JP2003193480A - 柱と鋼管杭の位置決め装置及び位置決め方法 - Google Patents
柱と鋼管杭の位置決め装置及び位置決め方法Info
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Abstract
でき、施工後においても意匠的、景観的に不具合がな
く、その上再使用することのできる柱と鋼管杭の位置決
め装置及び位置決め方法を提供する。 【解決手段】 ねじ穴24を有する受け部22と脚部2
3からなり、鋼管杭1の外周面に着脱可能に取付けられ
る複数の下部支持部材21と、下部支持部材21の受け
部22に設けたねじ穴24に対応してねじ挿通穴31が
設けられ、柱10の外周に固定されたリング状の上部支
持部材30と、上部支持部材30に設けたねじ挿通穴3
1より小径で、下部支持部材21の受け部22に設けた
ねじ穴24に螺入された長ボルト35とを有し、柱10
を鋼管杭1内に挿入すると共に、上部支持部材30のね
じ挿通穴31を長ボルト35に嵌合し、柱10の上下方
向、傾き及び水平方向の位置を調整したのち固定する。
Description
する際の位置決め装置及び位置決め方法に関するもので
ある。
下部を挿入して位置決めし、仮止めを行ったのち鋼管杭
と柱との間にコンクリート等を充填し、両者を一体に接
合する技術は従来から種々提案されており、その一例と
して、特開平9−268567号公報に記載された発明
がある。
建造物の柱と、地中に立設されて内部にコンクリートが
充填された杭と、水平方向に取付けられた仕口部材を有
し杭内に挿入されてコンクリートで固定される脚部から
なる支柱とを有し、杭の上部と仕口部材との間に設置さ
れ、仕口部材の上下方向の位置を規制する位置決め手段
を備えたものである。
接合構造は種々特長を有するが、位置決め手段を、支柱
に設けた仕口部材と杭の頂部との間に設置するようにし
ている。このため、いつでも杭の近傍に仕口部材がある
とは限らず、また、水平位置調整のために水平に配置さ
れたボルトや金物を設置でき、かつ作業できるだけの空
間が確保できないこともあるため、適用範囲が限られて
いるという問題がある。また、位置決め手段に用いられ
るボルトや金物などは、施工後に床下や基礎内などの目
に触れない場所になることを想定しているため、これら
が地上に露出するような構造になる場合は、意匠上好ま
しくない事態が生じる。
されたもので、柱と鋼管杭とを精度よく位置決めするこ
とができ、施工後においても意匠的、景観的に不具合が
なく、その上再使用することのできる柱と鋼管杭の位置
決め装置及びその施工方法を提供することを目的とした
ものである。
鋼管杭の位置決め装置は、ねじ穴を有する受け部と脚部
からなり、該脚部が鋼管杭の外周面に着脱可能に取付け
られる複数の下部支持部材と、該下部支持部材の受け部
に設けたねじ穴に対応してねじ挿通穴が設けられ、柱の
外周に固定されたリング状の上部支持部材と、該上部支
持部材に設けたねじ挿通穴より小径で、前記下部支持部
材の受け部に設けたねじ穴に螺入された長ボルトとを有
し、前記柱を鋼管杭内に挿入すると共に、前記上部支持
部材のねじ挿通穴を前記長ボルトに嵌合し、該柱の上下
方向、傾き及び水平方向の位置を調整したのち固定する
ようにした。
を、鋼管杭の杭頂部から周壁を着脱可能に挾持する一対
の板で形成した。
グ状の上部支持部材に代えて、下部支持部材の受け部に
設けたねじ穴に対応してねじ挿通穴が設けられた水平片
と垂直片とによりL字状の複数の上部支持部材を構成
し、前記垂直片を柱に着脱可能に取付けるようにした。
グ状の上部支持部材に代えて、内径が柱の外径とほぼ等
しい円筒体を2つ割りにして一対の固定部材を形成し、
両固定部材の開口部の外側の上下方向に複数のねじ挿通
穴を有する固定板をそれぞれ設けると共に、外壁の下部
にねじ挿通穴を有し下部支持部材の受け部に対応してブ
ラケットをそれぞれ設けて上部支持部材を構成し、該上
部支持部材を柱に着脱可能に取付けるようにした。
れかの下部支持部材の受け部に設けたねじ穴に代えてね
