JP2006106677A - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006106677A
JP2006106677A JP2005152490A JP2005152490A JP2006106677A JP 2006106677 A JP2006106677 A JP 2006106677A JP 2005152490 A JP2005152490 A JP 2005152490A JP 2005152490 A JP2005152490 A JP 2005152490A JP 2006106677 A JP2006106677 A JP 2006106677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
charge transport
photosensitive member
surface layer
electrophotographic photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005152490A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4455404B2 (ja
Inventor
Yuka Ishizuka
由香 石塚
Masato Tanaka
正人 田中
Masaki Nonaka
正樹 野中
Junji Fujii
淳史 藤井
Masataka Kawahara
正隆 川原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2005152490A priority Critical patent/JP4455404B2/ja
Publication of JP2006106677A publication Critical patent/JP2006106677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4455404B2 publication Critical patent/JP4455404B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱する場合であっても、特に80℃以上の温度で加熱する場合であっても、電子写真感光体の表面に粗れが生じにくい電子写真感光体の製造方法を提供する。
【解決手段】 結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層105に含有される電荷輸送物質のうち最も融点が低い電荷輸送物質の融点Tm[℃]と、電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層105に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)とが、下記式(1)で示される関係を満たす。
Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法および電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、有機光導電性物質を含有する感光層を有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)が広く用いられている。
有機電子写真感光体においては、電子写真感光体の高耐久化および出力画像の高画質化の双方を満足させるために、感光層として電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離したもの(積層型感光層)が採用されることが多く、また、電荷発生層よりも耐久性に優れた材料選択を行いやすい電荷輸送層を電子写真感光体の表面側の層とすることが多い。
電荷輸送層は、主に結着樹脂および電荷輸送物質で構成されている。
電子写真感光体の高耐久化を図る方法の1つとして、電子写真感光体の表面層となる電荷輸送層中の結着樹脂の比率を高める手法が挙げられる。しかしながら、電荷輸送層中の結着樹脂の比率を高め、一方で、電荷輸送層中の電荷輸送物質の比率を低めることは、一般的に、出力画像の画質に悪影響を与えることになるから、電荷輸送層中の結着樹脂の比率を高めることには限界がある。
電子写真感光体の高耐久化および出力画像の高画質化を高次元で両立させる技術の1つとして、従来の電荷輸送層の上に、電子写真感光体の表面の保護を目的とした保護層を設ける技術が知られている。
保護層を従来の電荷輸送層上に設け、これを電子写真感光体の表面層とすることにより、繰り返し使用による電子写真感光体の表面の摩耗や傷発生を抑制することができる。
保護層としては、熱可塑性樹脂よりも機械的強度の高い硬化性樹脂を結着樹脂として用いたものが、電子写真感光体の耐久性向上の観点から優れている。
硬化性樹脂は、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーがエネルギーを受けることによって、該重合性官能基が重合反応および/または架橋反応を起こし、もって硬化するという材料である。
重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーに与えるエネルギーとしては、光や熱や放射線のエネルギーが挙げられるが、これらの中でも放射線、その中でも特に電子線が好ましく用いられる(特開2000−066425号公報(特許文献1)など)。電子線の照射による硬化(以下「電子線硬化」ともいう)には、電子写真感光体の電位特性(感度や残留電位など)に対して悪影響を及ぼす可能性のある重合開始剤を使用しなくてもよい、短時間で効率的な重合反応を起こすことができるため生産性が高い、透過性が良いため微粒子や添加剤などの遮蔽物質が存在していても重合反応および/または架橋反応の阻害になりにくい、などの利点がある。
さらに、特開2004−012986号公報(特許文献2)には、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱することによって、電子写真感光体の表面層の機械的強度をより向上させ、もって電子写真感光体の耐久性をより向上させる技術が開示されている。
特開2000−066425号公報 特開2004−012986号公報
上述のとおり、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱することによって、電子写真感光体の表面層の機械的強度をより向上させることができる。
さらに、形成された表面層を加熱する際の温度を80℃以上にすることで、電子写真感光体の電位特性(感度や残留電位など)や電位安定性(暗部電位や明部電位の安定性)を向上させることもできる。
しかしながら、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱した場合、特に80℃以上の温度で加熱した場合、電子写真感光体の表面層の表面、すなわち、電子写真感光体の表面が粗れてしまうことがあった。
本発明の目的は、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱する場合であっても、特に80℃以上の温度で加熱する場合であっても、電子写真感光体の表面に粗れが生じにくい電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記製造方法によって製造された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層の上に表面層用塗布液を塗布し、塗布された表面層用塗布液に電子線を照射することによって電子写真感光体の表面層を形成する表面層形成工程と、該表面層形成工程によって形成された該電子写真感光体の表面層を80℃以上の温度で加熱する表面層加熱工程とを有する電子写真感光体の製造方法において、
該結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される電荷輸送物質のうち最も融点が低い電荷輸送物質の融点Tm[℃]と、該表面層加熱工程において該電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、該結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)とが、下記式(1)で示される関係を満たすことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
また、本発明は、上記製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱する場合であっても、特に80℃以上の温度で加熱する場合であっても、電子写真感光体の表面に粗れが生じにくい電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記製造方法によって製造された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、この表面層を加熱することによって、表面層の機械的強度が向上するため、耐久性が高い電子写真感光体とすることができる。特に、表面層を加熱する際の温度を80℃以上とすることにより、表面層の機械的強度が向上するだけでなく、残留電位が低減され、また、電位安定性が向上する。
