JP2006127602A - 磁気テープ媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】テープ幅方向のトラック密度の非常に高い磁気テープ媒体において、テープ幅方向の寸法安定性が高く、オフトラック特性に優れた磁気テープ媒体を得る。
【解決手段】幅方向のトラック密度が50本/mm以上で、オフトラックマージンが5μm以下でかつ環境要因に起因する幅方向の変化量として最大許容される変化量が0.10%以下と小さい磁気テープ媒体の非磁性支持体1として、プラスチックフィルム1aの両面に、金属、半金属及び合金、並びにそれらの酸化物及び複合物から選ばれたヤング率7×10E03kg/mm2以上かつ温度膨張率18×10E−06/℃以下の材料からなる膜1bを形成したものを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、長手方向に記録再生が行われる磁気テ−プ媒体に関し、幅方向における高い寸法安定性を確保し、オフトラック特性に優れた磁気テープ媒体に関する。
近年、インターネットの普及やデジタル記録等により情報量が爆発的に増大しており、それら情報をデータとしてバックアップしておくための記録媒体はさらなる高容量化、高密度化の方向に向かっている。このバックアップ用記録媒体として、巻かれた状態でカートリッジに収納されるテープ媒体においては、高容量化のために磁気抵抗型ヘッドを多数配した固定ヘッドを用い、テープの長手方向に記録再生が行われるリニア記録方式のシステムが実用化されている。さらなる高容量化に向けて、磁性記録層の厚みを薄くし短波長記録を行う、テープ幅方向のトラック密度を上げる、テープの厚み自体を薄くし1巻あたりの長さを長くする、などの方策が取られている。また、ヘッドを多数配すること、テープとヘッド間の相対速度を上げることなどにより、データの転送速度を上げることも行われている。
これらの方策において、磁性記録層の厚みを薄くし短波長記録を行うと、磁性記録層とヘッドとのわずかなスペーシングにより出力が小さくなってしまったり、多数回走行時に走行耐久性が劣化してしまったりするなどの問題があり、種々の検討が行われている。また、テープ幅方向のトラック密度を上げると、テープの高速走行時の幅方向の変動や環境要因によるテープ自体の寸法変化により、本来磁気ヘッドが読み取るべきテープ位置にトラックが存在しないもしくはトラックがずれるなどのいわゆるオフトラックが発生してしまう。この問題は走行性が不安定になり、さらに環境要因によるテープ自体の変化も大きくなる薄膜媒体には特に顕著である。このオフトラックを回避するために、テープにサーボ信号を記録し、正しいトラッキングを取る方法が提案されている。このサーボ方式にはテープ磁性層側もしくはバック層側に磁気的ないし光学的にサーボ信号を記録する方式などがある。
テープ幅方向でオフトラックが起こる要因のひとつであるテープ走行中の幅方向の変動については、テープエッジの波打ちを改良する方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、もうひとつの環境要因によるテープ自体の寸法変化を小さくする方法として、テープもしくは非磁性支持体の温度・湿度膨張係数を小さくする方法などが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。ところが、幅方向のトラック密度が比較的低く、許容されるオフトラック量(=((記録トラック幅)−(再生トラック幅))/2、以下オフトラックマージンという。)が十分大きい場合は、実環境上さほど問題とはならず、それは走行中の幅方向の変動が比較的大きい場合でも同様であった。
特開2003−132526号公報 特開平11−250449号公報
しかしながら、テープ幅方向のトラック密度が非常に高く、そのトラック密度が50本/mm以上で、オフトラックマージンが5μm以下かつ、温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因するテープ自体の幅方向の寸法変化量として最大許容される変化量が0.10%以下と小さい場合には、オフトラックが生じやすくなってしまうことが判明した。
すなわち、テープ幅方向のトラック密度が上がりトラック幅が狭くなると、走行中の幅方向の変動の割合がさほど変わらなかったとしても、温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因するテープ自体の寸法変化量として最大許容される変化量がますます小さくなってくる。また、このようなテープ媒体は同一記録再生装置(以下、ドライブという。)でのみ使用されるわけではなく、時にはいくつかのドライブで記録再生が行われるためドライブ間の磁気ヘッド間隔もわずかに異なり、この差異もオフトラックマージンの中に加味する必要がある。このような状況になると、わずかな幅方向の寸法変化でも再生出力の低下やオフトラックを引き起こしてしまいやすくなる。
