JP2006091224A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートロール方式の定着装置およびその定着装置を用いる画像形成装置において、記録媒体の種類を制限することなく、記録媒体のエッジによる定着ロール面の集中的な摩耗を抑制できる画像形成装置および定着装置を提供する。
【解決手段】画像が形成された記記録媒体を挟持搬送することにより画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールと、定着ロールの少なくとも一方を他方の定着ロールに向けて付勢する付勢手段と、定着ロールの少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段と、定着ロールの両方をともにその軸心同方向に移動する移動手段と、を備えることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。詳しくは、インクジェットプリンタ、および、電子写真方式の複写機、プリンタ、印刷機などにおいて、記録媒体上に色材粒子(着色微粒子)で形成された画像に加熱部材を接触させて画像を加熱定着させる画像形成装置およびそれらの画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
インクジェットプリンタや、電子写真方式の複写機、プリンタ、印刷機などの画像形成装置において、色材粒子を用いて記録用紙に形成した画像を加熱定着させる方法として、画像が形成された記録用紙を加熱ロール(ヒートロール)および加圧ロールからなる定着ロール対によって挟持搬送することにより、記録用紙上の色材粒子を溶融させて記録用紙に定着させる、いわゆるヒートロール方式が、一般に用いられている。
ヒートロール方式の定着装置においては、同じ幅の記録用紙が定着ロール対の同じ位置で多数搬送されることにより、定着ロール(加熱ロールおよび加圧ロール)のロール面の、記録用紙のエッジに対応する位置が集中的に摩耗し、摩耗した位置よりも幅の広い記録用紙を使用する場合に画像品質の劣化をもたらすという問題が生じる。すなわち、加熱ロールや加圧ロールが部分的に摩耗すると、摩耗した部分では、加熱または加圧が適切に行われないため、その部分で定着不良を生じたり、摩耗部分の形状が画像に転写されてしまったりすることにより、画像故障(画像不良)を引き起こす。そのため、記録用紙のエッジによるロール面の摩耗がロール寿命の律速となっており、ヒートロール方式の定着装置における本質的な問題となっている。
このような問題に対し、従来は、主に、ロール形状、ロール材質、用紙材質等の観点からの改良策が提案されている。例えば、加熱ロールまたは加圧ロールの、記録用紙のエッジが接触する部分を、形状や材質の変更により、他の部分よりも柔らかくすることや、逆に、硬くすること、あるいは、ロールを摩耗させにくい記録用紙を用いることなどが検討されている。また、加熱ロールおよび加圧ロールの両方の表層にエラストマー材料を用いることによって、記録用紙のエッジによる摩耗現象を最小にできることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、記録用紙をロールの幅方向に変位させた状態で搬送し、ロールにおける記録用紙の通過位置をずらすことで、ロールの記録紙通過部が集中的に摩耗されるのを防止することも提案されている。例えば、特許文献2には、画像記録媒体に画像を転写する転写手段と、転写手段により転写された画像を画像記録媒体上に定着させる定着手段と、画像記録媒体を転写手段を介して定着手段へと搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置において、画像記録媒体と定着手段とを搬送手段による搬送方向と直交する方向に相対的に移動させる移動手段を設け、移動制御手段によって、定着手段を通過した記録媒体の枚数に基づいて移動手段の動作を制御することが記載されている。
特許文献2に記載の画像形成装置は、移動手段が、転写手段よりも記録媒体の搬送方向上流に設けられており、記録媒体を搬送方向と直交する方向に所望の移動量だけ移動させて転写手段へ搬送するとともに、転写手段が、記録媒体の移動量に応じて該記録媒体に転写する画像の生成位置を移動させて生成し、生成した画像を記録媒体に転写する。画像が転写された記録媒体は、搬送方向と直交する方向に移動された状態のまま定着手段へ搬送されて定着処理が施されるので、定着手段(定着ロール)の記録媒体の通過位置を記録媒体毎に所望の移動量だけ移動させることができ、これにより、記録媒体が定着ロールの同一の通過位置を通過することを防止して、定着手段の劣化(摩耗)を低減することができるとされている。
図6は、特許文献2に記載の画像形成装置において、用紙(記録媒体)Pの搬送装置の一部として設けられる一対の位置合わせロール200、およびその移動手段であるサイドシフト機構210の構成を示す図である。位置合わせロール200は、中間転写体上に形成された画像を用紙Pに転写する転写部位の上流に配置されている。位置合わせロール(レジロール)200は、例えばパルスモータで構成される駆動モータ(レジモータ)216によって回転駆動せしめられるドライブ位置合わせロール201と、このドライブ位置合わせロール201に圧接配置されて追従回転するアイドル位置合わせロール202とで構成されており、図示されないニップリリースモータによって、例えば、アイドル位置合わせロール202がドライブ位置合わせロール201に対してニップまたはリリースされる。
また、位置合わせロール200(位置合わせロール201,202)は、フレーム204に軸方向に対して移動自在に回転支承されており、ドライブ位置合わせロール201の支承軸一端にはカップリング206を介して移動手段としてのサイドシフト機構210が設けられている。このサイドシフト機構210は、カップリング206に連結されるシャフト211にラック212を取り付け、このラック212にピニオンギア213を噛合させ、前記ピニオンギア213をサイドシフトモータ216によって所定量回転駆動するようにしたものである。
レジモータ216はフレーム204の内側に固定されており、このレジモータ216からの駆動力が減速ギア列218を介してドライブ位置合わせロール201に伝達される。減速ギア列218のドライブ位置合わせロール201側の要素220は、ドライブ位置合わせロール201の軸方向移動を許容するように、軸方向に対して相対移動可能になっている。
このようなサイドシフト機構210は、図示されない用紙搬送コントローラ(移動制御手段)によって制御され、用紙Pをニップした状態の位置合わせロール200を軸方向に設定された移動量だけ移動させる。これにより、用紙Pは、設定された移動量だけ搬送方向と直交する方向に移動されて画像の転写部位に搬送され、用紙Pの移動量に対応して主走査方向(用紙Pの搬送方向に直交する方向)に移動されて形成された画像が転写され、搬送方向と直交する方向へ移動された状態のまま(移動後の位置を保ったまま)、定着ロールへ搬送されて、定着処理が施される。
また、特許文献2には、上記のサイドシフト機構210(図6参照)と同様の機構を定着ロールの一端部に設け、定着ロールを記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動させて、記録媒体の通過位置をずらすようにしてもよいとも記載されている。
特開平8−227248号公報 特開2003−131525号公報
しかしながら、ロール形状やロール材質、用紙材質等を変更する従来技術では、次のような問題がある。すなわち、加熱ロールおよび加圧ロールの形状や材質を変更することによりロール面の摩耗を低減させることができたとしても、多数の記録用紙を加圧搬送している間には、エッジ部分が集中的に摩耗していくことには変わりがなく、頻繁に使う用紙よりも幅の広い用紙を用いた場合に生じる画像品質の劣化を防ぐことはできない。そのため、ロール面のエッジ部分以外は摩耗していないにもかかわらず、エッジ部分の摩耗に合わせてロールを交換しなければならず、不経済である。また、ロール面の摩耗を生じにくい専用の記録用紙を用いることは、画像品質や、画像が記録された記録用紙の用途を制限してしまうことになり、画像形成に対する多様なニーズに応えることができない。その上、特殊な記録用紙を用いることは、コストの増加にもつながる。
特に、溶媒中に帯電した色材粒子を分散させたインクを用い、インクに静電力を作用させることによって濃縮したインクを吐出させて画像を形成する濃縮型静電インクジェット方式の画像形成装置は、超高精細な画像記録が可能であるため、定着装置においてもその高品質画像を維持することが重要であり、ロールの摩耗傷による画像へのダメージは重大な問題となる。さらに、多様な記録用紙に高画質な画像を形成したいという高度なニーズに応えるためには、各種の記録用紙、例えばロール面の摩耗を生じやすいような用紙をも使用可能とする必要がある。
