JP4530782B2 - エンジンの潤滑油路構造 - Google Patents

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本発明は、エンジンの潤滑油路構造、特に密封状クランク室を備えたエンジンの潤滑油路構造に関するものである。
従来、自動二輪車において、密封状クランク室を備えたドライサンプ式の潤滑手段を備えたエンジンを搭載したものは既に良く知られている(特許文献1、2参照)。
特開平7−63034号公報 特開2003−278517号公報
ところで、かかるエンジンにおいて、エンジン、延いてはクランクケースの一層の小型化、そのコストダウンを図るべく、クランクケースのジャーナル軸受部に、メタル軸受などのプレーン軸受を介してクランク軸を回転自在に支承するようにしたものでは、その支承部に潤滑オイルを強制給油するようにされている。
しかしながら、このようなものでは、潤滑オイルが、ジャーナル軸受部とクランク軸との間を通過して密封状クランク室内に侵入して、該室内の貯溜オイル量が増し、クランク軸の回転による攪拌抵抗が大きくなるという課題がある。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、密封状クランク室への潤滑オイルの侵入を極力抑えて、前記課題を解決できるようにした、新規なエンジンの潤滑油路構造を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、密封状のクランク室を有するクランクケースに形成される一対のジャーナル軸受部と、それらのジャーナル軸受部にプレーン軸受を介して回転自在に支承されるクランク軸との間を潤滑する、エンジンの潤滑油路構造において、
前記一対のジャーナル軸受部には、クランクケースの外側からクランク室内への潤滑オイルの侵入を阻止する、潤滑オイル侵入阻止手段を設け、
前記一対のジャーナル軸受部の少なくとも一方には、プレーン軸受を挟んでクランク室と反対側において一方のジャーナル軸受部とクランク軸間をシールするオイルシールと、該オイルシールにてシールされた潤滑オイルを潤滑オイル室に戻すための戻し油路とが設けられ、
前記潤滑オイル侵入阻止手段は、前記ジャーナル軸受部に設けられてクランク室の内外を連通する連通油路を備え、前記連通油路の一方は、前記戻し油路に連通されており、該連通油路はジャーナル軸受部とクランク軸間を潤滑後の潤滑オイルを即座にクランク室外に戻すようにされていることを第1の特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記潤滑オイル侵入阻止手段は、前記ジャーナル軸受部からクランク軸に向けて延びる凸部よりなり、該凸部の端面は、クランク軸の外面に近接されて、クランク軸とジャーナル軸受部との間のオイル漏洩間隙を遮断するようにし、さらにジャーナル軸受部の少なくとも一方の、クランク室と反対側には、前記オイルシールが設けられていることを第2の特徴としている。
前記第1の特徴によれば、密封状クランク室内への潤滑オイルの侵入を可及的に減少させることができるので、クランク軸による潤滑オイルの攪拌を極力抑えることができ、エンジン性能の向上に寄与することができ、また、ジャーナル軸受部に設けられる連通油路は、クランクケース内への潤滑オイルの侵入防止作用を助勢することができ、加工が容易である。
また、前記第2の特徴によれば、前記第1の特徴に加えて、潤滑オイル侵入阻止手段は、ジャーナル軸受部からクランク軸に向けて延びる凸部よりなるので、その構造が簡単で、加工が容易である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
この実施例は、自動二輪車用エンジンに、本発明潤滑油路構造を実施した場合であり、以下の説明において、自動二輪車の前輪側を「前」、その後輪側を「後」、自動二輪車の進行方向左側を「左」、その右側を「右」とする。
図1は、本発明エンジンの潤滑油路構造を備えた自動二輪車の側面図、図2は、その自動二輪車の後部の縦断面図、図3は、図2の3−3線に沿う断面図、図4は、図3の仮想線囲い部分の拡大図、図5は、図4の5−5線に沿う断面図、図6は、図4の6矢視図、図7は、図4の7−7線に沿う断面図、図8は、図5の8−8線に沿う断面図、図9は、図5の9−9線に沿う断面図、図10は、図5の10−10線に沿う断面図、図11は、図4の11矢視仮想線囲い部分の拡大図である。
