JP2006086011A - 炭素材前駆体、炭素材、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解液二次電池 - Google Patents

炭素材前駆体、炭素材、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 充放電特性に優れた非水電解液二次電池用の負極材を製造することができる炭素材前駆体、炭素材と、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】 樹脂組成物を実質的に不活性である雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行って得られる炭素材前駆体であって、該炭素材前駆体は、さらに実質的に不活性である雰囲気下で1200℃まで第2の炭化処理を行った場合の揮発分量が15〜50重量%である炭素材前駆体と、これを炭化処理してなる炭素材、及び、この炭素材を含有する二次電池用負極材と非水電解液二次電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭素材前駆体、炭素材、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解液二次電池に関するものである。
炭素材は、リチウムイオン二次電池用負極、コンデンサー用電極、電解用電極、活性炭など多様な範囲の用途に用いられており、今後更なる開発が期待されている分野である。
これらの炭素材は、従来、椰子殻、石炭コークス、石炭又は石油ピッチ、フラン樹脂、フェノール樹脂などを原料としている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これらの原料を用いて、そのまま炭化処理して得られた炭素材は、表面に形成された細孔径のバラツキが大きく、また各々の細孔容積が大きいため、特に非水電解液二次電池用の負極材として用いた場合に、充放電容量やサイクル性などにおいてその特性が充分ではない場合があった。
特開平05−43345号公報
本発明は、充放電特性に優れた非水電解液二次電池用の負極材を製造することができる炭素材前駆体及び炭素材と、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解液二次電池を提供するものである。
本発明に係る炭素材前駆体は、樹脂組成物を実質的に不活性である雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行って得られる炭素材前駆体であって、該炭素材前駆体は、さらに実質的に不活性である雰囲気下で1200℃まで第2の炭化処理を行った場合の揮発分量が15〜50重量%であることを特徴としている。
この炭素材前駆体において、樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有することができ、さらに、この熱硬化性樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、及び、アニリン樹脂、およびこれら樹脂の変性物から選ばれる少なくとも一つであってもよい。この炭素材前駆体において、炭素材前駆体は、炭素含有率を50〜90重量%とすることができる。
このように、揮発分量を調整して炭素材前駆体を形成することで、この炭素材前駆体より好適な細孔を所定量形成させた炭素材を安定して提供することができる。
本発明に係る炭素材は、前記のいずれかの炭素材前駆体を炭化処理してなることを特徴としている。
この炭素材において、表面に形成された0.33nmを超える細孔径を有する細孔容積を0.1〜50ml/kgとすることができる。
本発明に係る二次電池用負極材は、前記の炭素材を含有することを特徴としている。
本発明に係る非水電解液二次電池は、前記の二次電池負極材を用いることを特徴としている。
本発明の炭素材を用いることにより、充放電特性に優れた非水電解液二次電池用負極材を得ることができる。
以下に、本発明の炭素材前駆体、炭素材と、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解液二次電池について詳細に説明する。
本発明の炭素材前駆体は、樹脂組成物を実質的に不活性である雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行って得られる炭素材前駆体であって、該炭素材前駆体は、さらに実質的に不活性である雰囲気下で1200℃まで第2の炭化処理を行った場合の揮発分量が15〜50重量%であることを特徴とする。
