパワーショベル側の第一の超音波送受信器の超音波を受信して同ユニット内の警報ブザーを鳴らし、これにより、パワーショベルの作業領域内に侵入したことを作業者に知らせて注意を喚起する。また、作業者がこのことに気付かずに、警報ゾーンから更に危険ゾーンに侵入したときには、警報ブザーにより作業者に注意を喚起するだけではなく、第二の超音波送受信器からパワーショベル側の第一の超音波送受信器に対して超音波を送信する。この超音波を第一の超音波送受信器が受信すると、パワーショベル側では警報を発して、作業者が危険ゾーンに侵入したことをパワーショベルのオペレータにも知らせるとともに、パワーショベルの種々の油圧アクチュエータを適宜駆動不能にする。
特許文献2には、接触センサによる障害物検出手段を使用した「建設機械の作業機制御装置」と称する建設機械の安全装置が記載されている。この特許文献2に記載の建設機械の安全装置は、油圧ショベルのような建設機械において、ドーム壁等の障害物と接触しやすいアーム等の作業機の部位に、接触センサとしての障害物検知手段を設けるとともに、建設機械における各種油圧アクチュエータの制御用の方向制御弁に油圧パイロット圧を送るための各パイロット油路に、同油路を通常時は開放し非常時に遮断する開閉弁としての電磁油圧切換弁をそれぞれ設けたものである。
障害物検知手段は、空気等の気体を封入したエアパックと、その気体の圧力変化を感知して作動する圧力スイッチとで構成され、エアパックが障害物に接触すると、エアパック内の気体の圧力が上昇して圧力スイッチを作動させるように構成されている。そして、圧力スイッチが作動すると、電磁油圧切換弁を励磁して閉位置に作動させて、各種油圧アクチュエータの制御用の方向制御弁のパイロット油路を遮断するようにしている。したがって、特許文献2に記載の建設機械の安全装置では、作業機の駆動時に障害物検知手段のエアパックが障害物に接触すると、障害物検知手段の圧力スイッチが作動して各方向制御弁のパイロット油路を遮断し、各種油圧アクチュエータの駆動が自動的に停止されるとともにその操縦が不可能となる。そのため、建設機械が周囲の障害物に衝突するのを未然に防止して建設機械や障害物の損傷を防ぐことができる。
特許第2753777号公報(第3−7頁、図1−6) 特開平9−328782号公報(第3−5頁、図1−3)
特許文献1に記載の第1従来例の建設機械の安全装置では、作業者が危険な状態にあることを警報音により建設機械周辺の作業者やオペレータに知らせているが、建設機械の作業現場では、騒音の発生により警報音が総じて聞き取りにくく、しかも、オペレータは、建設作業に専念しているため、これが発せられてからオペレータが感知するまでに時間的な遅れが生じる危険性がある。こうした時間的な遅れにより、オペレータによる危険回避のための建設機械の運転操作が手遅れになる恐れがあり、障害物への建設機械の接触を必ずしも確実に防止することができるとは考えられない。
一方、この第1従来例の建設機械の安全装置及び特許文献2に記載の第2従来例の建設機械の安全装置では、建設機械が障害物に接近したときに建設機械の前記油圧アクチュエータを急停止させるようにしているが、フロント作業機を設置した油圧ショベルやクレーンのような建設機械においては、フロント作業機で移送中の積載した掘削土砂が飛散したり、フロント作業機で吊り上げられた吊り荷が揺れ動いたりして危険な事態が生じる。また、走行中の車体を急停止させると、車体が思わぬ方向に滑動して、やはり危険な事態が生じる。こうしたことから、建設機械が障害物に接触するのを確実かつ安全に防止するには、騒音が発生している状況の下でも、建設機械が障害物に近接している危険な状態を、建設作業に専念しているオペレータに確実に伝達して、危険の回避を、極力、オペレータの自主的な運転操作に委ねるのが望ましい。
本発明は、こうした要求に応えるために創作されたものであって、その目的は、騒音が発生する状況下でも、建設機械が障害物に近接している危険な状態を建設作業中のオペレータに確実に伝達することができる建設機械の安全装置を提供することにある。
本発明は、こうした目的を達成するため、「操作手段の操作により走行する車体とこの車体に設置され操作手段の操作により作業を行うフロント作業機とを有する建設機械に備えられ、建設機械周辺の作業者や物体等の障害物に建設機械が接触するのを予防する建設機械の安全装置」を構成する場合に、
操作手段の操作時にその操作に抵抗するような力である操作反力を操作手段に付与することができる反力機構と、障害物が予め設定した危険領域内に位置するときに操作反力を操作手段に付与するように反力機構を制御する反力機構の制御手段とを設けて構成した。
本発明の建設機械の安全装置は、このように構成しているので、操作手段の操作時に作業者や物体等の障害物が予め設定した危険領域内に位置すると、反力機構は、反力機構の制御手段により制御されて操作反力を操作手段に付与する。この操作反力は、操作手段の操作に抵抗するような力であって、操作手段を操作しているオペレータに抵抗感をもたらすので、オペレータは、障害物が危険領域内に位置する危険な状態にあることを感知することができる。このように、本建設機械の安全装置では、操作手段の操作時において障害物が危険領域内に位置するときに、その操作行為それ自体に抵抗感をもたらし、特に、オペレータが神経を集中させている手足を通じて警告を発するので、騒音が発生している状況の下で、オペレータが建設作業に専念していても、建設機械が障害物に近接している危険な状態をオペレータに確実に伝達することができる。