一方、特許文献2に記載の技術によれば、定着ロールの記録用紙の通過位置を所定の通過枚数毎などに変更することができるので、定着ロールの特定箇所が集中的に摩耗するのを防止できる。しかしながら、記録用紙の移動手段が、画像の転写手段よりも記録用紙の搬送方向上流に設けられているので、転写手段としては、記録用紙の移動に対応する範囲に画像を生成できる構成が必要である。すなわち、特許文献2に記載のいわゆる電子写真式の画像形成装置であれば、感光体や、感光体にトナーを供給するトナー現像器、中間転写体等の各構成要素のサイズ(幅)を、記録用紙が移動される最大の範囲に対応するサイズにしておく必要がある。また、例えば、インクジェット式の記録装置であれば、インクジェットヘッドのライン長さを増大させる必要がある。さらに、移動手段で移動された記録用紙は、そのままの位置で、転写手段、定着手段を経由して記録用紙の排出部まで搬送されるため、記録用紙の移動に対応する幅の搬送路および搬送手段が必要である。そのため、装置のサイズが大きくなってしまい、装置コストも増加するという問題があった。また、記録用紙の移動手段および画像の転写手段、さらには記録用紙の排出部の各所を制御しなければならないため、制御装置および制御方法が複雑となるという問題もあった。
ところで、上述のように、特許文献2には、図6のサイドシフト機構210と同様の機構によって、定着ロールを記録媒体の搬送方向と直交する方向に移動させて、記録媒体の通過位置をずらすようにしてもよいことが記載されている。しかし、図6の位置合わせロール200が、画像形成前の用紙Pを単にニップして搬送するものであり、そのニップ圧には厳密な調整は必要ないのに対し、定着ロールは、記録用紙に形成された画像を均一かつ確実に定着させるために、ニップ圧を調整し、維持する必要がある。さらに、位置合わせロール200等の搬送ロールは、小径のロールでよいのに対し、定着ロールは、ロール内に加熱源を備える必要があり、また、ニップ幅を確保するため等の理由から、通常、単なる搬送ロールよりも大径のロールとされている。このように、位置合わせロール200と定着ロールとでは、その構成が大きく異なるため、図6のサイドシフト機構210を定着ロールの移動手段として適用することは、実際には困難であるという問題があった。
例えば、図6の位置合わせロール200は、ドライブ位置合わせロール201が、回転駆動され、かつサイドシフト機構210によって軸方向に移動される一方、アイドル位置合わせロール202は、用紙Pを介するドライブ位置合わせロール201とのロール面の摩擦によって、追従して回転され、軸方向へ移動される。しかしながら、径が大きく、重量の大きい定着ロールの場合には、一方のロールが軸方向へ移動されたときに、他方のロールをロール面の摩擦だけで安定して移動させることはできず、ロール同士の位置がずれてしまう、あるいは摩擦によってロール面が損傷してしまうという問題があった。
本発明の目的は、ヒートロール方式の定着装置およびその定着装置を用いる画像形成装置において、記録媒体の種類を制限することなく、記録媒体のエッジによる定着ロール面の集中的な摩耗を抑制でき、かつ、装置サイズやコストを増大させることなく、簡単な制御で、安定した定着処理を行うことのできる画像形成装置および定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、画像が形成された記記録媒体を挟持搬送することにより前記画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールと、
前記定着ロールの少なくとも一方を他方の定着ロールに向けて付勢する付勢手段と、
前記定着ロールの少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段と、
前記定着ロールの両方をともにその軸心同方向に移動する移動手段と、を備える定着装置を提供するものである。
ここで、前記移動手段は、前記定着ロールの両方に接続された1つの駆動源を有するのが好ましい。
また、前記付勢手段は、前記定着ロールを付勢する付勢力の調整機構を有するのが好ましい。
また、前記移動手段は、前記付勢手段による付勢力を維持した状態で、前記一対の定着ロールを移動するのが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明は、色材を含む粒子を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部、前記画像が形成された前記記録媒体を搬送する搬送路、および、前記搬送路から搬送される前記記録媒体を少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対によって挟持搬送することにより前記画像を定着させる定着部、を有する画像形成装置であって、
前記定着部は、
前記定着ロールの少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段と、
前記定着ロールの少なくとも一方を他方の定着ロールに向けて付勢する付勢手段と、
前記定着ロールの両方をともにその軸心同方向に移動する移動手段と、を備える画像形成装置を提供するものである。
ここで、さらに、前記定着部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記定着部を通過した前記記録媒体の枚数、形状寸法および材質の1以上に応じて、前記搬送路に対する前記一対の定着ロールの位置をその軸心方向に変化させるのが好ましい。
また、前記移動手段は、前記定着ロールの両方に接続された1つの駆動源を有するのが好ましい。
また、前記付勢手段は、前記定着ロールを付勢する付勢力の調整機構を有するのが好ましい。
また、前記移動手段は、前記付勢手段による付勢力を維持した状態で、一対の前記定着ロールを移動するのが好ましい。
また、前記画像形成部が、前記色材を含む粒子を含有するインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有するのが好ましい。
また、前記インクは、帯電した色材を含む粒子および溶媒を含有し、
前記画像形成部は、前記インクに静電力を作用させることにより、前記インクジェットヘッドから前記インクの液滴を吐出して、前記記録媒体に画像を形成するものであるのが好ましい。
本発明によれば、記録媒体のエッジが、定着ロール面の特定の部分に集中して接触することがないため、ロール面の特定部分の集中的な摩耗を抑制することができる。それにより、サイズの異なる記録媒体を用いた場合にも画像劣化を防ぐことができ、ロール寿命を延ばすことができる。さらに、例えば、厚みのある記録紙や硬質の記録紙など、ロール面を摩耗させやすいような記録媒体を用いた場合にも、ロール面の摩耗を抑制することができるため、画像形成装置において、各種記録媒体を用いることができる。
さらに、本発明によれば、装置のサイズを過剰に大きくすることなく、特に、画像形成部に過剰な仕様を要求することなく、また、装置の制御を複雑にすることなく、良好で安定した定着性を維持しつつ、定着ロールの摩耗を抑制することができる。
また、本発明によれば、超高精細な画像を形成可能な濃縮型静電インクジェット方式の画像形成装置において、定着ロール面の特定部分の摩耗による画像劣化を抑制することができるとともに、多種の記録媒体に画像を形成することができるので、高品質な画像を形成することができる。
本発明に係る画像形成装置および定着装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の定着装置および画像形成装置の一実施形態の概略構成を示す模式図であり、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)のI−I線における位置関係を示す模式的断面図である。同図に示す画像形成装置10は、記録媒体Pに固定画像を形成するものであり、記録媒体に画像を形成する画像形成部12と、形成された画像を定着させる定着部14と、画像形成部12によって画像が形成された記録媒体Pを定着部14へ搬入する第1搬送路16と、定着部14で画像が定着された記録媒体Pを定着部14から搬出する第2搬送路18とを有している。定着部14は、本発明の定着装置を構成する。また、定着部14には、定着部14の動作を制御する制御部15が接続されている。
記録媒体Pとしては、普通紙、上質紙、微塗工紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等の紙類や、印刷用フィルム等、各種の記録媒体を用いることができる。記録媒体Pの形状は、特に制限的ではないが、以下では、一般的に用いられる矩形の記録媒体Pを例に説明する。
画像形成部12は、色材を含む粒子を用いて記録媒体Pに画像を形成するものである。図示例においては、画像形成部12は、図1中、左から右へ搬送される記録媒体Pの上側の面に画像を形成する。画像形成部12としては、各種の画像形成方式(画像記録方式)のものを利用することができる。例えば、顔料等の色材を含む粒子(色材粒子)および溶媒を含有するインクを用い、インクジェット方式によってインクを吐出して記録媒体Pにインク画像を形成する、静電式、サーマル式、ピエゾ式等、各種のインクジェット方式や、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式等が利用可能である。
