JP2006273602A - 炭素材用組成物とその製造方法、及び、炭素材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リチウムイオン二次電池負極材に用いた場合に、高い充放電効率、高い充放電容量を示す炭素材を得ることができる炭素材用組成物とその製造方法、ならびに、この炭素材用組成物を炭化処理してなる炭素材とその製造方法を提供する。
【解決手段】 (a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする、炭素材用組成物の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 (a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする、炭素材用組成物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、炭素材用組成物とその製造方法、及び、炭素材とその製造方法に関するものである。
現在、リチウムイオン二次電池の負極に使用されている材料としては、主として天然グラファイト、人造グラファイトが挙げられる。この材料の特徴は、理論充放電容量が372mAh/gであり、充放電効率が90%以上と高いこと、また、難黒鉛化炭素材と比較して、密度が高いことが挙げられる。
グラファイトに関しては、電極密度を向上させるために様々な検討がなされており、燐片状、ミルド状、球状など、さまざまな形状を付与する検討がなされている。さらに、充放電効率を高めるなどの検討もなされている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)が、更なる検討が必要とされている。
グラファイトに関しては、電極密度を向上させるために様々な検討がなされており、燐片状、ミルド状、球状など、さまざまな形状を付与する検討がなされている。さらに、充放電効率を高めるなどの検討もなされている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)が、更なる検討が必要とされている。
上記のように、グラファイトの理論充放電容量が372mAh/gであり、それ以上の充放電容量が得られないという問題点を解決するために、グラファイト以外の材料も検討されている。このような材料としては例えば、難黒鉛化炭素材料や、金属窒化物などが挙げられる。これらの材料は、放電容量が非常に高いことで知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
しかしながら、充放電効率が低いこと、及び、充放電を繰り返した際にサイクル劣化が大きいことが難点であり、更なる特性の向上が望まれている。
しかしながら、充放電効率が低いこと、及び、充放電を繰り返した際にサイクル劣化が大きいことが難点であり、更なる特性の向上が望まれている。
また、フェノール樹脂由来の炭素材料にも、難黒鉛化炭素材料であるために上記と同様の問題がある。また、特性向上の手法として難黒鉛化炭素材と易黒鉛化炭素材、黒鉛材料との複合等が試みられているが、未だ実用化に至っていないのが現状である。
本発明は、リチウムイオン二次電池負極材に用いた場合に、高い充放電効率、高い充放電容量を示す炭素材を得ることができる炭素材用組成物とその製造方法、ならびに、この炭素材用組成物を炭化処理してなる炭素材とその製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(10)により達成される。
(1)
(a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、
(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする、炭素材用組成物の製造方法。
(2)上記化合物(A)は、フェノール樹脂、タールピッチ類から選ばれるものである上記(1)に記載の炭素材用組成物の製造方法。
(3)上記有機化合物(C)は、フェノール類、及び、フェノール類の誘導体から選ばれるものである上記(1)又は(2)に記載の炭素材用組成物の製造方法。
(4)上記炭素材前駆体(B)と、有機化合物(C)との重量比(B:C)が、95:5〜50:50である、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
(5)上記(a)工程における脱脂処理は、400〜800℃で行われるものである、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
(6)上記(b)工程における含浸処理は、100〜300℃で行われるものである、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする炭素材用組成物。
(8)
(c)上記(7)に記載の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有することを特徴とする、炭素材の製造方法。
(9)上記(c)工程における炭化処理は、900〜1400℃で行われるものである、上記(8)に記載の炭素材の製造方法。
(10)上記(8)又は(9)に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする炭素材。
(1)
(a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、
(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする、炭素材用組成物の製造方法。
(2)上記化合物(A)は、フェノール樹脂、タールピッチ類から選ばれるものである上記(1)に記載の炭素材用組成物の製造方法。
(3)上記有機化合物(C)は、フェノール類、及び、フェノール類の誘導体から選ばれるものである上記(1)又は(2)に記載の炭素材用組成物の製造方法。
(4)上記炭素材前駆体(B)と、有機化合物(C)との重量比(B:C)が、95:5〜50:50である、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
