JP6777011B2 - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、膜電極接合体を含む発電部を区画するように、発電部に接触する燃料電池用セパレータに関するものである。
固体高分子型燃料電池の燃料電池セルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側触媒層(電極層)およびカソード側触媒層(電極層)とからなる膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備えている。MEAの両側には、燃料ガスもしくは酸化剤ガスを提供するとともに電気化学反応によって生じた電気を集電するためのガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)が形成されている。GDLが両側に配置された膜電極接合体は、MEGA(Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)と称され、MEGAは、一対のセパレータにより挟持されている。ここで、MEGAが燃料電池の発電部であり、ガス拡散層がない場合には、MEAが燃料電池の発電部となる。
たとえば、このような燃料電池用セパレータとして、特許文献1には、以下に示すセパレータが提案されている。このセパレータは、クロムを含有する耐熱金属とセラミックスとからなるサーメットで構成される基体と、基体のカソードガス対応面がカソードガスに接触しないように被覆された金属酸化物の保護膜と、で構成されている。さらに、特許文献1には、この金属酸化物の一例として、アンチモンをドープした酸化スズが例示されている。
特開平08−185870号公報
特許文献1に係る燃料電池用セパレータによれば、クロムがカソードの電極に拡散することを抑えることにより、燃料電池の発電性能の低下を抑えることができる。しかしながら、このような保護膜を設けたとしても、燃料電池用セパレータの表面のうち、膜電極接合体を含む発電部に接触する表面において、電気的な接触抵抗を抑えることができなければ、燃料電池の発電性能の低下を抑えることができるとは言い難い。さらに、特許文献1に示すような、アンチモンを含有した酸化スズ皮膜を有したセパレータは、発電時に生成する水分が起因となった腐食環境化において、接触抵抗が増加することがわかった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、腐食環境下においても、少なくとも発電部との接触抵抗を低減することにより、燃料電池の発電性能の低下を抑えることができる燃料電池用セパレータを提供するものである。
前記課題を鑑みて、本発明に係る燃料電池用セパレータは、膜電極接合体を含む発電部を区画するように、前記発電部に接触する燃料電池用セパレータであって、前記燃料電池用セパレータは、金属からなる金属基材と、前記金属基材の表面のうち、少なくとも前記発電部に接触する表面に被覆された酸化スズ皮膜と、を備えており、前記酸化スズ皮膜は、アルミニウムが1〜10原子%含有された酸化スズからなることを特徴とする。
本発明によれば、酸化スズ皮膜の酸化スズに上述した量のアルミニウムを含有させることにより、酸化スズ皮膜の導電性を高めることができ、少なくとも燃料電池用セパレータと発電部との接触抵抗を低減することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータを備えた燃料電池スタックの要部断面図である。 本実施形態に係る燃料電池用セパレータの表面近傍の拡大断面図である。 CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=26.6°付近の酸化スズ皮膜の酸化スズの(110)面に対する回折ピークの半値幅を説明するための図である。 実施例1〜5および比較例2の試験片の酸化スズ皮膜に添加されるアルミニウムの含有量と、耐食試験後の試験片の接触抵抗との関係を示したグラフである。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。以下では、一例として、燃料電池車に搭載される燃料電池またはこれを含む燃料電池システムに本発明を適用した場合を例示して説明するが、適用範囲がこのような例に限られることはない。
図1は、燃料電池スタック(燃料電池)10の要部を断面視した図である。図1に示すように、燃料電池スタック10には、基本単位であるセル(単電池)1が複数積層されている。各セル1は、酸化剤ガス(例えば空気)と、燃料ガス(例えば水素)と、の電気化学反応により起電力を発生する固体高分子型燃料電池である。セル1は、MEGA2と、MEGA2を区画するように、MEGA2に接触するセパレータ(燃料電池用セパレータ)3とを備えている。なお、本実施形態では、MEGA2は、一対のセパレータ3、3により、挟持されている。
