JP2001083834A - 画像形成方法および画像形成方法で使用する定着装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成方法で使用する定着装置

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JP2001083834A
JP2001083834A JP25577099A JP25577099A JP2001083834A JP 2001083834 A JP2001083834 A JP 2001083834A JP 25577099 A JP25577099 A JP 25577099A JP 25577099 A JP25577099 A JP 25577099A JP 2001083834 A JP2001083834 A JP 2001083834A
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fixing belt
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roll
paper
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Shinichi Uchiumi
慎一 内海
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】コート紙を使用しても高品位な画像を得ること
ができ、普通紙等を使用しても違和感の少ない画像を形
成できる画像形成方法と定着装置を提供する。 【解決手段】加熱ロールFhとテンションロール5によ
り回転移動可能に支持された定着ベルト6と、記録シー
ト表面のトナー像を加熱定着する加熱ロールFhと定着
ベルト6と加圧ロールFpと、定着領域Q5の記録シー
トの移動方向下流側に配置されたコート紙定着位置と普
通紙定着位置との間で移動可能に支持されたテンション
ロール5と、テンションロール5および定着ベルト6
を、記録シートがコート紙である場合にコート紙定着位
置に移動させ、記録シートが普通紙である場合に普通紙
定着位置に移動させる定着ベルト位置制御手段とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,ファクシ
ミリ,プリンタなどの画像形成方法およびその画像形成
方法で使用する定着装置に関し、特にコート紙に対して
高品位な画像を出力することができる画像形成方法、お
よび、普通紙に対しても適切な画像を出力することがで
きる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記定着装置としては、従来次の技術
(J01)が知られている。 (J01)図13に示す技術 図13は従来の定着装置の説明図である。従来の定着装
置は、図13に示すように円筒状芯金01の内部に加熱
源02を備え、その円筒状芯金01の外周を被覆する耐
熱性ゴム層や耐熱性剥離層などの被覆層03を有する加
熱ロールFhと、前記加熱ロールFhに圧接される加圧
ロールFpと、クリーナ04と、オイル供給装置05と
を有している。未定着のトナー像Tnが表面に形成され
た記録シートSが前記加熱ロールFhおよび加圧ロール
Fpの間(圧接領域)を通過する際に、前記未定着のト
ナー像Tnは加熱加圧定着される。しかし、この加熱加
圧定着後の被覆層03に対するトナーの離型性は十分で
はないため、前記オイル供給装置05によりシリコーン
オイルを塗布し、トナーの加熱ロールFhへのオフセッ
トを防止している。
【0003】フルカラーの複写機やプリンタにおいて
は、一般にトナー中の結着樹脂の分子量を低くして加熱
溶融時の粘度を低くすることにより、定着後のトナ一像
の表面を平滑にし、光沢の高い画像が得られるようにし
ている。また、カラー用の加熱ロール方式の定着装置に
おいては、特に加熱ロール表面に耐熱性ゴム層を設け、
ゴムの伸縮によリトナー層との密着性を高めることによ
り、光沢むらのない画像が得られるようにしている。
【0004】近年、市場導入が盛んなデジタルスチルカ
メラの出力用として高画質フルカラーの電子写真式プリ
ンタを使用する場合においては、記録シートとして、印
刷用コート紙や,アート紙などのような表面平滑性の高
い紙の上に、透明な熱可塑性樹脂層を設けた専用光沢紙
を使用する。専用光沢紙に透明な熱可塑性樹脂層を設け
る理由は、定着時にトナーと同時に溶融させ、卜ナーと
接着させると同時に、印画紙と同様な風合いを持たせる
ためである。
【0005】しかし、デジタルカメラの画像を、前記専
用光沢紙を使用してカラープリンタで出力させ、その画
像の、JISZ8741−1997に準じた75度鏡面
光沢度(入射角75度の正反射光強度により定まる光沢
度)を測定した結果は、100前後と印画紙とほぼ変わ
らない結果が得られたにもかかわらず、微小な表面粗さ
の違いにより、ミクロな光沢むらが生じ、瞬時に印画紙
と異質のものとわかる画像となった。それは、前記光沢
度計の照射面積が数cm角であるために、このようなミ
クロな光沢むらは光沢度の違いとして現れないからであ
る。
【0006】前記問題点を解決するため、次の技術(J
02)が知られている。 (J02)特開平1−35452号公報、特開平5−21
6322号公報などに記載の技術 これらの公報には、熱可塑性樹脂がコーティングされた
記録シートに、光沢化シートあるいはベルトを重ねた
後、加熱、加圧し、冷却後、記録シートを光沢化用のシ
ート或いはベルトから剥離することにより、加熱ロール
方式よりも更にトナー像表面の平滑性を高め、より印画
紙の風合いに近づけた高品位画像を出力する方法が開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(前記(J02)の問題
点)前記従来技術(J02)では、未定着トナー像が形成
された記録シートとベルトを重ねて定着させ、冷却後に
記録シートとベルトとを剥離させるため、表面が平滑な
記録シートを使用するときには、記録シートの画像部
(トナー付着部)と非画像部(トナーが付着していない
部分)とがともに平滑になって高品位な画像を出力でき
るが、表面があまり平滑でない普通紙等の記録シートを
使用するときには、画像部は平滑になるものの、非画像
部は粗いままのため、光沢の違いが際立って違和感を感
じさせてしまうという問題がある。
【0008】また、前記特開平5−216322号公報
で開示されている技術、すなわち、表面に20〜200
μmの透明樹脂層を設けた記録シートを使用すると、紙
の吸湿による伸縮や取り扱い中の曲げなどにより透明樹
脂層の割れが発生してしまうという問題がある。
【0009】本発明は上記の問題に鑑み、下記(O01)
〜(O03)の記載内容を課題とする。 (O01)表面が平滑な記録シート(印刷用コート紙や,
アート紙上に熱可塑性樹脂層をコートした紙等)を使用
する時には、画像部と非画像部ともに平滑で且つ全体的
にも平滑な画像部表面と非画像部表面との凹凸の小さい
高品位な画像を形成できるようにすること。 (O02)表面が平滑でない記録シート(普通紙等)を使
用する時には、画像部を必要以上に平滑にせず違和感の
少ない適切な画像を形成できるようにすること。 (O03)透明な樹脂層により形成されたコート層を設け
たコート紙を使用する場合に、コート層に割れが発生し
ないようにすること。
【0010】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。な
お、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0011】(第1発明)前記課題を解決するために、
本発明の画像形成方法は、下記の要件(A01),(A0
2)を備えたことを特徴とする。(A01)表面に厚みが
2〜20μmの熱可塑性樹脂層をコートしたコート紙
(S2)にトナー像を形成するトナー像形成工程、(A0
2)加熱ロール(Fh)およびテンションロール(5)
