JP2006091043A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着ロールから記録媒体を確実に剥離することができる定着装置およびそれを含む画像形成装置を提供すること。更に、上記に加えて、高精細に形成された画像を、その画質を損なうことなく、さらに光沢度を低下させることもなしに、加熱定着することが可能な、定着装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像が形成された記録媒体を挟持搬送することにより前記画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対を備える定着装置であって、前記記録媒体の先端部分を保持しながら、前記定着ロール対の間を搬送させる保持搬送手段を有し、かつ、前記定着ロール対を構成するロールの少なくとも一方のロールが、前記保持搬送手段を収容する凹部を有することを特徴とする定着装置、並びに、この定着装置を備える画像形成装置。
【選択図】図1
【解決手段】画像が形成された記録媒体を挟持搬送することにより前記画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対を備える定着装置であって、前記記録媒体の先端部分を保持しながら、前記定着ロール対の間を搬送させる保持搬送手段を有し、かつ、前記定着ロール対を構成するロールの少なくとも一方のロールが、前記保持搬送手段を収容する凹部を有することを特徴とする定着装置、並びに、この定着装置を備える画像形成装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、定着装置および画像形成装置に関し、詳しくは、インクジェットプリンタ、または、電子写真方式の複写機、プリンタ、若しくは印刷機など(以下、インクジェットプリンタ等という)によって、色材を含んだ色材粒子(着色微粒子)により記録媒体上に形成された画像に、加熱部材を接触させて、画像を加熱定着させる定着装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
インクジェットプリンタ等の画像形成装置によって、色材粒子(着色微粒子)を用いて記録媒体上に形成された画像を定着させるのに、熱ロール定着方式に従った定着装置が一般的に使用されている。この熱ロール定着方式は、記録媒体上の色材粒子に定着ロールを当接させて加熱および加圧することで、記録媒体上に形成された画像を定着させる方式であり、画像形成直後に定着ロールを接触させるので、熱効率が良好で、迅速な画像定着を可能にする方式である。
ここで注意すべきことは、インクジェットプリンタ等の画像形成装置によって形成された画像は高精細画像であるため、その画質を定着過程において損なうことがあってはならないこと、また、画像の濃度低下を防ぐためには、画像の表面をなるべく平滑に仕上げるようにして、表面反射を極力抑えることが好ましい場合が多いことなどである。
このためには、一般に、表面を平滑にした定着ロール(加熱ロール)を用いることが好ましいが、このような熱ロール定着方式による定着装置により画像を定着する場合は、記録媒体が定着ロールに貼り付いて、詰まり等の記録媒体の搬送不良が起こりやすいという問題があった。特に、定着ロールとしてシリコーンゴムロールを使用した場合は、シリコーンゴムロールの粘着性による記録媒体の剥離性の低下が顕著であった。
これに対しては、従来、シリコーンオイル等の離型剤を定着ロールの表面に塗布する方法が用いられている。しかし、この方法によって貼り付きを防ぐためには大量のシリコーンオイルを定着ロールに塗布する必要があり、このように大量のシリコーンオイルを塗布した定着ロールを使用して画像を定着させると、一般に、画像ムラや光沢低下等の新たな問題が生じる。
なお、特許文献1には、樹脂と樹脂に対して相溶性を示す溶剤とを含有したインクを記録媒体に転写後、インク含有溶剤に対して膨潤性を示すシリコーンロール,シリコーンベルト等のインク定着部材を記録媒体表面に接触させることにより、記録媒体表面のインクを硬化させるインク定着装置で、前記インク定着部材に、テフロン(登録商標)製ブレード等からなる分離機構を有するインク定着装置が開示されている。
また、特許文献2には、記録媒体と当接し回転することにより記録媒体を搬送するシリコーンゴム製紙送りロールを備えたプリンタにおいて、末端にアミノ基を有するポリアミド樹脂組成物粉末と、イオン基または酸無水物基を有する加硫剤とを混合したRTVシリコーンゴムを前記ロール外周部に被覆し、また、表面粗さをRyで1から600μmとすることで、該ロールの寸法精度,耐磨耗性および非粘着性を高められること等が開示されている。
特許文献1で開示された画像定着装置は、記録媒体と、定着ロールまたは定着ベルト等の定着部材とを分離する分離機構として分離爪を有している。そして、この画像定着装置においては、この分離爪を定着部材に接触させて配置した場合と、定着部材には接触させずに定着部材の近傍に配置した場合が開示されている。
分離爪を定着部材に接触させて配置した場合は、この分離爪が、定着ロールに当接しつつ搬送される記録媒体を、分離爪と定着ロールとの接点で、強制的に剥離させる。そのため、分離爪が定着ロールに接触される限り、分離爪が定着ロールの表面を傷つける恐れがある。そのため、分離爪を定着部材に接触させる方法では、定着ロールの傷に対応する部分での画像ムラの発生や、ロール寿命の低下という問題が生じる恐れがある。
一方、分離爪を定着部材には接触させずに定着部材の近傍に配置した場合は、定着部材によって定着されつつ搬送される記録媒体の先端が、定着ロールの定着部を通過後には、定着ロールの曲率によりわずかに剥離するので、その記録媒体の先端を分離爪に接触させることによって記録媒体を定着部材から剥離させている。この場合は、記録媒体の画像形成面と分離爪との接触により、記録媒体上に形成された画像が傷つけられてしまう恐れがある。
また、特許文献2では、表面粗さをRyで1から600μmとしたシリコーンゴムロールを用いることで、ロールの非粘着性を高め、高い剥離性を有した紙送りロールを提供することができるとしている。しかしながら、良好な画質の画像を形成するには、前述のように、このような表面粗さを有するロールよりも、表面がより平滑なロールを定着ロールとして用いることが好ましく、上記のような表面を粗くしたロールを用いて定着すると、良好な画像が形成されない恐れがある。
しかしながら、良好な画質の画像を形成するために表面が平滑化された定着ロールを用いたり、アート紙やコート紙等の表面が平滑な紙(記録媒体)を用いたりした場合は、定着ロールへの貼り付きが顕著に生じるという問題があるのは前述の通りである。また、記録媒体が薄くなるほど剛性が小さくなり定着ロールへの貼り付きが起こりやすくなり、さらに、記録媒体の搬送速度によって剥離性が変動するという問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記従来技術の諸問題を解消した、定着装置および画像形成装置を提供することにある。
より具体的には、搬送速度,定着時の温度・圧力等の定着条件や、紙の種類(紙質),紙の厚さ等の記録媒体の質および形状に関わらず、定着ロールから記録媒体を確実に剥離することができ、その記録媒体を搬送することが可能な、良好な搬送手段を有した定着装置および画像形成装置を提供することにある。
より具体的には、搬送速度,定着時の温度・圧力等の定着条件や、紙の種類(紙質),紙の厚さ等の記録媒体の質および形状に関わらず、定着ロールから記録媒体を確実に剥離することができ、その記録媒体を搬送することが可能な、良好な搬送手段を有した定着装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記に加えて、高精細に形成された画像を、その画質を損なうことなく、さらに光沢度を低下させることもなしに、加熱定着することが可能な、定着装置および画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る定着装置は、画像が形成された記録媒体を挟持搬送することにより前記画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対を備える定着装置であって、前記記録媒体の先端部分を保持しながら、前記定着ロール対の間を搬送させる保持搬送手段を有し、かつ、前記定着ロール対を構成するロールの少なくとも一方のロールが、前記保持搬送手段を収容する凹部(逃げ)を有することを特徴とする。
ここで、前記凹部は、前記定着ロール対を構成するロールのうち上側のロールのみに形成されていてもよく、前記定着ロール対を構成するロールのうち下側のロールのみに形成されていてもよく、また、前記定着ロール対を構成するロールの両方に形成されていてもよい。
また、前記保持搬送手段は、前記記録媒体の先端部分を把持する把持部と、前記把持部による前記記録媒体の把持を行う記録媒体把持ステージと、前記把持部による前記記録媒体の把持を解除する記録媒体把持解除ステージと、これらの両ステージ間に形成される記録媒体搬送ステージとを有することが好ましい。
一方、本発明に係る画像形成装置は、色材を含む粒子を用いて記録媒体に画像を形成する形成手段と、前記画像が形成された前記記録媒体を少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対によって挟持搬送することにより前記画像を定着させる定着手段を備える画像形成装置であって、前記定着手段を、前記記録媒体の先端部分を保持しながら、前記定着ロール対の間を搬送させる保持搬送手段を有し、かつ、前記定着ロール対を構成するロールの少なくとも一方のロールが、前記保持搬送手段を収容する凹部を有するように構成したことを特徴とする。
ここで、前記定着手段の凹部は、前記定着ロール対を構成するロールのうち上側のロールのみに形成されていてもよく、前記定着ロール対を構成するロールのうち下側のロールのみに形成されていてもよく、また、前記定着ロール対を構成するロールの両方に形成されていてもよい。
また、前記定着手段の保持搬送手段は、前記記録媒体の先端部分を把持する把持部と、前記把持部による前記記録媒体の把持を行う記録媒体把持ステージと、前記把持部による前記記録媒体の把持を解除する記録媒体把持解除ステージと、これらの両ステージ間に形成される記録媒体搬送ステージとを有することが好ましい。
またさらに、前記形成手段は、前記色材を含む粒子を含有するインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有することが好ましい。
またさらに、前記形成手段は、前記色材を含む粒子を含有するインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有することが好ましい。
本発明に係る定着装置は、画像が形成された記録媒体を定着ロール対で挟持搬送しながら、記録媒体の先端部を把持部で把持しつつ、記録媒体を搬送することができるので、搬送速度,定着時の温度・圧力等の定着条件や、紙種(紙質),紙の厚さ等の記録媒体の質および形状に関わらず、定着ロール対から記録媒体を確実に剥離することができ、記録媒体が定着ロールに貼り付くことによる紙詰まり等を防止することができる。
