JP2005059495A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の伸び縮みに起因する両面印刷時の表裏の画像位置ずれを抑制できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録手段によって、記録媒体の一方の面に第1の記録を行った後、他方の面に第2の記録を行うインクジェット記録装置であって、第1の記録後の記録媒体の搬送手段による搬送方向の伸び縮みを検出する伸び縮み検出手段と、伸び縮み検出手段からの出力に基づいて、第2の記録時の記録媒体の搬送方向における画像記録位置を制御する記録位置制御手段とを有することにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置の技術分野に属し、詳しくは、両面印刷を行うインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、色材を含むインクをインク滴(インクジェット)として吐出口から吐出して飛翔させ、記録媒体に着弾させて画像を記録するものである。インクジェット記録装置としては、インク滴の吐出方法によって、静電式、サーマル式、ピエゾ式等のものが知られている。
インクジェット記録装置においては、その方式や対象とする記録媒体に応じたインクが用いられる。また、インクの溶媒を除去し、色材成分を記録媒体上に定着させる等の目的で加熱工程を有するものもある。加熱工程における加熱手段としては、例えば、加熱および定着を安定して行うことのできるヒートローラ等が好適に用いられている。
一方、記録媒体の片側の面(表面とする)に描画を行った後、手動または自動で再度この記録媒体をインクジェット記録装置に供給してもう一方の面(裏面とする)に描画を行うことにより、両面印刷を行うことも、一般に行われている。
しかしながら、記録媒体として水分や熱等による伸縮性を有するものを用いた場合など、記録媒体種によっては、加熱工程においてその大きさが変化してしまうことがある。特に、加熱手段としてヒートローラを用いる場合には、ヒートローラによる搬送方向に記録媒体が伸びてしまう傾向がある。また、加熱工程を有さないインクジェット記録装置においても、記録媒体は、記録時のインク吸収によりその大きさが伸び縮みする場合があり、特にカラー印刷時などの記録媒体のインク吸収量が多いときには伸び縮みが顕著になる場合がある。
一般に、インクジェット記録装置においては、搬送される記録媒体を検出し、記録媒体の搬送方向の先端から所定の位置を記録開始位置として設定することで、記録媒体の所定範囲に画像を記録する方法が用いられている。しかし、上記のように、表面への記録によって記録媒体が伸び縮みした場合、その裏面への記録時に、記録媒体が伸縮していない時、すなわち表面への記録時と同様にして記録位置を設定すると、表面と裏面で記録された画像の位置がずれてしまうという問題があった。このような位置ずれは、表裏面の画像の位置が厳密に要求されるような用途、例えばプルーフやオンデマンド印刷物等では重要な問題となっている。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、記録媒体の伸び縮みに起因する両面印刷時の表裏の画像位置ずれを抑制できるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、インクジェット記録装置に記録媒体の伸び縮みを検出する検出手段を設け、その検出手段によって検出された表面記録後かつ裏面記録前の記録媒体の伸び縮みに応じて、裏面への画像記録位置を制御するものである。
すなわち、本発明は、記録媒体を所定速度で搬送する搬送手段と、画像データに応じてインクをインク滴として吐出して前記画像データに応じた画像を前記記録媒体に記録するインクジェット記録手段とを有し、前記インクジェット記録手段によって、前記記録媒体の一方の面に第1の記録を行った後、他方の面に第2の記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記第1の記録後の記録媒体の搬送方向の伸び縮みを検出する伸び縮み検出手段と、
前記伸び縮み検出手段からの出力に基づいて、前記第2の記録時の前記記録媒体の前記搬送方向における画像記録位置を制御する記録位置制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置を提供するものである。
ここで、前記伸び縮み検出手段は、
前記第1の記録後の記録媒体の搬送方向の前端および後端を検出する検出器と、
前記検出器による検出結果を基に前記記録媒体の前記搬送方向の長さを算出して前記伸び縮みを検出する検出手段とを有するのが好ましい。
また、前記伸び縮み検出手段は、前記第1の記録終了後および前記第2の記録開始前の時間間隔を検出する時間間隔検出手段と、
前記時間間隔と前記記録媒体の伸び縮み量との関係を表すルックアップテーブルと、
前記時間間隔検出手段による検出結果と前記ルックアップテーブルとから、前記記録媒体の前記伸び縮み量を算出する算出手段とを有するのが好ましい。
また、前記記録位置制御手段は、前記第1の記録後の前記記録媒体が伸びていた場合には、前記第2の記録時の前記記録媒体の前記搬送方向における画像記録開始位置を遅らせるように制御し、前記記録媒体が縮んでいた場合には、前記画像記録開始位置を早めるように制御するものであるのが好ましい。
また、前記記録位置制御手段は、前記第2の記録時の画像記録範囲の前記搬送方向の中間位置が、前記第1の記録時の画像記録範囲の前記搬送方向の中間位置に一致するように制御するものであるのが好ましい。
また、前記インクジェット記録手段は、加熱定着手段を含むのが好ましい。