本発明は、以上の問題に対処してなされたもので、テープ幅方向のトラック密度が非常に高く、そのトラック密度が50本/mm以上で、オフトラックマージンが5μm以下かつ、温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因するテープ自体の幅方向の寸法変化量として最大許容される変化量が0.10%以下と小さい場合であってもオフトラックが少ない安定した記録再生特性を確保できる磁気テープ媒体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、非磁性支持体の一方の面に、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性分散液を塗布してなる0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有し、前記非磁性支持体の他方の面に、無機顔料を結合剤中に分散させた分散液を塗布してなるバック層を有し、前記磁性層とバック層の少なくとも一方にトラッキング制御のためのサーボ信号が記録されており、幅方向のトラック密度が50本/mm以上で、記録トラック幅と再生トラック幅の差の1/2で表されるオフトラックマージンが5μm以下で、かつ環境要因に起因する幅方向の寸法変化量として最大許容される変化量が0.10%以下である厚さ3.0〜9.5μmの磁気テープ媒体において、前記非磁性支持体が、両面にヤング率が7×10E03kg/mm2以上で温度膨張率が18×10E−06/℃以下の金属、半金属及び合金、並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた材料からなる膜が形成されてなることを特徴とする。
本発明においては、非磁性支持体の両面に形成されたヤング率が7×10E03kg/mm2以上で温度膨張率が18×10E−06/℃以下の材料からなる膜が、温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因する非磁性支持体の幅方向の寸法変化を有効に抑えることができ、テープ幅方向のトラック密度が非常に高く、テープ自体として最大許容される変化量が小さい場合であっても、オフトラックが少ない安定した記録再生特性を有する磁気テープ媒体を得ることが可能となる。
また、ヤング率が7×10E03kg/mm2以上で温度膨張率が18×10E−06/℃以下の材料からなる膜を設けることにより、非磁性支持体として長手方向のヤング率が500kg/mm2以上で、幅方向のヤング率が400kg/mm2以上のプラスチックフィルムを用いることが可能となる。
なお、上記効果を有するためには、前記材料からなる膜の厚さを10nm以上とすることが好ましい。
本発明によれば、非磁性支持体として、両面に金属、半金属及び合金、並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた材料からなる膜を設けたものを用い、この材料からなる膜のヤング率を7×10E03kg/mm2以上かつ温度膨張率を18×10E−06/℃以下とすることにより、幅方向のトラック密度が非常に高くても、環境要因に起因する幅方向の寸法変化を小さく抑え、オフトラックが少ない安定した記録再生特性を有する磁気テープ媒体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の一実施の形態の磁気テープ媒体の断面構成を図1に示す。本実施の形態は、幅方向のトラック密度が50本/mm以上で、オフトラックマージンA(A=((記録トラック幅)−(再生トラック幅))/2)が5μm以下でかつ温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因する幅方向の変化量として最大許容される変化量が0.10%以下と小さい磁気テープ媒体であって、図1に示すように、非磁性支持体1が、プラスチックフィルム1aの両面に、金属、半金属及び合金、並びにそれらの酸化物及び複合物から選ばれた材料からなるヤング率7×10E03kg/mm2以上かつ温度膨張率18×10E−06/℃以下の膜1bが形成されてなり、この非磁性支持体1の一方の面に、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性分散液を塗布してなる0.3μm以下の磁性層3を有し、非磁性支持体1の他方の面に、無機顔料を結合剤に分散させた分散液を塗布してなるバック層5を有している。そして、その磁性層3かバック層5のどちらかもしくは両方にトラッキング制御用のためのサーボ信号が磁気的ないし光学的に記録されている。
上記磁気テープ媒体は、3.0〜9.5μmの厚さに設定される。テープ媒体の厚みが3.0μm未満となると、ドライブ走行時に幅方向の変動が大きくなり走行不安定になるばかりか、長手方向にテンションがかかった際にポアソン比の効果で起こる幅方向の寸法変化量や長時間にわたり長手方向にテンションがかかった状態でのクリープ変化量が非常に大きくなってしまう。また、テープ媒体の厚みが9.5μmを超えると、カートリッジ1巻あたりに巻くことのできるテープ長さが短くなり高容量化自体が図れない。
