JP2006104707A - 鋼柱設置用治具、この鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法、並びにコンクリート杭と鋼柱の接合部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】既製コンクリート杭部材内に鋼柱を施工性よく仮固定することが可能な鋼柱設置用治具を提供するとともに、鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法、並びにコンクリート杭と鋼柱の接合部構造を提供する。
【解決手段】既製コンクリート杭1の杭頭部に鋼管2を一体的に接合した既製コンクリート杭部材3内に挿入される鋼柱4を仮固定するための鋼柱設置用治具5であって、鋼管に一体的に接合して設けられた受け金物6と、鋼柱に一体的に接合して設けられ、鋼柱を既製コンクリート杭部材に支持させるために受け金物に係止されるブラケット7とからなる。受け金物には、鋼柱の位置を調整するためにブラケットを移動可能とする位置調整手段が設けられる。鋼柱に一体的に接合して設けられ、既製コンクリート杭部材と鋼柱との間で伸縮自在に伸張されて、鋼柱を既製コンクリート杭部材に反力をとって支持する支持金物9を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、既製コンクリート杭部材内に鋼柱を施工性よく仮固定することが可能な鋼柱設置用治具、この鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法、並びにコンクリート杭と鋼柱の接合部構造に関する。
従来、基礎構造を構成している既製コンクリート杭と鉄骨柱との結合を堅固にして曲げ応力の伝達を円滑にしながら、現場での作業と根切り工事とを簡略化するようにして、施工コストの低減と工期短縮を図ることを目的として、地盤の所定位置に打設された円形中空断面の既製コンクリート杭と、既製コンクリート杭と同外径以下で既製コンクリート杭の杭頭上端面に接合された鋼管および鋼管内の所定位置に設置されコンクリートで一体化された鉄骨柱とで構成された鉄骨造建物の基礎構造が知られている(特許文献1参照)。
特開2004−108034号公報
この種、既製コンクリート杭の杭頭部に鋼管を一体的に接合した既製コンクリート杭部材内に鉄骨柱などの鋼柱を設置するにあたり、施工性よく仮固定することが可能な治具の案出が望まれていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、既製コンクリート杭部材内に鋼柱を施工性よく仮固定することが可能な鋼柱設置用治具を提供するとともに、この鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法、並びにコンクリート杭と鋼柱の接合部構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる鋼柱設置用治具は、既製コンクリート杭の杭頭部に鋼管を一体的に接合した既製コンクリート杭部材内に挿入される鋼柱を仮固定するための鋼柱設置用治具であって、上記鋼管に一体的に接合して設けられた受け金物と、上記鋼柱に一体的に接合して設けられ、該鋼柱を上記既製コンクリート杭部材に支持させるために上記受け金物に係止されるブラケットとからなることを特徴とする。
前記受け金物には、前記鋼柱の位置を調整するために前記ブラケットを移動可能とする位置調整手段が設けられることを特徴とする。
前記既製コンクリート杭部材および前記鋼柱のいずれか一方に一体的に接合して設けられ、これら既製コンクリート杭部材と鋼柱との間で伸縮自在に伸張されて、該鋼柱を該既製コンクリート杭部材に反力をとって支持する支持金物を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法は、請求項1に記載の鋼柱設置用治具を用いた杭・柱の接合工法であって、前記既製コンクリート杭部材の前記鋼管に前記受け金物を予め一体的に接合するとともに、前記鋼柱に前記ブラケットを予め一体的に接合しておき、次いで、上記既製コンクリート杭部材を打設し、次いで、上記鋼柱を上記既製コンクリート杭部材に仮固定するために、該既製コンクリート杭部材内に該鋼柱を挿入しつつ上記ブラケットを上記受け金物に係止し、その後、上記既製コンクリート杭部材内から土間にわたってこれら受け金物およびブラケットを埋設しつつコンクリートを打設することを特徴とする。
前記ブラケットを前記受け金物に係止する際に、前記鋼柱の位置調整を行うことを特徴とする。