(5)上記(a)工程における脱脂処理は、400〜800℃で行われるものである、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
(6)上記(b)工程における含浸処理は、100〜300℃で行われるものである、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする炭素材用組成物。
(8)
(c)上記(7)に記載の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有することを特徴とする、炭素材の製造方法。
(9)上記(c)工程における炭化処理は、900〜1400℃で行われるものである、上記(8)に記載の炭素材の製造方法。
(10)上記(8)又は(9)に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする炭素材。
本発明は、フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程とを有する炭素材用組成物の製造方法、及び、これを炭化処理する工程を有する炭素材の製造方法、ならびに、上記製造方法により得られた炭素材用組成物と炭素材である。本発明の炭素材は、二次電池負極材として用いた場合に、高い充放電効率、高い充放電容量を有するものである。
以下に、本発明の炭素材用組成物とその製造方法、及び、炭素材とその製造方法について説明する。
本発明の炭素材用組成物の製造方法は、
(a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、
(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の炭素材用組成物は、上記本発明の炭素材用組成物の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
また、本発明の炭素材の製造方法は、
(c)上記本発明の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有することを特徴とする。
そして、本発明の炭素材は、上記本発明の炭素材の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
まず、本発明の炭素材用組成物の製造方法、及び、この製造方法により得られる炭素材用組成物について詳細に説明する。
本発明の炭素材用組成物の製造方法は、
(a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、
(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の炭素材用組成物は、上記本発明の炭素材用組成物の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
また、本発明の炭素材の製造方法は、
(c)上記本発明の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有することを特徴とする。
そして、本発明の炭素材は、上記本発明の炭素材の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
まず、本発明の炭素材用組成物の製造方法、及び、この製造方法により得られる炭素材用組成物について詳細に説明する。
本発明の炭素材用組成物の製造方法においては、まず、
(a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する。
(a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する。
フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物に用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、および1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン、およびその異性体等の多価フェノール類が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物に用いられる、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のケトン類、アニリン、シアノアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、メラミン等の環状アミノ類、アセトアミド、ベンズアミド、ステアリンアミド、フタラミン酸などのアミド類、またその誘導体、異性体などが挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、ここで用いられるアルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記(a)工程において用いられる化合物(A)のうち、フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物としては、例えば、上記フェノール類とアルデヒド類とを、酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、あるいは、同様に塩基性触媒の存在下で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
また、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物と、アルデヒド類とから合成される化合物としては、例えば、ケトン類とアルデヒド類とを反応させて得られるケトン樹脂類、メラミンとアルデヒド類とを反応させて得られるメラミン樹脂などが挙げられる。
また、タールピッチ類としては、例えば軟化点が100℃〜260℃、固定炭素として50%以上のものが挙げられる。
