JP2006096194A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワープラントのエンジン、特にそのクランクケースの全高を小さく抑えることができ、その上部に設けられる収納ボックスの容量を増加させることができ、加えてシート高を低くすることができる。しかも、パワープラントは、クランク軸による潤滑オイルの攪拌抵抗を抑えながら潤滑オイル容量を確保することができ、その全高を小さくしてもその性能を損なうことがない。
【解決手段】 車体フレームに後部にシートSEと収納ボックスBを上下に重ねて設け、その下方の車体フレームにユニットスイング式パワープラントPPを懸架した自動二輪車で、パワープラントPPは車体フレームFの前後方向に延びており、そのエンジンEは、クランク室CCと潤滑オイル室COとが別に設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動二輪車、特に車体フレームの後部にユニットスイング式パワープラントを懸架し、その上方に収納ボックスを備えたた自動二輪車に関するものである。
従来、自動二輪車において、車体フレームの後部に、シートと収納ボックスとを上下に重ねて配設し、収納ボックス下の車体フレームに、ユニットスイング式のパワープラントを懸架し、該パワープラントのエンジンは、エンジン本体、変速機および後輪が、車体フレームの前後方向に延長されるようにしたものは、この出願前に既に提案されている(後記特許文献1参照)。
特開2003−182667号
ところで、前記特許文献1に示すもののように、ユニットスイング式パワープラントの上部に収納ボックスを設けるものにおいては、収納ボックスの容量を増加すべく、収納ボックスを上方へ延ばすと、その上のシートの地上高が高くなって、乗員の乗り降りがしにくくなるという課題があり、また、収納ボックスの容量を増加すべく、パワープラント自体を低い位置に配置すると、その最低地上高が低くなるという別の課題があり、さらに、パワープラントの全高を小さくするために、そのエンジンのクランク軸の位置を下方に下げると、該クランク軸による潤滑オイルの攪拌量が増加するため、その攪拌抵抗が大きくなってしまい、さらに、この攪拌抵抗を抑えようとすれば、潤滑オイルの容量を減少させる必要があり、いずれの場合もエンジン性能の低下を招くというさらに別の課題もある。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、パワープラントに改良を加えることにより、前記問題点を解決して、収納ボックスの容量を増加できるようにした、新規な自動二輪車を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体フレームの後部にシートと収納ボックスとを上下に重ねて設け、収納ボックス下方の車体フレームに、ユニットスイング式パワープラントを懸架してなる、自動二輪車において、
前記パワープラントは、シリンダ軸線が車体フレームの前後方向に指向して配置されるエンジンと、このエンジンの後方に変速機を介して連結される後輪とを備えて、車体フレームの前後方向に延設され、前記エンジンは、クランク室と潤滑オイル室とが別に設けられていることを第1の特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記潤滑オイル室は、クランク室の側方および下方にわたって設けられていることを第2の特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、前記請求項1、または2記載のものにおいて、前記パワープラントの車体フレームへの懸架手段は、エンジンの上部を、車体フレームに揺動可能に連結する連結リンクを備え、この連結リンクは、前記収納ボックスの下に配置されていることを第3の特徴としている。
前記第1の特徴によれば、パワープラントは、シリンダ軸線が車体フレームの前後方向に指向して配置されるエンジンと、このエンジンの後方に変速機を介して連結される後輪とを備えて、車体フレームの前後方向に延設されるので、その高さを大幅に短縮することができ、また、前記エンジンは、クランク室と潤滑オイル室とが別に設けられているので、クランクケースの小型化を図ることができると共に潤滑オイル室を設ける位置の自由度を増すことでき、これにより、エンジン、特にそのクランクケースの全高を小さく抑えることができる。よって、エンジンの上部に設けられる収納ボックスの容量を増加させることができ、加えてシート高を低くすることができる。しかも、エンジンは、クランク軸による潤滑オイルの攪拌抵抗を抑えながら潤滑オイル容量を確保することができ、その全高を小さくしてもその性能を損なうことがない。
