JP2006100246A - 燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両、及び燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両、及び燃料電池用セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セパレータと電極間で発生する接触抵抗が低く、耐食性に優れており、かつ低コストの燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック及びこれを搭載した燃料電池車両を提供する。
【解決手段】チタンからなる基材から形成され、基材表面に燃料又は酸化剤の通路12が形成された基層13と、基層13の直接上に形成された窒化層14と、を備える。
【選択図】図3

Description

この発明は、燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両、及び燃料電池用セパレータの製造方法に関し、特にチタンを用いて形成した固体高分子電解質型の燃料電池用セパレータに関する。
地球環境保護の観点から、燃料電池を自動車の内燃機関に代えて作動するモーターの電源として利用し、このモーターにより自動車を駆動することが検討されている。この燃料電池は、資源の枯渇問題を有する化石燃料を使う必要がないため排気ガス等を発生することがない。また、燃料電池は騒音がほとんど発生せず、更にはエネルギーの回収効率も他のエネルギー機関と比べて高くすることが可能である等の優れた特徴を有している。
燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて、固体高分子電解質型、リン酸型、溶融炭酸塩型及び固体酸化物型等がある。そのうちの一つである固体高分子電解質型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、電解質として分子中にプロトン交換基を有する高分子電解質膜を使用して、高分子電解質膜を飽和に含水させるとプロトン伝導性電解質として機能することを利用した電池である。固体高分子電解質型燃料電池は比較的低温で作動し、かつ発電効率が高い。更には、固体高分子電解質型燃料電池は他の付帯設備と共に小型で軽量であるため、電気自動車搭載用を始めとする各種の用途が見込まれている。
上記固体高分子電解質型燃料電池は燃料電池スタックを有する。燃料電池スタックは、電気化学反応により発電を行う基本単位となる単セルを複数個積層して両端部をエンドフランジで挟み、締結ボルトにより加圧保持されて一体に構成される。単セルは、高分子電解質膜とその両側に接合されるアノード(水素極)とカソード(酸素極)により構成される。
図11は、燃料電池スタックを形成する単セルの構成を示す断面図である。図11に示すように、単セル80は、固体高分子電解質膜81の両側に酸素極82及び水素極83を接合して一体化した膜電極接合体を有する。酸素極82及び水素極83は、反応膜84及びガス拡散層85(GDL:gas diffusion layer)を備えた2層構造であり、反応膜84は固体高分子電解質膜81に接触している。酸素極82及び水素極83の両側には、積層のために酸素極側セパレータ86及び水素極側セパレータ87が各々設置されている。そして、酸素極側セパレータ86及び水素極側セパレータ87により、酸素ガス流路、水素ガス流路及び冷却水流路が形成されている。
上記構成の単セル80は、固体高分子電解質膜81の両側に酸素極82、水素極83を配置して、通常、ホットプレス法により一体に接合して膜電極接合体を形成し、次に膜電極接合体の両側にセパレータ86、87を配置して製造する。上記単セル80から構成される燃料電池では、水素極83側に、水素、二酸化炭素、窒素、水蒸気の混合ガスを供給し、酸素極82側に空気及び水蒸気を供給すると、主に、固体高分子電解質膜81と反応膜84との間の接触面において電気化学反応が起こる。以下、より具体的な反応について説明する。
上記構成の単セル80において、酸素ガス流路及び水素ガス流路に酸素ガス及び水素ガスが各々供給されると、酸素ガス及び水素ガスが各ガス拡散層85を介して反応膜84側に供給され、各反応膜84において以下に示す反応が起こる。
水素極側:H2 →2H+ +2e- ・・・式(1)
酸素極側:(1/2)O2+2H+ + 2e-→H2O ・・・式(2)
水素極83側に水素ガスが供給されると、式(1)の反応が進行して、H+ とe-とが生成する。H+は、水和状態で固体高分子電解質膜81内を移動して酸素極82側に流れ、e- は負荷88を通って水素極83から酸素極82に流れる。酸素極82側では、H+とe-と供給された酸素ガスとにより、式(2)の反応が進行して、電力が生成する。
上述したように、燃料電池用セパレータは各単セル間を電気的に接続する機能を有するため、電気伝導性が良く、かつガス拡散層等の構成材料との接触抵抗が低いことが要求される。また、固体高分子型電解質膜は、スルホン酸基を多数有する高分子から形成されており、湿潤状態においてスルホン酸基をプロトン交換として用いるため、プロトン伝導性を有する。固体高分子型電解質膜は強酸性であるため、燃料電池用セパレータにはpH2〜3程度の硫酸酸性に対する耐食性が要求される。さらに、燃料電池に供給される各ガスの温度は80〜90[℃]と高温であり、また、水素極ではH+が生じるだけでなく、酸素や空気等が通過する酸素極は、標準水素極電位に対して0.6〜1[VvsSHE]程度の電位が負荷される酸化性環境下にある。このため、酸素極及び水素極と同様に、燃料電池用セパレータには強酸性雰囲気下で耐え得る耐食性が要求される。なお、ここで要求される耐食性とは、燃料電池用セパレータが強酸性の酸化環境下においても電気伝導性能を維持できる耐久性を意味する。つまり、カチオンが加湿水又は式(2)の反応により生成した水に溶け出すことにより、カチオンが本来プロトンの通り道となるべきスルホン酸基と結合してスルホン酸基を占有し、電解質膜の発電特性を劣化させる環境で、耐食性を測定する必要がある。