本発明の炭素材は、上記本発明の炭素材前駆体を炭化処理してなるものである。
また、本発明の二次電池用負極材は、上記本発明の炭素材を含有することを特徴とする。
そして、本発明の非水電解液二次電池は、上記本発明の二次電池負極材を用いることを特徴とする。
まず、本発明の炭素材前駆体について詳細に説明する。
本発明の炭素材前駆体は、樹脂組成物を用い、これを実質的に不活性雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行って得られるものである。
まず、本発明の炭素材前駆体に用いられる樹脂組成物について説明する。
上記樹脂組成物としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいは、その他の高分子材料から選ばれるもの(以下、これらを単に「主成分樹脂類」ということがある)を含有することができる。上記主成分樹脂類は、単独あるいは二種類以上を併用することができる。
また、後述するように、上記主成分樹脂類とともに、硬化剤、添加剤などを併せて含有することができる。
なお、本発明においては、上記の樹脂組成物は、主成分樹脂類として一種類の樹脂のみを含有する場合もあるが、便宜上、これも組成物と呼称することとする。
ここで熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、シアネート樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、これらが種々の成分で変性された変性物を用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン、塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフタルアミド、などが挙げられる。
また、その他の高分子化合物としては特に限定されないが、例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ、紡糸用ピッチ等の重合性高分子化合物などが挙げられる。
本発明の炭素材に用いられる上記主成分樹脂類としては、熱硬化性樹脂が好ましい。これにより、炭素材の残炭率をより高めることができる。
そして、熱硬化性樹脂の中でも、ノボラック型フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、及び、アニリン樹脂、およびこれらの変性物から選ばれるものであることが好ましい。これにより、上記効果に加えて、比較的低価格で炭素材を製造することができる。
上記の主成分樹脂類として熱硬化性樹脂を用いる場合には、その硬化剤を併用することができる。
ここで用いられる硬化剤としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合はヘキサメチレンテトラミン、パラホルムなどを用いることができる。また、エポキシ樹脂の場合は、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンなどのポリアミン化合物、酸無水物、イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。
なお、通常は所定量の硬化剤を併用する熱硬化性樹脂であっても、本発明で用いられる樹脂組成物においては、通常よりも少ない量で用いたり、あるいは、硬化剤を併用しないで用いたりすることもできる。
本発明で用いる樹脂組成物においては、このほか、添加剤を配合することができる。
ここで用いられる添加剤としては特に限定されないが、例えば、200〜800℃にて炭化処理した炭素材前駆体、黒鉛及び黒鉛変性剤、有機酸、無機酸、含窒素化合物、含酸素化合物、芳香族化合物、及び、非鉄金属元素などを挙げることができる。
上記添加剤は、用いる主成分樹脂類の種類や性状などにより、単独あるいは二種類以上を併用することができる。
本発明の炭素材に用いられる樹脂組成物の調製方法としては特に限定されないが、樹脂組成物の原料として1種類の成分を用いる場合は、これをそのまま用いることができる。また、2種類以上の成分を用いる場合は、例えば、各成分を所定の比率で配合し、これを溶融混合する方法、これらの成分を溶媒に溶解して混合する方法、あるいは、これらの成分を同時に粉砕して混合する方法などにより調製することができる。
樹脂組成物の調製のための装置としては特に限定されないが、例えば、溶融混合を行う場合には、混練ロール、単軸あるいは二軸ニーダーなどの混練装置を用いることができる。また、溶解混合を行う場合は、ヘンシェルミキサー、ディスパーザなどの混合装置を用いることができる。そして、粉砕混合を行う場合には、例えば、ハンマーミル、ジェットミルなどの装置を用いることができる。