また、前記第2の特徴によれば、前記第1の特徴に加えて、潤滑オイル室は、クランク室の側方および下方にわたって設けられているので、クランク軸を下方に下げることができながら潤滑オイルの攪拌を抑えることができ、さらに、クランク室と潤滑オイル室との間の距離を短くすることができ、それら間の油路構成を簡素化することができ、その結果、油圧ポンプの負担を軽減できるとともに潤滑オイル量の確保ができる。
また、前記第3の特徴によれば、前記第1、第2の特徴に加えて、パワープラントを車体フレームに懸架する連結リンクは、その長さを確保してクッション性能を向上させながら収納ボックスの容量を増加させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
なお、以下の説明において、自動二輪車の前輪側を「前」、その後輪側を「後」、自動二輪車の進行方向左側を「左」、その右側を「右」とする。
図1は、本発明自動二輪車の側面図、図2は、自動二輪車の後部の縦断面図、図3は、図2の3−3線に沿う断面図、図4は、図3の仮想線囲い部分の拡大図、図5は、図4の5−5線に沿う断面図、図6は、図4の6矢視図、図7は、図4の7−7線に沿う断面図、図8は、図5の8−8線に沿う断面図、図9は、図5の9−9線に沿う断面図、図10は、図5の10−10線に沿う断面図、図11は、図4の11矢視仮想線囲い部分の拡大図である。
図1,図2において、スクータ型自動二輪車は、その車体フレームFの前端のヘッドパイプ1に、前輪WFを軸支したフロントフォーク2が操向可能に支持され、このフロントフォーク2の上部に操向ハンドル3が設けられる。また、車体フレームFの後部には、懸架手段Sを介してユニットスイング式パワープラントPPが上下にスイング可能に支承される。前記ユニットスイング式パワープラントPPは、車体フレームFに対して前後方向に配置されるエンジンEと、そのエンジンEから後方に延長される変速機Mと、その変速機Mの後部に軸支される後輪WRとを備えている。
前記懸架手段Sは、連結リンク6とリヤクッション7とを備え、連結リンク6は、その上端が車体フレームFに、その下端がパワープラントPPの前方上部のハンガ部にそれぞれ前後方向に揺動可能に軸支されており、また、前記リヤクッション7は、その上端が車体フレームFに、その下端がパワープラントPPの後部にそれぞれ連結される。したがって、ユニットスイング式パワープラントPPは、連結リンク6およびリヤクッション7とよりなる懸架手段Sを介して車体フレームFに上下方向にスイング可能に懸架される、
パワープラントPPのエンジンEは、四サイクル、単気筒、四バルブ、水冷、燃料噴射式エンジンであって、そのシリンダ軸線L−Lは、車体フレームFの前後方向に、ほぼ水平(若干前上がりに傾斜)に延長されている。また、パワープラントPPの変速機Mは、エンジンEの出力を、伝動Vベルトとコーンプーリによって無段階に変速して後輪WRに伝達する、従来公知のVベルト式無段変速機により構成される。
図2に示すように、車体フレームF後部のシートレール5上には、タンデムシートSEが搭載されている。このタンデムシートSEは、前部シート10と後部シート12とを前後に縦列配置して構成されており、前部シート10は、その後部にバックレスト11が設けられ、また、後部シート12はその後部にバックレスト13が設けられる。また、前部シート10は、その前端が車体フレームFに上下方向の開閉可能にヒンジ連結14されていて、その下に設けられる収納ボックスBの出入口16を開閉可能である。タンデムシートSEの直下において、車体フレームFには、このタンデムシートSEと略同じ前後長さを有する収納ボックスBが一体に支持されており、この収納ボックスBの下に前記ユニットスイング式パワープラントPPが配置される。収納ボックスBは、前後方向に長く形成されていて、図2に示すように、2つのフルフェイス型のヘルメットHを縦列して収納可能である。