また、前記記録手段は、帯電した着色微粒子を含むインクに静電力を作用させ、前記インクの吐出を制御する静電式インクジェットヘッドを含むのが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置によれば、両面印刷した際に、表面への画像記録時に生じた伸び縮み後の記録媒体の大きさに応じて、裏面の画像記録位置が制御されるので、記録媒体の伸び縮みに起因する表裏の画像の位置ずれを抑制することができる。そのため、様々な記録媒体に対して、表裏のレジストレーション精度の高い高画質な画像形成が可能となる。
本発明に係るインクジェット記録装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
以下では、本発明のインクジェット記録装置として、溶媒中に帯電した着色微粒子を分散させたインクを用い、静電力を作用させることによってインク滴を吐出して画像記録を行う静電式インクジェット記録装置を代表例として説明するが、本発明はこれには限定されず、サーマル式、ピエゾ式等、公知の各方式のインクジェット記録装置に適用可能である。
また、以下では、静電式インクジェット記録装置において、インク中の着色微粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行うが、本発明はこれには限定されず、逆に、インク中の着色荷電粒子を負に帯電させたものを用いてもよい。その場合は、記録に作用する各部の極性を以下の例とは逆にすればよい。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態である静電式インクジェット記録装置の構成概略図である。同図に示す静電式インクジェット記録装置10は、静電力により、帯電した微粒子を含むインクの吐出を制御し、記録媒体(記録用紙)Pの一方の面に4色印刷をしてフルカラー画像を記録し、次いで、記録媒体Pの他方の面に同様にしてフルカラー画像を記録するもので、記録媒体Pの保持手段12と、搬送手段14と、記録手段16と、溶媒回収手段18と、筐体22とを備えている。
まず、記録媒体Pの保持手段12は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ24と、フィードローラ26と、記録後の記録媒体Pを保持する排出トレイ28とを備えている。
給紙トレイ24は、その先端部が給紙トレイ24の装着部(図中筐体22の左面下部)の内部に挿入され、装着部の所定位置に着脱可能なものである。給紙トレイ24が装着部に完全に装着された状態では、その挿入方向の先端部が装着部の奥端部に接触し、給紙トレイ24の後端部は筐体22の外部に突出した状態で装着されている。また、フィードローラ26は、給紙トレイ24の装着部の奥部近傍に配置されている。
給紙トレイ24内には、記録前の記録媒体Pが複数枚ストックされていてもよいし、1枚または複数枚ずつ手差しで供給されてもよい。画像の記録時には、フィードローラ26により、記録媒体Pが給紙トレイ24から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段14に供給される。
排出トレイ28は、記録媒体Pの排出部(図中筐体22の左面の中央部)の近傍に、記録媒体Pの搬送方向の先端部側が筐体22の外部に位置し、その後端部側が筐体22の内部側に位置するように配設されている。また、排出トレイ28は、その先端部が後端部よりも低くなるように、所定の傾斜角度で配設されている。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段14により搬送されて排出部から排出され、排出トレイ28内に保持される。
続いて、記録媒体Pの搬送手段14について説明する。
搬送手段14は、記録媒体Pを静電吸着し、給紙トレイ24から排出トレイ28まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ローラ対30と、搬送ベルト32と、ベルトローラ34a、34b、34cと、プラテン36と、記録媒体Pの帯電装置38および除電装置40と、分離爪42と、ガイド44,45と、排出ローラ対46とを備えている。なお、搬送手段14としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ローラ対や搬送ベルト等の通常の搬送手段が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されている。
搬送ローラ対30は、記録媒体Pの搬送経路上の、フィードローラ26と搬送ベルト32との間の位置に設けられている。
フィードローラ26により給紙トレイ24から取り出された記録媒体Pは、この搬送ローラ対30により挟持搬送され、搬送ベルト32上の所定の位置に供給される。
記録媒体Pの帯電装置38は、スコロトロン帯電器48と、負の高圧電源50とを備えている。スコロトロン帯電器48は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ローラ対30と記録手段16との間の位置で、搬送ローラ対30により、記録媒体Pが供給される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、負の高圧電源50の負側の端子はスコロトロン帯電器48に接続され、その正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源50に接続されたスコロトロン帯電器48により所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
