JP2006084968A - 定着方法および定着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着するに際し、少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなる定着ロール対を用い、記録媒体および記録媒体を止着する貼着部材の少なくとも一方を帯電させ、記録媒体と貼着部材とを静電吸着させた後に、画像が描画された記録媒体を貼着部材とともに定着ロール対によって挟持搬送して、画像を記録媒体上に定着させることを特徴とする定着方法。
【選択図】図1
Description
この熱ロール定着器は、定着ロールにロールクリーニング装置およびオイル塗布装置が接触して取り付けられ、このロールクリーニング装置により定着ロール上にオフセットしたトナーなどをクリーニングするとともに、オイル塗布装置により、離型剤であるシリコーンオイルなどを定着ロールに塗布し、オイル塗布装置によって定着ロールからの転写紙の分離容易化を図るとともに、ロールクリーニング装置へのトナーのオフセットの防止が図られているとされている。
特に、静電式のインクジェット記録装置では、画像記録に用いる色材粒子の平均粒子径が1μm前後と通常の電子写真方式に用いるトナー粒子径よりも小さく、仕上がり画像に表面光沢を持たせる場合は、特に定着ロール表面を画像に密着させて平滑化させるので、定着ロール表面と画像との密着性が上がり定着ロール表面への巻き付きが発生し易くなるという問題がある。
さらに、前記定着ロール対の前記記録媒体と接触する定着ロールの表面を除電しつつ、前記定着ロール対によって、前記画像が描画された前記記録媒体を前記貼着部材とともに挟持搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着させることが好ましい。
さらに、前記定着ロール対の記録媒体の搬送方向の上流側で、前記貼着部材を所定温度に加熱しつつ、前記定着ロール対によって、前記画像が描画された前記記録媒体を前記貼着部材とともに挟持搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着させることが好ましい。
また、前記貼着部材は、前記記録媒体との接触面側を構成する絶縁層と、前記絶縁層の前記記録媒体との接触面と逆側に設けられた導電層とを有することが好ましい。
さらに、前記定着ロール対の前記記録媒体と接触する定着ロールの表面を除電する除電手段を有することが好ましい。
さらに、前記定着ロール対の記録媒体の搬送方向の上流側に設けられ、前記貼着部材を所定温度に加熱する加熱手段を有することが好ましい。
また、前記貼着部材は、前記記録媒体との接触面を構成する絶縁層と、前記絶縁層の前記記録媒体との接触面と逆側の面に設けられた導電層とを有することが好ましい。
また、前記記録媒体上の前記画像は、前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられる、帯電した前記色材粒子を溶媒に分散させたインクを用いる静電式インクジェット描画手段によって描画されたものであることが好ましい。
同図に示す定着装置10は、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に記録した画像を、記録媒体上に定着させるものであり、基本的に画像が記録された記録媒体を挟持して搬送することで画像を記録媒体P上に定着させる、対をなす定着ロール22と定着ロール24とで構成される定着ロール対20と、記録媒体Pとともに定着ロール対20(定着ロール22、24)に挟持され搬送される貼着部材30と、記録媒体Pおよび/または貼着部材30を帯電させ、静電吸着させる帯電手段38とを有する。また、定着ロール対20の一方の定着ロール22には、定着ロール22に離型剤を塗布する離型剤塗布手段32と、定着ロール22をクリーニングするクリーニング手段34と、定着ロール22を除電する除電手段36が設けられ、貼着部材30の定着ロール24側の面に対向し、かつ、定着ロール24に対して記録媒体Pの搬送方向上流側には貼着部材30を加熱する加熱手段40が設けられている。
ここで、芯材22aは、芯金となる円筒状の金属で形成され、弾性層22bは所定ゴム硬度、厚さおよび所定表面粗さ、例えばゴム硬度JIS A 10、厚さ3mm、表面粗さRa=10μmのシリコンゴムで形成されており、中間層22cは所定ゴム硬度、厚さおよび所定表面粗さ、例えばゴム硬度JIS A 70、厚さ50μm、表面粗さRa=0.2μmのフッ素ゴムで形成されており、コート層22dは、所定ゴム硬度、厚さおよび所定表面粗さ、、例えばゴム硬度JIS A 60、厚さ50μm、表面粗さRa=0.1μmのシリコンゴムで形成されている。