つぎに、前記ユニットスイング式パワープラントPPの構成について、主に図3〜11を参照して詳細に説明すると、このパワープラントPPは、車体フレームFの前後方向に長く形成されていて、その駆動部を構成するエンジンEのエンジンブロック20は、図3〜6に示すように、単一のシリンダボア21を有するシリンダブロック22と、その前面(デッキ面)に接合されるシリンダヘッド23とを備えて、車体フレームFの前後方向に略水平に延長されている。また、エンジンブロック20の後面(シリンダヘッド23と反対側の面)には、クランク軸25が回転自在に支承されるクランクケース24が結合され、シリンダブロック20、シリンダヘッド23およびクランクケース24の三者は、複数の通しボルト36(図4参照)により一体に結合される。
シリンダブロック22のシリンダボア21に摺動自在に嵌合されるピストン26と、クランク軸25のクランクピン部25pはコンロッド27を介して連接される。シリンダヘッド23の燃焼室に開口した各一対の吸気ポート28および排気ポート29には、一対の吸気バルブ30と一対の排気バルブ31がそれぞれ開閉可能に設けられ、これらのバルブ30,31には、シリンダヘッド23に設けた従来公知の動弁機構33により、通常のように所定のタイミングをもって開閉作動される。シリンダヘッド23の燃焼室には点火栓44が設けられる。シリンダヘッド23の外面には、動弁機構33を覆うヘッドカバー35が固着される。動弁機構33の動弁カム軸32は、調時伝動機構34を介してクランク軸25に連動されており、1/2の減速比をもって回転駆動される。
図2,5に示すように、シリンダヘッド23の上部に形成される吸気ポート28には、吸気系Inが接続され、この吸気系Inは、その下流部に、燃料噴射バルブ40およびスロットルボデー41を備えてエンジンEの上方を後方へと延長されており、その上流端にエアクリーナ42が接続される。また、図2,6に示すように、シリンダヘッド23の下部に形成される排気ポート29には、排気系Exが接続され、この排気系ExはエンジンEの下方を後方へと延長されており、その下流端に排気マフラー43(図1参照)が接続される。
図3,4,11に示すように、クランクケース24は、車体フレームFの左側の左ケース半体24Lと、車体フレームFの右側の右ケース半体24Rとによって車幅方向に分割形成されており、それらの左、右ケース半体24L,24Rは複数の連結ボルト37により一体に結合されている。クランクケース24の左右ケース半体24L,24Rは、互いに平行な左右側壁を有し、これらの左右側壁に、左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbが一体に形成され、これらの左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbに、車体フレームFを横切って略水平に配置されるクランク軸25がプレーン軸受50,50を介して回転自在に支承されている。
図3,4,8,9に示すように、クランクケース24により画成される密封状のクランク室CCは、オイルパンを備えておらず、比較的容積が小さく形成されていて、その内部に収容されるクランク軸25のクランクピン部25pおよびクランクウエブ部25w,25wとの間に形成される間隙を可及的に小さくしてある。
図5,10に示すように、クランク室CC内の上部一側には、バランサ60が回転自在に支承されており、このバランサ60は、それと一体の被動ギヤ61と、クランク軸25に固定の駆動ギヤ62を介して1:1の回転比をもってクランク軸25と逆方向に駆動され、単気筒エンジンEの振動を打ち消すようにされる。
図3に示すように、クランクケース24の左ケース半体24LF外側には、伝動ケース本体64が一体的に形成され、さらに、この伝動ケース本体64の開口外側面に伝動ケースカバー65が固定されており、伝動ケース本体64と、伝動ケースカバー65とで伝動ケース66が形成される。この伝動ケース66により伝動室CTが画成される。伝動ケース66は車体フレームFの後方へと延長されていて、伝動室CT内に前記Vベルト式無段変速機Mが収容されており、この無段変速機Mの入力側には、左側のジャーナル軸受部24Lbをオイルシール51を経て伝動ケース66内に延出したクランク軸25の左側の軸端部25lが連結されている。無段変速機Mは、伝動室CT内を後方に延長されており、その出力側に、伝動ケース66に回転自在に支承されるカウンタ軸68が連結されている。このカウンタ軸68は、伝動ケース66の後部に設けた減速ギヤ群69経て、伝動ケース66の後部に回転自在に軸架した後車軸70に連動され、この後車軸70の外端に後輪WRが一体に支持される。