このようにして得られた樹脂組成物は、複数種類の成分を物理的に混合しただけのものであってもよいし、樹脂組成物の調製時、混合(撹拌、混練など)に際して付与される機械的エネルギーおよびこれが変換された熱エネルギーにより、その一部を化学的に反応させたものであってもよい。具体的には、機械的エネルギーによるメカノケミカル的反応、熱エネルギーによる化学反応をさせてもよい。
次に、本発明の炭素材前駆体について説明する。
本発明の炭素材前駆体は、上記樹脂組成物を実質的に不活性である雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行って得られるものである。
ここで第1の炭化処理の条件としては特に限定されないが、例えば、常温から1〜200℃/時間で昇温して、600℃で0.1〜50時間、好ましくは0.5〜10時間保持して行うことができる。
第1の炭化処理は、窒素、ヘリウムガスなどの不活性雰囲気下、もしくは不活性ガス中に微量の酸素が存在するような、実質的に不活性な雰囲気下で行うことができる。
このような第1の炭化処理時の条件により、最終的に得られる炭素材の特性を最適なものに調整することができる。そして、第1の炭化処理を実質的に不活性な雰囲気下で行うことにより、樹脂組成物の熱分解(酸化分解)を抑制し、所望の炭素材を高収率で得ることができるようになる。
また、樹脂組成物の主成分樹脂類として熱硬化性樹脂や重合性高分子化合物を用いた場合には、第1の炭化処理時の前に、樹脂組成物の硬化処理を行うこともできる。
硬化処理方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂組成物に硬化反応が可能な熱量を与えて熱硬化する方法、あるいは、主成分樹脂類と硬化剤とを併用する方法などにより行うことができる。
第1の炭化処理時の前に硬化処理を行うことにより、第1の炭化処理、および、第2の炭化処理を実質的に固相で行うことができる。これにより、組成物の構造をある程度維持した状態で第1の炭化処理、および、第2の炭化処理を行うことができ、炭素材の構造や特性を制御することができるようになる。
なお、第1の炭化処理を行う場合には、上記樹脂組成物に、金属、顔料、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤などを添加することもできる。
本発明の炭素材前駆体は、上記第1の炭化処理を行った後、これを出発物質として、さらに実質的に不活性である雰囲気下で1200℃まで第2の炭化処理を行った場合の揮発分量が15〜50重量%であることを特徴とするものである。
第2の炭化処理工程における揮発分量の調整は、樹脂組成物の種類と、第1炭化処理条件によって実質的に決まると考えられる。すなわち、第1炭化処理条件は、熱履歴が過多であると揮発成分がこの段階で揮発してしまうため、第2炭化処理時の揮発分量を確保することができなくなり、一方で高速で昇温するなどの熱履歴が過少な場合には、第1炭化処理工程に細孔形成が不充分となる。したがって、上記揮発分量を有する炭素材前駆体を得るためには、第1炭化処理工程において、樹脂組成物に付与すべき適度な熱履歴が存在すると考えられる。
そこで、このような揮発分量を有する炭素材前駆体を得る方法としては、樹脂組成物として、600℃以上の温度領域における分解・揮発分が多いものを用いることにより行うことができる。
具体的には、例えば、フェノール(P)とブチルアルデヒド(B)とを、酸性触媒の存在下で反応モル比(B/P)=0.8で反応させて得られた、重量平均分子量約1200のノボラック型変性フェノール樹脂100重量部と、ヘキサメチレンテトラミン10重量部とを用い、これを粉砕混合して樹脂組成物を調製する。
これを、第1の炭化処理として、100℃から20℃/時間で200℃まで昇温して、200℃で1時間熱処理した後、30℃/時間で600℃まで昇温し、600℃で10時間保持する処理を行うことにより、上記揮発分量を有する炭素材前駆体を得ることができる。
上記の製造方法は、明確ではないが、以下の特徴を有すると考えられる。
まず、樹脂組成物として、フェノール環とブチル基置換のメチレン基が結合したノボラック型変性フェノール樹脂を用いる。これにより、600℃以上の温度領域において、ブチルアルデヒドに由来するブチル基の分解・揮発が起こるため、1200℃までの第2の炭化処理工程において充分な揮発分量を有するものとすることができる。
また、上記第1の炭化処理条件を上記条件で実施する。これにより、後述するように、第1の炭化処理工程において揮発性成分を適度な速度で安定して揮発させ、好適な細孔を多く有する基本構造を形成することができるとともに、揮発性成分の過剰な揮発を抑制し、第2の炭化処理工程における揮発分量を確保することで、第2の炭化処理工程においてこの揮発性成分の揮発による効果を発現させることができると考えられる。