本実施の形態において、非磁性支持体1を構成するプラスチックフィルム1aとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられるが、生産性が高いこと、比較的安価であることからポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系プラスチックフィルムが特に好ましい。
また、これらのフィルムは単層構造でも多層構造でも良く、接着性の向上などを目的に、表面にコロナ放電処理や電子線照射処理、易接着層形成等、表面処理をしていても良く、湿度膨張係数の低減を目的に表面に撥水処理をしていても良い。
また、表面性の制御、走行安定性などの目的で、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミ、ポリスチレン等の無機、有機フィラーを内添させても良い。表面粗さRaとしては、磁性層塗布面では0.5〜8nmが好ましく、0.5〜6nmが特に好ましい。表面粗さが0.5nmよりも小さくなると、テープ製造時にガイドロールとの摩擦が非常に高くなり、走行が不安定になるため好ましくない。逆に、8nmよりも大きくなると、磁性層塗布後のテープ表面粗さが大きくなり、ヘッドとのスペーシングロスが大きくなるため好ましくない。一方、バック層塗布面の表面粗さRaは4〜25nmが好ましく、5〜15nmが特に好ましい。表面粗さが4nmよりも小さいと、磁性層塗布面と同様に工程上走行不安定になるため好ましくない。逆に、25nmよりも大きくなると、バック層塗布後のテープ表面粗さが大きくなり、工程上巻かれて保存された場合やカートリッジで巻かれて保存された場合などにバック層の粗さが磁性層に転写し、結果磁性層の粗さが大きくなりスペーシングロスとなるため好ましくない。
プラスチックフィルム1aの厚みとしては、2.0〜8.0μmが好ましく、3.0〜6.0μmが特に好ましい。フィルムが2.0μmよりも薄くなると、製膜自体が困難になるばかりか、強度が非常に低下し走行耐久性が落ちたり、長手方向にかかるテンション変化による幅の変化が大きくなったり、クリープ特性が悪くなったりする。逆に、8.0μmよりも厚くなると、磁気テープ自体の厚みが大きくなり、カートリッジ1巻あたりに巻くことができるテープ長さが短くなるため、高容量化の妨げとなる。
プラスチックフィルム1aの長手方向のヤング率としては、500kg/mm2以上が好ましく、600kg/mm2以上が特に好ましい。500kg/mm2未満だと磁気テープ自体の強度が弱くなり、繰り返し走行による走行耐久性が悪くなるなど、好ましくない。また、幅方向のヤング率としては、400kg/mm2以上が好ましく、600kg/mm2以上が特に好ましく、650kg/mm2以上がいっそう好ましい。400kg/mm2未満だと磁気テープ自体の温湿度膨張係数が大きくなるなど、好ましくない。
さらに、プラスチックフィルム1aの両面に設ける膜1bの材料としては、例えばCu、Ni、Ti等の金属、Cu−Zn等の合金、Al、SiO、TiO等の酸化物など、ヤング率が7×10E03kg/mm2以上かつ温度膨張率が18×10E−06/℃以下であれば何ら限定されるものではない。また、これらの材料からなる膜1bはスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の従来公知の方法で形成することができる。酸化物については、成膜時に所定の酸素ガスを導入するなどによって形成することができる。
それぞれの面に設ける膜1bの厚みは10nm以上であることが好ましい。膜厚が10nm未満であると、プラスチックフィルム1a自体の凹凸により完全に被覆されない部分ができ、その部分から容易に水分が浸入し、湿度膨張係数が大きくなってしまったり、プラスチックフィルム1aの膨張を妨げる効果も非常に小さくなってしまったりするばかりか、工程内の走行中に膜がはがれやすくなり、ドロップアウトを引き起こすなど好ましくない。また、バック層側に設ける膜の厚みは、磁性層側に設ける膜の厚みを1とした時、0.5〜1.5が好ましく、0.8〜1.2が特に好ましい。この値が0.5未満もしくは1.5を超えた値となると、非磁性支持体1自体のカールがひどくなり、工程のハンドリング上不都合になったり、磁気テープとしてのカッピング、カールがひどくなったりするため好ましくない。
本発明における磁気テープ媒体には、図1に示すように、上記非磁性支持体1と磁性層3との間及びバック層5との間に各種無機粉末と結合剤等からなる非磁性中間層7が設けられていても良い。特に非磁性支持体1と磁性層3の間の非磁性中間層7は磁性層3の安定塗布、走行耐久性の強化等の目的のため、0.2〜2.5μmの厚みで設けることが好ましい。膜厚が0.2μm未満だと磁性層の安定塗布が難しくなり、2.5μmよりも厚くなると磁気テープ自体の厚みが大きくなり、カートリッジ1巻あたりに巻くことができるテープ長さが短くなるため、高容量化の妨げとなる。