図1,図2において、スクータ型自動二輪車は、その車体フレームFの前端のヘッドパイプ1に、前輪WFをが軸支したフロントフォーク2が操向可能に支持され、このフロントフォーク2の上部に操向ハンドル3が設けられる。また、車体フレームFの後部には、後述する懸架手段Sを介してユニットスイング式パワープラントPPが上下にスイング可能に支承される。前記ユニットスイング式パワープラントPPは、車体フレームFに対して前後方向に配置されるエンジンEと、そのエンジンEから後方に延長される変速機Mと、その変速機Mの後部に軸支される後輪WRとを備えている。
前記懸架手段Sは、連結リンク6とリヤクッション7とを備え、連結リンク6は、その上端が車体フレームFに、その下端がパワープラントPPの前方上部のハンガ部にそれぞれ前後方向に揺動可能に軸支されており、また、前記リヤクッション7は、その上端が車体フレームFに、その下端がパワープラントPPの後部にそれぞれ連結される。したがって、ユニットスイング式パワープラントPPは、連結リンク6およびリヤクッション7とよりなる懸架手段Sを介して車体フレームFに上下方向にスイング可能に懸架される、
パワープラントPPのエンジンEは、四サイクル、単気筒、四バルブ、水冷、燃料噴射式エンジンEであって、そのシリンダ軸線L−Lは、車体フレームFの前後方向に、ほぼ水平に延長されている。また、パワープラントPPの変速機Mは、エンジンEの出力を、伝動Vベルトとコーンプーリによって無段階に変速して後輪WRに伝達する、従来公知のVベルト式無段変速機により構成される。
図2に示すように、車体フレームF後部のシートレール5上には、タンデムシートSEが搭載されている。このタンデムシートSEは、前部シート10と後部シート12とを前後に縦列配置して構成されており、前部シート10は、その後部にバックレスト11が設けられ、また、後部シート12はその後部にバックレスト13が設けられる。また、前部シート10は、その前端が車体フレームFに上下方向の開閉可能にヒンジ連結されていて、その下に設けられる収納ボックスBの出入口を開閉可能である。タンデムシートSEの直下において、車体フレームFには、このタンデムシートSEと略同じ前後長さを有する収納ボックスBが一体に支持されており、この収納ボックスBの下に前記ユニットスイング式パワープラントPPが配置される。収納ボックスBの前部上面には、出入口16が開口されており、この出入口16は、前部シート10により開閉される。収納ボックスBは、前後方向に長く形成されていて、図2に示すように、フルフェイス型のヘルメットHを縦列して収納可能である。
つぎに、前記ユニットスイング式パワープラントPPの構成について、主に図3〜11を参照して詳細に説明すると、このパワープラントPPは、車体フレームFの前後方向に長く形成されていて、その駆動部を構成するエンジンEのエンジンブロック20は、図3〜6に示すように、単一のシリンダボア21を有するシリンダブロック22と、その前面(デッキ面)に接合されるシリンダヘッド23とを備えて、車体フレームFの前後方向に略水平に延長されている。また、エンジンブロック20の後面(シリンダヘッド23と反対側の面)には、クランク軸25が回転自在に支承されるクランクケース24が接合され、シリンダブロック20、シリンダヘッド23およびクランクケース24の三者は、複数の通しボルト36(図4参照)により一体に結合される。
シリンダブロック22のシリンダボア21に摺動自在に嵌合されるピストン26と、クランク軸25のクランクピン部25pはコンロッド27を介して連接される。シリンダヘッド23の燃焼室に開口した各一対の吸気ポート28および排気ポート29には一対の吸気バルブ30と一対の排気バルブ31がそれぞれ開閉可能に設けられ、これらのバルブ30,31には、シリンダヘッド23に設けた従来公知の動弁機構33により、通常のように所定のタイミングをもって開閉作動される。シリンダヘッド23の燃焼室には点火栓44が設けられる。シリンダヘッド23の外面には、動弁機構33を覆うヘッドカバー35が固着される。動弁機構33の動弁カム軸32は、調時伝動機構34を介してクランク軸25に連動されており、1/2の減速比をもって回転駆動される。
図2,5に示すように、シリンダヘッド23の上部に形成される吸気ポート28には、吸気系Inが接続され、この吸気系Inは、その下流部に、燃料噴射バルブ40およびスロットルボデー41を備えてエンジンEの上方を後方へと延長されており、その上流端にエアクリーナ42が接続される。また、図2,6に示すように、シリンダヘッド23の下部に形成される排気ポート29には、排気系Exが接続され、この排気系ExはエンジンEの下方を後方へと延長されており、その下流端に排気マフラー43(図1参照)が接続される。