しかしながら、従来、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、この表面層を加熱した場合、表面層の表面すなわち電子写真感光体の表面が粗れてしまうことがあった。
この原因の詳細については不明であるが、本発明者らは次のように考察している。
すなわち、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、この表面層を加熱すると、表面層の下の層(以下「表面層下層」ともいう。上記の「結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層」と同じ。)に含有される電荷輸送物質の温度がその融点に近づいて(または超えて)表面層下層中で動きやすくなり、表面層下層において電荷輸送物質が凝集してしまうことがある。表面層下層において電荷輸送物質が凝集すると、表面層下層の表面が粗れてしまうことがあり、その影響を受けて、表面層の表面も粗れてしまうことがある。また、表面層下層中の電荷輸送物質の結着樹脂に対する割合が大きくなるほど、この現象も大きくなると考えられる。
本発明者らは、上記考察に基づいて鋭意検討した結果、表面層下層に含有される電荷輸送物質の融点(電荷輸送物質が2種以上ある場合には最も融点が低い電荷輸送物質の融点)Tm[℃]と、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、この表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、表面層下層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)とが、下記式(1)で示される関係を満たすようにすることで、電子写真感光体の表面の粗れを抑制することができることを見いだした。
Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
TmがTh+(Md/Mb)×20未満であると、電子写真感光体の表面の粗れを抑制する効果が得られない。
なお、本発明においては、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、この表面層を加熱する際の温度、すなわち、表面層加熱工程における加熱の温度の下限は80℃であって、上限は限定されないが、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下であり、より一層好ましくは110℃以下である。表面層を加熱する際の温度が高すぎると、電荷発生物質などの熱的劣化を引き起こし、感度低下を引き起こしてしまう場合がある。
また、表面層加熱工程における加熱の時間は、5〜30分であることが好ましく、10〜30分であることがより好ましい。加熱の時間が短すぎると、加熱を行うことによって得られる効果が乏しくなる。
また、表面層加熱工程における加熱方法としては、被加熱体(表面層加熱前の電子写真感光体)の外部から加熱を行う方法であってもよいし、内部から加熱を行う方法であってもよい。
外部から加熱する方法としては、被加熱体の近傍にヒーターを設置して直接加熱する方法や、被加熱体の周囲の雰囲気を加熱するか、あるいは、加熱された気体を被加熱体に接触させることにより間接的に加熱する方法などが挙げられる。
内部から加熱する方法としては、被加熱体の内部にヒーターを設置して直接加熱する方法や、被加熱体の内部に加熱された気体を通過させることにより間接的に加熱する方法などが挙げられる。
また、表面層加熱工程において表面層の温度を測定する方法としては、表面層の温度を直接測定する方法や、表面層近傍の雰囲気の温度を測定する方法などが挙げられるが、表面層の温度をより正確に測定するには、前者の方法が好ましい。
また、表面層が所定の温度(加熱温度)に到達するまでの昇温カーブは特に限定されないが、短時間で所定の温度に到達する昇温カーブほど好ましい。
なお、本発明において、加熱温度とは、表面層加熱工程における表面層の最高温度を意味する。
また、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後の該表面層の加熱は、1度だけであってもよいし、2度以上であってもよい。形成後の表面層を2度以上加熱する場合、本発明における「表面層加熱工程」は、最も長い時間表面層を加熱する工程を指す。表面層を加熱する時間が長いほど、電子写真感光体の表面層の機械的強度をより向上させることができ、また、電子写真感光体の電位特性(感度や残留電位など)や電位安定性を向上させることができる一方で、電子写真感光体の表面に粗れが生じやすくなるからである。
形成後の表面層を2度以上加熱する場合としては、まず、表面層をある環境下で短時間(例えば5分未満、特には3分以下)加熱し、次に、別の環境下で長時間(例えば30分以上、特には1時間以上)加熱するという場合が例示できる。また、加熱を行う際の環境については、第1の加熱は酸素濃度50ppm以下の環境下で行い、第2の加熱は大気中で行うということが例示できる。
また、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成する際の電子線照射方法、すなわち、表面層形成工程における電子線照射方法としては、例えば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型などの加速器を用いて電子線を照射する方法が挙げられる。
また、表面層形成工程における電子線の加速電圧は300kV以下が好ましく、特には150kV以下がより好ましい。また、電子線の吸収線量は1〜100Mradの範囲が好ましく、特には1〜50Mradの範囲がより好ましい。加速電圧や吸収線量が大きすぎると、電子写真感光体を構成する材料の劣化が起こりやすくなる。
本発明において、電子写真感光体の表面粗さは、10点平均粗さRzjisで0.1μm以下であることが好ましく、0.07μm以下であることがより好ましく、0.05μm以下であることがより好ましく、0.03μm以下であることがより好ましい。電子写真感光体の表面粗さ、すなわち、電子写真感光体の表面層の表面粗さが大きすぎると、表面層の膜厚が不均一となるため、電子写真感光体の電位(暗部電位や明部電位)が不均一となって出力画像にムラが生じる場合がある。
本発明において、表面層下層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)は特に限定されないが、出力画像の画質の観点からは1.2以上であることが好ましく、一方、電子写真感光体の表面の粗れを抑制するという観点からは、表面層下層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)は2.0以下であることが好ましい。
本発明において、表面層下層に含有させる電荷輸送物質は1種であっても2種以上であってもよいが、電子写真感光体の表面の粗れを抑制するという観点からは、2種以上含有させることが好ましい。
本発明においては、表面層下層に含有させる電荷輸送物質の種類は限定されないが、電子写真感光体の表面の粗れを抑制するという観点から、下記式(A)で示される構造を有する化合物または下記式(B)で示される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2006106677
(式(A)中、A〜Aは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示し、Aは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)
Figure 2006106677
(式(B)中、B〜Bは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示し、BおよびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリーレン基を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、または、置換もしくは無置換の2価の炭化水素基を示す。)
上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基などが挙げられる。上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。上記アリーレン基としては、フェニレン基などが挙げられる。上記2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基などのアルキレン基や、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などのアルキリデン基や、シクロヘキシリデン基などのシクロアルキリデン基、また、これら各基を組み合わせてなる2価の基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基などのアリール基や、トリル基、キシリル基などのアルキル基置換アリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
