JP2005274879A - 定着装置および定着方法 - Google Patents

定着装置および定着方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005274879A
JP2005274879A JP2004086853A JP2004086853A JP2005274879A JP 2005274879 A JP2005274879 A JP 2005274879A JP 2004086853 A JP2004086853 A JP 2004086853A JP 2004086853 A JP2004086853 A JP 2004086853A JP 2005274879 A JP2005274879 A JP 2005274879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
fixing
release agent
recording medium
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004086853A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikashi Oishi
近司 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2004086853A priority Critical patent/JP2005274879A/ja
Publication of JP2005274879A publication Critical patent/JP2005274879A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着ロールや記録媒体の帯電を防止して、画像を形成する色材粒子が定着ロール、またはオイルロールに付着にするオフセットおよび記録媒体が定着ロールへ付着することで発生する紙詰まり等を防止する定着装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなり、前記画像が描画された前記記録媒体を挟持して搬送することにより、前記画像を前記記録媒体上に定着する定着ロール対と、前記定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに導電性離型剤を塗布する離型剤塗布手段と、前記導電性離型剤を電気的に接地する接地手段をと有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画した画像を、記録媒体上に定着させる定着装置および定着方法に関する。
静電式、ピエゾ式、サーマル式等の各種インクジェット記録方式、または、電子写真方式等の、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に記録する記録方法によって、記録媒体上に記録した画像を、記録媒体上に定着させる定着装置としては、加熱ロールと定着ロールとからなる一対の定着ロール対を用い、画像が記録された記録媒体を挟持して搬送することで、熱と圧力との作用でその画像を記録媒体上に定着させる定着装置が知られている。また、このような定着装置では、画像定着時に、定着ロール対の表面に画像部を形成する色材粒子が付着するのを防止するため、定着ロール対の一方のロール(以下、定着ロールとする)と当接してつれ回るオイルロールを介して離型剤を定着ロール対の一方のロールの表面に均一に塗布供給する離型剤供給装置を備える定着装置も知られている。
このような離型剤供給装置を備える定着装置では、従来から次のような問題があった。つまり、オイルロールと定着ロールとは互いに当接して回転しているため、オイルロールは、定着ロールとの摩擦により帯電してしまう。その結果、僅かに定着ロール表面に付着したオフセットトナー(色材粒子)がオイルロールに転移してオイルロールが徐々に汚染され、定着ロールへのオイル塗布性能が低下したり、オイルロールに転移したオフセットトナーが再び定着ロールへ付着してしまっていた。さらに、オイルロールが帯電すると、離型剤が帯電してしまい、ハーフトーン画像において濃度ムラ(ゴースト)などの画像欠陥が生じてしまう。
このような問題に対して、特許文献1には、定着ロール、オイルロール、離型剤の帯電を防止するために、定着ロールに当接して回転し、定着ロールの表面に離型剤を塗布するオイルロールの表面を導電性材料により構成し、そのオイルロールの表面を電気的に接地する離型剤供給装置を備える定着装置が開示されている。
特開2001−125416号公報
しかしながら、特許文献1に開示の定着装置では、接地された金属ロールをオイルロールとして用い、定着ロールに当接して離型剤を塗布することで、定着ロールからのトナーの付着を防止するとともに離型剤の帯電を防止することができるとされているが、電気的に接地されるのがオイルロール表面の離型剤のみとなるため、効果は不十分である。
また、オイルロールの表面を電気的に接地させても、定着ロール対が記録媒体を挟持搬送すると、記録媒体が定着ロールとの摩擦によって帯電し、帯電した記録媒体が定着ロールに付着して定着ロールに巻きついてしまうため、定着ロールの排出側での紙詰まりが発生するという問題もある。
さらに、定着ロールと当接してつれ回るオイルロールの表面を導電性材料にする必要があり、装置コストが高くなるという問題もある。
そこで、本発明の目的は、定着ロールや記録媒体の帯電を防止して、画像を形成する色材粒子が定着ロール、またはオイルロールに付着にするオフセットおよび記録媒体が定着ロールへ付着することで発生する紙詰まり等を防止する定着装置および定着方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着する定着装置であって、少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなり、前記画像が描画された前記記録媒体を挟持して搬送することにより、前記画像を前記記録媒体上に定着する定着ロール対と、前記定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに導電性離型剤を塗布する離型剤塗布手段と、前記導電性離型剤を電気的に接地する接地手段とを有することを特徴とする定着装置を提供する。
ここで、前記離型剤塗布手段は、前記定着ロール対の一方の定着ロールと当接して回転し、その当接している定着ロールに導電性離型剤を塗布するオイルロールを有することが好ましい。
また、前記離型剤塗布手段は、さらに、前記導電性離型剤を貯留するオイルタンクと、その一方が前記オイルタンク内の前記導電性離型剤に浸漬され、他方が前記オイルロールと摺接し、その内部に前記導電性離型剤を含浸する含浸部材とを有し、前記接地手段は、前記オイルタンク内に貯留されている前記導電性離型剤を電気的に接地する接地部材であることが好ましい。
また、前記オイルロールは、その外周面が少なくとも前記導電性離型剤を含浸する部材で形成されていることが好ましい。
また、前記離型剤塗布手段が、導電性離型剤を含浸させた含浸ロールであることも好ましい。
また、前記接地手段が、前記含浸ロールを介して導電性離型剤を接地させることが好ましい。
また、前記定着ロール対の一方の定着ロールは、加圧ロールであることが好ましい。
また、前記記録媒体上の前記画像は、前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられる、帯電した前記色材粒子を溶媒に分散させたインクを用いる静電式インクジェット描画手段によって描画されたものであることが好ましい。
また、本発明は、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着するに際し、少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなる定着ロール対を用い、この定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに電気的に接地された導電性離型剤を塗布しつつ、前記定着ロール対によって、前記画像が描画された前記記録媒体を挟持して搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着することを特徴とする定着方法を提供する。
ここで、前記導電性離型剤が、親水性シリコーンオイルまたは導電化剤含有シリコーンオイルであることが好ましい。
さらに、前記親水性シリコーンオイルは、ポリアルキレンオキシド変性シリコーンまたはヒドロキシシリコーンであり、導電化剤含有シリコーンオイルは、高抵抗または疎水性シリコーンオイル、もしくは親水性シリコーンに導電化剤を溶解させたものであることが好ましい。
本発明によれば、定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに導電性離型剤を塗布することで、定着ロールと記録媒体、特にその画像部との離型性が向上され、画像部を形成する色材粒子が定着ロールに付着することを防止することができる。