以下の説明から明らかなように、本発明は、「操作手段の操作により走行する車体とこの車体に設置され操作手段の操作により作業を行うフロント作業機とを有する建設機械に備えられ、建設機械周辺の作業者や物体等の障害物に建設機械が接触するのを予防する建設機械の安全装置」を構成する場合に、前記の〔課題を解決するための手段〕の項に示したように構成しているので、本発明によれば、騒音が発生する状況下でも、建設機械が障害物に近接している危険な状態を建設作業中のオペレータに確実に伝達することができる建設機械の安全装置を得ることができる。その結果、第1従来例の技術とは異なり、オペレータによる危険回避のための建設機械の運転操作が手遅れになる危惧がなくなるとともに、第1従来例の技術や第2従来例の技術とは異なり、フロント作業機や車体の急停止による危険な事態の発生も極力なくすことができ、建設機械の安全性を従来の技術よりも向上させることができる。
本発明の建設機械の安全装置を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、障害物が危険領域内に位置する場合でも、建設機械が操作手段の操作により障害物に接近する方向に操縦されるという実際に危険な場合に限って、操作反力をその操作手段に付与するようにしているので、建設作業のためのオペレータの運転操作を意味なく妨げることがなくなる。その結果、建設機械の安全性を向上させながらも、建設機械の作業効率の低下を防ぐことができる。
本発明の建設機械の安全装置を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項3に記載のように具体化すれば、オペレータは、建設機械が障害物に接触する危険性の度合いを、操作手段に付与される操作反力の大きさにより瞬間的に感知することができるため、危険回避のための準備態勢を早期に整えつつ、自主的な判断により適切なタイミングで危険回避のための建設機械の運転操作を行うことができる。本発明の建設機械の安全装置を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項4に記載のように具体化すれば、障害物が危険領域内に位置するときに、操作手段を操作しているオペレータに、振動による刺激的な抵抗感を感知させて強く注意を喚起するので、建設機械が障害物に近接している危険な状態を建設作業中のオペレータに一層確実に伝達することができる。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1乃至図6を用いて説明することにより、本発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
図1は、本発明の建設機械の安全装置を設置するための建設機械の一例を示す斜視図、図2は、本発明を具体化した建設機械の安全装置に関する油圧回路図、図3は、図2の建設機械の安全装置を設置した建設機械により障害物の検出を実施しているときの状態を示す平面図、図4は、図2の建設機械の安全装置における制御ユニットの具体的な構造を示すブロック図、図5は、図3の制御ユニットで行われる制御の手順を説明するための流れ図、図6は、図3の制御ユニットに記憶されている車体と障害物間の距離と反力出力トルクとの関係に係るデータを示す図である。なお、ここでは、建設機械が自走式の油圧ショベルである場合を例にして、以下の説明をする。
まず、図1に基づき、本発明の建設機械の安全装置を設置するための建設機械の一例である自走式の油圧ショベルについて概説する。
1Aは土砂の掘削作業や積載作業等を行うための油圧ショベルのフロント作業機、1Bは建設機械の本体をなす車体、1aは後端部が上部旋回体1dの前部に垂直方向に回動可能に軸着されて設置されたブーム、1bは後端部がこのブーム1aの前端部に垂直方向に回動可能に軸着されたアーム、1cはこのアーム1bの前端部に垂直方向に回動可能にかつ着脱可能に軸着されたバケット、1dは下部走行体1e上に旋回可能に搭載された旋回フレームとこの旋回フレームの上部に設置された諸装置とからなる上部旋回体、1eはこの上部旋回体1dを設置するための基台となり作業現場を走行することが可能な下部走行体、1fは油圧ショベルの操縦を行うための運転室、1gは油圧ポンプやこれを駆動するエンジン等を設置した建屋カバー、1hはフロント作業機1Aによる作業時に旋回フレームに作用する外力と釣り合わせるためのカウンタウエイトである。
自走式の油圧ショベルは、大別すると、フロント作業機1Aと、このフロント作業機1Aを設置するための、運転室1fや油圧駆動・制御用の機器等の諸装置を備えた走行可能な車体1Bとで構成される。フロント作業機1Aは、ブーム1a、アーム1b及びバケット1cと、これらをそれぞれ駆動するための、後述するブームシリンダ3a、アームシリンダ3b及びバケットシリンダ3cとを設けて構成される。車体1Bは、前記諸装置を旋回フレーム上に設置して構成した上部旋回体1dと下部走行体1eとで構成される。この下部走行体1eは、スプロケットの回転が伝動されるエンドレスチェーン状のクローラベルトにより走行する一対のクローラ式の走行体を左右両側に備えており、これらの各走行体は、左右の走行モータ3e,3f(図1と併せて図2も参照)で駆動される。また、上部旋回体1dは、後述する旋回モータ3d(図2参照)で駆動される。