図3,4,11に示すように、クランクケース24は、車体フレームFの左側の左ケース半体と、車体フレームFの右側の右ケース半体24L,24Rとによって車幅方向に分割形成されており、それらの左、右ケース半体24L,24Rは複数の連結ボルト37により一体に結合されている。クランクケース24の左右ケース半体24L,24Rは、互いに平行な左右側壁を有し、これらの左右側壁に、左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbが一体に形成され、これらの左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbに、車体フレームFを横切って略水平に配置されるクランク軸25がプレーン軸受50,50を介して回転自在に支承されている。
図3、4、8,9に示すように、クランクケース24により画成される密封状のクランク室CCは、オイルパンを備えておらず、比較的容積が小さく形成されていて、その内部に収容されるクランク軸25のクランクピン部25pおよびクランクウエブ部25w,25wとの間に形成される間隙を可及的に小さくしてある。
図5,10に示すように、クランク室CC内の上部一側には、バランサ60が回転自在に支承されており、このバランサ60は、それと一体の被動ギヤ61と、クランク軸25に固定の駆動ギヤ62を介して1:1の回転比をもってクランク軸25と逆方向に駆動され、単気筒エンジンEの振動を打ち消すようにされる。
図3に示すように、クランクケース24の左ケース半体24Lの外側には、伝動ケース本体64が一体的に形成され、さらに、この伝動ケース本体64の開口外側面に伝動ケースカバー65が固定されており、伝動ケース本体64と、伝動ケースカバー65とで伝動ケース66が形成される。この伝動ケース66により伝動室CTが画成される。伝動ケース66は車体フレームFの後方へと延長されていて、伝動室CT内に前記Vベルト式無段変速機Mが収容されており、この無段変速機Mの入力側には、左側のジャーナル軸受部24Lbをオイルシール51を経て伝動ケース66内に延出したクランク軸25の左側の軸端部25lが連結されている。無段変速機Mは、伝動室CT内を後方に延長されており、その出力側に、伝動ケース66に回転自在に支承されるカウンタ軸68が連結されている。このカウンタ軸68は、伝動ケース66の後部に設けた減速ギヤ群69経て、伝動ケース66の後部に回転自在に軸架した後車軸70に連動され、この後車軸70の外端に後輪WRが一体に支持される。
なお前記Vベルト式無段変速機Mは従来公知のものであり、クランク軸25の回転を無段に変速して後輪WRに伝達できるようにされる。
図9に示すように、クランクケース24の右ケース半体24Rには、クランク軸25方向に延びる延長壁部71が一体に形成され、この延長壁部71の外側面にクランクケースカバー72が複数のボルト73(図9参照)により固定されている。そして、この右ケース半体24Rとクランクケースカバー72とによって、クランク室CCに隣接する密封状潤滑オイル室COが形成され、この潤滑オイル室COの上方には、フライホイールマグネトー75が収容され、このフライホイールマグネトー75は、右ケース半体24Rのジャーナル軸受部24Rbを貫通して潤滑オイル室CO内に延長されるクランク軸25の右側の軸端部25rが連結され、クランク軸25により駆動される。
潤滑オイル室COは、クランクケース24の側方からその下方へと及んでおり、この潤滑オイル室CO内において、クランク軸25には、2つの駆動スプロケット76,77およびスタータギヤ78が固定され、一方の駆動スプロケット76には、エンジンブロック20内に設けた前記調時伝動機構34が連結され、また、他方の駆動スプロケット77には、後述のオイルポンプ(フィードポンプ)80および水ポンプが連結され、さらに、スタータギヤ78には、スタータを駆動するスタータモータに連結されている。
前記エンジンEには、ドライサンプ式の潤滑手段が備えられる。以下に、この潤滑手段の構成について説明する。