本発明の炭素材前駆体は、上記揮発分量が15〜50重量%であることを特徴とする。このような炭素材前駆体を用いて炭素材を製造することにより、高い充放電特性を有する二次電池用負極材を得ることができる。
この理由は明確ではないが、以下のように推測される。
樹脂組成物に、第1の炭化処理を行って得られる本発明の炭素材前駆体は、第1の炭化処理工程において、揮発成分の揮発とともに、炭素材骨格の形成が行われると考えられる。これにより、炭素材としての基本的構造をこの工程において形成することができ、この構造は実質的に固定された状態となると考えられる。
このような炭素材前駆体を用いて、さらに高温で第2の炭化処理を行うと、内部からさらに揮発成分の揮発が起こるが、この時点では炭素材としての基本的な立体構造はすでに構築されているので、揮発する成分は大きな構造を有したものとはなりにくいと考えられる。すなわち、揮発成分は実質的に固定化された構造内部から比較的小さなユニットで揮発するので、微細な細孔径を有する細孔が炭素材表面に形成される。このとき、揮発成分量が上記範囲内にあることにより、第2の炭化処理においても、好適な細孔径を有する細孔を形成することができ、負極材として用いるのに好適な炭素材とすることができるものと考えられる。
このようなメカニズムにより、炭素材として規則正しい構造を有し、そのバラツキも低く抑えることができるとともに、炭素材表面上に比較的大きな細孔径を有する細孔が少なく、微細な細孔径を有した細孔を好適量有した炭素材を得ることができるものと考えられる。
そして、このような炭素材を負極材として用いた場合、リチウムイオンの吸蔵・放出が容易な、微細な細孔径を有する細孔が多く存在するので、高い充電・放電容量を付与することができると考えられる。また、細孔径の均一性が高く、リチウムイオンが細孔に吸蔵された後、トラップされたままの状態になりにくいため、不可逆容量を小さく抑えることができ、これらの効果により、高い充放電効率を発現することができると考えられる。
本発明の炭素材前駆体の揮発分量が上記上限値を越えると、第2の炭化処理時の揮発成分が多すぎるため、この工程で形成される細孔の数が過剰になり、最終的には形成された細孔間の壁が崩れて細孔同士が連通してしまい、細孔径が大きくなることがあると考えられる。そして、細孔径の均一性が低下するとともに、大きな細孔径を有する細孔数が増えるようになるため、二次電池用負極材に用いた場合に不可逆容量が増加し、充放電特性が低下すると考えられる。
一方、揮発分量が上記下限値未満である場合は、第2の炭化処理時における上記効果が小さくなり、好適な細孔径を有する細孔が充分に形成されないので、充放電特性を向上させる効果が小さくなると考えられる。
このような目的のためには、上記揮発分量は15〜30重量%であることがさらに好ましい。
本発明の炭素材前駆体は特に限定されないが、炭素含有率が50〜90重量%であることが好ましい。さらに好ましくは70〜85重量%である。これにより、高い充放電特性を有する二次電池用負極材を得ることができる。この理由は明確ではないが、以下のように考えられる。
炭素材前駆体中に含有される炭素のうち、特に、芳香環や樹脂成分の主骨格を形成している炭素等は、炭素材を製造する際の炭化処理工程において、縮合環を形成するなどしてその構造中に取り込まれやすいため、ガス成分として揮発することは少ない。このため、これら炭素成分によって炭素材に細孔が形成される現象は起こりにくいと考えられる。
一方、炭素材前駆体中の炭素以外の成分、例えばヘテロ原子は、炭化処理工程においても炭素材の構造中に取り込まれにくいため、その一部はガス成分として揮発し、これにより炭素材に細孔が形成される。したがって、このような成分が所定量含有されていることにより、炭素材表面に好適な細孔径を有する細孔が形成され、二次電池用負極材に用いた場合に高い充放電特性を付与することができると考えられる。
炭素材前駆体中の炭素含有率が上記下限値未満である場合は、炭素材が形成される際の揮発分量が過剰になるため、形成された細孔が繋がりやすくなり、細孔径が不均一となり、細孔径も全体的に大きくなる傾向がみられる。
一方、炭素含有率が上記上限値を超えると、好適な細孔径を有する細孔が充分に形成されなくなることがある。
なお、本発明の炭素材前駆体における揮発分量は、炭素材前駆体を1200℃まで昇温した際の重量減少量により算出したものである。ここで、揮発分量を測定する際の昇温条件としては特に限定されないが、例えば、10〜200℃/時間で行うことができる。