じ挿通穴を設けると共に長ボルトを省略し、下部支持部
材に設けた前記ねじ挿通穴と上部支持部材に設けたねじ
挿通穴に挿通したボルトにより両者を固定するようにし
た。
方法は、地盤に建て込まれた鋼管杭の上部外周に上記
(1)又は(2)の下部支持部材を取付ける工程と、上
記(1)、(3)又は(4)のいずれかの上部支持部材
が取付けられた柱の下部を前記鋼管杭内に挿入する工程
と、該柱の上下方向、傾き及び水平方向の位置を調整し
て下部支持部材と上部支持部材を固定する工程と、前記
鋼管杭と柱との間にコンクリート等を充填する工程と、
該コンクリート等が固化したのち前記下部支持部材及び
上記(3)又は(4)の上部支持部材を取外す工程とか
らなるものである。
実施の形態1に係る柱と鋼管杭の位置決め装置の説明図
である。図において、1は地盤に建て込まれた鋼管杭
で、杭頂部近傍には、円周方向にほぼ等間隔で少なくと
も3か所にそれぞれ上下方向に複数のねじ穴2が設けら
れている。
柱、20は位置決め装置である。位置決め装置20にお
いて、21は複数の下部支持部材で、図2(a),
(b)に示すように、受け部22とその下面に直交して
溶接により接合された板状の脚部23とからなってい
る。そして、受け部22のほぼ中央部にはねじ穴24が
設けられており、また、脚部23には鋼管杭1に設けた
ねじ穴2に対応してねじ挿通穴25が設けられている。
管杭1と接合されたときに鋼管杭1の頂部の近傍に位置
するように、溶接により柱10に接合されたリング状の
上部支持部材で、図2(c)に示すように、下部支持部
材21を鋼管杭1に取付けたときに、受け部22に設け
たねじ穴24に対応した位置にそれぞれねじ挿通穴31
が設けられている。35は全長にねじが設けられ下部が
下部支持部材22のねじ穴24に螺入される長ボルト、
36は座金、37a,37b,37cは長ボルト35に
螺合されたナットである。なお、上部支持部材30に設
けたねじ挿通穴31は、長ボルト35の外径より相当大
きく形成されている。
より、柱と鋼管杭との位置決め手順の一例を、図3、図
4により図1を参照して説明する。先ず、図3(a)に
示すように、鋼管杭1を地盤Gに掘削した穴内に建て込
み、鋼管杭1内に挿入される柱10の下端部より若干下
方まで、及び鋼管杭1と地盤Gとの間に形成されたすき
間(図示せず)に、コンクリート、モルタル等5(以
下、コンクリート等という)を充填し、固定する。この
場合、コンクリート等5に代えて、穴を掘削した際の掘
削土又は掘削土にセメントと水を混合して撹拌した改良
埋戻し土(以下、両者を合せて掘削土という)を充填し
てもよい。
1の上部に設けたねじ穴2に、下部支持部材21の脚部
23に設けたねじ挿通穴25を整合させ、このねじ挿通
穴25に挿入したボルト26をねじ穴2に螺入し、各下
部支持部材21をそれぞれ鋼管杭1に取付ける。そし
て、各下部支持部材21の受け部22のねじ穴24にそ
れぞれ長ボルト35を螺入して立設し、ナット37aで
固定する。また、各長ボルト35にほぼ同じ高さ位置ま
でナット37bを螺合し、その上に座金36を挿入す
る。
置に上部支持部材30が取付けられた柱10の下部を鋼
管杭1内に挿入すると共に、上部支持部材30に設けた
ねじ挿通穴31を長ボルト35に嵌合してナット37b
上に載置し、上部支持部材30の上方から長ボルト35
に座金36を介してナット37cを緩く螺合する。そし
て、ナット37bにより柱10の上下方向や傾きを調整
すると共に、長ボルト35の径より大きく形成したねじ
挿通穴31を利用して水平方向の位置を調整し、鋼管杭
1内の所定の位置に柱10をセットしてナット37cに
より固定する。これにより、鋼管杭1に対する柱10の
位置決め(仮り止め)が終了する。
管杭1と柱10との間及び柱10内にコンクリート等6
を充填する。コンクリート等6が固化したのち、図4
(b)に示すように、ナット37a〜37cを緩めて長
ボルト35を下部支持部材21及び上部支持部材30か
ら取り外す。ついで、ボルト26を緩めて下部支持部材
21を鋼管杭1から取り外す。このときの状態を図4
(c)に示す。