電子写真感光体の表面の粗れをより抑制するという観点からは、上記式(A)中のA〜Aは、3−トリル基、4−トリル基、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、または、置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましく、特には、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、または、置換もしくは無置換のフルオレニル基であることがより好ましい。また、同様に、上記式(A)中のAは、水素原子であることが好ましい。また、同様に、上記式(B)中のB〜Bは、3−トリル基、4−トリル基、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、または、置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましく、特には、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、または、置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。また、同様に、上記式(B)中のBおよびBは、フェニレン基であることが好ましい。
以下に、上記式(A)で示される構造を有する化合物の具体例を示す。
Figure 2006106677
Figure 2006106677
これらの中でも、(A−4)、(A−6)および(A−7)が好ましい。
以下に、上記式(A−1)〜(A−7)で示される構造を有する化合物の融点を示す。
Figure 2006106677
以下に、上記式(B)で示される構造を有する化合物の具体例を示す。
Figure 2006106677
Figure 2006106677
Figure 2006106677
これらの中でも、(B−3)、(B−4)、(B−5)、(B−6)、(B−8)、(B−9)および(B−10)が好ましい。
以下に、上記式(B−1)〜(B−11)で示される構造を有する化合物の融点を示す。
Figure 2006106677
なお、本発明の電子写真感光体の表面層下層に含有される電荷輸送物質は、上に例示した化合物に限定されるものではない。上に例示した化合物以外の化合物(電荷輸送物質)を以下に例示する。
Figure 2006106677
Figure 2006106677
これらの中でも、(C−1)、(C−2)および(C−10)が好ましい。
以下に、上記式(C−1)〜(C−10)で示される構造を有する化合物の融点を示す。
Figure 2006106677
また、本発明の電子写真感光体の表面層下層は、上述のとおり、電荷輸送物質とともに結着樹脂を含有する層であるが、この表面層下層に含有される結着樹脂のガラス転移点Tg[℃]と、電子線硬化によって電子写真感光体の表面層を形成した後、この表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、表面層下層に含有される結着樹脂の合計質量(Mb)と電荷輸送物質の合計質量(Md)との比(Mb/Md)とが、下記式(2)で示される関係を満たすようにすることで、電子写真感光体の表面の粗れをより一層抑制することができる。
Tg≧Th+(Mb/Md)×20 ・・・(2)
本発明においては、電荷輸送物質の融点および結着樹脂のガラス転移点は、セイコー電子工業製熱分析装置SSC5200Hを用いて測定した。具体的には、23℃から280℃まで5℃/minの昇温速度で測定し、得られたチャートの固体側の接線と転移温度域の急峻な位置の接線との交点を融点またはガラス転移点とした。
さて、出力画像の高解像度化を図るための1つの手法として、発振波長が短波長領域(380〜500nmの範囲)にある半導体レーザーを露光手段に採用する手法があるが、本発明の製造方法によって製造された電子写真感光体は、表面の粗れが抑制されており、表面層の膜厚が均一であるため、発振波長が短波長領域(380〜500nmの範囲)にある半導体レーザーを有する露光手段を備えた電子写真装置用の電子写真感光体として好適に用いることができる。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
電子写真感光体としては、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有するものが一般的である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構造としてもよく、また、電荷輸送層を積層構成としてもよい。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも、電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された表面層と、該表面層の下層としての結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層とを有する電子写真感光体である。
図1に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。
図1(a)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体101上に結着樹脂、電荷輸送物質および電荷発生物質を含有する層104が設けられており、さらにその上に表面層として電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された層105が設けられている。
図1(b)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体101上に電荷発生物質を含有する層1041ならびに結着樹脂および電荷輸送物質を含有する層1042が順に設けられており、さらにその上に表面層として電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された層105が設けられている。
また、図1(c)、(d)、(e)、(f)に示すように、支持体101と結着樹脂、電荷輸送物質および電荷発生物質を含有する層104との間、または、支持体101と電荷発生物質を含有する層1041との間に、バリア機能や接着機能を有する中間層(バリア層、接着層)103や、干渉縞防止などを目的とする導電層102などを設けてもよい。
その他、どのような層構成であっても、電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された表面層と、該表面層の下層としての結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層とを有していればよいが、電子写真特性の観点からは、図1(b)や(e)や(f)に示される層構成が好ましい。
以下、図1(b)や(e)や(f)に示される層構成の電子写真感光体を例にとり、本発明の電子写真感光体の構成についてより詳細に説明する。
支持体101としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられるが、円筒状が好ましい。
また、支持体101の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
上述のとおり、支持体101と電荷発生物質を含有する層1041(以下「電荷発生層1041」ともいう)または後述の中間層103との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層102を設けてもよい。
導電層102は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層102の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
また、上述のとおり、支持体101または導電層102と電荷発生層1041との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層103を設けてもよい。中間層103は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層103は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
中間層103の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。