第1搬送路16は、画像形成部12によって画像が形成された記録媒体Pを定着部14へ搬送する経路を構成し、さらに、その搬送路に沿って記録媒体Pを搬送するための駆動手段を有するもので、回転駆動される2つのロール24,26と、ロール24,26に張架され、ロール24,26の回転に伴って回転する搬送ベルト28とを有している。搬送ベルト28は、記録媒体Pの幅と同等かそれよりもやや広い幅を有しており、画像形成部12を通過した記録媒体Pを、画像形成面と反対側の面を支持して、矢印a方向に搬送する。
なお、第1搬送路16は、記録媒体Pに形成された未定着の画像に接触することなく搬送するように構成されていればよく、上記の構成以外にも、例えば、記録媒体Pの非画像形成面側に、記録媒体Pの搬送方向の長さよりも短い間隔で配列された複数の搬送ロールで構成されていてもよいし、上記のようなベルト搬送機構やロール搬送機構を組み合わせたものであってもよいし、さらに、ガイド板が備えられていてもよい。
第2搬送路18は、定着部14によって画像が定着された記録媒体Pを受け取って、定着部14から次工程(例えば、記録媒体Pの排出部)へ搬送する経路を構成し、さらに、その搬送路に沿って記録媒体Pを搬送するための駆動手段を有するもので、回転駆動される2つのロール30,32と、ロール30,32に張架され、ロール30,32の回転に伴って回転する搬送ベルト34とを有している。搬送ベルト34は、第1搬送路16の搬送ベルト28と同様に、記録媒体Pの幅と同等かそれよりもやや広い幅を有しており、定着部14を通過した記録媒体Pを矢印a方向に搬送する。
なお、第2搬送路18は、記録媒体Pの一方の面または両方の面を支持して搬送するように構成されていればよく、上記の構成以外にも、例えば、記録媒体Pの搬送方向の長さよりも短い間隔で配列された複数の搬送ロールまたは搬送ロール対によって構成されていてもよいし、それらの組み合わせとされていてもよい。また、ガイド板を適宜有していてもよい。
また、第1搬送路16および第2搬送路18は、記録媒体Pを搬送ベルト28または搬送ベルト34の上に保持して搬送するために、記録媒体Pを搬送ベルト28に帯電吸着させる手段や、搬送ベルト28の内周側から記録媒体Pを吸引して搬送ベルト28に吸着させる手段等の吸着手段(図示せず)を備えているのが好ましい。
定着部14は、画像形成部12によって記録媒体P上に形成された画像を、定着ロール対を用いて定着させるものであるとともに、第1搬送路16によって所定の位置に搬送されてくる記録媒体Pを、定着ロール対のニップ部の異なる位置で搬送するように、定着ロール対を移動させるものである。定着部14は、定着ロール対を構成する加熱ロール20および加圧ロール22と、両ロールを回転駆動する回転駆動手段44と、両ロールを搬送方向と直交する方向(図1(a)中、上下方向、矢印b方向。図1(b)中、紙面に垂直な方向。)に移動させる移動手段46とを有している。また、定着部14は、加圧ロール22を加熱ロール20へ付勢する付勢手段(42)を有している。
定着部14は、加熱ロール20および加圧ロール22によって記録媒体Pを挟持搬送することにより、記録媒体Pを加熱および加圧して、記録媒体P上に形成された画像を定着させる。すなわち、加熱ロール20および加圧ロール22による加熱および加圧力によって、記録媒体P上の色材粒子が軟化および溶融し、記録媒体Pに固着して、画像が定着する。
加熱ロール20および加圧ロール22は、記録媒体Pの幅よりも広い幅を有しており、第1搬送路16および第2搬送路18よりも広い幅とされている。加熱ロール20および加圧ロール22は、記録媒体Pの搬送方向に直交する方向に、そのロール面が記録媒体Pの搬送路幅をカバーする範囲で移動可能とされている。
以下に、定着部14の構成について、より詳細に説明する。
図2は、定着部14の構成を示す模式的な正面図であり、図1(b)において、定着部14を、記録媒体Pの搬送方向上流側(図中、左側)から見た図に相当する。
加熱ロール20は、内部にヒータやハロゲンランプ等の加熱源21を内蔵しており、記録媒体Pの画像記録面に接触して記録媒体Pを加熱する。加熱ロール20の回転軸20a,20bは、フレーム36,36に保持されたすべり軸受40,40に、回転および軸方向(軸心方向)の移動が可能に支持されている。加熱ロール20の回転軸20a,20bの一端は、回転駆動手段44に接続されており、他端は、移動手段46に接続されている。図1および図2においては、記録媒体Pの搬送方向に対して右側の端部(図1(a)における下側、図2における右側の端部)に回転駆動手段44が備えられ、同左側の端部(図1(a)における上側、図2における左側の端部)に移動手段46が備えられている。なお、すべり軸受40は、回転軸20a,20bを回転および軸方向移動が可能な状態で支持するものであれば、すべり軸受に代えて、ころ軸受や、その他の機械要素を用いてもよい。
加圧ロール22は、その回転軸22a,22bが、加熱ロール20の回転軸20a,20bと平行に配置されている。加圧ロール22の回転軸22a,22bは、シャフトホルダ38,38に保持されたすべり軸受40,40に、回転および軸方向の移動が可能に支持されている。加熱ロール20と同様に、加圧ロール22の回転軸22a,22bの一端(図示例においては、搬送方向右側の端部)は、回転駆動手段44に接続されており、他端(図示例においては、搬送方向左側の端部)は、移動手段46に接続されている。なお、加圧ロール22は、加熱源を有する加熱ロールであってもよい。
加熱ロール20および加圧ロール22の表面は、優れた離型性を有することが好ましく、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムやフッ素樹脂等によって構成し、オイル等の離型剤を塗布するのが好ましい。
付勢手段42,42は、 加圧ロール22の回転軸22a,22bを支持するシャフトホルダ38,38の、加熱ロール20と反対側(図2中下側)に取り付けられている。付勢手段42,42は、付勢力の調整機構を有しており、シャフトホルダ38,38を所定の付勢力で付勢することで、加圧ロール22を加熱ロール20に向けて付勢する。これにより、加圧ロール22は、ロール軸方向に均等な所定の押圧力で加熱ロール20を押圧する。付勢手段42としては、エアシリンダ、ガスシリンダ、油圧シリンダ等の推力機器や、ばね等の弾性部材を利用することができる。なお、加圧ロール22による加熱ロール20の押圧力を常に一定としておけば良い場合には、付勢手段42は、付勢力の調整機構を有さなくてもよく、加圧ロール22を付勢した所定の状態で固定するなど、調整された付勢力を維持するものであってもよい。
なお、図2の例では、加圧ロール22を支持する2つのシャフトホルダ38,38を、それぞれ、付勢手段42,42で付勢しているが、加圧ロール22を1つのフレームで支持し、そのフレームを付勢する1つまたは複数の付勢手段42を設ける構成としてもよい。また、加熱ロール20についても付勢手段42を設け、加熱ロール20を加圧ロール22に向けて付勢するようにしてもよい。
定着部14による定着条件、すなわち、加熱ロール20の表面温度や、付勢手段42の付勢力による加熱ロール20および加圧ロール22のニップ力(記録媒体Pの押圧力)は、安定した定着性を確保するように適宜設定されればよい。また、加熱ロール20および加圧ロール22の表層を弾性材で構成し、加圧ロール22による押圧力によって記録媒体Pと加熱ロール20とを面接触させることにより、定着のための十分な加熱加圧時間を確保するのも好ましい。
回転駆動手段44は、加熱ロール20および加圧ロール22を回転駆動するものであり、加熱ロール20および加圧ロール22のそれぞれについて、同様の構成のものを備えている。ここでは、代表して、加熱ロール20に接続される機構について説明する。
加熱ロール20の図2中右側の回転軸20aの端部には、歯車48が結合されている。歯車48には、モータ50a、モータ50aの回転によって回転するシャフト50b、シャフト50bに取り付けられた歯車50cからなる回転駆動源50が接続されており、この回転駆動源50によって、歯車48が回転駆動され、加熱ロール20が回転駆動される。歯車48は、加熱ロール20の軸方向の移動量に対応する長い歯幅を有しており、加熱ロール20が軸方向に移動した場合にも常に歯車50cと歯車48とが噛み合うようにされている。なお、歯車50cと歯車48との間に、さらに1段以上の歯車を噛ませて、減速(調速)ギヤを構成してもよい。
同様の歯車48および回転駆動源50が、加圧ロール22の回転軸22aにも接続されている。
このように、本実施形態では、加熱ロール20および加圧ロール22の両方が、回転駆動手段44の別個の回転駆動源50,50に接続されて、それぞれが回転駆動される構成としている。この形態は、両ロールを同一の周速度または異なる所定の周速度で確実に回転させることができる点、および、定着および挟持搬送における、記録媒体Pや記録媒体Pに形成された画像への摩擦などの影響を最小にするように、例えば記録媒体Pの種類に応じて、両ロールの周速度を適宜調整できる点で好ましい。しかし、本発明はこれには限定されず、加熱ロール20および加圧ロール22の両方が、回転駆動手段44として、1つの駆動源に接続されていてもよいし、加熱ロール20および加圧ロール22の一方が回転駆動手段44によって駆動され、他方は、回転駆動手段44によっては駆動されずに、回転する一方のロールによって摩擦駆動される(ロール面の摩擦によってつれ回りする)構成としてもよい。
