JP2007073442A - 燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両及び燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両及び燃料電池用セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池用セパレータの表面に窒化層を形成して、CIPG法でシール部を成形することにより、低コスト、小型化を図るとともに、接触抵抗が低く、耐食性に優れ、且つ生産性の高い燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池用セパレータ3は、基材15の表面にプラズマ窒化処理によって窒化層14が形成され、流体をシールする部分にはCIPG法によって成形されたシール部57を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

この発明は、燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両及び燃料電池用セパレータの製造方法に関し、特にステンレス鋼を用いて形成する固体高分子電解質型の燃料電池用セパレータに関する。
地球環境保護の観点から、燃料電池を自動車の内燃機関に代えて作動するモーターの電源として利用し、このモーターにより自動車を駆動することが検討されている。この燃料電池は、資源の枯渇問題を有する化石燃料を使う必要がないため排気ガス等を発生することがない。また、燃料電池は騒音がほとんど発生せず、更にはエネルギーの回収効率も他のエネルギー機関と比べて高くすることが可能である等の優れた特徴を有している。
燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて、固体高分子電解質型、リン酸型、溶融炭酸塩型及び固体酸化物型等がある。そのうちの一つである固体高分子電解質型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、電解質として分子中にプロトン交換基を有する高分子電解質膜を使用して、高分子電解質膜を飽和に含水させるとプロトン伝導性電解質として機能することを利用した電池である。固体高分子電解質型燃料電池は比較的低温で作動し、かつ発電効率が高い。更には、固体高分子電解質型燃料電池は他の付帯設備と共に小型で軽量であるため、電気自動車搭載用を始めとする各種の用途が見込まれている。
上記固体高分子電解質型燃料電池は燃料電池スタックを有する。燃料電池スタックは、電気化学反応により発電を行う基本単位となる単セルを複数個積層して両端部をエンドフランジで挟み、締結ボルトにより加圧保持されて一体に構成される。単セルは、高分子電解質膜とその両側に接合されるアノード(水素極)とカソード(酸素極)により構成される。
図20は、燃料電池スタックを形成する単セルの構成を示す断面図である。図20に示すように、単セル80は、固体高分子電解質膜81の両側に酸素極82及び水素極83を接合して一体化した膜電極接合体を有する。酸素極82及び水素極83は、反応膜84及びガス拡散層85(GDL:gas diffusion layer)を備えた2層構造であり、反応膜84は固体高分子電解質膜81に接触している。酸素極82及び水素極83の両側には、積層のために酸素極側セパレータ86及び水素極側セパレータ87が各々設置されている。そして、酸素極側セパレータ86及び水素極側セパレータ87により、酸素ガス流路、水素ガス流路及び冷却水流路が形成されている。
上記構成の単セル80は、固体高分子電解質膜81の両側に酸素極82、水素極83を配置して、通常、ホットプレス法により一体に接合して膜電極接合体を形成し、次に膜電極接合体の両側にセパレータ86、87を配置して製造する。上記単セル80から構成される燃料電池では、水素極83側に、水素、二酸化炭素、窒素、水蒸気の混合ガスを供給し、酸素極82側に空気及び水蒸気を供給すると、主に、固体高分子電解質膜81と反応膜84との間の接触面において電気化学反応が起こる。以下、より具体的な反応について説明する。
上記構成の単セル80において、酸素ガス流路及び水素ガス流路に酸素ガス及び水素ガスが各々供給されると、酸素ガス及び水素ガスが各ガス拡散層85を介して反応膜84側に供給され、各反応膜84において以下に示す反応が起こる。
水素極側:H2 →2H+ +2e- ・・・式(1)
酸素極側:(1/2)O2+2H+ + 2e-→H2O ・・・式(2)
水素極83側に水素ガスが供給されると、式(1)の反応が進行して、H+ とe-とが生成する。H+は、水和状態で固体高分子電解質膜81内を移動して酸素極82側に流れ、e- は負荷88を通って水素極83から酸素極82に流れる。酸素極82側では、H+とe-と供給された酸素ガスとにより、式(2)の反応が進行して、水が生成する。
上述したように、燃料電池用セパレータは各単セル間を電気的に接続する機能を有するため、電気伝導性が良く、かつガス拡散層等の構成材料との接触抵抗が低いことが要求される。また、固体高分子型電解質膜は、スルホン酸基を多数有する高分子から形成されており、湿潤状態においてスルホン酸基をプロトン交換として用いるため、プロトン伝導性を有する。固体高分子型電解質膜は強酸性であるため、燃料電池用セパレータにはpH2〜3程度の硫酸酸性に対する耐食性が要求される。さらに、燃料電池に供給される各ガスの温度は80〜90[℃]と高温であり、また、水素極ではH+が生じるだけでなく、酸素や空気等が通過する酸素極は、標準水素極電位に対して0.6〜1[VvsSHE]程度の電位が負荷される酸化性環境下にある。このため、酸素極及び水素極と同様に、燃料電池用セパレータには強酸性雰囲気下で耐え得る耐食性が要求される。なお、ここで要求される耐食性とは、燃料電池用セパレータが強酸性の酸化環境下においても電気伝導性能を維持できる耐久性を意味する。つまり、カチオンが加湿水又は式(2)の反応により生成した水に溶け出すことにより、カチオンが本来プロトンの通り道となるべきスルホン酸基と結合してスルホン酸基を占有し、電解質膜の発電特性を劣化させる環境で、耐食性を測定する必要がある。
そこで、燃料電池用セパレータには、電気伝導性が良く耐食性に優れたステンレス鋼又は工業用純チタン等のチタン材を使用する試みがなされている。ステンレス鋼は、その表面にクロムを主金属元素とした酸化物、水酸化物又はこれらの水和物等の緻密な不動態皮膜が形成されている。チタンも同様に、その表面に酸化チタン、水酸化チタン又はこれらの水和物等の緻密な不動態皮膜が形成されている。このため、ステンレス鋼やチタンは耐食性が良好である。
しかし、上記した不動態皮膜は、通常ガス拡散層として用いられるカーボンペーパとの間で接触抵抗を生じる。燃料電池内の抵抗分極による過電圧は、定置型用途ではコージェネレーション等により排熱を回収できるため、トータルとしての熱効率が向上する。一方、自動車用用途では、接触抵抗に基づく発熱ロスは冷却水を通してラジエータから外部に捨てるしかないため、接触抵抗が大きくなると発電効率の低下に繋がる。また、発電効率低下は発熱が大きくなることと等価であり、より大きな冷却系を装備する必要性が生じるため、接触抵抗の増大は解決すべき重要な課題となっている。
燃料電池では、単位セル当りの理論的な電圧は1.23[V]となるが、反応分極、ガス拡散分極、抵抗分極により実際に取り出せる電圧が降下し、取り出す電流が大きくなるほど電圧は降下する。また、自動車用用途では、単位体積・重量当りの出力密度を大きくしたいことから、定置用より高電流密度側、例えば、電流密度1[A/cm2]で使用される。電流密度が1[A/cm2]の時には、セパレータとカーボンペーパ間の接触抵抗が40[mΩ・cm2]以下であれば接触抵抗による効率低下がおさえられると考えられている。
そこで、ステンレス鋼をプレス成形した後、電極との接触面に直接金めっき層を形成した燃料電池用セパレータが提案されている(特許文献1参照)。さらに、ステンレス鋼を成形して燃料電池用セパレータの形状に加工した後、電極との接触により接触抵抗を生じる面の不動態皮膜を除去して、貴金属又は貴金属合金を付着させた燃料電池用セパレータが提案されている(特許文献2参照)。
また、燃料電池用セパレータには、燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガス、あるいは冷却水などをシールするためにガスケットやシール部材が成形されている(特許文献3〜5参照)。例えばシール部材は、セルの交換が行えるように、1セルについて少なくとも一つ、もしくは数セルに一つが取り付けられている。
このようなシール部材の燃料電池用セパレータへの取り付けには、MIPG(モールド・インプレス・ガスケット)法と呼ばれる成形方法や、後張り式シールによる貼り付けがある。
MIPG法は、金型を使用してシリコーンゴムを射出成形することによってガスケットを成形する方法である。また後張り式は、型枠から取り出したシール材をセパレータ上にそのまま貼り付ける方法である。
特開平10−228914号公報(第2頁、第2図) 特開2001−6713号公報(第2頁) 特開2001−332275号公報 特開2002−270202号公報 特開2004−146282号公報
しかしながら、貴金属を燃料電池用セパレータの表面にメッキ又はコーティングさせると製造時に手間がかかるだけではなく、素材コストもかかる。また、カーボンセパレータを用いると、強度が低いために厚みを大きくしなければならないのでセルピッチを低減することが困難である。