前記コンクリートを打設する前に、前記既製コンクリート杭部材と前記鋼柱との間で伸縮自在に伸張される支持金物で該鋼柱を該既製コンクリート杭部材に反力をとって支持することを特徴とする。
本発明にかかる鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合部構造は、請求項1に記載の鋼柱設置用治具を用いた杭・柱接合部構造であって、前記受け金物に前記ブラケットを係止して前記既製コンクリート杭部材に前記鋼柱を仮固定した状態で、該既製コンクリート杭部材内から土間にわたって打設したコンクリートにこれら受け金物およびブラケットを埋設したことを特徴とする。
前記既製コンクリート杭部材と前記鋼柱との間で伸縮自在に伸張される支持金物で該鋼柱を該既製コンクリート杭部材に反力をとって支持させた状態で、該支持金物を前記コンクリートに埋設したことを特徴とする。
本発明にかかる鋼柱設置用治具、この鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法、並びにコンクリート杭と鋼柱の接合部構造にあっては、既製コンクリート杭部材の鋼管に接合した受け金物に鋼柱のブラケットを係止させるだけで鋼柱を既製コンクリート杭部材に支持させて仮固定することができ、仮固定のための構造がきわめて簡単であるとともに、取り扱い性よく施工することができる。これにより、鋼柱の既製コンクリート杭部材に対する接合作業の施工性を向上することができる。また、受け金物およびブラケットを既製コンクリート杭部材や鋼柱に予め一体的に接合するようにしていて、この接合作業は工場等で行うことが可能であり、高品質の鋼柱設置用治具を構成することができるとともに、高精度で接合された受け金物およびブラケットにより現場施工性を向上できる。
さらに、これら受け金物やブラケットを単にコンクリート中に埋設するだけで、構造強度を高く確保することができる。また、コンクリート中に埋設した支持金物により、さらに強度を補うことができる。また、位置調整手段による位置調整で、鋼柱を既製コンクリート杭部材に対して精度よく仮固定することができる。さらに、支持金物で既製コンクリート杭部材に対し鋼柱を適切に支持することができ、鋼柱の振れ動きを規制して仮固定の安定性を向上することができる。
以下に、本発明にかかる鋼柱設置用治具、これを用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法、並びに接合部構造の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる鋼柱設置用治具は基本的には、図1および図2に示すように、既製コンクリート杭1の杭頭部に鋼管2を一体的に接合した既製コンクリート杭部材3内に挿入される鋼柱4を仮固定するための鋼柱設置用治具5であって、鋼管2に一体的に接合して設けられた受け金物6と、鋼柱4に一体的に接合して設けられ、鋼柱4を既製コンクリート杭部材3に支持させるために受け金物6に係止されるブラケット7とから構成される。受け金物6には、鋼柱4の位置を調整するためにブラケット7を水平方向および鉛直方向に移動可能とする位置調整手段8が設けられる。さらに、既製コンクリート杭部材3および鋼柱4のいずれか一方に一体的に接合して設けられ、これら既製コンクリート杭部材3と鋼柱4との間で伸縮自在に伸張されて、鋼柱4を既製コンクリート杭部材3に反力をとって支持する支持金物9が備えられる。
既製コンクリート杭部材3は主に、既製コンクリート杭1と鋼管2とから構成される。既製コンクリート杭1は中空筒体状に形成され、現場に打設された際には、その中空内部にセメントミルクC1が打設される。この既製コンクリート杭1の上部には、当該既製コンクリート杭1の内周面に沿って形成されたスリーブ10aの上端に既製コンクリート杭1の杭頭部上面に被さるフランジ10bが一体的に形成された鋼製の接合金物10が装着される。この接合金物10は、工場などでの既製コンクリート杭1の製造時に、当該既製コンクリート杭1に一体的に取り付けられる。鋼管2は、その内部に鋼柱4を挿入することが可能であって、かつ当該鋼柱4と一体化するための充填コンクリートC2を打設することが可能な大きさの中空筒体状に形成される。平面断面形態は円形、多角形を問わない。この鋼管2は工場などで溶接等により接合金物10のフランジ10bに一体的に接合され、これにより既製コンクリート杭部材3が製造される。
他方、鋼柱4は、円筒状や角筒状のボックス形態や形鋼形態で製造される。本実施形態にあっては鋼柱4は円筒状形態のものが例示されていて、コンクリートC2の充填時、鋼柱4内部には、予め設定された深さhまでコンクリートC2が充填されるようになっている。