搬送ベルト32は、環状のエンドレスベルトであり、3つのベルトローラ34a、34b、34cによって三角形状に張架されている。また、ベルトローラ34bおよび34cの間の、記録手段16のインクジェットヘッドに対向する位置における搬送ベルト32の内周側には、平板状のプラテン36が配置されている。プラテン36は、ベルトローラ34bおよび34cの外周を結ぶ線よりヘッド側に張り出すように配置することにより、ベルトにヘッド方向に向かう張力を付与し、ベルトのばたつきを抑えても良い。
搬送ベルト32は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性物質、例えばフッ素樹脂で構成され、ベルトローラ34a、34b、34cと接触する側の面(裏面)が導電性物質、例えば金属で構成されている。ベルトローラ34bは接地されており、これにより、記録手段16のインクジェットヘッドに対向する位置の搬送ベルト32は、インクジェットヘッドの対向電極として機能する。
ベルトローラ34a、34b、34cのうちの少なくとも1つは図示していない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト32は、記録時に図中の矢印方向へ移動する。従って、搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに移動し、記録手段16の前を搬送される。
記録媒体Pの除電装置40は、コロトロン除電器52と、交流電圧源53と、高圧電源54とを備えている。コロトロン除電器52は、記録媒体Pの搬送経路上の、記録手段16のインクジェットヘッドと分離爪42との間の位置で、記録後の記録媒体Pが搬送される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、高圧電源54の一端は交流電圧源53を介してコロトロン除電器52に接続され、他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、高圧電源54に交流電圧源53を介して接続されたコロトロン帯電器52により除電される。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32から分離されやすくなる。
また、分離爪42は、記録媒体Pの搬送経路上の、除電装置40の下流側に配置されており、ガイド44,45は、分離爪42の下流側に順に配置されている。
除電装置40により除電された記録媒体Pは、分離爪42により搬送ベルト32上から分離され、ガイド44に沿って、後述する定着手段64、ガイド45を経て排出ローラ対46まで搬送され、排出部から排出トレイ28内に排出される。
続いて、記録媒体Pの記録手段16について説明する。
記録手段16は、静電力により、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するものであり、インクジェットヘッド56と、制御手段58と、インク循環系60と、記録媒体Pの位置検出装置62と、定着手段64と、検出器66とを備えている。
インクジェットヘッド56は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。
ここで、帯電した着色微粒子を含むインクの吐出を静電力により制御する方式の静電式インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドの具体的なヘッド構造を図3〜図5に示す。
図3は、図1に示すインクジェットヘッド56で使用されている各色の吐出ヘッド80の一実施形態の概略構成を示す模式的部分斜視図である。また、図4(a)は、図3に示す吐出ヘッド80の一部を示す模式的断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIV−IV線切断面図である。図5(a)、図5(b)および図5(c)は、それぞれ図4(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図(貫通孔部分を除く)である。
これらの図に示す吐出ヘッド80は、2層電極構造の制御電極を持つ静電式インクジェットであって、帯電された顔料等の着色微粒子(例えば、トナー等の微粒子)を含むインクQを、静電力により吐出させて、画像データに応じた画像を記録媒体P上に記録するものであり、ヘッド基板82と、インクガイド84と、絶縁性基板86と、制御電極を構成する第1制御電極88および第2制御電極90と、浮遊導電板92とを備えている。吐出ヘッド80は、対向電極となる記録媒体Pを支持する搬送ベルト32と対向するように配置されている。
図示例の吐出ヘッド80において、制御電極は、絶縁性基板86を挟むように、図中上面に配置される第1制御電極88と下面に配置される第2制御電極90との2層電極構造としている。
図示例の吐出ヘッド80は、さらに、第2制御電極90の下方(下面)を覆う絶縁層94aと、第1制御電極88の上方(上面)を覆う絶縁層94bと、第1制御電極88の上方に絶縁層94bを介して配置されるシート状のガード電極96と、ガード電極96の上面を覆う絶縁層94cとを備えている。
図示例の吐出ヘッド80においては、インクガイド84は、突状先端部分84aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、吐出部毎にヘッド基板82の上に配置されている。また、絶縁層94a、 絶縁性基板86、絶縁層94bおよび94cの積層体には、インクガイド84の配置に対応する位置に貫通孔98が開孔されている。この貫通孔98には、 絶縁層94a側からインクガイド84が挿入され、 インクガイド84の先端部分84aは、絶縁層94cから突出している。なお、インクガイド84の先端部分84aには、インクQの供給およびインクQ内の帯電着色微粒子の先端部分84aへの濃縮を促進するために、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成しても良い。