管杭1に対する柱10の位置決めにあたって、従来技術
のように仕口部材等を必要とせず、簡単な作業により位
置決めを広い空間で精度良く行うことができるので、位
置決め装置20の着脱や調整が容易である。また、下部
支持部材21やボルト、ナット等は別の柱の位置決めに
も再利用できるので、コストを低減することができる。
なお、位置決め装置20の取り外し後は、柱10に取付
けた上部支持部材30が残置されるが、その外径は鋼管
杭1の外径と大差がないため、意匠的に問題がなく、ま
た使用上の障害になることはない。
省略した説明図である。なお、図1の例と同じ部分には
これと同じ符号を付し、説明を省略する。図1の例で
は、長ボルト35に3個のナット37a〜37cを螺合
して柱10の位置決めを行い、固定する場合を示した
が、本例では、下部支持部材21の受け部22と上部支
持部材30との間に、例えば図5(b)に示すような長
ボルト35に挿脱可能な切り欠き38aを有する座金状
のライナプレート38を挿脱することにより、柱10の
上下方向や傾きを調整するようにし、図1のナット37
a,37b及びナット37b上の座金36を省略したも
のである。
合とほぼ同様であるが、さらに、ナット37a,37b
に代えて座金状のライナープレート38を用いることに
より、部品が簡単で安くなるばかりでなく、施工後は上
部支持部材30を鋼管杭1の頂部に近い位置に配置する
ことができるので、外観上の問題や使用上の問題をさら
に少なくすることができる。
態2に係る柱と鋼管杭の位置決め装置の一部を省略して
示した説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分に
はこれと同じ符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
41は下部支持部材で、図7に示すように、下部に厚み
tの突部43を有する逆凸字状の受け部42と、突部4
3の両側において受け部42の下面にこれと直交して溶
接により接合された一対の板状の脚部44a,44bと
からなり、受け部42のほぼ中央部にはねじ穴45が設
けられており、一方の脚部44aの上下方向には鋼管杭
1のねじ穴2に対応してねじ挿通穴46が、また他方の
脚部46bにはねじ挿通穴46に対応してねじ穴47が
設けられている。なお、受け部42に設けた突部43の
厚みt、したがって、脚部44a,44bの間隔は、鋼
管杭1の板厚とほぼ等しく形成されている。
管杭1に接合されたときに鋼管杭1の頂部近傍に位置
し、かつ、鋼管杭1に設けたねじ穴2に対応した位置に
ねじ穴57が設けられて、溶接により柱10に接合され
た板状の固定金物である。
に、垂直片52と水平片53とによりL字状に形成され
ており、垂直片52には固定金物の56に設けたねじ穴
57に対応してねじ挿通穴54が設けられており、水平
片53には下部支持部材41の受け部42のねじ穴45
に対応して、長ボルト35の外径より相当大きい径のね
じ挿通穴55が設けられている。
置決め手順の一例について、図6〜図8を参照して図9
により説明する。先ず、実施の形態1の場合と同様に、
地盤に掘削した穴内に鋼管杭1を建て込んで、鋼管杭1
内及び鋼管杭1と地盤との間に形成されたすき間に、コ
ンクリート等5あるいは掘削土を充填し、固定する。
1の杭頭部に複数の下部支持部材41を取付ける。取付
けにあたっては、鋼管杭1の頂部から下部支持部材41
の脚部44aを外側にして両脚部44a,44bを鋼管
杭1に嵌合して挾持し、そのねじ挿通穴46をねじ穴2
に整合させる。そして、ねじ挿通穴46にボルト26を
挿入してねじ穴2,47に螺入し、一体に固定する。一
方、柱10に設けた固定金物56に上部支持部材51の
垂直片52を当接し、ねじ挿通穴54をねじ穴57と整
合させ、ねじ挿通穴54に挿入したボルト58をねじ穴
57に螺入し、一体に固定する。
下部を鋼管杭1内に挿入し、図9(b)に示すように、
あらかじめ選ばれた厚みのライナープレート38を介し
て上部支持部材51の水平片53を下部支持部材41の
受け部42上にそれぞれ載置する。ついで、上部にナッ