に支持された定着ベルト(6)の前記加熱ロール(F
h)に支持された部分の表面と加圧ロール(Fp)との
圧接面に形成される定着領域(Q5)を通過させたコー
ト紙(S2)を、そのトナー像形成面が前記定着ベルト
(6)表面に接触した状態で搬送し、前記コート紙(S
2)に接触する定着ベルト(6)の裏面がテンションロ
ール(5)表面に接触する位置で定着ベルト(6)表面
から前記コート紙(S2)を剥離させる定着工程。
【0012】(第1発明の作用)前記要件を備えた本発
明の画像形成方法では、トナー像形成工程において、表
面に厚みが2〜20μmの熱可塑性樹脂層をコートした
コート紙(S2)にトナー像を形成する。次に定着工程
において、加熱ロール(Fh)およびテンションロール
(5)に支持された定着ベルト(6)の前記加熱ロール
(Fh)に支持された部分の表面と加圧ロール(Fh)
との圧接面に形成される定着領域(Q5)を、コート紙
が通過する。このとき、コート紙上のトナー像は溶融す
る。前記トナー像が溶融したコート紙(S2)を、その
トナー像形成面が前記定着ベルト(6)表面に接触した
状態で搬送し、前記コート紙に接触する定着ベルト
(6)の裏面がテンションロール表面に接触する位置で
定着ベルト表面から前記コート紙(S2)を剥離させ
る。したがって、前記定着領域(Q5)通過時にトナー
像および熱可塑性樹脂層が溶融したコート紙(S2)
は、すぐに定着ベルト(6)から剥離せずに定着ベルト
(6)とともに搬送され、前記溶融したトナー像および
熱可塑性樹脂層が冷却して定着ベルト(6)表面の平滑
面がトナー像表面に転写された状態で定着ベルト(6)
から剥離される。このため、平滑な表面のコート紙(S
2)上に平滑なトナー像が形成されので、見た目に調和
した優れた品質の画像を形成することができる。すなわ
ち、画像部のみならず、非画像部も平滑な、印画紙写真
に類似した表面性を持つ高品位な画像を得ることができ
る。また、コート層(熱可塑性樹脂層)の厚みを2〜2
0μmとしたことにより、コート層の割れの発生を防止
することができる。
【0013】(第2発明)前記課題を解決するために、
第2発明の定着装置(F)は、下記の要件(B01)〜
(B07)を備えたことを特徴とする。(B01)加熱ロー
ル(Fh)およびテンションロール(5)により回転移
動可能に支持された定着ベルト(6)、(B02)前記加
熱ロール表面の定着ベルト(6)に圧接され、前記定着
ベルト(6)との圧接領域に定着領域(Q5)を形成す
る加圧ロール(Fp)、(B03)シート搬送装置(S
H)により前記定着領域(Q5)に搬送された記録シー
ト(S)が前記定着領域(Q5)を通過する際に記録シ
ート(S)表面のトナー像を加熱定着する前記加熱ロー
ル(Fh)、定着ベルト(6)および加圧ロール(F
p)、(B04)前記定着領域(Q5)の記録シート
(S)の移動方向下流側に配置され、前記定着領域(Q
5)を延長した平面である定着領域(Q5)延長面に接近
したコート紙定着位置と前記定着領域(Q5)延長面か
ら前記加圧ロール(Fp)と反対側に離れた普通紙定着
位置との間で移動可能に支持された前記テンションロー
ル(5)、(B05)前記テンションロール(5)を前記
コート紙定着位置と普通紙定着位置との間で移動させる
ことにより前記定着ベルト(6)の位置を移動させる定
着ベルト位置移動用駆動装置(SD1+SL1)、(B0
6)前記定着領域(Q5)に搬送される記録シート(S)
がコート紙か否かを判別するシート種類判別手段(C
2)、(B07)前記シート種類判別手段(C2)がコート
紙(S2)であると判別した場合に前記定着ベルト位置
移動用駆動装置(SD1+SL1)の作動を制御して前記
テンションロール(5)をコート紙定着位置に移動させ
る定着ベルト位置制御手段(C4)。
【0014】なお、本発明において前記「コート紙」と
は、表面に光を照射した場合に、乱反射光の少ない紙、
すなわち表面平滑性の高い紙(紙表面に樹脂を塗布して
光沢を高くし、印画紙のような風合いを持たせた紙)、
例えば印刷用コート紙、アート紙、専用光沢紙などを意
味し、普通紙とは、表面に光を照射した場合に、乱反射
光の多い紙、すなわち表面平滑性の低い紙(表面に樹脂
を塗布していない紙等)を意味する。またシート種類の
判別(普通紙またはコート紙の判別)は、例えばユーザ
インタフェース(UI)に設けたコート紙指定キー(コ
ート紙を使用することを入力するキーUI5)の入力の
有無、またはシートがコート紙か否かを検出するために
シート搬送路に配置されたシート種類判別センサを検出
信号(SN1)の検出信号に応じて判別することができ
る。
【0015】(第2発明の作用)前記構成を備えた第2
発明の定着装置では、加熱ロール(Fh)およびテンシ
ョンロール(5)により回転移動可能に支持された定着
ベルト(6)と、前記加熱ロール(Fh)表面の定着ベ
ルト(6)に圧接され、前記定着ベルト(6)との圧接
領域に定着領域(Q5)を形成する加圧ロール(Fp)
は、シート搬送装置(SH)により前記定着領域(Q
5)に搬送された記録シート(S)が前記定着領域(Q
5)を通過する際に記録シート(S)表面のトナー像を
加熱定着する。シート種類判別手段(C2)は、前記定
着領域(Q5)に搬送される記録シート(S)がコート
紙(S2)か否かを判別する。定着ベルト位置制御手段
(C4)は、前記シート種類判別手段(C2)がコート紙
(S2)であると判別した場合には前記定着ベルト
(6)をコート紙定着位置に移動させるように、前記シ
ート種類判別手段(C2)が普通紙(S1)であると判別
した場合には前記定着ベルト(6)を普通紙定着位置に
移動させるように、前記定着ベルト位置移動用駆動装置
(SD1+SL1)の作動を制御する。定着ベルト位置移
動用駆動装置(SD1+SL1)は、前記テンションロー
ル(5)を前記コート紙定着位置と普通紙定着位置との
間で移動させることにより前記定着ベルト(6)の位置
を移動させる。前記定着領域(Q5)の記録シート
(S)の移動方向下流側に配置された前記テンションロ
ール(5)は、コート紙定着位置では前記定着領域(Q
5)を延長した平面である定着領域(Q5)延長面に接近
した位置(図3参照)に保持され、普通紙定着位置では
定着領域(Q5)延長面から前記加圧ロール(Fp)と
反対側に離れた位置(図2参照)に保持される。
【0016】前記テンションロール(5)がコート紙定
着位置に保持された状態(図3参照)では、前記定着領
域(Q5)を通過した定着ベルト(6)は前記定着領域
延長面に沿って移動する。このため、定着領域(Q5)
を通過するときに加熱された記録シート(S)は、前記
定着ベルト(6)に接触した状態で搬送される間に冷却
され、冷却された状態で定着ベルト(6)から離れる。
このため、コート紙(S2)上に定着されたトナー像は
冷却され、表面の平滑な定着ベルト(6)表面と同様の
平滑なトナー像が得られる。したがって、平滑な表面を
有するコート紙表面に平滑なトナー像が形成されるの
で、コート紙(S2)の平滑な表面に平滑性に優れた高
品位なトナー画像を形成することができる。
【0017】他方、前記テンションロール(5)が普通
紙定着位置に保持された状態(図2参照)では、定着領
域(Q5)を通過するときに加熱された記録シート
(S)は、加熱直後に(トナー像が完全に固まる前に)
前記定着ベルト(6)から剥離させられるため、トナー
像表面が定着ベルト(6)表面に倣わず、粗い表面にな
り、必要以上に平滑な画像にならない。したがって、普
通紙に対して違和感の少ない画像を形成することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の定着装
置の実施の形態1は、前記第2発明において、下記の要
件(B08)を備えたことを特徴とする。(B08)耐熱性
弾性層(6b)と前記耐熱性弾性層(6b)の上に形成
され且つ表面層を形成する表面層(6c)とを有し、前
記耐熱性弾性層(6b)および表面層(6c)は体積抵
抗率(VR)が 1010Ω・cm 以下である前記定着
ベルト(6)。