次に、磁性層3について説明する。磁性層3としては膜厚は0.3μm以下に形成される。磁性層3を0.3μm以上にすると、高密度化のための短波長記録の妨げとなるためである。
磁性層3に混入される磁性粉末、結合剤、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、潤滑剤等、及びこれら磁性分散液を調整するために使用される溶剤は、従来公知のものがいずれも使用可能で何ら限定されるものではない。例えば、磁性粉末としては、強磁性鉄粉末、強磁性鉄-コバルト粉末、強磁性酸化鉄粉末、強磁性二酸化クロム粉末、強磁性合金粉末、六方晶バリウムフェライト粉末等が挙げられる。
また、結合剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒト樹脂またはこれらの混合物などが挙げられる。中でも、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂それぞれ単独もしくは、これらの混合で用いるのが好ましい。また、これらはイソシアネート化合物を架橋剤として用い、より耐久性を向上させたりしても良い。さらに、磁性層中の結合剤量としては、磁性粉末100重量部に対し、10〜50重量部であることが好ましい。
研磨剤としては、例えば、アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。磁性層中の研磨剤量としては、磁性粉末100重量部に対し、2〜40重量部用いることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。
帯電防止剤としては、例えばカーボンブラックが一般的に挙げられる。カーボンブラックは帯電防止剤としてのみではなく、走行耐久性の向上にも有益であり、磁性粉末100重量部に対し、0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜15重量部の量で混入させることが好ましい。その平均粒径は5〜500nm程度まで様々であるが、好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmであるものを単独、複数組み合わせて用いることが好ましい。具体的には、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等、公知のものが単独、複数使用可能である。
潤滑剤としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の高級脂肪酸、これら脂肪酸の脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等が挙げられる。中でも、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドをそれぞれ組み合わせて用いるのが好ましい。添加量としては、磁性粉末100重量部に対し、脂肪酸を0.1〜3重量部、脂肪酸エステルを0.1〜3重量部、脂肪酸アミドを0.1〜1.5重量部とするのが好ましい。
さらに、磁性分散液を調整するための溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
次に、上述した磁性層3の安定塗布、走行耐久性の強化等の目的で形成する非磁性中間層7ついて説明する。なお、この非磁性中間層7は原則として非磁性であることが好ましいが、磁性層3に影響を与えない程度であれば、磁性粉末を少量混入しても問題ない。
非磁性中間層7に混入される非磁性無機粉末、結合剤、及び必要に応じて使用される分散剤、帯電防止剤、防錆剤、潤滑剤等、及びこれら非磁性分散液を調整するために使用される溶剤は、従来公知のものがいずれも使用可能で何ら限定されるものではない。
非磁性無機粉末としては、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、カーボンブラック、α-酸化鉄、炭酸カルシウム、酸化クロム等が挙げられる。これら粉末の形状は何ら限定されるものではないが、テープの温湿度膨張係数の低減のために板状もしくは針状が好ましい。中でも、テープ剛性の制御や走行耐久性の強化のために、α-酸化鉄とアルミナを組み合わせて用いるのが好ましく、帯電防止効果もあるカーボンブラックを併用することがより好ましい。
結合剤としては、例えば、磁性層用結合剤として上述した結合剤などが挙げられる。中でも、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂それぞれ単独もしくは、これらの混合で用いるのが好ましい。また、これらはイソシアネートを架橋剤として用い、より耐久性を向上させたりしても良い。さらに、非磁性中間層中の結合剤量としては、非磁性無機粉末100重量部に対し、10〜50重量部であることが好ましい。