3aは伸縮させてブーム1aを垂直方向に回動(傾動)させるように駆動するブームシリンダ、3bは同じく伸縮させてアーム1bを回動(揺動)させるように駆動するアームシリンダ、3cは同じく伸縮させてバケット1cを回動させるように駆動するバケットシリンダ、8a,8b,8cは後述する角度検出器、8dは車体1Bの前後方向の傾斜角度を検出する前後傾斜角度センサであり、本発明の建設機械の安全装置には、直接的には関係しない。
図2に基づき、本発明に係る建設機械の安全装置を構成する油圧回路の一例について概説する。
2は図示しない建屋カバー1g内のエンジンで駆動されブームシリンダ3a、アームシリンダ3b及びバケットシリンダ3c等の油圧ショベルの既述の種々の油圧アクチュエータを駆動するための圧油を発生する可変容量型の油圧ポンプ、3dは上部旋回体1dの旋回フレームを旋回駆動する旋回モータ、3eは左側のクローラ式の走行体のスプロケットを回転駆動する左側の走行モータ、3fは右側のクローラ式の走行体のスプロケットを回転駆動する右側の走行モータである。
4aは操作手段の操作によりブーム用の方向制御弁5aを切り換えてブームシリンダ3aの運動を制御するブーム用の操作装置、4bは操作手段の操作によりアーム用の方向制御弁5bを切り換えてアームシリンダ3bの運動を制御するアーム用の操作装置、4cは操作手段の操作によりバケット用の方向制御弁5cを切り換えてバケットシリンダ3cの運動を制御するバケット用の操作装置、4dは操作手段の操作により旋回用の方向制御弁5dを切り換えて旋回モータ3dの運動を制御する旋回用の操作装置、4eは操作手段の操作により左走行用の方向制御弁5eを切り換えて左側の走行モータ3eの運動を制御する左走行用の操作装置、4fは操作手段の操作により右走行用の方向制御弁5fを切り換えて右側の走行モータ3fの運動を制御する右走行用の操作装置である。
各操作装置4a〜4fは、操作手段を所望の定められた方向に操作することにより、制御ユニット9を通じて各方向制御弁5a〜5fの左右何れかの信号受け部にそれぞれ電気信号による制御信号を送って各方向制御弁5a〜5fを中立位置から左位置又は右位置に切り換えて各油圧アクチュエータ3a〜3fの運動を制御する。ここでは、操作装置として、こうした電気操作方式の操作装置4a〜4fを用いているが、油圧パイロット操作方式の操作装置を用いてもよい。また、図2に示す例では、各操作装置4a〜4fの操作手段として、何れも操作レバーを図示しているが、例えば、走行用の操作装置4e,4fの操作手段にペダルを用いる等、操作手段は、必ずしも操作レバーである必要はない。各操作装置4a〜4fには、本建設機械の安全装置に特有の手段として、それぞれ、後述する反力機構7a〜7f(図4参照)を付設している。
5aは油圧ポンプ2からブームシリンダ3aへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同シリンダ3aの運動を制御するブーム用の方向制御弁、5bは油圧ポンプ2からアームシリンダ3bへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同シリンダ3bの運動を制御するアーム用の方向制御弁、5cは油圧ポンプ2からバケットシリンダ3cへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同シリンダ3cの運動を制御するバケット用の方向制御弁、5dは油圧ポンプ2から旋回モータ3dへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同モータ3dの運動を制御する旋回用の方向制御弁、5eは油圧ポンプ2から左側の走行モータ3eへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同モータ3eの運動を制御する左走行用の方向制御弁、5fは油圧ポンプ2から右側の走行モータ3fへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて同モータ3fの運動を制御する右走行用の方向制御弁、6は圧油供給路の油圧が設定圧まで上昇したときに圧油を逃がすオーバロードリリーフ弁である。
ブーム用の方向制御弁5a、アーム用の方向制御弁5b及びバケット用の方向制御弁5cは、操作レバーの操作により左位置に切り換えられたときに、それぞれ、油圧ポンプ2からの圧油をブームシリンダ3a、アームシリンダ3b及びバケットシリンダ3cの各ロッド側に供給するとともに、これらの各ボトム側の圧油を作動油タンクに排出し、これにより、各シリンダ3a,3b,3cを縮小させることができる。また、右位置に切り換えられたときには、それぞれ、油圧ポンプ2からの圧油をブームシリンダ3a、アームシリンダ3b及びバケットシリンダ3cの各ボトム側に供給するとともに、これらのロッド側の圧油を作動油タンクに排出し、これにより、各シリンダ3a,3b,3cを伸長させることができる。その場合、操作レバーの操作量に応じて開口量を調節することにより、各シリンダ3a,3b,3cの伸縮する速度を制御することができる。
