JP2012160382A - 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、導電性及び耐食性に優れた燃料電池用の金属製セパレータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料電池用の金属製セパレータは、金属材料からなる基材と、基材表面に形成された結晶性窒化物からなる皮膜とを備えている。また、基材表面に導電性非晶質膜を形成して結晶性窒化物からなる皮膜を形成するようにしてもよい。金属材料からなる基材の表面を結晶性窒化物からなる皮膜で被覆しているので、燃料電池の燃料極側及び空気極側の両側にセパレータとして用いた場合でも気密性、耐食性及び導電性を確保して安定した発電性能を発揮することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐食性及び導電性が求められる燃料電池用の金属製セパレータに関し、特に固体高分子形燃料電池に好適なセパレータ及びその製造方法に関する。
燃料電池は、環境への影響の少ないクリーンなエネルギーを発生させる装置として近年注目されている技術である。燃料電池は、使用される電解質の種類によりに固体高分子形燃料電池(PEFC)、りん酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に分類される。固体高分子形燃料電池は、他の形式の燃料電池に比べセル抵抗が小さく、高電流密度での動作及び小型軽量化が可能であり、動作温度も低いことから、家庭用燃料電池や自動車用燃料電池として利用されている。
燃料電池の基本構造は、図5に示すように、電解質101両側に燃料極102(アノードとして機能)及び空気極103(カソードとして機能)が接合されており、燃料極102には水素(H2)が供給され、空気極103には酸素(O2)を含む空気が供給される。各電極は、電解質101との間に反応の触媒である白金が分散された触媒層が形成されている。燃料極102側では、水素、触媒及び電解質が存在することで、プロトン(H+)及び電子(e-)が生じ、電子は、燃料極102から外部に取り出されて負荷104に供給され、プロトンは電解質101内を移動して空気極103側に向かう。一方、空気極103側では、酸素、触媒及び電解質が存在することで、負荷104から空気極103に供給された電子、電解質101内を移動してきたプロトン及び空気中の酸素が反応して水を生成するようになる。
図6は、固体高分子形燃料電池の最小単位である単セルの基本構成に関する説明図である。層状に形成された固体高分子形の電解質膜1の両面には、全体に触媒を分散させた触媒層2及び3が形成された多孔質体4及び5が接合されている。そして、多孔質体4及び5の外面にはセパレータ6及び7が接合されている。セパレータ6及び7の多孔質体4及び5との接合部分には複数の溝が形成されており、これらの溝によりガスが流通する流路8及び9が形成される。
そして、図示しない外部の供給装置より流路8には水素ガスが供給され、流路9には酸素を含む空気が供給されることで、触媒層2及び多孔質体4が燃料極として機能し、触媒層3及び多孔質体5が空気極として機能する。したがって、多孔質体4からは電子が外部に取り出されて、多孔質体5に電子が供給されるようになる。
実際の燃料電池では、必要な電力を得るために、こうした単セルを数十セット組み合わせたスタック形で使用されており、上述したセパレータ(バイポーラプレート)は、単セル同士を区分けするとともに電気的に接続するために用いられる。また、セパレータは、燃料ガス及び空気の流路となることから、セパレータには、単セル同士を接続する導電性、燃料ガス及び空気の混合防止のための気密性、発電環境下における耐食性といった特性が求められる。
セパレータに用いられる材料としては、主に炭素系材料及び金属材料が挙げられる。炭素系材料を用いるセパレータは、耐食性の点で優れているが、十分な強度と気密性を得るためには一定の厚みが必要であり、小型化及び薄型化を妨げる要因となっている。一方、金属材料を用いるセパレータは、強度及び気密性の点では問題ないため薄肉に形成することができるが、腐食が生じやすく耐食性の点で問題がある。そのため、金属製セパレータでは、導電性及び耐食性に優れた皮膜で表面を被覆する必要がある。