また、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物と、アルデヒド類とから合成される化合物としては、例えば、ケトン類とアルデヒド類とを反応させて得られるケトン樹脂類、メラミンとアルデヒド類とを反応させて得られるメラミン樹脂などが挙げられる。
また、タールピッチ類としては、例えば軟化点が100℃〜260℃、固定炭素として50%以上のものが挙げられる。
なお、上記化合物(A)は、化合物(A)単独でも用いることができるし、例えば、これを熱硬化させる作用を有する硬化剤や硬化促進剤などを併用することもできる。
例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合には、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを混合したものを用いることができる。このような場合も本発明に含まれる。
例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合には、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを混合したものを用いることができる。このような場合も本発明に含まれる。
上記化合物(A)の中でも、フェノール樹脂、タールピッチ類から選ばれるものを用いることが好ましい。これにより、炭素材用組成物を熱処理した際に得られる炭素材の細孔を緻密化することができる。
本発明の炭素材用組成物の製造方法において、上記化合物(A)は、フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれるものをそのまま用いることができるほか、これらを熱処理して硬化させたもの、これらを硬化剤や硬化促進剤などを用いて硬化させたもの、あるいは、これらを硬化剤や硬化促進剤などを用いて熱処理して硬化させたもの、などを用いることができる。
本発明の炭素材用組成物の製造方法において、上記脱脂処理とは、化合物(A)を所定の条件下で処理することにより、化合物(A)中の液状成分を実質的に除去するとともに、化合物(A)を不融化し、炭素材前駆体(B)とするものである。
具体的には、化合物(A)を、大気中、N2、Arなどの不活性ガス雰囲気中、真空中、あるいは酸化雰囲気中などの条件下で熱処理することにより実施することができる。
具体的には、化合物(A)を、大気中、N2、Arなどの不活性ガス雰囲気中、真空中、あるいは酸化雰囲気中などの条件下で熱処理することにより実施することができる。
上記脱脂処理の条件としては特に限定されないが、処理温度は400〜800℃とすることが好ましい。さらに好ましくは400〜600℃である。これにより、充分に発達した細孔を有する炭素材前駆体(B)を得ることができる。
また、処理時間は特に限定されないが、通常、1〜15時間実施することにより行うことができる。
また、処理時間は特に限定されないが、通常、1〜15時間実施することにより行うことができる。
上記(a)工程で得られる炭素材前駆体(B)の性状としては特に限定されないが、真密度が1.1〜1.5g/cm3のものが好ましい。さらに好ましくは1.2〜1.4g/cm3である。
このような真密度を有する炭素材前駆体(B)を用いることにより、炭素材の真密度を高め、この炭素材を二次電池負極材に適用した場合に、高いエネルギー密度を発現させることができる。また、好適な細孔を充分に形成することができるので、高い充放電特性を発現させることができる。
このような真密度を有する炭素材前駆体(B)を用いることにより、炭素材の真密度を高め、この炭素材を二次電池負極材に適用した場合に、高いエネルギー密度を発現させることができる。また、好適な細孔を充分に形成することができるので、高い充放電特性を発現させることができる。
なお、上記(a)工程の後、脱脂処理したものを平均粒径5〜45μmに粉砕することが好ましい。さらに好ましくは20〜25μmである。これにより、炭素材前駆体(B)の比表面積を適正な水準とすることができ、次の(b)工程において、有機化合物(C)を含浸させる効果をより高めることができる。
炭素材前駆体(B)の比表面積としては特に限定されないが、BET3点法により測定される比表面積が、100〜500m3/gであることが好ましい。さらに好ましくは300〜500m3/gである。
炭素材前駆体(B)の比表面積としては特に限定されないが、BET3点法により測定される比表面積が、100〜500m3/gであることが好ましい。さらに好ましくは300〜500m3/gである。
次に、本発明の炭素材用組成物の製造方法においては、
(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる。
(b)上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる。
上記(b)工程で用いられる有機化合物(C)としては特に限定されないが、例えば、フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物に用いられるフェノール類の項で例示したフェノール類や、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂のようなフェノール類の誘導体のほか、カルボン酸類、アルカン類、アルケン類、ケトン類、エステル類、及び、これらの誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、フェノール類やその誘導体であるフェノール樹脂は、熱処理時の炭素残存率が高い芳香環を有しており、好ましく用いられるものである。
なお、上記(b)工程においては、有機化合物(C)をそのまま用いることもできるし、有機化合物(C)を溶剤などに溶解または分散させた形態で用いることもできる。
これらの中でも、フェノール類やその誘導体であるフェノール樹脂は、熱処理時の炭素残存率が高い芳香環を有しており、好ましく用いられるものである。
なお、上記(b)工程においては、有機化合物(C)をそのまま用いることもできるし、有機化合物(C)を溶剤などに溶解または分散させた形態で用いることもできる。