また、本発明の炭素材前駆体における炭素含有量は、熱伝導度法により測定したものである。
本方法は、測定試料(炭素材前駆体)を、燃焼法を用いて単純なガス(CO、HO、及びN)に変換した後に、ガス化した試料を均質化した上でカラムを通過させるものである。これにより、これらのガス成分が段階的に分離され、それぞれの熱伝導率から、炭素、水素、及び窒素の含有量を測定することができる。
本発明では、パーキンエルマー社製・元素分析測定装置「PE2400」を用いて実施した。
次に、本発明の炭素材について説明する。
本発明の炭素材は、上記本発明の炭素材前駆体を炭化処理してなるものである。
ここで炭化処理の条件としては特に限定されないが、例えば、常温から1〜200℃/時間で昇温して、800〜3000℃で0.1〜50時間、好ましくは0.5〜10時間保持して行うことができる。炭化処理時の雰囲気としては窒素、ヘリウムガスなどの不活性雰囲気下、もしくは不活性ガス中に微量の酸素が存在する雰囲気下などで行うことができる。
このような炭化処理時の条件により、炭素材の特性を最適なものに調整することができる。そして、炭化処理を実質的に不活性な雰囲気下で行うことにより、樹脂組成物の熱分解(酸化分解)を抑制し、所望の炭素材を高収率で得ることができるようになる。
なお、本発明の炭素材を製造する際には特に限定されないが、第2の炭化処理の前に、第1の炭化処理後の炭素材前駆体を粉砕しておくことが好ましい。これにより、第2の炭化処理時の熱履歴のバラツキを低減させ、炭素材の表面状態の均一性を高めることができる。そして、処理物の取り扱い性を良好なものにすることができる。
本発明の炭素材は特に限定されないが、表面に形成された0.33nmを超える細孔径を有する細孔容積が0.1〜50ml/kgであることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜20ml/kgである。このような炭素材を用いることにより、可逆細孔の量を適正化することができるとともに、不可逆細孔の量を減らすことができるので、高い充放電特性を有する二次電池用負極材を得ることができる。
上記細孔容積が上記下限値より小さいと、リチウムを吸蔵することができる可逆細孔そのものが減少するため、充放電容量が小さくなる傾向がある。一方、上記上限値より大きいと、リチウムを吸蔵した後に不可逆となる細孔が多くなるので、同様に充放電効率が低下するようになる。
本発明において、このような細孔容積を有する炭素材を得る方法としては、第1の炭化処理工程において、樹脂組成物中の揮発成分が安定して揮発できるような条件下で樹脂組成物を熱処理するとともに、第2の炭化処理工程における揮発成分を上記範囲内とすることにより、行うことができる。
具体的には、例えば、フェノール(P)とブチルアルデヒド(B)とを、酸性触媒の存在下で反応モル比(B/P)=0.8で反応させて得られた、重量平均分子量約1200のノボラック型変性フェノール樹脂100重量部と、ヘキサメチレンテトラミン10重量部とを用い、これを粉砕混合して樹脂組成物を調製する。
これを、第1の炭化処理として、100℃から20℃/時間で200℃まで昇温して、200℃で1時間熱処理した後、30℃/時間で600℃まで昇温し、600℃で10時間保持する処理を行う。次いで、これを冷却後に微粉砕し、第2の炭化処理として、1200℃まで100℃/時間で昇温し、1200℃で10時間保持する処理を行うことにより、得ることができる。
上記の製造方法は、明確ではないが、以下の特徴を有すると考えられる。
まず、上記第1の炭化処理条件を上記条件で実施する。これにより、第1の炭化処理工程において揮発性成分を適度な速度で安定して揮発させ、好適な細孔を多く有する基本構造を形成することができるとともに、揮発性成分の過剰な揮発を抑制し、第2の炭化処理工程における揮発分量を確保することができると考えられる。
そして、第1の炭化処理を行った炭素材前駆体を、上記第2の炭化処理を行うことにより、含有されている揮発性成分が揮発し、この工程においても細孔を多く形成することができ、これにより、好適な細孔を所定量形成させた炭素材を安定して得ることができると考えられる。
なお、本発明の炭素材前駆体において、細孔容積は以下の方法により測定したものである。
島津製作所社製・細孔分布測定装置装置「ASAP2010」を用いて、測定試料(炭素材)を623Kで真空加熱前処理後、測定ガスとしてCO(分子径;0.33nm)を用い、273.15Kでの吸着等温線を測定し、Dubinin−Radushkevichの式を用いてそれぞれの吸着ガスの細孔容積を計算し、これをもとにそれぞれの細孔容積を次式に基づいて計算した。
W=W・exp[−(A/E)n]、A=RT[ln(Ps/P)]