また、旋回用の方向制御弁5d、左走行用の方向制御弁5e及び右走行用の方向制御弁5fは、操作レバーの操作方向により中立位置から左右何れかの位置に切り換えられ、これにより、それぞれ、油圧ポンプ2から旋回モータ3d、左側の走行モータ3e及び右側の走行モータ3fへ供給されるの圧油の流れを切り換えてこれらの各モータ3d,3e,3fを正逆所望の方向に旋回乃至は回転させることができる。その場合、操作レバーの操作量に応じて開口量を調節することにより、各モータ3d,3e,3fの旋回速度乃至は回転速度を制御することができる。
7a,7b,7c,7d,7e,7fはそれぞれ操作装置4a,4b,4c,4d,4e,4fに付設された反力機構、8aはブーム1aの回動角度を検出するブームの角度検出器、8bはブーム1aに対するアーム1bの回動角度を検出するアームの角度検出器、8cはアーム1bに対するバケット1cの回動角度を検出するバケットの角度検出器、9は各操作装置4a〜4fの操作信号に基づいて各方向制御弁5a〜5fの信号受け部に制御信号を出力したり建設機械が障害物に近接している危険な状態にあるときに反力機構7a〜7fを作動させるための制御信号を出力したりする、後に詳述する制御ユニット、10aは上部旋回体1dの左側部に設けられ車体1Bの左方の障害物の位置を検出する左方の障害物検出器、10bは上部旋回体1dの後部に設けられ車体1Bの後方の障害物の位置を検出する後方の障害物検出器、10cは上部旋回体1dの右側部に設けられ車体1Bの右方の障害物の位置を検出する右方の障害物検出器である。
反力機構7a〜7fは、操作装置4a〜4fの操作レバーの操作時にその操作に抵抗するような力である操作反力を操作レバーに付与することができる手段である。こうした反力機構7a〜7fを操作装置4a〜4fに付設することにより、操作レバーの操作時において建設機械が障害物に近接している危険な状態にあるときに、操作レバーを操作しているオペレータの手に操作反力による抵抗感を与えて、オペレータが神経を集中させている手を通じて警告を発するようにしている。この反力機構7a〜7fは、例えば、操作レバーを傾動操作するときの操作レバーの回動支点となる関節部付近に、操作レバーを正逆何れの方向にも回動させ得る小形の電気モータを付設し、操作レバーの操作時に操作レバーの回動方向と反対方向の回動力を電気モータで付与できるようにすることにより具現することができる。
ブームの角度検出器8a、アームの角度検出器8b及びバケットの角度検出器8cは、それぞれ、ブーム1a、アーム1b及びバケット1cを回動可能に軸着しているピンに取り付けられており、フロント作業機1Aの姿勢を検出する。フロント作業機1Aの姿勢を検出するため、ここでは、角度検出器8a,8b,8cを使用してブーム1a、アーム1b及びバケット1cの回動角を検出するようにしているが、シリンダストロークの検出手段を使用してブームシリンダ3a、アームシリンダ3b及びバケットシリンダ3cのストロークを検出するようにしてもよい。
障害物検出器10a,10b,10cは、図3に示すように、運転室1fからでは看視しにくい車体1Bの左右の側方や後方に位置する油圧ショベル周辺の作業者や物体等の障害物を検出できるようにするため、上部旋回体1dの左側部、後部、右側部にそれぞれ設けており、それらの方位に位置する障害物の位置を検出する。これらの障害物検出器10a,10b,10cは、レーザを照射しながら一定の角度範囲で水平方向にスキャンしてレーザを障害物に当て、この障害物に当たって反射するレーザを受信することにより、車体1Bに対する障害物の距離と方向を検出して、車体1Bに対する障害物の相対位置を検出できるように構成されている。ここでは、障害物の検出手段としてこうしたレーザのスキャンによるものを使用しているが、障害物の検出手段は、超音波トランスポンダを用いるもの、カメラ画像を用いるもの、バンパを用いるもの等、非接触式、接触式を問わず、車体1B近辺の障害物を検出できるものであれば、その種類は限定されない。
本建設機械の安全装置では、こうした障害物検出器10a,10b,10cを用いて、建設機械が障害物に近接している危険な状態にあるか否かを判定することができるようにするため、図3に示すように、障害物検出器10a,10b,10cに対応して車体1Bの左右の側方や後方の周辺に、障害物に対する建設機械の接触の危険性がある危険範囲12a,12b,12cを予め設定している。そして、障害物検出器10a,10b,10cでの障害物の位置に係る検出結果に基づいて、障害物が危険範囲12a,12b,12cに位置しているか否かを制御ユニット9により判定する。なお、図3中の11a,11b,11cは、それぞれ、障害物検出器10a,10b,10cで障害物の位置を検出することが可能な障害物検出器の検出範囲を表す。
図4に基づき、図2の建設機械の安全装置における制御ユニット9の具体的な構造や働き等について説明する。
