JP2540420Y2 - 車両系建設機械における緊急停止装置 - Google Patents

車両系建設機械における緊急停止装置

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JP2540420Y2
JP2540420Y2 JP9865991U JP9865991U JP2540420Y2 JP 2540420 Y2 JP2540420 Y2 JP 2540420Y2 JP 9865991 U JP9865991 U JP 9865991U JP 9865991 U JP9865991 U JP 9865991U JP 2540420 Y2 JP2540420 Y2 JP 2540420Y2
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宗彦 菰池
伸行 小林
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新キャタピラー三菱株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本考案は、たとえば油圧ショ
ベルのような車両系建設機械における安全装置に関す
る。特に本考案は、建設機械の作業中に、危険区域内に
障害物が存在する場合に、この障害物を検出して作業機
を緊急停止させるための緊急停止装置に関する。
【0002】
【従来技術】 たとえば油圧ショベル等の車両系建設
機械においては、ショベルの掘削範囲内あるいは旋回範
囲内に、作業員その他の障害物が存在するかどうか、を
検出して、警報を発すると同時に、ショベル等の作業機
を緊急に停止させるための緊急停止装置を備えている。
また、このような車両に搭載した作業機に限らず、トラ
クタやドーザー等の車両は、後進中に後方の障害物を検
出するためのバックセンサを備えている。このようなト
ラクタやドーザー等も含める意味での作業機の緊急停止
装置は、作業の安全管理上きわめて重要である。
【0003】従来のこの種緊急停止装置の構成の一例
を、図1に示す。図において、車両側と車両外にある作
業者との間に安全警報装置1が設けられている。この安
全警報装置1は、車両側の超音波警報機2と作業者側の
超音波警報機3とから構成される。車両側警報機2は、
超音波を周囲に放射するスピーカー2eと、作業者側の
警報機3から発信された別の周波数の超音波を受信する
超音波センサー2dからなる。超音波センサー2dとス
ピーカー2eとは信号処理装置2bに接続される。作業
者側の警報機3は、車両側の警報機2のスピーカー2e
から放射される超音波を受信する超音波センサー3d
と、車両側警報機2からの超音波を受信したときのみ、
別の周波数で超音波を発信するスピーカー3eとからな
る。
【0004】超音波センサー3dとスピーカー3eは、
信号処理装置3bに接続される。車両側警報機2のスピ
ーカー2dが発生する超音波は、作業者側警報機3の
音波センサー3dに受けられ、作業者側警報機3の信号
処理装置3bが、スピーカー3dに別の周波数の超音波
を発生させる。同様にして、作業者側警報機3のスピー
カー3eが発生する超音波は、車両側警報機2の超音波
センサー2dに受けられる。車両側警報機2がスピーカ
ー2eによりある周波数の超音波を発信し、それから一
定時間後に作業者側警報機3から発信される別の周波数
の超音波を検出したときにのみ、作業者が存在するもの
として認識する。また、車両側警報機2から超音波を発
信した後、作業者側警報機3からの超音波を受信するま
での時間により、作業者までの距離を判断する。
【0005】車両側警報機2の信号処理表示装置2b
は、超音波センサー2dが障害物を検出したとき、その
検出信号を受けて障害物信号を信号線2fに出力する。
【0006】車両に搭載したエンジン10には該エンジ
ン10により駆動される油圧ポンプ9が設けられてい
る。さらに、油圧ポンプ9には、パイロット油圧供給用
のパイロットポンプ8が設けられる。油圧ポンプ9の吐
出圧は、作業機制御弁6を介して作業機駆動用の油圧シ
リンダ7に送られる。パイロットポンプ8からのパイロ
ット油圧は、電磁弁4および操作レバー11aにより操
作される手動制御弁11を介して作業機制御弁6のパイ
ロットポートに接続される。電磁弁4が開いているとき
は、パイロットポンプ8からのパイロット油圧は、手動
制御弁11の操作方向に応じて制御弁6を上方または下
方の作動位置に駆動する。信号線2fに出力された車体
側警報機2からの障害物信号は、電磁弁4を作動させて
該電磁弁4を閉方向に駆動する。電磁弁4が閉じたと
き、制御弁6へのパイロット油圧は遮断され、制御弁6
は中立位置に保持される。したがって、シリンダ7への
油圧の供給が断たれる。
【0007】図1に示す装置では、パイロットポンプ8
から制御弁6に至る油圧回路に、電磁弁4に加えて第2
の電磁弁5が設けられている。この電磁弁5は、電磁弁
4と同様に、信号線2fに出力された障害物信号により
閉鎖方向に駆動される。この第2の電磁弁5は、電磁弁
4による安全装置に加えて二重の安全装置として機能す
る。
【0008】図2は、図1に示す安全警報装置1を備え
たパワーショベルの例を示すものである。このパワーシ
ョベル12は、クローラ型走行装置を備えた車体12a
と、該車体に旋回可能に取り付けられた旋回塔12bと
を備え、旋回塔12bにはショベル12cが設けられて
いる。安全警報装置1の車体側警報機2は、旋回塔12
bにも取り付けられるが、図2に示すようにショベル1
2cにも数個所に取り付けられる。この車両を走行させ
たり輸送したりする場合には、ショベル12cは図2に
示すような走行または輸送姿勢に置かれる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】 図1に示す従来の障
害物検出に伴う緊急停止装置では、車両が走行姿勢また
は輸送姿勢にあるとき、作業機取り付けた車体側警報
機2が、車両の警報ホーンの警報音声の到達範囲に置か
れる。警報ホーンは音響パワーレベルが高いため、この
作業機の姿勢で警報ホーンを作動させると、作業機に取
り付けた車体側警報機が誤作動し、緊急停止装置が作動