さらに、MIPG法によってセパレータにシール部を成形すると、セパレータを金型に入れて型締めを行なう必要があるので、セパレータの表面に傷が入ってしまい、その傷から腐食が生じてしまう恐れがある。また、後張り式はMIPG法のような型締めが不要となるため、セパレータ表面に傷が付く可能性は低いが、取り付けに手間がかかるため、生産性の点で改善の余地がある。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池用セパレータは、膜電極接合体の両面に配置される燃料電池用セパレータであって、当該燃料電池用セパレータの表面にはプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層が形成され、前記表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部が設置されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、膜電極接合体の両面に配置される燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記燃料電池用セパレータを構成する基材の表面にプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層を形成し、前記基材の表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部を成形することを特徴とする。
さらに、本発明の燃料電池スタックは、膜電極接合体の両面に燃料電池用セパレータを配置し、これらを複数積層させた燃料電池スタックであって、前記燃料電池用セパレータは、その表面にプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層が形成され、前記表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部が設置されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池車両は、燃料電池スタックを搭載し、この燃料電池スタックによって発電された電力を動力源とする燃料電池車両であって、前記燃料電池スタックは、膜電極接合体とその両面に配置された燃料電池用セパレータとを複数積層して形成され、前記燃料電池用セパレータは、その表面にプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層が形成され、前記表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部が設置されていることを特徴とする。
本発明の燃料電池用セパレータによれば、セパレータと電極間で発生する接触抵抗を低く抑えることができるとともに、耐食性に優れており、尚且つコストの低い燃料電池用セパレータを得ることができる。さらにシール部を成形するときにセパレータに傷が入ることがないので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを得ることができる。また、後張り式に比べてシール部を効率良く取り付けることができるため、生産性を高めることができる。
また、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、セパレータと電極間で発生する接触抵抗が低く、耐食性に優れており、尚且つコストの低い燃料電池用セパレータを容易に製造することができ、シール部を成形するときにセパレータに傷が入ることがないので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを製造することができる。また、後張り式に比べてシール部を効率良く取り付けることができるため、生産性を高めることができる。
さらに、本発明の燃料電池スタックによれば、高性能の燃料電池スタックを得ることができ、尚且つ小型化及び低コスト化を実現することが可能となる。
また、本発明の燃料電池車両によれば、小型化及び低コスト化を実現した燃料電池スタックを搭載することにより、燃費が向上して走行距離を延長させることができると共にスタイリングの自由度を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータ、燃料電池スタック、燃料電池車両及び燃料電池用セパレータの製造方法について、固体高分子型燃料電池に適用した例を挙げて説明する
(燃料電池用セパレータ及び燃料電池スタック)
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成した燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す燃料電池スタック100の詳細な構成を模式的に示す燃料電池スタック100の展開図である。
図2に示すように、燃料電池スタック100は、電気化学反応により発電を行う基本単位となる燃料電池単セル1を複数個積層して構成される。各燃料電池単セル1は、固体高分子型電解質膜の両面に各々酸化剤極を有するガス拡散層と燃料極を有するガス拡散層とを形成してユニット電極アッセンブリ(膜電極接合体:MEA)2とし、このユニット電極アッセンブリ2の両側にアノード/カソードセパレータ(燃料電池用セパレータ)3を配置して、カソードセパレータ3の内部には酸化剤ガス流路を、またアノードセパレータ3の内部には燃料ガス流路を各々形成している。固体高分子型電解質膜としては、例えばスルホン酸基を有するフッ素系樹脂膜等を使用することができる。燃料電池単セル1を積層した後、両端部にエンドフランジ4を配置して、外周部を締結ボルト5により締結して燃料電池スタック100を構成する。なお、以下の説明において、アノード/カソードセパレータ3を総称して燃料電池用セパレータ3という。
また、燃料電池スタック100には、各燃料電池単セル1に水素ガス等の水素を含有する燃料ガスを供給するための水素供給ラインと、酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給ラインと、冷却水を供給する冷却水供給ラインが設けられている。
次に、燃料電池スタック100の側面図を図3に示す。図3に示すように、燃料電池スタック100は、燃料電池単セル1を多数積層してセルの積層方向(燃料電池の積層方向)の両端に集電板24、絶縁板25、エンドプレート26、27、28を配置し、セル積層体の内部に貫通させた貫通孔に締結ボルト5を挿通して締め付けている。ただし、締結方法としては必ずしも締結ボルト5を燃料電池スタック100内に貫通させる必要はなく、燃料電池スタック100の外部でエンドプレート26、27、28同士をテンションロッドで締め付ける機構としてもよい。
締結ボルト5は、剛性を備えた材料、例えば鋼等の金属材料によって形成され、燃料電池単セル1同士の電気的短絡を防止するため、その表面には絶縁処理が施されている。
集電板24は、緻密質カーボンや銅板などガス不透過な導電性材料によって形成され、2枚の集電板24にはそれぞれ出力端子が設けられ、燃料電池スタック100で生じた起電力を出力可能となっている。
絶縁板25は、ゴムや樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。
エンドプレート26、27、28は、剛性を備えた材料、例えば鋼等の金属材料によって形成され、エンドプレート27はエンドプレート28と絶縁板25との間に配置され、エンドプレート28とエンドプレート27との間には加圧装置29が設置されてエンドプレート27と他端のエンドプレート26との間を締め付けるようになっている。
次に、固体高分子電解質型燃料電池単セルの構造を図4に基づいて説明する。図4に示すように、燃料電池単セル1を構成するユニット電極アッセンブリ2は、イオン交換膜によって形成される電解質膜7と、この電解質膜7の片方の面に配置されてガス拡散層や撥水層及び触媒層の形成されたアノード電極(燃料極)8と、電解質膜7のもう一方の面に配置されてガス拡散層や撥水層及び触媒層の形成されたカソード電極(空気極)9とから構成されている。そして、このユニット電極アッセンブリ2の両面には、電極に燃料ガスあるいは酸化ガスを供給するための流体通路の形成された燃料電池用セパレータ3が、ガスケット10を介して積層されている。
ここで、電解質膜7は、固体高分子材料によって構成されており、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。
また、アノード電極8とカソード電極9はガス拡散電極であり、このガス拡散電極はガス拡散層、撥水層、触媒層とから構成されている。ガス拡散層は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスやカーボンペーパ、あるいはカーボンフェルトなど充分なガス拡散性及び導電性を有する部材によって構成されている。また、撥水層は例えばポリエチレンフルオロエチレンと炭素材を含む層であり、触媒層は白金が担持されたカーボンブラックから構成されている。なお、触媒層はガス拡散層に担持され電極を形成するとは限らず、電解質膜7の表面に触媒としての白金または白金と他の金属から形成される合金が担持されている場合がある。この場合、アノード電極8及びカソード電極9は、ガス拡散層の表面に撥水層が積層されたガス拡散層接合体として形成される。
ガスケット10は、シリコーンゴム、EPDMまたはフッ素ゴム等のゴム状弾性材料によって形成されており、燃料電池用セパレータ3あるいは弾性係数の大きい薄板材料に一体化されていても構わない。弾性係数の大きい薄板材料としては、例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートのような材料で形成されており、電解質膜7に例えば熱硬化型フッ素系あるいは熱硬化型シリコンのような液状シールによって接着される。