金属製セパレータの表面処理方法としては、例えば、特許文献1では、スパッタリング処理及びアークイオンプレーティング処理といったPVD(Physical Vapor Deposition;物理蒸着法)により、金属部材の表面に導電性セラミックス皮膜を形成したセパレータが記載されている。また、特許文献2では、金属基材層上に緻密バリア層、中間層及び導電性薄膜層を形成したセパレータが記載されている。
特開2002−75398号公報 特開2010−129303号公報
特許文献1では、導電性セラミックス皮膜で金属部材の表面を被覆する点が記載されているが、PVDにより形成された皮膜にはピンホールと呼ばれる微小な隙間が存在するため十分な耐食性を得ることは難しい。また、特許文献2では、導電性薄膜層を通過した酸性水により、中間層又は緻密バリア層が酸化する可能性があり、そのためセパレータの抵抗が増加して発電効率の低下を起こすおそれがある。
そこで、本発明は、導電性及び耐食性に優れた燃料電池用の金属製セパレータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池用セパレータは、金属材料からなる基材と、基材表面に形成された結晶性窒化物からなる皮膜とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る別の燃料電池用セパレータは、金属材料からなる基材と、基材表面に形成された導電性非晶質膜と、導電性非晶質膜の表面に形成された結晶性窒化物からなる皮膜とを備えていることを特徴とする。
さらに、上記の燃料電池用セパレータにおいて、前記導電性非晶質膜は、アルミニウム、チタン、クロム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルのうちの少なくとも1種類を含有する窒化物、炭化物又は窒炭化物であることを特徴とする。さらに、前記皮膜は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、クロムのうちの少なくとも1種類を含有する結晶性窒化物からなることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法は、金属材料からなる基材表面に有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は分子線エピキタシー法(MBE)により結晶性窒化物からなる皮膜を形成したことを特徴とする。
本発明に係る別の燃料電池用セパレータの製造方法は、金属材料からなる基材表面に物理蒸着法(PVD)によって導電性非晶質膜を形成し、形成された導電性非晶質膜の表面に有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は分子線エピキタシー法(MBE)により結晶性窒化物からなる皮膜を形成したことを特徴とする。
本発明は、上記の構成を有することで、金属材料からなる基材の表面を結晶性窒化物からなる皮膜で被覆しているので、燃料電池の燃料極側及び空気極側の両側にセパレータとして用いた場合でも気密性、耐食性及び導電性を確保して安定した発電性能を発揮することができる。
半導体の伝導帯から充満帯までの電位を示すグラフである。 接触面積抵抗率を測定する試験装置の概略構成図である。 耐食試験に関する評価結果を示す表である。 発電試験に関する測定結果を示す表である。 燃料電池の基本構造に関する説明図である。 固体高分子形燃料電池の単セルの基本構成に関する説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の燃料電池用セパレータの基材としては、特に制約はなく、従来セパレータに使用されている金属材料を用いることができる。例えば、鉄、チタン、アルミニウムといった金属又はこれらのうち少なくとも1種類を含む合金が挙げられる。これらの金属材料は、機械的強度、汎用性、加工容易性及びコストの点でセパレータの基材として好適である。鉄合金としてはステンレスが代表的な材料として挙げられ、SUS304、SUS316といったオーステナイト系ステンレス、SUS430といったフェライト系ステンレス、SUS420といったマルテンサイト系ステンレスが挙げられる。ステンレスを基材として用いた場合には、他の材料に比べて、機械的強度、導電性及び耐食性の点で優れた特性を発揮することができる。
基材の厚さは、特に限定されないが、機械的強度及び加工容易性、薄くすることによる燃料電池のエネルギー密度の向上といった観点から設定することができる。例えば、ステンレスを用いる場合には、0.1mm〜1mmが好ましい。