そこで、燃料電池用セパレータには、電気伝導性が良く耐食性に優れたステンレス鋼又は工業用純チタン等のチタン材を使用する試みがされている。ステンレス鋼は、その表面にクロムを主金属元素とした酸化物、水酸化物又はこれらの水和物等の緻密な不動態皮膜が形成されている。チタンも同様に、その表面に酸化チタン、水酸化チタン又はこれらの水和物等の緻密な不動態皮膜が形成されている。このため、ステンレス鋼やチタンは耐食性が良好である。
しかし、上記した不動態皮膜は、通常ガス拡散層として用いられるカーボンペーパとの間で接触抵抗を生じる。燃料電池内の抵抗分極による過電圧は、定置型用途ではコージェネレーション等により排熱を回収できるため、トータルとしての熱効率が向上する。一方、自動車用用途では、接触抵抗に基づく発熱ロスは冷却水を通してラジエータから外部に捨てるしかないため、接触抵抗が大きくなると発電効率の低下に繋がる。また、発電効率低下は発熱が大きくなることと等価であり、より大きな冷却系を装備する必要性が生じるため、接触抵抗の増大は解決すべき重要な課題となっている。
燃料電池では、単位セル当りの理論的な電圧は1.23[V]となるが、反応分極、ガス拡散分極、抵抗分極により実際に取り出せる電圧が降下し、取り出す電流が大きくなるほど電圧は降下する。また、自動車用用途では、単位体積・重量当りの出力密度を大きくしたいことから、定置用より高電流密度側、例えば、電流密度1[A/cm]で使用される。電流密度が1[A/cm]の時には、セパレータとカーボンペーパ間の接触抵抗が40[mΩ・cm]以下であれば接触抵抗による効率低下がおさえられると考えられている。
そこで、ステンレス鋼をプレス成形した後、電極との接触面に直接金めっき層を形成した燃料電池用セパレータが提案されている(特許文献1参照)。また、ステンレス鋼やチタンを燃料電池用セパレータに加工した後、他の部材と接触して接触抵抗を生ずる面の不動態皮膜を除去して貴金属又は貴金属合金を付着させた燃料電池用セパレータが提案されている(特許文献2参照)。さらに、ステンレス鋼表面にTiN(窒化チタン)とCrN(窒化クロム)などの異なる種類の金属窒化物層を2層以上形成した燃料電池用セパレータが提案されている(特許文献3参照)。
特開平10−228914号公報(第2頁、第2図) 特開2001−6713号公報(第2頁) 特開2001−236967号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、金などの貴金属又は貴金属合金を燃料電池用セパレータ表面にメッキ又はコーティングを施す場合には素材コストがかかる。また、基材をステンレス鋼とする場合には、表面にTiNとCrNなどの金属窒化物層を単層でコーティングさせると、膜の内部残留応力が大きくなるため金属窒化物層中に欠陥が生じてセパレータの耐食性が劣るおそれがある。このため、金属窒化物層を2層以上形成することにより金属窒化層中の欠陥を低減させることが望ましいが、その場合には、工程が増えることによるコストアップは免れない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第1の発明である燃料電池用セパレータは、チタンからなる基材から形成され、基材表面に燃料又は酸化剤の通路が形成された基層と、基層の直接上に形成された窒化層と、を備えることを要旨とする。
また、第2の発明である燃料電池用セパレータの製造方法は、チタンからなる基材にプラズマ窒化処理を施して基材表面に窒化層を形成する窒化工程を有することを要旨とする。
さらに、第3の発明である燃料電池スタックは、上記第1の発明である燃料電池用セパレータを用いたことを要旨とする。
また、第4の発明である燃料電池車輌は、上記第3の発明である燃料電池スタックを搭載し、これを動力源として用いたことを要旨とする。
第1の発明によれば、セパレータと電極間で発生する接触抵抗が低く、耐食性に優れており、かつ低コストの燃料電池用セパレータを提供することができる。
第2の発明によれば、簡便な操作により高性能の燃料電池用セパレータを製造することが可能となる。
第3の発明によれば、高性能で、かつ小型化及び低コスト化した燃料電池スタックを提供することができる。
第4の発明によれば、小型化した燃料電池スタックを搭載することにより、走行距離の長距離化を実現できると共にスタイリングの自由度を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両及び燃料電池用セパレータの製造方法について、固体高分子型燃料電池に適用した例を挙げて説明する
(燃料電池用セパレータ及び燃料電池スタック)
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成した燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す燃料電池スタック1の詳細な構成を模式的に示す燃料電池スタック1の展開図である。