また、加圧ロール22が駆動ロールで、加熱ロール20が従動ロールであり、加熱ロール20の表面の製品硬度が、加圧ロール22の製品硬度より小さいことが好ましい。
移動手段46は、加熱ロール20および加圧ロール22を軸方向(軸心方向、スラスト方向)の同方向に、同時に同量だけ移動させるものであり、加熱ロール20および加圧ロール22のそれぞれに設けられたベアリング(ラジアル軸受)52およびベアリングナット54と、加熱ロール20および加圧ロール22の両方に共通のベアリングケース56と、ベアリングケース56に係合する1つのスラスト方向駆動源58とを有している。
ベアリング52等の構成は、加熱ロール20および加圧ロール22の両方において同様なので、ここでは、代表して、加圧ロール22の側について説明する。図2には、加圧ロール22の図中左側の回転軸22bの周辺において、ベアリングケース56を破断して、その内部の構成を示してある。なお、同破断図において、回転軸22b以外が断面図で示されている。加圧ロール22は、回転軸22bの段付き部分において、2つのベアリング52,52に回転可能に支持されている。ベアリング52,52は、そのロール面側(図2中、右側)が、回転軸22bの段付き部で固定され、そのロール端部側(図2中、左側)が、ベアリングナット54で固定されて、軸方向の移動が規制されている。また、ベアリング52,52は、ベアリングケース56の軸方向に直交する両側の端面部分56c,56cの間に保持されている。
ベアリングケース56は、加熱ロール20の回転軸20bに設けられたベアリング52,52(図示せず)を保持するケースと、加圧ロール22の回転軸22bに設けられたベアリング52,52を保持するケースとが一体的に構成されたものであり、加熱ロール20の回転軸20bの保持部と加圧ロール22の回転軸22bの保持部との間には、スラスト方向駆動源58(そのねじ軸58b)に係合するねじ受け部56bが形成されている。ベアリングケース56は、加熱ロール20および加圧ロール22のそれぞれについて、軸方向に直交する両側の端面部分56c,56cの間に、ベアリング52,52を保持しており、スラスト方向駆動源58から伝達された動力を受けて軸方向(スラスト方向)に移動することによって、加熱ロール20および加圧ロール22を軸方向に移動させる。
ベアリング52の外周面と、ベアリングケース56のベアリング52を保持する部分(空間)の内周面との間には、隙間56aが設けられている。すなわち、ベアリングケース56のベアリング52を保持する部分の内周面の半径は、ベアリング52の外周面の半径よりも、隙間56aの分だけ大きくなっている。この隙間56aは、付勢手段42によって、加熱ロール20へ向けた加圧ロール22の付勢力が調整された際の、加圧ロール22の付勢方向の移動(図2中、上下方向の移動)に伴う回転軸22bの変位を、ベアリングケース56の内部で吸収するためのものであり、回転軸22bの変位しうる量に見合った隙間(間隔)が設けられている。
このようなベアリング52およびベアリングナット54と同様のものが、加熱ロール20の回転軸20bにも設けられており、ベアリングケース56のベアリング52を保持する部分も同様の構成とされている。なお、本実施形態においては、加熱ロール20はフレーム36,36に固定されているため、ベアリング52とベアリングケース56との間の隙間56aは、設けられていなくてもよいし、加熱ロール20や移動手段46の取り付けの誤差を吸収させる等の目的で、加圧ロール22に対する隙間56aよりも少ない隙間が設けられていてもよい。もちろん、加熱ロール20にも付勢手段42を接続し、加熱ロール20を加圧ロール22へ向けて付勢する場合には、上記と同様に、加熱ロール20の回転軸20bの変位量に見合った隙間56aが設けられる。
付勢手段42,42による付勢力が調整され、加圧ロール22の回転軸22aおよび22bの位置が付勢方向に変化する場合、ベアリングケース56の位置は変化せず、ベアリングケース56の内部で、回転軸22bおよび回転軸22bを指示するベアリング52,52が、隙間56aの範囲で移動する。
なお、図示例では、単列のベアリング52を2つ備える形態としているが、回転軸20b,22bを支持するベアリングの種類や個数は、ロールの重量や回転軸の軸径等に応じて、適宜設定されればよい。また、ベアリングケース56の外形は、特に制限的ではない。
スラスト方向駆動源58は、モータ58aと、モータ58aの回転によって回転するねじ軸58bとを有している。ねじ軸58bは、その軸方向が、加熱ロール20および加圧ロール22の軸方向と同一になるように配置されている。スラスト方向駆動源58は、ねじ軸58bを回転させることによって、これに係合しているベアリングケース56を、ねじ軸58bの軸方向に移動させる。これにより、加熱ロール20および加圧ロール22が、それらの回転軸方向の同方向に移動する。
このように、移動手段46は、加熱ロール20と加圧ロール22との軸心距離を変化させることができ、かつ、両ロールの軸心距離を保ったまま、両ロールを軸心方向の同方向へ同時に移動させる機構を有している。この構成により、付勢手段42による付勢力すなわち加熱ロール20および加圧ロール22によるニップ力が調整された場合にも、調整されたニップ力を維持した状態で、加熱ロール20および加圧ロール22を一緒に、その軸心方向に簡単に移動させることができる。そして、その移動の際に、両ロールの接触面がずれることがなく、ロール面に摩擦による損傷などを生じることもない。
なお、移動手段46において、ベアリングケース56を、一体型とせず、加熱ロール20および加圧ロール22のそれぞれに対して個別に設け、個々のベアリングケース56に係合する2つのスラスト方向駆動源58を設けて、両方の駆動源を同期させて稼働させることにより、加熱ロール20および加圧ロール22を同時に移動させるようにしてもよい。しかし、本実施形態の構成によれば、1つのスラスト方向駆動源58で加熱ロール20および加圧ロール22の両方を同時かつ同量だけ移動させることができ、両ロールの移動を正確に制御できるので、このように構成するのがより好ましい。
移動手段46による加熱ロール20および加圧ロール22の移動の際には、付勢手段42による付勢力(ニップ力)を解除してもよいが、付勢力の付与および解除の切り替えや、付勢力の調整に時間を要する。これに対し、本実施形態は、適切に調整されたニップ力を維持したままで軸方向に移動できることにより、定着部14における処理能力を低下させずに済むのでより好ましい。
制御部15は、定着部14を通過した記録媒体Pの枚数や、通過した記録媒体Pまたはこれから送られてくる記録媒体Pの形状寸法または材質に応じて、定着部14の移動手段46を制御する。
次に、このような定着部14の動作を説明する。
図3(a)〜(e)は、定着部14を模式的に示す正面図であり、それぞれ、加熱ロール20および加圧ロール22が軸方向の異なる位置に移動した状態を示している。図3(a)〜(e)の各図は、定着部14を図2と同様の方向から見た図であり、図1(b)において、定着部14を、記録媒体Pの搬送方向上流側(図中、左側)から見た図に相当する。
図3(a)は、加熱ロール20および加圧ロール22が、図1(a)に示す位置、すなわち、記録媒体Pが、ロールのほぼ中央を通過するように配置された状態を示している。記録媒体Pの搬送時には、付勢手段42によって、加圧ロール22が加熱ロール20へ向けて付勢され、所定のニップ圧が維持された状態で、回転駆動手段44によって加熱ロール20および加圧ロール22が回転駆動されて、第1搬送路16によって搬送されてきた記録媒体Pを加熱ロール20および加圧ロール22の間で挟持搬送する。
制御部15によって、スラスト方向駆動源58のモータ58aが始動されると、ねじ軸58bが回転して、加熱ロール20および加圧ロール22が軸心方向に移動する。このとき、付勢手段42による付勢力は維持されたままであり、調整されたニップ圧を保ったまま、加熱ロール20および加圧ロール22を移動させることができる。加熱ロール20および加圧ロール22の移動は、記録媒体Pが定着部14を通過していないときに行われる。
図3(b)は、図3(a)の状態から、加熱ロール20および加圧ロール22が、搬送方向に対して右側(図中、右側)へ移動した状態を示している。第1搬送路16によって搬送されてくる記録媒体Pの位置は変わらないので、記録媒体Pは、加熱ロール20および加圧ロール22の中央部分よりも、搬送方向に対して左寄りの位置を通過する。
図3(c)は、加熱ロール20および加圧ロール22が、さらに右側へ移動した状態を示している。記録媒体Pの搬送方向左側のエッジが、加熱ロール20および加圧ロール22の左側の(有効)ロール幅のエッジとほぼ一致しており、この関係となる位置が、加熱ロール20および加圧ロール22の右側の移動限界とされる。なお、加熱ロール20と加圧ロール22とのロール幅のエッジ位置が異なる場合は、いずれか短い方(中心寄りにエッジがある方)のロールのエッジと記録媒体Pのエッジとが一致する位置が移動限界とされるのは言うまでもない。