なお、インクガイド84の先端部分84aは、記録媒体P(搬送ベルト32)側へ向かうに従って次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。また、インクガイド84の、インクQが吐出される先端部分(最先端部)84aには、金属が蒸着されているのが好ましい。インクガイド84の先端部分84aの金属蒸着はされていなくても良いが、この金属蒸着により、インクガイド84の先端部分84aの誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせやすくできるという効果があるので、金属蒸着を行うのが好ましい。なお、インクガイド84の形状は、インクQ、特に、インクQ内の帯電着色粒子を絶縁性基板86の貫通孔98を通って先端部分84aに濃縮させることができれば、特に制限的ではなく、例えば、先端部分84aは、突状でなくても良いなど適宜変更してもよく、従来公知の形状とすることができる。
ヘッド基板82と絶縁層94aとは、所定間隔離間して配置されており、両者の間には、インクガイド84にインクQを供給するためのインクリザーバ(インク室)として機能するインク流路100が形成されている。なお、インク流路100内のインクQは、第1制御電極88および第2制御電極90に印加される電圧と同極性に帯電した着色微粒子を含み、記録時には、インク循環系60(図1参照)によって、所定方向、図4に示す例ではインク流路100内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下、インク中の着色微粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行う。
第1制御電極88および第2制御電極90は、図3に示すように、絶縁性基板86に開孔された貫通孔98の周囲を囲むように、絶縁性基板86の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、第1制御電極88および第2制御電極90の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。このような第1制御電極88および第2制御電極90は、2層電極構造に構成され、マトリクス状に配置される。ここで、行方向(例えば、主走査方向)に配置された複数の第1制御電極88は相互に接続され、列方向(例えば、副走査方向)に配置された複数の第2制御電極90は相互に接続される。
ここで、一つの第1制御電極88の行を高電圧レベルまたはフローティング(ハイインピーダンス)状態とし、一つの第2制御電極90の列を高電圧レベルとして、一つの行と一つの列とをともにオン状態にすることにより、両者(行と列)が交差する1つの吐出部をオン状態にして、この吐出部からのインクの吐出を行うことができる。なお、この時、これらの第1および第2制御電極88および90の一方が接地レベルの場合にはインクは吐出しない。このように、マトリクス状に配置される第1制御電極88および第2制御電極90をマトリクス駆動することができる。従って、第1および第2制御電極88および90を駆動するヘッドドライバの数を大幅に減らすことができ、ヘッドドライバの構成をコンパクトにし、その実装面積を削減することができる。
一方、インクガイド84と対向する位置には、インク中の帯電した着色微粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト32に保持されて配置される。上述したように、本実施形態において、記録媒体Pは負の高電圧に帯電されている。また、搬送ベルト32の記録媒体Pを保持する面は絶縁性のフッ素樹脂面であり、裏面は導電性の金属面であり、この金属面が導電性のベルトローラ34bを介して接地されている(図1参照)。
浮遊導電板92は、インク流路100の下方に配置され、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)となっている。図示例では、ヘッド基板82の内部に配置されている。
この浮遊導電板92は、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧が発生し、インク流路100内のインクQにおいて、その着色微粒子を絶縁性基板86側へ泳動させて濃縮させるためのものである。従って、浮遊導電板92は、インク流路100よりもヘッド基板82側に配置される必要がある。また、浮遊導電板92は、吐出部の位置よりもインク流路100の上流側に配置される方が好ましい。この浮遊導電板92により、インク流路100内の上層の帯電着色微粒子の濃度を高めるため、絶縁性基板86の貫通孔98を通過するインクQ内の帯電着色微粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド84の先端部分84aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の帯電着色微粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
以上のように構成される2層電極構造の制御電極を持つ本実施形態の吐出ヘッド80においては、例えば、第2制御電極90に、常時、所定の電圧、例えば600Vを印加し、第1制御電極88を、画像データに応じて接地状態(オフ状態)とハイインピーダンス状態(オン状態)とに切り換えることにより、それぞれ第2制御電極90に印加される高電圧レベルと同極性に帯電した顔料等の着色微粒子を含むインクQ(インク液滴R)の吐出/非吐出を制御することができる。すなわち、吐出ヘッド80では、第1制御電極88が接地レベルの状態(オフ状態)では、インクガイド84の先端部分84a近傍の電界強度が低く、インクQはインクガイド84の先端部分84aからは飛び出さず、第1制御電極88がハイインピーダンス状態(オン状態)になると、インクガイド84の先端部分84a近傍の電界強度が高くなり、インクガイド84の先端部分84aに濃縮したインクQは静電力によって先端部分84aから飛び出す。このとき、条件を選ぶことによって更に濃縮を行うこともできる。