ここで、芯材24aは、芯金となる金属で形成され、弾性層22bは、所定ゴム硬度および厚さ、例えばゴム硬度JIS A 20、厚さ2mmのシリコンゴムで形成され、コート層は、所定厚みおよび所定表面粗さの樹脂、例えば厚さ50μm、表面粗さRa=0.2μmのPFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)で形成されている。
また、加熱定着時における熱導電性を向上するために、これらの合成ゴム中に、フィラーとして、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を5〜30重量%配合するのも好ましい。また、同様の理由で、フィラーとして導電性カーボンブラックを用いてもよく、この際には、弾性層の電気抵抗を低減し、帯電防止を図れる。
ここで、定着ロールの層構成は上記に限定されず、どのような層構成でもよく、例えば芯金の表面に弾性層、コート層を積層させた、中間層を設けない2層構造のロールも用いることができる。
これ以外にも、芯材をシリコンゴム層、フッ素ゴム層、シリコンゴムなどの発泡材を用いたスポンジ状の発泡ゴム層等で被覆してなるソフトロールも、好適に利用可能である。さらに、芯材をPTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂や、PFTチューブ等で被服してなるハードロールも好適に利用可能である。
また、定着ロール対20は、図示しない駆動手段と接続しており、この駆動手段は、定着ロール対20を所定方向に回転させる。ここで、定着ロール対20は、一方の定着ロールが回転することで、他方の定着ロールも従動するので、駆動手段は、定着ロール対20の少なくとも一方の定着ロールに備えられていればよい。すなわち、定着ロール22および24の少なくとも一方を駆動ロールとすればよい。また、両方の定着ロール22、24を駆動させる構造も利用可能である。
貼着部材30は、絶縁層と導電層とが積層された2層構造で構成されている。絶縁層は、定着ロール22側つまり記録媒体Pと接触する面に配置され、導電層は、定着ロール24側つまり記録媒体Pとの接触面と逆側に配置されている。
ここで、絶縁層の厚みは10μm〜500μm、平均表面粗さRaは、Ra≦20μmであることが好ましい。
このように、絶縁層と導電層とを積層した構造とし、導電層を接地させ、絶縁層側から後述する帯電手段38により、表面に電荷が蓄積させることで、絶縁層の表面に記録媒体Pを置くと紙中で誘電分極が起こり静電的に吸着する。
ここで、本実施形態では、帯電手段としてコロトロン帯電器を用いたが、本発明はこれに限定されず、スコロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針などの種々の帯電手段を用いることができる。
オイルタンク32aは、定着ロール22から所定距離離間して配置されており、所定量の離型剤Lが貯留されている。ここで、離型剤Lとしては、シリコーンオイルが最適で、例えば、ジメチルシロキサン、アミノ基含有ジメチルシロキサン、オルガノポリシロキサン、ジメチルオルガノポリシロキサン等を単独でまたは適宜混合して動粘度を100〜1000cSt程度にしたものを用いることができる。
汲み上げロール32bは、少なくとも表面に離型剤Lを含浸する部材を備え、オイルタンク32aに貯留された離型剤Lに浸漬して配置されている。また、汲み上げロール32cは、回転可能なロールであり、汲み上げロール32bと当接して配置される。汲み上げロール32cは、汲み上げロール32bと当接して回転することで、その表面に離型剤Lが塗布される。
塗布ロール32dはスポンジゴムの表面にシリコンゴムが被覆された回転可能なロールであり、定着ロール22および汲み上げロール32cと当接して配置される。塗布ロール32dは、定着ロール22および汲み上げロール32cと当接して回転する。これにより、汲み上げロール32cの表面に塗布された離型剤Lは、塗布ロール32dの表面に塗布され、塗布ロール32dの表面に塗布された離型剤Lは、定着ロール22の表面に塗布される。
ここで、オイル塗布手段の形状、構成は上記に限定されず、例えば、さらに、塗布ロールからのオイル塗布量を制御するブレードを設けてもよく、また、別の態様としては、離型剤を含浸したフェルト状の部材を定着ロールに接触させ、定着ロールをフェルト状部材に摺接して回転させることで、定着ロールに離型剤を塗布させてもよい。
また、クリーニング手段34を離型剤塗布手段32に対して定着ロール22の回転方向上流側に設けることで、オフセットトナーが付着して塗布ロール32dが汚れることを防止することができる。
ここで、クリーニング手段34は、本実施形態に限定されず、種々のクリーニング手段を用いることができる。
スコロトロン除電器36aは、クリーニング手段34よりも定着ロール22の回転方向下流側の定着ロール22に対向した位置に設けられている。スコロトロン除電器36aは、交流電圧源36bおよび定着ロール表面電位制御電源36cに接続されており、交流電圧源36bおよび定着ロール表面電位制御電源36cの他端はそれぞれ接地されている。