一方、スラスト方向駆動源58において、ねじ軸58bが反対回りに回転されると、加熱ロール20および加圧ロール22が反対方向、すなわち、図3(d)に示すように、図3(a)の状態から、搬送方向に対して左側(図中、左側)へ移動する。この場合、記録媒体Pは、加熱ロール20および加圧ロール22の中央部分よりも、搬送方向に対して右寄りの位置を通過する。
加熱ロール20および加圧ロール22がさらに左側へ移動すると、図3(e)に示す状態となる。この図のように、記録媒体Pの搬送方向右側のエッジが、加熱ロール20および加圧ロール22の右側の(有効)ロール幅のエッジとほぼ一致し、この関係となる位置が、加熱ロール20および加圧ロール22の左側の移動限界とされる。
このように、制御部15からの制御によって、加熱ロール20および加圧ロール22が、図3(c)の位置(右側の限界位置)から図3(e)の位置(左側の限界位置)までの範囲を移動することによって、記録媒体Pのエッジが通過する位置が分散されるので、加熱ロール20および加圧ロール22のロール面の特定箇所が集中的に摩耗するのを防ぐことができる。
制御部15による定着部14の制御は、例えば、次のように行われる。
制御部15は、画像形成装置10における記録媒体Pの供給や、画像形成を制御する信号、または、画像形成装置10の搬送経路上に設けられた記録媒体Pの検出器からの信号等から、画像形成装置10において処理した記録媒体Pの枚数(すなわち、定着部14を通過した記録媒体Pの枚数)をカウントし、1枚または複数枚の所定枚数が通過する毎に、加熱ロール20および加圧ロール22の位置を変化させるように、移動手段46を制御する。
記録媒体Pとして、形状寸法の異なるものを使用する場合は、処理した記録媒体Pの形状寸法(幅、長さ、厚さ)に基づいて定着部14を制御してもよい。すなわち、定着部14を通過した記録媒体Pの幅を考慮し、記録媒体Pのエッジが、ロール面の同一の通過位置を通過した回数(枚数)を算出して、その回数に基づいて、加熱ロール20および加圧ロール22を移動させるのも好ましい。さらに、記録媒体Pの搬送方向長さをも考慮し、記録媒体Pのエッジが、ロール面の同一の通過位置を通過した長さの合計を算出して、それに基づいて移動のタイミングを設定してもよい。また、記録媒体Pの厚さによってロール面に与えるダメージが異なるので、通過した記録媒体Pの厚さをも考慮して、例えば、記録媒体Pの厚さに対応するパラメータを用いて、通過枚数(または通過長さ)に重み付けをして、その結果に基づいて加熱ロール20および加圧ロール22の移動のタイミングを設定してもよい。
また、記録媒体Pとして、材質の異なるものを使用する場合は、ロール面を摩耗させやすい材質や、摩耗させにくい材質など、記録媒体Pの材質に対応するパラメータを用いて、ロール面の同一の通過枚数(または通過長さ)に重み付けをして、その結果に基づいて加熱ロール20および加圧ロール22の移動のタイミングを設定してもよい。
加熱ロール20および加圧ロール22の移動は、一定量ずつ、移動可能範囲を往復するように行われてもよいし、往復移動によって中央部分における記録媒体Pの通過回数が嵩まないように、ロールの移動による記録媒体Pのエッジ通過領域において、ほぼ均等に記録媒体Pのエッジが通過するように、移動方向および移動量が設定されるのも好ましい。
あるいは、移動のタイミング(記録媒体Pの通過枚数)および移動量の一方または両方を、ランダムに設定してもよい。
このような画像形成装置10または定着部14によって構成される定着装置において、加熱ロール20および加圧ロール22のロール幅は、大きく取るほど、移動可能範囲が広くなるため、記録媒体Pのエッジが接触する部分を広い範囲に分散でき、ロールの寿命を長くできる点で好ましいが、定着部14の装置サイズが大きくなり、場合によっては、画像形成装置10のサイズを定着部14の部分で大きく取る必要がある。したがって、加熱ロール20および加圧ロール22の幅は、両ロールに設定された寿命までの期間に、記録媒体Pのエッジによるロール表面の摩耗が許容範囲に抑えることができ、かつ、装置のコンパクト化の要求に見合う範囲に設定されるのがよい。この観点から、加熱ロール20および加圧ロール22のロール幅は、使用される最大幅の記録媒体Pの幅に対して、10mm〜100mm程度大きくするのが好ましく、20mm〜50mm程度大きくするのがより好ましい。
記録媒体Pとして、複数種のサイズの記録媒体を使用する場合は、記録媒体Pの最大サイズに対応する幅の加熱ロール20および加圧ロール22を用い、最大サイズの記録媒体Pを定着処理するときには加熱ロール20および加圧ロール22の移動を行わず、小サイズの記録媒体Pを定着処理するときにのみ移動させて、そのエッジ通過位置を変化させるようにするのも好ましい。
次に、本発明の画像形成装置および定着装置を、静電式インクジェット画像形成装置に適用した実施形態について説明する。溶媒中に帯電した色材粒子を分散させたインクを用い、インクに静電力を作用させることによって濃縮したインクを吐出させて画像を形成する濃縮型静電インクジェット方式の画像形成装置は、高精細な画像形成が可能である。そのような画像形成装置に、本発明の画像形成装置および定着装置を適用することによって、高精細に形成された画像をそのままに定着させて、高画質な画像を得ることができる。
なお、以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明するが、これとは逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させたものを用いてもよい。その場合は、記録に作用する各部の極性を、以下の例とは逆極性とすればよい。
図4は、本発明の画像形成装置を適用する静電式インクジェット画像形成装置の一実施形態を示す概念図である。同図に示すインクジェット画像形成装置60は、静電力により、帯電した色材粒子(帯電微粒子)を含むインクの吐出を制御し、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録した後、記録された画像を加熱ロールによる接触加熱によって定着するもので、記録媒体Pの保持手段62と、搬送手段64と、画像形成手段66と、定着部14と、溶媒回収手段72とを備え、これらが筐体61に内包されている。また、定着部14の搬送方向の上流側および下流側には、それぞれ、第1搬送路16および第2搬送路18が配置されている。
なお、図4のインクジェット画像形成装置60において、定着部14、第1搬送路16および第2搬送路18は、図1の画像形成装置10における定着部14、第1搬送路16および第2搬送路18と同様のものであるので、同様の構成要素には、それぞれ同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、図4のインクジェット画像形成装置60における画像形成手段66は、図1の画像形成装置10における画像形成部12に対応するものである。
まず、記録媒体Pの保持手段62について説明する。
保持手段62は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ74と、ピックアップロール76と、記録後の記録媒体Pを保持する排紙トレイ78とを備えている。
給紙トレイ74は、記録に供される複数枚の記録媒体Pを保持するものであって、図4中、筐体61の左側部から筐体61の内部に挿入されて装着されている。ピックアップロール76は、給紙トレイ74の装着部の先端部(図中、右端部)近傍に配置されている。画像の記録時には、ピックアップロール76により、記録媒体Pが給紙トレイ74から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段64に供給される。ピックアップロール76の近傍には、重ねてストックされている記録媒体Pの分離を容易にするために、記録媒体Pの除電を行う除電ブラシや除電ロール、エア吹きつけブロアー等が備えられているのが好ましい。
排紙トレイ78は、画像が形成された記録媒体Pを保持するものであって、筐体61内部の記録媒体Pの搬送経路の終端に設けられ、その先端部(記録媒体Pの搬送方向先端側)は筐体61の外部に位置している。記録後の記録媒体Pは、搬送手段64により搬送されて、排紙トレイ78に排紙される。
次に記録媒体Pの搬送手段64について説明する。
搬送手段64は、記録媒体Pを、給紙トレイ74から排紙トレイ78まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ロール対80と、搬送ベルト82と、ロール84a、84bと、導電性プラテン86と、記録媒体Pの帯電器88および除電器90と、分離爪92と、排出ロール96とを備えている。分離爪92から排出ロール96までの区間においては、記録媒体Pは、第1搬送路16、定着部14、および第2搬送路18によって搬送される。なお、搬送手段64としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ロール対や搬送ベルト、搬送ガイド等の通常の搬送部材が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されていてもよい。
搬送ロール対80は、ピックアップロール76と搬送ベルト82との間の位置に設けられている。ピックアップロール76により給紙トレイ74から取り出された記録媒体Pは、この搬送ロール対80と搬送ベルト82により挟持搬送され、搬送ベルト82上の所定の位置に供給される。