図2に示すように、燃料電池スタック1は、電気化学反応により発電を行う基本単位となる単セル2と燃料電池用セパレータ3とを交互に複数個積層して構成される。各単セル2は、固体高分子型電解質膜の両面に各々酸化剤極を有するガス拡散層と燃料極を有するガス拡散層とを形成して膜電極接合体とし、膜電極接合体の両側に燃料電池用セパレータ3を配置して、燃料電池用セパレータ3内部に酸化剤ガス流路と燃料ガス流路とを各々形成している。固体高分子型電解質膜としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体膜(Nafion1128(登録商標)、デュポン株式会社)等を使用することができる。単セル2と燃料電池用セパレータ3とを積層した後、両端部にエンドフランジ4を配置して、外周部を締結ボルト5により締結して燃料電池スタック1を構成する。また、燃料電池スタック1には、各単セル2に水素ガス等の水素を含有する燃料ガスを供給するための水素供給ラインと、酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給ラインと、冷却水を供給する冷却水供給ラインが設けられている。
図2に示した燃料電池用セパレータ3の模式図を図3に示す。図3(a)は、燃料電池用セパレータ3の模式的斜視図、図3(b)は、燃料電池用セパレータ3のIIIb-IIIb線断面図、図3(c)は、燃料電池用セパレータ3のIIIc-IIIc線断面図である。図3(a)に示すように、燃料電池用セパレータ3の上面11には、チタンからなる基材をプレス成形することにより、断面矩形状の燃料又は酸化剤の通路12が形成されている。そして、基層13の上面13aと通路12の外面に沿って窒化層14が延在している。窒化層14の上面14aは、電極を構成するガス拡散層と接している。窒化層14の下面14bは基層13の上面13aと接触している。
本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ1では、窒化層14が酸性雰囲気での耐食性に寄与してステンレス鋼を凌ぐ耐食性を有する。また、チタンを基材とした窒化層14により、ガス拡散層として通常使用されるカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることが可能となる。さらに、従来のように、ステンレス鋼表面にTiNとCrNなどの異なる種類の金属窒化物層を2層以上形成させなくても耐食性に優れ、また、電極と接触する面に直接金メッキ層を施さなくても接触抵抗を抑えることができるため、低コスト化を実現することが可能となる。
ここで、一般的にチタンの特徴として、加工性が良い、酸化性雰囲気において表面に酸化膜が存在するためステンレス鋼を凌ぐ耐食性を有する、などがあげられる。このように、チタンはpH2〜3の強酸性雰囲気における耐食性にも優れるものである。しかし、チタンは表面に酸化膜が存在するために、表面改質を施さずにそのまま用いた場合には、カーボンペーパとの接触面の接触抵抗値が大きくなり、そのままではセパレータとして使用することは難しい。これに対し、チタン表面に窒化処理を施して窒化層を形成した場合には、ガス拡散層であるカーボンペーパとの接触抵抗値は低く、かつ高い電気伝導性を保つことが可能となる。さらに、この窒化層は、基材を窒化処理して窒化層を形成し、その後にセパレータ形状にプレス成形したことによって窒化層に亀裂が入った場合であっても、基材のチタンはpH2〜3の強酸性雰囲気における耐食性は優れたものであるため、優れた耐食性と電気伝導性を維持する。このように、基材にチタンを用い、さらに、基材表面に窒化層が形成されていることにより、セパレータ成形時の適用条件範囲が緩和されるという効果もある。
さらに、チタンは、工業用純チタン(JIS1種)であることが好ましい。工業用純チタンは、特に純度が高く、加工性、耐食性の面においてさらなる性能が得られる。そして、工業用純チタン(JIS1種)の密度はステンレス鋼の約60[%]であるため、板厚を薄くすることが可能となる。このため、工業用純チタン(JIS1種)の単価はステンレス鋼の1.3倍と割高ではあるが、板厚を薄くすることにより、ステンレス鋼を用いる場合よりもコストを低く抑えることが可能となる。そして、軽量な燃料電池用セパレータ、さらには、軽量な燃料電池スタックを提供することが可能となる。
窒化層の最表面にTiN単相を含み、このTiN単相はチタン原子によって形成された面心立方格子の八面体空隙位置に窒素原子が配置された岩塩(NaCl)型であるTiN型の結晶構造を有する。TiN型の結晶構造20は、より具体的には、図4に示すようにチタン原子21によって形成された面心立方格子の八面体空隙位置に窒素原子22が配置された侵入型固溶体である。窒素原子22はTiN型の結晶構造20の八面体空隙位置を占有する。TiN型の結晶構造とすることにより、チタン原子21間の金属結合を維持したまま、チタン原子21と窒素原子22との間で強い共有結合性を示す。