上記(b)工程で用いられる有機化合物(C)は、融点が200℃以下である。このような有機化合物(C)を用いることにより、(b)工程において、炭素材前駆体(B)への良好な含浸性を発現させることができる。このような目的のためには、有機化合物(C)は、融点が150℃以下であることが好ましい。
また、有機化合物(C)の融点の下限値は特に限定されないが、(b)工程を実施する際の処理温度域において揮発分量が少ない性状を有するものが好ましい。
また、有機化合物(C)の融点の下限値は特に限定されないが、(b)工程を実施する際の処理温度域において揮発分量が少ない性状を有するものが好ましい。
上記(b)工程において、含浸処理を実施する方法としては特に限定されないが、例えば、好ましくは平均粒径5〜45μmに粉砕処理した炭素材前駆体(B)を用い、これを、有機化合物(C)、熱により溶融させた有機化合物(C)、有機化合物(C)を溶剤に溶解したもの、あるいは、有機化合物(C)を溶剤に分散させたもの、などに浸漬し、これを所定の条件で処理する方法により行うことができる。
上記(b)工程の含浸処理条件としては特に限定されないが、処理温度は、100〜300℃であることが好ましい。これにより、炭素材前駆体(B)に有機化合物(C)を効率的に含浸させることができるとともに、炭素材として好適な性状を有するものを得ることができる。
処理温度が上記下限値未満では、有機化合物(C)の融点によっては、炭素材前駆体(B)に対する含浸性が充分でないことがある。一方、上記上限値よりも高いと、炭素材前駆体(B)に対する有機化合物(C)の含浸性は確保できるが、炭素材前駆体(B)そのものが酸化しやすくなるため、後述する炭素材の製造工程において、得られる炭素材の酸素含有量が増加し、それに伴い炭素含有量が低下するため、二次電池負極材として用いる際に好適でないことがある。
このような目的のためには、処理温度は、100〜200℃であることがより好ましく、さらに好ましくは100〜150℃である。
また、処理時間は特に限定されないが、通常、1〜10時間実施することにより行うことができる。
処理温度が上記下限値未満では、有機化合物(C)の融点によっては、炭素材前駆体(B)に対する含浸性が充分でないことがある。一方、上記上限値よりも高いと、炭素材前駆体(B)に対する有機化合物(C)の含浸性は確保できるが、炭素材前駆体(B)そのものが酸化しやすくなるため、後述する炭素材の製造工程において、得られる炭素材の酸素含有量が増加し、それに伴い炭素含有量が低下するため、二次電池負極材として用いる際に好適でないことがある。
このような目的のためには、処理温度は、100〜200℃であることがより好ましく、さらに好ましくは100〜150℃である。
また、処理時間は特に限定されないが、通常、1〜10時間実施することにより行うことができる。
上記(b)工程において、炭素材前駆体(B)と有機化合物(C)との重量配合比(B:C)としては特に限定されないが、95:5〜50:50であることが好ましく、さらに好ましくは95:5〜60:40である。より好ましくは90:10〜70:30である。
上記配合比は、炭素材前駆体(B)及び有機化合物(C)の種類、あるいは、炭素材前駆体(B)が有する比表面積、細孔容積などにより、最適な配合比を選択することができる。
有機化合物(C)の配合割合が上記下限値より少ないと、炭素材前駆体(B)が有する細孔への有機化合物(C)の充填が充分でなく、最終的に得られる炭素材の細孔を充分に緻密化できないことがある。
一方、上記上限値より多いと、炭素材前駆体(B)の細孔は充填されるが、後述する(c)工程で得られる炭素材の収率(炭化収率)が低下し、経済的でないことがある。
上記配合比は、炭素材前駆体(B)及び有機化合物(C)の種類、あるいは、炭素材前駆体(B)が有する比表面積、細孔容積などにより、最適な配合比を選択することができる。
有機化合物(C)の配合割合が上記下限値より少ないと、炭素材前駆体(B)が有する細孔への有機化合物(C)の充填が充分でなく、最終的に得られる炭素材の細孔を充分に緻密化できないことがある。
一方、上記上限値より多いと、炭素材前駆体(B)の細孔は充填されるが、後述する(c)工程で得られる炭素材の収率(炭化収率)が低下し、経済的でないことがある。
本発明の炭素材用組成物の製造方法においては、上記(a)、(b)工程を経ることにより、以下の効果を発現できると考えられる。
まず、炭素材前駆体(B)に有機化合物(C)を含浸させることで、炭素材前駆体(B)が有する大きな細孔が有機化合物(C)により充填される。そして、これを後述する(c)工程において炭化処理することで、含浸した有機化合物(C)が炭化され、炭素材前駆体(B)の表面及び内部に緻密化された細孔を形成することができる。
このようにして得られた炭素材を二次電池用負極材に用いて充放電を行った際には、Liイオンを挿入するが脱離しにくいような、いわゆる不可逆的な細孔を減少させることができ、二次電池用負極材として良好な充放電特性を付与することができる。
また、炭素材前駆体(B)の表面及び内部に有機化合物(C)を含浸させるために、得られる炭素材の真密度を高めることができる。炭素材の真密度が高いと、二次電池用負極材として用いた場合に、二次電池のエネルギー密度を向上させることができるので、大きな利点とすることができる。
まず、炭素材前駆体(B)に有機化合物(C)を含浸させることで、炭素材前駆体(B)が有する大きな細孔が有機化合物(C)により充填される。そして、これを後述する(c)工程において炭化処理することで、含浸した有機化合物(C)が炭化され、炭素材前駆体(B)の表面及び内部に緻密化された細孔を形成することができる。
このようにして得られた炭素材を二次電池用負極材に用いて充放電を行った際には、Liイオンを挿入するが脱離しにくいような、いわゆる不可逆的な細孔を減少させることができ、二次電池用負極材として良好な充放電特性を付与することができる。
また、炭素材前駆体(B)の表面及び内部に有機化合物(C)を含浸させるために、得られる炭素材の真密度を高めることができる。炭素材の真密度が高いと、二次電池用負極材として用いた場合に、二次電池のエネルギー密度を向上させることができるので、大きな利点とすることができる。