さらに、定着ロールに塗布された導電性離型剤を電気的に接地させることで、定着ロールおよび記録媒体上の画像部を形成する色材粒子の帯電を防止し、帯電した色材粒子が定着ロールに付着することを防止することができ、離型性をさらに向上させることができる。
これにより、定着ロールによるオフセットを防止することができ、非画像部の汚れが無く、鮮明な仕上がりの画像を記録媒体上に定着させることができる。
また、本発明によれば、定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに塗布された導電性離型剤を電気的に接地させることにより、定着ロール対に挟持搬送される記録媒体は、導電性離型剤を介して電気的に接地される。これにより、記録媒体の帯電を防止することができ、記録媒体が定着ロール対に巻きついてしまう紙詰まりを、防止することが可能となる。
さらに、本発明によれば、導電性離型剤を介して、電気的に接続されている部分の1ヶ所を接地することで、定着ロールおよび離型剤塗布手段の通電している部分を電気的に接地させることができる。これにより、定着ロールやオイルロールの表面に導電性を付与する製造工程および定着ロールやオイルロールに当接させる除電部材が不要となり装置コストの低減が可能となる。
以下に、本発明に係る定着装置および定着方法を、添付の図面に示される好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の態様の定着方法を実施する第2の態様の定着装置の一実施形態を示す概略構成を示す模式的な断面図である。
同図に示す定着装置10は、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に記録した画像を、記録媒体上に定着させるものであり、画像が記録された記録媒体を挟持して搬送することで画像を記録媒体P上に定着させる定着ロール対20と、定着ロール対20に導電性離型剤を塗布する離型剤塗布手段30とを有する。
定着ロール対20は、対をなす定着ロール22と定着ロール24とで構成される。
定着ロール22は、記録媒体Pの画像が記録されている面と接する側に配置され、加熱ロールとして機能する。定着ロール22は、円筒状の芯材22aを有し、その芯材22aの表面には弾性層22bが設けられ、その弾性層22bの表面には、記録媒体Pとの離型性を向上させるための被覆層22cが設けられた所定直径、例えば直径約60mmの円筒形状の積層体である。また、円筒状の芯材22aの内側の略軸心には、芯材22aを貫通して、ヒータ26が配置されている。
ここで、芯材22aは、芯金となる円筒状の金属で形成され、弾性層22bは所定ゴム硬度および厚さ、例えばゴム硬度JIS−A20、厚さ2mmのシリコンゴムで形成されており、被覆層22cは、所定表面粗さ、および厚さの樹脂層、例えば表面粗さRa=0.1μm、厚さ50μmのPFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)で形成されている。
定着ロール24は、定着ロール22と記録媒体Pを介して対向する位置に配置され、加熱ロールおよび加圧ロールとして機能する。定着ロール24も、円筒状の芯材24aを有し、その表面には、弾性層24bが設けられた所定直径、例えば直径約60mmの円筒形状の積層体である。また、芯材24aの内部の略軸心には、芯材24aを貫通して、ヒータ28が配置されている。
ここで、芯材24aは、芯金となる金属で形成され、弾性層22bは、所定ゴム硬度、所定表面粗さおよび厚さ、例えばゴム硬度JIS−A20、表面粗さRa=0.3μm、厚さ3mmのシリコンゴムで形成されている。
定着ロール22および定着ロール24の内部にそれぞれ配置されるヒータ26およびヒータ28は、ハロゲンランプ等の加熱源であり、画像定着時に、定着ロール22および定着ロール24を所定温度に加熱する。また、定着ロールを加熱するヒータは、両ロールに備える必要はなく、いずれか一方の定着ロールのみに配置するようにしてもよい。なお、一方の定着ロールにのみヒータを配置する場合は、画像が記録されている面と接する側に配置された定着ロールに配置することが好ましい。すなわち、本発明においては、定着ロール対20を構成する一対の定着ロール22および24のうちの少なくとも一方を内部にヒータを備える加熱ロールとすればよい。
また、定着ロール対20は、図示しない駆動手段と接続しており、この駆動手段は、定着ロール対20を所定方向に回転させる。ここで、定着ロール対20は、一方の定着ロールが回転することで、他方の定着ロールも従動するので、駆動手段は、定着ロール対20の少なくとも一方の定着ロールに備えられていればよい。すなわち、定着ロール22および24の少なくとも一方を駆動ロールとすればよい。
このような定着ロール対20は、ヒーター26およびヒータ28によって、定着ロール22および定着ロール24の表面を例えば80℃に加熱しながら、定着ロール22および定着ロール24で記録媒体Pを挟持搬送することで、記録媒体Pを加熱、加圧し、記録媒体P上の画像を定着させる。このとき定着ロール22の表面には離型剤塗布手段30により、導電性離型剤Lが塗布される。
ここで、定着ロール対20の記録媒体Pの搬送方向の上流側(図中右側)には、記録媒体Pを定着ロール対20に誘導するガイド40、下流側(図中左側)には、定着ロール対20から排出される記録媒体を所定位置に誘導するガイド42が配置されている。
次に、離型剤塗布手段30について説明する。
離型剤塗布手段30は、定着ロール22の表面に導電性離型剤Lを塗布するオイルロール32と、オイルロール32の表面に導電性離型剤Lを塗布するフェルト34と、導電性離型剤Lを貯留し、フェルト34に導電性離型剤Lを供給するオイルタンク36と、オイルタンク36内の導電性離型剤Lを電気的に接地させる接地部材38とを有する。
オイルロール32は、例えば、金属、樹脂、ゴム等で形成されたロール形状を有し、定着ロール22に当接して配置される。また、オイルロール32の表面には、導電性離型剤Lが塗布されている。
オイルロール32は、定着ロール22に当接して従動し、その表面に塗布されている導電性離型剤Lを、定着ロール22の表面に塗布する。
ここで、オイルロールは、その外周面が少なくとも導電性離型剤を含浸しやすい部材で形成されていても良い。
ここで、オイルロール32は、記録媒体Pと当接する部分の定着ロール22の表面に、導電性離型剤Lを塗布することができれば、その形状に限定は無く、例えば、所定幅のオイルロールまたは幅の短い短尺ロールを所定間隔で複数配置した櫛葉型のオイルロールでも良く、また、オイルロールの幅も、記録媒体の幅でも、これより長くても、短くても良いが、定着ロール22への導電性離型剤Lの均一塗布性の点からは、記録媒体の幅のオイルロールであるのが好ましい。
フェルト34は、図1に示すように、少し湾曲させた所定幅の湾曲板形状を有し、その一端はオイルタンク36内に貯留されている導電性離型剤Lに浸漬され、他端はオイルロール32に摺接するように配置されている。フェルト34は、吸液性および保液性の高い材料であり、オイルタンク36内の導電性離型剤Lに浸漬された一端から導電性離型剤Lを吸収し、その内部に所定量保持し、その内部を移動させて他端側に摺接しているオイルロール32に供給することにより、オイルロール32に導電性離型剤Lを塗布するものである。ここで、オイルロール32は、フェルト34に摺接して回転するので、オイルロール32の全外周面にはフェルト34内に保持されている導電性離型剤Lが塗布されることになる。こうして、フェルト34は、オイルロール32の全外周面に導電性離型剤Lを塗布することができる。なお、フェルト34の幅は、摺接するオイルロール32の幅と略等しいのが好ましいが、オイルロール32の全外周面に導電性離型剤Lを塗布できれば、どのような幅であっても良い。また、フェルト34の形状も、図示例のものに限定されず、オイルロール32の全外周面に導電性離型剤Lを塗布できれば、どのような形状であっても良い。
また、本実施形態では、フェルト34を用いて、導電性離型剤Lをオイルタンク36から吸液させて、オイルロール32に塗布したが、これに限定されず、オイルタンク36内に貯留されている導電性離型剤Lを回転しているオイルロール32の全外周面に塗布できるものであれば、どのようなものでも良く、例えば、フェルト34と同様に、ある程度の柔軟性を有し、導電性離型剤Lを含浸させることができ、一端をオイルタンク36内の導電性離型剤Lに浸漬し、他端をオイルロール32に摺接することができる含浸材料製の含浸部材であれば良い。このような含浸部材としては、吸液性および保液性が高い材料、あるいは、多孔質材料であるのが好ましく、例えば、スポンジ、繊維織物、不織布等を挙げることができる。
図示例においては、オイルタンク36は、オイルロール32と所定間隔離間した位置に配置されており、所定量の導電性離型剤Lが貯留されている。このオイルタンク36に貯留されている導電性離型剤Lには、上述のように、一端がオイルロール32に当接しているフェルト34の他端が浸漬されている。
また、接地部材38は、オイルタンク36に接続されており、オイルタンク36内の導電性離型剤Lを電気的に接地させる。