支持体101、導電層102または中間層103の上には、電荷発生層1041が設けられる。
電荷発生層1041は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、0.3:1〜10:1(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノン、ジベンズピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、キノシアニンなどのシアニン染料や、アントアントロン顔料や、ピラントロン顔料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
また、これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましい。
また、フタロシアニン顔料の中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましく、特にはCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましい。
また、アゾ顔料の中でもジスアゾ顔料が好ましく、特には下記式(D)で示される構造を有するアゾ顔料がより好ましい。
Figure 2006106677
上記式(D)中、AD1は、下記式(DA−1)で示される構造を有する基、下記式(DA−2)で示される構造を有する基、下記式(DA−3)で示される構造を有する基、または、下記式(DA−4)で示される構造を有する基を示す。
Figure 2006106677
上記式(D)中、CpD1およびCpD2は、それぞれ独立に、下記式(DCp)で示される構造を有する基を示す。
Figure 2006106677
上記式(DCp)中、ArD1は、置換もしくは無置換のフェニル基を示す。nは、1または2である。
上記式(DCp)中のArD1のフェニル基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチルオキシなどのアルコキシ基や、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基や、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアリールアミノ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、ヒドロキシ基や、ニトロ基や、シアノ基や、アセチル基や、ベンゾイル基や、トリフルオロメチルなどのハロメチル基などが挙げられる。
電荷発生層1041に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層1041の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層1041には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層1041の上には、結着樹脂および電荷輸送物質を含有する層1042(以下「電荷輸送層1042」ともいう)が設けられる。
電荷輸送層1042は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層1042は電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された表面層105の下層に相当するから、電荷輸送層1042に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)は、上述のとおり、1.2以上であることが好ましく、また、2.0以下であることが好ましい。
電荷輸送物質としては、上述のとおり、上記式(A)で示される構造を有する化合物や上記式(B)で示される構造を有する化合物が好ましいが、その他の電荷輸送物質を用いることもできる。
その他の電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、プロパノール、ブタノールなどのアルコール(特に炭素原子数3以上のアルコール)、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
電荷輸送層1042の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には15〜30μmであることがより好ましい。
電荷輸送層1042の上には、電子写真感光体の表面層として、電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された層105(以下「表面層105」ともいう)が設けられる。
表面層105は、結着樹脂または結着樹脂のモノマーもしくはオリゴマーを溶剤に溶解させることによって得られる表面層用塗布液を塗布し、これに電子線を照射することによって形成することができる。本発明においては、形成された表面層105は、さらに80℃以上の温度で加熱される。
結着樹脂としては、硬化性樹脂が好適に用いられる。硬化性樹脂とは、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーがエネルギーを受けることによって、該重合性官能基が重合反応および/または架橋反応を起こし、もって硬化するという樹脂である。本発明においては、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーに与えるエネルギーは、電子線のエネルギーである。
モノマーやオリゴマーが重合性官能基を有する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂などが挙げられる。重合性官能基としては、例えば、アクリル基、メタクリル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。
また、電子写真特性の観点から、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーは、電荷輸送性構造を併有することが好ましい。表面層105を形成する際に、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーと電荷輸送物質を併用することも可能であるが、重合性官能基および電荷輸送性構造を併有するモノマーやオリゴマーであれば、電荷輸送物質を別途用いる必要がないため、高純度な3次元架橋構造の表面層105を形成することができる。
重合性官能基および電荷輸送性構造を有するモノマーやオリゴマーとしては、例えば、特開2000−066425号公報(特許文献1)に記載されている材料が挙げられる。重合性官能基の数については2個以上であることが表面層105の機械的強度という観点から好ましい。
また、表面層105には、シリコーン樹脂粒子、フッ素原子含有樹脂粒子などの潤滑剤や、シリカ微粒子、アルミナ微粒子などの無機フィラーや、重合開始剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など含有させてもよい。
表面層105の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることがより好ましい。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
なお、本発明において、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
また、本発明において、粘度平均分子量(Mv)および重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィー)により、東ソー(株)製HLC−8120を用いて測定されるポリスチレン換算値とした。粘度平均分子量および重量平均分子量測定は常法に従って次の条件で行った。
測定対象試料をテトラヒドロフラン中に入れ、数時間放置した後、十分に振盪してテトラヒドロフランとよく混ぜ(測定対象試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上静置した。その後、サンプル処理フィルター(商品名:H−25−5、東ソー(株)製、ポアサイズ:0.5μm)を通過させたものをGPCの試料(テトラヒドロフラン試料溶液)とした。測定対象試料の濃度は0.5〜5mg/mlとなるように調整した。
次に、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフランを毎分0.6mlの流速で流し、上記のテトラヒドロフラン試料溶液を20μl注入して測定した。測定対象試料の分子量測定にあたっては、測定対象試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工(株)製の標準ポリスチレン試料(分子量:10〜10)を用いた。