そして、このTiN単相中の窒素量は、37[at%]以上であることが好ましい。図5に、窒素量とチタンの活量との関係を示すTi−N二元系活量模式図を示す。図5の横軸は窒素量[at%]を示し、縦軸にチタンの活量[aTi]を示す。図5においてaで示す範囲は、チタンがαTiの状態である。チタンがαTiの場合には、α単相のため窒素の増量と共にチタンの活量は低減する。図5においてbで示す範囲はαとεの2相のため、チタンの活量は一定値を示し変化しない。図5においてcで示す範囲はε単相のため、窒素の増量と共にチタンの活量は低減する。図5においてdで示す範囲はαとεの2相のため、チタンの活量は一定値を示し変化しない。図5においてeで示す範囲はTiN単相となっている状態である。図5に示すように、窒素量が多くなるほど、チタンの活量が低くなり、窒化化合物の化学的安定性が向上することがわかる。特に、TiN単相中の窒素量が37[at%]以上の場合にはチタンの活量が低く、TiN単相中のチタンの酸化に対する反応性が低くなる。また、TiN単相中の窒素量を45[at%]以上とすることがより好ましい。図5に示すように、窒素量を45[at%]以上とすることにより、窒素のケミカルポテンシャルを高めて、チタンの活量をより一層低く抑えて、TiN単相中のチタンの酸化に対する反応性を低く抑えることができる。つまり、窒化層14の表面である上面14aから数十[nm]を窒素リッチとすることにより、基層13において酸化チタンの生成を抑制し、隣接するガス拡散層との間の接触抵抗値を低い値にすることができる。この結果、酸化雰囲気における窒化層の化学的安定性が高まり、燃料電池内の酸化性雰囲気に長期にわたってセパレータをさらした場合であっても、窒化層が酸化されることなく電気導電性を維持することができる。
さらにTiN単相中の非化学量論組成をTiNと表現した場合に、xが、0.6≦x≦1.05の範囲にあることが好ましい。TiN単相の組成を本範囲に規定することにより、TiN単相中のチタンの活量を低く抑えて、チタンの酸化に対する反応性を低くすることができる。この結果、酸化雰囲気においても窒化層の化学的安定性が向上するため、燃料電池の使用期間中、セパレータとガス拡散層との間の接触抵抗を低い値に維持することができる。また、xがを0.8≦x≦1.05の範囲とすることがより好ましい。本範囲に規定することにより、チタンの活量が一段と低くなり、TiN単相中のチタンの酸化に対する反応性が低下し、酸化性雰囲気下での接触抵抗をより一層低い値にすることができる。
上記燃料電池用セパレータ3の窒化層14において、TiN単相は、窒化層14のカーボンペーパと接触する上面14aに存在し、かつその表面積の50[%]以上をTiN単相が占めていることが好ましい。TiN単相が表面積の50[%]未満になると通電できる面積が過小となり接触抵抗が増大する可能性があるためである。
また、基層13中のチタンの活量を1とした場合に、窒化層14中のチタンの活量aTiが、0.2以下であることが好ましい。チタンの活量aTiが0.2を超えると、窒化層の化学的安定性が低下して酸化されやすくなり、電気導電性が低下するためである。
上記構成の燃料電池用セパレータ3において、窒化層14の厚さと基材の厚さとの比が、1/2000以上1/5以下の範囲内であることが好ましい。具体的には、基材の板厚が0.1[mm]の場合には、窒化層は基材表面に片面あたり厚さ0.05[μm]以上20[μm]以下の範囲で形成されていることが好ましい。さらに窒化層の厚さと基材の厚さとの比が、1/1000以上1/10以下の範囲内であることがより好ましい。具体的には、基材の板厚が0.1[mm]の場合には、窒化層は基材表面に片面あたり厚さ0.1[μm]以上10[μm]以下の範囲で形成されていることがより好ましい。この場合には、強酸性雰囲気における耐食性に優れ、かつカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑え、さらには、優れた導電性を確保することが可能となる。なお、窒化層の厚さが0.05[μm]を下回る場合には、カーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることが難しい。さらには、窒化層中に亀裂が生じ、絶縁性を示すTiOなどの酸化膜で覆われやすくなるため導電性の確保が難しい。また、窒化層の厚さが20[μm]を上回る場合には、窒化層内の応力により窒化層内に亀裂が入り、窒化層が基層から脱落しやすくなる。また窒化層が脱落した部位では酸化膜を形成しやすくなることから、ガス拡散層との接触抵抗値が大きくなるために導電性が悪化するおそれがある。さらには、窒化層内の亀裂により、基材自体が割れる可能性がある。
また、上記窒化層表面の組成が、窒素量が30[at%]以上かつ酸素量が30[at%]以下であることが好ましい。この場合には、窒化層の表面、つまり、ガス拡散層と接触する窒化層14の上面14aが、絶縁性を示すTiOなどの酸化膜でなく、導電性に優れる窒化層で覆われるようになる。このため、カーボンペーパとの接触面の接触抵抗の低い窒化層が得られ、導電性の確保が可能となる。なお、窒素量が30[%]を下回るか、酸素量が30[%]を上回る場合には、接触抵抗が大きく導電性が悪化する。なお、表面の組成とは、表面から深さ5[nm]までの範囲における組成を意味する。
このように、上記した構成を採用したことにより、本発明に係る燃料電池用セパレータは耐食性に優れ、低コストで生産性が良好であると共に、隣接するガス拡散層などの構成材料との接触電気抵抗が低く、燃料電池の発電性能の良い燃料電池用セパレータを得ることが可能となる。また、本発明に係る燃料電池スタックは、本発明に係る燃料電池用セパレータを用いたことにより、発電性能を損なうことなく高い発電効率を維持できると共に、小型化及び低コスト化を実現することが可能となる。
(燃料電池用セパレータの製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法の実施の形態について説明する。この燃料電池用セパレータの製造方法は、チタンからなる基材にプラズマ窒化処理を施して基材表面に窒化層を形成する窒化工程を有することを特徴とする。