上述したように、離型剤塗布手段30のオイルタンク36内に貯留されている導電性離型剤Lは、フェルト34に吸液され、フェルト34が摺接しているオイルロール32が回転することで、フェルト34からオイルロール32の表面に塗布され、オイルロール32が定着ロール22と当接して従動することで、オイルロール32から定着ロール22の表面に塗布され、定着ロール22から対をなす定着ロール24およびその間で加熱加圧定着されて、挟持搬送される記録媒体Pにも塗布される。
このように、定着ロール22の表面に導電性離型剤Lが塗布されることで、記録媒体P上の画像を定着する時には、定着ロール22と記録媒体P上の画像部とは、導電性離型剤Lを介して間接的に接触する。これにより、記録媒体P上に記録された画像部と定着ロール22との離型性が向上し、記録媒体P上の画像部を形成する色材粒子が定着ロール22に付着するオフセットを防止することができる。
ここで、本発明では、離型剤として、導電性を有する導電性離型剤Lを用いている。また、接地部材38によって、オイルタンク36内の導電性離型剤Lは、電気的に接地されている。さらに、定着ロール22、オイルロール32およびフェルト34に塗布、吸液されている導電性離型剤Lは、上述のように各部において接触して連通していることで、オイルタンク36内の導電性離型剤Lと電気的に接続されていることになる。
このように、離型剤が導電性を有し、オイルタンク32内の導電性離型剤Lが電気的に接地され、オイルタンク32、フェルト34、オイルロール32および定着ロール22の上記各部に貯留、吸液、塗布されている導電性離型剤Lが連通していることで、電気的に接続されているので、フェルト34、オイルロール32および定着ロール22に吸液、塗布されている導電性離型剤Lは、電気的に接地される。
これにより、フェルト34とオイルロール32との摩擦により発生する摩擦電荷、オイルロール32と定着ロール22との摩擦により発生する摩擦電荷、定着ロール22と記録媒体Pとの摩擦および剥離により発生する摩擦電荷および剥離電荷等で発生した電荷は、導電性離型剤Lを介して接地部材38に流れるため、導電性離型剤Lが塗布され、連通している上記各部分、すなわち、フェルト34、オイルロール32および定着ロール22、24ならびに記録媒体Pの帯電を防止または除電することができる。
このように、フェルト34、オイルロール32および定着ロール22、24ならびに記録媒体Pの帯電を防止することで、記録媒体P上に記録された画像部の色材粒子が静電力により、定着ロール22,24に付着することを防止し、離型性をさらに向上させることができる。これにより、定着ロール22,24によるオフセットをより防止することができ、非画像部汚れが無く、鮮明な仕上がりの画像を記録媒体P上に定着させることができる。
さらに、定着ロール22,24に塗布された導電性離型剤Lを電気的に接地させることで、記録媒体Pと定着ロール22,24との剥離帯電や記録媒体が定着前に有している電荷を除電することができる。これにより、定着ロール対20を通過した記録媒体Pが、静電力により定着ロール22,24に付着することを防止することができる。これにより、定着ロール対20に加圧されることで画像が定着された記録媒体Pが、定着ロール22,24に巻きついて発生する紙詰まりを防止することができる。
ここで、本発明に用いることのできる導電性離型剤Lとしては、親水性シリコーンのポリアルキレンオキシド変性シリコーン、またはヒドロキシシリコーンが例示される。
具体的には、ポリアルキレンオキシド変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(60%プロピレンオキサイド−40%エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等が例示され、ヒドロキシシリコーンとしては、下記の構造式(1)で示される構造を有し、分子量4500〜5500、OH基数2、OHモル%40%、粘度500cst〜600cst、非シロキサン%65%の化合物が好適な例として例示される。
Figure 2005274879
また、本発明に用いることのできる導電性離型剤Lは、これに限定されず、通常の高抵抗のシリコーンオイルや親水性シリコーンオイルの導電化剤としてイオン成分や電解質を溶解させて調整したものも用いることもできる。
また、本発明の導電性離型剤Lは、上述のように導電性を有するために、電気導電率は10−12mho/cm(S/cm)以上であることが好ましい。電気導電率を10−12mho/cm(S/cm)以上とすることにより帯電電荷を速やかに接地除電できる。
また、定着ロールと記録媒体上の画像部との離型性、塗布性の向上、画像への影響を考慮して、動粘度は、100cSt以上1500cSt以下、すなわち10m/s以上150m/s以下であることが好ましい。動粘度を100cSt以上とすることで、画像定着時の加熱による導電性離型剤の蒸発を少なくすることができ、1500cSt以下とすることで、塗布ムラが発生しにくくなり、画像の光沢を一定以上に保つことができる。
また、本発明の定着装置10は、接地されている導電性離型剤Lを定着ロール22に塗布することで、定着ロール22の表面を電気的に接地させることができるので、導電性、絶縁性に関係なく、定着ロール22および定着ロール24を形成する材料に、以下に例示するような種々の材料を用いることができる。
例えば、定着ロール22の芯材22aには、加圧に対して十分な強度を有するものが、各種利用可能であるが、好ましくは、熱伝導性の良好な材料で形成される物が好ましい。具体的には、A5056、A5052、A5083、A6063等のアルミニウム材のロール、STKM11等の非磁性ステンレス鋼材のロール等が例示される。
弾性層22bは、シリコンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴムで形成すればよい。特に、単層構成とする場合には、画像記録後の記録媒体Pとの離型性に優れるLTV(低温加硫型)シリコンゴムが好適に例示される。
また、加熱定着時における熱導電性を向上するために、これらの合成ゴム中に、フィラーとして、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を5〜30重量%配合するのも好ましい。また、同様の理由で、フィラーとして導電性カーボンブラックを用いてもよく、この際には、弾性層の電気抵抗を低減し、帯電防止を図れる。
被覆層22cは、本実施形態のように、PFA等のフッ素樹脂製のチューブで弾性層を被覆して形成してもよく、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂塗料を弾性層の表面に塗布して形成してもよい。
また、前記弾性層の表面に、フッ素ゴムとフッ素樹脂とを混合して形成した中間層を形成し、その上に前記被覆層を形成した3層構成とすることにより、弾性層と被覆層との接着性向上、中間層の緩衝作用による被覆層の損傷(クラックの発生等)防止等を図った3層構成の定着ロールも好適である。
さらに、弾性層として耐熱性に優れるHTV(高温加硫型)シリコンゴムを用い、その上に弾性層の膨潤を防止するためのフッ素ゴム層を中間層として設け、中間層の上に被覆層としてLTVシリコンゴム層を設けてなる、3層構成の定着ロールも、好適である。
他方、定着ロール24も、上述の定着ロール22と同様の芯材および弾性層の材料、また上述の定着ロール22の各種層構成のロールが利用可能である。なお、定着ロール22または定着ロール24が加熱源を有さない場合には、芯材の熱伝導性は、必ずしも高い必要はない。また、定着ロール24は、逆クラウンロール、クラウンロールであってもよい。
これ以外にも、芯材をシリコンゴム層、フッ素ゴム層、シリコンゴムなどの発泡材を用いたスポンジ状の発泡ゴム層等で被覆してなるソフトロールも、好適に利用可能である。さらに、芯材をPTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂や、PFTチューブ等で被服してなるハードロールも好適に利用可能である。
次に、定着装置10の作用を説明する。
少なくとも樹脂を含有する色材粒子を用いて記録(描画)された画像の定着において、画像が記録され、未定着の画像部を有する記録媒体Pは、画像面を上にして定着装置10に搬入され、上流側(図中右側)のガイド40によって定着ロール22および定着ロール24の間に案内される。続いて、記録媒体Pは、定着ロール22および定着ロール24によって挟持搬送されて、加熱および加圧されることにより、記録媒体P上の画像が定着される。画像が定着された記録媒体Pは、下流側(図中左側)のガイド42を通り、定着装置10から排出される。
このとき、離型剤塗布手段30では、オイルタンク36からフェルト34を介して、オイルロール32に導電性離型剤Lが塗布されている。このオイルロール32が定着ロール22と当接してつれ回ることで、オイルロール32の表面には、導電性離型剤L塗布される。さらに、オイルロール32は、定着ロール22と当接してつれ回ることで、定着ロール22の表面に導電性離型剤Lを塗布する。さらに、オイルタンク内の接地部材38によって、導電性離型剤Lは電気的に接地されており、定着ロール22に塗布された導電性離型剤Lと、オイルタンク内の導電性離型剤Lとが連通していることで、定着ロールの表面(外周面)は、電気的に接地される。