燃料電池用セパレータ3は、充分な導電性と強度と耐食性とを有する材料によって形成されている。燃料電池用セパレータ3には、アノード電極8との間に燃料ガス流路17が形成され、カソード電極9との間には酸化剤ガス流路18が形成されており、さらに必要に応じて冷却媒体流路19が形成されている。
次に、本実施形態の燃料電池用セパレータ3の構造を図5に基づいて説明する。図5(a)は、燃料電池用セパレータ3の模式的斜視図、図5(b)は、燃料電池用セパレータ3のIIIb-IIIb線断面図、図5(c)は、燃料電池用セパレータ3のIIIc-IIIc線断面図である。図5(a)に示すように、燃料電池用セパレータ3の上面11には、遷移金属又は遷移金属の合金からなる基材をプレス成形することにより、断面矩形状の燃料又は酸化剤の通路12が形成されている。そして、図5(b)及び(c)に示すように基層13と通路12の外面に沿って立方晶の窒化層14が延在している。
このような断面構造の燃料電池用セパレータ3に対して、次にCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)法によってシール部を成形する。ここで、シール部を成形した燃料電池用セパレータ3とユニット電極アッセンブリ2の構成を図6に基づいて説明する。図6は、燃料電池用セパレータ3とユニット電極アッセンブリ2の構成を示す平面図である。
図6(a)に示すように、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、プラズマ窒化処理によって窒化層が形成された基材の表面に流路53が形成されており、両端にはそれぞれ燃料ガスマニフォールド54a、冷却水マニフォールド55a、酸化ガスマニフォールド56aが形成されている。そして、燃料電池用セパレータ3の周囲にはCIPG法によって形成されたシール部57が成形されている。
このCIPG法は、熱硬化性の材料、例えばシリコーンゴムをビード状に燃料電池用セパレータ3上に塗布し、加熱することによってシール部57を成形する方法である。したがって、MIPG法のようにセパレータを金型に入れて型締めなどをする必要がないので、セパレータに傷が入る心配がなくなり、これによって傷の部分から腐食する恐れがなくなるので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを得ることができる。さらには、後張り式に比べてシール部を効率良く取り付けることができるため、生産性を高めることができる。
また、ユニット電極アッセンブリ2は、図6(b)に示すように周囲は樹脂フィルム58によって構成され、中央部にはガス拡散層や触媒層などから構成された触媒電極59が形成されている。そして、両端にはそれぞれ燃料ガスマニフォールド54b、冷却水マニフォールド55b、酸化ガスマニフォールド56bが形成されている。
次に、上述したシール部57の断面構造を図7に基づいて説明する。図7は図6における燃料電池用セパレータ3のA−A線断面図である。図7に示すように、燃料電池用セパレータ3を構成する基材15の表面にプラズマ窒化処理によって窒化層14が形成され、この窒化層14の上にCIPG法によってシール部57が成形されている。そして、燃料電池用セパレータ3とユニット電極アッセンブリ2が積層されると、シール部57はユニット電極アッセンブリ2の樹脂フィルム58と密着して流体をシールする。
また、図8に示すようにシール部57が成形されている部分には窒化層14を形成しないようにしてもよい。例えば、図8(a)に示すようにシール部57が成形される部分の窒化層14にエッチング処理や機械加工を施して窒化層14を除去してからシール部57を成形するようにする。
さらに、図8(b)に示すようにシール部57が成形される部分に曲げ加工を行なってクラックを入れ、このクラックを利用してシール部57を成形するようにしてもよい。
このようにしたことにより、シール部57が基材15に直接成形されるので、接着性を向上させることができる。
また、シール部57を燃料電池用セパレータ3上に成形するのではなく、図9に示すようにユニット電極アッセンブリ2の樹脂フィルム58上にシール部57を成形するようにしてもよい。このシール部57は燃料電池用セパレータ3の流体をシールする部分に対峙するような位置に成形されているので、積層して密着させると流体をシールすることができる。
このように、ユニット電極アッセンブリ2にシール部57を成形したのは、ユニット電極アッセンブリ2のほうが燃料電池用セパレータ3よりもフラットで平面度が高いので、シール部57を容易に塗布することができるからである。
ところで、シール部57に対峙する燃料電池用セパレータ3の面が、図10に示すように、曲げ加工の施されたプレス面であると、その面に微細クラックが入っている可能性があり、密着させてもシール性が低下する恐れがある。
そこで、シール部57に対峙する燃料電池用セパレータ3の面は、図11に示すように、プレス加工を行なったとしてもシールの対峙面にはプレス成形する前のフラットな平面(図中A部分)が残るようにしておく。なお、図11のB部分はガス流路を示している。
このように、シール部57の対峙面に変形履歴を与えないようにプレス成形を実施することにより、シール部57の対峙面の形状や粗さが悪化してシール性が低下することを防止でき、これによってシール部57の信頼性を向上させることができる。
ここで、上述した本実施形態の燃料電池用セパレータ3の作用を説明する。従来では、ガス拡散層との接触抵抗を減らすためにカーボンセパレータを利用していたが、カーボンセパレータでは強度が低いために厚くしなければならずセルピッチを低減することが困難であった。また、強度を高めるためにステンレス鋼などの金属セパレータを用いると、ガス拡散層との間に接触抵抗が生じてしまうので、接触抵抗を減らすために金で表面処理した金属セパレータを利用していた。ところが、金で表面処理するとコストの低減が困難であった。
そこで、本実施形態の燃料電池用セパレータ3では、プラズマ窒化処理によって窒化層14を形成することにより、耐食性を向上させるとともに導電性を向上させてガス拡散層との間の接触抵抗を減らすことができた。これによって、ステンレス鋼などの金属セパレータを利用することができ、セパレータの厚さを薄くすることができるので、セルピッチを低減することができる。
さらに、燃料電池用セパレータ3の表面の流体をシールする部分にはCIPGよりなるシール部57を成形するようにしたので、燃料電池用セパレータ3に傷が入る可能性がなくなり、これによって傷の部分から腐食する恐れがなくなるので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを得ることができる。
次に、本実施形態の燃料電池用セパレータ3の材質を説明する。本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ3では、遷移金属又は遷移金属の合金を基材として用いており、基材表面から深さ方向に立方晶の結晶構造を有する窒化層を設けている構成としたため、窒化層中の遷移金属原子が窒素原子との間で共有性に富んだ結合を形成していることに加え、金属原子間には金属結合が形成されているため、電気伝導性に優れた燃料電池用セパレータを得ることができる。また、立方晶の結晶構造を有する窒化層は燃料電池として通常使用されるpH2〜3の強酸性雰囲気においても化学的に安定であるため耐食性に優れる。このため、燃料電池用セパレータとカーボンペーパとの間の接触抵抗を低くおさえ、強酸性雰囲気においても継続的に良好な電気伝導性を示す燃料電池用セパレータが得られる。 また、従来のように、電極と接触する面に直接金メッキ層を施さなくても接触抵抗を抑えることができるため、低コスト化を実現することが可能となる。
基材は、Fe、Cr、Ni及びMoの群から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含むステンレス鋼であることが好ましい。このような元素を含有するステンレス鋼として、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、析出硬化系のステンレス鋼が挙げられる。これらの中でも、基材は、特にオーステナイト系ステンレス鋼から形成することが好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS304、SUS310S、SUS316L、SUS317J1、SUS317J2、SUS321、SUS329J1、SUS836等が挙げられる。
立方晶の結晶構造は、より具体的には、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Mo(モリブデン)の群から選ばれる少なくとも一種以上の金属原子によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造であることが好ましい。
ここで、M4N型の結晶構造を図12に示す。図12に示すように、M4N型の結晶構造20は、Fe、Cr、Ni及びMoの中から選択される遷移金属原子21によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子22が配置された構造である。このM4N型の結晶構造20において、Mは、Fe、Cr、Ni及びMoの中から選択される遷移金属原子21を表し、Nは窒素原子22を表す。窒素原子22はM4N型の結晶構造20の単位胞中心の八面体空隙の1/4を占有する。すなわち、M4N型の結晶構造20は、遷移金属原子21の面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子22が侵入した侵入型固溶体であり、立方晶の空間格子で表すと、窒素原子22は各単位胞の格子座標(1/2,1/2,1/2)に位置する。M4N型の結晶構造とすることにより、遷移金属原子21間の金属結合を維持したまま、遷移金属原子21と窒素原子22との間で強い共有結合性を示す。