【0019】(実施の形態1の作用)前記構成を備えた
本発明の定着装置の実施の形態1では、定着べルト
(6)は、耐熱性弾性層(6b)を設けることにより、
記録シート(S)上のトナー像(Tn)との密着性を高
めることができる。また、前記耐熱性弾性層(6b)お
よび表面層(6c)の体積抵抗率(VR)が高すぎる
と、表面が帯電しやすくなり、記録シート(S)を静電
吸着したり、トナーを飛散させたりして定着前のトナー
像を乱してしまうという問題があるが、耐熱性弾性層
(6b)および表面層である表面層(6c)の体積抵抗
率(VR)が 1010Ω・cm 以下であると前記問題
を解決することができる。
【0020】(実施の形態2)本発明の定着装置の実施
の形態2は、前記第2発明または第2発明の実施の形態
1において、下記の要件(B09),(B010)を備えた
ことを特徴とする。(B09)前記定着ベルト(6)を回
転駆動させる定着ベルト回転駆動装置(D1+M1)、
(B010)前記シート種類判別手段(C2)がコート紙
(S2)であると判別した場合に前記定着ベルト回転駆
動装置(D1+M1)の作動を制御して前記定着ベルト
(6)の回転速度を普通紙の場合よりも低速度で回転駆
動する定着ベルト回転速度制御手段(C3)。
【0021】(実施の形態2の作用)前記構成を備えた
本発明の定着装置の実施の形態2では、定着ベルト回転
速度制御手段(C3)は、前記シート種類判別手段(C
2)がコート紙(S2)であると判別した場合に前記定着
ベルト回転駆動装置(D1+M1)の作動を制御して前記
定着ベルト(6)の回転速度を普通紙の場合よりも低速
度で回転駆動する。コート紙(S2)を定着する場合の
定着ベルト(6)の回転速度を、普通紙の場合よりも低
速で行うことにより、トナーと熱可塑性樹脂層(コート
層)を十分に溶融させ且つ冷却するまでの時間を稼ぐこ
とができる。そのため、コート紙(S2)上のトナー像
表面を、定着べルト(6)表面に倣わせることにより、
コート紙(S2)の表面全体が平滑で高品位な画像を得
ることができる。
【0022】(実施の形態3)本発明の定着装置の実施
の形態3は、前記第2発明または第2発明の実施の形態
1もしくは2において、下記の要件(B011)〜(B01
3)を備えたことを特徴とする。 (B011)定着ベルト(6)表面に離型剤を塗布する離
型剤塗布部材(14a)、(B012)前記離型剤塗布部
材(14a)を定着ベルト(6)の表面に対して接触す
る位置と離れた位置との間で移動させる離型剤塗布部材
移動用駆動装置(SD2+SL2)、(B013)シート種
類判別手段(C2)の判別結果に応じて、記録シートが
普通紙(S1)である場合には離型剤塗布部材(14
a)を定着ベルト(6)の表面に接触させ、記録シート
がコート紙(S2)である場合には離型剤塗布部材(1
4a)を定着ベルト(6)の表面から離隔させる制御信
号を離型剤塗布部材移動用駆動装置(SD2+SL2)に
出力する離型剤塗布制御手段(C5)。
【0023】(実施の形態3の作用)前記構成を備えた
本発明の定着装置の実施の形態3では、シート種類判別
手段(C2)の判別結果が普通紙(S1)である場合に
は、離型剤塗布制御手段(C5)は離型剤塗布部材移動
用駆動装置(SD2+SL2)に対して、離型剤塗布部材
(14a)を定着ベルト(6)の表面に接触させる制御
信号を出力し、離型剤塗布部材(14a)により定着ベ
ルト(6)表面に離型剤を塗布する。そのため、定着べ
ルト(6)と普通紙(S1)との剥離性を向上させるこ
とができる。シート種類判別手段(C2)の判別結果が
コート紙(S2)である場合には、離型剤塗布制御手段
(C5)は離型剤塗布部材(14a)を定着ベルト
(6)の表面から離隔させる制御信号を出力する。その
ため定着ベルト6の表面に離型剤は塗布されない。
【0024】(実施例)次に図面を参照しながら、本発
明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)実施例1は、シート種類の判別をユーザイ
ンタフェースUIのコート紙指定キーUI5により行
い、シート種類に適した定着を行う装置の実施例を示
す。図1は本発明の実施例1の定着装置を備えた画像形
成装置の全体説明図である。図1において、画像形成装
置Uは、自動原稿搬送装置U1とこれを支持するプラテ
ンガラスPGを有する画像形成装置本体(複写機)U2
とを備えている。前記自動原稿搬送装置U1は、複写し
ようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙
トレイTG1と、原稿給紙トレイTG1から前記プラテン
ガラスPG上の複写位置(原稿読取位置)を通過して搬
送される原稿Giが排出される原稿排紙トレイTG2と
を有している。前記画像形成装置本体U2は、ユーザが
コピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI
(ユーザインタフェース)と、露光光学系A等を有して
いる。前記自動原稿搬送装置U2でプラテンガラスPG
に搬送される原稿または手動でプラテンガラスPG上に
置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光
学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)でR(赤),
G(緑),B(青)の電気信号に変換される。IPS
(イメージプロセッシングシステム)は、前記RGBの
電気信号をK(黒),Y(イエロー),M(マゼン
タ),C(シアン)の画像データに変換して一時的に記
憶し、前記画像データを所定のタイミングでレーザ駆動
回路DLに出力する。
【0025】矢印Ya方向に回転移動する像担持体(感
光体ドラム)PRの表面は、帯電器CRにより一様に帯
電され、潜像書込位置Q1,現像領域Q2,および1次転
写領域Q3を順次通過する。前記レーザ駆動回路DLに
より駆動されるROS(潜像書込装置)は、レーザビー
ムLにより前記潜像書込位置Q1において露光走査し像
担持体PR表面に静電潜像を形成する。フルカラー画像
を形成する場合は、K(黒),Y(イエロー),M(マ
ゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した静電潜
像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK(黒)画像
に対応した静電潜像のみが形成される。
【0026】ロータリ式の現像装置Gは、回転軸Gaの
回転に伴って前記現像領域Q2に順次回転移動するK
(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シア
ン)の4色の現像器GK,GY,GM,GCを有してい
る。前記各色の現像器GK,GY,GM,GCは、前記
現像領域Q2に現像剤を搬送する現像ロールGRを有し
ており、現像領域Q2を通過する像担持体PR上の静電
潜像をトナー像Tnに現像する。
【0027】前記像担持体PRの下方には左右一対のス
ライドレールSR,SRによりスライドフレームF1
(2点鎖線で表示)が前後(紙面に垂直な方向)にスラ
イド移動可能に支持されている。スライドフレームF1
にはベルトモジュールBMが支持されており、ベルトモ
ジュールBMは、中間転写ベルトBと、それを回転可能
に支持するバックアップロールT2aを含む複数のベルト
支持ロールと、1次転写ロールT1と、コンタクトロー
ルT2cと、それらを支持する前記ベルトフレームF2と
を有している。なお、ベルトモジュールBMおよびそれ
を支持する装置は、従来公知(例えば、特開平8−17
1248号公報参照)であり、従来公知の種々の構成を
採用することが可能である。
【0028】前記1次転写ロールT1は、コントローラ
Cが制御する電源回路Eによりトナーの帯電極性と逆極
性の転写電圧が印加され、前記像担持体PR表面のトナ
ー像Tnを、1次転写領域Q3において中間転写ベルト
Bに1次転写する。フルカラー画像の場合、像担持体P