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。カラムには東ソー(株)製のTSK gel Super HM−MとTSK guard columnとを組み合わせてを用いた。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(合成例1)
上記式(B−4)で示される構造を有する化合物を以下のとおりにして合成した。
・工程1
1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン100g(376mmol)をトルエン1000ml中で攪拌しながら、無水酢酸140g(1.1mol)を滴下し、滴下終了後、110℃まで昇温させて還流し、反応終了後に濾過し、トルエン洗浄を行い、下記式(Int−1)で示される構造を有する1,1−ビス(4−アセチルアミノフェニル)シクロヘキサンを得た。収量90g、収率68%、HPLC純度81%であった。
Figure 2006106677
・工程2
1,1−ビス(4−アセチルアミノフェニル)シクロヘキサン70g(200mmol)、3−ヨードトルエン140g(642mmol)、炭酸カリウム55g(398mmol)および銅触媒38g(598mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン250ml中で攪拌しながら190℃まで昇温させて還流した。12時間反応させた。反応終了後、トルエン400mlを加えて熱時濾過し、洗浄した後、溶剤を減圧留去し、下記式(Int−2)で示される構造を有する化合物を得た。収量113g、収率107%(残留o−ジクロロベンゼン含む)、HPLC純度92.6%であった。
Figure 2006106677
・工程3
上記式(Int−2)で示される構造を有する化合物98g(185mmol)とナトリウムメチラート85g(1.57mol)と水9.3g(520mmol)とを混合し、メチルセロソルブ500ml中で攪拌しながら、110℃まで昇温させて5時間還流し、反応終了後、水1.8l中に流し入れ、洗浄し、分液ロートで抽出し、抽出液にトルエンを加え、再抽出した。この処理を3回繰り返し、その後、溶剤を減圧留去し、下記式(Int−3)で示される構造を有する化合物を得た。収量76g、収率85.1%、HPLC純度92.0%であった。
Figure 2006106677
・工程4
上記式(Int−3)で示される構造を有する化合物23g(51mmol)、3、4−ジメチルヨードベンゼン29g(125mmol)、炭酸カリウム19g(128mmol)および銅触媒11g(153mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン85ml中で攪拌しながら190℃まで昇温させて還流した。12時間反応させた。反応終了後、トルエン200mlを加えて熱時濾過し、洗浄した後、溶剤を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにてトルエン/n−へキサン=1/3で展開させて精製を行い、粗生成物を得た。さらに、トルエン/n−へキサンの混合溶剤を用いて加熱溶解後、冷却し、再結晶化させた。この再結晶化を2回繰り返し、生成物である上記式(B−4)で示される構造を有する化合物を得た。収量23g、収率69.0%、HPLC純度98.1%であった。
得られた上記式(B−4)で示される構造を有する化合物のH−NMRスペクトルを図3に、IRスペクトルを図4に示す。
測定装置および条件は以下のとおりである。
・NMR
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子(株)製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μS
データポイント:32768
周波数範囲:10500Hz
積算回数:100回
測定温度:25℃
測定用サンプル:測定試料50mgを直径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.05%)を添加することによって調製した。
・IR
測定装置:FT−IR420(日本分光(株)製)
分解能:4cm−1
積算回数:16回
測定用サンプル:測定試料5mgをKBrに混合することによって調製した。
H−NMRスペクトルより得られたCDCl3中TMS基準の化学シフト(ppm)を以下に示す。
7.25(d):0.68H,
7.07〜7.10(m):3.14H,
6.99〜7.01(d):1.12H,
6.87〜6.93(m):4.10H,
6.81〜6.84(m):2.13H,
6.75〜6.77(d):1.00H,
2.21〜2.24(m):8.28H,
2.17(s):3.38H,
1.54(s):4.24H。
(合成例2)
上記式(B−6)で示される構造を有する化合物を以下のとおりにして合成した。
・工程1
1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン125g(470mmol)、3−メチルブロモベンゼン500g(3.4mol)、酢酸パラジウム5.3g(23.5mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド500g(5.2mol)を混合し、o−キシレン700ml中で攪拌しながら113℃まで昇温させ、反応終了後に濾過し、活性白土処理を行って残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトにてトルエン/n−へキサン=1/2で展開させて精製を行い、粗中間体を得た。さらに、アセトン/n−へキサン=1/10の比率の溶剤330mlを用いて再結晶化を行い、中間体である下記式(Int−4)で示される構造を有する化合物を得た。収量110g、収率52%であった。
Figure 2006106677
・工程2
次に、Int−4で示される構造を有する化合物61g(128.6mmol)、9,9−ジメチル−2−ヨードフルオレン102g(318mmol)、炭酸カリウム44g(318.8mmol)および銅触媒25g(393.7mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン300ml中で攪拌しながら195℃まで昇温させて還流した。8時間反応させた後、銅触媒を15g追加し、さらに16時間反応させた。反応終了後、トルエン400mlを加えて熱時濾過し、洗浄した後、溶剤を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにてトルエン/n−へキサン=1/2で展開させて精製を行い、粗生成物を得た。さらに、ジメチルホルムアミド/アセトン/メタノール=120g/120g/40gの混合溶剤を用いて加熱溶解後、冷却し、再結晶化させた。この再結晶化を2回繰り返し、生成物である上記式(B−6)で示される構造を有する化合物を得た。収量75g、収率67.9%、HPLC純度99.4%であった。
得られた上記式(B−6)で示される構造を有する化合物のH−NMRスペクトルを図5に、IRスペクトルを図6に示す。
H−NMRスペクトルより得られたCDCl3中TMS基準の化学シフト(ppm)を以下に示す。
7.62(d):2.0H,
7.56(d):2.0H,
7.37(d):2.0H,
7.23〜7.32(m):7.0H,
7.11〜7.19(m):8.8H,
6.99〜7.03(m):5.8H,
6.96(s):1.8H,
6.92(d):1.8H,
6.82(d):2.0H,
2.25(s):9.4H,
1.54〜1.59(m):5.4H,
1.40(s):12.2H.
(合成例3)
上記式(B−10)で示される構造を有する化合物を以下のとおりにして合成した。
・工程1
合成例2の工程1において、3−メチルブロモベンゼン500gを4−メチルブロモベンゼン500g(3.4mol)に変更した以外は、合成例2の工程1と同様の操作を行い、中間体である下記式(Int−5)で示される構造を有する化合物を得た。収量120g、収率57%であった
Figure 2006106677
・工程2
合成例2の工程2において、上記式(Int−4)で示される構造を有する化合物61gを上記式(Int−5)で示される構造を有する化合物57g(127.6mmol)に変更した以外は、合成例2の工程2と同様の操作を行い、生成物である上記式(B−10)で示される構造を有する化合物を得た。収量80g、収率75.4%、HPLC純度99.6%であった。
得られた上記式(B−10)で示される構造を有する化合物のH−NMRスペクトルを図7に、IRスペクトルを図8に示す。
H−NMRスペクトルより得られたCDCl3中TMS基準の化学シフト(ppm)を以下に示す。
7.60(d):2.0H,
7.53(d):2.0H,
7.36(d):2.0H,
7.29(td):1.7H,
7.21〜7.25(m):3.0H,
7.12〜7.15(m):5.7H,
6.98〜7.06(m):14.0H,
2.32(s):5.5H,
2.23(s):3.4H,
1.54〜1.58(m):10.7H,
1.39(s):12.6H.