なお、前記Vベルト式無段変速機Mは従来公知(詳細な説明省略)のものであり、クランク軸25の回転を無段に変速して後輪WRに伝達できるようにされる。
図9に示すように、クランクケース24の右ケース半体24Rには、クランク軸方向に延びる延長壁部71が一体に形成され、この延長壁部71の外側面にクランクケースカバー72が複数のボルト73により固定されている。そして、この右ケース半体24Rとクランクケースカバー72とによって、クランク室CCに隣接して、該クランク室CCの下部および側方にわたって配置される密封状潤滑オイル室COが形成され、この潤滑オイル室COの上方には、フライホイールマグネトー75が収容され、このフライホイールマグネトー75は、右ケース半体24Rのジャーナル軸受部24Rbを貫通して潤滑オイル室CO内に延長されるクランク軸25の右側の軸端部25rが連結され、クランク軸25により駆動される。
潤滑オイル室COは、クランクケース24の側方からその下方へと及んでおり、この潤滑オイル室CO内において、クランク軸25には、2つの駆動スプロケット76,77およびスタータギヤ78が固定され、一方の駆動スプロケット76には、エンジンブロック20内に設けた前記調時伝動機構34が連結され、また、他方の駆動スプロケット77には、後述のオイルポンプ(フィードポンプ)80およびウォータポンプ120が連結され、さらに、スタータギヤ78には、スタータモータ110が連結される。
前記エンジンEには、ドライサンプ式の潤滑手段が備えられる。
このドライサンプ式の潤滑手段は、オイルポンプ(フィードポンプ)80と、エンジンEの運転により密封状クランク室CC内に発生する圧力変動により開閉されるリードバル
ブ102を備え、オイルポンプ80により潤滑オイル室CO内の潤滑オイルを吸い上げてクランク軸25の各被潤滑部に給油し、クランク室CCに溜まった潤滑オイルをリードバルブ102の開弁により潤滑オイル室COに戻すようにされており、以下に、図5〜9を参照してその具体的構造を説明する。
前記密封状潤滑オイル室CO内の下部には潤滑オイルが貯溜される。この潤滑オイル室CO内において、クランクケース24の右ケース半体24Rの下部には、オイルポンプ80(図8参照)が設けられる。このオイルポンプ80のポンプ軸81に固定された被動スプロケット82は、無端伝動チエーン83を介してクランク軸25と一体の前記駆動スプロケット76に連動されていて、クランク軸25により駆動される。オイルポンプ80の吸込側は、潤滑オイル室COの潤滑オイルに浸漬されるオイルストレーナ84に連通されており、オイルポンプ80からの潤滑オイルは、油回路Ciを介してクランク軸25の被潤滑部などに給油されるようにされており、すなわちオイルポンプの吐出側に連なる吐出油路85は、クランクケース24の下部一側に設けたオイルフィルタ86(図7参照)の入口に連通され、該オイルフィルタ86の出口は、クランクケース24に形成したメインギャラリ87に連通されている。
図9に示すように、メインギャラリ87は、クランクケースカバー72およびクランクケース24に形成した第1、第2および第3の分岐油路91,92および93に連通されている。オイルフィルタ86からの清浄潤滑オイルは、第1の分岐油路91から、クランク軸25の一方の端部に臨むオイル溜94およびクランク軸25に形成したクランク油路95を経てクランクピン部25pに、また、第2、第3の分岐油路92,93から、クランク軸25のジャーナル軸部25j,25jにそれぞれ給油される。
クランクケース24と、クランク軸25との間には、密封状クランク室CC内への潤滑オイルの侵入を阻止するための潤滑オイルの侵入阻止手段STが特設されている。
以下に、この潤滑オイルの侵入阻止手段STの構造を、主に図4,11を参照して説明するに、クランクケース24の左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbには、クランク軸25のジャーナル軸部25j,25jがプレーン軸受50,50を介して回転自在に支承され、左ジャーナル軸受部24Lbのクランク室CCと反対側(伝動室CT側)には、プレーン軸受50に隣接してオイルシール51が設けられ、このオイルシール51は、クランク軸25と左ジャーナル軸受部24Lb間をシールする。