潤滑剤としては、例えば、磁性層用潤滑剤として上述した潤滑剤などが挙げられる。中でも、脂肪酸、脂肪酸エステルを組み合わせて用いるのが好ましい。添加量としては、非磁性無機粉末100重量部に対し、脂肪酸、脂肪酸エステルそれぞれ0.1〜3重量部とするのが好ましい。同様に、非磁性分散液を調整するための溶剤としては、磁性分散液を調整するための溶剤として上述したものなどが挙げられる。
次に、バック層5について説明する。バック層5は0.1〜1.5μmの厚さで形成することが好ましい。0.1μm未満の場合、バック層強度が十分に上がらず、ひいては磁気テープの強度が上がらないため、幅方向の温度膨張係数、湿度膨張係数が大きくなるばかりか、長手方向にかかるテンションでの幅変化も大きくなり、1N荷重下のクリープ変化量も大きくなってしまう。逆に1.5μmよりも厚くなると、磁気テープ自体の厚みが大きくなり、高容量化の妨げとなる。
このバック層5に混入される無機粉末、結合剤、及び必要に応じて使用される分散剤、潤滑剤等、及びこれらバック分散液を調整するために使用される溶剤は、従来公知のものがいずれも使用可能で何ら限定されることがない。無機粉末については、バック層の特に幅方向の高強度化の目的で板状もしくは針状の無機粉末を含有させるのが好ましい。
板状無機粉末としては、例えば、天然物としては雲母、カオリン等、また合成物としては硫酸バリウム、酸化鉄等が挙げられる。板状無機粉末の平均粒子径(板面方向)は0.15〜2.0μmが好ましく、平均厚みは0.005〜0.1μmが好ましい。針状無機粉末としては、例えば酸化鉄等が挙げられる。針状無機粉末の長軸長は0.08〜0.8μmが好ましく、短軸長は0.005〜0.05μmが好ましい。
また、バック層5には板状もしくは針状無機粉末の他に、帯電防止のため、カーボンブラックを添加することが好ましい。その平均粒径は5〜500nm程度まで様々であるが、好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmであるものを単独、複数組み合わせて用いることが好ましい。具体的には、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等、公知のものが単独、複数使用可能である。さらに、同様の目的で板状もしくは針状無機粉末にカーボンブラックが表面処理され、被覆されていても良い。
また、繰り返し走行におけるバック層5の表面変化を防ぐためであったり、バック層5に特に光学的にサーボ信号を記録する際の信号の制御のためであったりする目的で、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化クロム等の無機粉末を混入させても良い。
結合剤としては、例えば、磁性層用結合剤、非磁性中間層用として上述した結合剤などが挙げられる。中でも、ポリウレタン樹脂とセルロース系樹脂との混合で用いるのが好ましい。また、これらはイソシアネートを架橋剤として用い、より耐久性を向上させたりしても良い。さらに、バック層中の結合剤量としては、バック層無機粉末100重量部に対し、20〜150重量部であることが好ましい。同様に、バック層分散液を調整するための溶剤としては、磁性分散液、非磁性分散液を調整するための溶剤として上述したものなどが挙げられる。
上述した磁性粉末と結合剤等、非磁性無機粉末と結合剤等、バック層用無機粉末と結合剤等による塗料の調整については、従来公知の方法で行うことができるが、例えば、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ニーダー、加圧ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、ディスパー、超音波分散機等を用いることができる。このうち、ニーダーなどの混練を目的とする調整、サンドミルなどの分散を目的とする調整を組み合わせて用いることが好ましい。
非磁性支持体1上に磁性分散液ならびに必要であればそれらの間に非磁性分散液を、同時にもしくは逐次に形成する手法としては、ブレードコート、グラビアコート、ダイコート等従来公知の手法を用いることができる。バック層分散液も同様である。さらに、非磁性支持体1上への塗布は、磁性層側とバック層側のどちらを先に行っても良く、同時に行っても良い。
また、湿度膨張係数の低減を目的にテープエッジに撥水効果が施されていても良い。エッジに撥水効果を施す方法としては、スリッティング時にスリッターのナイフに撥水剤を供給する方法や、スリッティング後のテープ媒体のエッジに撥水剤を染み込ませた織布などをあてる方法などが挙げられる。撥水剤としては、パーフルオロポリエーテルとカルボン酸のエステル化合物、カルボン酸パーフルオロアルキルエステル、含フッ素アルキルコハク酸エステル等が挙げられる。