このような2層電極構造においては、第1制御電極88をハイインピーダンス状態と接地レベルとの間でスイッチングすることができるので、スイッチングのために大電力を消費しない。従って、本実施形態によれば、高精細かつ高速性が要求されるインクジェットヘッドにおいても、消費電力を大幅に削減することができる。
なお、第1制御電極88を、画像データに応じて、接地レベル(オフ状態)と高電圧レベル(オン状態)との間でスイッチングさせて、吐出/非吐出を制御してもよい。本実施形態の吐出ヘッド80では、第1制御電極88または第2制御電極90の一方が接地レベルの場合にはインクが吐出せず、第1制御電極88がハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2制御電極90が高電圧レベルの場合にだけインクが吐出する。
また、本実施形態では、画像信号に応じて、第1および第2制御電極88および90にパルス電圧を印加し、両電極ともに高電圧レベルとなった時に、インク吐出を行うようにしても良い。
なお、第1制御電極88または第2制御電極90のどちらかで、または、両方で、インク吐出/非吐出の制御を行うかは特に制限的ではないが、第1制御電極88または第2制御電極90の一方が接地レベルの場合には、インクQが吐出せず、第1制御電極88がハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2制御電極90が高電圧レベルの場合にだけインクQが吐出するようにするのが良い。
また、記録媒体Pを例えば−1.6kVに帯電し、第1制御電極88および第2制御電極90の何れか一方または両方が負の高電圧(例えば−600V)の時にはインクが吐出せず、第1制御電極88および第2制御電極90の両方が接地レベル(0V)の場合にだけインクが吐出するようにしても良い。
また、本実施形態によれば、吐出部を2次元的に配置し、マトリクス駆動するため、行方向の複数の吐出部を駆動する行ドライバおよび列方向の複数の吐出部を駆動する列ドライバの個数を大幅に削減することができる。従って、本実施形態によれば、2次元配列される吐出部の駆動回路の実装面積および消費電力を大幅に削減することができる。また、本実施形態によれば、各吐出部間を比較的余裕をもって配置することができるため、各吐出部間での放電の危険性を極めて低減することができ、高密度実装と高電圧を安全に両立させることができる。
なお、上述した静電吐出型吐出ヘッド80のように、第1および第2制御電極88および90からなる2層電極構造の制御電極を用いるものでは、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部間に電界干渉が生じることがある。このため、本実施形態のように、隣接するインクガイド84への電気力線を遮蔽するために、隣接する吐出部の第1制御電極88間に、ガード電極96を設けるのが好ましい。
ガード電極96は、隣接する吐出部の第1制御電極88の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド84の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。図5(a)、(b)および(c)は、それぞれ図4(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図である。図5(a)に示すように、ガード電極96は、全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第1制御電極88に相当する部分が穿孔されている(図4参照)。なお、本実施形態において、ガード電極96を設ける理由は、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部の電界の状態によって自分自身の吐出部の発生する電界が影響を受け、ドットサイズおよびドットの描画位置が乱れ、記録品質に悪影響を及ぼす場合があるからである。
ところで、ガード電極96の図中上側には、貫通孔98を除いて絶縁層94cによって覆われ、ガード電極96と第1制御電極88との間には、絶縁層94bが介在し、両電極96と88とを絶縁している。すなわち、ガード電極96は、絶縁層94cと絶縁層94bとの間に配置され、第1制御電極88は、絶縁層94bと絶縁性基板86との間に配置される。
すなわち、図5(b)に示すように、絶縁性基板86の上面には、従って、絶縁層94bと絶縁性基板86との間には、各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第1制御電極88が2次元的に配列されており、列方向の複数の第1制御電極88が相互に接続されている。
また、図5(c)に示すように、絶縁層94aの上面には、従って、絶縁性基板86の下面には、すなわち、絶縁層94aと絶縁性基板86との間には(図4参照)、各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第2制御電極90が2次元的に配列されており、行方向の複数の第2制御電極90が相互に接続されている。
また、本実施形態において、各吐出部の制御電極、例えば第1および第2制御電極88および90からのインク流路100方向への反発電界を遮蔽するために、第1および第2制御電極88および90の流路側にシールド電極を設置しても良い。