スコロトロン除電器36aは、グリット電圧を制御し、定着ロール22表面を除電することで、定着ロール22の表面の電位を略0電位にすることができる。
これにより、定着ロール22を除電することができ、定着時の定着ロール22と記録媒体Pと剥離帯電によって定着ロール22の表面にマイナス電荷が蓄積されることがなく、徐々に帯電が蓄積されることで、静電気力で定着ロール22に記録媒体Pが巻き付きやすくなることを防止することができる。
ここで、本実施形態では、除電手段として、スコロトロン除電器を用いたが、本発明はこれに限定されず、コロトロン除電器、固体チャージャ、放電針などの種々の除電手段を用いることができる。
加熱手段40は、定着ロール対20により定着が行われる前の記録媒体Pが止着された貼着部材30を所定温度に加熱する。
このように、加熱手段40により貼着部材30を加熱することで、記録媒体Pの搬送速度が高速になり、ヒータ26、28による加熱では、貼着部材30を十分に加熱することができない場合でも、貼着部材30を所定温度にすることができ、定着ロール対20による定着を好適に行うことができる。また、加熱手段40を設け、貼着部材30を加熱することで、ヒータ26、28による加熱を所定温度以下にすることができ、定着ロール22、24の温度が高くなりすぎ、定着ロール22、24の各層、特に弾性層が消耗し、耐久性が低くなることを防止することができる。
また、加熱手段40は、本実施形態に限定されず、種々の加熱手段を用いることができる。
まず、帯電手段38により貼着部材30の絶縁層30a側の表面を所定電位に帯電させる。
次に、帯電された貼着部材30上に、少なくとも樹脂を含有する色材粒子を用いて記録(描画)された画像が形成され、未定着の画像部を有する記録媒体Pが載置される。ここで、上述のように、貼着部材30の表面は帯電されているので、記録媒体Pと貼着部材30とは静電吸着され、記録媒体Pは貼着部材30に貼着される。
次に、貼着部材30は、定着ロール対20方向に移動を開始する。貼着部材30に静電吸着された記録媒体は、貼着部材30とともに、定着ロール22および定着ロール24の間に案内される。ここで、定着ロール対20は、ヒータ26およびヒータ28によって、定着ロール22および定着ロール24の表面を例えば80℃に加熱されている。
記録媒体Pおよび貼着部材30は、定着ロール22および定着ロール24によって挟持搬送されて、加熱および加圧され、記録媒体P上の画像が定着される。画像が定着された記録媒体Pは、定着装置10から排出される。
これにより、画像定着時に、定着ロール22に記録媒体が巻き付くことで発生するジャムを防止することができ、画像の定着を好適に行うことができる。
ここで、記録媒体Pは、本実施形態のように、全面を貼着部材30と静電吸着することが好ましいが、本発明はこれに限定されず、記録媒体の一部のみを貼着部材に静電吸着させ、画像定着を行うこともできる。
さらに、除電手段36により、定着ロール22の表面を除電することで、剥離帯電等によって記録媒体Pが定着ロールに巻き付くことを防止することができ、これにより、ジャムの発生をより確実に防止することができる。
本発明の定着装置は、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を含むインクを用いて画像を記録する各種の画像記録装置において、その定着手段として用いることにより、鮮明な仕上がりの画像を記録媒体上に形成することができ、さらに定着手段での紙詰まりを防止することができる。例えば、上記の色材粒子を用いる各種方式のインクジェット記録装置や、電子写真方式の記録装置に適用可能である。以下には、好適な例として、高画質な画像記録が可能な静電式インクジェット記録装置に用いた例について説明する。
このような静電式インクジェット記録装置100(以下、記録装置100とする)は記録媒体Pの保持手段112、搬送手段114および記録手段116と、溶媒回収手段118と、筐体122とを備えている。ここで、本発明の定着装置は、搬送手段114に設けられている。
フィードロール126は、装填部に装填された給紙トレイ124の取り出し側端部に対応して配置され、記録開始の指示に従って、一枚の記録媒体Pを搬送手段114に供給する。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段114により搬送されて、排出部から排紙トレイ128内に排出される。
搬送手段114は、給紙トレイ124から排出トレイ128まで所定の経路で搬送するものであり、搬送ロール131a、131bと、搬送ベルト132と、ベルトロール134a、134bと、加熱手段40と、導電性プラテン136と、記録媒体Pの帯電装置138aおよび138bと、記録媒体Pの除電装置140と、切替爪142と、ガイド144a、144b、144cと、反転ロール対147と、定着ロール対20とを備えている。