また、本発明に係る画像形成装置によれば、画像が形成された記録媒体を定着ロール対で挟持搬送させながら、記録媒体の先端部を把持部で把持させたまま、記録媒体をけん引して搬送させることができるので、高度に平滑化された定着ロールを使用することが可能になり、形成された画像の画質を損なうことなく、かつ、光沢度の低下を防止することができるので、高精細・高画質の画像の形成に極めて有効である。
またさらに、本発明に係る画像形成装置によれば、記録媒体として紙素材のものを用いる場合に、この記録媒体に適度の張力(テンション)を掛けられることから、紙素材の記録媒体を用いる場合に発生し易い紙皺を効果的に防止することができるという効果も得られるものである。
以下、本発明の一実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置8の概略構成を示す模式側面図である。図1に示す画像記録装置8は、本発明の一実施形態である定着装置10と画像形成手段70とから構成される。さらに、定着装置10は、定着ロール対12と、把持搬送手段14と、ベルト搬送手段16と、ガイド板18,20とから構成される。
ここで、ガイド板18は、画像形成手段70と定着ロール対12との間に設けられ、画像形成手段70から排出された記録媒体Pを定着ロール対12に案内する。また、ガイド板20は、定着ロール対12とベルト搬送手段16との間に設けられ、定着ロール対12から排出された記録媒体Pをベルト搬送手段16に案内する。
ここで、ガイド板18は、画像形成手段70と定着ロール対12との間に設けられ、画像形成手段70から排出された記録媒体Pを定着ロール対12に案内する。また、ガイド板20は、定着ロール対12とベルト搬送手段16との間に設けられ、定着ロール対12から排出された記録媒体Pをベルト搬送手段16に案内する。
記録媒体Pとしては、普通紙,上質紙,微塗工紙,コート紙,アート紙,キャストコート紙等の紙類や、印刷用フィルム等、各種の記録媒体を用いることができる。また、記録媒体Pの形状は、特に制限的でないが、以下では、一般的に用いられる矩形の記録媒体Pを例にして説明する。
画像形成手段70は、色材を含む粒子を用いて記録媒体Pに画像を形成するものである。図示例においては、画像形成手段70は、図1中、左から右へ、図示されていない搬送手段によって搬送される記録媒体Pの上面に画像を形成する。この画像形成手段70としては、各種の画像形成方式(画像記録方式)によるものを利用することが可能である。例えば、顔料等の色材を含む粒子(色材粒子)および溶媒を含有するインクを用い、インクジェット方式によってインクを吐出して記録媒体Pにインク画像を形成する、静電式,サーマル式,ピエゾ式等の各種インクジェット方式や、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式等による装置が利用可能である。
定着装置10は、画像形成手段70によって記録媒体P上に形成された画像を、以下に説明する手段および方法で定着させることができる。ここで、定着装置10内部で記録媒体Pが搬送される搬送路は、ガイド板18と、ガイド板20と、詳細を後述する把持搬送手段14と、後述するベルト搬送手段16とによって定められる。以下、図1に示す定着装置10について詳しく説明する。
まず、定着装置10を構成する定着ロール対12について説明する。
定着ロール対12は一対(2本)の定着ロールから構成され、その少なくとも一方は、内部またはロール表面近傍に加熱源を有し、ロール表面の温度を所望の温度にする。本実施形態では、定着ロール対12は、図1に示すように、第1定着ロールである加熱ロール22および第2定着ロールである加圧ロール24とから基本的に構成される。これらの加熱ロール22および加圧ロール24によって記録媒体Pを挟持搬送することにより、記録媒体Pが加熱および加圧され、画像形成手段70によって記録媒体P上に形成された画像が定着される。
定着ロール対12は一対(2本)の定着ロールから構成され、その少なくとも一方は、内部またはロール表面近傍に加熱源を有し、ロール表面の温度を所望の温度にする。本実施形態では、定着ロール対12は、図1に示すように、第1定着ロールである加熱ロール22および第2定着ロールである加圧ロール24とから基本的に構成される。これらの加熱ロール22および加圧ロール24によって記録媒体Pを挟持搬送することにより、記録媒体Pが加熱および加圧され、画像形成手段70によって記録媒体P上に形成された画像が定着される。
すなわち、加熱ロール22および加圧ロール24による加熱および押圧力によって、記録媒体P上の色材粒子を軟化および溶融させ、記録媒体Pに固着させて画像を定着させることができる。ここでは、第1定着ロールを加熱ロール22とし、第2定着ロールを加圧ロール24として構成したが、第1定着ロールを加圧ロール24とし、第2定着ロールを加熱ロール22とするように構成してもよい。
ここでは、加熱ロール22はヒータやハロゲンランプ等の加熱源を内蔵しており、定着動作時には、記録媒体Pの画像記録面に接触して記録媒体Pを加熱することができる。加熱ロール22は、その回転軸の位置が固定されており、図示されていない回転駆動手段によって回転駆動される。なお、加圧ロール24が駆動される場合には、加熱ロール22は回転駆動されず、回転する加圧ロール24によって摩擦駆動される(加圧ロール24とのロール面の摩擦によってつれ回りする)構成としてもよい。
なお、加熱ロール22および加圧ロール24の表面は、優れた離型性を有することが好ましく、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム,フッ素樹脂等によって構成し、オイル等の離型剤を塗布するようにしてもよい。
本実施形態においては、後述するように、グリッパユニット36が、加熱ロール22と加圧ロール24との接触部を通過するときに、加熱ロール22の最下部とグリッパユニット36とが接触しないように、加圧ロール24の形状が工夫されている。これにより、グリッパユニット36が加熱ロール22の表面に強く接触して傷をつけることがないので、加熱ロール22は良好な定着性を維持することができる。
加圧ロール24は、定着動作時に加熱ロール22を所定の押圧力で加圧するために用いられる。本実施形態では、好ましい態様として、加圧ロール24も加熱ロール22と同様に内部にヒータやハロゲンランプ等の加熱源を備えており、定着動作時に記録媒体Pを加熱する加熱ロールとしても機能する。また、本実施形態では、好ましい態様として、加圧ロール24には、加熱ロール22とグリッパユニット36の接触に対する「逃げ」を形成する切り欠き部24Aを有している。そして、加圧ロール24は、全般的には、ロール軸の方向に均等な所定の押圧力で加熱ロール22を押圧するように構成されている。
なお、本実施形態では、加圧ロール24は、加熱ロール22と同様に内部またはロール表面近傍に加熱源を有する加熱ロールとしたが、上述のような加熱源を設けずに、加熱ロール22だけで記録媒体Pを加熱させてもよい。この場合、加圧ロール24は記録媒体Pを加熱ロール22に押し付けるためのロールとして機能する。なお、本実施形態においては、加圧ロール24は、グリッパユニット36と切り欠き部24Aとの対応を維持するため、所定の回転駆動力が与えられている。
すなわち、加圧ロール24は、例えば、加熱ロール22に接続されている回転駆動手段と接続され、加熱ロール22と同期して回転駆動されてもよいし、加熱ロール22に接続されている回転駆動手段とは別の回転駆動手段と接続され、挟持部における両ロールの周速度が同じになるように、同期して回転駆動されてもよい。
加熱ロール22および加圧ロール24の表面は、優れた離型性を有することが好ましく、例えば、加熱ロール22および加圧ロール24の芯金の表面上に、直接または他の層を介して、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の層を形成することが好ましい。
また、加熱ロール22および加圧ロール24の表面は、表面粗さがRaで0.05〜1μmであるように形成されているのも好ましい。これにより、安定した定着性を確保することができ、記録媒体Pに良好な画質の画像を形成することができる。
また、加熱ロール22および加圧ロール24の表面は、表面粗さがRaで0.05〜1μmであるように形成されているのも好ましい。これにより、安定した定着性を確保することができ、記録媒体Pに良好な画質の画像を形成することができる。
また、加熱ロール22および加圧ロール24の少なくとも一方にオイルを塗布するためのオイル塗布手段を設け、記録媒体の剥離性を高めても良い。オイルとしては、例えば、ジメチルシロキサン,アミノ基含有ジメチルシロキサン,オルガノポリシロキサン,ジメチルオルガノポリシロキサン等を単独または適宜混合して粘度を100〜1000程度にしたものを用いることができる。これにより、記録媒体Pの定着ロールへの貼り付きを抑えることができ、加熱ロール22から記録媒体Pを容易に剥離することができる。
また、加熱ロール22および加圧ロール24から構成される一対の定着ロール対12は、記録媒体Pと一対の定着ロール(加熱ロール22および加圧ロール24)との間の接触帯電,剥離帯電,摩擦帯電または転がり帯電等によって生じる静電気を除去するための除電手段を有することが好ましい。本実施形態では、このような除電手段を設ける代わりに、加熱ロール22と加圧ロール24とをそれぞれ接地させて、記録媒体Pと加熱ロール22,加圧ロール24とを除電している。ただし、除電の方法はこれに限定されずに、例えば、除電手段として、コロナ放電器,除電ブラシ,除電ロール等を特に制限無く用いることができる。
このような除電手段で記録媒体Pと加熱ロール22と加圧ロール24とを除電することにより、記録媒体Pを、加熱ロール22から容易に剥離することができる。また、このような除電手段とオイル塗布手段とを組み合わせて用いても良く、これにより、記録媒体の剥離性が一層高められる。
ここで、定着動作時における加熱ロール22と加圧ロール24のそれぞれの表面温度、および加圧ロール24による記録媒体Pの押圧力(加熱ロール22と加圧ロール24とのニップ力)は、安定した定着性を確保するように適宜設定される。ここで、上記の表面温度は、搬送速度が速い場合は定着時間が短くなるため高くし、遅い場合は定着時間が長くなる,高すぎるとロール耐久性が低下する,低すぎると定着不足になる等の理由から、70〜200℃であるのが好ましい。また、上記押圧力は、低すぎると定着不足,定着ムラの原因に、高すぎるとロール耐久性の低下,インク粒子のロールへのオフセット等の理由から、0.1〜1MPaであるのが好ましい。
なお、上述の加圧ロール24については、本実施形態に係る定着装置10の特徴的構成である、後述する把持搬送手段14のグリッパユニット36が加熱ロール22と加圧ロール24との間(すなわち、定着ロール対12の2本のロールの間)を通過するときに必要となる「逃げ」を生ずる形状を有していることがその特徴である。以下、この加圧ロール24の「逃げ」の形状について説明する。
本実施形態に係る定着装置10に用いられている加圧ロール24は、後述する把持搬送手段14の定着動作時に、グリッパユニット36のスムーズな通過を可能とするものである。そして、これにより、後述するグリッパユニット36を備えた把持搬送手段14によって把持された記録媒体Pを、搬送路に沿って確実に搬送することができる。
以下に、定着装置10を構成する把持搬送手段14について説明する。