さらに、本実施形態の吐出ヘッド80においては、インク流路100の底面を構成すると共に、第1制御電極88および第2制御電極90に印加されるパルス電圧によって定常的に生じる誘導電圧により、インク流路100内の正に帯電したインク粒子(荷電粒子、すなわち帯電微粒子)を上方へ向けて(すなわち記録媒体P側に向けて)泳動させる浮遊導電板92が設けられている。また、浮遊導電板92の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することを防止する。絶縁性被覆膜の電気抵抗は、1012Ω・cm以上が望ましく、より望ましくは1013Ω・cm以上である。また、絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性であることが望ましく、これにより浮遊導電板92がインクに腐食されることが防止される。また、浮遊導電板92は、下方から絶縁部材で覆われており、このような構成により、浮遊導電板92は、完全に電気的絶縁浮遊にされている。
浮遊導電板92は、吐出ヘッドの1ユニットにつき1個以上である(例えば、C、M、Y、Kの4つの吐出ヘッドがあった場合、浮遊導電板数は最低各1個ずつ有し、CとMの吐出ヘッドユニット間で共通の浮遊導電板とすることはない)。
上述した実施形態においては、第1および第2制御電極88および90として、吐出部毎に円形電極等を設け、それぞれ行および列方向に接続しているが、本発明はこれに限定されず、全ての吐出部を独立にして、個々に駆動するようにしても良いし、第1および第2制御電極88および90の一方を全ての吐出部に共通のシート状電極(貫通孔98部分は穿孔されている)としても良い。
また、上記実施形態においては、制御電極を第1および第2制御電極88および90の2層電極構造としているが、本発明はこれに限定されず、単層電極構造の制御電極としても良い。単層制御電極は、絶縁性基板86のどちらの表面に配置させても良いが、記録媒体P側に設けるのが好ましい。各色の吐出ヘッドは、例えば以上のような構成ものである。
それぞれの吐出ヘッドは、その吐出部の配列方向が、記録媒体Pの搬送方向に直交する方向と一致するように配置され、各色の吐出ヘッドは記録媒体Pの搬送方向に沿って一列に配置されている。また、それぞれの吐出ヘッドは、そのインクの吐出部が、プラテン36が配置された位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に、搬送ベルト32上に静電吸着されて搬送されてくる記録媒体Pの表面と所定の一定間隔となるように配置されている。またそれぞれの吐出ヘッドの吐出部の配列方向は記録媒体Pの搬送方向と略並行に配置してもよい。この場合には吐出ヘッドを記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に主走査しながら吐出を行い、その後に記録媒体Pを一定量のみ搬送することを繰り返すシリアルスキャンを行う。
前述の通り、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面は、記録媒体Pの帯電装置38により、所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(約−1.5kV)が印加された状態である。また、各色の吐出ヘッドの吐出部の制御電極には、後述するインクジェットヘッド56印加用のパルス電圧印加装置(図示省略)により、記録時に画像データに応じたパルス電圧が印加される。
各色の吐出ヘッドでは、記録媒体Pに、常に一定のDCバイアス電圧(約−1.5kV)が印加された状態で、パルス電圧として、高電圧(400〜600V)が印加された場合にはインクの吐出が行われ、低電圧(0V)が印加された場合にはインクの吐出は行われない。各色の吐出ヘッドから吐出されたインクは、負の高電位に帯電された記録媒体Pに引っ張られて記録媒体P上に付着し、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
なお、本実施形態では、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面に、常に一定のDCバイアス電圧を印加し、制御電極には、記録時に画像データに応じたパルス電圧を印加しているが、対向電極側を接地し、後述するインクジェットヘッド56印加用のDCバイアス電圧印加装置により、各色の吐出ヘッドの吐出部の制御電極側に、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、1.5kV)を印加するようにしてもよい。
インク循環系60は、インクタンク68と、ポンプ(図示省略)と、インクの供給路および回収路70とを備えている。インクタンク68は、筐体22内部の底面上に配置され、インクの供給路および回収路70を介してインクジェットヘッド56と接続されている。
インクタンク68内には、各色の帯電微粒子と、これを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク68内の各色のインクは、ポンプにより、インクの供給路70を介して、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、ポンプにより、インクの回収路70を介して各色のインクタンク68内に回収される。
記録媒体Pの位置検出装置62は、フォトセンサ等の従来公知の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、帯電装置38とインクジェットヘッド56との間の位置で、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。
位置検出装置62により記録媒体Pの位置が検出され、その位置情報は制御手段58に供給される。
制御手段58は、筐体22内部の図中右面に取り付けられている。制御手段58は、インクジェットヘッド56のヘッドドライバを有しており、インクジェットヘッド56と接続されている。