また、このM4N型の結晶構造20では、遷移金属原子M21はFeを主体としていることが好ましいが、FeがCr、Ni、Moなどの他の遷移金属原子と一部置換した合金であっても良い。
そして、このM4N型の結晶構造では、高密度の転位や双晶を伴い、硬さも1000[HV]以上と高く、窒素が過飽和に固溶したfccまたはfct構造の窒化物であると考えられている(安丸、蒲池;日本金属学会誌,50,pp362−368,1986)。そして、表面に近いほど窒素濃度が高いことや、CrNが主成分とならないため、耐食性に有効なCrが減少せずに窒化後も耐食性が保たれる。このように、窒化層が少なくともFe、Cr、Ni、Moの群から選ばれる少なくとも一種以上の遷移金属原子によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造を有する場合には、pH2〜3の強酸性雰囲気における耐食性を一段と優れたものとし、かつカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く押さえることが可能となる。
なお、窒化層の厚さは基材表面に厚さ0.5〜5[μm]の範囲で形成されていることが好ましい。この場合には、強酸性雰囲気における耐食性に優れ、かつカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることが可能となる。なお、窒化層の厚さが0.5[μm]を下回る場合には、窒化層と基材との間に亀裂が発生したり、窒化層と基材との密着強度が不足することにより長時間使用すると窒化層が基材との界面から剥がれ易くなるため長時間の使用では充分な耐食性が得られにくくなる。また、窒化層の厚さが5[μm]を上回る場合には、窒化層の厚さの増大とともに窒化層内の応力が過大になって窒化層に亀裂が発生し、燃料電池用セパレータに孔食が発生し易くなり、耐食性の向上に寄与しにくくなる。
さらに、窒化層の極表面の窒素量が10[at%]以上かつ酸素量が35[at%]以下であることが好ましい。ここで、窒化層の極表面とは、窒化層の最表面から3〜4[nm]の深さ、つまり原子数十層程度の深さの原子層をさす。また、最表面とは、窒化層の最外部の原子一層をさす。遷移金属の表面に吸着した酸素分子の被覆率が高くなると、遷移金属原子と酸素原子との間に明瞭な結合が形成する。これが遷移金属原子の酸化である。このような遷移金属表面の酸化は、まず最外部の第一原子層が酸化されることによって起こる。第一原子層の酸化が終わると、次に、第一原子層へ吸着した酸素が遷移金属内の自由電子をトンネル効果によって受け取り、酸素が負イオンになる。そして、この負イオンによる強い局部電場のために、遷移金属イオンが遷移金属内部から表面上に引っ張り出され、引っ張り出された遷移金属イオンが酸素原子と結合する。すなわち二層目の酸化膜が生成する。このような反応が次から次へと起こって酸化膜が厚くなっていく。このように、窒化層中の酸素量が35[at%]より多い場合には、絶縁性の酸化膜が形成されやすくなる。これに対し、このように、窒化層の極表面の窒素量が10[at%]以上かつ酸素量が35[at%]以下である場合には、酸化膜の成長を抑制できてカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることが可能となり、かつ、強酸性雰囲気における耐食性に優れた燃料電池用セパレータを得ることができる。
また、窒化層の最表面から10[nm]深さにおいて、窒素量が15[at%]以上かつ酸素量が26[at%]以下であることが好ましく、更には窒素量が18[at%]以上かつ酸素量が22[at%]以下であることがより好ましい。この場合には、強酸性雰囲気における耐食性に優れ、かつカーボンペーパとの間の接触抵抗を低くおさえることが可能となる。なお、この範囲からはずれる場合には、セパレータと電極間で発生する接触抵抗が高くなり、燃料電池スタックを構成する単セル1枚あたりの接触抵抗値が40[mΩ・cm2]を超え、発電性能が悪化するという不具合がある。
さらに、窒化層の最表面から100[nm]〜200[nm]深さにおいて、窒素量が16[at%]以上かつ酸素量が21[at%]以下であることが好ましい。この場合には、窒化層中の窒素原子のケミカルポテンシャルを高めて、遷移金属原子の活量をより一層小さく抑えた状態で遷移金属原子が窒素原子と化合物を形成すると、遷移金属原子の自由エネルギーが下がり、遷移金属原子の酸化に対する反応性を低くすることができ、遷移金属原子が化学的に安定する。このため、酸素原子は受け取る自由電子がなくなり、遷移金属原子を酸化しなくなるため酸化膜の成長を抑えることができ、耐食試験後の接触抵抗を低く抑えることが可能となる。
上述したように、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、その表面にプラズマ窒化処理によって窒化層14が形成されているので、窒化層14によりガス拡散層との間の接触抵抗が低減し、耐食性と導電性を向上させることができ、これによってセルピッチの低減とコストを低下させることができる。さらに、CIPGよりなるシール部57が成形されているので、燃料電池用セパレータ3に傷が入る可能性がなくなり、これによって傷の部分から腐食する恐れがなくなるので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを得ることができる。また、後張り式に比べてシール部を効率良く取り付けることができるため、生産性を高めることができる(請求項1の効果)。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、シール部57をCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)法によって成形するので、MIPG法のようにセパレータを金型に入れて型締め行なう必要がなくなり、燃料電池用セパレータ3に傷が入る可能性をなくすことができる。これによって傷の部分から腐食する恐れがなくなるので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを得ることができる。また、後張り式に比べてシール部を効率良く取り付けることができるため、生産性を高めることができる(請求項2の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、シール部57が成形されている部分には窒化層14を形成しないので、シール部57の接着性を向上させることができる(請求項3の効果)。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、Fe、Cr、Ni及びMoの群から選ばれる少なくとも一種以上の遷移金属元素を含む合金からなる基材によって構成され、窒化層14は基材の表面をプラズマ窒化処理することによって、基材の表面から深さ方向に立方晶の結晶構造を有する層として形成されているので、強酸性雰囲気においても化学的に安定で耐食性に優れ、燃料電池用セパレータとカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることができ、強酸性雰囲気においても継続的に良好な電気伝導性を発揮することができる。また、従来のように、電極と接触する面に直接金メッキ層を施さなくても接触抵抗を抑えることができるので、低コスト化を実現することができる(請求項4の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、立方晶の結晶構造を、Fe、Cr、Ni及びMoの群から選ばれる少なくとも一種以上の遷移金属原子によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造としたので、強酸性雰囲気における耐食性を一段と優れたものにすることができ、尚且つ燃料電池用セパレータとカーボンペーパとの間の接触抵抗をより低く抑えることができる(請求項5の効果)。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、窒化層14の厚さを0.5〜5[μm]としたので、強酸性雰囲気における耐食性に優れ、尚且つ燃料電池用セパレータとカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることができる(請求項6の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、窒化層14の最表面から10[nm]深さにおいて、窒素量が15[at%]以上かつ酸素量が26[at%]以下としたので、強酸性雰囲気における耐食性に優れ、尚且つ燃料電池用セパレータとカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることができる(請求項7の効果)。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータ3は、窒化層14の最表面から100[nm]〜200[nm]深さにおいて、窒素量が16[at%]以上かつ酸素量が21[at%]以下としたので、遷移金属原子が化学的に安定して酸化膜の成長を抑えることができ、耐食試験後の接触抵抗を低く抑えることができる(請求項8の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池スタック100は、燃料電池用セパレータ3の表面にプラズマ窒化処理によって窒化層14が形成され、CIPGよりなるシール部57を備えているので、発電性能を損なうことなく高い発電効率を維持できると共に、小型化及び低コスト化を実現することができる(請求項14の効果)。