搬送ベルト82は、ループ状のエンドレスベルトであり、2つのロール84a、84bによって張架されている。ロール84a、84bのうちの少なくとも一方は、図示していない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト82は、図中、時計回りに周回し、搬送ベルト82に静電吸着している記録媒体Pを所定の速度で搬送する。
搬送ベルト82は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性、ロール84a、84bと接触する側の面(裏面)が導電性のものである。また、搬送ベルト82の内周面側には、帯電器88と対向する位置および後述するインクジェットヘッド108と対向する位置に亘って、導電性プラテン86が配置されており、ロール84a、84bおよび導電性プラテン86は接地されている。これにより、搬送ベルト82は、インクジェットヘッド108に対向する位置において、インクジェットヘッド108の対向電極としても機能する。
導電性プラテン86は、ロール84aおよび84bの外周を結ぶ線よりインクジェットヘッド108側にやや張り出すように配置されるのが好ましい。そのように配置することにより、搬送ベルト82に張力を付与して、搬送ベルト82のばたつきを抑えることができる。
記録媒体Pの帯電器88は、スコロトロン帯電器98と、負の高圧電源100とを備えている。スコロトロン帯電器98は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ロール対80と画像形成手段66との間の位置に、搬送ベルト82の表面に対向して配置されている。また、スコロトロン帯電器98は、負の高圧電源100の負側の端子に接続されており、負の高圧電源100の正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源100に接続されたスコロトロン帯電器98により所定の負の高電位に均一に帯電され、記録に必要な一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。また、これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト82の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
記録媒体Pの除電器90は、コロトロン除電器102と、交流電圧源104と、高圧電源106とを備えている。コロトロン除電器102は、画像形成手段66の記録媒体Pの搬送方向の下流側に、搬送ベルト82の表面に対向して配置されている。コロトロン除電器102は、交流電圧源104を介して高圧電源106に接続されており、高圧電源106の他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン除電器102により除電された後、その下流側に配置された分離爪92によって搬送ベルト82上から分離される。搬送ベルト82上から分離された記録媒体Pは、第1搬送路16によって定着部14に搬送され、定着部14において定着処理が施された後、第2搬送路18によって搬送されて、排出ロール96によって排紙トレイ78に排紙される。
次に、画像形成手段66について説明する。
画像形成手段66は、帯電した色材粒子を含むインクを用い、画像データに応じてインクの吐出を静電力により制御して、記録媒体P上に、画像データに応じた画像を形成するものであり、静電式のインクジェットヘッド108と、ヘッドドライバ110と、インク循環機構112と、記録媒体Pの位置検出器114とを備えている。
インクジェットヘッド108は、搬送ベルト82による記録媒体Pの搬送経路において、記録媒体Pが安定した平面状態で搬送される位置に、そのインク吐出部が搬送ベルト82の表面(搬送ベルト82の表面に保持される記録媒体Pの表面)と所定の距離になるように配置されている。図示例では、インクジェットヘッド108は、ロール84a、84bの間の、導電性プラテン86に支持された搬送ベルト82に対向して配置されている。
インクジェットヘッド108は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。各色の吐出ヘッドは、基本的に同様の構成を有しているので、以下ではその1色の吐出ヘッド160について説明する。
図5は、静電式インクジェットヘッド108における吐出ヘッド160の具体的な構造を説明する模式図であり、図5(a)は、吐出ヘッド160の一部を示す模式的断面図、図5(b)は、図5(a)のV−V線における模式的断面図である。吐出ヘッド160は、複数のノズルを2次元的に備えるマルチチャンネルヘッドであるが、ここでは、その構成を明確に示すために、2つの吐出部のみを示してある。また、図5には、吐出ヘッド160と対向する搬送ベルト82も合わせて示してあるが、両者の位置関係は、図4とは上下逆に示されている。
吐出ヘッド160は、ヘッド基板162と、インクガイド164と、ノズル基板166と、吐出電極168と、浮遊導電板176とを備えている。吐出ヘッド160は、インク滴Rの吐出(飛翔)ポイントとなるインクガイド164の先端が、対向電極となる、記録媒体Pを支持する搬送ベルト82と対向するように配置されている。
ヘッド基板162およびノズル基板166は、吐出ヘッド160の全ノズルに共通な平板基板であり、絶縁性材料から構成されている。ヘッド基板162およびノズル基板166は、所定の間隔をあけて配置され、その間にインク流路178が形成されている。インク流路178内のインクQは、吐出電極168に印加される電圧と同極性に帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク循環機構112(図4参照)によって、所定方向、図5(a)に示す例ではインク流路178内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明する。
ノズル基板166には、インクQの吐出口となるノズル174が穿孔されており、このノズル174は、所定の間隔で2次元的に複数配置されている。また、ノズル174の中央部には、インクQの吐出(飛翔)ポイントを定めるためのインクガイド164が配置されている。
インクガイド164は、突状先端部分164aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、各ノズル174に対応する位置に、ヘッド基板162の上に配置されている。インクガイド164は、同じ列(図5(a)における左右方向、図5(b)における紙面垂直方向)に配列される複数のインクガイド164に共通の基部164bを有しており、この基部164bがヘッド基板162上に、浮遊導電板176を挟んで固定されている。
また、インクガイド164の先端部分164aは、吐出ヘッド160の記録媒体P(搬送ベルト82)側の最表面から突出するように配置されている。先端部分164aの形状および構成は、インクQ(インク滴R)の吐出ポイントを安定させ、かつ、先端部分164aにおいて、インクQを十分に供給し、インクQ中の色材粒子を好ましい状態に濃縮させることができるように設定される。例えば、先端部分164aを吐出方向に向けて次第に細くした形状のものや、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成したもの、先端部分164aの誘電率を実質的に大きくするために、先端部分164aに金属を蒸着したものなどが好適である。
ノズル基板166の記録媒体P側の面(図中、上面)には、各ノズル174を囲むように、吐出電極168が配置されている。また、ノズル基板166の記録媒体P側には、吐出電極168の上方(上面)を覆う絶縁層170aと、吐出電極168の上方に絶縁層170aを介して配置されるシート状のガード電極172と、ガード電極172の上面を覆う絶縁層170bとが設けられている。
吐出電極168は、ノズル基板166に開孔されたノズル174の周囲を囲むように、ノズル基板166の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、吐出電極168の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。
吐出電極168は、ヘッドドライバ110によって制御され、画像データに応じて所定のパルス電圧が印加される。上述したように、インクガイド164と対向する位置には、インク中の帯電した色材粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト82に保持されて一定速度で搬送される。記録媒体Pは負の高電圧(例えば、−1500V)に帯電されており、吐出電極168との間に、インクQを吐出させない程度の所定の電界が形成されている。
吐出電極168が吐出オフ状態(吐出待機状態)のときは、パルス電圧は0Vまたは低電圧とされる。この状態では、吐出部の電界強度はバイアス電圧(または、バイアス電圧にオフ状態のパルス電圧が重畳された電圧)による電界強度となっており、これはインクQの吐出に必要な強度よりも低く設定されているため、インクQの吐出は行われない。しかし、この吐出待機状態の低電界により、ノズル174の内部においてインク中の色材粒子がインクガイド164の先端部分164aに濃縮する。