ト37cが螺合された長ボルト35を、上部支持部材5
1に設けたねじ挿通穴55に挿入し、受け部42に設け
たねじ穴45に螺入する。
とにより柱10の上下方向及び傾きを調整すると共に、
上部支持部材51に設けた長ボルト35の径より大径の
ねじ挿通穴55を利用して水平方向の位置を調整し、柱
10を鋼管杭10内の所定の位置にセットしてナット3
7cにより固定する。これにより、鋼管杭1に対する柱
10の位置決め(仮り止め)が終了する。なお、下部支
持部材41の受け部42のねじ穴45に長ボルト35を
螺入しておき、この長ボルト35に上部支持部材51の
ねじ挿通穴55を嵌合してナット37cにより仮り止め
し、固定金物56が設けられた柱10を鋼管杭1内に挿
入したのち、上部支持部材51の垂直片52を固定金物
56に取付けるようにしてもよい。
管杭1と柱10の間及び柱10内にコンクリート等6を
充填する。コンクリート等6が固化したのち、図9
(c)に示すように、ボルト26,58を緩めて、下部
支持部材41と上部支持部材51を上方に移動させ、鋼
管杭1及び柱10から取り外す。このときの状態を図9
(d)に示す。
施の形態1の場合と同様の効果を得ることができるが、
さらに、下部支持部材41及び上部支持部材51を取り
外した後、柱10に残存するのは板状の固定金物56だ
けなので、使用上の障害にならないばかりでなく、意匠
的にもより優れた柱10を実現することができる。
形態3に係る柱と鋼管杭との位置決め装置の一部を省略
して示した説明図である。なお、実施の形態1,2と同
じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本
実施の形態は、下部支持部材21に実施の形態1の下部
支持部材21と同じ構造のものを用い、上部支持部材5
1に実施の形態2の上部支持部材51と同じ構造のもの
を用いたものである。
てねじ穴28が設けられた板状の補強プレートで、両ね
じ穴2,28を整合させて鋼管杭1間の外周面に溶接に
より接合したものである。この補強プレート27は、鋼
管杭1の杭頭部の補強と共に、比較的板厚の薄い鋼管杭
1にボルト26を十分な長さで噛み合わせるために設け
たものであって、鋼管杭1の内周面に設けてもよい。な
お、この補強プレート27は、実施の形態1にも用いる
ことができる。
1,2の施工手順に準じて行うことができる。なお、柱
10の位置を調整して固定するナット37a,37bに
代えて、実施の形態2で説明したライナープレート38
を用いてもよい。本実施の形態によれば、実施の形態
1,2とほぼ同様の効果を得ることができる。
形態4に係る柱と鋼管杭の位置決め装置の説明図であ
る。なお、実施の形態1〜3と同じ部分にはこれと同じ
符号を付し、説明を省略又は簡略化する。図において、
61は鋼管杭1より小径で柱10より大径の例えば鋼管
からなる円筒状のさや管で、その内周面にはコンクリー
ト等が付着しないか又はほとんど付着しない材料62
(以下、剥離材という)が塗布され、あるいは剥離材6
2が塗布された面材、シート等又はコンクリート等が付
着しないか若しくはほとんど付着しないシート等が巻き
付けられている。
0が取付けられた柱10の下部をさや管61内に挿入し
てコンクリート等63を充填して一体化し、柱部材60
を構成する。なお、このさや管61は鋼管に代えて、例
えばコンクリート等が付着しないか又はほとんど付着し
ない材料からなる円筒体で形成してもよく、あるいは下
部になるにしたがって徐々に縮径されたテーパー管によ
って形成してもよい。
12、図13により説明する。先ず、図12(a)に示
すように、地盤Gに建て込まれた鋼管杭1の杭頭部に、
実施の形態1の場合と同様に下部支持部材21を取付け
る。ついで、図12(b)に示すように、柱10とさや
管61が一体化された柱部材60を鋼管杭1内に挿入す
ると共に、上部支持部材30のねじ挿通穴31を長ボル
ト35に嵌合し、これに螺合されたナット37b上に載
置する。そして、実施の形態1の場合と同様に、柱10
の上下方向、傾き及び水平方向の位置を調整し、固定す
る。