制御手段58には、外部装置から画像データが入力され、位置検出装置62から記録媒体Pの位置情報が入力される。制御手段58の制御により、記録媒体Pの位置情報に従って、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
すなわち、記録媒体Pは、搬送手段14により、インクジェットヘッド56の前を所定の速度で搬送されつつ、記録手段16により、その表面に4色印刷が行われてフルカラー画像が記録される。
定着手段64は、記録媒体Pの搬送経路上において、分離爪42の下流側に配置されている。本実施形態において、定着手段64は、ヒートローラを備えるローラ対であり、分離爪42により搬送ベルト32にから剥離された記録媒体Pは、定着手段64により挟持搬送されつつ、その上に記録された画像が、接触加熱され定着される。なお、定着手段64は、ヒートローラには限定されず、電熱器や熱風等を用いた非接触加熱によって画像定着を行うものであってもよい。
検出器66は、制御手段58とともに伸び縮み検出手段を構成する。ここで、伸び縮み検出手段は、記録手段16によって一方の面(以下、表面という)に画像が記録された記録媒体Pの搬送方向の長さ(以下、単に長さという)を検出し、画像記録前に対する画像記録後の記録媒体Pの搬送方向の伸び縮みを検出するものである。
検出器66は、定着手段64とその下流側の排出ローラ対46との間に配置されており、定着手段64からガイド45に沿って排出ローラ対46へ搬送される記録媒体Pの搬送方向の前端および後端を検出する。検出器66としては、フォトインタラプタ等の光学的センサや、リミットスイッチ、圧力センサ等の物理センサ等、公知の検出手段が利用される。検出器66として光学的センサを用いる場合には、検出器66をガイド45に対向して配置すればよいし、物理センサを用いる場合には、ガイド45の記録媒体P側の面等に設ければよい。
制御手段58には、検出器66が接続されており、検出器66による検出結果が入力される。制御手段58では、検出器66による検出結果から、検出された記録媒体Pの搬送方向の長さが算出される。具体的には、検出器66が検出した記録媒体Pの前端および後端の検出時間間隔と、定着手段64または排出ローラ対46による記録媒体Pの搬送速度から、記録媒体Pの長さが算出される。
そして、制御手段58において、検出器66によって検出された記録媒体Pの長さと、画像が記録される前の記録媒体Pの長さとが比較されることにより、記録媒体Pの伸び縮みが検出される。画像記録前の記録媒体Pの長さは、予め制御手段58に入力されていればよい。
この記録媒体Pの他方の面(以下、裏面とする)への画像記録時には、制御手段58によるインクジェットヘッド56の制御によって、表面の記録時に検出された記録媒体Pの伸び縮みに応じて画像記録位置が制御される。制御手段58は、表面の記録によって記録媒体Pが伸びた場合には、裏面に画像を記録する際の搬送方向の記録開始位置を所定量遅らせる。逆に、記録媒体Pが縮んだ場合には、裏面の画像記録開始位置を所定量早める。
制御手段58による記録位置の制御は、制御手段58において算出された表面の記録後の記録媒体Pの長さから、その記録媒体Pの略中央の位置を算出し、裏面の画像記録範囲の略中央がその記録媒体Pの略中央に一致するように画像記録位置を設定し、これにより画像記録開始位置を算出することによって行うのが好ましい。
これにより、記録される画像の中間部分が表面および裏面において略一致するように画像が記録され、記録媒体Pが伸び縮みしたことによる表面の画像と裏面の画像とのずれが搬送方向の前後に分配されて、画像の前縁部分および後縁部分におけるずれを最小限にし、許容範囲、例えば視覚的に目立たない範囲に抑えることができる。
続いて、溶媒回収手段18について説明する。
溶媒回収手段18は、インクジェットヘッド56から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ72と、排出ファン74とを備えている。活性炭フィルタ72は、筐体22の上蓋(開閉扉)22aの裏面に取り付けられ、排出ファン74は、活性炭フィルタ72の上に取り付けられている。
筐体22内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン74により、活性炭フィルタ72を介して筐体22の外部に排出される。その際、筐体22内部の空気中に含まれる分散溶媒成分は、活性炭フィルタ72によって吸着除去される。
以下、静電式インクジェット記録装置10の動作を説明する。
静電式インクジェット記録装置10では、記録媒体Pの表面への画像記録(第1の記録)時に、給紙トレイ24に収納された記録媒体Pがフィードローラ26により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対30により挟持搬送されて搬送ベルト32上の所定位置に供給される。
搬送ベルト32上に供給された記録媒体Pは、帯電装置38により負の高電位に帯電され、搬送ベルト32の表面に静電吸着される。
搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに所定の速度で移動されつつ、インクジェットヘッド56により、その表面に画像データに対応した画像が記録される。
画像記録後の記録媒体Pは、除電装置40により除電され、分離爪42により搬送ベルト32から分離され、ガイド44に沿って定着手段64に供給される。そして、定着手段64により挟持搬送されつつ、記録された画像が加熱定着される。
定着手段64から送り出された記録媒体Pは、ガイド44に沿って排出ローラ対46へ搬送される。この時、検出器66によって、搬送される記録媒体Pの搬送方向の前端および後端が検出され、検出結果は制御手段58に送られる。排出ローラ対46によって搬送された記録媒体Pは、排出トレイ28内にストックされる。