吐出電極168が吐出オン状態のときは、パルス電圧が印加され、バイアス電圧に高電圧のパルス電圧(例えば、400〜600V)が重畳されて、吐出部の電界強度はインクQが吐出するのに十分な強度となり、インクガイド164の先端部分164aに濃縮されたインクQがインク滴Rとして飛翔する。このインク滴Rのサイズは極めて小さいため、解像度の高い、高画質な画像記録を行うことができる。
このように、画像データに応じて、記録媒体Pの全幅に亘って配置された各吐出部の吐出電極168のオン、オフが制御され、所定速度で搬送される記録媒体Pに対して所定のタイミングでインク吐出が行われることにより、記録媒体Pに2次元画像が記録される。
ガード電極172は、隣接する吐出部の吐出電極168の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド164の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。ガード電極172は、吐出ヘッド160の全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各ノズル174の周囲に形成された吐出電極168に相当する部分が穿孔されている。ガード電極172を設けることによって、ノズル174を高密度に配置した場合にも、隣接するノズル174の電界の影響を最小限にし、ドットサイズおよびドットの描画位置を常に安定して保つことができる。
ヘッド基板162のインク流路178側の表面には、浮遊導電板176が配置されている。浮遊導電板176は、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされており、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧を発生し、インク流路178内のインクQにおいて、その色材粒子をノズル基板166側へ泳動させる。また、浮遊導電板176の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することが防止されている。この絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性を有するものが用いられる。
浮遊導電板176を設けることにより、インク流路178内のインクQ中の色材粒子をノズル基板166側へ泳動させて、ノズル基板166のノズル174を通過するインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド164の先端部分164aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
なお、図示例においては、吐出電極を単層電極構造としているが、これ以外にも、例えば、列方向に接続された第1吐出電極と、行方向に接続された第2吐出電極とを備える2層電極構造とし、第1吐出電極と第2吐出電極とをマトリクス状に配列してマトリクス駆動を行うものとしてもよい。このようなマトリクス駆動方式によれば、吐出電極の高集積化とドライバ配線の簡素化の両方を同時に実現できる。
インク循環機構112は、インクタンク116と、ポンプ(図示省略)と、インク供給路118aおよびインク回収路118bとを備えている。インクタンク116は、筐体61内部の底面上に配置され、インク供給路118aおよび回収路118bを介してインクジェットヘッド108と接続されている。
インクタンク116内には、各色の色材粒子とこれを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク116内の各色のインクは、ポンプにより、インク供給路118aを介して、インクジェットヘッド108の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、ポンプにより、インク回収路118bを介して各色のインクタンク116内に回収される。
次に、インクジェットヘッド108で用いられるインクQ(インク組成物)について説明する。静電式インクジェットヘッド108においては、インクQとして、色材粒子(色材を含み、かつ,帯電した微粒子)を溶媒(インク溶媒、キャリア液)に分散してなるものが用いられる。
キャリア液(インク溶媒)は、高い電気抵抗率(109Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。電気抵抗率の高いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けることを少なくでき、荷電粒子(帯電微粒子成分)の濃度を高めることができ、荷電粒子を濃縮することができる。また、電気抵抗率の高いキャリア液は、隣接する記録電極間での電気的導通の防止にも寄与し得る。また、このような程度の電気低効率の液体からなるインクを用いると、低電界下でも、インクの吐出を良好に行うことができる。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に有効に電界が作用し、泳動が起こりやすくなる。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液(インク溶媒)に分散される色材粒子は、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよいが、好ましくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させる。分散樹脂粒子を含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均−な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド108等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4〜1μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
色材粒子をキャリア液に分散させた後(必要に応じて、分散剤を使用しても可)、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、吐出電極に印加される駆動電圧と同極性の荷電粒子であり、その荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
このようなインクQは、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ、荷電調整剤を分散媒に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
記録媒体Pの位置検出器114は、フォトセンサ等の従来公知の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、インクジェットヘッド108よりも上流側の所定位置(図示例では、搬送ロール対80と帯電器88との間の位置)に、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト82の表面に対向して配置されている。位置検出器114により検出された記録媒体Pの位置情報はヘッドドライバ110に供給される。
ヘッドドライバ110は、インクジェットヘッド108のドライバであって、インクジェットヘッド108と駆動信号ケーブルを介して接続されている。図示例では、ヘッドドライバ110は、筐体61内部の図中中央上部に取り付けられている。ヘッドドライバ110には、外部装置から画像データが入力され、位置検出器114から記録媒体Pの位置情報が入力される。そして、ヘッドドライバ110により、記録媒体Pの位置情報にしたがって、インクジェットヘッド108の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
次に、本発明の特徴とする部分である定着部(定着装置)14について説明する。定着部14は、図1の画像形成装置10において示すものと同様の構成を有している。
すなわち、定着部14は、加熱ロール20および加圧ロール22によって記録媒体Pを挟持搬送することにより、画像形成手段66によって記録媒体Pに形成されたインク画像を加熱定着させるものである。なお、加熱ロール20および加圧ロール22は、その両方を加熱ロールとしてもよく、加熱ロール20(および加圧ロール22)の表面温度は、安定した定着性を確保するように適宜設定されればよいのは、上述の例と同様である。
また、図4には示していないが、定着部14は、付勢手段42と、回転駆動手段44と、移動手段46と、移動手段46を制御する制御部15とを備えている。付勢手段42による、加圧ロール22を加熱ロール20へ付勢する付勢力、すなわちそれによる記録媒体Pの押圧力(ニップ力)は、安定した定着性を確保するように適宜設定される。加熱ロール20および加圧ロール22は、回転駆動手段44によって回転駆動され、また、移動手段46によって、軸方向に移動される。