次に、本発明の炭素材の製造方法、及び、この製造方法により得られる炭素材について説明する。
本発明の炭素材の製造方法は、
(c)上記本発明の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有する。
本発明の炭素材の製造方法は、
(c)上記本発明の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有する。
上記(c)工程は、上記本発明の炭素材用組成物を、好ましくはN2、Arなどの不活性ガス雰囲気中、真空中、あるいは、微量の水素、酸素を混合した実質的に不活性雰囲気中で熱処理して、炭素材を製造するものである。
上記(c)工程における炭化処理条件としては特に限定されないが、処理温度は900〜1400℃で行うことが好ましい。さらに好ましくは1000〜1300℃である。これにより、充分に緻密化された細孔を有する炭素材を得ることができる。
上記炭化処理温度までの昇温速度としては特に限定されないが、通常、50〜200℃/時で昇温を行うことができる。これより速いと、炭化処理時の温度制御が難しくなることがある。冷却速度についても特に限定されないが、通常、50〜400℃/時で冷却を行うことができる。なお、不活性雰囲気下を開放する温度は、室温〜100℃とすることができる。
また、処理時間としては特に限定されないが、通常、1〜15時間で行うことができる。
上記炭化処理温度までの昇温速度としては特に限定されないが、通常、50〜200℃/時で昇温を行うことができる。これより速いと、炭化処理時の温度制御が難しくなることがある。冷却速度についても特に限定されないが、通常、50〜400℃/時で冷却を行うことができる。なお、不活性雰囲気下を開放する温度は、室温〜100℃とすることができる。
また、処理時間としては特に限定されないが、通常、1〜15時間で行うことができる。
このようにして得られた本発明の炭素材は、炭素材表面に好適な大きさを有する細孔が多数形成されたものであり、リチウムイオン電池の負極材として用いた場合に、充放電効率に優れ、高い容量、及び、高いエネルギー密度を発現することができるものである。
以下、本発明を実施例により説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。
また、初期充放電効率の算出を除き、実施例、比較例で示される「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
また、初期充放電効率の算出を除き、実施例、比較例で示される「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
本発明の実施例で用いた原材料は、以下の通りである。
(1)ノボラック型フェノール樹脂A:住友ベークライト社製・「PR−50731」、融点95℃
(2)ノボラック型フェノール樹脂B:住友ベークライト社製・「PR−13349」、融点73℃
(3)レゾール型フェノール樹脂A:住友ベークライト社製・「PR−51723」、融点77℃
(4)レゾール型フェノール樹脂B:住友ベークライト社製・「PR‐175」、融点60.5℃
(5)アジピン酸:関東化学社製、融点153℃
(6)2,3−キシレノール:関東化学社製、融点72.6℃
(1)ノボラック型フェノール樹脂A:住友ベークライト社製・「PR−50731」、融点95℃
(2)ノボラック型フェノール樹脂B:住友ベークライト社製・「PR−13349」、融点73℃
(3)レゾール型フェノール樹脂A:住友ベークライト社製・「PR−51723」、融点77℃
(4)レゾール型フェノール樹脂B:住友ベークライト社製・「PR‐175」、融点60.5℃
(5)アジピン酸:関東化学社製、融点153℃
(6)2,3−キシレノール:関東化学社製、融点72.6℃
1.炭素材の製造
(実施例1)
(a)ノボラック型フェノール樹脂A1000部に対して、ヘキサメチレンテトラミン100部を卓上粉砕機を用いて粉砕混合した後、200℃のオーブン中で2時間処理して硬化させ、化合物(A)を調製した。これを、500℃にて2時間脱脂処理を行った後、卓上粉砕機を用いて平均粒径20μmに粉砕して、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、レゾール型フェノール樹脂B100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)上記炭素材用組成物を、窒素雰囲気下にて100℃/時で昇温して、1100℃に到達した後、3時間維持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(実施例1)
(a)ノボラック型フェノール樹脂A1000部に対して、ヘキサメチレンテトラミン100部を卓上粉砕機を用いて粉砕混合した後、200℃のオーブン中で2時間処理して硬化させ、化合物(A)を調製した。これを、500℃にて2時間脱脂処理を行った後、卓上粉砕機を用いて平均粒径20μmに粉砕して、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、レゾール型フェノール樹脂B100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)上記炭素材用組成物を、窒素雰囲気下にて100℃/時で昇温して、1100℃に到達した後、3時間維持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(実施例2)
(a)実施例1と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、ノボラック型フェノール樹脂B250部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)750部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)実施例1と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、ノボラック型フェノール樹脂B250部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)750部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(実施例3)