制御ユニット9の働きを大別して述べると、制御ユニット9は、第1に、障害物が予め設定した危険範囲12a,12b,12c内に位置するときに、反力機構7a〜7fを作動させて、操作中の操作装置4a〜4fの操作レバーに操作反力を付与するように反力機構7a〜7fを制御する反力機構7a〜7fの制御手段としての働きをする。第2に、油圧ショベルの通常運転時に、操作装置4a〜4fの操作レバーの操作信号に基づいて方向制御弁5a〜5fの信号受け部に制御信号を出力して方向制御弁5a〜5fを制御する働きをする。制御ユニット9は、主としてこうした働きをし、そのため、種々の信号が入力されるが、これらの働きのうち、第1の働きが本発明に直接関連する働きであるので、制御ユニット9の働きについては、第1の働きを中心に説明し、第2の働きについては、適宜補足的に説明する。
図4において、91はブームの角度検出器8a、アームの角度検出器8b、バケットの角度検出器8cの検出値である各角度信号α,β,γ、操作装置4a〜4fが出力する操作レバーの操作方向や操作量に係る操作信号Xa〜Xf及び障害物検出器10a,10b,10cの検出結果に係る障害物検出信号Ya,Yb,Ycが入力されこれらのアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器、92はこのAD変換器91のデジタル信号に係るデータが入力され種々の計算や判断等の演算を行う中央演算処理装置(CPU)、93は方向制御弁5a〜5fの切換や反力機構7a〜7fの作動を行わせるめの制御手順のプログラムやその制御に必要な定数等を格納しているリードオンリーメモリ(ROM)、94はAD変換器91でデジタル信号に変換された各角度信号α,β,γ、操作信号Xa〜Xf及び障害物検出信号Ya,Yb,Ycや中央演算処理装置92による演算結果及び演算途中の値等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)である。
中央演算処理装置92では、角度検出器8a,8b,8cの検出結果に係る各角度信号α,β,γに基づいてフロント作業機1Aの姿勢を演算する。また、操作装置4a〜4fが出力する操作レバーの操作方向や操作量に係る操作信号Xa〜Xfに基づいて方向制御弁5a〜5fへの制御信号を算定し、これを方向制御弁5a〜5fの左右何れかの信号受け部に送って油圧アクチュエータ3a〜3fの運動方向や運動速度を制御する。こうして油圧ショベルを通常運転するための制御を行うほか、操作装置4a〜4fが出力する操作レバーの操作方向に係る操作信号Xa〜Xfに基づいて、フロント作業機1Aや車体1Bが障害物に接近する方向に運動しているか否かを判定する。さらに、障害物検出器10a,10b,10cの検出結果に係る障害物検出信号Ya,Yb,Ycに基づいて、障害物が危険範囲12a,12b,12cに位置しているか否かを判定する。
中央演算処理装置92では、反力機構7a〜7fを作動させて操作中の操作レバーに操作反力を付与するか否かの判定を最終的に行うが、その場合、基本的には、障害物が危険範囲12a,12b,12cに位置したときに操作レバーに操作反力を付与するようにすれば、油圧ショベルが障害物に接触するのを確実に予防することができる。反力機構7a〜7fを作動させる場合、後述する図5の例では、こうしたことに加えて、車体1Bの動作(上部旋回体1dの旋回方向及び下部走行体1eの走行方向)やフロント作業機1Aの動作を考慮して、油圧ショベルが障害物に接近する方向に運動しているか否かを加味しているが、さらに、フロント作業機1Aの姿勢を加味するようにしてもよく、反力機構7a〜7fをどのような条件の下で作動させるかは、建設機械の安全性や作業効率、さらには経済性等を総合的に勘案して定めることとする。
95は中央演算処理装置による演算結果に係るデジタル信号をアナログ信号に変換して方向制御弁5a〜5f、反力機構7a〜7f及び警報音発生装置20に出力するDA変換器、96は前記のAD変換器91、中央演算処理装置92、リードオンリーメモリ93、ランダムアクセスメモリ94及びDA変換器95を設けたシングルチップマイコン、97は寸法データを含む制御パラメータ等を記憶するEEPROMやFLASHメモリ等の不揮発性メモリ、98はDA変換器95から反力機構7a〜7fへ出力されるアナログ信号を増幅して反力機構7a〜7fを作動させ得るようにするためのアンプ、20は運転室1f内に設置され警報音を発する警報音発生装置である。
設定した危険範囲12a,12b,12cに係るデータは、不揮発性メモリ97又はリードオンリーメモリ93に予め記憶しておく。この危険範囲12a,12b,12cに係るデータは、このように予め記憶しておくことは必ずしも必要でなく、入力装置を備えたモニタ装置等を車体1Bに別途搭載して、オペレータが作業現場の状況を勘案しながら任意に設定できるようにしてもよい。障害物が、設定された危険範囲12a,12b,12cに位置していると中央演算処理装置92で判定されたときには、DA変換器95から警報音発生装置20へアナログ信号が出力されるが、警報音発生装置20は、このとき出力されるアナログ信号により作動して警報音を発する。この警報音発生装置20は、危険な事態に至る前段階の事態を予告するためのものであるから、本発明の建設機械の安全装置にとって有用ではあっても不可欠のものではない。