窒化処理にはガス窒化法、ガス軟窒化法、塩浴法、プラズマ窒化法などがある。窒化処理のうち、プラズマ窒化法は、被処理物を陰極とし、直流電圧を印加して発生するグロー放電によって窒素ガスをイオン化し、イオン化した窒素が被処理物の表面へ高速加速衝突することで窒化する方法である。チタンは、酸素、窒素、水素、炭素などの元素と親和力が強いため、高温において容易に反応して化合物を形成する。しかし、プラズマ窒化法では酸素分圧の低い真空中で処理し、イオン衝撃によるスパッタリング作用により被処理物である基材表面の不動態皮膜を容易に除去しつつ窒化する。また、非平衡反応によって基材中に窒素イオンを浸透させるために、窒化層中の酸素含有量を低く抑えることができ、上記結晶構造を短時間で容易に得ることができる。そして、セパレータと隣接するガス拡散層などの構成材料との接触抵抗を低く抑えることができ、燃料電池の発電効率を維持でき、優れた耐久信頼性を有する燃料電池用セパレータを低コストで得ることができる。なお、窒化処理をガス窒化で行う場合には、窒化層中の酸素含有量が多くなるため、接触抵抗値が大きくなる。
図6に、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法に用いる窒化装置30の側面模式図、図7に、窒化装置30のシステム図を示し、具体的に燃料電池用セパレータの製造方法を説明する。
窒化装置30は、バッチ式の窒化炉31と、この窒化炉31に雰囲気ガスを供給するガス供給装置32と、窒化炉31内でプラズマを発生させるプラズマ電極33a、33b及びこれらの電極33a、33bに直流電圧を供給する直流電源33と、窒化炉31内のガスを排出するポンプ34と、窒化炉31内の温度を検知する温度センサ37とを含んでいる。窒化炉31は内壁31a及び外壁31bを有し、内壁31aの天井部31cには燃料電池用セパレータの形状に加工したチタン箔44を吊下するステンレス製のハンガ36が設けられる。ガス供給装置32は、ガス室38とガス供給管路39とを有し、ガス室38には開口32a、32b、32c及び32dが設けられている。開口32a、32b及び32cは、それぞれガス供給弁V1、ガス供給弁V2及びガス供給弁V3を備えるHガス供給ライン32e、Nガス供給ライン32f、Arガス供給ライン32gと連通する。ガス供給装置32は、ガス供給管路39の一端と連通する開口32dを有する。窒化炉31の天井部31cには、ガス供給管路39の他端と連通する開口31dを有する。ガス供給管路39にはガス供給弁V4が設けられる。窒化炉31内のガス圧は、窒化炉31の底部31eに設けられたガス圧センサ40によって検知される。窒化炉31には冷却水流路(不図示)が設けられ、冷却水は窒化炉31の外壁31bに設けられた開口31fから冷却水流路に流入し、開口31gから流出する。開口31fには冷却水供給弁V5が設けられ、冷却水の流量を調節する。ポンプ34は、上記底部31eに設けられた開口31hと連通する排出管路41と接続される。温度センサ37は、窒化炉31の外壁31bに設けられた設置口31iに設置される。
窒化装置30には、グロー放電のために操作盤43から制御される直流電源33の他に、バイアス用のポテンショメータ35が設けられている。直流電源33は陽(+)極33aが窒化炉31の内壁31aに接続され、陰(−)極33bが接地されている。ポテンショメータ35は、バイアス用直流電源端子35cと接地回路35dとの間の電位差を、可動接触子35eにより0[V]からバイアス電圧の範囲で分圧し、それにより得た電圧をバイアス回路35aを介して各チタン箔44に供給する。直流電源33は制御盤43からの制御信号によりオン、オフされる。ポテンショメータ45は、制御盤33からバイアス制御回路35bを介してバイアス制御信号が供給され、この制御信号に応じて可動接触子35eが摺動する。従って、各ステンレス鋼箔44は、内壁31aに対し、直流電源33の端子間電圧と、可動接触子35eを介して供給されるバイアス電圧とを加えた電圧差を有する。なお、ガス供給装置32及びガス圧センサ40も、操作盤43によって制御すされる。なお、プラズマ窒化には窒素ガス及び水素ガスを使用し、窒素ガス及び水素ガスを放電させた低温非平衡プラズマ中において基材にマイナスのバイアス電圧をかけることが好ましい。
なお、窒化工程は、700[℃]以上890[℃]未満の範囲で行われることが好ましい。700[℃]を下回る温度でプラズマ窒化した場合には、窒化されにくくかつ酸化されやすくなる。このため、ガス拡散層と接触する窒化層表面の窒素量が30[at%]を下回り、かつ、酸素量が30[at%]を上回るため、接触抵抗値が大きくなる。一方、890[℃]を越える温度でプラズマ窒化した場合には、窒素含有量が30[at%]を上回るが、酸素含有量も30[at%]を上回るため、接触抵抗値が大きくなる。このため、窒化処理工程は、700[℃]以上890[℃]未満の温度で行われることが好ましい。なお、純チタンの同素変態点は882[℃]であり、882[℃]以上では純チタンはα(hcp構造)からβ(bcc構造)となる。純チタンは、β域では変形は容易になるが、化学的に活性となるため酸化膜が成長しやすくなり、更には脆化しやすくなると考えられている。このため、窒化工程は、700[℃]以上882[℃]未満の範囲で行われることがより好ましい。
さらに、窒化工程の後に、基材にプレス成形を施して基材をセパレータ形状とするプレス成形工程を有することが好ましい。窒化工程の後に基材をセパレータ形状にプレス成形する場合には、窒化処理の前段で行う基材の圧延工程における焼鈍工程と窒化工程とを同程度の温度域で連続して処理することが可能なため、製造工程及びコストの削減が可能となる。