上記磁気テープ媒体において、非磁性支持体1としてプラスチックフィルム1aの両面に金属、半金属及び合金、並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた材料からなる膜1bを設けることで、磁気テープの厚みの大部分を占めるプラスチックフィルム1aに侵入し膨張を引き起こす原因となる水分を遮断することになるばかりか、何ら遮断されていないテープエッジ部分などからわずかながら水分が浸入し、プラスチックフィルム1aの膨張を引き起こしたとしても、両面に設けた上記材料からなる膜1bが非磁性支持体の膨張を妨げ、幅方向の湿度膨張係数の低減が図られる。このような膜が無いと、高湿度下で容易に水分が侵入してテープが膨張してしまうため、オフトラックマージンが小さく環境要因に起因する変化量として最大許容される変化量が小さい場合には、オフトラックを引き起こす。この上記材料からなる膜は片面にだけ設けても、もう一方の面からは容易に水分が浸入し、非磁性支持体の膨張を引き起こすばかりか、磁気テープのカール、カッピングが大きくなるなど効果はほとんど無い。
上記非磁性支持体1において、上記材料からなる膜1bのヤング率は7×10E03kg/mm2以上にする必要がある。ヤング率が7×10E03kg/mm2以上であれば、水分の浸入後の非磁性支持体の膨張を妨げる効果が大きくなり、逆にヤング率が7×10E03kg/mm2未満であると、その効果が薄れ、オフトラックマージンが小さく環境要因に起因する変化量として最大許容される変化量が小さい場合には、オフトラックを引き起こす。
さらに、上記材料からなる膜1bのヤング率を7×10E03kg/mm2以上とすることで、長手方向にテンションがかかった際にポアソン比の効果で起こる幅方向の寸法変化量が小さくなり、長時間にわたり長手方向にテンションがかかった状態でのクリープ変化量も小さくすることができる。
また、上記材料からなる膜1bの温度膨張係数は18×10E−06/℃以下にする必要がある。これは、温度変化があるとプラスチックフィルム1aも変形してしまうが、上記材料からなる膜1bの温度膨張係数を18×10E−06/℃以下とすることで非磁性支持体1の変形を妨げることができ、幅方向の温度膨張を抑制することができるからである。
以上のように、本実施の形態においては、非磁性支持体となるプラスチックフィルムの両面に上記材料からなる膜を設け、この上記材料からなる膜のヤング率を7×10E03kg/mm2以上かつ温度膨張率を18×10E−06/℃以下とすることで、温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因するテープ自体の幅方向の寸法変化量を全体的に小さくすることができ、テープ幅方向のトラック密度が非常に高く、テープ自体として最大許容される変化量が小さい場合であっても、オフトラックが少ない安定した記録再生特性を確保することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
まず、以下に示すように非磁性支持体としてポリエチレンテレフタレート(PET)の両面に、片面あたり600Å(60nm)の厚みになるように、Cu膜を真空蒸着法により形成した。
[非磁性支持体]
・PET(厚さ:6.0μm、ヤング率:長手方向(MD)/幅方向(TD)=650/500kg/mm2
・Cu膜(膜厚:600Å(60nm))
次に、下記の組成にしたがって磁性層、非磁性中間層、バック層を形成するための分散液組成物を調整した。
[磁性分散液]
{磁性粉末}
・鉄-コバルト合金系メタル強磁性粉末(平均長軸長:0.1μm)/100重量部
{結合剤}
・ポリエステル系ポリウレタン樹脂(量平均分子量:41200)/8重量部
・塩化ビニル系共重合体(平均重合度:350)/10重量部
{研磨剤}
・α-アルミナ(平均粒径:80nm)/20重量部
{帯電防止剤}
・カーボンブラック(平均粒径:20nm)/3重量部
{潤滑剤}
・ステアリン酸/1重量部
・ステアリン酸ブチル/2重量部
・ステアリン酸アミド/0.3重量部
{溶剤}
・メチルエチルケトン/20重量部
・トルエン/20重量部
・シクロヘキサノン/10重量部
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)を4重量部添加し、攪拌後これを磁性分散液とした。
[非磁性分散液]
{非磁性無機粉末}
・針状α-酸化鉄(平均長軸長:0.15μm)/100重量部
・α-アルミナ(平均粒径70nm)/6重量部
{結合剤}
・ポリエステル系ポリウレタン樹脂(量平均分子量:41200)/8重量部
・塩化ビニル系共重合体(平均重合度:300)/8重量部
{帯電防止剤}
・カーボンブラック(平均粒径:20nm)/20重量部
{潤滑剤}
・ステアリン酸/1重量部
・ステアリン酸ブチル/2重量部
{溶剤}
・メチルエチルケトン/70重量部
・トルエン/70重量部
・シクロヘキサノン/40重量部
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)を3重量部添加し、攪拌後これを非磁性分散液とした。
[バック層分散液]