把持搬送手段14は、画像形成装置70から送られた記録媒体Pの、例えばその先端の余白部分を後述するグリッパユニット36で把持して、画像形成装置70によって形成された画像に触れることなく、定着ロール対12へ搬送することができる。さらに、把持搬送手段14は、定着ロール対12による挟持部(定着部)を通過した記録媒体Pを引き続き把持しつつ、後述するベルト搬送手段16とともに記録媒体Pを外部または次工程へと搬送することができる。
把持搬送手段14は、画像形成装置70から送られた記録媒体Pの、例えばその先端の余白部分を後述するグリッパユニット36で把持して、画像形成装置70によって形成された画像に触れることなく、定着ロール対12へ搬送することができる。さらに、把持搬送手段14は、定着ロール対12による挟持部(定着部)を通過した記録媒体Pを引き続き把持しつつ、後述するベルト搬送手段16とともに記録媒体Pを外部または次工程へと搬送することができる。
図1に示される把持搬送手段14は、第1スプロケット26と、第2スプロケット28と、第3スプロケット30と、第4スプロケット32と、チェーン34と、グリッパユニット36と、カム66,カム68とを有する。
図1に示すように、第1スプロケット26は画像形成装置70と加熱ロール22との間に固定的に配置される。第2スプロケット28は、加熱ロール22と同軸で、加熱ロール22よりも外側に配置される(図2参照)。第3スプロケット30は、記録媒体Pの搬送方向(図1中、左から右)で、定着ロール対12の下流側に固定的に配置される。第4スプロケット32は、第1スプロケット26の上方に配置される。
図1に示すように、第1スプロケット26は画像形成装置70と加熱ロール22との間に固定的に配置される。第2スプロケット28は、加熱ロール22と同軸で、加熱ロール22よりも外側に配置される(図2参照)。第3スプロケット30は、記録媒体Pの搬送方向(図1中、左から右)で、定着ロール対12の下流側に固定的に配置される。第4スプロケット32は、第1スプロケット26の上方に配置される。
第1スプロケット26,第2スプロケット28,第3スプロケット30および第4スプロケット32は、加熱ロール22の端部よりも外側で、同一の垂直な平面に含まれるように配置されている。また、チェーン34は、これら第1スプロケット26,第2スプロケット28,第3スプロケット30および第4スプロケット32の外周に巻回され、各スプロケット26,28,30および32に順次係合する無端のチェーンである。さらに、チェーン34上には、後述するグリッパユニット36が複数、あるいは、少なくとも1つは設けられている。
なお、このグリッパユニット36のチェーン34上における位置は、定着ロール対12(加圧ロール24)の切り欠き部24Aとの同期をとる関係で、所定の位置に配置することが必要である。これについては、後に詳述する。
各スプロケット26,28,30および32は、図2にその一部を示すように、記録媒体Pが搬送される搬送路をはさんで両側に、図1に示した構成と同様の構成で配置されている。すなわち、各スプロケット26,28,30,32は、搬送路を挟んで両側に配置されており、一方の側に配置されているスプロケットは、他方の側に配置されているスプロケットと、軸部材によって接続されている。
なお、図2は、図1の紙面に垂直な方向の断面図であり、図2に示すように、スプロケットを接続する軸部材は、そのスプロケット26,28,30,32の回転軸(スプロケット28の軸部材は、加熱ロール22の軸を兼ねている)であり、一方の側に配置されているスプロケットと他方の側に配置されているスプロケットとは、完全に一体的に回転することができる。
また、図2に示すように、加圧ロール24については、ここでは、スプリング64,64により、加圧ロール24の軸受62,62を、下方から上方へ押圧する構成となっており、この押圧機構により、加熱ロール22に対する加圧ロール24の所定の押圧力が加えられる構成となっている。
また、一対の第1スプロケット26,26を接続する軸部材上には、記録媒体Pの把持操作を制御するための一対のカム66,66が、その凸部の向きが固定されて配置されている(図6参照)。カム66,66は、第1スプロケット26,26の間で、第1スプロケット26,26近傍に一つずつ配置されている。一方、一対の第3スプロケット30,30を接続する軸部材には、記録媒体Pの把持解除操作を制御するための一対のカム68,68が、同じくその凸部の向きが固定されて配置されている。カム68,68は、第3スプロケット30,30の間で、第3スプロケット30,30の近辺に一つずつ配置されている。
これらのカム66,66およびカム68,68の上記突部の設置位置は、後述するグリッパユニット36が記録媒体Pを把持するときまたはこれを解放するときに、グリッパユニット36が備えている作動アーム48に回動可能に軸支されたカムロール50と、上記カム66,66およびカム68,68の凸部とが当接するように、あらかじめ決められているものである。
図1に戻って、説明を続ける。
第1スプロケット26,第3スプロケット30と第4スプロケット32によって囲まれた空間内に加熱ロール22および第2スプロケット28が確実に配置されるように、それらスプロケット26,30および32の位置が調整されている。
すなわち、チェーン34を各スプロケット26,28,30,32に巻き掛けたときに、第3スプロケット30から第4スプロケット32に掛け渡されているチェーン34と、定着ロール対12の加熱ロール22との間、および第2スプロケット32との間に十分な空間が形成されるように、各スプロケット26,28,30,32の位置と加熱ロール22の位置とが調整される。
第1スプロケット26,第3スプロケット30と第4スプロケット32によって囲まれた空間内に加熱ロール22および第2スプロケット28が確実に配置されるように、それらスプロケット26,30および32の位置が調整されている。
すなわち、チェーン34を各スプロケット26,28,30,32に巻き掛けたときに、第3スプロケット30から第4スプロケット32に掛け渡されているチェーン34と、定着ロール対12の加熱ロール22との間、および第2スプロケット32との間に十分な空間が形成されるように、各スプロケット26,28,30,32の位置と加熱ロール22の位置とが調整される。
第3スプロケット30は、第2スプロケット28に対して、記録媒体Pの長さより離れた位置に配置されることが好ましい。これにより、記録媒体Pに形成された画像が定着ロール対12によって完全に定着された後に、記録媒体Pを定着装置10の外部に排出させることができる。
ここで、第3スプロケット30(の軸)は、図示されていない回転駆動手段と接続されており、回転駆動手段による回転駆動力が第3スプロケット30に伝達される。一方、第2スプロケット28は、回転駆動手段とは接続されていない従動スプロケットである。なお、第2スプロケット28は、駆動ロールである加熱ロール22と軸を共有しているが、ベアリングを介する等の構成により、加熱ロール22とは連動して回転しないように構成されている。
また、チェーン34には、各スプロケット26,28,30,32間において確実な動力伝達を行うように所定の張力が付与されている。したがって、チェーン34は、回転駆動手段を有した第3スプロケット30の回転動力を、第1スプロケット26,第2スプロケット28および第4スプロケット32に伝達することができる。また、例えばスプロケット32を、図1内で紙面の上下方向に移動可能に構成し、チェーン34の張力調整を行えるようにしておくのが好ましい。
グリッパユニット36は、第1スプロケット26から第3スプロケット30までの記録媒体Pの搬送路(図1参照)において、記録媒体Pの非画像記録部分(余白部分)を把持し、チェーン34の移動に伴って移動する。このような、チェーン34およびグリッパユニット36を用いた記録媒体Pの搬送機構(チェーン・グリッパ機構)は、印刷機等において、印刷媒体の搬送に用いられているものなどを利用することができる。例えば、実開平6−23748号公報には、チェーン・グリッパ機構を備えたオフセット印刷機の給紙機構について記載されている。
上記公報に記載されているチェーン・グリッパ機構は、これを若干変形して、本実施形態に係る画像形成装置においても好適に用い得る。
以下、本実施形態に係る画像形成装置において用いているグリッパユニット36を用いるチェーン・グリッパ機構について、図3および図4を参照して説明する。
以下、本実施形態に係る画像形成装置において用いているグリッパユニット36を用いるチェーン・グリッパ機構について、図3および図4を参照して説明する。
図3は、図1に示したグリッパユニット36を紙面手前から見た拡大模式側面図であり、図4は、グリッパ取付部材38と、爪台40の上端部接合された爪軸ホルダ42の拡大模式側面図である。図3および図4に示されるように、グリッパユニット36は、基本的には、グリッパ取付部材38と、爪台40と、爪軸ホルダ42と、軸受44と、爪軸46と、作動アーム48と、カムロール50と、爪部材52とを有する。
一対のグリッパ取付部材38,38は、互いに対向するように一対のチェーン34,34にそれぞれ設置されている。爪台40は、紙面垂直方向に延在する棒状または板状の形状を有し、長手方向の両端面が一対のグリッパ取付部材38,38の内側の面と接合されている。一対の爪軸ホルダ42,42は、図3および4に示すように、爪台40の上面に接合されており、グリッパ取付部材38,38の近傍で所定の間隔を離して設けられている。
図4に示すように、軸受44,44は、爪軸ホルダ42,42の、爪台40に接合された端部42aと反対の端部42bに設けられており、その軸受44,44には、爪台40と爪軸46とが平行になるように、爪軸46の両端部が嵌合されている。
この爪軸46上には、図3に示すように、一対の作動アーム48,48が接続されており、作動アーム48.48に形成されている貫通孔(軸受)に爪軸46が嵌合されて固定されている。一対の作動アーム48,48の爪軸46上の設置位置は、一対の軸取付部材42,42の間で、且つ、爪軸ホルダ42,42の近傍である。図3に示すように、爪軸46と嵌合された作動アーム48,48の一端部48aに反対側の端部48bには、カムロール50,50が設けられている。
また、爪軸46上には、複数の爪部材52が等間隔に固定されて配置されている。爪部材52に形成されている開口に爪軸46が嵌合されて固定されている。爪部材52は、爪軸46を回転軸として回転可能であり、図示されていない弾性部材によって爪台40に当接する方向に付勢されている。爪部材52と作動アーム48は、爪軸46に固定されているので、爪軸46の回転に伴って、爪部材52および作動アーム48が回転する。上述のように構成されたグリッパユニット36は、爪台40と爪部材52との間に記録媒体Pを挟むことによって記録媒体Pを把持することができる。
ここで、グリッパユニット36の把持動作について図5を参照しながら説明する。図5は、第1スプロケット26の最下部を通過中のグリッパユニット36とその周辺部とを、図1の左側から見た部分断面図である。
チェーン34は、図1において、駆動手段を有した第3スプロケット30の回転動力によって移動するが、それに応じて、チェーン34に付設されたグリッパユニット36も移動する。移動の方向は、第1スプロケット26から第2スプロケット28へ、第2スプロケット28から第3スプロケット30へ、第3スプロケット30から第4スプロケット32へと移動する方向である。