このように、本発明における燃料電池用セパレータの製造方法によれば、窒化層表面の組成に、原子百分率で窒素量が30[at%]以上かつ酸素量が30[at%]以下含有されている窒化層が形成されるため、セパレータと構成材料との間で発生する接触抵抗が低く、耐食性に優れており、かつ簡便な操作により低コストの燃料電池用セパレータ製造することが可能となる。また、本発明に係る燃料電池用セパレータを用いたことにより、発電性能を損なうことなく高い発電効率を維持できると共に、小型化及び低コスト化を実現した燃料電池スタックを得ることが可能となる。
(燃料電池車両)
本発明の実施の形態に係る燃料電池車両の一例として、前述した本発明の実施の形態に係る燃料電池スタックを動力源とした燃料電池電気自動車を挙げて説明する。
図8は、燃料電池スタック1を搭載した燃料電池電気自動車の外観を示す図である。図8(a)は燃料電池電気自動車50の側面図、図8(b)は燃料電池電気自動車50の上面図である。図8(b)に示すように、車体51前方には、左右のフロントサイドメンバとフードリッジのほか、フロントサイドメンバを含む左右のフードリッジ同士を互いに連結するダッシュロア部材をそれぞれ組み合わせて溶接接合したエンジンコンパートメント部52を形成している。図8(a)及び(b)に示す燃料電池電気自動車70では、エンジンコンパートメント部52内に燃料電池スタック1を搭載している。
本発明の実施の形態に係る燃料電池セパレータを適用した発電効率の高い燃料電池スタック1を自動車等の移動体車両に搭載することにより、燃料電池電気自動車の燃費向上を図ることができる。また、小型化した軽量の燃料電池スタック1を車両に搭載することにより、車両重量を低減して省燃費化を図ることができ、走行距離の長距離化を図ることができる。さらに、小型化した燃料電池を移動体車両等に搭載することにより、車室内空間をより広く活用することができ、スタイリングの自由度を高めることができる。
なお、燃料電池車両の一例として電気自動車を挙げたが、本発明は電気自動車等の車両に限定されるものではなく、電気エネルギが要求される航空機その他の機関にも適用することが可能である。
以下、実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4により本発明に係る燃料電池用セパレータをさらに具体的に説明する。これらの実施例は、本発明に係る燃料電池用セパレータの有効性を調べたもので、異なる条件下で処理を施すことによって製造した燃料電池用セパレータの例を示したものである。
<試料の調製>
実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例4では、基材として板厚0.1[mm]の工業用純チタン(JIS1種)を用いた。そして、実施例1〜実施例10、比較例1〜比較3は、基材の両面に、処理温度650〜900[℃]、処理時間5〜60[分]、ガス混合比N:H=1:1、処理圧力1[Torr](=133[Pa])の条件で、プラズマ窒化処理した。なお、比較例4ではプラズマ窒化処理を施してはいない。表1に窒化条件を示す。
ここで、各試料は、以下の方法によって評価された。
<窒化層の厚さの測定>
窒化処理した平板基材の断面を研磨後王水にて腐食し、光学顕微鏡を用いて400倍で断面観察、または走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−4000)を用いて1000〜10000倍で断面観察し、窒化層の厚さを測定した。
<窒化層の同定>
窒化層の同定は、表面のХ線回折測定を行った。装置は、マックサイエンス社製 X線回折装置(XRD)を用いた。測定は、線源はCuKα線、回折角20〜100[゜]、スキャン速度2[゜/min]の条件で行った。
<窒化層表面の窒素量及び酸素量の測定>
実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4で得られた試料の窒化層表面の窒素量及び酸素量の測定は、窒化処理した平板表面をX線光電子分光分析(XPS)により求めた。装置は、PHI社製 光電子分光分析装置Quantum-2000を用いた。測定は、線源としてMonochromated-Al-kα線(電圧1486.6[eV]、20.0[W])、光電子取り出し角度45[゜]、測定深さ約4[nm]、測定エリアφ200[μm]にてX線を窒化層表面に照射することにより行った。そして、得られたXPSスペクトルのピーク面積比から、窒化層表面の窒素量及び酸素量を求めた。
<TiN相中の非化学量論組成>
TiN単相最表面の、TiNのxの値及びTiN相中の窒素量は、オージェ電子分光法を用いて定量分析を行い測定した。
<TiN相中のTiの活量(aTi)>
化学熱力学で使用される活量推定方法である状態図作図法を用いた。TiNのTiの活量(aTi)は、aTi=(1.04−x)×0.45の式を用いて推定値を求め。推定値を使用した
<接触抵抗値の測定>
得られた試料を30[mm]×30[mm]の大きさに切り出して接触抵抗を測定した。装置は、アルバック理工製 圧力負荷接触電気抵抗測定装置 TRS-2000SS型を用いた。そして、図9(a)に示すように、電極61とサンプル62との間にカーボンペーパ63を介在させて、図9(b)に示すように、電極61a/カーボンペーパ63a/サンプル62/カーボンペーパ63b/電極61bの構成とした。そして、測定面圧1.0[MPa]にて1[A/cm]の電流を流した際の電気抵抗を2回測定し、各電気抵抗の平均値を求めて接触抵抗値とした。カーボンペーパは、カーボンブラックで担持した白金触媒を塗布したカーボンペーパ(東レ(株)製カーボンペーパ TGP-H-090 厚さ0.26[mm]、かさ密度0.49[g/cm]、空隙率73[%]、厚さ方向体積抵抗率0.07[Ω・cm])を用いた。電極は、直径φ20のCu製電極を用い、後述する電解試験の前後で2回測定を行った。