上記既製コンクリート杭部材3の鋼管2の外周面には、周方向に適宜間隔を隔てて複数の鋼製の受け金物6が一体的に接合される。本実施形態にあっては受け金物6は、上記移動調整手段8を設けることを考慮して、90°間隔で4つ設けられているが、考慮しない場合には設置数は問われない。また、受け金物6は鋼管2の外周面に接合されているが、内周面に接合するようにしてもよい。また、受け金物6の鋼管2に対する設置高さも、適宜に設定してよい。本実施形態にあっては、これら受け金物6は、鋼管2の上端部の同一高さ位置に取り付けられている。
各受け金物6は、鋼管2に接合されるL字型取付ブラケット11と、L字型取付ブラケット11上に設けられる係止部材12とから構成される。L字型取付ブラケット11は、鋼管2に溶接接合等される縦向き片11aと、縦向き片11aから横方向に折り返されて鋼管2から張り出される横向き片11bとから構成される。また、係止部材12は、横向き片11bから立設される脚部12aと、脚部12a上に形成されたU字形状の受け溝部12bとから構成される。受け溝部12bは、上向きに開放されるとともに、その溝方向が鋼管2の径方向に向けて配置される。この受け金物6は、L字型取付ブラケット11のみ、あるいは係止部材12とともに、工場などで鋼管2に一体的に取り付けられる。
鋼柱4には、これを受け金物6を介して既製コンクリート杭部材3に支持させるために、複数の各受け金物6の設置位置に対応させて当該鋼柱4からその径方向外方へ張り出して、複数の鋼製のブラケット7が一体的に接合される。これらブラケット7は、吊り下げられた鋼柱4が鋼管2内に挿入されていく過程で、鋼柱4に溶接接合等された基端とは反対側の先端が受け溝部12bに挿抜自在に挿入される。これにより、受け金物6の受け溝部12bでブラケット7が係止されて既製コンクリート杭部材3に対するその立ち角度がほぼ鉛直に保持されつつ、鋼柱4は、既製コンクリート杭部材3に仮固定される。本実施形態にあってはブラケット7は、鋼柱4の同一高さ位置から、互いに直角に4本設けられている。このブラケット7も、工場などで鋼柱4に一体的に取り付けられる。
鋼柱4の位置を調整するためにブラケット7を水平方向および鉛直方向へ移動可能とする位置調整手段8は、90°間隔で鋼管2に取り付けられた4つの各L字型取付ブラケット11の横向き片11bにそれぞれ形成された長穴13と、各係止部材12の脚部12aに形成され、各長穴13に長さ方向に沿って移動自在に挿入される図示しないボルト部と、このボルト部を横向き片11bに締着させる図示しないナットとから構成される。ナットによるボルト部の横向き片11bに対する締着位置を調整することによって、ブラケット7を係止する係止部材12を鉛直方向に移動させることが可能で、これにより鋼柱4の高さ位置が調整されるようになっている。
他方、長穴13について説明すると、鋼管2の直径方向に位置する一対の受け金物6の長穴13の長さ方向が、隣接する他の一対の受け金物6の長穴13の長さ方向と直交し、かつこれら他の一対の受け金物6の受け溝部12bの溝方向と一致するように設定される。従って、鋼管2の直径方向に向かい合ういずれか一対の係止部材12を長穴13に沿って同一方向へ移動させると、これら係止部材12に係止されたブラケット7が移動され、この際、他の一対の係止部材12に係止されたブラケット7の移動が受け溝部12b内で許容されて、これにより鋼柱4の水平位置が調整されるようになっている。
さらに、ブラケット7位置よりも下方であって、鋼管2内に挿入される鋼柱4の下端部には、周方向に沿って適宜間隔を隔ててかつ同一高さ位置に、複数の支持金物9が一体的に接合される。支持金物9は既製コンクリート杭部材3側の鋼管2に設けるようにしてもよい。これら支持金物9は、鋼柱4から鋼管2へ向かって伸縮自在に設けられる。具体的には支持金物9は、鋼柱4に溶接接合等された筒状の雌ねじ部9aと、この雌ねじ部9aに螺合されるロッド状の雄ねじ部9bとから構成され、雄ねじ部9bを回転させると、鋼柱4と鋼管2との間で伸縮されるようになっている。各支持金物9の雄ねじ部9bの伸縮量を調整して鋼管2に当接させることにより、鋼柱4の下端部が鋼管2、ひいては既製コンクリート杭部材3に反力をとって固定され、これにより鋼柱4の倒れ方向への振れ動きが規制され、鋼柱4の仮固定の安定化が確保されるようになっている。
次に、本実施形態にかかる鋼柱設置用治具5を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法を図3に従って説明する。まず、工場等において、接合金物10を一体的に備えて製造された既製コンクリート杭1の当該接合金物10に、鋼管2を溶接などにより接合するとともに、鋼管2に、受け金物6のL字型取付ブラケット11を溶接などにより予め一体的に接合する。この際、係止部材12をL字型取付ブラケット11に取り付けておいてもよい。本実施形態にあっては、係止部材12は現場で取り付けられるようになっている。鋼管2へのL字型取付ブラケット11の接合作業は、既製コンクリート杭1に鋼管2を接合する前でも、接合した後でもよい。