R表面に順次形成される各色のトナー像Tnは、前記1
次転写領域Q3において中間転写ベルトB表面に順次重
ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像
が中間転写ベルトB上に形成される。単色のモノカラー
画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用し、単
色卜ナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。1
次転写後、像担持体PRの表面は、残留トナーが像担持
体クリーナCL1によりクリーニングされ、除電器JR
により除電される。
【0029】前記バックアップロールT2aの下方には、
左右一対のスライドレールSR,SRにより前後(紙面
に垂直な方向)にスライド移動可能な2次転写スライド
フレームFsが、画像形成装置本体U2に対して着脱可
能に支持されている。前記2次転写スライドフレームF
sには2次転写ユニットUtが支持され、前記2次転写
ユニットUtは、転写前シートガイドSG1と、ロール
支持レバーLrに支持された2次転写ロールT2bと、2
次転写ロールクリーナCL3と、転写後シートガイドS
G2とを有している。
【0030】前記2次転写ロールT2bおよび前記中間転
写ベルトBの圧接領域により2次転写領域Q4が形成さ
れ、前記2次転写ロールT2b、前記バックアップロール
T2aおよびコンタクトロールT2cにより2次転写器T2
が構成されている。前記転写後シートガイドSG2は、
前記2次転写領域Q4を通過した記録シートSを下流側
のシート搬送装置SHにガイドする。
【0031】給紙トレイTR1に収容された記録シート
Sは、所定のタイミングでピックアップロールRpによ
り取り出され、さばきロールRsで1枚ずつ分離されて
レジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬
送された記録シートSは、前記1次転写された多重トナ
ー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動する
のにタイミングを合わせて、転写前シートガイドSG1
から2次転写領域Q4に搬送される。前記2次転写領域
Q4を記録シートSが通過する際、2次転写器T2のコン
タク卜ロールT2cには、コントローラCが制御する電源
回路Eからトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が
印加される。前記2次転写器T2は、前記中間転写ベル
トBに重ねて1次転写されたカラートナー像を前記2次
転写領域Q4において一括して記録シートSに2次転写
する。2次転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナ
CL2により残留トナーが除去される。また、前記2次
転写ロールT2bは2次転写ロールクリーナCL3により
表面付着トナーが回収される。
【0032】トナー像が2次転写された前記記録シート
Sは、転写後シートガイドSG2と、記録シート搬送ベ
ルトBHにより定着領域Q5に搬送され、定着領域Q5を
通過する際に加熱ロールFhおよび加圧ロールFpを有
する定着装置Fにより加熱定着される。トナー像が定着
された記録シートSは、記録シート排出卜レイTR2に
排出される。前記符号Rp,Rs,Rr,SG1,SG
2,BH等で示された要素によりシート搬送装置SHが
構成されている。
【0033】(定着装置)図2は同実施例1で使用する
定着ベルトが普通紙定着位置に移動した状態の拡大説明
図である。図3は同実施例1で使用する定着ベルトがコ
ート紙定着位置に移動した状態を示す図である。図2、
図3に示すように、本実施例の定着装置は、加熱ロール
Fhおよび加圧ロールFpを有する。加熱ロールFh
は、円筒状金属製のコア1と、コア1の内側に配置され
たヒータ2と、コア1の外側面を被覆する被覆層(耐熱
性弾性層)3とを有している。加熱ロールFhのコア1
の材質としては、鉄、アルミウム、ステンレス等の熱伝
導率の高いものを使用し、被覆層3の材質としては、弾
性材を使用する。
【0034】加圧ロールFpは、加熱ロールFhと同様
に、円筒状金属製のコア1′と、コア1′の内側に配置
されたヒータ2′と、コア1′の外側面を被覆する被覆
層(離型性樹脂層)3′とを有している。ヒータ2′は
省略することも可能であるが、特に、熱容量の大きい記
録シートSを使用する際には、定着速度を高くするため
に、ヒータ2′を備えることが好ましい。ヒータ(加熱
源)2,2′としてはハロゲンランプ等のランプ式ヒー
タだけでなく、面状あるいは線状発熱体等も使用可能で
ある。
【0035】前記加熱ロールFhの軸に回動可能に支持
された定着ベルト支持フレーム4の自由端部にはテンシ
ョンロール5が回転可能に支持されており、前記加熱ロ
ールFhおよびテンションロール5により定着ベルト6
が回転可能に支持されている。なお、定着ベルト6の張
力は、テンションロール5の調整(例えばバネ力による
調整)により適正な範囲に設定されている。前記定着ベ
ルト6と加圧ロールFpとの圧接領域により定着領域Q
5が形成されている。
【0036】定着ベルト位置移動用駆動装置(SD1+
SL1)の回動レバー8の上端は、定着ベルト位置移動
ソレノイドSL1の伸縮ロッド9の先端に回転可能に連
結されている。前記回動レバー8の下端は前記定着ベル
ト支持フレーム4の長孔4aにスライド可能且つ回転可
能に連結されている。回動レバー8の支点8aは画像形
成装置Uの本体フレーム10に回動可能に支持されてお
り、前記定着ベルト支持フレーム4と画像形成装置Uの
本体フレーム10との間に設けた引張バネ11は定着ベ
ルト支持フレーム4を常時図2に示す普通紙定着位置
(上方回動位置)に保持するように作用している。前記
引張バネ11により定着ベルト支持フレーム4、テンシ
ョンロール5および定着ベルト6は、常時図2に示す位
置に保持されているが、前記定着ベルト位置移動ソレノ
イドSL1がオンになった時は図3の位置(コート紙定
着位置)に移動する。
【0037】前記加熱ロールFhに支持されている部分
の定着ベルト6表面には、アースされた除電部材12が
接触して、定着ベルト6表面の帯電電荷を除去してい
る。なお除電部材12は除電ブラシまたは除電ロールに
より構成される。また、前記加熱ロールFhに支持され
ている部分の定着ベルト6表面は、定着ベルト6の移動
方向に沿って上流側から順次ベルトクリーナ13および
離型剤塗布装置14が配置されている。ベルトクリーナ
13は定着ベルト6表面をクリーニングするウエブ(不
織布)13aを有している。離型剤塗布装置14は、定
着ベルト6表面に離接可能(離隔および接触可能)に構
成されており、その接触時に、定着ベルト6表面に記録
シートが付着するのを防止するため定着ベルト表面に離
型剤を塗布する装置である。このような離型剤塗布装置
14は従来公知(参考例:特開平10−55118号公
報)である。
【0038】図4は前記特開平10−55118号公報
に記載された離型剤塗布装置の説明図で、図4Aは普通
紙定着時に離型剤塗布部材が定着ベルトに圧接した状態
の説明図、図4Bは前記図4Aの離型剤塗布部材14a
の拡大断面図である。図4の離型剤塗布装置の詳細は特
開平10−55118号公報に説明されているので簡単
に説明する。離型剤塗布装置14は内部に離型剤を収容
したロール状の離型剤塗布部材14aを有しており、離
型剤塗布部材14aは、内部にシリコーンオイル(離型
剤)を収容した金属パイプ14a1と金属パイプ14a1
に形成された多数のオイル通孔が染み出たオイルを保持
するスポンジ層14a2と、多数の微細孔(図示せず)
が形成された表面被覆層14a3と軸14a4を有してい
る。シリコーンオイルとしては、例えばアミノ変性シリ
コーンオイル、ジメチルシリコーンオイル等を使用でき
る。離型剤塗布部材14aの軸14a4の両端部に装着
されたベアリング14bは、画像形成装置の本体フレー