<耐食性の評価>
燃料電池では、水素極側に比較して酸素極側に最大で1[VvsSHE]程度の電位がかかる。また、固体高分子電解質膜は、分子中にスルホン酸基などのプロトン交換基を有する高分子電解質膜を飽和に含水させてプロトン伝導性を利用するものであり、強酸性を示す。このため、電位をかけた状態で一定時間保持した後の腐食電流密度、又は、電位をかけた状態で一定時間保持した後の溶液中に溶け出した金属イオン量を測定することにより耐食性を評価した。定電位電解試験の条件は、pH2の硫酸水溶液で、温度80[℃]、電位1[VvsSHE]電位を印加し、保持する一定時間を100[時間]とした。実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4で得られた試料については、窒化処理を施した平板から寸法150[mm]×150[mm]の平板を切り出した後、各基材にプレス成形によりガス流路部(アクティブエリア)寸法100[mm]×100[mm]のインターデジテート型流路を張り出し成形してセパレータとした。その後、窒化後張り出し成形したセパレータ試料を30[mm]×30[mm]の大きさに切り出して定電位電解試験を行った後、腐食電流密度を測定し、耐食性の低下の度合いを評価した。そして、定電位電解試験を行った後の溶液中に溶け出したチタンイオン量を蛍光X線分析により測定して耐食性を評価した。
実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4で得られた試料の窒化層の結晶構造、窒化層の厚さ、窒化層最表面における窒素量及び酸素量を表2に示す。また、定電位電解試験前後における接触抵抗値、チタンイオン溶出量及び定電位電解試験後の腐食電流密度を表3に、TiN単相中の窒素量、TiNにおけるXの値及びTiN中のチタンの活量を表4に示す。
次に、実施例1で得られた試料の倍率400倍による光学顕微鏡断面組織写真を図10に示す。図10では、基材71の両表面に窒化層72が形成されていることがわかる。
また、表2及び表3に示すように、窒化層の厚さが0.05〜9.5[μm]にある実施例1〜実施例10では、定電位電解試験前の接触抵抗値がいずれも5[mΩ・cm]以下であった。これに対し、窒化層が形成されていない比較例4では接触抵抗値は高かった。また、表4に示すように、窒化層がTiN単相となり、TiN単相中の窒素量が37[at%]以上、TiNにおけるxが0.6以上である実施例1〜実施例10では、定電位電解試験後の接触抵抗値が20[mΩ・cm]以下であった。これらのうち、窒素量が45[at%]以上であり、xが0.8以上の範囲である実施例1〜実施例3及び実施例7〜10では、定電位電解試験前後での接触抵抗値がいずれも10[mΩ・cm]以下であり、定電位電解試験前後において接触抵抗値がほとんど変化せず、定電位電解試験によって耐食性が低下しないことが判明した。これに対して、窒化層を形成しなかった比較例4では、耐食試験の前後共に接触抵抗値が高く、特に定電位電解試験後の値が高かった。また、比較例1〜比較例3では、基材表面に窒化層を形成したが、TiNではなく、TiN又は窒素固溶α-Tiが生成していた。図5に示したように、TiN又はα-Ti中のチタンは活量が高い、つまりチタンの反応性が高い。このため、チタンが酸化しやすく、燃料電池の使用環境を模擬した酸化性雰囲気において低い接触抵抗を維持できず、窒化層が電気化学的安定性を示さないことがわかった
次に、腐食電流密度を測定した結果により、実施例1〜実施例10ではいずれも腐食電流密度が低く、窒化処理を施していない比較例4を下回っており、耐食性に優れていることがわかった。またプラズマ窒化処理を低温で施した比較例2、3及びプラズマ窒化処理を高温で施した比較例1では、実施例1〜実施例10と比較するとやや耐食性が劣る結果となった。また、比較例2、3のように、工業用純チタンを700[℃]を下回る温度でプラズマ窒化した場合には、窒化層最表面の窒素量が低く、かつ酸素量が高くなるために、100時間定電位電解試験後の腐食電流密度は低く耐食性は満足する。しかし、定電位電解試験後のカーボンペーパとの接触において抵抗が大きく、電気伝導性が劣るようになると考えられる。
また、プラズマ窒化処理を高温で施した比較例1のように、工業用純チタンを890 [℃]を越える温度でプラズマ窒化した場合には、窒化層最表面の窒素量及び酸素量が高くなるために、100時間定電位電解試験後の腐食電流密度は低く耐食性は満足する。しかし、定電位電解試験後のカーボンペーパとの接触において抵抗が大きく、電気伝導性が劣るようになると考えられる。
以上の測定結果より、実施例1〜実施例10は、比較例1〜比較例4に対しいずれの実施例においても窒化層表面の組成に、原子百分率で窒素量が30[at%]以上かつ酸素量が30[at%]以下含有されている窒化層を有することにより、定電位電解試験前の接触抵抗値が5[mΩ・cm]以下と低接触抵抗を示し、その上、定電位電解試験後の接触抵抗値及び腐食電流密度が低く、耐食性に優れることから、低接触抵抗と耐食性の両方を同時に兼ね備える。また、基材の板厚を薄くすることで、材料費が安価になるために低コストな燃料電池用セパレータとなる。そして、いずれの接触抵抗値も低いことから、単位セル当りの起電力が高い燃料電池スタックを形成することができる。