チェーン34は、図1において、駆動手段を有した第3スプロケット30の回転動力によって移動するが、それに応じて、チェーン34に付設されたグリッパユニット36も移動する。移動の方向は、第1スプロケット26から第2スプロケット28へ、第2スプロケット28から第3スプロケット30へ、第3スプロケット30から第4スプロケット32へと移動する方向である。
グリッパユニット36が第1スプロケット26の最下部に向かって移動すると、上記の作動アーム48の先端に形成されたカムロール50が、上述したカム66に当接しながら、グリッパユニット36が第1スプロケット26の最下部に向かって移動する。このとき、カム66の凸部がカムロール50に当接することによって、カムロール50が形成されている側の作動アーム48の端部48bが爪台40に近づくように押される。それに応じて、作動アーム48が固定されている爪軸46が、図1の紙面手前から見て反時計回りに回転する。したがって、爪軸46に固定された爪部材52も、爪軸46を中心に、図1の紙面手前から見て反時計回りに回転する。つまり、爪部材52は爪台40から離れる方向に回転する。
図5に示すように、グリッパユニット36が第1スプロケットの最下部に到達したとき、作動アーム48は、図6に示すように、カム66の凸部66aによって最も押し下げられた状態になっている。したがって、グリッパユニット36の爪部材52が爪台40から一番離れて爪部材52と爪台40との間に空間が形成されており、グリッパユニット36が記録媒体Pを把持できる状態になっている。このとき、タイミングを合わせて記録媒体Pを、爪部材52と爪台40との間に搬送する。
グリッパユニット36が第1スプロケット26の最下部を過ぎると、当接していた作動アーム48に軸着されたカムロール50とカム66とが離れて、図5に示したような作動アーム48はカム66が接触する前の位置に戻る。よって、爪部材52が爪台40に当接していた位置に戻ることによって、記録媒体Pが把持される。
グリッパユニット36が第1スプロケット26の最下部を過ぎると、当接していた作動アーム48に軸着されたカムロール50とカム66とが離れて、図5に示したような作動アーム48はカム66が接触する前の位置に戻る。よって、爪部材52が爪台40に当接していた位置に戻ることによって、記録媒体Pが把持される。
グリッパユニット36が第3スプロケット30の最下部を通過するときには、カム68が上と同様に作用して、記録媒体Pを把持していた爪部材52が爪台40から離間して、グリッパユニット36が記録媒体Pを解放する。
ところで、グリッパユニット36は、図1に示すガイド板18上で記録媒体Pを把持する。このような記録媒体の把持動作中において、グリッパユニット36の爪部材52が爪台40から一番離れたときにガイド板18と接触する恐れがある。本実施形態では、このような接触を回避するために、図5に示すようにガイド板18には、爪部材52が通過する位置に開口(逃げ穴)18aが形成されている。また、爪台40とガイド板18との間には、記録媒体Pを通過させるための間隙51が設けられており、このような間隙51を設けることによって記録媒体Pをグリッパユニット36で確実に把持して搬送させることができる。
また、図1に示されるガイド板18,20の爪部材52が通過する位置には溝が形成されている。これにより、搬送動作中に爪部材52が直接ガイド板18,20に接触して、グリッパユニット36が不安定になったり、グリッパユニット36に不必要な負荷が加わったりすることが回避され、安定した搬送動作が可能になる。
また、グリッパユニット36が、搬送動作中にズレや揺れ等を生じずに安定した搬送を行うために、ガイド板18,20が、例えばその両端部に、グリッパユニット36の位置を決めるための溝を備えているのが好ましい。
また、グリッパユニット36が、搬送動作中にズレや揺れ等を生じずに安定した搬送を行うために、ガイド板18,20が、例えばその両端部に、グリッパユニット36の位置を決めるための溝を備えているのが好ましい。
ところで、本実施形態では、上述のような爪状の部材で記録媒体Pを把持する把持手段を用いたが、本発明はこのような把持手段に限定されず、記録媒体Pの端部を把持することができるものであれば任意の把持手段を利用することができる。例えば、磁石を使用し磁力を利用して把持する手段や静電気力を利用して把持する手段、または、細かい針状の部材で記録媒体Pの先端部を刺し通して把持する手段等を用いることができる。つまり、グリッパユニット36の形状および機構は、物理的に挟む,刺す等のほか、真空吸着等の機能を有し、記録媒体Pを定着ロールから剥離するのに必要かつ十分な張力を記録媒体Pに伝えることができれば任意の形状および機構にすることができる。
また、把持手段を構成する部品は、定着時に、定着用のロールに貼り付く記録媒体をロールから引き剥がすのに十分な剛性および把持力を有していることが好ましい。例えば、図1に示した定着装置において、加熱ロールから記録媒体を引き剥がすときに、グリッパユニット36を構成する爪台40や爪軸46が変形することがないように、剛性を有する材料を用いて爪台40や爪軸46を形成することが好ましく、記録媒体Pがグリッパユニット36から外れたりしないように、爪部材52の付勢力や爪部材52の配置位置、爪部材52の数を決定することが好ましい。
また、本実施形態においては、定着ロール対12のニップ部前後でのチェーン34は略直線的に張られているが、定着時間を長くする、あるいは定着後の記録媒体Pの変形を調整したい等の要求がある場合には、チェーン34の通過経路を、ニップ部の前あるいは後で、定着ロール対12のいずれかのロールに添わせて搬送してもよい。
また、グリッパユニット36は、前述のように、記録媒体Pの搬送間隔に応じた間隔でチェーン34上に複数個設けられているのが好ましい。これにより、一つの記録媒体Pへの定着動作が終了した後に、連続して次の記録媒体Pを定着ロール対12に搬送し、処理を連続的に効率よく行うことができる。
次に、定着装置10を構成するベルト搬送手段16について、図1を参照して説明する。
ベルト搬送手段16は、画像定着中の、または、画像定着が終了した記録媒体Pを、把持搬送手段14と共に搬送することができる。また、ベルト搬送手段16は、把持搬送手段14が搬送動作を終えた記録媒体Pを、画像記録装置8の外部、または、次工程へ搬送することができる。
ベルト搬送手段16は、画像定着中の、または、画像定着が終了した記録媒体Pを、把持搬送手段14と共に搬送することができる。また、ベルト搬送手段16は、把持搬送手段14が搬送動作を終えた記録媒体Pを、画像記録装置8の外部、または、次工程へ搬送することができる。
図1に示されるベルト搬送手段16は、エンドレスベルト54と第1制御ロール56と第2制御ロール58とから構成され、搬送路におけるガイド板20の下流側に設置される。第1制御ロール56は、搬送路におけるガイド板20の下流側で、ガイド板20の近傍に設けられる。第2制御ロール58は、第3スプロケット30よりも搬送路下流側に設けられる。エンドレベルト54は、第1制御ロール56と第2制御ロール58に巻き掛けられた、記録媒体搬送用のループ状のベルトである。
ベルト搬送手段16は、エンドレスベルト54の上面が、ガイド板18とガイド板20が定める搬送路と滑らかに接続されるように位置が決められる。
ベルト搬送手段16は、エンドレスベルト54の上面が、ガイド板18とガイド板20が定める搬送路と滑らかに接続されるように位置が決められる。
第1制御ロール56と第2制御ロール58のうち少なくとも一方は、回転駆動手段(図示されていない)と接続されており、この回転駆動手段によってエンドレスベルト54の回転が制御される。ベルト搬送手段16は、回転駆動手段に接続された制御ロールが回転駆動してエンドレスベルト54が移動することで記録媒体Pを搬送することができる。第1制御ロール56と第2制御ロール58の両方が、それぞれ、回転駆動手段と接続されている場合には、両ロールの周速度が同じになるように回転駆動される。
ここで、上述したように、第3スプロケット30の最下部において、グリッパユニット36が記録媒体Pを離し、把持動作を終える。このとき、上記の爪部材52の動作を妨げることのないように、エンドレスベルト54は、爪部材52が通過しない位置のみにベルトが設けられている。つまり、エンドレスベルト54は、爪部材52が通過する位置を避けて上記の制御ロールに巻かれた、隣り合う爪部材52間の距離程度の幅をもった細いエンドレスベルトが、複数本並んで構成される。
また、第1制御ロール56の爪部材52が通過する位置には、第1制御ロール56を周回する周回溝が形成されている。これにより、グリッパユニット36を、ガイド板20からベルト搬送手段16に滑らかに移動させることができる。
また、第1制御ロール56の爪部材52が通過する位置には、第1制御ロール56を周回する周回溝が形成されている。これにより、グリッパユニット36を、ガイド板20からベルト搬送手段16に滑らかに移動させることができる。
次に、定着装置10の動作について、図7(a)〜(e)を参照しながら説明する。
図7(a)〜(e)は、定着装置10における定着ロール対12,把持搬送手段14,ベルト搬送手段16の動作を説明する図である。
図7(a)〜(e)は、定着装置10における定着ロール対12,把持搬送手段14,ベルト搬送手段16の動作を説明する図である。
第3スプロケット30の回転動力によって、チェーン34が移動し、それに応じてグリッパユニット36も移動する。具体的には、図7(a)に示す位置から同(b)に示すように、グリッパユニット36が、把持搬送手段14による記録媒体Pの搬送経路の始点、すなわち、第1スプロケット26の最下部に向かって移動する。また、画像形成装置70によって表面に画像が形成(描画)された記録媒体Pが、ガイド板18によって案内されながら、図示されていない搬送手段によって、把持搬送手段14の第1スプロケット26の位置まで搬送される。
グリッパユニット36は、第1スプロケット26の最下部を通過すると同時に把持動作を行う。したがって、グリッパユニット36が第1スプロケット36の最下部に到達したとき、記録媒体Pがグリッパユニット36に把持されうる状態、すなわち、記録媒体Pの先端が爪台40と爪部材52との間に位置するように、グリッパユニット36と記録媒体Pとが同期されて移動される。
同期されて移動するグリッパユニット36と記録媒体Pとは、同時に第1スプロケット26の最下部を通過する。このとき、記録媒体Pはグリッパユニット36によって把持され、図7(b),(c)に示すように、チェーン34の移動に伴って定着ロール対12へと搬送される。
なお、爪台40と爪部材52との間に記録媒体Pが搬送されるまで、グリッパユニット36が第1スプロケット26の最下部で停止させてもよい。さらに、この場合、第1スプロケット26との最下部に記録媒体Pの先端を検出する検出器を設け、この検出器による記録媒体Pの検出結果をトリガとして、第3スプロケット30の回転駆動を行うようにしてもよい。
なお、爪台40と爪部材52との間に記録媒体Pが搬送されるまで、グリッパユニット36が第1スプロケット26の最下部で停止させてもよい。さらに、この場合、第1スプロケット26との最下部に記録媒体Pの先端を検出する検出器を設け、この検出器による記録媒体Pの検出結果をトリガとして、第3スプロケット30の回転駆動を行うようにしてもよい。