また、工場等において、鋼柱4にブラケット7の基端を溶接などにより予め一体的に接合する。さらに必要に応じて、鋼柱4に支持金物9の雌ねじ部9aを溶接などにより予め一体的に接合する。これら接合作業を工場など設備の整った場所で行えば、受け金物6付きの既製コンクリート杭部材3およびブラケット7付きの鋼柱4を高い精度で高品質に製造することができる。
次いで、これら既製コンクリート杭部材3および鋼柱4を工場等から現場に搬入し、既製コンクリート杭部材3を、プレボーリング工法や中堀工法などの周知の埋め込み杭工法によって地盤面G付近に打設して埋設する。そして既製コンクリート杭部材3内方に、セメントミルクC1を充填し固化させる(図3(a)参照)。次いで、鋼管2内に滞留する土や杭周固定液の固化物などを除去し、セメントミルクC1頂面にコンクリート止め14を、必要に応じてセットするとともに、鋼管2内面を洗浄する(図3(b)参照)。
次いで、揚重機等を用いて鋼柱4を既製コンクリート杭部材3上に吊り込む。この際、事前に係止部材12をL字型取付ブラケット11に取り付けておく。図示例にあっては、鋼柱4の上端に柱継ぎ手15が設けられている。吊り込まれた鋼柱4は、順次下降され、鋼柱4の下端部が鋼管2内に挿入されつつ、ブラケット7先端が受け金物6の受け溝部12bに挿入されて係止され、これにより鋼柱4は立ち角度を保って受け金物6に保持される。この際、必要に応じて、位置調整手段8により、ブラケット7を水平方向や鉛直方向へ移動させて鋼柱4の位置を微調整する。微調整が完了したら、ナットで係止部材12の脚部12aをL字型取付ブラケット11の横向き片11bに締着させる。
その後、鋼柱4の各支持金物9をその雄ねじ部9bの伸張量を調節して鋼管2に当接させ、これにより鋼柱4が倒れ方向に振れ動くことを既製コンクリート杭部材3に反力をとって規制する。以上の作業は鋼柱4を揚重機等で吊り下げた状態で行われる。ブラケット7を受け金物6に係止させることで鋼柱4の既製コンクリート杭部材3に対する仮固定が完了したならば、揚重機等による鋼柱4の吊り下げ作業は終了し、鋼柱4は既製コンクリート杭部材3によって支持される(図3(c)参照)。
次いで、円筒状の鋼柱4内方を通して、コンクリート止め14上方にコンクリートC2を充填する。この際、支持金物9は、充填コンクリートC2内に埋設される。鋼柱4内に充填コンクリートC2がある程度進入してきたならば、鋼柱4内方を通してのコンクリートC2の充填作業を中止し、その後は、鋼柱4と鋼管2との間の隙間から既製コンクリート杭部材3内にコンクリートC2を充填する(図3(d)参照)。最終的には、鋼管2天端から鋼柱4内にわたって予め設定された深さhとなるように、鋼柱4内へのコンクリートC2の充填量が管理される。そして、既製コンクリート杭部材3内に充填したコンクリートC2が固化したならば、鋼柱4上に、柱継ぎ手15を介して上方の鋼柱4を接合する(図3(e)参照)。その後、図1に示すように、受け金物6およびブラケット7を埋設するように、土間コンクリートC3を打設する。これにより既製コンクリート杭部材3と鋼柱4との接合が完了する。
このようにして施工された既製コンクリート杭部材3と鋼柱4との接合構造にあっては、受け金物6にブラケット7を係止して既製コンクリート杭部材3に鋼柱4を仮固定した状態で、既製コンクリート杭部材3内から土間にわたって打設したコンクリートC3に、受け金物6およびブラケット7が埋設されることになる。図4に示すように、例えば受け金物6やブラケット7を撤去してしまった場合に比べて、これら受け金物6やブラケット7をコンクリートC3に埋設することにより、既製コンクリート杭部材3と鋼柱4の構造的連続性や接合剛性の向上に寄与させることができる。接合剛性が弱い場合には、この部分でピン接合Xとなり、鋼柱4が負担すべき曲げ応力Mが大きくなる(図4(a)参照)。これに比べて、受け金物6やブラケット7をコンクリートC3に埋設することにより接合剛性が向上すると、反曲点Yを上方に上げることになり、鋼柱4が負担すべき曲げ応力Mを低減することができ(図4(b)参照)、鋼柱4のサイズダウンを達成することが可能となり、構造力学的性能を向上させることができる。