したがって、画像定着時には、、定着ロール22の表面に塗布され、電気的に接地された導電性離型剤Lを介して、定着ロール22と記録媒体Pが接触する。これにより、定着ロール22と記録媒体上の画像部との離型性を向上させることができる。さらに、導電性離型剤Lが電気的に接地されていることで、記録媒体Pおよび記録媒体P上に形成された画像部を電気的に接地させる(除電する)ことができる。これにより、定着ロール22の表面に静電力によって、記録媒体Pの画像部が付着することを防止し、記録媒体Pが定着ロール22下流側(図中左側)で、記録媒体が隔離帯電等によって帯電して、定着ロール22に付着することを防ぐことができる。
ここで、本実施形態の定着装置10では、記録媒体Pを挟持搬送していない間は、定着ロール22と定着ロール24が当接して回転し、定着ロール22の表面に塗布された導電性離型剤Lが定着ロール24に塗布されるため、両方の定着ロール22、24の表面に導電性離型剤Lが塗布される。
また、定着ロール対20の幅は記録媒体Pの幅よりも長いので、記録媒体Pを挟持搬送している間は、記録媒体Pと接触していない部分の定着ロール22と定着ロール24が接触している。このため両方の定着ロール22、24の表面に塗布された導電性離型剤Lは、導通するので、離型剤塗布手段30と当接していない定着ロール24の表面に塗布された導電性離型剤Lも電気に接地される。
このようにして、定着ロール対は一方に導電性離型剤を塗布し、電気的に接地させることで、他方の定着ロールも同様に、導電性離型剤が塗布され、電気的に接地される。本実施形態では、離型剤塗布手段30によって記録媒体の画像が記録された面と接する面の定着ロールに導電性離型剤Lを塗布したが、これに限定されず、上述のように、離型剤塗布手段によって記録媒体の画像が記録された面と接しない面と接する定着ロールに導電性離型剤を塗布しても、記録媒体の画像が記録された面と接する定着ロールの表面に導電性離型剤を塗布し、塗布された導電性離型剤を電気的に接地することができる。
また、本実施形態では、接地部材38をオイルタンク36内の導電性離型剤Lを接地させるように配置したが、これに限定されず、導電性離型剤Lが塗布され通電している部分の一ヶ所を接地していればよく、例えばオイルロール、定着ロールを接地させてもよい。
このように、本発明の定着装置は、導電性離型剤を介して電気的に接続されている部分の一ヶ所を接地させることで、通電している部分を電気的に接地させることができるので、定着ロールの表面に導電性を付与する工程、定着ロールに当接させる除電部材を用いることなく、定着ロールを接地させることができ、装置コストを低減させることができる。
さらに、本発明の定着ロール22への離型剤塗布手段は、上記方法に限定されず、導電性離型剤を定着ロールへ塗布することができればよく、例えば、オイルロールを多孔質かつ保液性の高い材料で形成し、オイルロールを直接オイルタンクに浸漬させて、導電性離型剤をオイルロールに含有させ、オイルロールから定着ロールに導電性離型剤を塗布してもよい。また、フェルトを直接定着ロールに当接して、導電性離型剤を塗布してもよく、また、ブラシ等を用いて定着ロールに導電性離型剤を塗布してもよい。
図2は、本発明の定着装置の他の実施形態の概略構成を示す模式的な断面図である。
なお、本実施形態の定着装置50は、離型剤塗布手段52以外は、基本的に前記図1の定着装置と同様の構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し、説明は異なる部位を主に行う。
本実施形態の離型剤塗布手段52は、定着ロール22の表面に導電性離型剤を塗布する含浸ロール54と、含浸ロール54を電気的に接地させる接地部材38とを有している。
含浸ロール54は、芯金54aと、芯金54aの表面に設けられた弾性層54bとを有しており、定着ロール22に当接して配置される。芯金54aは、金属で形成され、弾性層54bは、保液性の高い材料、例えば不織布等で形成されている。また、弾性層54bには、導電性離型剤が含浸されている。
含浸ロール54は、定着ロール22に当接して従動し、弾性層54bに含浸された導電性離型剤を、定着ロール22の表面に塗布する。
ここで、含浸ロール54は、記録媒体Pと当接する部分の定着ロール22の表面に導電性離型剤を塗布することができればその形状に限定は無く、上記図1に示したオイルロール32と同様に、種々の形状の含浸ロールを用いることが可能である。
接地部材38は、芯金54aと接続され、芯金54aを電気的に接地させている。ここで、芯金54a、弾性層54bに含有された導電性離型剤および定着ロール22の表面に塗布された導電性離型剤は、上述のように各部において接触して連通しており、芯金54aを電気的に接地させることで、弾性層54bに含浸された導電性離型剤、および定着ロール22の表面に塗布された導電性離型剤は電気的に接地される。
このように、含浸ロール54と接地部材38とを有する離型剤塗布手段52によっても、上述の図1に示した離型剤塗布手段30と同様に、定着ロール22の表面に導電性離型剤を塗布し、定着ロール22に塗布された導電性離型剤を電気的に接地させることができる。
ここで、本実施形態の含浸ロール54は、弾性層54bに含浸された導電性離型剤を所定量消費した場合には、含浸ロール54を新しい含浸ロールに交換することができる、使い切り交換タイプにすることができる。
このように、含浸ロール54を交換することで、常に含浸ロールの弾性層に導電性離型剤が含浸された状態とすることができる。これにより、オイルタンクを設けることなく、含浸ロールから定着ロール22に導電性離型剤を塗布することができ、装置コストをより低くすることができる。
ここで、含浸ロールを使い切り交換タイプとする場合には、本実施形態のように芯金を接地させることが好ましい。
また、使い切り交換タイプとしては、含浸ロール54を交換することに限定されず、弾性層のみを交換するようにしても、離型剤塗布手段を交換するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態は、使いきり交換タイプに限定されず、例えば使用に応じて適宜、弾性層に導電性離型剤を補充すること等でも、導電性離型剤を常に弾性層に含浸させることができる。
次に、本発明の定着装置が対象とする、画像記録に用いられる色材粒子について説明する。
色材粒子は、顔料または染料等の色材と、定着性を向上させるための分散樹脂等の樹脂とを含有するものである。色材粒子の構成としては、色材として顔料を用いる場合には、樹脂材料で顔料を被覆して樹脂被覆粒子とする方法が一般的であり、染料を用いる場合には、分散樹脂粒子を色材で着色して着色粒子とする方法が一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
次に、本発明の定着装置を利用した画像記録装置の例について説明する。
本発明の定着装置は、少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を含むインクを用いて画像を記録する各種の画像記録装置において、その定着手段として用いることにより、鮮明な仕上がりの画像を記録媒体上に形成することができ、さらに定着手段での紙詰まりを防止することができる。例えば、上記の色材粒子を用いる各種方式のインクジェット記録装置や、電子写真方式の記録装置に適用可能である。以下には、好適な例として、高画質な画像記録が可能な静電式インクジェット記録装置に用いた例について説明する。
図3は、本発明の画像定着装置10を利用する静電式インクジェット記録装置100の概略構成を示す模式図である。同図に示すインクジェット記録装置100は、静電力により、帯電した色材粒子(帯電微粒子)を含むインクの吐出を制御し、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録する静電式のインクジェット記録装置であり、記録媒体Pの記録媒体保持手段102、記録媒体搬送手段104と、記録手段106と、本発明の画像定着装置10と、溶媒回収手段108と、筐体110とを備えている。
記録媒体Pの記録媒体保持手段102は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ114と、ピックアップロール116と、記録後の記録媒体Pを保持する排紙トレイ118とを備えている。
給紙トレイ114は、記録に供される複数枚の記録媒体Pを保持するものであって、図3中、筐体110の左面下部から筐体110の内部に挿入されて装着されている。ピックアップロール116は、給紙トレイ114の装着部の先端部(図中、右端部)近傍に配置されている。画像の記録時には、ピックアップロール116により、記録媒体Pが給紙トレイ114から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの記録媒体搬送手段104に供給される。ピックアップロール116の近傍には、重ねてストックされている記録媒体Pの分離を容易にするために、記録媒体Pの除電を行う除電ブラシや除電ロール、エア吹きつけブロアー等が備えられているのが好ましい。