ム10に固定されたガイド14cにより加熱ロールFh
に対して離隔および接近可能に支持されており、常時は
圧縮バネ14dにより接近する方向に押圧されている。
【0039】本体フレーム10に固定された操作用ガイ
ド14eにスライド可能に支持されたスライド部材14
fは一端が引張バネ14gに連結されており、他端は、
前記ベアリング14bと定着ベルト6との間に配置され
て、ベアリング14bの定着ベルト6側への移動を規制
している。前記ガイド14cに固定されたソレノイドS
L2の伸縮ロッドの先端は前記スライド部材14fに連
結されており、ソレノイドSL2がオンのときのみ前記
離型剤塗布部材14aは、加熱ロールFh表面に支持さ
れている定着ベルト6に当接して離型剤を塗布するよう
に構成されている。なお前記ソレノイドSL2は、本実
施例では普通紙が定着領域を通過するときのみロール状
の離型剤塗布部材14aが定着ベルト6の表面に接触し
て離型剤を塗布するように、制御される。
【0040】図2、図3において、前記テンションロー
ル5に支持されている部分の定着ベルト6表面に隣接し
て剥離爪16が配置されている。剥離爪16は、定着ベ
ルト6が図3に示すコート紙定着位置に移動したとき
に、記録シートSを定着ベルト6からの剥離をスムーズ
に行わせるための部材である。前記定着領域Q5のシー
ト搬送方向下流側には定着領域下流シートガイド17が
配置されている。
【0041】(定着ベルト)図5は定着ベルトの説明図
である。前記定着ベルト6は、図5に示すように、ベー
ス層6a、耐熱性弾性層6bおよび記録シートSおよび
トナーTnの剥離性の良い表面層(剥離層)6cにより
構成されている。ベース層6aの表面に耐熱性弾性層6
bを設けることにより、記録シートS上のトナーTnと
の密着性を高めることができる。ベース層6aの材質と
しては、耐熱性樹脂であるポリイミド,ポリアミド,ポ
リアミドイミド等が好ましく、その厚さは30〜100
μm程度であることが好ましい。耐熱性弾性層6bの材
質としては、トナーの剥離性を考慮して、シリコーンゴ
ム,フッ素ゴム等の中から適宜選択し、その厚さは5〜
100μm程度にすることが好ましい。
【0042】この耐熱性弾性層6b中に、カーボンブラ
ック,金属酸化物粉末,グラファイト粉体等の導電率調
製剤を含有させることが好ましい。その理由は、耐熱性
弾性層6bの体積抵抗率が高すぎると、表面が帯電しや
すくなり、コート紙S2を静電吸着したり、トナーを飛
散させたりして定着前のトナー像を乱してしまうからで
ある。耐熱性弾性層6bの体積抵抗率は、本実施例(試
験例1)では107Ωcmに設定されているが、1010
Ω・cm以下、好ましくは108Ω・cm以下が好適で
ある。また、表面層6cの体積抵抗率は1010Ωcmで
ある。耐熱性弾性層6bの表面の帯電電荷は、表面層に
接触するアースされた前記除電部材12によって除電さ
れる。
【0043】定着ベルト6の耐熱性弾性層6bおよび加
熱ロールFhの被覆層(耐熱性弾性層)3に、適度な弾
性(クッション性)を持たせることにより、駆動時の定
着ベルト6と加熱ロールFhとのスリップを防止し、定
着ベルト6とトナー像Tnとの密着性を良くすることが
できる。定着ベルト6の耐熱性弾性層6bの硬度より、
前記加圧ロールFpの被覆層(離型性樹脂層)3′を高
い硬度の離型性樹脂で構成することにより、普通紙定着
時に記録シートSの剥離性を向上させることができる。
【0044】(記録シート)図2、図3において、前記
記録シートSとしては普通紙S1またはコート紙S2が使
用されるが、前記コート紙S2として、基材S2a上に熱
可塑性樹脂からなる透明樹脂コート層S2bを設けたもの
を使用することにより、トナー像Tnと透明樹脂コート
層S2bが共に加熱溶融され、画像部(トナー付着部)の
みならず、非画像部(トナーが付着していない部分)も
平滑になるので、印画紙写真に類似した表面性を持つ高
品位な画像を得ることができる。基材S2aとしては、紙
類,合成樹脂フィルム類等を目的に応じて使用すること
ができる。具体的には、印刷用コート紙,アート紙,キ
ャストコート紙などの表面に白色顔料を設け、表面をよ
り平滑にしたシートが高品位画像出力に適しており、オ
ーバーヘッドトランスペアレンシー(OHT)用として
は、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明樹脂
が好ましい。
【0045】また、透明樹脂コート層S2bとしては、ス
チレン−(メタ)アクリル共重合体,ポリエステル樹
脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブタジエン共重合体,ポ
リウレタン等を単独あるいは混合した形で使用すること
ができる。その中でも、カラー用として広く採用されて
いるポリエステル系のトナーを使用する際は、トナーと
の相溶性を考慮して、ポリエステル樹脂を使用すること
が好ましい。使用する透明樹脂とトナーの種類と溶融粘
度を適宜選択することにより、表面が平滑になるだけで
なく、トナーを透明樹脂コート層S2b中に埋没させるこ
ともできる。
【0046】透明樹脂コート層S2bの厚みは、2〜20
μmの範囲のものが好ましい。その理由は、基材S2aと
して、普通の紙を使用し、かつ透明樹脂コート層S2bの
厚みが20μm以上の場合は、紙の吸湿による伸縮や取
り扱い中の曲げなどにより透明樹脂層の割れが発生して
しまうためである。また、トナー像表面の平滑性につい
ては、基材S2aの平滑性にもよるが、基材として印刷用
のアート紙などの表面が平滑な基材を使用した場合は、
透明樹脂コート層S2bの厚みが20μm以下でも、それ
より厚いものと比較して、トナー像表面の平滑性が変わ
らないことが確認できた。
【0047】本発明に使用されるトナー用の結着樹脂と
しては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)ア
クリル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ス
チレン−ブタジエン共重合体等を利用することができ
る。
【0048】(実施例1の制御部の説明)図6は本発明
の実施例1の制御部のブロック線図である。図6におい
て、コントローラCは、外部との信号の入出力および入
出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インター
フェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよび
データ等が記憶されたROM(リードオンリーメモ
リ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM
(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶された
プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装
置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータ
により構成されており、前記ROMに記憶されたプログ
ラムを実行することにより種々の機能を実現することが
できる。
【0049】(コントローラCに接続された信号入力要
素)前記コントローラCには、UI(ユーザインタフェ
ース)、シートレジセンサSNrからの信号が入力され
ている。前記UIは、表示器UI1、コピースタートキ
ーUI2、コピー枚数設定開始キーUI3、テンキーUI
4、コート紙指定キーUI5を備えている。
【0050】(コントローラCに接続された被制御要
素)また、コントローラCは、定着ベルト回転駆動装置
(D1+M1)、定着ベルト位置移動用駆動装置(SD1
+SL1)、離型剤塗布部材移動用駆動装置(SD2+S
L2)に接続されており、それらに作動制御信号を出力
している。前記定着ベルト回転駆動装置(D1+M1)の
ベルト駆動回路D1は、ベルト駆動モータM1を介して