1と柱部材60との間にコンクリート等6を充填する。
そして、コンクリート等6が固化したのち、図12
(d)に示すように、長ボルト35及び下部支持部材2
1を取外せば、柱10と鋼管杭1との接合が完了する。
このときの状態を図13(a)に示す。
13(b)に示すように、施工機械等により柱10を鉛
直方向に引き上げる。このとき、さや管61の外周面は
コンクリート等6に付着しているが、さや管61の内周
面とコンクリート等63との間は剥離材62により付着
が切れているため、周囲のコンクリート等63と共に、
さや管61を鋼管杭1内に残置した状態で柱10を引き
抜くことができる。この場合、図14に示すように、下
部支持部材21と上部支持部材30との間にジャッキ6
5を介装し、柱10を引き抜いてもよい。
10のコンクリート等6を除去したものを含む)を接合
する場合は、古い柱10を引き抜いたさや管61内を清
掃したのち、図13(c)に示すように、鋼管杭1に下
部支持部材21等を取付けて、上部支持部材30が設け
られた柱10をさや管61内に挿入し、図13(d),
(e)に示すように、前述の要領で柱10の位置決め、
コンクリート等6の打設、下部支持部材21等の撤去を
行えばよい。
決め装置を用いた場合を示したが、実施の形態2又は3
に係る位置決め装置を用いてもよい。本実施の形態によ
れば、実施の形態1〜3とほぼ同様の効果を得ることが
できるが、さらに、本発明に係る位置決め装置を用いた
ことにより、柱10の交換や撤去を容易に行うことがで
きる。
形態5に係る柱と鋼管杭の位置決め装置の説明図、図1
6(a),(b)は図15の下部支持部材の取付状態を
示す平面図及び側面図である。なお、実施の形態1〜4
と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略す
る。実施の形態1〜4においては、施工後においても柱
10に上部支持部材30又は固定金物56が残置される
場合を示したが、本実施の形態においては、施工後には
柱10に金物等が一切残らないように構成したものであ
る。また、実施の形態1〜4では、下部支持部材21の
受け部22に設けたねじ穴24に長ボルト35を螺入し
て立設し、この長ボルト35に上部支持部材30,51
に設けたねじ挿通穴31,55を嵌合して、ナットで固
定する場合を示したが、本実施の形態においては長ボル
ト35を省略して下部支持部材21の受け部22にねじ
挿通穴を設け、下部支持部材21と上部支持部材とをボ
ルト・ナットにより固定するようにしたものである。
レートで、実施の形態3のように溶接により鋼管杭1に
接合せず、鋼管杭1と下部支持部材21の脚部23との
間に挾んでボルト26,26aにより一体に固定したも
のである。なお、ボルト26aは角度調整用ボルトを兼
ねているが、これは省略してもよく、さらに鋼管杭1の
板厚が厚い場合は、補強プレート27aを省略してもよ
い。24aは下部支持部材21の受け部22に設けたね
じ挿通穴である。
(b)に示すように、柱10の外径とほぼ等しい内径の
鋼管(短管)の如き円筒体を、上下方向に2つ割にして
形成した断面半円状の一対の固定部材71a,71b
と、上下方向に複数のねじ挿通穴73を有し、固定部材
71a,71bの開口端部の両側において開口部と同一
平面上に、かつ鉛直方向に取付けられた各一対の固定板
72a,72bと、ボルト78の外径より大径のねじ挿
通穴75が設けられ、両固定部材71a,71bの外壁
の下部にほぼ90°間隔で水平に溶接により接合された
ブラケット74とからなっている。76は固定部材71
a,71bとブラケット74との間に溶接接合された補
強リブであるが、これは省略してもよい。なお、77,
78はボルト、図15における64は柱部材60の底部
に設けられた回転防止用の縦リブである。
順の一例について説明する。先ず、図18(a)に示す
ように、地盤Gに建て込まれた鋼管杭1の杭頭部外周
に、ほぼ90°間隔で補強プレート27aを介して下部
支持部材21の脚部23をボルト26により固定する
(図16参照)。この場合、補強プレート27aを省略