排紙トレイ118は、画像が形成された記録媒体Pを保持するものであって、筐体110内部の記録媒体Pの搬送経路の終端に設けられ、その先端部(記録媒体Pの搬送方向先端側)は筐体110の外部に位置している。記録後の記録媒体Pは、記録媒体搬送手段104により搬送されて、排紙トレイ118に排紙され、排紙トレイ118に順次重ねてストックされる。
記録媒体搬送手段104は、記録媒体Pを、給紙トレイ114から排紙トレイ118まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ロール対120と、搬送ベルト122と、ベルトロール124a、124b、124cと、記録媒体Pの帯電器126および除電器128と、分離爪130とを備えている。
搬送ロール対120は、ピックアップロール116と搬送ベルト122との間の位置に設けられている。ピックアップロール116により給紙トレイ114から取り出された記録媒体Pは、この搬送ロール対120により挟持搬送され、搬送ベルト122上の所定の位置に供給される。この搬送ロール対120は、ソフトニップロールを使用することが好ましく、それにより高速給紙を行う場合にも正確な位置精度で給紙が可能となる。
記録媒体Pの帯電器126は、スコロトロン帯電器134と、負の高圧電源136とを備えている。スコロトロン帯電器134は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ロール対120と記録手段106との間の位置に、搬送ベルト122の表面に対向して配置されている。また、スコロトロン帯電器134は、負の高圧電源136の負側の端子に接続されており、負の高圧電源136の正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源136に接続されたスコロトロン帯電器134により所定の負の高電位に均一に帯電され、記録に必要な一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。また、これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト122の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
搬送ベルト122は、ループ状のエンドレスベルトであり、3つのベルトロール124a、124b、124cによって三角形状に張架されている。ベルトロール124a、124b、124cのうちの少なくとも1つは図示していない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト122は、図中の矢印方向(図中、半時計回り)に周回し、搬送ベルト122に静電吸着している記録媒体Pを所定の速度で搬送する。
搬送ベルト122は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性、ベルトロール124a、124b、124cと接触する側の面(裏面)が導電性のものである。ベルトロール124a、124b、124cのうちの1つ(図示例では、ベルトロール124b)は接地されており、これにより、搬送ベルト122は、記録手段106に対向する位置において、インクジェットヘッドの対向電極としても機能する。
記録媒体Pの除電器128は、コロトロン除電器138と、交流電圧源140と、高圧電源142とを備えている。コロトロン除電器138は、記録手段106の記録媒体P搬送方向の下流側に、搬送ベルト122の表面に対向して配置されている。コロトロン除電器138は、交流電圧源140を介して高圧電源142に接続されており、高圧電源142の他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン帯電器52により除電された後、その下流側に配置された分離爪130によって搬送ベルト122上から分離される。搬送ベルト122上から分離された記録媒体Pは、画像定着装置10に供給され、画像定着装置10における定着処理を経て、排紙トレイ118に排紙される。
記録手段106は、帯電した色材粒子を含むインクを用い、画像データに応じてインクの吐出を静電力により制御して、記録媒体P上に、画像データに応じた画像を記録するものであり、インクジェットヘッド144と、ヘッドドライバ146と、インク循環機構148と、プラテン150と、記録媒体Pの位置検出器152とを備えている。
インクジェットヘッド144は、搬送ベルト122による記録媒体Pの搬送経路において、記録媒体Pが安定した平面状態で搬送される位置に、そのインク吐出部が搬送ベルト122の表面(搬送ベルト122の表面に保持される記録媒体Pの表面)と所定の距離になるように配置されている。図示例では、インクジェットヘッド144は、ベルトロール124bおよび124cの間の搬送ベルト122に対向して配置されている。
また、プラテン150は、搬送ベルト122を挟んでインクジェットヘッド144と対向する位置に配置されている。すなわち図示例では、ベルトロール124bおよび124cの間に配置されている。プラテン36は、ベルトロール124bおよび124cの外周を結ぶ線よりインクジェットヘッド144側に張り出すように配置されるのも好ましい。そのように配置することにより、搬送ベルト122に張力を付与して、搬送ベルト122のばたつきを抑えることができる。
インクジェットヘッド144は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。各色の吐出ヘッドは、基本的に同様の構成を有しているので、以下ではその1色の吐出ヘッド160について説明する。
図4は、静電式インクジェットヘッド144における吐出ヘッド160の具体的な構造を説明する模式図であり、図4(A)は、吐出ヘッド160の一部を示す模式的断面図、図4(B)は、図4(A)のV−V線における模式的断面図である。吐出ヘッド160は、複数のノズルを2次元的に備えるマルチチャンネルヘッドであるが、ここでは、その構成を明確に示すために、2つの吐出部のみを示してある。
吐出ヘッド160は、ヘッド基板162と、インクガイド164と、ノズル基板166と、吐出電極を構成する吐出電極168と、浮遊導電板176とを備えている。吐出ヘッド160は、インク滴Rの吐出(飛翔)ポイントとなるインクガイド164の先端が、対向電極となる記録媒体Pを支持する搬送ベルト122と対向するように配置されている。
ヘッド基板162およびノズル基板166は、吐出ヘッド160の全ノズルに共通な平板基板であり、絶縁性材料から構成されている。ヘッド基板162およびノズル基板166は、所定の間隔をあけて配置され、その間にインク流路178が形成されている。インク流路178内のインクQは、吐出電極168に印加される電圧と同極性に帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク循環機構148(図3参照)によって、所定方向、図4(A)に示す例ではインク流路178内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明する。
ノズル基板166には、インクQの吐出口となるノズル174が穿孔されており、このノズル174は、所定の間隔で2次元的に複数配置されている。また、ノズル174の中央部には、インクQの吐出(飛翔)ポイントを定めるためのインクガイド164が配置されている。
インクガイド164は、突状先端部分164aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、各ノズル174に対応する位置に、ヘッド基板162の上に配置されている。インクガイド164は、同じ列(図4(A)における左右方向、図4(B)における紙面垂直方向)に配列される複数のインクガイド164に共通の基部164bを有しており、この基部164bがヘッド基板162上に、浮遊導電板176を挟んで固定されている。
また、インクガイド164の先端部分164aは、吐出ヘッド160の記録媒体P(搬送ベルト122)側の最表面から突出するように配置されている。先端部分164aの形状および構成は、インクQ(インク滴R)の吐出ポイントを安定させ、かつ、先端部分164aにおいて、インクQを十分に供給し、インクQ中の色材粒子を好ましい状態に濃縮させることができるように設定される。例えば、先端部分164aを吐出方向に向けて次第に細くした形状のものや、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成したもの、先端部分84aの誘電率を実質的に大きくするために、先端部分164aに金属を蒸着したものなどが好適である。
ノズル基板166の記録媒体P側の面(図中、上面)には、各ノズル174を囲むように、吐出電極168が配置されている。また、ノズル基板166の記録媒体P側には、吐出電極168の上方(上面)を覆う絶縁層170aと、吐出電極168の上方に絶縁層170aを介して配置されるシート状のガード電極172と、ガード電極172の上面を覆う絶縁層170bとが設けられている。