MEGA2は、膜電極接合体(MEA)4と、この両面に配置されたガス拡散層7、7とが、一体化されたものである。膜電極接合体4は、電解質膜5と、電解質膜5を挟むように接合された一対の電極6、6と、からなる。電解質膜5は、固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜からなり、電極6は、たとえば、白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材により形成される。電解質膜5の一方側に配置された電極6がアノードとなり、他方側の電極6がカソードとなる。ガス拡散層7は、例えばカーボンペーパ若しくはカーボンクロス等のカーボン多孔質体、または、金属メッシュ若しくは発泡金属等の金属多孔質体などのガス透過性を有する導電性部材によって形成される。
本実施形態では、MEGA2が、燃料電池10の発電部であり、セパレータ3は、MEGA2のガス拡散層7に接触している。また、ガス拡散層7が省略されている場合には、膜電極接合体4が発電部であり、この場合には、セパレータ3は、膜電極接合体4に接触している。したがって、燃料電池10の発電部は、膜電極接合体4を含むものであり、セパレータ3に接触する。
セパレータ3は、導電性やガス不透過性などに優れた金属を基材とする板状の部材であって、その一面側がMEGA2のガス拡散層7と当接し、他面側が隣接する他のセパレータ3の他面側と当接している。
本実施形態では、各セパレータ3は、波形に形成されている。セパレータ3の形状は、波の形状が等脚台形をなし、かつ波の頂部が平坦で、この頂部の両端が等しい角度をなして角張っている。つまり、各セパレータ3は、表側から見ても裏側から見ても、ほぼ同じ形状である。MEGA2の一方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触し、MEGA2の他方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触している。
一方の電極(すなわちアノード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路21は、燃料ガスが流通する流路であり、他方の電極(すなわちカソード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路22は、酸化剤ガスが流通する流路である。セル1を介して対向する一方のガス流路21に燃料ガスが供給され、ガス流路22に酸化剤ガスが供給されると、セル1内で電気化学反応が生じて起電力が生じる。
さらに、あるセル1と、それに隣接するもうひとつのセル1とは、アノードとなる電極6とカソードとなる電極6とを向き合わせて配置されている。また、あるセル1のアノードとなる電極6に沿って配置されたセパレータ3の背面側の頂部と、もうひとつのセル1のカソードとなる電極6に沿って配置されたセパレータ3の背面側の頂部とが、面接触している。隣接する2つのセル1間で面接触するセパレータ3,3の間に画成される空間23には、セル1を冷却する冷媒としての水が流通する。
本実施形態では、図2に示すように、セパレータ3は、金属基材31を備えており、その材料としては、たとえばチタン、ステンレス鋼などを挙げることができる。さらに、セパレータ3の両面(すなわち、ガス拡散層7に接触する側の表面および隣接するセパレータ3に接触する側の表面)には、酸化スズ皮膜32が被覆されている。
酸化スズ皮膜32の膜厚は、10〜300nmの範囲にあることが好ましい。酸化スズ皮膜32の膜厚が、10nm未満である場合には、酸化スズ皮膜32による効果を充分発現することできない。一方、酸化スズ皮膜32の膜厚が、300nmを超えた場合には、酸化スズ皮膜32の内部応力が高いため、酸化スズ皮膜32が、金属基材31から剥離し易い。
なお、本実施形態では、セパレータ3の両面に酸化スズ皮膜32が形成されているが、ガス拡散層7とセパレータ3との接触する部分の抵抗が大きいことから、金属基材31の表面のうち、少なくともガス拡散層7と接触する表面に、酸化スズ皮膜32が形成されていればよい。
酸化スズ皮膜32は、アルミニウム(Al)を含有しており、これにより、酸化スズ皮膜32は半導体となる。具体的には、酸化スズ皮膜32は、アルミニウムが1〜10原子%含有された酸化スズからなる。このような酸化スズ皮膜32は、酸化スズの結晶格子中の4価のスズのサイトに、3価のアルミニウムが置換されているため、酸化スズ皮膜32は、酸化スズにアルミニウムが添加されることにより、p型半導体として働き、その内部にキャリア(正孔)を有する。これにより、酸化スズ皮膜32内部のキャリアの濃度が高くなり、酸化スズ皮膜32の導電性(導電率)が向上する。