定着ベルト6を回転させる。前記定着ベルト位置移動用
駆動装置(SD1+SL1)の定着ベルト位置移動ソレノ
イド駆動回路SD1は、定着ベルト位置移動用ソレノイ
ドSL1を駆動して定着ベルト6の位置を普通紙定着位
置(図2参照)およびコート紙定着位置(図3参照)の
間で移動させる。前記離型剤塗布部材移動用駆動装置
(SD2+SL2)の離型剤塗布部材位置移動ソレノイド
駆動回路SD2は、離型剤塗布部材位置移動ソレノイド
SL2を駆動して離型剤塗布部材14aの位置を定着ベ
ルト6に当接する位置と離れた位置との間で移動させ
る。
【0051】(前記コントローラCの機能)前記コント
ローラCは、前記信号入力要素(SNr,UI)からの
入力信号に応じた処理を実行して、前記各被制御要素に
制御信号を出力する機能を有している。すなわち、コン
トローラCは次の機能を有している。 C1:シート先端検出手段 シート先端検出手段C1は、シートレジセンサSNr か
らの信号に応じてシートの先端位置が所定の位置に到着
したときを検知する。
【0052】C2:シート種類判別手段 シート種類判別手段C2は、コート紙指定キーUI5 か
らの信号に応じて、シートがコート紙か否かを判別す
る。
【0053】C3:定着ベルト回転速度制御手段 定着ベルト回転速度制御手段C3は、シート種類判別手
段C2の判別結果に応じて、定着ベルト回転駆動装置
(D1+M1)制御信号を出力し、シートがコート紙で
ある場合には定着ベルト6の回転速度を低速にし、普通
紙の場合には定着ベルト6の回転速度を高速にする。
【0054】C4:定着ベルト位置制御手段 定着ベルト位置制御手段C4は、シート種類判別手段C2
の判別結果に応じて、定着ベルト位置移動用駆動装置
(SD1+SL1)に対して、記録シートがコート紙であ
る場合にはベルト位置をコート紙定着位置にする制御信
号を出力し、記録シートが普通紙である場合にはベルト
位置を普通紙定着位置にする制御信号を出力する。
【0055】C5 :離型剤塗布制御手段 離型剤塗布制御手段C5 は、シート種類判別手段C2の
判別結果に応じて、離型剤塗布部材移動用駆動装置(S
D2+SL2)に対して、記録シートが普通紙S1である
場合には離型剤塗布部材14aを定着ベルト6の表面に
接触させる制御信号を出力する。そのとき、定着ベルト
6の表面に離型剤が塗布される。記録シートがコート紙
S2である場合には離型剤塗布部材14aを定着ベルト
6の表面から離隔させる制御信号を出力する。そのため
定着ベルト6の表面に離型剤は塗布されない。
【0056】(実施例1の作用)前記記録シートSとし
ては普通紙S1またはコート紙S2が使用される。 (普通紙定着の場合)普通紙の場合、コート紙に比べて
必要な定着時間が短いので、定着ベルト回転駆動装置
(D1+M1)は、定着ベルト6を高速で回転させる。ま
た、定着ベルト位置移動用駆動装置(SD1+SL1)の
ソレノイドSL1はオフとされ、引張バネ11(図2参
照)の力により定着ベルト支持フレーム4および定着ベ
ルト6は図2に示す普通紙定着位置に保持される。この
場合、普通紙S1は図2に示すように定着領域Q5を通過
と同時に剥離される。
【0057】これにより、普通紙S1は加熱直後(定着
領域Q5通過直後)に定着ベルト6から剥離する。この
場合、普通紙S1上の加熱により溶融したトナーは、ト
ナー表面が平滑状態で固まる前に(すなわち、普通紙S
1上のトナー表面が定着ベルト6の平滑な表面に接触し
た状態で固まる前に)、定着ベルト6から剥離するの
で、必要以上に平滑な画像とはならない。これは、溶融
状態のままトナー像Tnが定着ベルト6から剥離するた
め、トナーが普通紙S1の表面に倣う形に移動し、さら
に剥離の瞬間に働く様々な力(例えば定着ベルト6との
弱い付着力による上方向の力)のために、コート紙定着
時(後述)と異なり、トナー像表面が定着ベルト6の表
面に倣わず、粗い表面になるためである。
【0058】また普通紙定着の場合、離型剤塗布部材移
動用駆動装置(SD2+SL2)の離型剤塗布部材位置移
動ソレノイドSL2は、オンにされ、引張バネ14gの
力に抗して離型剤塗布部材14aを定着ベルト6表面に
圧接させる。圧接した状態では離型剤塗布部材14aに
より、定着ベルト6の表面に離型剤(シリコーンオイル
やアルミオイル等)が塗布される。シリコーンオイルと
しては、例えばアミノ変性シリコーンオイル,ジメチル
シリコーンオイル等が使用できる。そして、トナー像が
定着された記録シートは定着領域下流シートガイド17
に沿って移動し、排出される。
【0059】(定着ベルト6がコート紙定着位置に移動
した状態で普通紙定着の場合)この場合、画像部(トナ
ー付着部)と非画像部(トナーが付着していない部分)
の表面粗さ、光沢の違いが大きくなり、違和感が強くな
る(紙の上に色のついたシールを貼りつけたような感じ
が強くなる)ので好ましくない。
【0060】(コート紙定着の場合)コート紙の場合、
普通紙に比べて必要な定着時間が長いので、定着ベルト
回転駆動装置(D1+M1)は、定着ベルト6を普通紙の
ときより低速で回転させる。この場合、トナーと透明樹
脂を十分に溶融させて定着べルト6表面に倣わせると同
時に、冷却するまでの時間を稼ぐことができる。また、
離型剤塗布部材移動用駆動装置(SD2+SL2)の離型
剤塗布部材位置移動ソレノイドSL2は、オンになり、
離型剤塗布部材14aを引張バネ14gの力に抗して定
着ベルト6表面に圧接(図3参照)させる。また、定着
ベルト位置移動用駆動装置(SD1+SL1)のソレノイ
ドSL1はオンとされ、引張バネ11(図3参照)の力
に抗して定着ベルト6を図3に示すコート紙定着位置に
移動させる。この場合、コート紙S2は図3に示すよう
に定着領域Q5を通過してからも定着ベルト6表面に接
触した状態で搬送され、前記剥離爪16により剥離され
る。
【0061】透明樹脂コート層S2b(図3参照)表面に
トナー像Tnが形成されたコート紙S2は、加熱ロール
Fh表面の定着ベルト6と、加圧ロールFpとの圧接領
域により形成される定着ニップを通過する際、トナー像
Tnおよびコート紙S2の透明樹脂コート層S2bが加熱
溶融される。加熱溶融後、定着ベルト6とコート紙S2
が密着された状態で搬送され、トナー像Tnと記録シー
トの透明樹脂コート層S2bが冷却され粘度が上昇した後
(固化が進行した後)、定着ベルト6から剥離される。
これにより、トナー像表面が平滑な定着ベルト6の表面
に倣い、あたかも表面をラミネートしたかのような平滑
画像を得ることができる。すなわち、トナー像Tnとコ
ート紙S2の透明樹脂コート層S2bが冷却されて十分に
固化が進行し付着力が小さくなった後に定着ベルト6か
ら剥離されるので、シリコーンオイルなどの離型剤を使
用しなくても、定着ベルト6へのトナーオフセットの発
生はほとんどない。
【0062】(定着ベルト6が普通紙定着位置に移動し
た状態でコート定着の場合)なお、透明樹脂コート層S
2bを有したコート紙S2を高速で出力させる場合には、
コート紙定着の場合に比べ表面の平滑性は劣るものの普
通紙定着位置で定着させることも可能である。この場
合、コート紙S2は加熱溶融後すぐに定着ベルト6から
剥離するので、光沢は高いものの、表面平滑性が若干劣
り、必ずしも高品位画像にならない。
【0063】(実施例1のフローチャートの説明)図7
は実施例1の定着ベルトおよび離型剤塗布部材位置移動
フローのフローチャートである。図7のフローチャート
の各ST(ステップ)の処理は、コントローラCのRO
Mに記憶されたプログラムに従って行われる。図7のS
T1(ステップ1)では、ユーザインタフェースUIか
らの入力が有るか否かを判断する。前記ST1において
イエス(Y)の場合はST2に移る。ST2では入力値
を記憶した後ST3に移る。前記ST1においてノー
(N)の場合はST3に移る。ST3ではコピースター
トキーがオンか否かを判断する。前記ST3においてノ
ー(N)の場合はST1に戻る。前記ST3においてイ
エス(Y)の場合はST4に移る。ST4ではコート紙