W:吸着分子が占有しているエネルギー[ml/g]
E:吸着特性エネルギー[J/mol]
P:平行蒸気圧[mmHg]
T:吸着温度[K]
:細孔容積[ml/g]
Ps:飽和蒸気圧[mmHg]
n:構造指数=2[−]
R:気体定数
通常のタール、ピッチなどの易黒鉛化材料を用い、これをそのまま炭化処理して得られる炭素材は、構造中の炭素層−炭素層間距離が短く細孔が形成されにくい性質を有している。
一方、三次元架橋性が高い熱硬化性樹脂のような難黒鉛化材料を用い、これをそのまま炭化処理して得られる炭素材では、三次元骨格が成長する際に、比較的短時間に多量の揮発ガスが発生し、また、架橋密度が分子レベルで不均一になりやすいために、炭素材の細孔径のばらつきが大きく、比較的大きな細孔径を有する細孔容積が大きくなる傾向がみられる。
これに対し、本発明の炭素材は、原料となる組成物を実質的に不活性である雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行った後、これを出発物質として、さらに実質的に不活性である雰囲気下で1200℃まで第2の炭化処理を行った場合の揮発分量が15〜50重量%である炭素材前駆体を炭化して得られるものであることを特徴とする。
このような炭素材前駆体を用いることにより、炭化処理工程において、第1の炭化処理工程において形成された細孔に加えて、第2の炭化処理工程において、構造が実質的に固定された状態で内部から所定量の揮発成分が揮発するため、炭素材に、微細な細孔径を有した細孔を好適量形成することができ、炭素材としての構造を規則性の高いものとすることができるとともに、細孔径のバラツキも小さく抑えることができると考えられる。
このようにして得られた本発明の炭素材は、ピッチやタールなどから通常の方法で調製される炭素材と比較して、黒鉛化度が低く、その構造内部において炭素層−炭素層間距離を適度に大きなものとすることができる。これにより、好ましい大きさの細孔径を有する細孔容積を確保しやすいと考えられる。また、通常の難黒鉛化材料から調製された炭素材と比較しても、上記のような構造を形成することができることから、比較的大きな細孔径を有する細孔容積を小さく抑えることができると考えられる。これにより、高い充放電特性を有する負極材を製造できる炭素材とすることができる。
次に、本発明の二次電池用負極材(以下、単に「負極材」という)の実施形態およびこれを用いた実施形態であるリチウム二次電池(以下、単に「二次電池」という)について説明する。
図1は、二次電池の実施形態の構成を示す概略図である。
二次電池10は、負極材12および負極集電体14により構成される負極13と、正極材20および正極集電体22により構成される正極21と、ならびに電解液16と、セパレータ18とを含むものである。
負極13において、負極集電体14としては、例えば銅箔またはニッケル箔を用いることができる。そして負極材12は、本発明の炭素材を用いる。
本発明の負極材は、例えば、以下のようにして製造される。
上記炭素材100重量部に対して、有機高分子結着剤(ポリエチレン、ポリプロピレンなどを含むフッ素系高分子、ブチルゴム、ブタジエンゴム等のゴム状高分子など)1〜30重量部、および適量の粘度調整用溶剤(N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミドなど)を添加して混練して、ペースト状にした混合物を圧縮成形、ロール成形などによりシート状、ペレット状などに成形して、負極材12を得ることができる。
そして、負極集電体14と積層することにより、負極13を製造することができる。
また、上記炭素材100重量部に対して、有機高分子結着剤(ポリエチレン、ポリプロピレンなどを含むフッ素系高分子、ブチルゴム、ブタジエンゴムなどのゴム状高分子など)1〜30重量部、および適量の粘度調整用溶剤(N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミドなど)を添加して混練して、スラリー状にした混合物を負極材12として用い、これを負極集電体14に塗布、成形することにより、負極13を製造することもできる。
電解液16としては、非水系溶媒に電解質となるリチウム塩を溶解したものが用いられる。
この非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル類などの混合物などを用いることができる。
電解質としてはLiClO、LiPFなどのリチウム金属塩、テトラアルキルアンモニウム塩などを用いることができる。また、上記塩類をポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどに混合し、固体電解質として用いることもできる。
セパレータ18としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどの多孔質フィルム、不織布などを用いることができる。
正極21において、正極材20としては特に限定されないが、例えばリチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)などの複合酸化物や、ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性高分子などを用いることができる。
正極集電体22としては、例えばアルミニウム箔を用いることができる。
そして、本実施形態における正極21は、既知の正極の製造方法により製造することができる。
以下、本発明を実験例により説明する。しかし、本発明は実験例に限定されるものではない。又、各実験例で示される「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
各実験例で用いた主成分樹脂の合成方法は以下の通りである。
(1)フェノール/ブチルアルデヒド樹脂
フェノール100部、n−ブチルアルデヒド61部、蓚酸5部を攪拌装置及び冷却管を備えた3つ口フラスコに入れ、100℃で3時間反応後、脱水し、フェノール/ブチルアルデヒド樹脂110部を得た。得られたフェノール/ブチルアルデヒド樹脂の重量平均分子量は約1200であった。
(2)ノボラック型フェノール樹脂
フェノール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液51部、蓚酸5部を攪拌装置及び冷却管を備えた3つ口フラスコに入れ、100℃で3時間反応後、脱水し、ノボラック型フェノール樹脂110部を得た。得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は約2000であった。
(3)レゾール型メラミン樹脂
住友ベークライト社製・「PR−53235」、重量平均分子量約400を用いた。
1.炭素材の製造
(実験例1)
フェノール/ブチルアルデヒド樹脂100部と、ヘキサメチレンテトラミン10部とを粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、以下の工程で処理を行い、炭素材を得た。
(a)100℃から200℃まで、20℃/時間で昇温
(b)200℃で1時間熱処理
(c)200℃から600℃まで50℃/時間で昇温
(d)600℃で10時間保持後、冷却
(e)振動ボールミルで微粉砕
(f)室温から1200℃まで100℃/時間で昇温
(g)1200℃で10時間炭化処理
(実験例2)
実験例1において、樹脂組成物の処理に際して
(c)200℃から600℃まで30℃/時間で昇温
とした以外は、実験例1と同様にして炭素材を得た。
(実験例3)
実験例1において、樹脂組成物の処理に際して
(c)200℃から600℃まで10℃/時間で昇温
とした以外は、実験例1と同様にして炭素材を得た。
(実験例4)
実験例1において、樹脂組成物の処理に際して
(f)室温から1500℃まで100℃/時間で昇温
(g)1500℃で10時間炭化処理
とした以外は、実験例1と同様にして炭素材を得た。
(実験例5)
実験例1において、樹脂組成物の処理に際して
(f)室温から1000℃まで100℃/時間で昇温
(g)1000℃で10時間炭化処理
とした以外は、実験例1と同様にして炭素材を得た。
(実験例6)
実験例1において、樹脂組成物として、ノボラック型フェノール樹脂100部と、ヘキサメチレンテトラミン10部とを粉砕混合したものを用いた以外は、実験例1と同様にして炭素材を得た。
(実験例7)
実験例1において、樹脂組成物として、レゾール型メラミン樹脂100部を粉砕したものを用いた以外は、実験例1と同様にして炭素材を得た。
2.炭素材前駆体及び炭素材の評価
実験例で得られた炭素材前駆体、及び、炭素材について下記の評価を行った。
(1)炭素材前駆体の揮発分量
炭素材前駆体を常温から100℃/時間で1200℃まで昇温した際の重量減少量により算出した。
(2)炭素材前駆体の炭素含有量
炭素含有量は、パーキンエルマー社製・元素分析測定装置「PE2400」を用いて、熱伝導度法により測定した。
(3)炭素材の細孔容積
細孔径と細孔容積は、以下の方法で測定した。
島津製作所社製・細孔分布測定装置「ASAP2010」を用いて、測定試料(炭素材)を623Kで真空加熱前処理後、測定ガスとしてCO(分子径:0.33nm)を用い、273.15Kでの吸着等温線を測定し、Dubinin−Radushkevichの式を用いてそれぞれの吸着ガスの細孔容積を計算し、これをもとにそれぞれの細孔容積を次式に基づいて計算した。