図7(a)〜(e)の概念図においては、記録媒体Pが画像形成装置70および把持搬送手段14の両方にまたがって搬送されるように示されているが、実際には、把持搬送手段14による記録媒体Pの搬送動作が、画像形成装置70における画像形成に影響を及ぼさないように、記録媒体Pが画像形成装置70を通過した後に、把持搬送手段14による搬送が開始されるか、画像形成装置70と把持搬送手段14との間にバッファが設けられているのが好ましい。また、把持搬送手段14の上流側の搬送手段等による挟持力等との干渉を防ぎ、記録媒体Pへの応力の負荷が掛からないようにするために、チェーン34の移動速度は、グリッパユニット36に把持される直前の記録媒体Pの搬送速度と等しくするのが好ましい。
図7(c)に示すように、加熱ロール22および加圧ロール24によって挟持された記録媒体Pは、一定の周速度で回転駆動する加熱ロール22によって画像定着されつつ搬送される。このとき、加熱ロール22および加圧ロール24が記録媒体Pを挟持している挟持部と、グリッパユニット36が記録媒体Pを把持している把持部との間に、記録媒体Pが加熱ロール22から剥離されるのに必要かつ十分な張力を付加されるように、第3スプロケット30の回転駆動力を制御するのが好ましい。これにより、グリッパグユニット36に把持された記録媒体Pを、一定の速度で画像定着部を通過させるとともに、加熱ロール22に貼り付くことなく搬送させることができる。
チェーン34も一定速度で移動を続け、記録媒体Pは上記挟持部とグリッパユニット36による把持部との間に張力を受けながら一定の速度で搬送される。図7(d)に示すように、グリッパユニット36に把持された記録媒体Pは、ガイド板20に案内されてベルト搬送手段16に到達する。このとき、エンドレスベルト54の移動速度は、把持搬送手段14によって搬送される記録媒体Pの速度に同期されており、記録媒体Pに弛みを生じさせたり、不必要に大きな負荷が加えられたりすることがないように調節されている。
記録媒体Pは、互いに連動した把持搬送手段14とベルト搬送手段16とによって、記録媒体Pの後端部が加熱ロール22から離れる位置まで搬送される。記録媒体Pはそのまま搬送されて、グリッパユニット36が、第3スプロケット30の最下部(把持搬送する搬送路の終点)を通過した直後に、前述のような動作により、グリッパユニット36は記録媒体Pを解放する。そして、図7(e)に示すように、記録媒体Pは、ベルト搬送手段16によって外部または次工程に搬送される。
上述した工程を繰り返すことで、記録媒体Pが加熱ロール22に貼り付くことなく連続的に画像を定着させることができる。
なお、図7(d),(e)に示すように、先行する記録媒体Pを挟持搬送するグリッパユニット36が定着ロール対12を通過した時点で、後続の記録媒体Pを定着ロール対12に挿入するサイクルをスタートさせることができる。
なお、図7(d),(e)に示すように、先行する記録媒体Pを挟持搬送するグリッパユニット36が定着ロール対12を通過した時点で、後続の記録媒体Pを定着ロール対12に挿入するサイクルをスタートさせることができる。
ここで、上記実施形態とは別の形態としては、図8に示すような、ベルト搬送手段16を有さず、それに代わって定着の完了した記録媒体Pを集積する排紙台71を配置する形態も好適に用いることができる。
また、上記実施形態においては、一例として、定着ロール対12を構成する2本のロールのうち、下方の加圧ロール24にのみ切り欠き部24Aを設ける例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9(a)〜(d)に示すように、各種の態様が採用可能である。
すなわち、図9(a)は、前記実施形態に示した構成とは逆に、定着ロール対12を構成する2本のロールのうち、上方の加熱ロール22にのみ切り欠き部22Aを設ける例を示したものであり、また、同(b)は、これらの組み合わせに相当する、定着ロール対12を構成する2本のロールの両方に切り欠き部22A,24Aを設ける例を示している。
これらの構成によっても、略同等の効果を得られるが、図9(b)の構成を採用した場合には、切り欠き部の切り欠き深さが浅くできるため、ロールの変形等が小さく抑えられるという効果が得られるものである。
これらの構成によっても、略同等の効果を得られるが、図9(b)の構成を採用した場合には、切り欠き部の切り欠き深さが浅くできるため、ロールの変形等が小さく抑えられるという効果が得られるものである。
また、図9(c)および(d)は、定着ロール対12構成する2本のロールの径を異ならせた構成において、同様の変形を行う例を示している。なお、ここで、定着ロール対12構成する2本のロールの系を異ならせるのは、記録媒体Pに上方または下方の一方の面に向かっての「反り」が発生し易いような場合に、それを矯正するためなどに行われるものであり、そのような場合には、ここに示す構成が有効となる。
図10(a),(b)は、切り欠き部22Aを有する加熱ロール22の詳細な構成例を説明するものである。
図中、22aはアルミニウム等の芯金、22bは所定の弾性層、22cはシリコーンゴム,フッ素ゴム,フッ素樹脂等からなる離型層を示している。また、22dは弾性層22bのカバー部材、22Bはヒータを示している。
なお、図10(a),(b)の相違点は、図10(a)の例では、芯金22aがアルミニウムの直管そのままであるのに対し、同(b)の例では、芯金22a自体にも切り欠きが及んでいる構成を示している。
図中、22aはアルミニウム等の芯金、22bは所定の弾性層、22cはシリコーンゴム,フッ素ゴム,フッ素樹脂等からなる離型層を示している。また、22dは弾性層22bのカバー部材、22Bはヒータを示している。
なお、図10(a),(b)の相違点は、図10(a)の例では、芯金22aがアルミニウムの直管そのままであるのに対し、同(b)の例では、芯金22a自体にも切り欠きが及んでいる構成を示している。
加熱ロール22(または、加圧ロール24)が上述のように構成される切り欠き部22a(または,24A)を備えることにより、本実施形態に係る定着装置10またはこれを用いる画像形成装置8は、良好な記録媒体Pのハンドリング特性並びに定着特性を示すことができ、優れた画質を維持した画像の定着並びに画像形成を行うことができる。
次に、定着装置のより具体的な実施形態を示して本発明の効果を説明する。まず、図1に示した定着ロール対12を以下に示すように構成する。
定着ロール対12を構成する加熱ロール22として、芯金の表面上に、シリコーンゴム弾性層、フッ素ゴム中間層、シリコンゴムコート層を順に積層した加熱ロールを用いる。芯金は、例えば外径214mm、厚さ10mmの円筒状のアルミニウムを用いて形成され、中心に、加熱源としてのヒータを備える。シリコーンゴム弾性層は、例えばゴム硬度JIS10、厚さ3mmのシリコーンゴムを用いて形成され、フッ素ゴム中間層は、例えばゴム硬度JIS70、厚さ35μmのフッ素ゴム、シリコンゴムコート層は、ゴム硬度JIS70、厚さ60μm、表面粗さRa=0.08μmのシリコーンゴムを用いて形成される。
定着ロール対12を構成する加熱ロール22として、芯金の表面上に、シリコーンゴム弾性層、フッ素ゴム中間層、シリコンゴムコート層を順に積層した加熱ロールを用いる。芯金は、例えば外径214mm、厚さ10mmの円筒状のアルミニウムを用いて形成され、中心に、加熱源としてのヒータを備える。シリコーンゴム弾性層は、例えばゴム硬度JIS10、厚さ3mmのシリコーンゴムを用いて形成され、フッ素ゴム中間層は、例えばゴム硬度JIS70、厚さ35μmのフッ素ゴム、シリコンゴムコート層は、ゴム硬度JIS70、厚さ60μm、表面粗さRa=0.08μmのシリコーンゴムを用いて形成される。
加圧ロール24としては、芯金の表面上に、シリコーンゴム弾性層およびPFA層を順に積層した加熱加圧ロールを用いる。芯金は、例えば外径218mm、厚さ10mmの円筒状のアルミニウムで形成され、中心に、加熱源としてヒータを備える。シリコーンゴム弾性層は、所定ゴム硬度および厚さ、例えばゴム硬度JIS20、厚さ1mmのシリコーンゴムを用いて形成され、PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)層は、所定厚みおよび所定表面粗さの樹脂、例えば厚さ50μm、表面粗さRa=0.1μmのPFAを用いて形成される。
画像を定着させるための記録媒体Pとしては、例えば厚さ70,100,150μmの3種類の厚さのA2サイズのアート紙(三菱製紙製、商品名、特菱アート)を用いる。
このような記録媒体P上に、インクジェットヘッドにより、それぞれシアンインクを1.0g/m2の厚さになるように吐出して所定の画像を形成する。画像形成終了後、5秒〜5分の間隔をおいて、記録媒体Pを加熱ロールと加圧ロールの間に挿入した後、グリッパユニット36で把持搬送させつつ画像の定着を行う。
また、定着ロール22と定着ロール24とのニップ圧は0.3MPa、記録媒体Pの搬送速度は15mm/sec、定着ロール22および定着ロール24の表面温度110℃とする。
このような記録媒体P上に、インクジェットヘッドにより、それぞれシアンインクを1.0g/m2の厚さになるように吐出して所定の画像を形成する。画像形成終了後、5秒〜5分の間隔をおいて、記録媒体Pを加熱ロールと加圧ロールの間に挿入した後、グリッパユニット36で把持搬送させつつ画像の定着を行う。
また、定着ロール22と定着ロール24とのニップ圧は0.3MPa、記録媒体Pの搬送速度は15mm/sec、定着ロール22および定着ロール24の表面温度110℃とする。
このようにして、それぞれの厚さの記録媒体について、定着ロール対12による画像定着を所定回数行ったところ、いずれの場合も加熱ロール22に貼り付くことなく加熱ロール22から記録媒体を確実に引き剥がすことができた。
一方、グリッパユニット36を用いずに、上記定着ロール対を用いて定着を行ったところ、記録媒体Pが加熱ロール22に貼り付いてしまい、正常な定着処理ができなかった。特に、定着温度やニップ圧を調整して定着を行ったところ、加熱ロールへの貼り付きの現象は、定着温度が高いほど、ニップ圧が小さいほど、記録媒体Pが薄いほど高い確率で発生することがわかった。
一方、グリッパユニット36を用いずに、上記定着ロール対を用いて定着を行ったところ、記録媒体Pが加熱ロール22に貼り付いてしまい、正常な定着処理ができなかった。特に、定着温度やニップ圧を調整して定着を行ったところ、加熱ロールへの貼り付きの現象は、定着温度が高いほど、ニップ圧が小さいほど、記録媒体Pが薄いほど高い確率で発生することがわかった。
以下に、本発明の一実施形態に係る定着装置を備える画像記録装置を、静電式インクジェット装置に適用した実施形態について詳細に説明する。
なお、以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明するが、これとは逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させたものを用いてもよい。その場合は、記録に作用する各部の極性を、以下の例とは逆極性とすればよい。
図11は、本発明の画像記録装置を適用する静電式インクジェット記録装置の一実施形態を示す概念図である。同図に示すインクジェット記録装置200は、静電力により、帯電した色材粒子(帯電微粒子)を含むインクの吐出を制御し、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録した後、記録された画像を加熱ロールによる接触加熱によって定着するもので、記録媒体Pの保持手段202と、搬送手段204と、記録手段206と、定着手段10と、溶媒回収手段72とを備え、これらが筐体201に内包されている。
