JP2007266158A - 電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方法、これを含有する電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェノール樹脂を含有するフェノール樹脂組成物を熱処理することにより炭素前駆体を得る工程(a)と、炭素前駆体を不活性雰囲気下で、600〜900℃の温度で炭化処理する工程(b)とを有する製造方法によって、BET比表面積が300〜800m2/g、平均細孔径が10〜20nm、平均粒子径が5〜25μmの炭素材を得ることができる。
【選択図】なし
Description
この炭素材料は、椰子がら、おがくず、材木等の植物由来の炭素源、セルロース繊維、ポリアクリロニトリル、フルフリルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂等の合成高分子系炭素源、コークス、ピッチ等の石炭・石油系原料由来の炭素源などを用い、これを炭素化、賦活することにより製造されたものが用いられている(例えば、特許文献4〜6参照。)。
これらの炭素材料には、炭素化工程、賦活工程において形成された様々な細孔径の細孔が存在し、これらの細孔中及び細孔間において、電解液、電解質の拡散・移動が起こることで電気の流れが起こる。
しかし、炭素材料が有する細孔が多くなるのに伴い炭素材料の密度が減少するため、単位重量当りの静電容量の低下が起こり、また、炭素材料が有する微細な細孔の増加による電解質イオンの拡散速度の低下、電極の抵抗の増加などが起こるという問題点があった。
(1)電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法であって、
フェノール樹脂を含有するフェノール樹脂組成物を熱処理することにより、炭素前駆体を得る工程(a)と、
前記炭素前駆体を、実質的に不活性雰囲気下で、600〜900℃の温度で炭化処理する工程(b)と、
を有することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
(2)前記工程(a)における熱処理は、100〜200℃で行うものである(1)に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
(3)前記工程(a)における熱処理は、さらに、400〜600℃で行うものである(1)又は(2)に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
(4) 請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする電気二重層キャパシタ用炭素材。
(5)BET法により測定された比表面積が300〜800m2/gである、(4)に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材。
(6)平均細孔径が10〜20nmである、(4)又は(5)に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材。
(7)平均粒子径が5〜25μmである、(4)ないし(6)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用炭素材。
(8)請求項4ないし7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用炭素材を用いることを特徴とする、電気二重層キャパシタ。
本発明の電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)は、
フェノール樹脂を含有するフェノール樹脂組成物を熱処理することにより、炭素前駆体を得る工程(a)と、
上記炭素前駆体を、実質的に不活性雰囲気下で、600〜900℃の温度で炭化処理する工程(b)と、
を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電気二重層キャパシタ用炭素材(以下、単に「炭素材」ということがある)は、上記本発明の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
そして、本発明の電気二重層キャパシタは、上記本発明の炭素材を含有する電極を有することを特徴とするものである。
本発明の製造方法では、フェノール樹脂を含有するフェノール樹脂組成物を用いる。フェノール樹脂は炭素含有率が高いため、これを含有するフェノール樹脂組成物を用いることで、炭素材の収率を高めることができる。また、炭素材を低コストで製造することができる。
ここでフェノール樹脂組成物とは、特に限定されないが、フェノール樹脂単独から構成されるもの、フェノール樹脂と硬化剤とから構成されるもののほか、フェノール樹脂あるいはフェノール樹脂と硬化剤との他に別の成分を含有するものを挙げることができる。
硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド源、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などが挙げられる。
これにより、フェノール樹脂の三次元架橋化が促進され、この後の工程で熱処理を行った際にも熱分解しにくく、炭素含有量が多い炭素材を得ることができる。この炭素前駆体を得る工程のための時間としては、例えば、10〜100分間実施することができる。
上記炭素前駆体は、フェノール樹脂組成物を実質的に完全に硬化させたものであってもよいし、半硬化させたものであってもよい。例えば、実質的に完全に硬化させた場合には、後述する工程(b)において炭化のための熱処理を行った際に熱溶融せず、熱処理後の構造を保持しながら固相で炭化することができる。
本発明の製造方法においては、後述するように、炭素前駆体の粉砕品を得た後、これを熱処理する工程を有することができるが、その場合に、炭素前駆体の粉砕品を得る工程を有することにより、熱処理を行うことによる効果をより高めることができる。
この工程で得られる炭素前駆体の粉砕品の粒径としては、平均粒径40〜60μmであることが好ましい。これにより、上記作用を効果的に発現させることができる。
これにより、炭素前駆体中に含有される炭素以外の成分や、未反応のフェノール樹脂の低分子量成分などを除去することができる。
上記処理条件としては、400〜600℃の温度範囲で、0.1〜50時間実施することができる。
特に、温度範囲を上記範囲で実施することにより、炭素前駆体中に含有される炭素以外の成分や、炭素前駆体中に含まれている低分子量成分などを効率的に除去することができるので、400〜600℃で熱処理した炭素前駆体の炭素含有率を高めることができる。上記熱処理は、上記炭素前駆体を粉砕した状態でもしない状態でも実施できるが、上記のように粉砕した方が好ましい。
処理温度を上記範囲とすることで、後述する工程(b)の前に上記炭素前駆体を再度粉砕する工程を有する場合に、粉砕性を良好なものにすることができると共に、得られる炭素材の細孔径を大きくすることができる。
上記炭素前駆体を、実質的に不活性雰囲気下で、600〜900℃の温度で炭化処理する工程(b)、
を有する。
これにより、炭素前駆体から、炭素−炭素網目構造を有する炭素材を得ることができる。
上記工程(b)における処理温度が上記下限値より低いと、炭素材中に含有される炭素以外の原子、例えば、水素、酸素、窒素などの割合が高くなるため、本発明の製造方法で得られた炭素材を電気二重層キャパシタに適用した際に、サイクル性が低下することがある。また、処理温度が上記上限値より高いと、炭素材の細孔径、細孔容積が小さくなり、静電容量が小さくなることがある。
上記工程(b)のための時間としては、例えば、0.1〜50時間実施することができる。
ここで実質的に不活性下とは、例えば、不活性ガス雰囲気下、真空下などで実施することをいう。具体的には、不活性雰囲気の度合いとしては、酸素や水素などの活性な気体の分圧が0ppmから1000ppmの雰囲気のことをいう。上記工程(b)の不活性度として好ましくは、0から1000ppm、より好ましくは0から100ppmである。上記範囲以上であると、熱処理中に酸素や水素などの活性な気体が炭素材表面の炭素原子と結合し低分子気体として分解してしまうため、得られる炭素材収率が低下してしまうため産業上好ましくない。
本発明の炭素材は、上記本発明の製造方法により得られるものであることを特徴とする。
なお、本発明の炭素材においては、細孔径10nm未満の細孔、あるいは、20nmを越える細孔を有していることもできる。
特に、本発明の製造方法は、フェノール樹脂組成物から得られる炭素前駆体を、実質的に不活性雰囲気下で、600〜900℃の温度で炭化処理する工程を有する。これにより、上記平均細孔径、及び、比表面積を有する炭素材を効率的に製造することができる。
本発明の製造方法で得られた炭素材を測定試料として、これを島津製作所製・細孔分布測定装置装置「ASAP2010」を用いて、623Kで真空加熱前処理することで吸着ガスを脱着、プローブガスとしてN2を用い、液体窒素温度下、絶対圧15mmHg、相対圧0.005〜0.86の範囲で77.3Kでの吸着等温線を測定し、得られた吸着媒質の比表面積・吸着量から吸着層の厚さtを介し、HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式をもとに平均細孔水理半径を算出し、細孔容積を次式に基づいて計算する。
t:吸着層の統計的厚さ
M:吸着質の分子量
Va:吸着媒単位重量当りの吸着量
Vsp:吸着質ガスの比容積
S:吸着媒の比表面積
tI:Ithポイントの厚み
HP1:Halseyパラメーター#1
HP2:Halseyパラメーター#2
HP3:Halseyパラメーター#3
PrelI:Ithポイントの相対圧力(mmHg)
(RIの2倍が細孔径に相当する)
Ithポイント目に遮断した細孔表面積の増分ΔS:ΔS=SI-1−SI
Ithポイント目に遮断した積算細孔表面積(m2/g):S=S1+S2+S3+・・・・・Sn
Ithポイント目に遮断した細孔容積の増分ΔV:
ΔV=(S×104cm2/m2)×(RI×10-8cm/Å)
Ithポイント目の細孔容積(cm3/g):ΔV/ΔRI=ΔV/tI−tI-1
なお、上記Ithポイント目というのは、各相対圧による個々の測定ポイントのことをいう。
本発明の製造方法で得られた炭素材を測定試料として、これを、ユアサ社製「Nova−1200」を用いて、BET3点法(0.05<P/Po<0.35)により測定する。具体的な測定方法は以下に示す。
下記(1)式より、単分子吸着量Wm、(2)式より総表面積Stotalを算出し、(3)式より比表面積Sを算出する。
1/[W(Po/P−1)=(C−1)/WmC(P/Po)/WmC・・・・・(1)
P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力
Po:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧
W:吸着平衡圧Pにおける吸着量
Wm:単分子層吸着量
C:固体表面と吸着質との相互作用の大きさに関する定数(C=exp{(E1−E2)RT})
E1:第一層の吸着熱(kJ/mol)
E2:吸着質の測定温度における液化熱(kJ/mol)
Stotal=(WmNAcs)M・・・・・・・・・(2)
N:アボガドロ数
M:分子量
Acs:吸着断面積
S=Stotal/w・・・・・・(3)
w:サンプル重量(g)
本発明の炭素材を上記平均粒子径とする方法としては、本発明の製造方法において、上記工程(b)の後に炭素材を上記平均粒子径まで粉砕処理する工程を設ける方法のほか、上記工程(a)において、上記工程(b)の前段階で、炭素前駆体を上記平均粒子径まで粉砕処理する工程を設ける方法、などにより得ることができる。
本発明の電気二重層キャパシタは、上記本発明の炭素材を含有する電極を有することを特徴とするものである。
電極の作製方法としては、例えば、炭素材の粉末、結合材、及び、導電材とをアルコール等の溶媒の存在下で混練してシート状に成形し、乾燥した後、導電性接着剤等を介して集電体と接合させることにより得ることができる。また、炭素材、結合材、及び、導電材を有機溶媒と混合してスラリーとし、集電体金属箔の上にコートし、乾燥することで集電体と一体化された電極を得ることもできる。
電極中の結合材の含有量は、炭素材と結合材の合計全体に対して、0.5〜20重量%程度とすることができ、0.5〜10重量%とすることが好ましい。これにより、電極の機械的強度と容量とのバランスを好適なものとすることができる。
結合材の含有量が上記下限値未満であると電極の機械的強度が低下することがある。また、上記上限値を超えると電気抵抗の増大や容量の低下が起こることがある。
電極中の導電材の配合量は、本発明の炭素材に対して、5〜40重量%とすることができ、10〜30重量%とすることが好ましい。これにより、導電性と静電容量とのバランスを好適なものとすることができる。
導電材の含有量が上記下限値未満であると導電性が充分でないことがある。また、上記上限値を超えると電極の静電容量が減少することがある。
上記集電体の形状としては、箔状でもよいし、三次元構造を有してもよい。
電極材料をドクターブレード法により集電体に塗布し、乾燥した後、成型厚さ0.5mmのシート形態とした後、これよりパンチング治具で19mmφに切り抜き、2枚の電極部材を得る。この成型した電極部材を正極および負極とし、セパレーターを介して対向させ、不活性ガス雰囲気下、プロピレンカーボネート溶媒に、1mol/lのEt4 NBF4 電解質を溶解した溶液を含浸させた後、ケースを封止して、電気二重層キャパシタを作成する。
[実施例1]
市販のレゾール型フェノール樹脂のメタノール溶液(住友ベークライト社製・「PR−50087」)1000重量部を、電気炉中130℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させ、炭素前駆体を得た。得られた炭素前駆体を、卓上粉砕機を用いて平均粒子径50μmに粉砕した。これを、500℃まで100℃/時で昇温して、500℃で1時間保持した後、室温まで冷却して、その後、ボールミル粉砕装置を用いて平均粒子径15μmまで粉砕を行い、炭素前駆体粉末を得た。
上記炭素前駆体粉末を、窒素ガス流通下、実質的に不活性雰囲気下で800℃まで100℃/時で昇温して、800℃で1時間保持後、室温まで冷却して、粉末状の炭素材Aを得た。
市販のレゾール型フェノール樹脂のメタノール溶液(住友ベークライト社製・「PR−50087」)1000重量部を、電気炉中130℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させ、炭素前駆体を得た。得られた炭素前駆体を、卓上粉砕機を用いて平均粒子径50μmに粉砕した。これを、600℃まで100℃/時で昇温して、600℃で1時間保持した後、室温まで冷却して、その後、ボールミル粉砕装置を用いて平均粒子径15μmまで粉砕を行い、炭素前駆体粉末を得た。
上記炭素前駆体粉末を、窒素ガス流通下、実質的に不活性雰囲気下で800℃まで100℃/時で昇温して、800℃で1時間保持後、室温まで冷却して、粉末状の炭素材Bを得た。
市販のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−50731」)1000重量部と、ヘキサメチレンテトラミン100重量部とを粉砕混合した後、電気炉中130℃で3時間、熱処理を行い、炭素前駆体を得た。得られた炭素前駆体を、卓上粉砕機を用いて平均粒子径50μmに粉砕した。これを、500℃まで100℃/時で昇温して、500℃で3時間保持した後、室温まで冷却して、その後、ボールミル粉砕装置を用いて平均粒子径15μmまで粉砕を行い、炭素前駆体粉末を得た。
上記炭素前駆体粉末を、窒素ガス流通下、実質的に不活性雰囲気下で800℃まで100℃/時で昇温して、800℃で3時間保持後、室温まで冷却して、粉末状の炭素材Cを得た。
市販のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−50731」)1000重量部と、ヘキサメチレンテトラミン100重量部とを粉砕混合した後、電気炉中130℃で3時間、熱処理を行い、炭素前駆体を得た。得られた炭素前駆体を、卓上粉砕機を用いて平均粒子径50μmに粉砕した。これを、450℃まで100℃/時で昇温して、450℃で3時間保持した後、室温まで冷却して、その後、ボールミル粉砕装置を用いて平均粒子径15μmまで粉砕を行い、炭素前駆体粉末を得た。