結晶性窒化物からなる皮膜は、有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は分子線エピキタシー法(MBE)により形成される。例えば、MOCVD法で形成する場合には、公知の製造装置を用い、500〜1000℃に加熱した基材表面に有機金属ガス(トリエチルガリウム、トリメチルガリウム等)及びそのキャリアガス(水素又は窒素)、並びに反応ガス(アンモニアガス)を吹き込み、基材表面でガス同士の化学反応が生じることで結晶性窒化物からなる皮膜を形成することができる。皮膜の膜厚は、薄く形成するとピンホールが生じて耐久性が弱くなり、厚く形成すると抵抗が高くなるため、0.1μm〜2μmに形成することが好ましい。
皮膜を構成する結晶性窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウムといった半導体又は導体の性質を有する窒化物が挙げられる。
こうした結晶性窒化物を1層又は複数層形成して基材表面に皮膜形成する。例えば、GaN層をバッファ層として形成した後その上にInGaN層を形成して2層構造の皮膜を形成することもできる。また、結晶性窒化物からなる皮膜には、異種元素をドーピングすることで導電性等の特性を向上させることも可能で、例えば、InGaN層及びバッファとなるGaN層にシリコン(Si)をドーピングすることで皮膜の導電性が向上するようになる。
燃料電池において発電環境下では、上述したように、燃料極(アノード)で生じた電子が燃料極側セパレータに流入し、流入した電子は燃料極側セパレータから空気極側セパレータに流入して空気極(カソード)に電子が流出するようになる。結晶性窒化物からなる皮膜として半導体膜を形成した場合、燃料極から電子が流入する燃料極側セパレータでは、燃料極側の反応(H2→2H++2e-)における電位より高くする必要がある。
図1は、半導体の伝導帯から充満帯までの電位を示すグラフである(参考文献;吉田清輝、「GaNを用いた電子デバイス」、1999年、応用物理学会、68巻、p.787;藤井政俊 外、「半導体微粒子による光化学反応とエネルギー変換機能−光触媒作用を中心として−」、1984年、応用物理学会、53巻、p.916)。図1に示すように、InGaNは、伝導帯の電位が燃料極側における水素の酸化還元電位より高く、他の半導体より燃料極側セパレータに用いる皮膜に適した材料であることがわかる。
結晶性窒化物からなる皮膜の形成方法としては、上述したように、MOCVD法やMBE法が挙げられるが、こうした皮膜の形成方法では、皮膜の結晶性が基材の表面状態により影響を受けやすいため、これまで単結晶サファイアのような限られた材料からなる基材表面での皮膜形成に限られてきた。MOCVD法やMBE法により金属材料からなる基材表面に結晶性窒化物からなる皮膜を直接形成することは可能であるが、基材表面と皮膜との間の熱膨張係数差による大きな残留応力の発生及び皮膜の剥離、皮膜の密着性の低下といった現象が生じやすい。
こうした現象が発生するのを避けるために、皮膜形成を行う前に基材表面にスパッタリング法又はイオンプレーティング法といったPVD法により導電性非晶質膜を形成することで、皮膜を形成する際の基材表面の影響を緩和することができる。一般的に、非晶質膜を形成した表面に結晶性膜を形成する場合、下地の非晶質膜の影響を受けて結晶性膜も非晶質となることが知られているが、ウルツ鉱構造を有するGaNやInGaN等はc軸配向性が強く、非晶質膜の表面でも結晶性膜を形成することができる(参考文献;K. Iwata et al.,「Gas Source Molecular Beam Epitaxy Growth of GaN on C-, A-, R- and M-Plane Sapphire and Silica Glass Substrates」,1997,Jpn.J.Appl.Phys.36)。
導電性非晶質膜は、上述したようにPVD法により形成することができる。例えば、ステンレスからなる基材表面に形成する場合には、表面の異物を除去するために、アルカリ浸漬脱脂及び電解脱脂の後純水で洗浄し乾燥する清浄化処理を行う。また、成膜前には、アルゴンプラズマにより基材表面に形成されているステンレスの不動態膜を除去して非晶質膜を公知のPVD法により形成すればよい。非晶質膜としては、例えばTiN、TiC、TiCN、TiAlN、TiAlC、TiAlCN、CrN、CrC、CrCNといった導電性金属セラミックス膜が挙げられる。また、非晶質膜の密着性を向上させるために、例えば、チタン、アルミニウム、クロム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、ハフニウム、タンタル又はこれらの合金からなる金属膜を中間層として基材表面に形成するようにしてもよい。導電性非晶質膜の膜厚は、厚くなるとクラックが生じやすくなることから、0.1μm〜2μmに形成することが好ましい。
<実施例1>
基材としてステンレス(SUS304)を用い、基材表面に結晶性窒化物としてInGaNからなる皮膜を形成したセパレータを製造した。まず、基材表面を、アルカリ浸漬脱脂処理及び電解脱脂処理を行った後、純水で洗浄して乾燥させ、清浄化処理を行った。清浄化して異物を除去した基材表面に、MOCVD法によりInGaNを形成した。原料として、有機金属ガス(トリエチルガリウム及びトリメチルガリウム)、キャリアガス(窒素)、反応ガス(アンモニアガス)を混合したものを使用し、基材温度を600℃〜800℃に設定して混合ガスを60分間基材表面に吹き込み、膜厚0.5μmの皮膜を基材表面に形成した。
<実施例2>
基材としてステンレス(SUS304)を用い、基材表面を清浄化処理した後導電性非晶質膜としてTiN膜を形成し、導電性非晶質膜の表面に結晶性窒化物としてInGaNからなる皮膜を形成したセパレータを製造した。導電性非晶質膜は、チタンをターゲットとし、プラズマ化したアルゴンでターゲットをスパッタするマグネトロンスパッタリング法で形成し、膜形成の際に窒素ガスを吹き込み反応させることでTiN膜を形成させる。アルゴンと窒素の流量比を5:3とし、30分間膜成長させることで膜厚0.6μmの導電性非晶質膜を形成した。結晶性窒化物からなる皮膜は、実施例1と同様に混合ガスを導電性非晶質膜の表面に吹き込んで膜厚0.5μmに形成した。
<実施例3>
実施例2において導電性非晶質膜としたTiN膜をアークイオンプレーティング法によって形成したセパレータを製造した。アークイオンプレーティング法では、チタンターゲットをカソードとして、アノードとの間で真空アーク放電を起こしてターゲットを蒸発させ、イオン化することにより基材表面に膜形成した。膜形成の際に窒素ガスを吹き込み、チタンイオンと反応させることでTiN膜を形成させる。窒素の流量は640sccmとし、30分間基材表面に膜成長させることで膜厚0.6μmの導電性非晶質膜を形成した。
<比較例>
比較例1として、ステンレス(SUS304)をそのまま用いて評価を行った。また、比較例2として、ステンレス(SUS316)をそのまま用いて評価を行った。比較例3として、実施例2と同様にステンレスを基材として用い、基材表面にマグネトロンスパッタリング法により導電性非晶質膜としてTiN膜のみを膜厚0.6μm形成したものを製造して評価を行った。比較例4として、実施例3と同様にステンレスを基材として用い、基材表面にアークイオンプレーティング法により導電性非晶質膜としてTiN膜のみを膜厚0.6μm形成したものを製造して評価を行った。
<評価試験>
製造したセパレータの評価試験として、接触面積抵抗率の測定、耐食性試験及び簡易発電試験を行った。接触面積抵抗率の測定については、図2に示す試験装置を用いて実施した。試験装置では、電極板10とセパレータ13の両面にカーボンシート12(東レ株式会社製TGP−H−060)を介してそれぞれ電極板11を配置し、電極板11の外側に絶縁性プレートからなる加圧保持部材10をそれぞれ配置して加圧保持部材10を両側から挟圧するように加圧して各部材を密着させた状態に設定する。そして、一対の電極板11の間に電流計及び電圧計を接続する。
加圧保持部材10に加えられる面圧力は15kgf/cm2とし、カーボンシート10のサイズを1cm×1cmに設定してセパレータの接触面積を1cm2とした。一対の電極板11の電流を流す場合には一方の電極板から他方の電極板に流す場合及びその逆方向に流す場合の2通りで行い、それぞれの場合の電流値及び電圧値から抵抗値を求めた。そして、得られた抵抗値とセパレータの面積値との積を接触面積抵抗率とした。
耐食性試験では、pH2.0に調整して60℃に昇温した硫酸中にセパレータを100時間浸漬して行った。耐食性の評価は、試験前及び試験後の接触面積抵抗率を測定してその変化から評価した。評価結果を図3に示す。
セパレータの接触面積抵抗率は、燃料電池の性能を維持するためには30mΩ・cm2以下であることが必要となる。接触面積抵抗率が30mΩ・cm2を超えると、セル間の電圧降下が大きくなって発電効率が下がり、燃料電池の性能が大幅に低下するようになる。評価結果をみると、実施例1から3では、耐食性試験の前後で接触面積抵抗率が30mΩ・cm2以下になっており、燃料電池の性能を維持するのに必要な接触面積抵抗率及び耐食性を備えていることがわかる。
簡易発電試験については、実施例3と同様の導電性非晶質膜及び結晶性窒化物からなる皮膜を一方の片面に形成したセパレータの皮膜形成表面の一部に白金を担持したカーボンをナフィオンをバインダーとして塗布したものを用いた。セパレータの他方の片面には、電極として使用するために引き出し線を接続して全面を絶縁物質によりマスキングした。燃料極側セパレータの発電試験として、水素を封入した雰囲気下にセパレータを設置し、電解液である硫酸水溶液に半面浸漬した状態に設定した。その際に、セパレータの皮膜形成面以外は、絶縁物質のマスキングにより硫酸水溶液に触れないようになっている。空気極側セパレータの発電試験として、燃料極側セパレータと同様に作成したセパレータを用いて皮膜形成面が大気に接触した状態とし、燃料極側セパレータ及び空気極側セパレータの引き出し線を外部負荷を介して電気的に接続した。これにより、試料をアノードとカソード両方の発電環境下においた燃料電池の発電が起きる。このときの電流密度を100〜300mA/cm2とした場合の電圧値を測定して評価を行う。この試験では、電流密度増加に伴う電圧降下の少ないものほど発電効率がよく、セパレータとしても性能に優れていることになる。
測定結果を図4に示す。なお、比較例として、比較例1と同様にステンレス(SUS304)をそのまま用いて評価を行った。測定結果をみると、実施例3と同様に導電性非晶質膜及び皮膜を形成した場合には、電流密度を高くしても高電圧が保たれており、発電性能が優れていることがわかる。
1・・・電解質膜 2・・・触媒層 3・・・触媒層 4・・・多孔質体 5・・・多孔質体 6・・・セパレータ 7・・・セパレータ 8・・・流路 9・・・流路 101・・・電解質 102・・・燃料極 103・・・空気極 104・・・負荷

Claims (6)

  1. 金属材料からなる基材と、基材表面に形成された結晶性窒化物からなる皮膜とを備えていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 金属材料からなる基材と、基材表面に形成された導電性非晶質膜と、導電性非晶質膜の表面に形成された結晶性窒化物からなる皮膜とを備えていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  3. 前記導電性非晶質膜は、アルミニウム、チタン、クロム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルのうちの少なくとも1種類を含有する窒化物、炭化物又は窒炭化物であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記皮膜は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、クロムのうちの少なくとも1種類を含有する結晶性窒化物からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 金属材料からなる基材表面に有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は分子線エピキタシー法(MBE)により結晶性窒化物からなる皮膜を形成したことを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  6. 金属材料からなる基材表面に物理蒸着法(PVD)によって導電性非晶質膜を形成し、形成された導電性非晶質膜の表面に有機金属化学蒸着法(MOCVD)又は分子線エピキタシー法(MBE)により結晶性窒化物からなる皮膜を形成したことを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
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