このドライサンプ式の潤滑手段は、オイルポンプ(フィードポンプ)80と、エンジンEの運転により密封状クランク室CC内に発生する圧力変動により開閉されるリードバルブ102を備え、オイルポンプ80により潤滑オイル室CO内の潤滑オイルを吸い上げてクランク軸25の各被潤滑部に給油し、クランク室CCに溜まった潤滑オイルをリードバルブ102の開弁により潤滑オイル室COに戻すようにされており、以下、図5〜9を参照してその具体的構造を説明する。
前記密封状潤滑オイル室CO内の下部には潤滑オイルが貯溜される。この潤滑オイル室CO内において、クランクケース24の右ケース半体24Rの下部には、オイルポンプ80(図8参照)が設けられる。このオイルポンプ80のポンプ軸81に固定された被動スプロケット82は、無端伝動チエーン83を介してクランク軸25と一体の前記駆動スプロケット76に連動されていて、クランク軸25により駆動される。オイルポンプ80の吸込側は、潤滑オイル室COの潤滑オイルに浸漬されるオイルストレーナ84に連通されている。オイルポンプ80からの潤滑オイルは、油回路Ciを介してクランク軸25の被潤滑部などに給油されるようにされており、すなわち、オイルポンプの吐出側に連なる吐出油路85は、クランクケース24の下部一側に設けたオイルフィルタ86(図7参照)の入口に連通され、該オイルフィルタ86の出口は、クランクケース24の底壁に形成したメインギャラリ87に連通されている。
図9に示すように、メインギャラリ87は、クランクケースカバー72およびクランクケース24に形成した第1、第2および第3の分岐油路91,92および93に分岐されている。オイルフィルタ86からの潤滑オイルは、第1の分岐油路91から、クランク軸25の一方の端部に臨むオイル溜94およびクランク軸25に形成したクランク油路95を経てクランクピン部25pに、また、第2、第3の分岐油路92,93から、クランク軸25のジャーナル軸部25j,25jにそれぞれ給油される。
クランクケース24と、クランク軸25との間には、密封状クランク室CC内への潤滑オイルの侵入を阻止するための潤滑オイルの侵入阻止手段STが特設されている。
以下に、この潤滑オイルの侵入阻止手段STの構造を、主に図4,11を参照して説明するに、クランクケース24の左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbには、クランク軸25のジャーナル軸部25j,25jがプレーン軸受50,50を介して回転自在に支承され、左ジャーナル軸受部24Lbのクランク室CCと反対側(伝動室CT側)には、プレーン軸受50に隣接してオイルシール51が設けられ、このオイルシール51は、左ジャーナル軸受部24Lbとクランク軸25間をシールする。
左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbのクランク室CC側のコーナ部分には、プレーン軸受50に隣接してクランク軸25のジャーナル軸部25jに向かって径方向に突出する環状の第1の凸部53およびそのクランクウエブ部25wに向かって軸方向に突出する環状の第2の凸部54がそれぞれ一体に形成され、これら第1、第2の凸部53,54の内周面は、クランク軸25のジャーナル軸部25jの外周面およびクランクウエブ部25wの外面にそれぞれ近接され、さらに、第1、第2の凸部53,54と、ジャーナル軸部25jのコーナ部との間には、環状の空隙55が形成される。そして、第1、第2の凸部53,54のクランク軸25への前記近接によりクランク室CCへの潤滑オイルの侵入が阻止される。
なお、前記空隙55は、第1、第2の凸部53,54と協働してラビリンスパッキン作用をなし、前記クランク室CCへの潤滑オイル侵入防止効果を助長することができる。また、前記第2の凸部54は、クランクウエブ部25wの外面に近接することにより、クランク軸25のスラスト受けにも兼用させることができる。また、第1、第2の凸部53,54は、それらのいずれか一方だけでもクランク室CCへの潤滑オイルの侵入を阻止することが可能である。
また、図11に示すように、クランクケース24の左右のジャーナル軸受部24Lb,24Rbには、左、右連通油路96,97がそれぞれ形成されている。左連通油路96の内端は、前記空隙55を通してクランク室CC内に開口され、その外端は左ケース半体24に形成した戻し油路98を経て潤滑オイル室COに連通され、また、右連通油路96の内端は空隙55を通してクランク室CC内に開口され、その外端は直接潤滑オイル室COに連通されている。そして、クランク軸25と左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rb間をを潤滑した潤滑オイルは、速やかにこれらの左右連通油路96、97を経て潤滑オイル室COに戻されるようにされる。