左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbのクランク室CC側のコーナ部分には、プレーン軸受50に隣接してクランク軸25のジャーナル軸部25jに向かって径方向に突出する環状の第1の凸部53およびそのクランクウエブ部25wに向かって軸方向に突出する環状の第2の凸部54がそれぞれ一体に形成され、これら第1、第2の凸部53,54の内周面は、クランク軸25のジャーナル軸部25jの外周面およびクランクウエブ部25wの外面にそれぞれ当接され、さらに、第1、第2の凸部53,54と、ジャーナル軸部25jのコーナ部との間には、環状の空隙55が形成される。そして、第1、第2の凸部53,54のクランク軸25への当接によりクランク室CCへの潤滑オイルの侵入が阻止される。
なお、前記空隙55は、第1、第2の凸部53,54と協働してラビリンスパッキン作用をなし、前記クランク室CCへの潤滑オイル侵入防止効果を助長することができる。また、前記第2の凸部54は、クランクウエブ部25wの外面に当接することにより、クランク軸25のスラスト受けにも兼用させることができる。
また、図11に示すように、クランクケース24の左右のジャーナル軸受部24Lb,24Rbには、左、右連通油路96,97がそれぞれ形成されている。左連通油路96の内端は、前記空隙55を通してクランク室CC内に開口され、その外端は左ケース半体24Lに形成した戻し油路98を経て潤滑オイル室COに連通され、また、右連通油路96の内端は空隙55を通してクランク室CC内に開口され、その外端は直接潤滑オイル室COに連通されている。そして、クランク軸25と左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rb間を潤滑した潤滑オイルは、速やかにこれらの左右連通油路96、97を経て潤滑オイル室COに戻されるようにされる。
前記戻し油路98は、前記オイルシール51の外周部に連通されており、オイルシール51によりシールされたオイルは、この戻し油路98を経て潤滑オイル室COに戻されるようになっている。油回路Ciには、油圧レギュレータ88(図8参照)が接続され、油回路Ci内の油圧が所定圧を越えると、油回路Ciは、油圧レギュレータ88を介して潤滑オイル室COに短絡される。
図9に示すように、密封状クランク室の下部には、容積の小さいオイル溜100が形成されており、クランク軸25の各被潤滑部を潤滑した潤滑オイルは、このオイル溜100に貯溜される。クランクケース24の底壁には、オイル溜100内の潤滑オイルを、前記潤滑オイル室COに還流させるための戻り油路101が形成され、この戻り油路101には、クランク室CC内の圧力変動により開閉されるリードバルブ102が設けられる。戻り油路101は潤滑オイル室COに向けて傾斜しており、その出口は潤滑オイル室COに開口されている。したがって、エンジンEの運転により、密封状クランク室CCに圧力変動が生じると、リードバルブ102は間欠的に開弁されて、オイル溜100内の潤滑オイルを戻り油路101を通して潤滑オイル室COに戻すことができる。
図7,10に示すように、右ケース半体24Rとクランクケースカバー72内の上部一側には、ブリーザ室105が形成されている。このブリーザ室105は、その下部の連通口106を通して循環オイル室COに連通され、また、その上部がブリーザパイプ107を通して大気に開口されており、潤滑オイル室CO内は、このブリーザ室105を通して呼吸作用がなされる。また、ブリーザ室105内は、千鳥状に配置した複数枚の邪魔板108により迷路になっており、エア中に混入するオイルミストが分離されて潤滑オイル室COに戻される。
図5,8に示すように、クランクケース24の上方には、前記バランサ60と並列してスタータモータ110が橋架支持され、該スタータモータ110のモータ軸111は、クランクケース24に支持されるアイドラー112を介して前記スタータギヤ78に連動されている。
エンジンEには通常のように、水冷手段が設けられる。
図6,8に示すように、クランクケースカバー72の一側にはウォータポンプ120が設けられる、このウォータポンプ120は前記オイルポンプ80と同軸上にあって、オイルポンプ80と共にクランク軸25により駆動される。ウォータポンプ120に連なる冷却回路Ccoは、サーモスタット121を介してエンジンブロック20内のウォータジャケット122を経てラジエータRに接続される主冷却回路123と、サーモスタット121を介してエンジンブロック20内のウォータジャケット122に短絡されるバイパス回路124とを備え、エンジンEの暖機時には、サーモスタット121の開により冷却水は主冷却回路123を流れ、また、エンジンEの冷機時には、サーモスタット121の閉により冷却水は、バイパス回路124を流れる。