W=W・exp[−(A/E)n]、A=RT[ln(Ps/P)]
W:吸着分子が占有しているエネルギー[ml/g]
E:吸着特性エネルギー[J/mol]
P:平行蒸気圧[mmHg]
T:吸着温度[K]
:細孔容積[ml/g]
Ps:飽和蒸気圧[mmHg]
n:構造指数=2[−]
R:気体定数
3.二次電池用負極材としての評価
(1)二次電池評価用二極式コインセルの製造
実験例で得られた炭素材100部に対して、結合剤としてポリフッ化ビニリデン10部、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極混合物を調製した。調製した負極スラリー状混合物を18μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを直径16.156mmの円形として切り出し負極を作製した。
正極はリチウム金属を用いて二極式コインセルにて評価を行った。電解液として体積比が1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合液に過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解させたものを用いた。
(2)充電容量、放電容量の評価
充電条件は電流25mA/gの定電流で1mVになるまで充電した後、1mV保持で1.25mA/gまで電流が減衰したところを充電終止とした。また、放電条件のカットオフ電位は 1.5Vとした。
(3)充放電効率の評価
上記(2)で得られた値をもとに、下記式により算出した。
充放電効率(%)=[放電容量/充電容量]×100
評価結果を表1に示す。
Figure 2006086011
実験例1〜5はいずれも、揮発分量が15〜50重量%である本発明の炭素材前駆体と、これを炭化処理して得られた本発明の炭素材であり、この炭素材を負極材に用いた二次電池の評価においては、充放電効率に優れるものであった。
特に、実験例1〜3は、上記揮発分量のほか、細孔容積においても最適な範囲であったので、特に充放電効率に優れるとともに、併せて放電容量においても良好な水準とすることができた。
一方、実験例6は、樹脂組成物の主成分樹脂の分解性が小さく、炭素材前駆体の揮発分量が小さいものを用いたが、炭化処理時に大きなユニットで揮発したと考えられ、好適な細孔径を有する細孔が充分に形成されず、充放電効率が低下したと考えられる。
また、実験例7は、樹脂組成物の主成分樹脂の分解性が大きく、炭素材前駆体の揮発分量が大きいものを用いたが、炭化処理時に大きなユニットで多量に揮発したと考えられ、好適な細孔径を有する細孔の比率が低下し、充放電効率が低下したと考えられる。
本発明の実施形態の二次電池の構成を示す概略図である。
符号の説明
10 二次電池
12 負極活物質
13 負極
14 負極集電体
16 電解液
18 セパレータ
20 正極活物質
21 正極
22 正極集電体

Claims (8)

  1. 樹脂組成物を実質的に不活性である雰囲気下で600℃まで第1の炭化処理を行って得られる炭素材前駆体であって、該炭素材前駆体は、さらに実質的に不活性である雰囲気下で1200℃まで第2の炭化処理を行った場合の揮発分量が15〜50重量%であることを特徴とする炭素材前駆体。
  2. 請求項1に記載の炭素材前駆体において、前記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有するものである炭素材前駆体。
  3. 請求項2に記載の炭素材前駆体において、前記熱硬化性樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、及び、アニリン樹脂、およびこれら樹脂の変性物から選ばれる少なくとも一つである炭素材前駆体。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の炭素材前駆体において、前記炭素材前駆体は、炭素含有率が50〜90重量%である炭素材前駆体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の炭素材前駆体を炭化処理してなることを特徴とする炭素材。
  6. 請求項5に記載の炭素材において、表面に形成された0.33nmを超える細孔径を有する細孔容積が0.1〜50ml/kgである炭素材。
  7. 請求項5又は6に記載の炭素材を含有することを特徴とする二次電池用負極材。
  8. 請求項7に記載の二次電池負極材を用いることを特徴とする非水電解液二次電池。
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