なお、本実施例においては、基材として工業用純チタン(JIS1種)を用いたが、これに限定されるものではなく、JIS2種でも窒化処理時の酸素レベルを低く抑えることができれば同様の効果が得られると考えられる。
また、窒化処理は5〜60分間程度の処理を行うのが好ましいが、コストの面からできるだけ短時間で終えることが要求されるため、5〜10分の処理が更に好ましい。また水素脆化を防ぐ為にも700〜882[℃]の範囲でできるだけ低温で処理するのが好ましい。
本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成する燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成する燃料電池スタックの展開図である。 (a)燃料電池用セパレータの模式的な斜視図である。(b)燃料電池用セパレータのIIIb-IIIb線断面図である。(c)燃料電池用セパレータのIIIc-IIIc線断面図である。 窒化層に含まれるTiN型結晶構造を示す模式図である。 燃料電池セパレータの窒化層におけるTi-Nの2元系活量を説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法に用いる窒化装置の側面模式図である。 窒化装置のシステム図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池スタックを搭載した電気自動車の外観を示す図であり、(a)は電気自動車の側面図、(b)は電気自動車の上面図である。 (a)各実施例で得られた試料の接触抵抗の測定方法を説明する模式図である。(b)接触抵抗の測定に使用する装置を説明する模式図である。 実施例1により得られた試料の断面組織写真である。 燃料電池スタックを形成する単セルの構成を示す断面図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 単セル
3 燃料電池用セパレータ
4 エンドフランジ
5 締結ボルト
12 通路
13 基層
14 窒化層
20 TiN型の結晶構造
21 チタン原子
22 窒素原子

Claims (16)

  1. チタンからなる基材から形成され、前記基材表面に燃料又は酸化剤の通路が形成された基層と、
    前記基層の直接上に形成された窒化層と、を備えることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記チタンは、工業用純チタン(JIS1種)であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記窒化層の最表面にTiN単相を含み、前記TiN単相はチタン原子によって形成された面心立方格子の八面体空隙に窒素原子が配置されたTiN型の結晶構造であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記TiN単相中の窒素量は37[at%]以上であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記TiN単相中の窒素量は45[at%]以上であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記TiN単相中の非化学量論組成をTiNと表現した場合に、xは、0.6≦x≦1.05の範囲にあることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 前記xは、0.8≦x≦1.05の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 前記基材中のチタンの活量を1とした場合に、前記TiN単相中のチタンの活量aTiが0.2以下であることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  9. 前記窒化層表面の組成が、窒素量が30[at%]以上かつ酸素量が30[at%]以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  10. 前記窒化層の前記基材の厚さに対する比が1/2000以上1/5以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  11. 前記窒化層の厚さは、0.05[μm]以上20[μm]以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  12. チタンからなる基材にプラズマ窒化処理を施して前記基材表面に窒化層を形成する窒化工程を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  13. 前記窒化工程は、700[℃]以上890[℃]未満の温度で行われることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  14. 前記窒化工程の後に、前記基材にプレス成形を施して前記基材をセパレータ形状とするプレス成形工程を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  15. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載された燃料電池用セパレータを用いたことを特徴とする燃料電池スタック。
  16. 請求項15に記載の燃料電池スタックを搭載し、これを動力源として用いたことを特徴とする燃料電池車両。
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