ここに示す例では、障害物が危険範囲12a,12b,12cに侵入したか否かを判定する侵害物侵入判定部と、反力機構7a〜7fを作動させるか否かを判定して、操作反力を適時に操作手段に付与するように反力機構7a〜7fを制御する反力機構制御部とを制御ユニット9に設けている。そこで、図5に基づき、これらの侵害物侵入判定部及び反力機構制御部で行う制御の手順について説明する。
この図5に示す制御の手順は、例えば、10ミリセコンドごとにタイマの割込みにより一定周期で実施される。まず、ステップ101において、中央演算処理装置92は、ランダムアクセスメモリ94に一時記憶されている障害物検出器10a,10b,10cでの障害物の位置の検出結果に係るデータ(障害物検出信号Ya,Yb,Yc)を取り込む。次いで、このデータに基づいて、障害物が危険範囲12a,12b,12cに位置しているか否かをステップ102で判定する。その結果、障害物が危険範囲12a,12b,12cに位置していない(NO)と判定されたときには、制御の手順に関する一サイクルの周期が終了する。また、ステップ102において、障害物が危険範囲12a,12b,12cに位置している(YES)と判定されたときには、ステップ103に移行する。このステップ103では、DA変換器95を通じて警報音発生装置20へアナログ信号を出力して警報音発生装置20を作動させ、警報を発令する。
以上が制御ユニット9の侵害物侵入判定部で行う制御の手順である。次いで、ステップ104以降の反力機構制御部で行う制御の手順に移行する。まず、ステップ104において、中央演算処理装置92は、操作装置4a〜4fの操作レバーの操作方向に係る操作信号Xa〜Xfを取り込む。しかる後、ステップ105に移行し、ステップ105では、その操作レバーの操作方向に係る操作信号Xa〜Xfに基づいて、建設機械(フロント作業機1A及び車体1Bの何れか)が障害物に接近する方向に動作をしているか否かを、予め定められた方法に従って中央演算処理装置92で判定する。その結果、建設機械が障害物に接近する方向に動作をしていない(NO)と判定されたときには、制御の手順に関する一サイクルの周期が終了する。
また、障害物に接近する方向に動作をしている(YES)と判定されたときには、ステップ106において、反力機構7a〜7fで発生させる反力出力トルクを中央演算処理装置92で演算して、操作装置4a〜4fの操作レバーに付与する操作反力に係る制御信号を定める。次いで、ステップ107において、このデジタル信号としての制御信号をDA変換器95でアナログ信号に変換し、このアナログ信号をアンプ98により増幅して反力機構7a〜7fへ出力する。そうすると、反力機構7a〜7fでは、このアナログ信号に基づいて、前記反力出力トルクの演算により定められた所定の値の操作反力を発生して操作レバーに付与する。こうしてステップ107が終了すると、制御の手順に関する一サイクルの周期も終了する。
操作装置4a〜4fの操作レバーに操作反力を付与する場合、常に一定の大きさの操作反力を付与するようにしてもよいが、図5に示す例では、前記したようにステップ106で反力出力トルクを演算することにより、車体1Bと障害物間の距離に関連させて、その距離が小さくなるにつれて増大させるような操作反力を操作レバーに付与するようにしている。図6には、こうした操作反力を操作レバーに付与する場合における車体1Bと障害物間の距離Dと反力出力トルクTとの関係の一例を座標により図示している。図6において、Daは、危険範囲12a,12b,12cの境界線と車体1Bとの間の距離を表し、Tmaxは、反力機構7a〜7fで発生させる反力出力トルクTの最大値を表す。また、Dea,Debは、障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置する場合のその障害物と車体1B間の距離Dの二つの例を示すものであり、Ta,Tbは、距離Dea,Debに対応して、それぞれ、反力機構7a〜7fで発生させる反力出力トルクを表す。
ここに示す例では、図6に示すように、車体1Bと障害物間の距離Dが前記境界線と車体1Bとの間の距離Daよりも大きいときには、反力機構7a〜7fで反力出力トルクTを発生させないように設定し、車体1Bと障害物間の距離Dが前記境界線と車体1Bとの間の距離Daよりも小さくなると、その距離Dが減少するにつれて反力出力トルクTを増大させるように設定している。そして、距離Dが実質上0になったときには、反力機構7a〜7fで発生させる反力出力トルクTが最大値Tmaxになるように設定している。このように、反力機構7a〜7fは、こうした距離Dと反力出力トルクTとの関係に関する設定値に基づいて所定の操作反力が操作レバーに付与されるように制御され、この設定値は、不揮発性メモリ97又はリードオンリーメモリ93に予め記憶しておく。
車体1Bと障害物間の距離Dが小さくなるにつれて増大させるような操作反力を操作レバーに付与する場合、図6の例では、車体1Bと障害物間の距離Dが減少するにつれて反力出力トルクTを直線的に増大させるように設定しているが、反力出力トルクTを距離Dに反比例して増大させるように設定してもよく、また、指数関数により増大させるように設定してもよい。さらに、このように距離Dに応じて反力出力トルクTを増加させるように設定する場合、車体1Bの移動速度、上部旋回体1dの旋回速度及び操作装置4a〜4fの操作レバーの操作量を加味して、これらの値が大きくなるに従って反力出力トルクTをより大きくするように設定してもよい。