上記炭素前駆体粉末を、窒素ガス流通下、実質的に不活性雰囲気下で800℃まで100℃/時で昇温して、800℃で1時間保持後、室温まで冷却して、粉末状の炭素材Dを得た。
市販のレゾール型フェノール樹脂のメタノール溶液(住友ベークライト社製・「PR−50087」)1000重量部を、電気炉中80℃で3時間、熱処理を行いながらメタノールを揮発除去させた後、600℃まで100℃/時で昇温して、600℃で3時間保持した後、室温まで冷却して、その後、ボールミル粉砕装置を用いて平均粒子径15μmまで粉砕を行い、炭素前駆体粉末を得た。
上記炭素前駆体粉末を、窒素ガス流通下、実質的に不活性雰囲気下で1000℃まで100℃/時で昇温して、1000℃で6時間保持後、室温まで冷却して、粉末状の炭素材Eを得た。
市販のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−50731」)1000重量部と、ヘキサメチレンテトラミン100重量部とを粉砕混合した後、電気炉中130℃で3時間、熱処理を行い、炭素前駆体を得た。得られた炭素前駆体を、卓上粉砕機を用いて平均粒子径50μmに粉砕した。これを、450℃まで100℃/時で昇温して、450℃で3時間保持した後、室温まで冷却して、その後、ボールミル粉砕装置を用いて平均粒子径15μmまで粉砕を行い、炭素前駆体粉末を得た。次に、得られた炭素前駆体粉末100重量部と水酸化カリウムペレット(純度95%)200重量部とを混合してSUS製の容器に投入し、窒素気流中で730℃まで100℃/時で昇温し、730℃にて3時間保持してアルカリ賦活を行った。さらに、これを常温に冷却後、取り出し、90℃の温水にて洗浄し、さらに塩酸水で洗浄を行い、150℃で乾燥後、炭素材Fを得た。
実施例及び比較例で得られた炭素材について、下記の項目の評価を行った。
(1)平均細孔径
炭素材を予め、真空中350℃で12時間以上処理し、炭素材表面より吸着物質を完全に除去した条件により、相対圧0.0005〜0.86の範囲で液体窒素温度下、窒素ガスを吸着させて得られた吸着等温線をMP(Micro Pore)法で解析して、細孔直径と細孔容積の関係を算出することにより求めた。装置は島津製作所社製のASAP2010を使用した。
上記窒素ガス吸着等温線の相対圧力0.0005 〜0.05の範囲においてBET3点法で解析して算出した。
(1)正極、及び負極の作製
上記で得られた炭素材80質量%、導電材としてファーネスブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製ケッチェンブラックEC)10質量%、及び結着材としてポリテトラフルオロエチレン10質量%からなる混合物にN―メチル−ピロリドンを添加しつつ混練し、スラリー状の混合物を調整した。
このスラリー状の混合物を厚み25μmのアルミ箔表面に塗布し、その後、130℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出して、正極と負極を作製した。この正極及び負極はいずれも両端10mmの部分はアルミ箔が露出しており、この一方に各々正極タブ、負極タブを圧着した。
上記で作製した正極、負極を130℃で4時間真空乾燥した後、N2雰囲気中で1mol/lの濃度の(C2H5)3(CH3)NBF4を含有するプロピレンカーボネート溶液を電極に含浸させた。次いで、ポリプロピレン製不織布セパレータを介して両極を対向させ、ポリプロピレン製絶縁ガスケットを用いてかしめ封口し、コイン型電気二重層キャパシタを作製した。
上記で得られたコイン型電気二重層キャパシタに2.5Vの電圧を印加し、静電容量を測定した。
炭素材及び電気二重層キャパシタの評価結果を表1に示す。
Claims (8)
- 電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法であって、
フェノール樹脂を含有するフェノール樹脂組成物を熱処理することにより、炭素前駆体を得る工程(a)と、
前記炭素前駆体を、実質的に不活性雰囲気下で、600〜900℃の温度で炭化処理する工程(b)と、
を有することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。 - 前記工程(a)における熱処理は、100〜200℃で行うものである請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
- 前記工程(a)における熱処理は、さらに、400〜600℃で行うものである請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする電気二重層キャパシタ用炭素材。
- BET法により測定された比表面積が300〜800m2/gである、請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材。
- 平均細孔径が10〜20nmである、請求項4又は5に記載の電気二重層キャパシタ用炭素材。
- 平均粒子径が5〜25μmである、請求項4ないし6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用炭素材。
- 請求項4ないし7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用炭素材を用いることを特徴とする、電気二重層キャパシタ。
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