前記戻し油路98は、前記オイルシール51の外周部に連通されており、オイルシール51によりシールされたオイルは、この戻し油路98を経て潤滑オイル室COに戻されるようになっている。油回路Ciには、油圧レギュレータ88(図8参照)が接続され、油回路Ci内の油圧が所定圧を越えると、油回路Ciは、油圧レギュレータ88を介して潤滑オイル室COに短絡される。
図9に示すように、密封状クランク室の下部には、容積の小さいオイル溜100が形成されており、クランク軸25の各被潤滑部を潤滑した潤滑オイルは、このオイル溜100に貯溜される。クランクケース24の底壁には、オイル溜100内の潤滑オイルを、前記潤滑オイル室COに還流させるための連通油路101が形成され、この連通油路101の入口には、クランク室CC内の圧力変動により開閉されるリードバルブ102が設けられる。連通油路101は潤滑オイル室COに向けて傾斜しており、その出口は潤滑オイル室COに開口されている。したがって、エンジンEの運転により、密封状クランク室CCに圧力変動が生じると、リードバルブは間欠的に開弁されて、オイル溜100内の潤滑オイルを連通油路101を通して潤滑オイル室COに還流させることができる。
図7,10に示すように、右ケース半体24Rとクランクケースカバー72内の上部一側には、ブリーザ室105が形成されている。このブリーザ室105は、その下部の連通口106を通して循環オイル室COに連通され、また、その上部がブリーザパイプ107を通して大気に開口されており、潤滑オイル室CO内は、このブリーザ室105を通して呼吸作用がなされる。また、ブリーザ室105内は、千鳥状に配置した複数枚の邪魔板108により迷路になっており、エア中に混入するオイルミストが分離されて潤滑オイル室COに戻される。
図5,8に示すように、クランクケース24の上方には、前記バランサ60と並列してスタータモータ110が橋架支持され、該スタータモータ110のモータ軸111は、クランクケース24に支持されるアイドラー112を介して前記スタータギヤ78に連動されている。
エンジンEには通常のように、水冷手段が設けられる。
図6,8に示すように、クランクケースカバー72の一側にはウォータポンプ120が設けられる、このウォータポンプ120は前記オイルポンプ80と同軸上にあって、オイルポンプ80と共にクランク軸25により駆動される。ウォータポンプ120に連なる冷却回路Ccoは、サーモスタット121を介してエンジンブロック20内のウォータジャケット122を経てラジエータRに接続される主冷却回路123と、サーモスタット121を介してエンジンブロック20内のウォータジャケット122に短絡されるバイパス回路124とを備え、エンジンEの暖機時には、サーモスタット121の開により冷却水は主冷却回路123を流れ、また、エンジンEの冷機時には、サーモスタット121の閉により冷却水は、バイパス回路124を流れる。
なお、この水冷手段は、従来公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。
しかして、この実施例によれば、前述したように、左右ジャーナル軸受部24Lb,24Rbには、それぞれクランクケース24の外側からクランク室CC内への潤滑オイルの侵入を阻止する、潤滑オイル侵入阻止手段STを設けたことにより、クランク室CC内への潤滑オイルの侵入を可及的に減少させることができ、クランク軸25による潤滑オイルの攪拌を極力抑えることができ、エンジン性能の向上に寄与することができる。
また、潤滑オイル侵入阻止手段STは、ジャーナル軸受部24Lb,24Rbからクランク軸25に向けて延びる第1、第2の凸部53,54、またはそれらのいずれか一方よりなるので、その構造が簡単で、加工が容易であり安価に提供できる。
さらに、ジャーナル軸受部24Lb,24Rbに設けられる左右連通油路96,97は、クランクケースCC内への潤滑オイルの侵入防止作用を助勢することができ、また、それらの連通油路96,97は加工が容易であり、安価に提供できる。