したがって、燃料電池スタック10の使用により、腐食環境下に、酸化スズ皮膜32が長時間晒され、酸化スズ皮膜32の酸化スズの酸化状態が変化したとしても、キャリアは、電子でなく正孔であるため、キャリアの濃度は変化しない。これにより、本実施形態では、腐食環境下に依らず、酸化スズ皮膜32が形成されたセパレータ3の接触抵抗を低減させることができ、燃料電池スタック10の内部抵抗を低減することができる。
ここで、アルミニウムの含有量が、1原子%未満である場合、アルミニウムの置換によるキャリア濃度の上昇が十分でないため、酸化スズ皮膜の導電性が向上し難く、セパレータ3の接触抵抗を充分に低減することができない。
一方、アルミニウムの含有量が、10原子%を超えても、アルミニウムによる、セパレータ3の接触抵抗の低減をそれ以上期待することができない。これは、アルミニウムの含有量が増加してキャリアが増加したとしても、増加したアルミニウムがキャリアの移動を阻害してしまうからである。より好ましくは、酸化スズ皮膜32は、アルミニウムを2〜10原子%含有した酸化スズからなることが好ましい。
ここで、アルミニウムが1〜10原子%含有された酸化スズを、CuKα線を用いたX線回折測定すると、図2に示すように、ブラッグ角2θ=26.6°付近(具体的には、26.6°±0.5°の範囲)において、正方晶の酸化スズの(110)面に対する回折ピークが検出される。
本実施形態では、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=26.6°付近の酸化スズ皮膜32の酸化スズの(110)面に対する回折ピークの半値幅Wが、1°以下であることが好ましい。半値幅Wは、回折ピークの回折強度の最大値Pの半分の値(P/2)における、回折ピークの幅である。本実施形態では、回折ピークの半値幅が、1°以下の条件を満たすことにより、酸化スズ皮膜32を構成する酸化スズの結晶性が高まるため、酸化スズ皮膜32の導電性を高めることができる。この結果、セパレータ3の接触抵抗をより一層低減させることができる。
酸化スズ皮膜32の半値幅が、1°を超えた場合には、酸化スズ皮膜32を構成する酸化スズの結晶性が低いため、酸化スズ皮膜32の導電性が低下し、セパレータ3の接触抵抗を充分に低減することができないことがある。後述する参考例2からも明らかなように、酸化スズの(110)面に対する回折ピークの半値幅が、0.5°以下であれば、セパレータ3の接触抵抗をより一層低下させることができる。
セパレータ3の金属基材31に酸化スズ皮膜32を形成する方法は、特に限られるものではない。たとえば、スパッタリング、真空蒸着、イオン化蒸着、またはイオンプレーティングなどを利用した物理的蒸着法(PVD)により成膜ことができる。たとえば、酸化スズ皮膜32は、金属基材31の表面に、酸化スズおよび酸化アルミニウムの粒子を混合して焼結した焼結体をターゲットとして、プラズマ等を利用したスパッタリングにより成膜することができる。この場合、酸化スズ皮膜32を成膜する際に、たとえば、成膜時の基材温度(成膜温度)、印加電圧などを調整することにより、上述した範囲の半値幅を有した酸化スズからなる酸化スズ皮膜32を得ることができる。
以下に本発明を実施例により説明する。
〔実施例1〕
以下に示すようにして、セパレータに相当する試験片を作製した。まず、セパレータの金属基材として、厚さ0.1mmの純チタン板を準備した。次に、金属基材を真空容器内に設置し、真空条件下でアルゴンガスを真空容器内に導入し、電圧を印加してアルゴンイオンを発生させ、このアルゴンイオンで、金属基材の表面の酸化被膜を除去した。
次に、真空容器中に、ターゲットとして、酸化スズ粒子と酸化アルミニウム粒子とを混合して焼結した焼結体を配置した。この焼結体をターゲットとして、スパッタリングにより、金属基材の表面に、酸化スズ皮膜を形成した。具体的には、まず、ターゲットに対向する位置に金属基材を配置し、真空容器を排気し、真空雰囲気下(減圧雰囲気下)とした。次に、スパッタリングガスとして、アルゴンガスを真空容器内に導入し、金属基材を450℃に加熱した状態で、電圧を印加してアルゴンイオンをターゲットに衝突させることにより、ターゲットの材料を金属基材の上に堆積させた。なお、ターゲットと金属基材との間には、バイアス電圧が印加されている。このようにして、金属基材の表面に厚さ10nmの酸化スズ皮膜を成膜した。
次に、酸化スズ皮膜に含有するアルミニウム(Al)の含有量を、X線光分光装置(PHI社製QuanteraSXM)を用いて、アルミニウムの結合エネルギー73eVの検出強度から、測定した。この結果、酸化スズ皮膜に対するアルミニウムの含有量は、1原子%であった(表1参照)。
〔実施例2〜5〕