なお、図11のインクジェット記録装置200において、定着手段10は、図1に示した定着装置10と基本的には同一であるので、その詳細な説明を省略する。また、図11のインクジェット記録装置200における記録手段206は、図1の画像記録装置10における画像形成装置12に対応するものである。
まず、記録媒体Pの保持手段202について説明する。
保持手段202は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ74と、ピックアップロール76と、記録後の記録媒体Pを保持する排紙トレイ78とを備えている。
保持手段202は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ74と、ピックアップロール76と、記録後の記録媒体Pを保持する排紙トレイ78とを備えている。
給紙トレイ74は、記録に供される複数枚の記録媒体Pを保持するものであって、図6中、筐体201の左側部から筐体201の内部に挿入されて装着されている。ピックアップロール76は、給紙トレイ74の装着部の先端部(図中、右端部)近傍に配置されている。画像の記録時には、ピックアップロール76により、記録媒体Pが給紙トレイ74から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段204に供給される。ピックアップロール76の近傍には、重ねてストックされている記録媒体Pの分離を容易にするために、記録媒体Pの除電を行う除電ブラシや除電ロール、エア吹き付けブロアー等が備えられているのが好ましい。
排紙トレイ78は、画像が形成された記録媒体Pを保持するものであって、筐体201内部の記録媒体Pの搬送経路の終端に設けられ、その先端部(記録媒体Pの搬送方向先端側)は筐体201の外部に位置している。記録後の記録媒体Pは、搬送手段204により搬送されて、排紙トレイ78に排紙される。
次に記録媒体Pの搬送手段204について説明する。
搬送手段204は、記録媒体Pを、給紙トレイ74から排紙トレイ78まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ロール対80と、搬送ベルト82と、ベルトロール84a、84bと、導電性プラテン86と、記録媒体Pの帯電器88および除電器90と、分離爪92と、出口ガイド94とを備えている。また、分離爪92から出口ガイド94までの区間においては、定着手段10の把持搬送手段14およびベルト搬送手段16が搬送手段として機能する。なお、搬送手段204としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ロール対や搬送ベルト、搬送ガイド等の通常の搬送部材が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されていてもよい。
搬送手段204は、記録媒体Pを、給紙トレイ74から排紙トレイ78まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ロール対80と、搬送ベルト82と、ベルトロール84a、84bと、導電性プラテン86と、記録媒体Pの帯電器88および除電器90と、分離爪92と、出口ガイド94とを備えている。また、分離爪92から出口ガイド94までの区間においては、定着手段10の把持搬送手段14およびベルト搬送手段16が搬送手段として機能する。なお、搬送手段204としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ロール対や搬送ベルト、搬送ガイド等の通常の搬送部材が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されていてもよい。
搬送ロール対80は、ピックアップロール76と搬送ベルト82との間の位置に設けられている。ピックアップロール76により給紙トレイ74から取り出された記録媒体Pは、この搬送ロール対80と搬送ベルト82により挟持搬送され、搬送ベルト82上の所定の位置に供給される。
搬送ベルト82は、ループ状のエンドレスベルトであり、2つのベルトロール84a、84bによって張架されている。ベルトロール84a、84bのうちの少なくとも一方は、図示されていない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト82は、図中、時計回りに周回し、搬送ベルト82に静電吸着している記録媒体Pを所定の速度で搬送する。
搬送ベルト82は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性、ベルトロール84a、84bと接触する側の面(裏面)が導電性のものである。また、搬送ベルト82の内周面側には、帯電器88と対向する位置および後述するインクジェットヘッド108と対向する位置にわたって、導電性プラテン86が配置されており、ベルトロール84a、84bおよび導電性プラテン86は接地されている。これにより、搬送ベルト82は、インクジェットヘッド108に対向する位置において、インクジェットヘッド108の対向電極としても機能する。
導電性プラテン86は、ベルトロール124bおよび124cの外周を結ぶ線よりインクジェットヘッド108側にやや張り出すように配置されるのが好ましい。そのように配置することにより、搬送ベルト82に張力を付与して、搬送ベルト82のばたつきを抑えることができる。
記録媒体Pの帯電器88は、スコロトロン帯電器96と、負の高圧電源98とを備えている。スコロトロン帯電器96は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ロール対80と記録手段206との間の位置に、搬送ベルト82の表面に対向して配置されている。また、スコロトロン帯電器96は、負の高圧電源98の負側の端子に接続されており、負の高圧電源98の正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源98に接続されたスコロトロン帯電器96により所定の負の高電位に均一に帯電され、記録に必要な一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。また、これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト82の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
記録媒体Pの除電器90は、コロトロン除電器102と、交流電圧源104と、高圧電源106とを備えている。コロトロン除電器102は、記録手段206の記録媒体P搬送方向の下流側に、搬送ベルト82の表面に対向して配置されている。コロトロン除電器102は、交流電圧源104を介して高圧電源106に接続されており、高圧電源106の他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン除電器102により除電された後、その下流側に配置された分離爪92によって搬送ベルト82上から分離される。搬送ベルト82上から分離された記録媒体Pは、定着手段10に搬送され、定着手段10において定着処理が施された後、把持搬送手段14とベルト搬送手段16によって排紙トレイ78に排紙される。把持搬送手段14とベルト搬送手段16の下流側には、記録媒体Pを排紙トレイ78へ案内する出口ガイド94が配置されている。
次に、記録手段206について説明する。
記録手段206は、帯電した色材粒子を含むインクを用い、画像データに応じてインクの吐出を静電力により制御して、記録媒体P上に、画像データに応じた画像を記録するものであり、静電式のインクジェットヘッド108と、ヘッドドライバ110と、インク循環機構111と、記録媒体Pの位置検出器114とを備えている。
記録手段206は、帯電した色材粒子を含むインクを用い、画像データに応じてインクの吐出を静電力により制御して、記録媒体P上に、画像データに応じた画像を記録するものであり、静電式のインクジェットヘッド108と、ヘッドドライバ110と、インク循環機構111と、記録媒体Pの位置検出器114とを備えている。
インクジェットヘッド108は、搬送ベルト82による記録媒体Pの搬送経路において、記録媒体Pが安定した平面状態で搬送される位置に、そのインク吐出部が搬送ベルト82の表面(搬送ベルト82の表面に保持される記録媒体Pの表面)と所定の距離になるように配置されている。図示例では、インクジェットヘッド108は、ベルトロール84a、84bの間の搬送ベルト82に対向して配置されている。
インクジェットヘッド108は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。各色の吐出ヘッドは、基本的に同様の構成を有しているので、以下ではその1色の吐出ヘッド160について説明する。
図12(a)および(b)は、静電式インクジェットヘッド108における吐出ヘッド160の具体的な構造を説明する模式図であり、図12(a)は、吐出ヘッド160の一部を示す模式的断面図、図12(b)は、図12(a)のXII−XII線における模式的断面図である。吐出ヘッド160は、複数のノズルを2次元的に備えるマルチチャンネルヘッドであるが、ここでは、その構成を明確に示すために、2つの吐出部のみを示してある。
吐出ヘッド160は、ヘッド基板162と、インクガイド164と、ノズル基板166と、吐出電極を構成する吐出電極168と、浮遊導電板176とを備えている。吐出ヘッド160は、インク滴Rの吐出(飛翔)ポイントとなるインクガイド164の先端が、対向電極となる、記録媒体Pを支持する搬送ベルト82と対向するように配置されている。
ヘッド基板162およびノズル基板166は、吐出ヘッド160の全ノズルに共通な平板基板であり、絶縁性材料から構成されている。ヘッド基板162およびノズル基板166は、所定の間隔をあけて配置され、その間にインク流路178が形成されている。インク流路178内のインクQは、吐出電極168に印加される電圧と同極性に帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク循環機構111(図11参照)によって、所定方向、図12(a)に示す例ではインク流路178内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明する。
ノズル基板166には、インクQの吐出口となるノズル174が穿孔されており、このノズル174は、所定の間隔で2次元的に複数配置されている。また、ノズル174の中央部には、インクQの吐出(飛翔)ポイントを定めるためのインクガイド164が配置されている。
インクガイド164は、突状先端部分164aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、各ノズル174に対応する位置に、ヘッド基板162の上に配置されている。インクガイド164は、同じ列(図12(a)における左右方向、図12(b)における紙面垂直方向)に配列される複数のインクガイド164に共通の基部164bを有しており、この基部164bがヘッド基板162上に、浮遊導電板176を挟んで固定されている。