{無機粉末}
・カーボンブラック(平均粒径:20nm)/100重量部
・カーボンブラック(平均粒径:70nm)/15重量部
・板状α-酸化鉄(平均粒径:0.9μm、平均厚み:0.015μm)/15重量部
・酸化チタン(平均粒径:100nm)/1重量部
{結合剤}
・ポリエステル系ポリウレタン樹脂(量平均分子量:71200)/25重量部
・ニトロセルロース樹脂(平均重合度:90)/25重量部
{溶剤}
・メチルエチルケトン/200重量部
・トルエン/200重量部
・シクロヘキサノン/50重量部
以上の材料を混合した後、サンドミル分散し、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)を10重量部添加し、攪拌後これをバック層分散液とした。
次に、上記両面にCuを真空蒸着した非磁性支持体上に非磁性分散液、磁性分散液の順で、乾燥厚みがそれぞれ1.4μm、0.1μmとなるように同時にダイコーティングした後、磁場配向処理、乾燥処理を施しロールとして巻き取った。その後、上記バック層用分散液をもう一方の面に乾燥厚みで0.5μmとなるようにダイコーティングした後、乾燥処理を施しロールとして巻き取った。そして、カレンダー処理、硬化処理を施した後、1/2インチ幅になるようにスリッティングを行い、巻き取ってサンプルとした。
<実施例2>
非磁性支持体としてヤング率その他は同じで厚みが5.0μmのPETの両面にCuを真空蒸着したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<実施例3>
非磁性支持体としてヤング率その他は同じで厚みが4.3μmのPETの両面にCuを真空蒸着したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<実施例4>
非磁性支持体としてヤング率その他は同じで厚みが4.3μmのPETの両面にCuを真空蒸着したものを用い、非磁性中間層の乾燥厚みを0.7μmにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<実施例5>
非磁性支持体としてPETの代わりに下記のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
[非磁性支持体]
・PEN(厚さ:4.3μm、ヤング率:長手方向(MD)/幅方向(TD)=800/650kg/mm2
・Cu膜(膜厚:600Å(60nm))
<実施例6>
非磁性支持体の両面に設ける膜の材料をAlにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<実施例7>
非磁性支持体としてヤング率その他は同じで厚みが5.0μmのPETを用い、両面に設ける膜の材料をAlにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<実施例8>
非磁性支持体の両面に設ける膜の材料をSiOにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<比較例1>
非磁性支持体のいずれの面にも上記材料からなる膜を設けなかった以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<比較例2>
非磁性支持体のバック層塗布面にのみCuを600Å(60nm)の厚みで真空蒸着した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<比較例3>
非磁性支持体の両面に設ける膜の材料をAlにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<比較例4>
非磁性支持体の両面に設ける膜の材料をAgにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
<比較例5>
非磁性支持体の両面に設ける膜の材料をSnにした以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。
上記実施例、比較例における非磁性支持体の上記材料からなる膜、並びに得られた磁気テープに関して各種特性を以下のように測定した。
[ヤング率の測定]
上記材料からなる膜を設ける前のプラスチックフィルムを(長手方向)×(幅方向)を100mm×6mmの大きさで切り出し、レオメトリック社製RSA−IIを用いて、ヤング率を測定した。引き続き、上記材料からなる膜を設けた後の非磁性支持体を同様の大きさに切り出し、ヤング率を測定し、差し引くことで上記材料のヤング率を求めた。
[温度膨張率の測定]
用いる金属材料の薄片を作製し、10mm×20mmの大きさに切り出し、キーエンス社製レーザースキャンマイクロメーター(LSM)を組み込んだ自作の装置を用い、環境制御できるチャンバーの中に入れ、湿度50%RH一定環境下で温度を10℃〜45℃まで変化させて薄片の寸法変化を測定し、以下の式より温度膨張率を求めた。