(a)レゾール型フェノール樹脂A1000部を、150℃のオーブン中で3時間熱処理して硬化させ、化合物(A)を調製した。これを、500℃にて2時間脱脂処理を行った後、卓上粉砕機を用いて平均粒径20μmに粉砕して、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、ノボラック型フェノール樹脂B100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間処理含浸して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)レゾール型フェノール樹脂A1000部を、150℃のオーブン中で3時間熱処理して硬化させ、化合物(A)を調製した。これを、500℃にて2時間脱脂処理を行った後、卓上粉砕機を用いて平均粒径20μmに粉砕して、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、ノボラック型フェノール樹脂B100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間処理含浸して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(実施例4)
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、ノボラック型フェノール樹脂B250部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)750部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、ノボラック型フェノール樹脂B250部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)750部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(実施例5)
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、アジピン酸100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、アジピン酸100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(実施例6)
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、アジピン酸(融点300部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)700部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、アジピン酸(融点300部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)700部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(実施例7)
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、アジピン酸400部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)600部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、アジピン酸400部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)600部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(実施例8)
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、2,3−キシレノール100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(a)実施例3と同様の方法で行い、炭素材前駆体(B)を得た。
(b)有機化合物(C)として、2,3−キシレノール100部を用い、これをメタノール1000部に溶解混合した。これに、上記炭素材前駆体(B)900部を混合して、150℃で1時間含浸処理して、炭素材用組成物を得た。
(c)実施例1と同様の方法で行い、炭素材を得た。
(比較例1)
ノボラック型フェノール樹脂A1000部に対して、ヘキサメチレンテトラミン100部を粉砕混合したものを、150℃のオーブン中で3時間熱処理した。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μmに粉砕を行った。これを炭素材前駆体とした。
得られた粉砕物を、窒素雰囲気下にて100℃/時で昇温して、1100℃に到達した後、3時間維持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
ノボラック型フェノール樹脂A1000部に対して、ヘキサメチレンテトラミン100部を粉砕混合したものを、150℃のオーブン中で3時間熱処理した。その後、卓上粉砕機を用いて平均粒径が20μmに粉砕を行った。これを炭素材前駆体とした。
得られた粉砕物を、窒素雰囲気下にて100℃/時で昇温して、1100℃に到達した後、3時間維持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
2.評価
2.1 炭素材前駆体、炭素材の評価
(1)真密度
上記で得られた炭素材前駆体(B)及び炭素材について、溶媒含浸法により測定した。