また、記録手段116に対向する位置にある搬送ベルト132の内側には、平板状の導電性プラテン136が配置されている。
ベルトロール134aおよび134b、導電性プラテン136は、共に接地されており、従って、搬送ベルト132の裏面も、これらを介して接地される。
記録後の記録媒体Pは、交流電源153および高圧電源154に接続されたスコロトロン除電器152により除電される。これにより、記録媒体Pと搬送ベルト132との間に働く静電気力による吸引力が除去され、記録媒体Pは、搬送ベルト132から分離され易くなる。
ガイド144bおよび搬送ロール131bは、搬送時の搬送経路上の、切替爪142の排出トレイ128との間に配置され、ガイド144cは、記録媒体Pの反転時の搬送経路上の、反転ロール対147と帯電装置138bとの間に配置されている。
記録手段116は、静電式のインクジェットによって、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するものであり、インクジェットヘッド156と、ヘッドドライバ158と、インク循環系160と、記録媒体Pの位置検出装置162とを備えている。
前述の色材粒子(色材を含み、かつ、帯電した微粒子)をキャリア液に分散してなるインクを、静電力によって吐出する、静電式のインクジェットヘッド156の各色の吐出ヘッドの具体的なヘッド構造を図3〜図5に示す。
また、それぞれの吐出ヘッドの吐出部の配列方向は記録媒体Pの搬送方向と略並行に配置してもよい。この場合には吐出ヘッドを記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に主走査しながら吐出を行い、その後に記録媒体Pを一定量のみ搬送することを繰り返すシリアルスキャンを行う。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、色材粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
その結果、普通紙を初めとして、非吸収性のフィルム(例えばPETフィルム等)などの種々の記録媒体Pに画像を記録することができ、また、記録媒体P上で、滲みや流動を生じることなく、種々の記録媒体に対して、高画質な画像を得ることができる。
インク循環系160は、インクタンク164と、ポンプ(図示省略)と、インクの供給路および回収路166とを備えている。インクタンク164は、筐体122内部の底面上に配置され、インクの供給路および回収路166を介してインクジェットヘッド156と接続されている。
溶媒回収手段118は、筐体122内部の底面中央部上に配置され、インクジェットヘッド156から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、排出ファン170、活性炭フィルタ172、図示上省略しているが冷却装置等を備えている。
筐体122内部の分散溶媒成分を含む空気は、冷却装置により冷却されてその溶媒成分が凝縮され、活性炭フィルタを介して筐体122の外部に排出される。その際、冷却装置により凝集された溶媒成分は再利用されるか、図示されない廃液タンクに収納される。
記録装置100では、画像の記録時に、給紙トレイ124に収納された記録媒体Pがフィードロール126により1枚ずつ取り出され、搬送ロール131aと搬送ベルト132との間に挟持されて、搬送ベルト132上の所定位置に搬送される。
その後、除電装置140により除電され、記録媒体Pは搬送ベルト132と分離しやすい状態となる。
また、第1搬送ベルト210の表面に対向する位置には、記録媒体Pの搬送経路上流から順に、搬送ロール131a、帯電装置138a、記憶手段116、剥離爪218が配置されている。また、記録手段116に対抗する位置にある搬送ベルト210の内側には導電性プラテンが配置されている。
第1搬送ベルト210上で帯電され、画像が記録された記録媒体Pは、第1搬送ベルト210上での記録媒体Pの搬送経路の最下流で、剥離爪218により第1搬送ベルト210から分離される。
第2搬送ベルト214の記録媒体Pの搬送経路上には、定着ロール対20が配置され、ベルトロール216aと定着ロール24との間の第2搬送ベルト214の内面側には、加熱手段40が配置される。
このように、本実施形態では、帯電装置138bが定着装置10の帯電手段38の機能を備え、第2搬送ベルト214が定着装置10の貼着部材30の機能を備える。
記録媒体Pは、第2搬送ベルト214に静電吸着された状態で、定着ロール対20に第2搬送ベルト214とともに挟持して搬送され、画像が定着される。
また、上記実施例では、両面に記録を行うインクジェット記録装置を示したがこれに限定されず、片面に記録を行うインクジェット記録装置でもよい。
本発明の定着方法および定着装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本具体的実施例では、以下に示す形状の定着装置10を用いた。
定着ロール22は、中心に、加熱源としてヒータ26が配置され、芯材22aは、芯金となる直径54mm、厚さ10mmの円筒状のアルミニウムで形成され、弾性層22bは、例えばゴム硬度JIS A 10、厚さ3mm、表面粗さRa=10μmのシリコンゴムで形成され、中間層22cは、ゴム硬度JIS A 70、厚さ50μm、表面粗さRa=0.2μmのフッ素ゴムで形成され、コート層22dは、ゴム硬度JIS A 60、厚さ50μm、表面粗さRa=0.1μmのシリコンゴムで形成されたものを用いた。
このような記録媒体P上に、インクジェットヘッドにより、シアンインクを1.0g/m2の厚さで画像を形成する。また、定着装置10の貼着部材30は、−2.0kVに帯電させておき、その上に未定着画像が形成された記録媒体を載置し、貼着部材30と記録媒体Pとを静電吸着させた後に、画像形成終了後、5秒〜5分の間隔を置いて、貼着部材30とともに記録媒体Pを定着ロール対20に挿入し、画像の定着を行った。
貼着部材30を帯電させず、記録媒体Pと貼着部材30とを静電吸着させないことを除いて、実施例1と同様の方法で、記録媒体に画像の定着を行った。その結果、厚さ150μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は20%、厚さ100μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は60%、厚さ70μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は100%であった。
また、巻き付きの発生は、定着時に記録媒体に加熱される温度が高いほど、ニップ圧が大きいほど、記録媒体が薄いほど、高い確率で発生する。
実施例1に、さらに、定着時に定着ロール22に離型剤塗布手段32を用い、離型剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン製、動粘度100mm2/sec)をニップ部、つまり貼着部材30と定着ロール22との接触部分で、わずかにシリコーンオイルが見える程度に塗布した状態とすることを除いて、実施例1と同様の方法で、記録媒体に画像の定着を行った。その結果、厚さ150μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は0%、厚さ100μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は0%、厚さ70μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は2%であった。
貼着部材30を帯電させず、記録媒体Pと貼着部材30とを静電吸着させないことを除いて、実施例2と同様の方法で、記録媒体に画像の定着を行った。その結果、厚さ150μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は0%、厚さ100μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は9%、厚さ70μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は53%であった。
また、離型剤を定着ロールに塗布することで、巻き付きの発生をより確実に低減させることができる。
実施例1に、さらに、除電手段36により、定着ロールの表面の電位をほぼ0電位にすることを除いて、実施例1と同様の方法で、記録媒体に画像の定着を行った。その結果、厚さ150μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は0%、厚さ100μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は5%、厚さ70μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は17%であった。
貼着部材30を帯電させず、記録媒体Pと貼着部材30とを静電吸着させないことを除いて、実施例3と同様の方法で、記録媒体に画像の定着を行った。その結果、厚さ150μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は14%、厚さ100μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は44%、厚さ70μmの記録媒体の場合は、巻き付きの発生率は83%であった。