実施例1と同じように、試験片を作製した。実施例2〜5が実施例1と相違する点は、実施例2〜5では、酸化スズ皮膜に対するアルミニウムの含有量が、順次、2原子%、3原子%、5原子%、10原子%となるように、ターゲットとなる焼結体に含まれる酸化アルミニウムの量を変更し、酸化スズ皮膜を成膜した点である。なお、実施例1と同じように、実施例2〜5の酸化スズ皮膜に対するアルミニウムの含有量を測定した。この結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1と同じように、試験片を作製した。比較例1が実施例1と相違する点は、酸化スズ皮膜のアルミニウムの含有量が、0原子%となるように(アルミニウムを含有しないように)、ターゲットとなる焼結体に酸化アルミニウムを含めず、酸化スズ皮膜を成膜した点である。なお、実施例1と同じように、比較例1の酸化スズ皮膜に対するアルミニウムの含有量を、測定した。この結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1と同じように、試験片を作製した。比較例2が実施例1と相違する点は、酸化スズ皮膜のアルミニウムの含有量が、0.5原子%となるように、ターゲットとなる焼結体に含まれる酸化アルミニウムの量を変更し、酸化スズ皮膜を成膜した点である。なお、実施例1と同じように、比較例2の酸化スズ皮膜に対するアルミニウムの含有量を、測定した。この結果を表1に示す。
〔比較例3〕
実施例1と同じように、試験片を作製した。比較例3が実施例1と相違する点は、ターゲットとして、酸化スズ粒子と酸化アンチモン粒子とを混合して焼結した焼結体を用いて、酸化スズにアンチモン(Sb)を含有した酸化スズ皮膜を成膜した。なお、実施例1と同じように、比較例3の酸化スズ皮膜に対するアンチモンの含有量を測定した。この結果を表1に示す。
<接触抵抗試験>
実施例1〜5および比較例1〜3の試験片の酸化スズ皮膜の表面に、燃料電池の発電部の拡散層に相当するカーボンペーパ(東レ(株)TGP−H120、厚さ0.5mm)を載せ、その上に、金めっきした銅板を重ねて、試験片と銅板との間にカーボンペーパを挟み込んだ。なお、酸化スズ皮膜とカーボンペーパとの接触抵抗のみを測定するために、試験片の他方の面(成膜していない面)にも、金めっきした銅板を接触させ、これら部材間の接触抵抗が発生しないようにした。次に、測定治具により、試験片の表面に、一定荷重(0.98MPa)の圧力を付与した。この状態で、電流計により試験片に流れる電流が一定となるように、電源からの電流を調整して流し、試験片に印加される電圧を電圧計で測定し、試験片の酸化スズ皮膜とカーボンペーパとの接触抵抗(耐食試験前の接触抵抗)を算出した。この結果を、表1に示す。
<耐食試験>
実施例1〜3および比較例1〜3の試験片に対して、日本工業規格の金属材料の電気化学的高温腐食試験法(JIS Z2294)に準じた耐食試験(定電位腐食試験)を行った。大気解放系の装置において、80℃に温度調整された硫酸溶液に、各試験片を浸漬した。この状態で、白金板からなる対極と試験片(試料極)とを電気的に接続することにより、対極と試料極との間に0.9Vの電位差を生じさせ、試験片を腐食させた。なお、参照電極によって試験片の電位を一定に保持した。また、試験時間は100時間とした。耐食試験後の各試験片に対して、上述した接触抵抗試験と同じ方法で、接触抵抗を測定した。この結果を、表1および図4に示す。
Figure 0006777011
<結果1>
表1に示すように、比較例1に係る試験片の接触抵抗は大きく、試験片とカーボンペーパとの間に電流を通電することができなかった。このことから、比較例1の如く、アルミニウムを含有しない酸化スズ皮膜は、絶縁性が高い(導電性が低い)ことがわかる。
また、表1および図4に示すように、耐食試験の前後に依らず、比較例1、2に対し、アルミニウムの含有量を増加させた実施例1の接触抵抗は、急激に下がり、さらにアルミニウムの含有量を順次増加させた実施例2〜5の接触抵抗は、略一定であった。このことから、酸化スズ皮膜に対するアルミニウムの含有量が、1原子%において、接触抵抗の低下の臨界的意義を有すると言える。
なお、実施例1〜5、比較例2の如く、酸化スズにアルミニウムを含有させることにより、酸化スズの結晶格子中の4価のスズのサイトに、3価のアルミニウムが置換され、酸化スズが半導体(p型半導体)になったと考えられる。
実施例1〜5のアルミニウムの含有量は、比較例2のものよりも多いため、酸化スズ皮膜(半導体)の内部のキャリア(正孔)の濃度が高く、実施例1〜5の酸化スズ皮膜の導電性が、比較例2のものに比べて向上したと考えられる。特に、酸化スズにアルミニウムを2〜10原子%含有させれば、酸化スズ皮膜の導電性をより一層高めることができると考えられる。
そして、比較例2の如く、酸化スズに含有するアルミニウムが1原子%未満(具体的には0.5原子%)である場合には、アルミニウムの置換による、酸化スズ皮膜(半導体)のキャリア(正孔)の濃度の上昇が十分でないため、酸化スズ皮膜の導電性が向上し難いと考えられる。