また、インクガイド164の先端部分164aは、吐出ヘッド160の記録媒体P(搬送ベルト82)側の最表面から突出するように配置されている。先端部分164aの形状および構成は、インクQ(インク滴R)の吐出ポイントを安定させ、かつ、先端部分164aにおいて、インクQを十分に供給し、インクQ中の色材粒子を好ましい状態に濃縮させることができるように設定される。例えば、先端部分164aを吐出方向に向けて次第に細くした形状のものや、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成したもの、先端部分84aの誘電率を実質的に大きくするために、先端部分164aに金属を蒸着したものなどが好適である。
ノズル基板166の記録媒体P側の面(図中、上面)には、各ノズル174を囲むように、吐出電極168が配置されている。また、ノズル基板166の記録媒体P側には、吐出電極168の上方(上面)を覆う絶縁層170aと、吐出電極168の上方に絶縁層170aを介して配置されるシート状のガード電極172と、ガード電極172の上面を覆う絶縁層170bとが設けられている。
吐出電極168は、ノズル基板166に開孔されたノズル174の周囲を囲むように、ノズル基板166の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、吐出電極168の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。
吐出電極168は、ヘッドドライバ110によって制御され、画像データに応じて所定のパルス電圧が印加される。上述したように、インクガイド164と対向する位置には、インク中の帯電した色材粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト82に保持されて一定速度で搬送される。記録媒体Pは負の高電圧(例えば、−1500V)に帯電されており、吐出電極168との間に、インクQを吐出させない程度の所定の電界が形成されている。
吐出電極168が吐出オフ状態(吐出待機状態)のときは、パルス電圧は0Vまたは低電圧とされる。この状態では、吐出部の電界強度はバイアス電圧(または、バイアス電圧にオフ状態のパルス電圧が重畳された電圧)による電界強度となっており、これはインクQの吐出に必要な強度よりも低く設定されているため、インクQの吐出は行われない。しかし、この吐出待機状態の低電界により、ノズル174の内部においてインク中の色材粒子がインクガイド164の先端部分176aに濃縮する。
吐出電極168が吐出オン状態のときは、パルス電圧が印加され、バイアス電圧に高電圧のパルス電圧(例えば、400〜600V)が重畳されて、吐出部の電界強度はインクQが吐出するのに十分な強度となり、インクガイド164の先端部分176aに濃縮されたインクQがインク滴Rとして飛翔する。このインク滴Rのサイズは極めて小さいため、解像度の高い、高画質な画像記録を行うことができる。
このように、画像データに応じて、記録媒体Pの全幅にわたって配置された各吐出部の吐出電極168のオン,オフが制御され、所定速度で搬送される記録媒体Pに対して所定のタイミングでインク吐出が行われることにより、記録媒体Pに2次元画像が記録される。
ガード電極172は、隣接する吐出部の吐出電極168の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド164の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。ガード電極172は、吐出ヘッド160の全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各ノズル174の周囲に形成された吐出電極168に相当する部分が穿孔されている。ガード電極172を設けることによって、ノズル174を高密度に配置した場合にも、隣接するノズル174の電界の影響を最小限にし、ドットサイズおよびドットの描画位置を常に安定して保つことができる。
ヘッド基板162のインク流路178側の表面には、浮遊導電板176が配置されている。浮遊導電板176は、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされており、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧を発生し、インク流路178内のインクQにおいて、その色材粒子をノズル基板166側へ泳動させる。また、浮遊導電板176の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することが防止されている。この絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性を有するものが用いられる。
浮遊導電板176を設けることにより、インク流路178内のインクQ中の色材粒子をノズル基板166側へ泳動させて、ノズル基板166のノズル174を通過するインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド164の先端部分84aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
なお、図示例においては、吐出電極を単層電極構造としているが、これ以外にも、例えば、列方向に接続された第1吐出電極と、行方向に接続された第2吐出電極とを備える2層電極構造とし、第1吐出電極と第2吐出電極とをマトリクス状に配列してマトリクス駆動を行うものとしてもよい。このようなマトリクス駆動方式によれば、吐出電極の高集積化とドライバ配線の簡素化の両方を同時に実現できる。
インク循環機構111は、インクタンク116と、ポンプ(図示省略)と、インク供給路118aおよびインク回収路118bとを備えている。インクタンク116は、筐体201内部の底面上に配置され、インク供給路118aおよび回収路118bを介してインクジェットヘッド108と接続されている。
インクタンク116内には、各色の色材粒子とこれを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク116内の各色のインクは、ポンプにより、インク供給路118aを介して、インクジェットヘッド108の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、ポンプにより、インク回収路118bを介して各色のインクタンク116内に回収される。また、インクタンク116内には、色材粒子を含まない分散溶媒も保持されている。この分散溶媒は、各色のインク補充およびインク濃度調整等に用いられる。
次に、インクジェット記録装置200の記録手段206を構成する位置検出器114およびヘッドドライバ110について説明する。図11に示す陽に、記録媒体Pの位置検出器114は、フォトセンサ等の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、インクジェットヘッド108よりも上流側の所定位置(図示例では、搬送ロール対80と帯電器88との間の位置)に、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト82の表面に対向して配置されている。位置検出器114により検出された記録媒体Pの位置情報はヘッドドライバ110に供給される。
ヘッドドライバ110は、インクジェットヘッド108のドライバであって、インクジェットヘッド108と駆動信号ケーブルを介して接続されている。図示例では、ヘッドドライバ110は、筐体201内部の図中中央上部に取り付けられている。ヘッドドライバ110には、外部装置から画像データが入力され、位置検出器114から記録媒体Pの位置情報が入力される。そして、ヘッドドライバ110により、記録媒体Pの位置情報にしたがって、インクジェットヘッド108の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
図11に示したインクジェット記録装置200において、定着手段10は、前述したように、図1の画像形成装置10と同様の構成を有している。定着手段10は、加熱ロール22および加圧ロール24によって記録媒体Pを挟持搬送することにより、記録手段206によって記録媒体Pに形成されたインク画像を加熱定着させる。また、加熱ロール22および加圧ロール24によって記録媒体Pを挟持搬送する際に、定着手段10は、記録媒体Pの先端部分をグリッパユニット36によって把持させて、加熱ロール22および加圧ロール24の搬送速度と同じ搬送速度で記録媒体Pをけん引しながら搬送する。
本実施形態に係る画像記録装置においては、このようにグリッパユニット36によって記録媒体Pを把持し、記録媒体Pを引っ張りながら搬送するので、加熱ロール22に貼り付くことが防止され、確実に記録媒体を搬送させることができる。加熱ロール20の表面温度および加圧ロール22による記録媒体Pの押圧力(ニップ力)は、所望の定着性および光沢性を確保するように適宜設定される。
次に、インクジェット記録装置200の溶媒回収手段72について説明する。
溶媒回収手段72は、インクジェットヘッド108から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ180と、排出ファン182とを備えている。活性炭フィルタ180は、筐体201の内側に取り付けられており、排出ファン182は、活性炭フィルタ180の上に取り付けられている。
溶媒回収手段72は、インクジェットヘッド108から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ180と、排出ファン182とを備えている。活性炭フィルタ180は、筐体201の内側に取り付けられており、排出ファン182は、活性炭フィルタ180の上に取り付けられている。
インクジェットヘッド108から吐出されるインクからのインク溶媒の自然蒸発、記録媒体P上の未定着画像を形成するインク溶媒の自然蒸発、および、定着手段10における定着時に発生するインク溶媒の蒸発によって生じる、筐体201内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン182により回収され、活性炭フィルタ180を通過することにより、その溶媒成分が活性炭フィルタ180に吸着して除去されて、除去後の空気が筐体201の外部に排出される。
次に、インクジェット記録装置200のインクジェットヘッド108で用いられるインクQ(インク組成物)について説明する。静電式インクジェットヘッド108においては、インクQとして、色材粒子(色材を含み、かつ,帯電した微粒子)を溶媒(インク溶媒、キャリア液)に分散してなるものが用いられる。