測定溶媒として、ブタノール(関東化学社製、試薬、99.9%、密度0.8100ml/g)を用い、所定の体積を有する容器に、炭素前駆体(B)又は炭素材を仕込んだ後、ブタノールを流し込み、容器が炭素前駆体(B)又は炭素材と、ブタノールとで満たされた状態を飽和状態とした。その飽和状態より、以下の式を用いて、炭素前駆体(B)又は炭素材の真密度を算出した。
真密度=[炭素前駆体(B)又は炭素材](g)/[容器体積(ml)−ブタノール量(g)/ブタノール密度]
2.1 炭素材前駆体、炭素材の評価
(1)真密度
上記で得られた炭素材前駆体(B)及び炭素材について、溶媒含浸法により測定した。
測定溶媒として、ブタノール(関東化学社製、試薬、99.9%、密度0.8100ml/g)を用い、所定の体積を有する容器に、炭素前駆体(B)又は炭素材を仕込んだ後、ブタノールを流し込み、容器が炭素前駆体(B)又は炭素材と、ブタノールとで満たされた状態を飽和状態とした。その飽和状態より、以下の式を用いて、炭素前駆体(B)又は炭素材の真密度を算出した。
真密度=[炭素前駆体(B)又は炭素材](g)/[容器体積(ml)−ブタノール量(g)/ブタノール密度]
(2)BET比表面積
上記で得られた炭素材前駆体について、ユアサ社製Nova−1200を用いてBET3点法(0.05<P/Po<0.35)により測定した。具体的な測定方法は以下の通り。
(1)式より、単分子吸着量Wm、(2)式より総表面積Stotalを算出し、(3)式より比表面積Sを求めた。
1/[W(Po/P−1)=(C−1)/WmC(P/Po)/WmC・・・・・(1)
P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力
Po:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧
W:吸着平衡圧Pにおける吸着量
Wm:単分子層吸着量
C:固体表面と吸着質との相互作用の大きさに関する定数(C=exp{(E1−E2)RT})
E1:第一層の吸着熱(kJ/mol)
E2:吸着質の測定温度における液化熱(kJ/mol)
Stotal=(WmNAcs)M・・・・・・・・・(2)
N:アボガドロ数
M:分子量
Acs:吸着断面積
S=Stotal/w・・・・・・(3)
w:サンプル重量(g)
上記で得られた炭素材前駆体について、ユアサ社製Nova−1200を用いてBET3点法(0.05<P/Po<0.35)により測定した。具体的な測定方法は以下の通り。
(1)式より、単分子吸着量Wm、(2)式より総表面積Stotalを算出し、(3)式より比表面積Sを求めた。
1/[W(Po/P−1)=(C−1)/WmC(P/Po)/WmC・・・・・(1)
P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力
Po:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧
W:吸着平衡圧Pにおける吸着量
Wm:単分子層吸着量
C:固体表面と吸着質との相互作用の大きさに関する定数(C=exp{(E1−E2)RT})
E1:第一層の吸着熱(kJ/mol)
E2:吸着質の測定温度における液化熱(kJ/mol)
Stotal=(WmNAcs)M・・・・・・・・・(2)
N:アボガドロ数
M:分子量
Acs:吸着断面積
S=Stotal/w・・・・・・(3)
w:サンプル重量(g)
(3)炭化収率
上記で得られた炭素材について、炭化処理前後の重量から、下記式により算出した。
炭化収率(%)=(炭化処理後の重量/炭化処理前の重量)×100
上記で得られた炭素材について、炭化処理前後の重量から、下記式により算出した。
炭化収率(%)=(炭化処理後の重量/炭化処理前の重量)×100
2.2 負極材としての電池特性の評価
(1)正極の作製
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、これにアセチレンブラックとポリビニリデンフルオライド(PVDF)とをそれぞれ5%の割合で配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加えて混合し、スラリー状の正極混合物を調製した。
この正極スラリー状混合物を25μmのアルミ箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ280mmの大きさに切り出し正極を作製した。この正極の両端10mmの部分はアルミ箔が露出しており、この一方に正極タブを圧着した。
(1)正極の作製
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、これにアセチレンブラックとポリビニリデンフルオライド(PVDF)とをそれぞれ5%の割合で配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加えて混合し、スラリー状の正極混合物を調製した。
この正極スラリー状混合物を25μmのアルミ箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ280mmの大きさに切り出し正極を作製した。この正極の両端10mmの部分はアルミ箔が露出しており、この一方に正極タブを圧着した。
(2)負極の作製
実施例及び比較例で得られた炭素材を用い、これに対して結合剤としてポリフッ化ビニリデン10%、アセチレンブラック3%の割合でそれぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極混合物を調製した。
この負極混合物を10μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。この負極の両端10mmの部分は銅箔が露出しており、この一方に負極タブを圧着した。
実施例及び比較例で得られた炭素材を用い、これに対して結合剤としてポリフッ化ビニリデン10%、アセチレンブラック3%の割合でそれぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極混合物を調製した。
この負極混合物を10μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。この負極の両端10mmの部分は銅箔が露出しており、この一方に負極タブを圧着した。