温度膨張率=(薄片幅変化/初期薄片幅)/温度変化
[幅方向変化量の測定]
温湿度変化、テンション変化、クリープなどの環境要因に起因する幅方向の寸法変化を以下のように測定した。
1/2インチ幅の磁気テープを250mmの長さに切り出したサンプルを用いた。測定装置は上記キーエンス社製レーザースキャンマイクロメーター(LSM)を組み込んだ自作の装置を用い、サンプルをセットした装置を環境制御ができるチャンバーの中に入れ、幅変化を測定した。まず、サンプルの長手方向に0.6Nのテンションをかけて29℃50%RH〜45℃80%RH〜10℃10%RH〜29℃50%RHの順に15時間かけて環境を変化させ、続けてその後長手方向にかけるテンションを1.0Nに変化させ、同様の環境サイクルでテープ幅変化を測定し、最も小さいテープ幅を規準に最も大きいテープ幅の変化量を求めた。
[同一ドライブにおける出力低下の測定]
市販のLTOドライブを改造したものを測定装置として用いた。まず、45℃80%RH一定環境下において0.6Nのテンションをかけて記録を行い、記録後すぐにこの環境下で再生したときの出力を基準にして、環境を10℃/10%RHに変化させ、1Nのテンションで30時間保持した後、さらに再生した出力の低下を求めた。なお、トラック密度は70本/mmで記録トラック幅=12μm、再生トラック幅=6μm、すなわちオフトラックマージンA=3μmの条件で測定を行った。磁気ヘッドの材質はAlTiC(温度膨張係数7.0×10E−06/℃)であった。
[別ドライブにおける出力低下の測定]
上記ドライブにおいて、同様に45℃80%RH一定環境下において0.6Nのテンションをかけて記録を行い、記録後すぐにこの環境下で再生したときの出力を基準にして、上記ドライブと同仕様であるもうひとつのドライブを用い、10℃10%RH一定環境下において、1Nのテンションで30時間保持した後、再生した出力の低下を求めた。なお、この別ドライブは上記ドライブに比べて、再生ヘッドの間隔が1.0μm広いものであった。
実施例及び比較例についての測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2006127602
表1より、非磁性支持体の両面に上記材料からなる膜を設け、その上記材料からなる膜のヤング率、温度膨張率が本発明で規定している範囲に入る実施例1〜8は、環境要因に起因するテープ幅方向の変化量が十分小さく、同一ドライブ内での出力低下が無く、別ドライブでの出力低下も小さい良好な結果が得られた。
上記材料からなる膜を全く設けていないかもしくは片面にしか設けていない比較例1、2、両面に設けているが、その上記材料の温度膨張率が本発明で規定している範囲から外れている比較例3、4、ヤング率、温度膨張率が本発明で規定している範囲から外れている比較例5はそれぞれテープ幅変化量が大きくなり、大きな出力低下が見られた。
本発明の磁気テープ媒体の一実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
1‥‥非磁性支持体、1a‥‥プラスチックフィルム、1b‥‥膜、3‥‥磁性層、5‥‥バック層、7‥‥非磁性中間層

Claims (3)

  1. 非磁性支持体の一方の面に、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性分散液を塗布してなる0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有し、前記非磁性支持体の他方の面に、無機顔料を結合剤中に分散させた分散液を塗布してなるバック層を有し、前記磁性層とバック層の少なくとも一方にトラッキング制御のためのサーボ信号が記録されており、幅方向のトラック密度が50本/mm以上で、記録トラック幅と再生トラック幅の差の1/2で表されるオフトラックマージンが5μm以下で、かつ環境要因に起因する幅方向の寸法変化量として最大許容される変化量が0.10%以下である厚さ3.0〜9.5μmの磁気テープ媒体において、前記非磁性支持体が、プラスチックフィルムの両面にヤング率が7×10E03kg/mm2以上で温度膨張率が18×10E−06/℃以下の金属、半金属及び合金、並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた材料からなる膜が形成されてなることを特徴とする磁気テープ媒体。
  2. 前記材料からなる膜の厚さが10nm以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気テープ媒体。
  3. 前記プラスチックフィルムは、長手方向のヤング率が500kg/mm2以上であり、幅方向のヤング率が400kg/mm2以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気テープ媒体。

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