キャリア液(インク溶媒)は、高い電気抵抗率(109Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。電気抵抗率の高いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けることを少なくでき、荷電粒子(帯電微粒子成分)の濃度を高めることができ、荷電粒子を濃縮することができる。また、電気抵抗率の高いキャリア液は、隣接する記録電極間での電気的導通の防止にも寄与し得る。また、このような程度の電気低効率の液体からなるインクを用いると、低電界下でも、インクの吐出を良好に行うことができる。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に有効に電界が作用し、泳動が起こりやすくなる。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液(インク溶媒)に分散される色材粒子は、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよいが、好ましくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させる。分散樹脂粒子を含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均−な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド108等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、さらに好ましくは0.4〜1μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。なお、前記平均粒径は、乾式電子写真に用いられるトナーの平均粒径5〜15μmより小さく、さらに光沢度を50以上に高く発現させると、画像表面が平滑になって、密着効果が出て、ロールに貼り付き易い。
色材粒子をキャリア液に分散させた後(必要に応じて、分散剤を使用しても可)、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、吐出電極(第1吐出電極42および第2吐出電極44)に印加される駆動電圧と同極性の荷電粒子であり、その荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
このようなインクQは、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ、荷電調整剤を分散媒に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
以上、本発明に係る定着装置および画像定着方法並びに画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
8 画像形成装置
10 定着装置
12 定着ロール対
14 把持搬送手段
16 ベルト搬送手段
18,20 ガイド板
22 加熱ロール
22A,24A切り欠き部
22B ヒータ
24 加圧ロール
26 第1スプロケット
28 第2スプロケット
30 第3スプロケット
32 第4スプロケット
34 チェーン
36 グリッパユニット
38 グリッパ取付部材
40 爪台
42 爪軸ホルダ
44 軸受
46 爪軸
48 作動アーム
50 カムロール
52 爪部材
54 エンドレスベルト
56 第1制御ロール
58 第2制御ロール
62 軸受
64 スプリング
66,68 カム
70 画像形成手段
71 排紙台
110 ヘッドドライバ
160 吐出ヘッド
162 ヘッド基板
164 インクガイド
166 ノズル基板
170b 絶縁層
172 ガード電極
174 ノズル
176 浮遊導電板
180 活性炭フィルタ
200 インクジェット記録装置
201 筐体
204 搬送手段
P 記録媒体
10 定着装置
12 定着ロール対
14 把持搬送手段
16 ベルト搬送手段
18,20 ガイド板
22 加熱ロール
22A,24A切り欠き部
22B ヒータ
24 加圧ロール
26 第1スプロケット
28 第2スプロケット
30 第3スプロケット
32 第4スプロケット
34 チェーン
36 グリッパユニット
38 グリッパ取付部材
40 爪台
42 爪軸ホルダ
44 軸受
46 爪軸
48 作動アーム
50 カムロール
52 爪部材
54 エンドレスベルト
56 第1制御ロール
58 第2制御ロール
62 軸受
64 スプリング
66,68 カム
70 画像形成手段
71 排紙台
110 ヘッドドライバ
160 吐出ヘッド
162 ヘッド基板
164 インクガイド
166 ノズル基板
170b 絶縁層
172 ガード電極
174 ノズル
176 浮遊導電板
180 活性炭フィルタ
200 インクジェット記録装置
201 筐体
204 搬送手段
P 記録媒体
Claims (11)
- 画像が形成された記録媒体を挟持搬送することにより前記画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対を備える定着装置であって、
前記記録媒体の先端部分を保持しながら、前記定着ロール対の間を搬送させる保持搬送手段を有し、かつ、
前記定着ロール対を構成するロールの少なくとも一方のロールが、前記保持搬送手段を収容する凹部を有することを特徴とする定着装置。 - 前記凹部が、前記定着ロール対を構成するロールのうち上側のロールのみに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記凹部が、前記定着ロール対を構成するロールのうち下側のロールのみに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記凹部が、前記定着ロール対を構成するロールの両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記保持搬送手段は、前記記録媒体の先端部分を把持する把持部と、
前記把持部による前記記録媒体の把持を行う記録媒体把持ステージと、前記把持部による前記記録媒体の把持を解除する記録媒体把持解除ステージと、これらの両ステージ間に形成される記録媒体搬送ステージとを有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。 - 色材を含む粒子を用いて記録媒体に画像を形成する形成手段と、前記画像が形成された前記記録媒体を少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対によって挟持搬送することにより前記画像を定着させる定着手段を備える画像形成装置であって、
前記定着手段を、
前記記録媒体の先端部分を保持しながら、前記定着ロール対の間を搬送させる保持搬送手段を有し、かつ、
前記定着ロール対を構成するロールの少なくとも一方のロールが、前記保持搬送手段を収容する凹部を有するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着手段の凹部が、前記定着ロール対を構成するロールのうち上側のロールのみに形成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の凹部が、前記定着ロール対を構成するロールのうち下側のロールのみに形成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の凹部が、前記定着ロール対を構成するロールの両方に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の保持搬送手段は、前記記録媒体の先端部分を把持する把持部と、
前記把持部による前記記録媒体の把持を行う記録媒体把持ステージと、前記把持部による前記記録媒体の把持を解除する記録媒体把持解除ステージと、これらの両ステージ間に形成される記録媒体搬送ステージとを有する
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記形成手段が、前記色材を含む粒子を含有するインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有する
ことを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004272753A JP2006091043A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | 定着装置および画像形成装置 |
DE602005015062T DE602005015062D1 (de) | 2004-09-15 | 2005-09-15 | Bilderfixiervorrichtung, damit ausgerüstete Bildaufzeichnungsgerät, und Bildfixierverfahren |
US11/226,290 US20060056886A1 (en) | 2004-09-15 | 2005-09-15 | Image fixing device, image recording apparatus equipped with the same, and image fixing method |
EP05020089A EP1642739B1 (en) | 2004-09-15 | 2005-09-15 | Image fixing device, image recording apparatus equipped with the same, and image fixing method |
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JP2004272753A JP2006091043A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | 定着装置および画像形成装置 |
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WO2021186759A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 画像形成装置 |
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-
2004
- 2004-09-21 JP JP2004272753A patent/JP2006091043A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11385577B2 (en) | 2019-03-14 | 2022-07-12 | Fujifilm Business Innovation Corp. | Transport device, fixing device, and image forming apparatus |
JP7268416B2 (ja) | 2019-03-14 | 2023-05-08 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 搬送装置、定着装置、及び画像形成装置 |
WO2021186759A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 画像形成装置 |
JP2021148838A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 画像形成装置 |
JP7419897B2 (ja) | 2020-03-16 | 2024-01-23 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 画像形成装置 |
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A711 | Notification of change in applicant |
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