上記3種の化合物以外の上記式(B)で示される構造を有する化合物も、それぞれの構造に対応する構造の原料を用いることによって、合成例1〜3と同様にして合成することができる。
(実施例1)
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、SnOコート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部およびメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間145℃で硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電性上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)4部をシクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下1時間分散し、分散後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.22μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(B−1)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質)96部、および、下記式(PC−1)
Figure 2006106677
で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(結着樹脂、粘度平均分子量:40000)64部をクロロベンゼン600部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間80℃で乾燥させることによって、膜厚が10μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(E−1)
Figure 2006106677
で示される構造を有する化合物(連鎖重合性官能基であるアクリル基を有する電荷輸送物質)45部、ポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL2、ダイキン(株)製)10部およびn−プロパノール55部を超高圧分散機で分散混合することによって、表面層(第2電荷輸送層)用塗布液を調製した。
この保護層(第2電荷輸送層)用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを5分間50℃で乾燥させ、乾燥後、加速電圧150kV、吸収線量1.5Mradの条件で電子線を照射することによって硬化させることによって、保護層(第2電荷輸送層)を形成した。引き続き、保護層(第2電荷輸送層)が120℃になる条件で3分間加熱処理(第1加熱)を行った。電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。
次に、大気中において、保護層(第2電荷輸送層)が80℃になる条件で1時間加熱処理(第2加熱)を行った。第1加熱よりも加熱時間の長いこの第2加熱が、上記の「表面層加熱工程」に相当する。
1時間加熱処理後の保護層の膜厚は5μmであった。
このようにして、保護層(第2電荷輸送層)が表面層である電子写真感光体を作製した。
(実施例2〜40、比較例1〜14、参考例1)
実施例1において、電荷発生層に含有させた電荷発生物質の種類、電荷輸送物質に含有させた電荷輸送物質および結着樹脂の種類および使用量、ならびに、表面層加熱工程(第2加熱)における加熱温度(第2加熱時温度)を表4〜6に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして保護層(第2電荷輸送層)が表面層である電子写真感光体を作製した。
なお、表4〜6中、「HOGaPc」はCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンを意味し、「アゾ」は下記式(D−1)
Figure 2006106677
で示される構造を有するアゾ顔料を意味し、「PC−1」は上記式(PC−1)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(結着樹脂、粘度平均分子量:40000)を意味し、「PC−2」は下記式(PC−2)
Figure 2006106677
で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(結着樹脂、粘度平均分子量:40000)を意味し、「加熱温度」は上記の「第2加熱」を行った際の加熱温度を意味する。
また、実施例22〜25、39および40ならびに比較例11〜14は、電荷輸送層に2種の電荷輸送物質を併有させた例である。
また、上記式(1)の関係を満足するものについては「式(1)」の欄に「○」、満足しないものについては「×」と記載した。上記式(2)についても同様である。
(参考例2)
実施例1において、形成後の表面層について第1加熱および第2加熱を行わなかった以外は、実施例1と同様にして保護層(第2電荷輸送層)が表面層である電子写真感光体を作製した。
Figure 2006106677
Figure 2006106677
Figure 2006106677
(評価)
・電子写真感光体の表面の粗れの評価
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体の表面の粗れを評価した。具体的には、これら電子写真感光体の表面の10点平均粗さRzjisを(株)小坂研究所製の表面粗さ計SE−3500で測定し、評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:0.03μmRzjis以下
B:0.03μmRzjisを超え0.05μmRzjis以下。
C:0.05μmRzjisを超え0.07μmRzjis以下。
D:0.07μmRzjisを超え0.1μmRzjis以下。
E:0.1μmRzjisを超え0.4μmRzjis以下。
F:0.4μmRzjisを超え1μmRzjis以下。
G:1μmRzjisを超える。目視で電子写真感光体の表面全体が粗れていることがわかる。
評価結果を表7に示す。
Figure 2006106677
・電子写真感光体の感度および残留電位の評価I
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体の感度および残留電位を、NESAガラスを用いる直接電圧印加方式の電子写真感光体測定装置を用いて測定した。なお、測定シーケンスについては、電子写真感光体をコンデンサーとみなし、コンデンサーモデルのシーケンスとした。この測定は、図9に示すように進められる。具体的には、まず、電子写真感光体の履歴を除去するために露光光(像露光光)および前露光光を電子写真感光体に照射し、10ミリ秒後に所定の印加電圧Vaを電子写真感光体に印加する。次に、20ミリ秒後に電位(Vd+Vc)を測定し、測定後、電子写真感光体の電位をアースに落とす。次に、電位Vcの測定を行い、これらの結果から求めたVdを電子写真感光体の電位とした。なお、Vdが−700Vになったその20ミリ秒後、露光波長(像露光波長)403nmの光を100ミリ秒間照射し、95ミリ秒後に表面電位を測定する。NESA感度は表面電位が露光(像露光)により−200Vになるときの光量から求めた。また、露光(前露光)の50ミリ秒後の表面電位を残留電位とした。
評価結果を表8に示す。
Figure 2006106677
・電子写真感光体の感度および残留電位の評価II
露光波長(像露光波長)403nmの光を同683nmの光に変更した以外は、電子写真感光体の感度および残留電位の評価Iと同様の評価を行った。ただし、評価対象は、実施例1〜29、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体とした。
評価結果を表9に示す。
Figure 2006106677
・電子写真感光体の暗部電位の変動および明部電位の変動の評価
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体の暗部電位の変動および明部電位の変動を、23℃/5%RH環境下で以下のようにして測定した。
すなわち、図10で示す構成のジェンテック(株)製ドラム試験機SYNTHIA90に作製した電子写真感光体を装着し、初期の暗部電位および明部電位を測定した後、帯電−露光−前露光を500回繰り返し、繰り返し後の暗部電位および明部電位を測定した。そして、繰り返し後の暗部電位と初期の暗部電位との差を暗部電位変動量(=繰り返し後の暗部電位−初期の暗部電位)とし、繰り返し後の明部電位と初期の明部電位との差を明部電位変動量(=繰り返し後の明部電位−初期の明部電位)とした。なお、ドラム試験機のプロセススピードは94mm/sとした。また、帯電にはスコロトロンを使用し、帯電電位(暗部電位)が−700Vとなるようにスコロトロンのグリッド電圧を調整した。また、露光には水銀灯を使用して波長404.7nmの輝線を用い、明部電位が−200Vとなるように露光強度を調整した。また、前露光にはLEDを使用して波長470nmの光を用いた。
図10において、401は電子写真感光体であり、403は帯電器(スコロトロン)であり、404は露光器であり、4051は電位測定用のプローブであり、4052は電位計であり、406は前露光器(LED)である。
測定結果を表10に示す。
Figure 2006106677
・画像評価I
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体とそれぞれ同様の電子写真感光体それぞれにキヤノン(株)製複写機GP405用のギアおよびフランジを取り付け、それぞれキヤノン(株)複写機GP405に装着して画像を出力し、初期および10000枚出力後の電子写真感光体の表面のトナー像を評価した。具体的には、ドット再現性と線画像再現性を観察した。初期および10000枚出力後に、トナーを平均粒径5μmの磁性トナーにして孤立ドットおよび線画像を電子写真感光体の表面に形成させ、これらを光学顕微鏡で観察した。