吐出電極168は、ノズル基板166に開孔されたノズル174の周囲を囲むように、ノズル基板166の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、吐出電極168の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。
吐出電極168は、ヘッドドライバ146によって制御され、画像データに応じて所定のパルス電圧が印加される。上述したように、インクガイド164と対向する位置には、インク中の帯電した色材粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト122に保持されて一定速度で搬送される。記録媒体Pは負の高電圧(例えば、−1500V)に帯電されており、吐出電極168との間に、インクQを吐出させない程度の所定の電界が形成されている。
吐出電極168が吐出オフ状態(吐出待機状態)のときは、パルス電圧は0Vまたは低電圧とされる。この状態では、吐出部の電界強度はバイアス電圧(または、バイアス電圧にオフ状態のパルス電圧が重畳された電圧)による電界強度となっており、これはインクQの吐出に必要な強度よりも低く設定されているため、インクQの吐出は行われない。しかし、この吐出待機状態の低電界により、ノズル174の内部においてインク中の色材粒子がインクガイド164の先端部分176aに濃縮する。
吐出電極168が吐出オン状態のときは、パルス電圧が印加され、バイアス電圧に高電圧のパルス電圧(例えば、400〜600V)が重畳されて、吐出部の電界強度はインクQが吐出するのに十分な強度となり、インクガイド164の先端部分176aに濃縮されたインクQがインク滴Rとして飛翔する。このインク滴Rのサイズは極めて小さいため、解像度の高い、高画質な画像記録を行うことができる。
このように、画像データに応じて、記録媒体Pの全幅に亘って配置された各吐出部の吐出電極168のオン、オフが制御され、所定速度で搬送される記録媒体Pに対して所定のタイミングでインク吐出が行われることにより、記録媒体Pに2次元画像が記録される。
ガード電極172は、隣接する吐出部の吐出電極168の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド164の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。ガード電極172は、吐出ヘッド160の全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各ノズル174の周囲に形成された吐出電極168に相当する部分が穿孔されている。ガード電極172を設けることによって、ノズル174を高密度に配置した場合にも、隣接するノズル174の電界の影響を最小限にし、ドットサイズおよびドットの描画位置を常に安定して保つことができる。
ヘッド基板162のインク流路178側の表面には、浮遊導電板176が配置されている。浮遊導電板176は、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされており、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧を発生し、インク流路178内のインクQにおいて、その色材粒子をノズル基板166側へ泳動させる。また、浮遊導電板176の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することが防止されている。この絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性を有するものが用いられる。
浮遊導電板176を設けることにより、インク流路178内のインクQ中の色材粒子をノズル基板166側へ泳動させて、ノズル基板166のノズル174を通過するインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド164の先端部分84aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
なお、図示例においては、吐出電極を単層電極構造としているが、これ以外にも、例えば、列方向に接続された第1吐出電極と、行方向に接続された第2吐出電極とを備える2層電極構造とし、第1吐出電極と第2吐出電極とをマトリクス状に配列してマトリクス駆動を行うものとしてもよい。このようなマトリクス駆動方式によれば、吐出電極の高集積化とドライバ配線の簡素化の両方を同時に実現できる。
インク循環機構148は、インクタンク154と、ポンプ(図示省略)と、インクの供給路および回収路156とを備えている。インクタンク154は、筐体110内部の底面上に配置され、インクの供給路および回収路156を介してインクジェットヘッド144と接続されている。
インクタンク154内には、各色の色材粒子と、これを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク154内の各色のインクは、ポンプにより、インクの供給路156を介して、インクジェットヘッド144の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、ポンプにより、インクの回収路156を介して各色のインクタンク154内に回収される。
インクジェット記録装置100においては、インクQとして、上述した、画像定着装置10での定着に好適な構成を有するインクQであって、さらに、以下のような構成を有するインクが好適に用いられる。
すなわち、インクQとしては、粒径0.1〜5μm程度の帯電した色材粒子(着色荷電粒子)を溶媒(キャリア液)中に分散したものを用いる。インク中には、色材粒子とともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を、適宜含有させてもよい。キャリア液は、高い電気抵抗率(109 Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上、また、好ましくは1016Ω・cm以下)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であることが好ましい。電気抵抗率の高いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けることを少なくでき、荷電粒子(帯電微粒子成分)の濃度を高めることができ、荷電粒子を濃縮することができる。また、電気抵抗率の高いキャリア液は、隣接する記録電極間での電気的導通の防止にも寄与し得る。また、このような程度の電気低効率の液体からなるインクを用いると、低電界下でも、インクの吐出を良好に行うことができる。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。このような比誘電率の範囲とすることによって、誘電性液体中の荷電粒子に有効に電界が作用され、泳動が起こりやすくなる。それにより、溶媒の分極を抑え、電界が緩和されることを抑えることができ、滲みの少ない良好な画像濃度のドットを形成することができる。
誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
インク中に分散された色材粒子の含有量(着色粒子および/または樹脂粒子の合計含有量)は、印刷画像濃度、均一な分散液の形成、吐出ヘッドでのインクの目詰まりの抑制という観点から、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。
また、誘電性溶媒中に分散された色材粒子および/または樹脂粒子等のインク粒子の平均粒径は、0.1μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
なお、インク中のインク粒子(分散樹脂粒子および/または着色粒子あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電または負荷電の検電性粒子である。
これらのインク粒子に検電性を付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能である。具体的には、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の検電材料および他の添加剤を用いることで行われる。
また、インク組成物として、粘度は、0.5〜5mPa・secの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secの範囲である。着色粒子は、荷電を有し、必要に応じて電子写真用液体現像剤に用いられている種々の荷電制御剤が使用でき、その荷電量は5〜200μC/gの範囲が望ましく、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化する事もあり、下記に定義する分配率Pが、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インク組成物の電気伝導度、σ2は、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインク組成物とすることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