なお、この冷却手段は従来公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。
しかして、この実施例によれば前述したように、パワープラントPPは、エンジンEのシリンダ軸線L−Lが車体フレームSの前後方向に指向して配置されるエンジンEと、このエンジンEの後方に変速機Mを介して連結される後輪WRとを備えて、車体フレームFの前後方向に長く延長されているので、その高さを大幅に短縮することができ、また、エンジンEは、クランク室CCと潤滑オイル室COとが別に設けられているので、クランクケース24の小型化を図ることができると共に潤滑オイル室COの設置自由度を増すことができ、これにより、エンジンE、特にそのクランクケース24の全高を小さく抑えることができ、その上部に設けられる収納ボックスBの容量を大幅に増加させることができ、加えてシート高を低くすることができる。しかも、エンジンEは、クランク軸25による潤滑オイルの攪拌抵抗を抑えながら潤滑オイル容量を確保することができ、その全高を小さくしてもその性能を損なうことがない。
また、潤滑オイル室COは、クランク室CCの側方および下方にわたって設けられているので、その容量を充分に確保し、クランク軸25を下方に下げることができながら潤滑オイルの攪拌を抑えることができ、さらに、クランク室CCと潤滑オイル室COとの間の距離を短くすることが可能となり、これにより、それら両室間の油圧構成を簡素化することができ、その結果、油圧ポンプ80の負担を軽減できるとともに潤滑オイル量の確保ができる。
さらにパワープラントPPを車体フレームFに懸架する連結リンク6は、その長さを確保してクッション性能を向上させながら収納ボックスBの容量を増加させることができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば、クランクケースの上部には、収納ボックスだけでなく、燃料タンクを配置してもよく、これによって燃料タンクの容量確保が可能になる。
自動二輪車の側面図 自動二輪車の後部の縦断面図 図2の3−3線に沿う断面図 図3の仮想線囲い部分の拡大図 図4の5−5線に沿う断面図 図4の6矢視図 図4の7−7線に沿う断面図 図5の8−8線に沿う断面図 図5の9−9線に沿う断面図 図5の10−10線に沿う断面図 図4の11矢視仮想線囲い部分の拡大図
符号の説明
B・・・・・収納ボックス
CC・・・・・クランク室
CO・・・・・潤滑オイル室
E・・・・・エンジン
F・・・・・車体フレーム
L−L・・・・シリンダ軸線
M・・・・・変速機
PP・・・・・パワープラント
S・・・・・・懸架手段
SE・・・・・シート
WR・・・・・後輪
6・・・・・連結リンク

Claims (3)

  1. 車体フレーム(F)の後部にシート(SE)と収納ボックス(B)とを上下に重ねて設け、収納ボックス(B)下方の車体フレーム(F)に、ユニットスイング式パワープラント(PP)を懸架してなる、自動二輪車において、
    前記パワープラント(PP)は、シリンダ軸線(L−L)が車体フレーム(F)の前後方向に指向して配置されるエンジン(E)と、このエンジン(E)の後方に変速機(M)を介して連結される後輪(WR)とを備えて、車体フレーム(F)の前後方向に延設され、前記エンジン(E)は、クランク室(CC)と潤滑オイル室(CO)とが別に設けられていることを特徴とする、自動二輪車。
  2. 前記潤滑オイル室(CO)は、クランク室(CC)の側方および下方にわたって設けられていることを特徴とする、前記請求項1記載の自動二輪車。
  3. 前記パワープラント(PP)の車体フレーム(F)への懸架手段(S)は、エンジン(E)の上部を、車体フレーム(F)に揺動可能に連結する連結リンク(6)を備え、この連結リンク(6)は、前記収納ボックス(B)の下に配置されていることを特徴とする、前記請求項1、または2記載の自動二輪車。
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