次に、溶媒回収手段72について説明する。
溶媒回収手段72は、インクジェットヘッド108から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ134と、排気ファン136とを備えている。活性炭フィルタ134は、筐体61の図中、上側の裏面に取り付けられており、排出ファン136は、活性炭フィルタ134の上に取り付けられている。
インクジェットヘッド108から吐出されるインクからのインク溶媒の自然蒸発、記録媒体P上の未定着画像を形成するインク溶媒の自然蒸発、および、定着部14における定着時に発生するインク溶媒の蒸発によって生じる、筐体61内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン136により回収され、活性炭フィルタ134を通過することにより、その溶媒成分が活性炭フィルタ134に吸着して除去されて、除去後の空気が筐体61の外部に排出される。
以下、インクジェット記録装置60の作用を説明する。
記録開始時には、給紙トレイ74に収納された記録媒体Pがピックアップロール76により1枚ずつ取り出され、搬送ロール対80により挟持搬送されて搬送ベルト82上の所定位置に供給される。搬送ベルト82上に供給された記録媒体Pは、帯電器88により負の高電位に帯電され、搬送ベルト82の表面に静電吸着される。
搬送ベルト82の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト82の移動とともに所定の一定速度で移動されつつ、インクジェットヘッド108により、その表面に画像データに対応した画像が形成される。
画像記録後の記録媒体Pは、除電器90により除電され、分離爪92により搬送ベルト82から分離され、第1搬送路16において搬送されて、定着部14に供給される。定着部14において、記録媒体Pは、加熱ロール20および加圧ロール22によって挟持搬送される。定着部14を通過した記録媒体Pは、第2搬送路18において搬送され、排出ロール96によって排紙トレイ78へと排出され、排紙トレイ78内にストックされる。
制御部15には、処理された記録媒体Pの枚数、形状寸法(幅、長さ、厚さ)および材質の1以上に基づいて、加熱ロール20および加圧ロール22を軸方向へ移動させるタイミングおよびその移動量が設定される。制御部15は、画像形成装置10において画像形成処理が施された記録媒体Pの枚数を検出し、また、給紙トレイ74を検出すること等により給紙トレイ74に収納された記録媒体Pの種類、すなわち供給された記録媒体Pの種類を検出し、処理枚数等が設定された値に達すると、移動手段46を制御して、記録媒体Pが定着部14を通過していないときに、加熱ロール20および加圧ロール22を、設定された移動量だけ軸方向の同方向に移動させる。
このように、設定された処理量ごとに、加熱ロール20および加圧ロール22が軸方向に移動されるので、記録媒体Pの幅方向のエッジは、ロール面の異なる部分を通過する。すなわち、記録媒体Pの幅方向のエッジが加熱ロール20および加圧ロール22に接触する位置は、特定の位置に集中することなく、ロール面の広い範囲に分散される。したがって、ロール面の特定位置における集中的な摩耗を防ぐことができる。
以上、本発明に係る画像形成装置および定着装置について詳細に説明したが、本発明は上記種々の実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
(a)および(b)は、本発明の定着装置および画像形成装置の一実施形態の概略構成を示す模式図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−I線における位置関係を示す模式的断面図である。 図1の画像形成装置10の定着部14の構成を示す模式的な正面図である。 (a)〜(e)は、画像形成装置10の定着部14を模式的に示す正面図であり、加熱ロール20および加圧ロール22が軸方向の異なる位置に移動した状態を示す図である。 本発明の画像形成装置を静電式インクジェット画像形成装置に適用した一実施形態の概略構成を示す概念図である。 (a)は、吐出ヘッド160の一部を示す模式的断面図、(b)は、(a)のV−V線における模式的断面図である。 従来の画像形成装置における用紙の搬送装置である、位置合わせロールおよびサイドシフト機構の構成を示す図である。
符号の説明
10 画像形成装置
12 画像形成部
14 定着部
15 制御部
16 第1搬送路
18 第2搬送路
20 加熱ロール
21 加熱源
22 加圧ロール
20a,20b,22a,22b 回転軸
24、26、30、32 ロール
28、34 搬送ベルト
36 フレーム
38 シャフトホルダ
40 すべり軸受
42 付勢手段
44 回転駆動手段
46 移動手段
48 歯車
50 回転駆動源
50a モータ
50b シャフト
50c 歯車
52 ベアリング
54 ベアリングナット
56 ベアリングケース
56a 隙間
56b ねじ受け部
56c 端面部分
58 スラスト方向駆動源
58a モータ
58b ねじ軸
60 (静電式)インクジェット画像形成装置
61 筐体
62 保持手段
64 搬送手段
66 画像形成手段
72 溶媒回収手段
108 (静電式)インクジェットヘッド
110 ヘッドドライバ
112 インク循環機構
160 吐出ヘッド
200 位置合わせロール
204 フレーム
210 サイドシフト機構
214 サイドシフトモータ
216 レジモータ

Claims (11)

  1. 画像が形成された記記録媒体を挟持搬送することにより前記画像を定着させる、少なくとも一方が加熱ロールである一対の定着ロールと、
    前記定着ロールの少なくとも一方を他方の定着ロールに向けて付勢する付勢手段と、
    前記定着ロールの少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段と、
    前記定着ロールの両方をともにその軸心同方向に移動する移動手段と、を備える定着装置。
  2. 前記移動手段は、前記定着ロールの両方に接続された1つの駆動源を有する請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記付勢手段は、前記定着ロールを付勢する付勢力の調整機構を有する請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記移動手段は、前記付勢手段による付勢力を維持した状態で、前記一対の定着ロールを移動する請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 色材を含む粒子を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部、前記画像が形成された前記記録媒体を搬送する搬送路、および、前記搬送路から搬送される前記記録媒体を少なくとも一方が加熱ロールである定着ロール対によって挟持搬送することにより前記画像を定着させる定着部、を有する画像形成装置であって、
    前記定着部は、
    前記定着ロールの少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段と、
    前記定着ロールの少なくとも一方を他方の定着ロールに向けて付勢する付勢手段と、
    前記定着ロールの両方をともにその軸心同方向に移動する移動手段と、を備える画像形成装置。
  6. さらに、前記定着部を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記定着部を通過した前記記録媒体の枚数、形状寸法および材質の1以上に応じて、前記搬送路に対する前記一対の定着ロールの位置をその軸心方向に変化させる請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記移動手段は、前記定着ロールの両方に接続された1つの駆動源を有する請求項5または6に記載の画像形成装置。
  8. 前記付勢手段は、前記定着ロールを付勢する付勢力の調整機構を有する請求項5〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記移動手段は、前記付勢手段による付勢力を維持した状態で、一対の前記定着ロールを移動する請求項5〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成部が、前記色材を含む粒子を含有するインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有することを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記インクは、帯電した色材を含む粒子および溶媒を含有し、
    前記画像形成部は、前記インクに静電力を作用させることにより、前記インクジェットヘッドから前記インクの液滴を吐出して、前記記録媒体に画像を形成するものであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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