なお、画像出力時の環境は23℃/5%RHであり、また、画像出力に用いたキヤノン(株)複写機GP405は、露光手段を発振波長407nmの半導体レーザー(露出力5mWのGaN系チップ、ビームスポット径30μm、日亜化学工業(株)製)に変更した改造機である。また、画像出力のモードは、プリント1枚ごとに1回停止する間欠モードとした。
評価結果は、以下のとおりである。
ドット再現性
A:飛び散りが非常に少なく、ドットが鮮明
B:やや飛び散りが見られるが、ドットはほぼ鮮明
C:飛び散りによりドットがやや不鮮明
D:飛び散りが多く、ドットが不鮮明
線画質
A:線がシャープ
B:一部境界領域がはっきりしない部分があるが、線はほぼ鮮明
C:線がやや不鮮明
D:線が不鮮明
評価結果を表11に示す。
Figure 2006106677
本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 式(B−4)で示される構造を有するアミン化合物のH−NMRスペクトル 式(B−4)で示される構造を有するアミン化合物のIRスペクトル 式(B−6)で示される構造を有するアミン化合物のH−NMRスペクトル 式(B−6)で示される構造を有するアミン化合物のIRスペクトル 式(B−10)で示される構造を有するアミン化合物のH−NMRスペクトル 式(B−10)で示される構造を有するアミン化合物のIRスペクトル 電子写真感光体の感度および残留電位の評価に関する図である。 実施例で用いたドラム試験機の概略構成を示す図である。
符号の説明
101 支持体
102 導電層
103 中間層
104 結着樹脂、電荷輸送物質および電荷発生物質を含有する層
1041 電荷発生物質を含有する層
1042 結着樹脂および電荷輸送物質を含有する層
105 電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された層(表面層)
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
401 電子写真感光体
403 帯電器
404 露光器
4051 電位測定用のプローブ
4052 電位計
406 前露光器

Claims (14)

  1. 結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層の上に表面層用塗布液を塗布し、塗布された表面層用塗布液に電子線を照射することによって電子写真感光体の表面層を形成する表面層形成工程と、該表面層形成工程によって形成された該電子写真感光体の表面層を80℃以上の温度で加熱する表面層加熱工程とを有する電子写真感光体の製造方法において、
    該結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される電荷輸送物質のうち最も融点が低い電荷輸送物質の融点Tm[℃]と、該表面層加熱工程において該電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、該結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)とが、下記式(1)で示される関係を満たすことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
  2. 前記式(1)中の(Md/Mb)が、1.2〜2.0の範囲にある請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層が、2種以上の電荷輸送物質を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される結着樹脂のガラス転移点Tg[℃]と、前記表面層加熱工程において前記電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、前記結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される結着樹脂の合計質量(Mb)と電荷輸送物質の合計質量(Md)との比(Md/Mb)とが、下記式(2)で示される関係を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
    Tg≧Th+(Mb/Md)×20 ・・・(2)
  5. 前記結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される電荷輸送物質のうち少なくとも1種が、下記式(A)で示される構造を有する化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2006106677
    (式(A)中、A〜Aは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示し、Aは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)
  6. 前記式(A)中のA〜Aが、それぞれ独立に、3−トリル基、4−トリル基、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、および、置換もしくは無置換のフルオレニル基からなる群より選択される1価の基である請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記式(A)中のA〜Aが、それぞれ独立に、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、および、置換もしくは無置換のフルオレニル基からなる群より選択される1価の基である請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記結着樹脂および電荷輸送物質をそれぞれ1種以上含有する層に含有される電荷輸送物質のうち少なくとも1種が、下記式(B)で示される構造を有する化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2006106677
    (式(B)中、B〜Bは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示し、BおよびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリーレン基を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、または、置換もしくは無置換の2価の炭化水素基を示す。)
  9. 前記式(B)中のB〜Bが、それぞれ独立に、3−トリル基、4−トリル基、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、および、置換もしくは無置換のフルオレニル基からなる群より選択される1価の基である請求項8に記載の電子写真感光体の製造方法。
  10. 前記式(B)中のB〜Bが、それぞれ独立に、3,4−キシリル基、アルキル基置換もしくは無置換のビフェニリル基、および、置換もしくは無置換のフルオレニル基からなる群より選択される1価の基である請求項9に記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体。
  12. 請求項11に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 請求項11に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  14. 前記露光手段が発振波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザーを有する請求項13に記載の電子写真装置。
JP2005152490A 2004-09-10 2005-05-25 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Expired - Fee Related JP4455404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005152490A JP4455404B2 (ja) 2004-09-10 2005-05-25 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264223 2004-09-10
JP2004264222 2004-09-10
JP2005152490A JP4455404B2 (ja) 2004-09-10 2005-05-25 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006106677A true JP2006106677A (ja) 2006-04-20
JP4455404B2 JP4455404B2 (ja) 2010-04-21

Family

ID=36376446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005152490A Expired - Fee Related JP4455404B2 (ja) 2004-09-10 2005-05-25 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4455404B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007233347A (ja) * 2006-02-06 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ
JP2007233348A (ja) * 2006-02-06 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ
JP2007240952A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