一方、インク組成物の電気伝導度σ1は、100〜3000pS/cmの範囲が好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmの範囲である。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。また、インク組成物の表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
記録媒体Pの位置検出器152は、フォトセンサ等の従来公知の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、帯電器126とインクジェットヘッド144との間の位置で、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト122の表面に対向する位置に配置されている。位置検出器152により検出された記録媒体Pの位置情報はヘッドドライバ146に供給される。
ヘッドドライバ146は、インクジェットヘッド144のドライバであって、インクジェットヘッド144と駆動信号ケーブルを介して接続されている。図示例では、ヘッドドライバ146は、筐体110内部の図中右面に取り付けられている。ヘッドドライバ146には、外部装置から画像データが入力され、位置検出器152から記録媒体Pの位置情報が入力される。そして、ヘッドドライバ146により、記録媒体Pの位置情報に従って、インクジェットヘッド144の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
画像定着装置10は、本発明に係る画像定着装置であり、その構成は、図1に示して先に詳述した通りである。すなわち、記録媒体の画像が記録されている面と接する定着ロール22には離型剤塗布手段30から導電性離型剤Lが塗布され、定着ロール22の表面に塗布された導電性離型剤は、電気的に接地している。このような定着ロール22を有する定着ロール対20で記録媒体Pを加熱加圧しながら挟持搬送することにより、記録媒体P上の画像を定着する。
溶媒回収手段108は、インクジェットヘッド144から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ180と、排出ファン182とを備えている。活性炭フィルタ180は、筐体110の図中、上側の裏面に取り付けられており、排出ファン182は、活性炭フィルタ180の上に取り付けられている。
インクジェットヘッド114から吐出されるインクからのインク溶媒の自然蒸発、記録媒体P上の未定着画像を形成するインク溶媒の自然蒸発、および、画像定着装置10における定着時に発生するインク溶媒の蒸発によって生じる、筐体110内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン182により回収され、活性炭フィルタ180を通過することにより、その溶媒成分が活性炭フィルタ180に吸着して除去されて、除去後の空気が筐体110の外部に排出される。
以下、インクジェット記録装置100の動作を説明する。
インクジェット記録装置100では、画像の記録時は、給紙トレイ114に収納された記録媒体Pがピックアップロール116により1枚ずつ取り出され、搬送ロール対120により挟持搬送されて搬送ベルト122上の所定位置に供給される。搬送ベルト122上に供給された記録媒体Pは、帯電器126により負の高電位に帯電され、搬送ベルト122の表面に静電吸着される。
搬送ベルト122の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト122の移動とともに所定の一定速度で移動されつつ、インクジェットヘッド144により、その表面に画像データに対応した画像が記録される。
画像記録後の記録媒体Pは、除電器128により除電され、分離爪130により搬送ベルト122から分離され、画像定着装置10に供給される。画像定着装置10では、表面に電気的に接地した導電性離型剤が塗布されている定着ロール22が画像記録面に接触しながら、記録媒体Pを挟持搬送し、加熱加圧することによって画像を定着する。
画像が定着された記録媒体Pは、画像定着装置10から排出され、排紙トレイ118内にストックされる。このようにして得られた記録媒体P上の画像は、非画像部の汚れが無く、鮮明な仕上がりとなっている。
このようなインクジェット記録装置100では、記録時にバイアス電圧として記録媒体を高電圧(本実施形態では−1.5kV)に帯電させて画像記録を行う。このため、画像記録後の除電器による除電では、記録媒体の帯電が完全には除去されずに、記録媒体の帯電が残ってしまい、帯電している記録媒体が、定着ロールに付着することがあった。
本発明では、上述のように、定着ロールの表面に電気的に接地された導電性離型剤が塗布されているので、記録媒体に残っている帯電は、定着ロール対による挟持搬送時に、記録媒体と接する電気的に接地している導電性離型剤によって除電される。
このように記録媒体に高電圧を帯電させる静電式インクジェット記録方法でも、本発明の定着装置による画像定着時に、記録媒体を除電し、電気的に接地させることができるので、記録媒体が定着ロールに付着することで発生する紙詰まりを防止することができる。
以上、本発明に係る画像定着装置について詳細に説明したが、本発明は上記種々の実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の定着装置の一実施形態を示す概略構成を示す断面図である。 本発明の定着装置の他の実施形態を示す概略構成を示す断面図である。 本発明の定着装置を利用する静電式インクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。 (A)は、吐出ヘッドの一部を示す模式的断面図、(B)は、(A)V−V線における模式的断面図である。
符号の説明
10、50 定着装置
20 定着ロール対
22、24 定着ロール
26、28 ヒータ
30、52 離型剤塗布手段
32 オイルロール
34 フェルト
36 オイルタンク
38 接地部材
40、42 ガイド
54 含浸ロール
100 インクジェット記録装置
102 記録媒体保持手段
104 記録媒体搬送手段
106 記録手段
108 溶媒回収手段
110 筐体
114 給紙トレイ
116 ピックアップロール
118 排紙トレイ
120 搬送ロール対
122 搬送ベルト
124a,124b,124c ベルトロール
126 帯電器
128 除電器
130 分離爪
134 スコロトロン帯電器
136 負の高圧電源
138 コロトロン除電器
140 交流電圧源
142 高圧電源
144 インクジェットヘッド
146 ヘッドドライバ
148 インク循環機構
150 プラテン
152 位置検出器
154 インクタンク
156 インクの供給路および回収路
160 吐出ヘッド
162 ヘッド基板
164 インクガイド
164a 先端部
164b 基部
166 ノズル基板
168 吐出電極
170a、170b 絶縁層
172 ガード電極
174 ノズル
176 浮遊導電板
178 インク流路
180 活性炭フィルタ
182 排出ファン
L 導電性離型剤
P 記録媒体

Claims (11)

  1. 少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着する定着装置であって、
    少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなり、前記画像が描画された前記記録媒体を挟持して搬送することにより、前記画像を前記記録媒体上に定着する定着ロール対と、
    前記定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに導電性離型剤を塗布する離型剤塗布手段と、
    前記導電性離型剤を電気的に接地する接地手段とを有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記離型剤塗布手段は、前記定着ロール対の一方の定着ロールと当接して回転し、その当接している定着ロールに導電性離型剤を塗布するオイルロールを有する請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記離型剤塗布手段は、さらに、
    前記導電性離型剤を貯留するオイルタンクと、
    その一方が前記オイルタンク内の前記導電性離型剤に浸漬され、他方が前記オイルロールと摺接し、その内部に前記導電性離型剤を含浸する含浸部材とを有し、
    前記接地手段は、前記オイルタンク内に貯留されている前記導電性離型剤を電気的に接地する接地部材である請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記オイルロールは、その外周面が少なくとも前記導電性離型剤を含浸する部材で形成されている請求項2または3記載の定着装置。