また、本実施形態の燃料電池スタック100は、ユニット電極アッセンブリ2にシール部57を成形するようにしたので、燃料電池用セパレータ3にシール部57を成形した場合よりもフラットで平面度の高い部分にシール部57を設置することができ、シール部57を容易に塗布することができる(請求項15の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池スタック100は、ユニット電極アッセンブリ2に成形されたシール部57に対峙する燃料電池用セパレータ3の面が平面になるようにしたので、シール部57に対峙する面の形状や粗さが悪化してシール性が低下することを防止でき、シール部57の信頼性を向上させることができる(請求項16の効果)。
(燃料電池用セパレータの製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法について説明する。この燃料電池用セパレータの製造方法では、まず燃料電池用セパレータ3を構成する基材の表面にプラズマ窒化処理によって窒化層を形成し、さらにその上にCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)法によってシール部を成形して燃料電池用セパレータを製造する。
このCIPG法は、室温硬化性の材料、例えばシリコーンゴムをビード状に燃料電池用セパレータ上に塗布し、そのまま空気中に放置することによってシール部を成形するようにした方法である。したがって、MIPG法のようにセパレータを金型に入れて型締めなどをする必要がないので、セパレータに傷が入る心配がなくなり、これによって傷の部分からセパレータが腐食する恐れがなくなるので、信頼性の高い燃料電池用セパレータを製造することができる。
また、図8で示したようにシール部57を窒化層14が形成されていない部分に成形する場合には、シール部57を成形する部分の窒化層14にエッチング処理あるいは機械加工を施して窒化層14を除去してからシール部57を成形するようにする。これによりシール部57の接着性を向上させることができる。
さらに、シール部27が成形される部分に曲げ加工を行なってからシール部57を成形するようにしてもよい。このように曲げ加工を行なうと、窒化層14にクラックが入るので、シール部57の接着性を向上させることができる。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法では、燃料又は酸化剤の通路が形成された遷移金属又は遷移金属の合金からなる基材に500[℃]以下の温度で窒化処理を施す窒化工程により、Fe、Cr、Ni及びMoの中から選択される遷移金属原子によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造を有する窒化層を形成する工程を有することを特徴とする。
ステンレス鋼の表面に高温で窒化処理を施すと、窒素が基材中のCrと結びつき、主としてNaCl型の結晶構造を有するCrN等の窒化物を析出するために燃料電池用セパレータの耐食性が低下する。これに対し、500[℃]以下の温度で窒化処理を施すと基材表面には、主としてNaCl型の結晶構造を有するCrN等の窒化化合物ではなく、Fe、Cr、Ni、Moの群から選ばれる少なくとも一種以上の金属原子によって形成された面心立方格子または面心正方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置された結晶構造が形成される。この結晶構造は、窒化層の中でも特に耐食性に富むため、500[℃] 以下の低温で窒化処理を施すことにより燃料電池用セパレータの耐食性が向上する。また、セパレータと隣接するガス拡散電極等の構成材料との接触抵抗を低く抑えることができ、燃料電池の発電効率を維持でき、優れた耐久信頼性を有する燃料電池用セパレータを低コストにより得ることができる。
なお、窒化温度が350[℃]を下回る場合には、この結晶構造を有する窒化層を得るためには長時間の処理を必要とするために生産性が悪化する。このため、窒化処理は350〜500[℃]の範囲で、より好ましくは350〜500[℃]で行うのが好ましい。
また、窒化処理は、プラズマ窒化法であることが好ましい。窒化処理にはガス窒化法、ガス軟窒化法、塩浴法、プラズマ窒化法などを利用することが可能である。ガス軟窒化法は窒化処理中の酸素分圧が高いため窒化層中の酸素量が高くなる。これに対し、窒化処理のうち、プラズマ窒化法は、被処理物を陰極とし、直流電圧を印加して発生するグロー放電によって窒素ガスをイオン化し、イオン化した窒素が被処理物の表面へ高速加速衝突することで窒化する方法である。このため、プラズマ窒化法では、イオン衝撃によるスパッタリング作用により被処理物であるステンレス鋼表面の不動態皮膜を容易に除去しつつ窒化するためステンレス鋼に適した窒化方法であり、かつ非平衡反応によって基材中に窒素イオンを浸透させるために、上記結晶構造を短時間で容易に得ることができ、耐食性が向上する。
次に、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法に用いる窒化装置の構成を図13に基づいて説明する。図13は、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法に使用される窒化装置の構成を示す側面模式図である。図13に示すように、窒化装置30は、バッチ式の窒化炉31と、この窒化炉31に雰囲気ガスを供給するガス供給装置32と、窒化炉31内でプラズマを発生させるプラズマ電極33a、33b及びこれらの電極33a、33bに直流電圧を供給する直流電源33と、窒化炉31内のガスを排出するポンプ34と、窒化炉31内の温度を検知する温度センサ37とを含んでいる。窒化炉31は内壁31a及び外壁31bを有し、内壁31aの天井部31cには燃料電池用セパレータの形状に加工したステンレス鋼箔44を吊下するステンレス製のハンガ36が設けられる。ガス供給装置32は、ガス室38とガス供給管路39とを有し、ガス室38には開口部が設けられ、この開口部にはそれぞれガス供給弁が設置され、H2ガス、N2ガス、Arガスが供給されている。窒化炉31の天井部31cには、ガス供給管路39の他端と連通する開口31dを有する。ガス供給管路39にはガス供給弁が設けられている。窒化炉31内のガス圧は、窒化炉31の底部31eに設けられたガス圧センサ40によって検知される。窒化炉31には冷却水流路(不図示)が設けられ、冷却水は窒化炉31の外壁31bに設けられた開口31fから冷却水流路に流入し、開口31gから流出する。開口31fには冷却水供給弁が設けられ、冷却水の流量を調節する。ポンプ34は、上記底部31eに設けられた開口31hと連通する排出管路41と接続される。温度センサ37は、窒化炉31の外壁31bに設けられた設置口31iに設置される。
窒化装置30には、グロー放電のために操作盤43から制御される直流電源33の他に、バイアス用のポテンショメータ35が設けられている。直流電源33は陽(+)極33aが窒化炉31の内壁31aに接続され、陰(−)極33bが接地されている。ポテンショメータ35は、バイアス用直流電源端子35cと接地回路35dとの間の電位差を、可動接触子により0[V]からバイアス電圧の範囲で分圧し、それにより得た電圧をバイアス回路35aを介して各ステンレス鋼箔44に供給する。直流電源33は操作盤43からの制御信号によりオン、オフされる。ポテンショメータ35は、操作盤43からバイアス制御回路35bを介してバイアス制御信号が供給され、この制御信号に応じて可動接触子が摺動する。従って、各ステンレス鋼箔44は、内壁31aに対し、直流電源33の端子間電圧と、可動接触子を介して供給されるバイアス電圧とを加えた電圧差を有する。なお、ガス供給装置32及びガス圧センサ40も、操作盤43によって制御される。
プラズマ窒化には窒素ガス及び水素ガスを使用し、窒素ガス及び水素ガスを放電させた低温非平衡プラズマ中においてステンレス鋼材にマイナスのバイアス電圧をかけることにより、ステンレス鋼材を400〜500[℃]の温度で窒化を行うことが好ましい。プラズマ窒化処理では、イオン衝撃によるスパッタリング作用により金属材料表面の不動態皮膜を容易に除去できる。一方、通常使用されるガス窒化や塩浴窒化を用いて窒化処理を行った場合には、窒化層の数〜数十[nm]オーダの最表層では酸化が起きて絶縁性酸化物が形成されるため、燃料電池のガス拡散層として通常使用されるカーボンペーパとの間の接触抵抗が増大する。これに対し、本発明のようにプラズマ窒化の手法を用いた窒化処理では、金属材料表面の酸素を除去しながら窒化反応を進めることができるため、窒化後の金属材料の最表層の酸素レベルを十分に低く抑えることが可能となる。さらに、カーボンペーパとの間の接触抵抗を、燃料電池として好適となるように低い値に維持することが可能となる。
また、プラズマ窒化処理をする際の処理条件は、温度400〜500[℃]、処理時間10〜60[分]、ガス混合比N2:H2=3:7〜7:3、処理圧力3〜7[Torr](=399〜931[Pa])とすることが好ましい。窒化処理条件を本範囲に規定したのは、処理時間が10[分]未満になると窒化層が形成されないからであり、逆に、処理時間が60[分]を超えると製造コストが高騰するからである。さらに、ガス混合比を本範囲に規定したのは、ガス中の窒素の割合が減少すると窒化層を形成することができないからであり、逆に、窒素の割合が増大すると還元剤として作用する水素量が減少して、基材表面が酸化されてしまうからである。このような処理条件下でプラズマ窒化処理をすることにより、M4N型の結晶構造を有する窒化層を基材表面に形成することができる。
上述したように、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法では、燃料電池用セパレータを構成する基材の表面にプラズマ窒化処理によって窒化層を形成し、流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)法によってシール部を成形するようにして燃料電池用セパレータを製造するので、強酸性の環境下で接触抵抗が低くて耐食性に優れた燃料電池用セパレータを簡便な操作で容易に製造することができ、尚且つ低コスト化を実現することができる。さらに、セパレータに傷が入る心配がないので、傷の部分からセパレータが腐食する恐れがなくなり、信頼性の高い燃料電池用セパレータを製造することができる。また、後張り式に比べてシール部を効率良く取り付けることができるため、生産性を高めることができる(請求項9の効果)。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法では、シール部を成形する部分の窒化層を除去してからシール部を成形するので、シール部を基材に直接成形することができ、これによってシール部の接着性を向上させた燃料電池用セパレータを製造することができる(請求項10の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法では、シール部を成形する部分に曲げ加工を行なってからシール部を成形するので、曲げ加工で生じたクラックを利用してシール部を成形することができ、これによってシール部の接着性を向上させた燃料電池用セパレータを製造することができる(請求項11の効果)。
また、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法では、基材が燃料又は酸化剤の通路が形成された遷移金属又は遷移金属の合金によって構成され、基材に500[℃]以下の温度でプラズマ窒化処理を施すことにより、窒化層の結晶構造をFe、Cr、Ni及びMoの中から選択される遷移金属原子によって形成される面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造にしたので、強酸性雰囲気における耐食性が一段と優れ、尚且つカーボンペーパとの間の接触抵抗をより低く抑えることのできる燃料電池用セパレータを低コストで製造することができる(請求項12の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法では、プラズマ窒化処理を、窒素ガス及び水素ガスを放電させた低温非平衡プラズマ中で、基材にマイナスのバイアス電圧をかけることによって行うので、金属材料表面の酸素を除去しながら窒化反応を進めることができ、窒化後の金属材料の最表層の酸素レベルを十分に低く抑えた燃料電池用セパレータを製造することができる。これによって、耐食性及びカーボンペーパとの接触抵抗が十分に低い燃料電池セパレータを製造することができる(請求項13の効果)。
(燃料電池車両)
本発明の実施の形態に係る燃料電池車両の一例として、前述した本発明の実施の形態に係る燃料電池スタックを動力源とした燃料電池電気自動車を挙げて説明する。
図14は、燃料電池スタック100を搭載した燃料電池電気自動車の外観を示す図である。図14(a)は燃料電池電気自動車50の側面図、図14(b)は燃料電池電気自動車50の上面図である。図14(b)に示すように、車体51前方には、左右のフロントサイドメンバとフードリッジのほか、フロントサイドメンバを含む左右のフードリッジ同士を互いに連結するダッシュロア部材をそれぞれ組み合わせて溶接接合したエンジンコンパートメント部52を形成している。図14(a)及び(b)に示す燃料電池電気自動車50では、エンジンコンパートメント部52内に燃料電池スタック100を搭載している。
本発明の実施の形態に係る燃料電池セパレータを適用した発電効率の高い燃料電池スタック100を自動車等の移動体車両に搭載することにより、燃料電池電気自動車の燃費向上を図ることができる。また、小型化した軽量の燃料電池スタック100を車両に搭載することにより、車両重量を低減して省燃費化を図ることができ、走行距離の長距離化を図ることができる。さらに、小型化した燃料電池を移動体車両等に搭載することにより、車室内空間をより広く活用することができ、スタイリングの自由度を高めることができる。
なお、燃料電池車両の一例として電気自動車を挙げたが、本発明は電気自動車等の車両に限定されるものではなく、電気エネルギーが要求される航空機その他の機関にも適用することが可能である。
このように本実施形態の燃料電池車両では、搭載している燃料電池スタック100を構成する燃料電池用セパレータが、プラズマ窒化処理によって表面に窒化層が形成され、流体をシールする部分には室温硬化性材料を空気中に放置することによって成形されたシール部を備えているので、燃料電池スタック100の発電効率が高く、小型で軽量な燃料電池スタックを実現することができ、これによって搭載している車両の燃費を低減することができる(請求項17の効果)。
以下、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例5について説明する。これらの実施例は、本発明に係る燃料電池用セパレータの有効性を調べたもので、異なる原料に対して異なる条件下で処理して各試料を調製したものであり、例示した実施例に限定されるものではない
<試料の調製>
各実施例及び比較例では、表1に示すように、基材として、板厚0.1[mm]の、JIS規格のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS316、SUS316L、SUS310)、のそれぞれの光輝焼鈍(BA)材を用いた。これらの基材を脱脂洗浄後、両面にプラズマ窒化処理(直流電流グロー放電によるプラズマ窒化処理)を施した。この表1に示すように、プラズマ窒化条件は、処理温度350〜550[℃]、処理時間10〜60[分]、ガス混合比を実施例1〜6ではN2:H2=3:7〜7:3とし、処理圧力3〜7[Torr](=399〜931[Pa])とした。
ここで、各試料は、以下の方法によって評価された。
<窒化層の結晶構造の同定>
上記方法によって得られた試料の窒化層の結晶構造の同定は、窒化処理を施すことによって改質した基材表面をX線回折測定を行うことにより同定した。装置は、マックサイエンス社製 X線回折装置(XRD)を用いた。測定は、線源はCuKα線、回折角20〜100[゜]、スキャン速度2[゜/min]の条件で行った。
<窒化層の厚さの測定>
窒化層の厚さは、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡を用いて断面観察することにより測定した。
<Feに対するCr原子比の測定及び極表面の窒素量及び酸素量の測定>
窒化層のFeに対するCr原子比の測定は、X線電子分光分析(XPS)により窒化層のFe濃度及びCr濃度を測定して求めた。また、窒化層極表面の窒素量及び酸素量をXPSを用いて測定し、測定結果より酸素量に対する窒素量の比O/Nを求めた。装置は、PHI社製 光電子分光分析装置Quantum-2000を用いた。測定は、線源としてMonochromated-Al-kα線(電圧1486.6[eV]、20.0[W])、光電子取り出し角度45[゜]、測定深さ約4[nm]、測定エリアφ200[μm]にてX線を試料に照射することにより行った。
<窒化層の最表面から10[nm]及び100[nm]深さにおける窒素量及び酸素量の測定>
窒化層の最表面から10[nm]及び100[nm]深さにおける窒素量及び酸素量の測定は、走査型オージェ電子分光分析装置によって行った。装置は、PHI社製 MODEL4300を用いた。測定は、電子線加速電圧5[kV]、測定領域20[μm]×16[μm]、イオン銃加速電圧3[kV]、スパッタリングレート10[nm/min](SiO2換算値)の条件で行った。
<接触抵抗値の測定>
得られた試料を30[mm]×30[mm]の大きさに切り出して接触抵抗を測定した。装置は、アルバック理工製圧力負荷接触電気抵抗測定装置TRS-2000SS型を用いた。そして、図15(a)に示すように、電極61とサンプル62との間にカーボンペーパ63を介在させて、図15(b)に示すように、電極61a/カーボンペーパ63a/サンプル62/カーボンペーパ63b/電極61bの構成とした。そして、測定面圧1.0[MPa]にて1[A/cm2]の電流を流した際の電気抵抗を2回測定し、各電気抵抗の平均値を求めて接触抵抗値とした。カーボンペーパは、カーボンブラックで担持した白金触媒を塗布したカーボンペーパ(東レ(株)製カーボンペーパ TGP-H-090 厚さ0.26[mm]、かさ密度0.49[g/cm3]、空隙率73[%]、厚さ方向体積抵抗率0.07[Ω・cm2])を用いた。電極は、直径φ20のCu製電極を用いた。この接触抵抗測定は、後述する電解試験の前後で2回測定を行った。
<耐食性の評価>
燃料電池では、水素極側に比較して酸素極側に最大で1[VvsSHE]程度の電位がかかる。また、固体高分子電解質膜は、分子中にスルホン酸基等のプロトン交換基を有する高分子電解質膜を飽和に含水させてプロトン伝導性を利用するものであり、強酸性を示す。このため、耐食性の評価は、電気化学的な手法である定電位電解試験を用いて、所定の定電位をかけた状態で一定時間保持後に溶液中に溶け出す金属イオン量を蛍光X線分析により測定し、イオン溶出量の値から耐食性の低下の度合いを評価した。
具体的には、各試料の中央部を大きさ30[mm]×30[mm]に切り出したサンプルをpH2の硫酸水溶液中で、温度80[℃]、電位1[VvsSHE]として100[時間]保持した。その後、硫酸水溶液中に溶け出したFe、Cr、Niのイオン溶出量を蛍光X線分析により測定した。
窒化層の結晶構造、窒化層の厚さ、窒化層の極表面の窒素量及び酸素量、酸素量に対する窒素量の比O/N、窒化層の最表面から10[nm]及び100[nm]深さにおける窒素量及び酸素量、接触抵抗値及びイオン溶出量を表2に示す。
さらに、図16に、上記実施例1及び比較例1により得られた試料のX線解析パターンを示す。
比較例1では、基材であるオーステナイト由来のピークのみが明確に観測されたのに対し、実施例1では、図中γで示す基材であるオーステナイト由来のピークの他には、上記M4N型の結晶構造を示すS1〜S5のピークが観測された。ここで、Mは、Feを主体としており、Feの他にはCr、Ni、Moの合金を含む。なお、図17(a)に示す断面組織より窒化層の厚さを観測すると、実施例1においては、表面に5[μm]程度の窒化層が形成されていた。このように、表面はM4N型の結晶構造をもつ窒化層に覆われているにもかかわらず、X線回折ピークは基材であるオーステナイト由来のピークも観測されている。これは、本測定条件によるX線の基材への入射深さが10[μm]程度であることから、基材を検出していると判断した。なお、実施例2〜実施例6では、実施例1と同様に基材であるオーステナイト由来のピークの他に上記M4N型の結晶構造のピークが観測された。
また、比較例2及び比較例3では、比較例1と同様に窒化層が形成されていないため、基材であるオーステナイト由来のピークのみが観測された。また、比較例4では、CrNとγ’相を示すピークが観測された。なお、γ’相は、CrがNと結合してCrNなどのCr系窒化化合物を形成するために、基材のCr濃度が低下することによってFe原子が面心立方格子を作る。そして、γ’相はこの格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が侵入した結晶構造、すなわち八面体空隙の1/4に窒素原子が配置されたFe4N型の結晶構造であり、Feの他にCrやNiの合金を含まない。このように、処理温度が500[℃]を越えた場合には、NaCl型の結晶構造を有するCrNなどのCr系窒化化合物が形成することがわかった。
次に、実施例1で得られた試料の倍率400倍による断面組織写真を図17(a)に、比較例1で得られた試料の断面組織写真を図17(b)に示す。図17(a)では、基材71の両表面に窒化層72が形成されているが、図17(b)では、基材73の表面には窒化層などの改質層が形成されていないことがわかる。
また、表2に示すように、M4N型の結晶構造をもつ窒化層が形成された実施例1〜実施例6では、いずれも接触抵抗値が10.5[mΩ・cm2]以下であった。これに対し、窒化層が形成されていない比較例1〜比較例3、比較例5では著しく接触抵抗値は高かった。燃料電池では、単位セル当りの理論的な電圧は1.23[V]となるが、反応分極、ガス拡散分極、抵抗分極により実際に取り出せる電圧が降下し、取り出す電流が大きくなるほど電圧は降下する。また、自動車用用途では、単位体積・重量当りの出力密度を大きくしたいことから、定置用より高電流密度側、例えば、電流密度1[A/cm2]で使用される。電流密度が1[A/cm2]の時には、セパレータとカーボンペーパとの間の接触抵抗が20[mΩ・cm2] 、つまり、図15(b)で示した測定法による測定値が40[mΩ・cm2] 以下であれば接触抵抗による効率低下がおさえられると考えられる。本実施例1〜実施例6では、いずれも接触抵抗値が40[mΩ・cm2] 以下であるため、単位セル当りの起電力が高く、起電力の高い燃料電池スタックを形成することが可能となる。
次に、イオン溶出量を測定した結果により、窒化層の厚さが0.5〜5[μm]である実施例1〜実施例6ではいずれもイオン溶出量が低く、耐食性に優れていることがわかった。
実施例と比較して、比較例1〜比較例3のようにオーステナイト系ステンレス鋼の表面を窒化処理しない場合には、基材表面に不動態膜が形成しているため接触抵抗が高い。また、不動態膜があるため、一般的にオーステナイト系ステンレス鋼は耐食性に優れているが、実施例1〜実施例6と比較すると劣ることがわかった。
更に、比較例4〜比較例5のように窒化処理を施しても、窒化層が主としてNaCl型の結晶構造を有するCrNを含む場合には、窒化処理を施していない比較例1〜比較例3と比較すると接触抵抗は低くなるが、耐食性が劣る。
また、表2よりXPSにより測定した窒化層極表面の窒素量、酸素量を及び酸素量に対する窒素量の比O/Nをみてみると、窒化層の極表面の窒素量が10[at%]以上かつ酸素量が35[at%]以下であり、O/Nが3.5以下である実施例1〜6では、いずれも接触抵抗値が40[mΩ・cm2] 以下であった。これに対し、比較例1〜比較例3のようにオーステナイト系ステンレス鋼の表面を窒化処理しない場合には、基材表面に不動態膜が存在するため極表面の酸素量が多く、O/Nも非常に高い値であった。また、比較例4では主としてCrN等のCr系窒化物が析出するようになるために、接触抵抗も低く、O/Nも低い値であったが、イオン溶出量が多く耐食性が悪化する。
次に、図18に実施例1により得られた試料の走査型オージェ電子分光分析による深さ方向の元素プロファイルを示す。図18に示すように、窒化層の最表面では窒化処理中に若干の酸素分圧が存在するために酸化膜が存在し、その酸化膜の厚さを電子が自由に行き来できるため酸素量が一番高い。しかし、電子が自由に行き来できる範囲は最表面から3〜4[nm]の深さであるため、徐々に酸素量は低くなり窒素量が増えた。また、窒化層の最表面から10[nm]深さにおいて、窒素量が18[at%]であり酸素量が22[at%]であった。そして、窒化層の最表面から100[nm]深さにおいて、窒素量が19[at%]であり酸素量が17[at%]であった。なお、スパッター深さ50[nm]あたりから、基材の成分であるFeの割合が高くなった。このときの接触抵抗値は3[mΩ・cm2]であり、イオン溶出量も低かった。このように、M4N型の結晶構造をもつ窒化層が形成された実施例1では、接触抵抗も耐食性も満足できた。
同様に、接触抵抗値が40[mΩ・cm2]以下である実施例1〜6のいずれにおいても、窒化層の最表面から10[nm]深さにおいて、窒素量が18[at%]以上かつ酸素量が25[at%]以下であり、さらに、窒化層の最表面から100[nm]深さにおいて、窒素量が17[at%]以上かつ酸素量が18[at%]以下であった。これに対し、接触抵抗値が245以上である比較例1〜比較例3では、窒化層の最表面から10[nm]深さにおける窒素量及び酸素量が上記値からはずれており、さらには、窒化層の最表面から100[nm]深さにおける窒素量及び酸素量も上記値からはずれていた。なお、不動態膜が形成されていない比較例4〜比較例5では、上記値を満足していた。
以上の測定結果より、実施例1〜実施例6は、比較例1〜比較例5に対しいずれの実施例においても立方晶の結晶構造である、Fe、Cr、Ni、Moの群から選ばれる少なくとも一種以上の遷移金属原子によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造を有する窒化層とすることで接触抵抗値が40[mΩ・cm2]以下と低接触抵抗を示し、その上、イオン溶出量も少なく、耐食性に優れることから、低接触抵抗と耐食性の両方を同時に兼ね備える。
なお、本実施例においては、基材としてオーステナイト系ステンレス鋼を用いたが、これに限定されるものではなく、フェライト系もしくはマルテンサイト系ステンレス鋼を用いても、また、窒化処理としてプラズマ窒化処理を実施しているが、ガス窒化処理によっても同様の効果が得られる。
次に、図19(a)、(b)に、窒素量及び酸素量と接触抵抗値との関係を示す。図19(a)は、極表面の窒素量及び酸素量と接触抵抗値との関係を示している。図19(b)は、極表面の酸素量に対する窒素量の比O/Nと接触抵抗値との関係を示している。図19(a)に示すように、極表面において窒素量が多い(窒素濃度が高い)ほど接触抵抗値が低く、酸素量が低い(酸素濃度が低い)ほど接触抵抗値が低いことが明らかとなった。これは、上記したように、窒化層中の酸素量が多い場合には基材表面に絶縁性の酸化膜が形成されるため接触抵抗値が高く、基材表面に窒化層が形成されている場合には酸化膜の成長が抑制されるため接触抵抗値が低くなるためと考えられる。同様に、図19(b)に示すように、極表面の酸素量に対する窒素量の比O/N低いほど接触抵抗値が低いことが明らかとなった。
以上の測定結果より、実施例1〜実施例6は比較例1〜比較例5に対しいずれの実施例においても、遷移金属又は遷移金属の合金からなる基材から形成され、基材表面に燃料又は酸化剤の通路が形成された基層と、この基層の直接上に形成された立方晶の結晶構造を有する窒化層とを備えることで、電解試験前の接触抵抗値が10[mΩ・cm2]以下と低接触抵抗を示し、電解試験後の接触抵抗値も低く抑え、低い接触抵抗と耐食性の両方を同時に兼ね備える燃料電池用セパレータが得られた。
本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成する燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成する燃料電池スタックの展開図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成する燃料電池スタックの側面図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータを用いて構成する燃料電池単セルの分解斜視図である。 (a)燃料電池用セパレータの模式的な斜視図である。(b)燃料電池用セパレータのIIIb-IIIb線断面図である。(c)燃料電池用セパレータのIIIc-IIIc線断面図である。 (a)(b)本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータとユニット電極アッセンブリの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータのシール部の構造を示す断面図である。 (a)(b)本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータのシール部の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータとユニット電極アッセンブリとを積層したときの構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータにプレス変形がある場合におけるユニット電極アッセンブリと積層したときの構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータがプレス加工されている場合におけるユニット電極アッセンブリと積層したときの構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る遷移金属窒化物に含まれるM4N型結晶構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの製造方法に用いる窒化装置の側面模式図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池スタックを搭載した電気自動車の外観を示す図であり、(a)は電気自動車の側面図、(b)は電気自動車の上面図である。 (a)各実施例で得られた試料の接触抵抗の測定方法を説明する模式図である。(b)接触抵抗の測定に使用する装置を説明する模式図である。 実施例1及び比較例1により得られた試料のX線回折パターンを示す図である。 (a)実施例1により得られた試料の断面組織写真である。(b)比較例1により得られた試料の断面組織写真である。 実施例1により得られた試料の走査型オージェ電子分光分析による深さ方向の元素プロファイルを示す図である。 (a)極表面の窒素量及び酸素量と接触抵抗値との関係を示す図である。(b)極表面の酸素量に対する窒素量の比O/Nと接触抵抗値との関係を示す図である。 燃料電池スタックを形成する単セルの構成を示す断面図である。
符号の説明
1、80 燃料電池単セル
2 ユニット電極アッセンブリ(膜電極接合体:MEA)
3 燃料電池用セパレータ(アノード/カソードセパレータ)
4 エンドフランジ
5 締結ボルト
7 電解質膜
8 アノード電極(燃料極)
9 カソード電極(空気極)
10 ガスケット
12 通路
13 基層
14、72 窒化層
15、71、73 基材
20 M4N型結晶構造
21 遷移金属原子
22 窒素原子
24 集電板
25 絶縁板
26、27、28 エンドプレート
30 窒化装置
31 窒化炉
31a 内壁
31b 外壁
31c 天井部
31d、31f、31g、31h 開口
31e 底部
31i 設置口
32 ガス供給装置
33 直流電源
33a、33b プラズマ電極
34 ポンプ
35 ポテンショメータ
35a バイアス回路
35b バイアス制御回路
35c バイアス用直流電源端子
35d 接地回路
36 ハンガ
37 温度センサ
38 ガス室
39 ガス供給管路
40 ガス圧センサ
41 排出管路
43 操作盤
44 ステンレス鋼箔
50 燃料電池電気自動車
51 車体
52 エンジンコンパートメント部
53 流路
54a、54b 燃料ガスマニフォールド
55a、55b 冷却水マニフォールド
56a、56b 酸化ガスマニフォールド
57 シール部
58 樹脂フィルム
59 触媒電極
61、61a、61b 電極
62 サンプル
63、63a、63b カーボンペーパ
81 固体高分子電解質膜
82 酸素極
83 水素極
84 反応膜
85 ガス拡散層
86 酸素極側セパレータ
87 水素極側セパレータ
88 負荷
100 燃料電池スタック

Claims (16)

  1. 膜電極接合体の両面に配置される燃料電池用セパレータであって、
    当該燃料電池用セパレータの表面にはプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層が形成され、前記表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部が設置されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記シール部が成形されている部分には前記窒化層が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 当該燃料電池用セパレータは、Fe、Cr、Ni及びMoの群から選ばれる少なくとも一種以上の遷移金属元素を含む合金からなる基材によって構成され、前記窒化層は前記基材の表面をプラズマ窒化処理することによって、前記基材の表面から深さ方向に立方晶の結晶構造を有する層として形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記立方晶の結晶構造は、Fe、Cr、Ni及びMoの群から選ばれる少なくとも一種以上の遷移金属原子によって形成された面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記窒化層の厚さは、0.5〜5[μm]であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記窒化層の最表面から10[nm]深さにおいて、窒素量が15[at%]以上かつ酸素量が26[at%]以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 前記窒化層の最表面から100[nm]〜200[nm]深さにおいて、窒素量が16[at%]以上かつ酸素量が21[at%]以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 膜電極接合体の両面に配置される燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    前記燃料電池用セパレータを構成する基材の表面にプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層を形成し、前記基材の表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部を成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  9. 前記シール部が成形される部分の窒化層を除去してから前記シール部を成形することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  10. 前記シール部が成形される部分に曲げ加工を行なってから前記シール部を成形することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  11. 前記基材は、燃料又は酸化剤の通路が形成された遷移金属又は前記遷移金属の合金によって構成され、前記基材に500[℃]以下の温度でプラズマ窒化処理を施すことにより、前記窒化層の結晶構造をFe、Cr、Ni及びMoの中から選択される遷移金属原子によって形成される面心立方格子の単位胞中心の八面体空隙に窒素原子が配置されたM4N型の結晶構造にすることを特徴とする請求項9乃至請求項10のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  12. 前記プラズマ窒化処理は、窒素ガス及び水素ガスを放電させた低温非平衡プラズマ中で、前記基材にマイナスのバイアス電圧をかけることにより行うことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  13. 膜電極接合体の両面に燃料電池用セパレータを配置し、これらを複数積層させた燃料電池スタックであって、
    前記燃料電池用セパレータは、その表面にプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層が形成され、前記表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部が設置されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  14. 前記膜電極接合体に前記シール部を成形したことを特徴とする請求項13に記載の燃料電池スタック。
  15. 前記膜電極接合体に成形されたシール部に対峙する燃料電池用セパレータの面は、平面になっていることを特徴とする請求項14に記載の燃料電池スタック。
  16. 燃料電池スタックを搭載し、この燃料電池スタックによって発電された電力を動力源とする燃料電池車両であって、
    前記燃料電池スタックは、膜電極接合体とその両面に配置された燃料電池用セパレータとを複数積層して形成され、
    前記燃料電池用セパレータは、その表面にプラズマ窒化処理によって立方晶の結晶構造を有する窒化層が形成され、前記表面の流体をシールする部分にはCIPG(キュアード・インプレス・ガスケット)よりなるシール部が設置されていることを特徴とする燃料電池車両。
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