WO2008006276A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-17 Shanghai Institute Of Materia Medica, Chinese Academy Of Sciences INHIBITEUR À PETITE MOLÉCULE POUVANT INHIBER LA FIBROSE DU POLYPEPTIDE Aβ DANS LA MALADIE D'ALZHEIMER, PROCÉDÉS DE PRÉPARATION CORRESPONDANTS, COMPOSITIONS PHARMACEUTIQUES ET UTILISATIONS CORRESPONDANTES
JP2008195634A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Canon Inc アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2009198566A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009204667A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009292781A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Konica Minolta Business Technologies Inc アミン化合物、電子写真感光体、画像形成装置
JP2013508380A (ja) * 2009-10-19 2013-03-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 電子用途用のトリアリールアミン化合物
KR20150066585A (ko) * 2012-10-17 2015-06-16 노발레드 게엠베하 인광 oled 및 인광 oled를 위한 정공 수송 물질

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007233348A (ja) * 2006-02-06 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ
JP2007233347A (ja) * 2006-02-06 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法並びにプロセスカートリッジ
JP4641505B2 (ja) * 2006-03-09 2011-03-02 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、アミン化合物、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007240952A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
WO2008006276A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-17 Shanghai Institute Of Materia Medica, Chinese Academy Of Sciences INHIBITEUR À PETITE MOLÉCULE POUVANT INHIBER LA FIBROSE DU POLYPEPTIDE Aβ DANS LA MALADIE D'ALZHEIMER, PROCÉDÉS DE PRÉPARATION CORRESPONDANTS, COMPOSITIONS PHARMACEUTIQUES ET UTILISATIONS CORRESPONDANTES
JP2008195634A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Canon Inc アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2009198566A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009204667A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009292781A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Konica Minolta Business Technologies Inc アミン化合物、電子写真感光体、画像形成装置
JP2013508380A (ja) * 2009-10-19 2013-03-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 電子用途用のトリアリールアミン化合物
KR20150066585A (ko) * 2012-10-17 2015-06-16 노발레드 게엠베하 인광 oled 및 인광 oled를 위한 정공 수송 물질
JP2016502749A (ja) * 2012-10-17 2016-01-28 ノヴァレッド ゲーエムベーハー 燐光oledおよび燐光oled用正孔輸送材料
US10243146B2 (en) 2012-10-17 2019-03-26 Novaled Gmbh Phosphorescent OLED and hole transporting materials for phosphorescent OLEDs
KR102163089B1 (ko) * 2012-10-17 2020-10-07 노발레드 게엠베하 인광 oled 및 인광 oled를 위한 정공 수송 물질
US10868254B2 (en) 2012-10-17 2020-12-15 Novaled Gmbh Phosphorescent OLED and hole transporting materials for phosphorescent OLEDS

Also Published As

Publication number Publication date
JP4455404B2 (ja) 2010-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4455404B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5697629B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
KR101453153B1 (ko) 전자 사진 감광체, 전자 사진 감광체의 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치
KR20140097002A (ko) 전자 사진 감광체의 제조 방법
JP4095509B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4006461B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2007322518A (ja) 積層型電子写真感光体及び画像形成装置
JP4630813B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びに、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4673131B2 (ja) アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP5866188B2 (ja) 電子写真感光体、それを用いた画像形成装置および電子写真感光体の製造方法
JP2005062301A (ja) 電子写真感光体
JP4641505B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、アミン化合物、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4847247B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP4717665B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
KR101449790B1 (ko) 전자 사진 감광 부재, 그의 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치
JP2006064954A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2007094226A (ja) 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法
JP2005049736A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2015018035A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置
JP4174435B2 (ja) 電子写真装置
JP5546574B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4785366B2 (ja) 画像形成装置
JP4860948B2 (ja) 電子写真装置
JP5268295B2 (ja) アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2005055729A (ja) 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091225

TRDD Decision of grant or rejection written
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100203

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140212

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees