JP2008030986A - 炭素材の製造方法及び炭素材 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池負極材に適用することができ、充放電容量及び充放電効率に優れた炭素材及びその安定的な製造方法を提供する。
【解決手段】
炭素材用フェノール樹脂組成物に第1の熱処理を行い、炭素前駆体を得、前記炭素前駆体のメチレンブルー吸着量を3〜20mg/gにする工程、及び前記工程後の炭素前駆体に、第2の熱処理を行い、炭素材とする工程を含む炭素材の製造方法であり、前記製造方法から得られる炭素材のBET比表面積は、2〜12m2/gであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭素材の製造方法及び炭素材に関するものである。
現在、リチウムイオン二次電池の負極に使用されている材料としては、主として天然グラファイト、及び、人造グラファイトが挙げられる。この材料の特徴は、理論充放電容量が372mAh/gであり、充放電効率が90%以上と高いこと、また、難黒鉛化炭素材と比較して、密度が高いことが挙げられる。
グラファイトに関しては、電極密度を向上させるために様々な検討がなされており、燐片状、ミルド状、球状など、さまざまな形状を付与する検討がなされている。さらに、充放電効率を高めるなどの検討もなされているが、(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)更なる検討が必要とされている。
また、難黒鉛化材などにも同様な検討がされているが、出発原料により製造方法が異なるため出発原料に対して適切な熱処理を加えないと安定した品質の炭素材を得ることが難しいのが現状である。
特開平10−284061号公報 J.Electrochem.Soc.,Vol.142,No.8,1995
本発明の目的は、リチウムイオン二次電池負極材に用いた場合、充放電容量及び充放電効率の安定性に優れた炭素材と、この製造方法を提供することである。
このような目的は、下記の本発明[1]〜[6]により達成される。
[1] 炭素材用フェノール樹脂組成物を炭化して得られる炭素材の製造方法であって、
前記炭素材用フェノール樹脂組成物に第1の熱処理を行い、炭素前駆体を得る工程(a)、
前記工程(a)で得られた炭素前駆体のメチレンブルー吸着量を3〜20mg/gにする工程(b)、及び
前記工程(b)後の前記炭素前駆体に、第2の熱処理を行い、炭素材とする工程(c)、
を含むことを特徴とする炭素材の製造方法。
[2] 前記工程(a)における第1の熱処理は、400〜800℃で行うものである[1]項に記載の炭素材の製造方法。
[3] 前記工程(b)後における前記炭素材前駆体の平均粒子径は、1〜45μmである[1]又は[2]項に記載の炭素材の製造方法。
[4] 前記工程(c)における第2の熱処理は、1000〜1400℃で行うものである[1]〜[3]項のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の炭素材の製造方法によって得られることを特徴とする炭素材。
[6] 前記炭素材のBET比表面積は、2〜12m2/gである[5]項に記載の炭素材。
本発明によれば、特に、リチウムイオン二次電池負極材として用いた場合に、充放電容量及び充放電効率の安定性に優れた炭素材を得ることができる。
本発明は、炭素材用フェノール樹脂組成物を炭化して得られるおよび炭素材の製造方法であって、
前記炭素材用フェノール樹脂組成物に第1の熱処理を行い、炭素前駆体を得る工程(a)、
前記工程(a)で得られた炭素前駆体のメチレンブルー吸着量を3〜20mg/gにする工程(b)、及び
前記工程(b)後の前記炭素前駆体に、第2の熱処理を行い、炭素材とする工程(c)、
を含むことを特徴とする。
そして、本発明の炭素材は、上記本発明の製造方法によって得られることを特徴とする。
まず、本発明の炭素材の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について詳細に説明する。
本発明の製造方法に用いられるフェノール樹脂類は、フェノール類とアルデヒド類とを公知の方法により反応させて得られるものであり、例えば、酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒の存在下で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独又は併せて用いることができる
上記フェノール樹脂の合成に用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、および1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン、およびその異性体等の多価フェノール類が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、上記フェノール樹脂の合成に用いられるアルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合は、樹脂とともに硬化剤を使用することができる。硬化剤としては特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド源、レゾール樹脂、酸触媒、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、エポキシ樹脂等が挙げられる。
硬化剤の使用量は特に限定されないが、通常、フェノール樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部使用することができる。
本発明の製造方法では、上記フェノール樹脂類、および硬化剤、硬化促進剤などからなる混合物をフェノール樹脂組成物として用いるものとする。
本発明の製造方法においては、上記組成物に、第1の熱処理を行い、炭素前駆体を得る工程(a)を有する。本発明の、工程(a)における第1の熱処理の条件としては、用いるフェノール樹脂種によって異なるが、400〜800℃で行うことが好ましい。さらに好ましくは400〜600℃である。この温度域で熱処理することにより、フェノール樹脂類を炭化してなる炭素前駆体の比表面積、細孔構造を制御することができる。また、得られた炭素前駆体に後述する第2の熱処理を加えることにより、炭素材の比表面積・構造を制御でき、且つ均一な細孔構造を保持したものとするができる。このことにより、充放電容量及び充放電効率の安定性に優れた炭素材を得ることができる。
この第1の熱処理を行う時間としては特に限定されないが、通常、常温から1〜200℃/時間で昇温して、最終熱処理温度で1〜50時間、好ましくは3〜10時間保持して行うことができる。
また、第1の熱処理を行う雰囲気は、特に限定されず、大気中、不活性ガス雰囲気中、及び、真空中など、いずれの条件でも行うことができ、また、これらを2種以上組み合わせた熱処理条件でも良い。
なお、フェノール樹脂類は基本的に熱硬化性樹脂であるため、硬化処理を行うと三次元架橋反応により、第1の熱処理の際には主に固相状態を保持する。具体的には、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂を用いる場合は、まず、ノボラック型フェノール樹脂に硬化剤であるヘキサメチレンテトラミンを添加して硬化反応を行う。この場合、硬化反応が十分であれば、上記第1の熱処理を行っても熱溶融せず、硬化による構造を保持する。
本発明の製造方法においては、用いるフェノール樹脂類を完全に硬化させてもいいし、第1の熱処理時にフェノール樹脂類の一部が溶融するように硬化剤を意識的に減らしても良い。また、硬化剤を添加しなくても良い。
また、自硬性のレゾール型フェノール樹脂を用いる場合は、レゾール型フェノール樹脂に対して、酸や硬化促進剤を加えても良いし、硬化度を低下させるためにノボラック型フェノール樹脂を加えても良い。また、それらを組合せて用いることもできる。
次に、本発明の製造方法においては、上記工程(a)で得られた炭素前駆体のメチレンブルー吸着量を3〜20mg/gにする工程(b)を有する。更に好ましくは、工程(b)後の炭素前駆体のメチレンブルー吸着量は5〜10mg/gである。
炭素前駆体のメチレンブルー吸着量は、次のようにして測定することができる。
5〜25μmに粉砕した炭素前駆体を0.2gトールビーカーに採取、濃度6mg/Lのメチレンブルー水溶液を加えた後、30分攪拌、一昼夜静置し、その後、上澄み液を濾過し、紫外分光光度計を用いて炉液の吸光度を測定、メチレンブルー残留濃度を算出し、初期メチレンブルー濃度の差よりメチレンブルー吸着量を算出する。
上記工程(a)での熱処理を上記範囲で行って炭素前駆体を得、且つ、この炭素前駆体を上記メチレンブルー吸着量の範囲になるまで粉砕することにより、後述する工程(c)を行った後に得られる炭素材の比表面積、炭素材表面構造・細孔構造を制御、および安定化することができる。
上記理由は明確ではないが、メチル基を側鎖に持つフェノール類を出発原料としたフェノール類を例に取れば、メチル基が熱分解する温度を一定時間維持して上記第1の熱処理を行った場合、メチル基が熱分解することにより、メチル基の分子径に由来する細孔を均一的に生成させることができるものと考えられる。言い換えれば熱処理工程(a)時に揮発、及び分解する物質が炭素前駆体の細孔径を支配しているといえる。そのため、出発物質であるフェノール樹脂組成物の組成、及び、熱処理工程(a)を適切に行うことによって、熱処理後の炭素前駆体の細孔構造を均一にし、且つメチレンブルー吸着量を上記範囲内に制御するができる。そして、後述する工程(c)を行った後に得られる炭素材の比表面積、細孔構造をより安定化することができるものと推測される。従って、炭素材の細孔構造及びBET比表面積を制御、安定化されることは、この炭素材を負極材に用いたリチウムイオン二次電池の品質を安定的、且つ優れたものにすることになると考えられる。
更に、本発明の製造方法においては、上記(b)工程後の炭素前駆体に、第2の熱処理を行い、炭素材とする工程(c)を有する。
上記第2の熱処理を行う条件としては、温度は800℃〜1400℃で行うことが好ましい。さらに好ましくは1000〜1300℃である。これにより、第1の熱処理によって比表面積、細孔構造を制御された炭素前駆体を炭素材としたときに、炭素材の比表面積を小さくすることができ、均一な細孔構造を付与させることができる。
また、昇温速度は特に限定されないが、通常、50〜200℃/時で昇温を行うことができる。冷却速度についても特に限定されないが、通常、50〜400℃/時で冷却を行うことができる。
この第2の熱処理を行う時間としては特に限定されないが、通常1〜15時間で行うことができる。
また、第2の熱処理を行う雰囲気は、特に限定されないが、一酸化炭素、窒素又はヘリウム、また、微量の水素、酸素を混合した不活性雰囲気下で実施することが好ましい。なお、不活性雰囲気下を開放する温度は、室温〜100℃とすることができる。
更に、工程(b)後の上記炭素前駆体の平均粒子径は1〜45μmであることが好ましい。更に好ましくは5〜25μmである。
炭素前駆体の平均粒子径の測定は、例えば堀場製作所社製レーザー回折LA−920を用いて測定することができる。
上記炭素前駆体の平均粒径を上記範囲まで粉砕する方法は特に限定されないが、ボールミル、ジェットミル、ビーズミル、卓上粉砕機などによる物理的手法を用いることが好ましい。また粉砕方式としてはバッチ式、連続式等があるが、目的粒径まで粉砕可能であれば特に限定されるものではない。
炭素前駆体の平均粒子径を上記範囲とすることにより、後述する工程(c)を行った際に炭素前駆体を炭化するために均一な熱エネルギーを与えることができ、後に得られる炭素材の炭化度を均一化することができる。
次に、本発明の炭素材について説明する。
本発明の炭素材は上記本発明の製造方法によって得られることを特徴とする。
本発明の炭素材のBET比表面積は、2〜12m2/gであることが好ましい。更に好ましくは4〜8m2/gである。上記炭素材のBET比表面積を上記範囲とすることで、リチウムイオン二次電池用負極材に用いた場合、充放電容量及び充放電効率の安定性を更に優れたものにすることができる。
上記BET法による炭素材の比表面積の測定方法について説明する。
得られた炭素材について、ユアサ社製Nova−1200を用いてBET3点法(0.05<P/Po<0.30)により測定することができる。具体的な測定方法は以下に示す。
(1)式より、単分子吸着量Wm、(2)式より総表面積Stotalを算出し、(3)式より比表面積Sを求める。
(P/Po)/W[1−(P/Po)]=1/WmC+(C−1)×(P/Po)/WmC・・・(1)
P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力
Po:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧
W:吸着平衡圧Pにおける吸着量
Wm:単分子層吸着量
C:固体表面と吸着質との相互作用の大きさに関する定数(C=exp{(E1−E2)/RT})
E1:第一層の吸着熱(kJ/mol)
E2:吸着質の測定温度における液化熱(kJ/mol)
R:気体定数
T:測定温度
Stotal=(WmNAcs)M・・・・・・・・・(2)
N:アボガドロ数
M:分子量
Acs:吸着断面積
S=Stotal/w・・・・・・(3)
w:サンプル重量(g)
以下、本発明を実施例により説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。また、実施例、比較例で示される「部」及び「%」は、全て「重量部」及び「重量%」とする。
(実施例1)
市販のレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50087」)1000部を、工程(a)の第1の熱処理として電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、400℃まで100℃/時で昇温し、400℃で3時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μm程度になるまで粉砕を行い、粉末状の炭素前駆体を得た。
得られた炭素前駆体について、下記の方法により、メチレンブルー吸着量と、平均粒子径を測定した。
この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量は6.6mg/g、平均粒子径は20.2μmであった。
得られた粉末状の炭素前駆体を、工程(b)の第2の熱処理として窒素雰囲気下にて100℃/時で昇温して、1100℃に到達した後、3時間維持して炭素材を得た。
[メチレンブルー吸着量の測定]
5〜25μmに粉砕した炭素前駆体を0.2gトールビーカーに採取、濃度6mg/Lのメチレンブルー水溶液を加えた後、30分攪拌、一昼夜静置した。その後、上澄み液を濾過し、紫外分光光度計を用いて炉液の吸光度を測定、メチレンブルー残留濃度よりメチレンブルー吸着量を算出した。
[平均粒子径の測定]
堀場製作所社製レーザー回折LA−920を用いて測定した。
(実施例2)
市販のレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50087」)1000部を工程(a)の第1の熱処理として電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、500℃まで100℃/時で昇温し、500℃で3時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。得られた炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
これ以降は、実施例1と同様の処理を行い、炭素材を得た。
(実施例3)
市販のレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50087」)1000部を工程(a)の第1の熱処理として電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、500℃まで100℃/時で昇温し、500℃で12時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
これ以降は、実施例1と同様の処理を行い、炭素材を得た。
(実施例4)
市販のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50731」)900部と、ヘキサメチレンテトラミン100部とを粉砕混合した後、工程(a)の第1の熱処理として電気炉中120℃で3時間熱処理を行った後、400℃まで100℃/時で昇温し、400℃で3時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μm程度になるまで粉砕を行い、粉末状の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
これ以降は、実施例1と同様の処理を行い、炭素材を得た。
(実施例5)
市販のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50731」)900部と、ヘキサメチレンテトラミン100部とを粉砕混合した後、工程(a)の第1の熱処理として電気炉中120℃で3時間熱処理を行った後、500℃まで100℃/時で昇温し、500℃で12時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μm程度になるまで粉砕を行い、粉末状の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
これ以降は、実施例1と同様の処理を行い、炭素材を得た。
(比較例1)
市販のレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50087」)1000部を、工程(a)の第1の熱処理として電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、900℃まで100℃/時で昇温し、900℃で3時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μm程度になるまで粉砕を行い、粉末状の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
得られた粉末状の炭素前駆体を、工程(b)の第2の熱処理として窒素雰囲気下にて100℃/時で昇温して、1100℃に到達した後、3時間維持して炭素材を得た。
(比較例2)
市販のレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50087」)1000部を、工程(a)の第1の熱処理として電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、900℃まで100℃/時で昇温し、900℃で12時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μm程度になるまで粉砕を行い、粉末状の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
これ以降は、比較例1と同様の処理を行い、炭素材を得た。
〔比較例3〕
市販のレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製・「PR−50087」)1000部を、工程(a)の第1の熱処理として電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、400℃まで300℃/時で昇温し、400℃で3時間保持後、600℃まで300℃/時で昇温し、600℃で3時間保持後、さらに900℃まで300℃/時で昇温し、900℃で0.05時間保持後、室温まで冷却し炭素前駆体を得た。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μm程度になるまで粉砕を行い、粉末状の炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のメチレンブルー吸着量、平均粒子径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示した。
これ以降は、比較例1と同様の処理を行い、炭素材を得た。
Figure 2008030986
実施例1〜5、比較例1,2で得られた炭素材について、以下に示す方法でBET比表面積、電池特性を測定した。
[BET法による炭素材の比表面積の測定]
実施例1〜5、比較例1,2で得られた炭素材について、ユアサ社製Nova−1200を用いてBET3点法(0.05<P/Po<0.30)により測定した。
[電池特性の評価]
(1)正極の作製
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、これにアセチレンブラックとポリビニリデンフルオライド(PVDF)とをそれぞれ5%の割合で配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加えて混合し、スラリー状の正極混合物を調製した。
この正極スラリー状混合物を25μmのアルミ箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ280mmの大きさに切り出し正極を作製した。この正極の両端10mmの部分はアルミ箔が露出しており、この一方に正極タブを圧着した。
(2)負極の作製
上記で得られた炭素材を用い、これに対して結合剤としてポリフッ化ビニリデン10%、アセチレンブラック3%の割合でそれぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極混合物を調製した。
この負極スラリー状混合物を10μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。この負極の両端10mmの部分は銅箔が露出しており、この一方に負極タブを圧着した。
(3)リチウムイオン二次電池の作製
上記正極、セパレータ(ポリプロピレン製多孔質フィルム:幅45mm、厚さ25μm)、上記負極、セパレータ、上記正極…の順で上記負極が外側になるよう渦巻き状に捲回して電極を作製した。作製した電極を単三型の電池缶に挿入して、負極タブを缶底と溶接した。さらに、電解液としてエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液(体積比が1:1)に、過塩素酸リチウムを1[モル/リットル]の濃度で溶解させたものを用意し、これを上記電池缶内に注入した後、正極タブを正極蓋に溶接し、正極蓋をしめ付けてリチウムイオン二次電池を作製した。
(4)評価
充電容量については、充電時の電流密度を25mA/gとして定電流充電を行い、電位が0Vに達した時点から、0Vで定電圧充電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに充電した電気量を充電容量とした。
一方、放電容量については、放電時の電流密度も25mA/gとして定電流放電を行い、電位が2.5Vに達した時点から、2.5Vで定電圧放電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに放電した電気量を放電容量とした。
上記各々の1サイクル目の充電容量を初期充電容量、放電容量を初期放電容量といい、両者の比率(初期放電容量/初期充電容量)を初期充放電効率とした。
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 2008030986
表1、2の結果より、実施例1〜5はいずれも、フェノール樹脂類を工程(a)の熱処理条件、及び物理的手法により粉砕によって得られる炭素前駆体のメチレンブルー吸着量を3〜20mg/gに制御し、さらに工程(b)の熱処理をしてなる本発明の炭素材から得られた負極材を備えるリチウムイオン二次電池であり、炭素前駆体のメチレンブルー吸着量3〜20mg/gに制御しなかった比較例1、2と比べて、充放電容量及び充放電特性が優れたものであった。

Claims (6)

  1. 炭素材用フェノール樹脂組成物を炭化して得られる炭素材の製造方法であって、
    前記炭素材用フェノール樹脂組成物に第1の熱処理を行い、炭素前駆体を得る工程(a)、
    前記工程(a)で得られた炭素前駆体のメチレンブルー吸着量を3〜20mg/gにする工程(b)、及び
    前記工程(b)後の前記炭素前駆体に、第2の熱処理を行い、炭素材とする工程(c)、
    を含むことを特徴とする炭素材の製造方法。
  2. 前記工程(a)における第1の熱処理は、400〜800℃で行うものである請求項1に記載の炭素材の製造方法。
  3. 前記工程(b)後における前記炭素材前駆体の平均粒子径は、1〜45μmである請求項1又は2に記載の炭素材の製造方法。
  4. 前記工程(c)における第2の熱処理は、1000〜1400℃で行うものである請求項1〜3のいずれかに記載の炭素材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の炭素材の製造方法によって得られることを特徴とする炭素材。
  6. 前記炭素材のBET比表面積は、2〜12m2/gである請求項5に記載の炭素材。
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