以上説明した本実施形態にあっては、既製コンクリート杭部材3の鋼管2に接合した受け金物6の受け溝部12bに鋼柱4のブラケット7を係止させるだけで鋼柱4を既製コンクリート杭部材3に支持させて仮固定することができ、仮固定のための構造がきわめて簡単であるとともに、取り扱い性よく施工することができる。これにより、鋼柱4の既製コンクリート杭部材3に対する接合作業の施工性を向上することができる。また、受け金物6およびブラケット7を既製コンクリート杭部材3や鋼柱4に予め一体的に接合するようにしていて、この接合作業は工場等で行うことが可能であり、高品質の鋼柱設置用治具5を構成することができるとともに、高精度で接合された受け金物6およびブラケット7により現場施工性を向上できる。
さらに、これら受け金物6やブラケット7を単にコンクリートC3中に埋設するだけで、構造強度を高く確保することができる。また、コンクリートC2中に埋設した支持金物9により、さらに強度を補うことができる。また、位置調整手段8による鉛直方向および水平方向への位置調整で、鋼柱4を既製コンクリート杭部材3に対して精度よく仮固定することができる。さらに、支持金物9で既製コンクリート杭部材3に対し鋼柱4を適切に支持することができ、鋼柱4の振れ動きを規制して仮固定の安定性を向上することができる。
本発明にかかる鋼柱設置用治具、この鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合部構造の好適な一実施形態を示す側断面図である。 図3中、A−A線矢視断面図である。 本発明にかかる鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合工法の好適な一実施形態を説明する説明図である。 本発明にかかる鋼柱設置用治具を用いたコンクリート杭と鋼柱の接合部構造の構造力学的特性を説明する説明図である。
符号の説明
1 既製コンクリート杭
2 鋼管
3 既製コンクリート杭部材
4 鋼柱
5 鋼柱設置用治具
6 受け金物
7 ブラケット
8 位置調整手段
9 支持金物

Claims (8)

  1. 既製コンクリート杭の杭頭部に鋼管を一体的に接合した既製コンクリート杭部材内に挿入される鋼柱を仮固定するための鋼柱設置用治具であって、
    上記鋼管に一体的に接合して設けられた受け金物と、
    上記鋼柱に一体的に接合して設けられ、該鋼柱を上記既製コンクリート杭部材に支持させるために上記受け金物に係止されるブラケットとからなることを特徴とする鋼柱設置用治具。
  2. 前記受け金物には、前記鋼柱の位置を調整するために前記ブラケットを移動可能とする位置調整手段が設けられることを特徴とする請求項1に記載の鋼柱設置用治具。
  3. 前記既製コンクリート杭部材および前記鋼柱のいずれか一方に一体的に接合して設けられ、これら既製コンクリート杭部材と鋼柱との間で伸縮自在に伸張されて、該鋼柱を該既製コンクリート杭部材に反力をとって支持する支持金物を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の鋼柱設置用治具。
  4. 請求項1に記載の鋼柱設置用治具を用いた杭・柱の接合工法であって、前記既製コンクリート杭部材の前記鋼管に前記受け金物を予め一体的に接合するとともに、前記鋼柱に前記ブラケットを予め一体的に接合しておき、
    次いで、上記既製コンクリート杭部材を打設し、
    次いで、上記鋼柱を上記既製コンクリート杭部材に仮固定するために、該既製コンクリート杭部材内に該鋼柱を挿入しつつ上記ブラケットを上記受け金物に係止し、
    その後、上記既製コンクリート杭部材内から土間にわたってこれら受け金物およびブラケットを埋設しつつコンクリートを打設することを特徴とするコンクリート杭と鋼柱の接合工法。
  5. 前記ブラケットを前記受け金物に係止する際に、前記鋼柱の位置調整を行うことを特徴とする請求項4に記載のコンクリート杭と鋼柱の接合工法。
  6. 前記コンクリートを打設する前に、前記既製コンクリート杭部材と前記鋼柱との間で伸縮自在に伸張される支持金物で該鋼柱を該既製コンクリート杭部材に反力をとって支持することを特徴とする請求項4または5に記載のコンクリート杭と鋼柱の接合工法。
  7. 請求項1に記載の鋼柱設置用治具を用いた杭・柱接合部構造であって、前記受け金物に前記ブラケットを係止して前記既製コンクリート杭部材に前記鋼柱を仮固定した状態で、該既製コンクリート杭部材内から土間にわたって打設したコンクリートにこれら受け金物およびブラケットを埋設したことを特徴とするコンクリート杭と鋼柱の接合部構造。
  8. 前記既製コンクリート杭部材と前記鋼柱との間で伸縮自在に伸張される支持金物で該鋼柱を該既製コンクリート杭部材に反力をとって支持させた状態で、該支持金物を前記コンクリートに埋設したことを特徴とする請求項7に記載のコンクリート杭と鋼柱の接合部構造。
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