一方、アルミニウムの含有量が10原子%を超えると、酸化スズ皮膜(半導体)のキャリア濃度も多くなるが、酸化スズに増加したアルミニウムが、キャリアの移動を阻害してしまうこことが想定される。この結果、酸化スズ皮膜の導電性が向上せず、アルミニウムによる、セパレータの接触抵抗の低減をそれ以上期待することができないと考えられる。
さらに、比較例3の酸化スズ皮膜は、酸化スズの結晶格子中の4価のスズのサイトに、5価のアンチモンが置換され、酸化スズが、電子をキャリアとする半導体(n型半導体)となり、酸化スズ皮膜は、酸素欠損を有した酸化スズであると考えられる。この結果、耐食試験前の比較例3の試験片の接触抵抗は、実施例1〜5のものと同程度である。
しかしながら、耐食試験後の実施例1〜5の試験片の接触抵抗は、耐食試験前のものと、ほとんど変化がなかったが、耐食試験後の比較例3の試験片の接触抵抗は、実施例1〜5の試験片とは異なり、極端に増加していた。これは、耐食試験後の比較例3の試験片では、酸化スズの酸素欠損により発生したキャリアが、酸化スズの酸化により減少したからであると考えられる。
一方、実施例1〜5の試験片では、酸化スズ皮膜は、p型半導体として働き、そのキャリアは、電子ではなく正孔であるので、酸化スズの酸化に影響を受けない。この結果、耐食試験後の実施例1〜5の試験片の接触抵抗は、耐食試験前のものと、ほとんど変化がなかったと考えられる。
〔参考例1〜3〕
上述した比較例3と同じように、試験片を作製した。参考例1、3が、実施例1と相違する点は、成膜時の金属基材の温度(成膜温度)をそれぞれ350℃、550℃にした点である。なお、参考例2は、比較例3と同じである。
<X線回折測定試験>
参考例1〜3に係る試験片の酸化スズ皮膜に対して、銅管球としてX線源にCuKα線(波長0.154nm)を用いたX線解析装置を使用して、X線回折パターンにおける酸化スズの(110)面の回折ピーク角度を検出した。各試験片の酸化スズの回折ピーク角度は、ブラッグ角2θ=26.6°付近にあり、この回折ピークの半値幅を測定した。この結果を、表2に示す。また、参考例1〜3の試験片に対して、実施例1と同様にして、接触抵抗を測定した。この結果を表2に示す。
Figure 0006777011
<結果2>
表2に示すように、参考例2および3の試験片では、参考例1のものよりも、酸化スズ皮膜の酸化スズの(110)面に対する回折ピークの半値幅が小さいことから、参考例2および3の酸化スズ皮膜の酸化スズの結晶性が、参考例1のものよりも高いと考えられる。参考例2および3の試験片の接触抵抗は、参考例1のものよりも小さかった。
以上のことから、参考例2および3の試験片の如く、回折ピークの半値幅が1°以下である場合、より好ましくは半値幅が、0.5°以下である場合には、酸化スズ皮膜の酸化スズの結晶性が高い。これにより、酸化スズ皮膜の導電性が高くなり、試験片(セパレータ)の接触抵抗が低くなると考えられる。
参考例1〜3では、酸化スズ皮膜に含有する元素は、アンチモンであったが、酸化スズ皮膜に含有する元素が、アルミニウムであっても、酸化スズの結晶性と酸化スズ皮膜の導電性の関係は変わらないと考えられる。したがって、酸化スズ皮膜にアルミニウムを含有した場合であっても、その回折ピークの半値幅が1°以下であることが好ましく、半値幅が、0.5°以下であることがより好ましいと言える。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1:セル、2:MEGA(発電部)、3:セパレータ(燃料電池用セパレータ)、4:膜電極接合体(MEA)、6:電極、7:ガス拡散層、10:燃料電池スタック(燃料電池)、21、22:ガス流路、31:金属基材、32:酸化スズ皮膜

Claims (3)

  1. 膜電極接合体を含む発電部を区画するように、前記発電部に接触する燃料電池用セパレータであって、
    前記燃料電池用セパレータは、金属からなる金属基材と、
    前記金属基材の表面のうち、少なくとも前記発電部に接触する表面に被覆された酸化スズ皮膜と、を備えており、
    前記酸化スズ皮膜は、アルミニウムが1〜10原子%含有された酸化スズからなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. CuKα線を用いたX線回折において、2θ=26.6°付近の前記酸化スズ皮膜の酸化スズの(110)面に対する回折ピークの半値幅が、1°以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記酸化スズの膜厚は、10〜300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用セパレータ。
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