さらにまた、オイルシール51にてシールされた潤滑オイルを潤滑オイル室COに戻すための戻し油路98を、連通油路96から潤滑オイル室COへ戻す油路に兼用できるので、油路構成の簡素化を図ることができ、安価に提供できる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば、前記実施例では、本発明にかかる潤滑油路構造を自動二輪車用エンジンに実施した場合を説明したが、これを他の用途のエンジンにも実施することができる。また、前記実施例では、潤滑オイル侵入阻止手段としての凸部は、第1および第2の凸部53,54よりなるが、それらのいずれか一方でもよく、また、第1および第2の凸部53,54に代えて第3以上の凸部により構成してもよい。
本発明エンジンの潤滑油路構造を備えた自動二輪車の側面図 その自動二輪車の後部の縦断面図 図2の3−3線に沿う断面図 図3の仮想線囲い部分の拡大図 図4の5−5線に沿う断面図 図4の6矢視図 図4の7−7線に沿う断面図 図5の8−8線に沿う断面図 図5の9−9線に沿う断面図 図5の10−10線に沿う断面図 図4の11矢視仮想線囲い部分の拡大図
24・・・・・・・クランクケース
24Lb・・・・・ジャーナル軸受部(左ジャーナル軸受部)
24Rb・・・・・ジャーナル軸受部(右ジャーナル軸受部)
25・・・・・クランク軸
50・・・・・プレーン軸受
51・・・・・オイルシール
53・・・・・凸部(第1の凸部)
54・・・・・凸部(第2の凸部)
96・・・・・連通油路(左連通油路)
97・・・・・連通油路(右連通油路)
98・・・・・戻し油路
CC・・・・・クランク室
CO・・・・・潤滑オイル室
ST・・・・・潤滑オイル侵入阻止手段

Claims (2)

  1. 密封状のクランク室(CC)を有するクランクケース(24)に形成される一対のジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)と、それらのジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)にプレーン軸受(50)を介して回転自在に支承されるクランク軸(25)との間を潤滑するエンジンの潤滑油路構造において、
    前記一対のジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)には、クランクケース(24)の外側からクランク室(CC)内への潤滑オイルの侵入を阻止する、潤滑オイル侵入阻止手段(ST)を設け、
    前記一対のジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)の少なくとも一方には、プレーン軸受(50)を挟んでクランク室(CC)と反対側において一方のジャーナル軸受部(24Lb)とクランク軸(25)間をシールするオイルシール(51)と、該オイルシール(51)にてシールされた潤滑オイルを潤滑オイル室(CO)に戻すための戻し油路(98)とが設けられ、
    前記潤滑オイル侵入阻止手段(ST)は、前記ジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)に設けられてクランク室(CC)の内外を連通する連通油路(96,97)を備え、前記連通油路(96,97)の一方(96)は、前記戻し油路(98)に連通されており、該連通油路(96,97)はジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)とクランク軸(25)間を潤滑後の潤滑オイルを即座にクランク室(CC)外に戻すようにされていることを特徴とする、エンジンの潤滑油路構造。
  2. 前記潤滑オイル侵入阻止手段(ST)は、前記ジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)からクランク軸(25)に向けて延びる凸部(53,54)よりなり、該凸部(53,54)の端面は、クランク軸(25)の外面に近接されて、クランク軸(25)とジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)との間のオイル漏洩間隙を遮断するようにし、さらにジャーナル軸受部(24Lb,24Rb)の少なくとも一方の、クランク室(CC)と反対側には、前記オイルシール(51)が設けられていることを特徴とする、前記請求項1記載のエンジンの潤滑油路構造。
JP2004284991A 2004-09-29 2004-09-29 エンジンの潤滑油路構造 Expired - Fee Related JP4530782B2 (ja)

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