して下部支持部材21の脚部23を直接鋼管杭1にボル
ト接合してもよい。
60のさや管61よりやや上方において、柱10の外壁
に、上部支持部材70を構成する固定部材71a,71
bを対向して嵌装し、固定板72a,72bを当接させ
る。そして、固定板72a,72bに設けたねじ挿通穴
73にボルト77を挿通し、ナットを螺合して固定す
る。これにより、固定部材71a,71b、したがって
上部支持部材70は柱10の外周に強固に固定される。
なお、必要に応じて柱10と固定部材71a,71bと
の間にパッキン等を介装してもよい。
60の下部を鋼管杭1内に挿入し、上部支持部材70の
ブラケット74をライナープレート38を介して下部支
持部材21の受け部22上に載置して、ねじ挿通穴24
aと75を整合させる。そして、ねじ挿通穴75から2
4aにボルト78を挿入し、柱部材60の上下方向、傾
き及び水平方向の位置を調整したのち、受け部22の下
からボルト78にナットを螺入し、一体に固定する。こ
のときの状態を図18(d)に示す。
管杭1と柱部材60との間にコンクリート等6を充填
し、コンクリート等6が固化したのち下部支持部材21
(補強プレート27aを含む)を取外すと共に、上部支
持部材70を柱10から取外す。これにより、外周に全
く突出部のない鋼管杭1と柱10が一体に接合される。
なお、柱10を交換したり撤去する場合は、実施の形態
4の場合とほぼ同様の手順で行えばよい。
10に断面半円状の固定部材71a,71b等からなる
上部支持部材70を着脱可能に取付ける場合を示した
が、実施の形態1〜3のように、柱10を直接鋼管杭1
に接合する場合においても、本実施の形態に係る上部支
持部材70を用いることができる。また、実施の形態1
〜4においては、柱の位置決め及び下部支持部材と上部
支持部材の固定のために、下部支持部材の受け部に螺入
した長ボルトを用いたが、この長ボルトに代えて、本実
施の形態のように、ボルト・ナットにより柱の位置決め
及び下部支持部材と上部支持部材を固定するようにして
もよい。
とほぼ同様の効果が得られるが、さらに、施工後は鋼管
杭及び柱の外周に位置決め装置に用いた金物等が一切残
らないので、使用上の障害になることがなく、その上外
観的、意匠的にすぐれた柱と鋼管杭の接合構造を得るこ
とができる。また、位置決め装置に用いた全ての部材が
再使用できるので経済的効果も大きい。さらに、下部支
持部材と上部支持部材をボルト・ナットにより固定する
ようにしたので、位置決め及び固定、取外し作業が容易
である。
の柱10を鋼管杭1に接合する場合を示したが、角形断
面、H形断面の柱の場合にも本発明を実施することがで
きる。
に構成したので、柱と鋼管杭を精度よく位置決めできる
ばかりでなく、施工後には取外すことができるので、意
匠上、景観上不都合が生じることがない。また、施工後
再使用できるため経済的効果も大きい。また、位置決め
装置を比較的小さい部品で形成し、各部品をボルト、ナ
ットで確実に緊定できる構造としたので、仮止め段階に
おける外力に対して安全性が高く、また着脱も容易であ
る。
ット37bの高さ位置をあらかじめ調整しておくか、又
は長ボルト35若しくはボルト77に必要な厚みのライ
ナープレート38を配置しておくことにより、上部支持
部材30,51をナット37b又はライナープレート3
8に当接するまで下降させることにより、上下方向の基
本的位置決めを行うことができ、また、上部支持部材3
0,51のボルト挿通穴31,55を長ボルト35又は
ボルト77の径より大きく形成することにより、柱10
の水平方向の位置を容易に調整することができるので、
柱10と鋼管杭1を短時間で高精度に位置決めすること
ができる。
は、ねじ穴又はねじ挿通穴を有する受け部と脚部からな
り、この脚部を鋼管杭の外周面に着脱可能に取付けられ
た複数の下部支持部材と、この下部支持部材の受け部に
設けたねじ穴に対応してねじ挿通穴が設けられ、柱の外
周に固定されたリング状の上部支持部材、又は柱の外周
に着脱可能に取付けられるL字状若しくは断面半円状の
上部支持部材と、これら上部支持部材に設けたねじ挿通