する、という問題があった。
【0010】本考案は、従来の車両系緊急停止装置にお
ける上述の問題を解決することを目的とするもので、車
体側警報機の誤作動を防止できる緊急停止装置を提供す
ることを第一の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】 本考案は、車両に搭
載され動力駆動される作業機と、該作業機の危険範囲内
に障害物が存在することを検出する障害物検出手段と、
該障害物検出手段が障害物を検出したことを表す信号を
受けて作業機の作動を停止させる緊急停止手段とを備え
た車両系建設機械における緊急停止装置に関するもので
あるが、上記課題を解決するため、本考案では、車両に
設けられた警報ホーンの作動回路に連動して該警報ホー
ンが作動したとき警報ホーンに反応する障害物検出手段
の作動回路を遮断する検出回路遮断手段を設ける。
【0012】本考案の好ましい態様においては、検出回
路遮断手段は、作業機の姿勢に応じて作動可能とされる
ように構成される。特に、検出回路遮断手段は、作業機
が該作業機に設けられた障害物検出手段を警報ホーンの
到達領域内に置くような姿勢になったとき作動可能とさ
れるようにすることが好ましい。
【0013】
【作用および効果】 本考案の上記構成によれば、車
両の警報ホーンが作動されるとき、警報ホーンに反応す
障害物検出手段の作動回路が遮断されるので、車両を
走行中または輸送中など警報ホーン音が超音波センサー
に入り易い姿勢にした時にに警報ホーンを作動させたと
きにも障害物検出手段が誤作動する恐れがなくなる。
【0014】
【実施例】 以下、本考案の一実施例を図3について
説明する。図3において、図1の構成と対応する部分は
同一の符号を付して説明を省略する。本考案の図示実施
例においては、車体側警報機2の超音波センサー2dを
信号処理装置2dに接続する回路内に設けられた検出回
路遮断装置14を有する。この遮断装置14は常時閉の
リレー接点14aと常時開のリレー接点14bとリレー
コイル14cとからなるリレー回路として構成される。
リレーコイル14cは車両警報ホーン15の作動スイッ
チ16の回路に接続される。警報ホーン15の作動スイ
ッチ16が閉じられると、常時開のリレー接点14bが
閉じるため警報ホーン15が警報音を発生する。同時
に、常時閉のリレー接点14aが開くので、超音波セン
サー2dの信号は信号処理装置2bには伝達されない。
したがって、警報ホーン15の発生する警報音により車
体側警報機2が誤作動する恐れはない。
【0015】図3において、検出回路遮断装置14はマ
イクロコンピュピュータにより置き換えることができ
る。この場合の装置14の作動は、マイクロコンピュピ
ュータのプログラムにより達成される。その作動の一例
を、図4のフローチャートに示す。図4において、先ず
車両が走行姿勢または輸送姿勢にあるかどうか、が検出
される。この検出は、作業機12cに設けた検出スイッ
チ(図示せず)などの検出手段によればよい。車両が走
行姿勢または輸送姿勢にないときは、超音波センサー
dを信号処理装置2bに接続した状態に維持する。車両
が走行姿勢または輸送姿勢にあるときは、さらに車両の
警報ホーン15のスイッチ16が作動状態にあるかどう
か、を検出する。スイッチ16が作動状態にないとき
は、超音波センサー2dを信号処理装置2bに接続した
状態に維持する。スイッチ16が作動状態であれば、
音波センサー2dを信号処理装置2bから遮断する。
【0016】以上述べたように、本考案のこの実施例で
は、車両の警報ホーン15が作動状態のとき、あるいは
車両が走行姿勢または輸送姿勢にあって車両の警報ホー
ン15が作動させられたとき、車体側警報機2の作動が
遮断されるので、警報ホーン15の警報音により車体側
警報機2が誤作動する恐れはない。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の緊急停止装置の一例を示す概略図。
【図2】 本考案が適用されるパワーショベルの一例
を示す側面図。
【図3】 本考案の一実施例を示す緊急停止装置の概
略図。
【図4】 本考案の他の実施例における作動プログラ
ムを示すフローチャート。
【0018】
【符号の説明】
1は安全警報装置、2は車両側警報装置、3は作業者側
警報装置、4と5は電磁弁、6は制御弁、7はシリン
ダ、8はパイロットポンプ、9は油圧ポンプ、10はエ
ンジン、11は手動制御弁、12はパワーショベル、1
4は遮断装置。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され動力駆動される作業機
    と、前記作業機の危険範囲内に障害物が存在することを
    検出する障害物検出手段と、前記障害物検出手段が障害
    物を検出したことを表す信号を受けて前記作業機の作動
    を停止させる緊急停止手段とを備えた車両系建設機械に
    おける緊急停止装置において、車両に設けられた警報ホ
    ーンの作動回路に連動して前記警報ホーンが作動したと
    警報ホーンに反応する前記障害物検出手段の作動回路
    を遮断する検出回路遮断手段が設けられたことを特徴と
    する車両系建設機械における緊急停止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した車両系建設機械に
    おける緊急停止装置において、前記検出回路遮断手段
    は、前記作業機の姿勢に応じて作動可能とされるように
    なったことを特徴とする車両系建設機械における緊急停
    止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載した車両系建
    設機械における緊急停止装置において、前記検出回路遮
    断手段は、前記作業機が該作業機に設けられた前記障害
    物検出手段を前記警報ホーンの到達領域内に置くような
    姿勢になったとき作動可能とされるようになったことを
    特徴とする車両系建設機械における緊急停止装置。
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