(3)二次電池の作製
上記正極、セパレータ(ポリプロピレン製多孔質フィルム:幅45mm、厚さ25μm)、上記負極、セパレータ、上記正極・・・の順で、上記負極が外側になるよう渦巻き状に捲回して電極を作製した。作製した電極を単三型の電池缶に挿入して、負極タブを缶底と溶接した。さらに、電解液としてエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液(体積比が1:1)に、過塩素酸リチウムを1[モル/リットル]の濃度で溶解させたものを用意し、これを上記電池缶内に注入した後、正極タブを正極蓋に溶接し、正極蓋をしめ付けて二次電池を作製した。
上記正極、セパレータ(ポリプロピレン製多孔質フィルム:幅45mm、厚さ25μm)、上記負極、セパレータ、上記正極・・・の順で、上記負極が外側になるよう渦巻き状に捲回して電極を作製した。作製した電極を単三型の電池缶に挿入して、負極タブを缶底と溶接した。さらに、電解液としてエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液(体積比が1:1)に、過塩素酸リチウムを1[モル/リットル]の濃度で溶解させたものを用意し、これを上記電池缶内に注入した後、正極タブを正極蓋に溶接し、正極蓋をしめ付けて二次電池を作製した。
(4)評価
充電容量については、充電時の電流密度を25mA/gとして定電流充電を行い、電位が0Vに達した時点から、0Vで定電圧充電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに充電した電気量を充電容量とした。
放電容量については、放電時の電流密度を25mA/gとして定電流放電を行い、電位が2.5Vに達した時点から、2.5Vで定電圧放電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに放電した電気量を放電容量とした。
上記各々の1サイクル目の充電容量を初期充電容量、放電容量を初期放電容量といい、両者の比率(初期放電容量/初期充電容量)を初期充放電効率(%)とした。
充電容量については、充電時の電流密度を25mA/gとして定電流充電を行い、電位が0Vに達した時点から、0Vで定電圧充電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに充電した電気量を充電容量とした。
放電容量については、放電時の電流密度を25mA/gとして定電流放電を行い、電位が2.5Vに達した時点から、2.5Vで定電圧放電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに放電した電気量を放電容量とした。
上記各々の1サイクル目の充電容量を初期充電容量、放電容量を初期放電容量といい、両者の比率(初期放電容量/初期充電容量)を初期充放電効率(%)とした。
以上の評価結果を表1、表2に示す。
表の結果より、実施例1〜7はいずれも、炭素材前駆体(B)に特定の有機化合物(C)を含浸させてなる炭素材用組成物を炭化処理した本発明の炭素材であり、真密度の高い炭素材を得ることができた。また、これを用いた負極材により電池特性を評価した結果、初期放電容量、初期充放電効率とも高いものを得ることができた。
比較例1は、特定の有機化合物(C)を含浸させていないものであり、真密度が低く、初期充放電効率も低いものとなった。
比較例1は、特定の有機化合物(C)を含浸させていないものであり、真密度が低く、初期充放電効率も低いものとなった。
本発明は、フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、上記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有する炭素材用組成物の製造方法、及び、これを炭化処理する工程を有する炭素材の製造方法、ならびに、上記製造方法により得られた炭素材用組成物と炭素材である。本発明の炭素材は、二次電池負極材として用いた場合に、高い充放電効率、高い充放電容量を有するものである。
Claims (10)
- (a)フェノール類とアルデヒド類とから合成される化合物、アルデヒド類と反応性を有する有機化合物とアルデヒド類とから合成される化合物、及び、タールピッチ類から選ばれる化合物(A)を脱脂処理して、炭素材前駆体(B)を調製する工程と、
(b)前記炭素材前駆体(B)に、融点が200℃以下である有機化合物(C)を含浸させる工程と、を有することを特徴とする、炭素材用組成物の製造方法。 - 前記化合物(A)は、フェノール樹脂、タールピッチ類から選ばれるものである請求項1に記載の炭素材用組成物の製造方法。
- 前記有機化合物(C)は、フェノール類、及び、フェノール類の誘導体から選ばれるものである請求項1又は2に記載の炭素材用組成物の製造方法。
- 前記炭素材前駆体(B)と、有機化合物(C)との重量比(B:C)が、95:5〜50:50である、請求項1ないし3のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
- 前記(a)工程における脱脂処理は、400〜800℃で行われるものである、請求項1ないし4のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
- 前記(b)工程における含浸処理は、100〜300℃で行われるものである、請求項1ないし5のいずれかに記載の炭素材用組成物の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする炭素材用組成物。
- (c)請求項7に記載の炭素材用組成物を、炭化処理する工程、
を有することを特徴とする、炭素材の製造方法。 - 前記(c)工程における炭化処理は、900〜1400℃で行われるものである、請求項8に記載の炭素材の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする炭素材。
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