穴より小径で、下部支持部材の受け部に設けたねじ穴に
螺入された長ボルト又はねじ挿通穴に挿通されるボルト
とを有し、柱を鋼管杭内に挿入すると共に、上部支持部
材のねじ挿通穴を長ボルトに嵌合し、又は下部支持部材
と上部支持部材のねじ挿通穴にボルトを挿入し、柱の上
下方向、傾き及び水平方向の位置を調整したのち固定す
るようにしたので、柱と鋼管杭を容易かつ高精度で位置
決めすることができ、また、施工後は取外して再使用で
きるため、経済的効果の大きい位置決め装置を得ること
ができる。
決め装置の説明図である。
斜視図及び上部支持部材の取付状態を示す平面図であ
る。
る。
る。
明図である。
決め装置の一部を省略した説明図である。
る。
置決め装置の一部を省略した説明図である。
置決め装置の一部を省略した説明図である。
る。
る。
説明図である。
置決め装置の一部を省略した説明図である。
図及び側面図である。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 ねじ穴を有する受け部と脚部からなり、
該脚部が鋼管杭の外周面に着脱可能に取付けられる複数
の下部支持部材と、 該下部支持部材の受け部に設けたねじ穴に対応してねじ
挿通穴が設けられ、柱の外周に固定されたリング状の上
部支持部材と、 該上部支持部材に設けたねじ挿通穴より小径で、前記下
部支持部材の受け部に設けたねじ穴に螺入された長ボル
トとを有し、 前記柱を鋼管杭内に挿入すると共に、前記上部支持部材
のねじ挿通穴を前記長ボルトに嵌合し、該柱の上下方
向、傾き及び水平方向の位置を調整したのち固定するこ
とを特徴とする柱と鋼管杭の位置決め装置。 - 【請求項2】 下部支持部材の脚部を、鋼管杭の杭頂部
から周壁を着脱可能に挾持する一対の板で形成したこと
を特徴とする請求項1記載の柱と鋼管杭の位置決め装
置。 - 【請求項3】 リング状の上部支持部材に代えて、下部
支持部材の受け部に設けたねじ穴に対応してねじ挿通穴
が設けられた水平片と垂直片とによりL字状の複数の上
部支持部材を構成し、前記垂直片を柱に着脱可能に取付
けることを特徴とする請求項1又は2記載の柱と鋼管杭
の位置決め装置。 - 【請求項4】 リング状の上部支持部材に代えて、内径
が柱の外径とほぼ等しい円筒体を2つ割りにして一対の
固定部材を形成し、両固定部材の開口部の外側の上下方
向に複数のねじ挿通穴を有する固定板をそれぞれ設ける
と共に、外壁の下部にねじ挿通穴を有し下部支持部材の
受け部に対応してブラケットをそれぞれ設けて上部支持
部材を構成し、該上部支持部材を柱に着脱可能に取付け
ることを特徴とする請求項1又は2記載の柱と鋼管杭の
位置決め装置。 - 【請求項5】 下部支持部材の受け部に設けたねじ穴に
代えてねじ挿通穴を設けると共に長ボルトを省略し、下
部支持部材に設けた前記ねじ挿通穴と上部支持部材に設
けたねじ挿通穴に挿通したボルトにより両者を固定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の柱と
鋼管杭の位置決め装置。 - 【請求項6】 地盤に建て込まれた鋼管杭の上部外周に
請求項1又は2の下部支持部材を取付ける工程と、 請求項1、3又は4のいずれかの上部支持部材が取付け
られた柱の下部を前記鋼管杭内に挿入する工程と、 該柱の上下方向、傾き及び水平方向の位置を調整して下
部支持部材と上部支持部材を固定する工程と、 前記鋼管杭と柱との間にコンクリート等を充填する工程
と、 該コンクリート等が固化したのち前記下部支持部材及び
請求項3又は4の上部支持部材を取外す工程とからなる
ことを特徴とする柱と鋼管杭の位置決め方法。
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- 2001-12-28 JP JP2001398918A patent/JP3728728B2/ja not_active Expired - Fee Related
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