指定キーUI5 からの入力値の記憶が有るか否かを判断
する。前記ST4においてイエス(Y)の場合はST5
に移る。
【0064】ST5では次の処理を行う。 (1)ベルト駆動モータM1を低速回転にする。 (2)定着ベルト位置移動ソレノイドSL1をオンにす
る。 (3)離型剤塗布部材位置移動ソレノイドSL2 をオフ
にする。次に、ST7に移る。前記ST4においてノー
(N)の場合はST6に移る。ST6では次の処理を行
う。 (1)ベルト駆動モータM1を通常回転にする。 (2)定着ベルト位置移動ソレノイドSL1をオフにす
る。 (3)離型剤塗布部材位置移動ソレノイドSL2 をオン
にする。次にST7に移る。
【0065】ST7ではジョブが終了したか否かを判断
する。前記ST7においてノー(N)の場合はST7の
処理を繰り返し実行する。前記ST7においてイエス
(Y)の場合はST8に移る。ST8では次の処理を行
う。 (1)定着ベルト位置移動ソレノイドSL1をオフにす
る。 (2)離型剤塗布部材位置移動ソレノイドSL2 をオフ
にする。 (3)ベルト駆動モータM1をオフにする。 (4)ユーザインタフェースUIからの入力値を記憶メ
モリから消去する。次にST1に戻る。
【0066】(実施例2)図8は本発明の実施例2の定
着装置を備えた画像形成装置の全体説明図で、前記実施
例1の図1に対応する図である。なお、この実施例2の
説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成
要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略す
る。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違し
ているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されて
いる。記録シートSの種類を判別するために、実施例1
ではコート紙指定キーUI5の入力の有無を利用してい
るが、実施例2ではシート種類判別センサSN1の検出
信号を利用している。図9はシート種類判別センサの説
明図である。図9に示すように、前記シート種類判別セ
ンサSN1は、発光素子SN1aと受光素子SN1bとを備
え、発光素子SN1aから記録シートSに光を投射して、
記録シートSからの正反射光を受光素子SN1bで受光
し、記録シートSからの反射光量が多い場合にはコート
紙、反射光量が少ない場合には普通紙であると判別し、
判別信号をコントローラCのシート種類判別手段C2に
出力する。
【0067】(実施例2の制御部の説明)図10は本発
明の実施例2の制御部のブロック線図であり、前記実施
例1の図6に対応する図である。コントローラCのシー
ト種類判別手段C2は、前記実施例1ではコート紙指定
キーUI5 からの信号によりシート種類を判別するが、
実施例2ではシート種類判別センサSN1からの信号に
よりシート種類を判別する。
【0068】(実施例2のフローチャートの説明)図1
1は実施例2の定着ベルトおよび離型剤塗布部材位置制
御フローのフローチャートである。実施例2では、実施
例1のST4の代わりにST4−1,ST4−2の処理
を実行する。したがって、実施例2においては、前記S
T3においてイエス(Y)の場合はST4−1に移る。
【0069】ST4−1ではシートレジセンサSNr が
1枚目の用紙の先端を検出したか否かを判断する。前記
ST4−1においてノー(N)の場合はST4−1の処
理を繰り返し実行する。前記ST4−1においてイエス
(Y)の場合はST4−2に移る。ST4−2ではST
4−1のシートレジセンサSNr が検出した1枚目の用
紙がコート紙であるか否かを判断する。この判断はシー
ト種類判別センサSN1の検出信号に基づいて行われ
る。前記ST4−2においてイエス(Y)の場合はST
5に移る。前記ST4−2においてノー(N)の場合は
ST6に移る。その他の処理は実施例1の図7と同じで
ある。
【0070】(実施例3)図12は実施例3の定着ベル
トおよび離型剤塗布部材位置制御フローのフローチャー
トである。なお、この実施例3の説明において、前記実
施例2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を
付して、その詳細な説明を省略する。前記実施例2では
シートの種類により定着ベルト6の回転移動速度を変え
ているが、この実施例3では定着ベルト6の回転移動速
度はシートの種類に関係なく一定にする。
【0071】(実施例3のフローチャートの説明)前記
実施例2のST3とST4−1の間にST3−1を設
け、実施例2のST5、ST6の代わりにST5−1、
ST6−1の処理を実行する。前記実施例2のST5、
ST6ではベルト駆動モータM1の速度をそれぞれ異な
る値に設定しているが、実施例3ではST3−1でベル
トモータM1を通常回転速度で回転させており、ST5
−1、ST6−1ではベルトモータM1の速度設定は行
わない。前記ST3においてイエス(Y)の場合はST
3−1に移る。ST3−1でベルト駆動モータM1を通
常回転速度で回転させる。次に、ST4−1に移る。S
T4−1,ST4−2の処理は前記実施例2と同様であ
る。
【0072】前記ST4−2においてイエス(Y)の場
合はST5−1に移る。ST5−1では次の処理を行
う。 (1)定着ベルト位置移動ソレノイドSL1をオンにす
る。 (2)離型剤塗布装置位置移動ソレノイドSL2 をオフ
にする。次にST7に移る。前記ST4−2においてノ
ー(N)の場合はST6−1に移る。ST6−1では次
の処理を行う。 (1)定着ベルト位置移動ソレノイドSL1をオフにす
る。 (2)離型剤塗布装置位置移動ソレノイドSL2 をオン
にする。次にST7に移る。その他の処理は実施例2の
図11と同じである。
【0073】(試験例1)記録シートSとして、印刷用
アート紙(新王子製紙(株)製のSA金藤)上に、富士
ゼロックス(株)製のDocuColor 1250用
のトナーに使用されている結着樹脂である透明なポリエ
ステル樹脂を、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにバ
ーコーターで塗布したものを用意した。定着べルト6の
ベース層6aとしては厚さ50μmのポリイミド樹脂
(東レ・デュポン(株)製カプ卜ン)を使用し、耐熱性
弾性層6bとしてはグラファイト粉末を混入させて体積
抵抗率を107Ω・cmに調整した30μmの厚みのシ
リコーンゴムを設けた。加熱ロールFhとしては硬度4
5度のシリコーンゴムを被覆したアルミ製の中空ロール
を使用し、加圧ロールFpとしてはアルミ製中空ロール
の周りをテフロンコーティングしたものを使用した。そ
して、記録シート上に富士ゼロックス(株)製のDoc
uColor 1250用のトナーを使用して未定着像
を作成し、コート紙定着処理(図3に示すコート紙定着
位置での定着処理)を行った。
【0074】(試験例2)記録シートSとして、富士ゼ
ロックス社製のJ紙(普通紙)を用い、富士ゼロックス
社製のDocuColor 1250を使用して未定着
像を作成し、試験例1(コート紙定着)の状態からテン
ションロール5を移動させて、普通紙定着処理(図2に
示す普通紙定着位置での定着処理)で定着させた。
【0075】(試験例3)記録シートSとして、試験例
1で作成したコート紙を使用し、普通紙定着を行った。
【0076】(比較例1)記録シートSとして、印刷用
アート紙(新王子製紙(株)製SA金藤)上に、富士ゼ
ロックス(株)製DocuColor 1250用のト
ナーに使用されている結着樹脂である透明なポリエステ
ル樹脂を、バーコーターで乾燥後の膜厚が30μmとな
るように塗布したものを用意した。その後の処理は試験
例1(コート紙定着)と同様のコート紙定着処理で画像
形成を行った。
【0077】(比較例2)記録シートSとして、富士ゼ
ロックス(株)製J紙(普通紙)を用いて富士ゼロック
ス(株)製DocuColor 1250を使用して未