本建設機械の安全装置は、操作装置4a〜4fの操作レバーの操作時に操作反力を操作レバーに付与することができる反力機構7a〜7fと、障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置することを前提条件に操作反力を操作レバーに付与するように反力機構7a〜7fを制御する制御ユニット9とを設けて構成しているので、操作レバーの操作時に障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置する場合に、反力機構7a〜7fは、制御ユニット9により制御されて、適宜、操作反力を操作レバーに付与する。この操作反力は、操作レバーの操作に抵抗するような力であって、操作レバーを操作しているオペレータに抵抗感をもたらすので、オペレータは、建設機械が障害物に接触する危険性のある危険な事態の到来を実感することができる。
このように、本建設機械の安全装置では、操作レバーの操作時に危険な事態が到来したときに、操作レバーの操作行為それ自体に抵抗感をもたらして、特に、オペレータが神経を集中させている手を通じて警告を発するので、騒音が発生している状況の下で、オペレータが建設機械の操縦に専念していても、建設機械が障害物に近接している危険な状態をオペレータに確実に伝達することができる。その結果、第1従来例の技術とは異なり、オペレータによる危険回避のための建設機械の運転操作が手遅れになる危惧がなくなるとともに、第1従来例の技術や第2従来例の技術とは異なり、フロント作業機1Aや車体1Bの急停止による危険な事態の発生も極力なくすことができ、建設機械の安全性を従来の技術よりも向上させることができる。
障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置することを前提条件に反力機構7a〜7fを作動させる場合、図5の例では、特に、建設機械が障害物に接近する方向に運動しているか否かを加味して作動させるようにしているので、障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置する場合でも、建設機械が操作装置4a〜4fの操作レバーの操作により障害物に接近する方向に操縦されるという実際に危険な場合に限って、その操作レバーに操作反力が付与されることとなる。そのため、建設作業を実施するためのオペレータの運転操作を意味なく妨げることがなくなり、建設機械の安全性を向上させながらも、建設機械の作業効率の低下を防ぐことができる。
本建設機械の安全装置では、車体1Bと障害物間の距離に関連させて、その距離が小さくなるにつれて増大させるような操作反力を操作装置4a〜4fの操作レバーに付与するように、反力機構7a〜7fを制御ユニット9で制御しているので、オペレータは、建設機械が障害物に接触する危険性の度合いを、操作レバーに付与される操作反力の大きさにより瞬間的に感知することができる。そのため、オペレータは、危険回避のための準備態勢を早期に整えつつ、自主的な判断により適切なタイミングで危険回避のための建設機械の運転操作を行うことができる。
障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置することを前提条件に反力機構7a〜7fを作動させる場合に、車体1Bの中心からフロント作業機1Aの先端までのリーチ(距離)やフロント作業機1Aの先端のモーメント等を加味して、フロント作業機1Aの制動時間が長いと予想されるときには、より大きい反力出力トルクTを反力機構7a〜7fで発生させるようにすることもできる。また、障害物の検出方向に応じて異なる大きさの反力出力トルクTを反力機構7a〜7fで発生させるようにしてもよい。例えば、障害物の検出方向がオペレータの死角となりやすい運転室1fの右方や後方である場合には、オペレータが障害物を目視しやすい左方である場合よりも大きい反力出力トルクTを発生させるようにしてもよい。
操作装置4a〜4fの操作レバーに付与する操作反力は、オペレータによる操作レバーの操作に抵抗しながらも、オペレータによる操作レバーの自主的な操作を完全に妨げない程度の適度の大きさの力に設定するのが望ましい。また、操作反力の方向は、操作レバーの操作方向とは逆方向の操作レバーを中立位置に戻すような方向とし、こうした方向の操作反力を操作レバーに付与することにより、危険を回避するためのオペレータによる操作レバーの操作を補助することができる。なお、緊急時等の特別の場合には、車体1Bと障害物間の距離に係りなく反力出力トルクTを最大値Tmaxとして操作レバーを中立位置に強制的に戻すようにすることもできる。
最後に、本発明を具体化した建設機械の安全装置に関する別の例について説明する。