20 定着ロール対
22、24 定着ロール
26、28 ヒータ
30 貼着部材
32 離型剤塗布手段
34 クリーニング手段
36 除電手段
38 帯電手段
40 加熱手段
100、200 静電式インクジェット記録装置
112 保持手段
114、202 搬送手段
116 記録手段
118 溶媒回収手段
122 筐体
124 給紙トレイ
126 フィードロール
128 排出トレイ
131a、131b 搬送ロール
132 搬送ベルト
134a、134b、212a、212b、216a、216b ベルトロール
136 導電性プラテン
138a、138b 帯電装置
140 除電装置
142 切替爪
144、144a、144b ガイド
148 スコロトロン帯電器
150、154 高圧電源
152 スコロトロン除電器
153 交流電圧源
156 インクジェットヘッド
158 ヘッドドライバ
160 インク循環系
162 位置検出装置
164 インクタンク
166 インクの供給路および回収路
170 排出ファン
172 活性炭フィルタ
180 吐出ヘッド
182 ヘッド基板
184 インクガイド
184a インクガイドの先端部分
186 絶縁性基板
188、190 制御電極
192 浮遊導電板
194a、194b、194c 絶縁層
196 ガード電極
198 貫通孔
199 インク流路
210 第1搬送ベルト
214 第2搬送ベルト
218、220 剥離爪
L 導電性離型剤
P 記録媒体
Claims (9)
- 少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着するに際し、
少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなる定着ロール対を用い、
前記記録媒体および前記記録媒体を止着する貼着部材の少なくとも一方を帯電させ、前記記録媒体と前記貼着部材とを静電吸着させた後に、前記画像が描画された前記記録媒体を前記貼着部材とともに前記定着ロール対によって挟持搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着させることを特徴とする定着方法。 - さらに、前記定着ロール対の前記記録媒体と接触する定着ロールの表面に離型剤を塗布しつつ、前記定着ロール対によって、前記画像が描画された前記記録媒体を前記貼着部材とともに挟持搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着させる請求項1に記載の定着方法。
- さらに、前記定着ロール対の前記記録媒体と接触する定着ロールの表面を除電しつつ、前記定着ロール対によって、前記画像が描画された前記記録媒体を前記貼着部材とともに挟持搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着させる請求項1または2に記載の定着方法。
- 前記貼着部材は、前記記録媒体との接触面側を構成する絶縁層と、前記絶縁層の前記記録媒体との接触面と逆側に設けられた導電層とを有する請求項1〜3のいずれかに記載の定着方法。
- 少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着する定着装置であって、
少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールからなる定着ロール対と、
前記記録媒体を止着する貼着部材と、
前記記録媒体および前記貼着部材の少なくとも一方を帯電させる帯電手段とを有し、
前記貼着部材と前記画像が描画された前記記録媒体とを静電吸着させ、前記定着ロール対によって、前記記録媒体を前記貼着部材とともに挟持して搬送することにより、前記画像を前記記録媒体上に定着させることを特徴とする定着装置。 - さらに、前記定着ロール対の前記記録媒体と接触する定着ロールに離型剤を塗布する離型剤塗布手段を有する請求項5に記載の定着装置。
- さらに、前記定着ロール対の前記記録媒体と接触する定着ロールの表面を除電する除電手段を有する請求項5または6に記載の定着装置。
- 前記貼着部材は、前記記録媒体との接触面を構成する絶縁層と、前記絶縁層の前記記録媒体との接触面と逆側の面に設けられた導電層とを有する請求項5〜7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記記録媒体上の前記画像は、前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられる、帯電した前記色材粒子を溶媒に分散させたインクを用いる静電式インクジェット描画手段によって描画されたものである請求項5〜8のいずれかに記載の定着装置。
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