定着像を作成し、試験例1と同様に、コート紙定着処理
を行った。
【0078】以上、試験例1,2,3及び比較例1,2
の画像面積率を変えた出力画像の画質を比較した結果を
表1に示す。 (光沢感の評価) 光沢感の評価は以下の基準で行っ
た。 ◎:均一(印画紙に近い) ○:全体的に光沢は高いもののミクロの光沢むらがある △:ややむらがあるが、許容レベル。 ×:光沢むらが大きい(許容できない) (割れの評価) 割れの評価は以下の基準で行った。 ◎:吸湿、あるいは取り扱い中に割れない ○:急激な湿度変化、あるいは激しい取り扱いにより割
れが発生する △:やや割れが発生するが、許容レベル。 ×:割れが大きい(許容できない)
【0079】
【表1】
【0080】表1の試験例により、つぎのことが判明し
た。 (1)表面に20μm以下の透明樹脂コート層S2bを
設けた紙でも、コート紙定着により、光沢感が高く、さ
らに割れの無い高品位な画像を得ることができる。 (2)表面が平滑でない普通紙等を使用しても、普通紙
定着により、画像部を必要以上に平滑にせず違和感の少
ない画像を形成することができる。
【0081】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
例を下記(1)〜(2)に例示する。 (1)コート紙S2の定着べルト6からの剥離手段とし
ては、剥離爪16が使用できるが、コロトロンにより電
荷を与えて剥離させる方法や、テンションロール5と対
向する側にテンションロール5およびその表面の定着ベ
ルトを凹ませる加圧ロールを設ける方法を採用すること
が可能である。 (2)加熱ロールFhとテンションロール5の間で記録
シートを冷却する手段を設け、冷却を早くすること、つ
まり定着速度を高くすることも可能である。前記冷却手
段としては、送風装置や、金属板、金属ロール等の公知
の手段を使用可能である。
【0082】
【発明の効果】前述の本発明の定着装置は、下記の効果
(E01)〜(E03)を奏することができる。 (E01)表面が平滑な記録シート(印刷用コート紙や,
アート紙上に熱可塑性樹脂を塗布した紙等)を使用する
時には、画像部と非画像部ともに平滑で且つ全体的にも
平滑な画像部表面と非画像部表面との凹凸の小さい高品
位な画像を形成できる。 (E02)表面が平滑でない記録シート(普通紙等)を使
用する時には、画像部を必要以上に平滑にせず違和感の
少ない適切な画像を形成できる。 (E03)透明な樹脂層により形成されたコート層を設け
たコート紙を使用する場合に、コート層に割れが発生し
ないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の定着装置を備えた
画像形成装置の全体説明図である。
【図2】 図2は同実施例1で使用する定着ベルトが普
通紙定着位置に移動した状態の拡大説明図である。
【図3】 図3は同実施例1で使用する定着ベルトがコ
ート紙定着位置に移動した状態を示す図である。
【図4】 図4は離型剤塗布装置の説明図で、図4Aは
普通紙定着時に離型剤塗布部材が定着ベルトに圧接した
状態の説明図、図4Bは前記図4Aの離型剤塗布部材1
4aの拡大断面図である。
【図5】 図5は図1に示す定着装置の定着ベルトの説
明図である。
【図6】 図6は図1に示す定着装置の制御部分のブロ
ック線図である。
【図7】 図7は図1に示す定着装置の定着ベルトおよ
び離型剤塗布部材位置制御フローのフローチャートであ
る。
【図8】 図8は本発明の実施例2の定着装置を備えた
画像形成装置の全体説明図である。
【図9】 図9は同実施例2で使用するシート種類判別
センサの説明図である。
【図10】 図10は本発明の実施例2の制御部のブロ
ック線図であり、前記実施例1の図6に対応する図であ
る。
【図11】 図11は実施例2の定着ベルトおよび離型
剤塗布部材位置制御フローのフローチャートである。
【図12】 図12は実施例3の定着ベルトおよび離型
剤塗布部材位置制御フローのフローチャートである。
【図13】 図13は従来の定着装置の説明図である。
【符号の説明】
C2…前記シート種類判別手段、C3…定着ベルト回転速
度制御手段、C4…定着ベルト位置制御手段、Fh…加
熱ロール、Fp…加圧ロール、Q5…定着領域、SH…
シート搬送装置、S…記録シート、5…テンションロー
ル、6…定着ベルト、6b…耐熱性弾性層、6c…表面
層、14…離型剤塗布部材、(D1+M1)…定着ベルト
回転駆動装置、(SD1+SL1)…定着ベルト位置移動
用駆動装置、(SD2+SL2)…離型剤塗布部材移動用
駆動装置、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の要件(A01),(A02)を備えた画
    像形成方法、(A01)表面に厚みが2〜20μmの熱可
    塑性樹脂層をコートしたコート紙にトナー像を形成する
    トナー像形成工程、(A02)加熱ロールおよびテンショ
    ンロールに支持された定着ベルトの前記加熱ロールに支
    持された部分の表面と加圧ロールとの圧接面に形成され
    る定着領域を通過させたコート紙を、そのトナー像形成
    面が前記定着ベルト表面に接触させた状態で搬送し、前
    記コート紙に接触する定着ベルトの裏面がテンションロ
    ール表面に接触する位置で定着ベルト表面から前記コー
    ト紙を剥離させる定着工程。
  2. 【請求項2】 次の要件(B01)〜(B07)を備えた定
    着装置、(B01)加熱ロールおよびテンションロールに
    より回転移動可能に支持された定着ベルト、(B02)前
    記加熱ロール表面の定着ベルトに圧接され、前記定着ベ
    ルトとの圧接領域に定着領域を形成する加圧ロール、
    (B03)シート搬送装置により前記定着領域に搬送され
    た記録シートが前記定着領域を通過する際に記録シート
    表面のトナー像を加熱定着する前記加熱ロール、定着ベ
    ルトおよび加圧ロール、(B04)前記定着領域の記録シ
    ートの移動方向下流側に配置され、前記定着領域を延長
    した平面である定着領域延長面に接近したコート紙定着
    位置と前記定着領域延長面から前記加圧ロールと反対側
    に離れた普通紙定着位置との間で移動可能に支持された
    前記テンションロール、(B05)前記テンションロール
    を前記コート紙定着位置と普通紙定着位置との間で移動
    させることにより前記定着ベルトの位置を移動させる定
    着ベルト位置移動用駆動装置、(B06)前記定着領域に
    搬送される記録シートがコート紙か否かを判別するシー
    ト種類判別手段、(B07)前記シート判別手段がコート
    紙であると判別した場合に前記定着ベルト移動用駆動装
    置の作動を制御して前記テンションロールをコート紙定
    着位置に移動させる定着ベルト位置制御手段。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003280323A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Ricoh Co Ltd 液体画像形成装置
JP2006084968A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Fuji Photo Film Co Ltd 定着方法および定着装置
CN100371829C (zh) * 2002-12-24 2008-02-27 富士施乐株式会社 成像设备
US7515861B2 (en) 2005-09-13 2009-04-07 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus controlling relative positions of fixing belt and recording material

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