この例に係る建設機械の安全装置は、反力機構7a〜7fと、反力機構7a〜7fの制御手段としての制御ユニット9とを設けて構成した図2乃至図4に図示の既述の建設機械の安全装置において、操作装置4a〜4fの操作レバーに操作反力を付与する際に操作レバーを振動させるような操作反力を付与できるように、反力機構7a〜7fを制御ユニット9により制御するようにしたものである。この制御ユニット9の侵害物侵入判定部及び反力機構制御部の機能は、こうした点を除いて既述の例と基本的に変わらないので、この例に直接関係する事項を除いては説明を省略する。
本建設機械の安全装置では、中央演算処理装置92で演算した反力出力トルクTに基づいて、操作レバーに付与する操作反力に係る制御信号を、DA変換器95及びアンプ98を介して反力機構7a〜7fに出力する際に、連続的に出力させるのではなく、短い時間間隔で断続的に出力させるようにしている。そのため、図4に示したような制御ユニット9に、制御信号の信号路を所定周期で開閉することができる切替手段を設けて、制御ユニットを構成している。こうした切替手段を設けることより、反力機構7a〜7fを断続的に作動させて、操作レバーを振動させるような操作反力を操作レバーに付与することができる。
本建設機械の安全装置は、このように、操作装置4a〜4fの操作レバーを振動させるような操作反力を操作レバーに付与するように、制御ユニット9により反力機構7a〜7fを制御するので、障害物が危険範囲12a,12b,12c内に位置するときには、操作レバーを操作しているオペレータに、振動による刺激的な抵抗感を感知させて強く注意を喚起することとなる。そのため、建設機械が障害物に近接している危険な状態を建設作業中のオペレータに一層確実に伝達することができる。
本発明の建設機械の安全装置を設置するための建設機械の一例を示す斜視図である。 本発明を具体化した建設機械の安全装置に関する油圧回路図である。 図2の建設機械の安全装置を設置した建設機械により障害物の検出を実施しているときの状態を示す平面図である。 図2の建設機械の安全装置における制御ユニットの具体的な構造を示すブロック図である。 図3の制御ユニットで行われる制御の手順を説明するための流れ図である。 図3の制御ユニットに記憶されている車体と障害物間の距離と反力出力トルクとの関係に係るデータを示す図である。
符号の説明
1A フロント作業機
1B 車体
1a ブーム
1b アーム
1c バケット
1d 上部旋回体
1e 下部走行体
1f 運転室
2 油圧ポンプ
3a ブームシリンダ
3b アームシリンダ
3c バケットシリンダ
3d 旋回モータ
3e 左側の走行モータ
3f 右側の走行モータ
4a ブーム用の操作装置
4b アーム用の操作装置
4c バケット用の操作装置
4d 旋回用の操作装置
4e 左走行用の操作装置
4f 右走行用の操作装置
5a ブーム用の方向制御弁
5b アーム用の方向制御弁
5c バケット用の方向制御弁
5d 旋回用の方向制御弁
5e 左走行用の方向制御弁
5f 右走行用の方向制御弁
7a〜7f 反力機構
8a ブームの角度検出器
8b アームの角度検出器
8c バケットの角度検出器
9 制御ユニット
10a〜10c 障害物検出器
11a〜11c 障害物検出器の検出範囲
12a〜12c 危険範囲
20 警報音発生装置
α,β,γ (角度検出器8a〜8cの)角度信号
Xa〜Xf (操作装置4a〜4fの)操作信号
Ya,Yb,Yc (障害物検出器10a,10b,10cの)障害物検出信号
D 車体と障害物間の距離
Da 危険範囲の境界線と車体との間の距離
T 反力出力トルク
Tmax 反力出力トルクの最大値

Claims (4)

  1. 操作手段の操作により走行する車体とこの車体に設置され操作手段の操作により作業を行うフロント作業機とを有する建設機械に備えられ、建設機械周辺の作業者や物体等の障害物に建設機械が接触するのを予防する建設機械の安全装置であって、操作手段の操作時にその操作に抵抗するような力である操作反力を操作手段に付与することができる反力機構と、障害物が予め設定した危険領域内に位置するときに操作反力を操作手段に付与するように反力機構を制御する反力機構の制御手段とを設けて構成したことを特徴とする建設機械の安全装置。
  2. 請求項1に記載の建設機械の安全装置において、反力機構の制御手段は、障害物が予め設定した危険領域内に位置する場合において、建設機械が操作手段の操作により障害物に接近する方向に操縦されているときに、操作反力をその操作手段に付与するように反力機構を制御することを特徴とする建設機械の安全装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の建設機械の安全装置において、反力機構の制御手段は、車体と障害物間の距離に関連させてその距離が小さくなるにつれて増大させるような操作反力を操作手段に付与するように反力機構を制御することを特徴とする建設機械の安全装置。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の建設機械の安全装置において、反力機構の制御手段は、操作手段を振動させるような操作反力を操作手段に付与するように反力機構を制御することを特徴とする建設機械の安全装置。
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