  5. 前記離型剤塗布手段が、導電性離型剤を含浸させた含浸ロールである請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記接地手段が、前記含浸ロールを介して導電性離型剤を接地させる請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記定着ロール対の一方の定着ロールは、加圧ロールである請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記記録媒体上の前記画像は、前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられる、帯電した前記色材粒子を溶媒に分散させたインクを用いる静電式インクジェット描画手段によって描画されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着するに際し、
    少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールよりなる定着ロール対を用い、この定着ロール対の少なくとも一方の定着ロールに電気的に接地された導電性離型剤を塗布しつつ、前記定着ロール対によって、前記画像が描画された前記記録媒体を挟持して搬送して、前記画像を前記記録媒体上に定着することを特徴とする定着方法。
  10. 前記導電性離型剤が、親水性シリコーンオイルまたは導電化剤含有シリコーンオイルである請求項9に記載の定着方法。
  11. 前記親水性シリコーンオイルは、ポリアルキレンオキシド変性シリコーンまたはヒドロキシシリコーンであり、導電化剤含有シリコーンオイルは、高抵抗または疎水性シリコーンオイル、もしくは親水性シリコーンに導電化剤を溶解させたものである請求項10に記載の定着方法。
JP2004086853A 2004-03-24 2004-03-24 定着装置および定着方法 Withdrawn JP2005274879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004086853A JP2005274879A (ja) 2004-03-24 2004-03-24 定着装置および定着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004086853A JP2005274879A (ja) 2004-03-24 2004-03-24 定着装置および定着方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005274879A true JP2005274879A (ja) 2005-10-06

Family

ID=35174636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004086853A Withdrawn JP2005274879A (ja) 2004-03-24 2004-03-24 定着装置および定着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005274879A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184472A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Kyocera Mita Corp インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
EP2270604A1 (en) 2009-07-01 2011-01-05 Ricoh Company, Ltd. Fixing solution, fixing method, fixing device, image forming method and image forming apparatus
JP2012133351A (ja) * 2010-12-17 2012-07-12 Xerox Corp 画像形成装置内の平滑化ロールを用いた離型剤の再分配
US8663893B2 (en) 2009-07-01 2014-03-04 Ricoh Company, Ltd. Fixing solution, fixing method, fixing device, image forming method and image forming apparatus

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184472A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Kyocera Mita Corp インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
EP2270604A1 (en) 2009-07-01 2011-01-05 Ricoh Company, Ltd. Fixing solution, fixing method, fixing device, image forming method and image forming apparatus
US8463171B2 (en) 2009-07-01 2013-06-11 Ricoh Company, Ltd. Fixing solution, fixing method, fixing device, image forming method and image forming apparatus
US8663893B2 (en) 2009-07-01 2014-03-04 Ricoh Company, Ltd. Fixing solution, fixing method, fixing device, image forming method and image forming apparatus
JP2012133351A (ja) * 2010-12-17 2012-07-12 Xerox Corp 画像形成装置内の平滑化ロールを用いた離型剤の再分配

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1580010A2 (en) Ink jet image forming apparatus and method
EP1642739B1 (en) Image fixing device, image recording apparatus equipped with the same, and image fixing method
JP2004230709A (ja) インクジェット式記録装置
JP2006259223A (ja) 定着装置およびそれを用いる画像記録装置
JP2004082689A (ja) インクジェット記録装置
US20060062611A1 (en) Fixing method and fixing device
JP4354786B2 (ja) インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置
JP2006091224A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2006184403A (ja) 定着装置
JP2006175645A (ja) インクジェット画像形成装置
JP2006119588A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2006213415A (ja) インクジェット画像形成装置および方法
JP2005274879A (ja) 定着装置および定着方法
JP2005255355A (ja) 画像形成装置
JP2006212804A (ja) インクジェット画像形成装置および方法
JP4516773B2 (ja) 画像定着装置およびインクジェット記録装置
US20060051142A1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2005254670A (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
US7419248B2 (en) Ink jet head and ink jet recording apparatus
JP2006084677A (ja) 画像定着装置及びそれを備える画像記録装置並びに画像定着方法
JP2004291578A (ja) 静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法
JP2006021382A (ja) 画像形成装置および方法
JP2006088430A (ja) 定着装置および定着方法
JP2006195048A (ja) 画像定着装置、画像記録装置および画像定着方法
JP2004284306A (ja) 画像定着方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061208

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605