続いて、排出トレイ28に排出された記録媒体Pは、裏面への画像記録(第2の記録)のために、表面の記録時とは表裏を逆にして、再び給紙トレイ24に供給される。これにより、記録媒体Pは、画像が記録された表面が搬送ベルト32に接し、未記録の裏面がインクジェットヘッド56側に向けられた状態で、搬送ベルト32によって搬送される。
記録手段16の位置において、記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに所定の速度で移動されつつ、インクジェットヘッド56により、その裏面に画像データに対応した画像が記録される。ここで、インクジェットヘッド56による画像記録の開始位置は、表面の記録時に制御手段58において検出された記録媒体Pの伸び縮みに応じて制御される。そのため、記録媒体Pには、表面および裏面でずれの小さい状態で画像が記録される。
なお、上述の例では、検出器66を定着手段64とその下流の排出ローラ対46との間に配置し、表面記録後の記録媒体Pが排出トレイ28へ排出される前に、その前端および後端を検出器66によって検出しているが、本発明はこれには限定されず、検出器66を給紙トレイ24とインクジェットヘッド56との間の所定位置に配置し、表面記録後の記録媒体Pが裏面記録のためにインクジェットヘッド56による記録部に供される前に、その前端および後端を検出してもよい。
また、上述の例では、定着手段64を除電装置40および分離爪42の下流側に設け、記録媒体Pが搬送ベルト32から分離された後に記録媒体Pの画像定着を行っているが、定着手段を除電装置40の上流側に設け、搬送ベルト32上で画像定着を行ってもよい。その場合、検出器66を、定着手段の下流かつ除電装置40の上流に配置し、検出器66には静電容量測定器や表面電位センサ等を用いて、搬送ベルト32の表面の静電容量を測定することによって、搬送ベルト32に静電吸着された記録媒体Pの前端および後端を検出することもできる。
また、静電式インクジェット記録装置10において、表面への記録後に排出トレイ28に排出された記録媒体Pは、その都度給紙トレイ24に手差し供給され、表面の記録に続けてその裏面の記録が行われてもよいし、あるいは、複数の記録媒体Pに対して表面への記録が続けて行われた後、その複数の記録媒体Pがまとめて給紙トレイ24に供給されて、裏面への記録が続けて行われてもよい。複数枚ずつまとめて表面および裏面の記録が行われる場合には、各記録媒体Pの伸び縮み検出データを制御手段58に記憶しておき、対応する記録媒体Pの裏面記録時に、記憶された伸び縮み検出データに応じて画像記録位置が制御されるようにしてもよいし、複数枚の記録媒体Pに同様の画像が記録される場合等には、複数の記録媒体Pに対する伸び縮みデータの平均値を用いて、裏面への画像記録位置を制御するようにしてもよい。
次に、本発明のインクジェット記録装置について、別の実施形態を挙げて説明する。
図2は、本発明の静電式インクジェット記録装置の第2の実施形態の構成概略図である。同図に示す静電式インクジェット記録装置11は、記録媒体Pの反転機構である反転ローラ対を有し、自動で記録媒体Pの両面上にフルカラー画像を記録可能である点を除いて、図1に示すインクジェット記録装置10と大部分で同じ構成のものである。従って、両者で同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、インクジェット記録装置11に特有の点を重点的に説明する。
インクジェット記録装置11は、記録媒体Pの保持手段12、搬送手段14および記録手段16と、溶媒回収手段18と、筐体22とを備えている。
上述の例と同様に、記録媒体Pの保持手段12は、給紙トレイ24と、フィードローラ26と、排出トレイ28とを備えている。給紙トレイ24は、筐体22内部の図中左側の底面上に配置され、フィードローラ26は、給紙トレイ24からの記録媒体Pの取出部の近傍に配置されている。また、排出トレイ28は、筐体22の外部の、記録媒体Pの排出部(図中筐体22の右面の中央部)の近傍に配置されている。
続いて、記録媒体Pの搬送手段14は、搬送ローラ31a、31b、31cと、搬送ベルト32と、ベルトローラ34a、34bと、プラテン36と、記録媒体Pの帯電装置38a、38bおよび除電装置40と、切替爪43と、ガイド44a、44b、44cと、反転ローラ対47とを備えている。なお、搬送手段14としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ローラ対や搬送ベルト等の通常の搬送手段が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されている。
搬送ローラ31aは、記録媒体Pの搬送経路上の、フィードローラ26と記録手段16との間の位置に設けられている。
フィードローラ26により給紙トレイ24から取り出された記録媒体Pは、搬送ローラ31aと搬送ベルト32との間に挟持され、搬送ベルト32上を図中右側方向に搬送される。
搬送ベルト32は、環状のエンドレスベルトであり、2つのベルトローラ34a、34bによって楕円形状に張架されている。
記録媒体Pの帯電装置38aは、スコロトロン帯電器48と、負の高圧電源50とを備えている。帯電装置38aは、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ローラ31aと記録手段16との間の位置に配置されている。また、記録媒体Pの除電装置40は、コロトロン除電器52と、交流電圧源53と、高圧電源54とを備えている。除電装置40は、記録媒体Pの搬送経路上の、記録手段16の制御手段58と定着手段64(いずれも後述)との間の位置に配置されている。
切替爪43、反転ローラ対47、およびガイド44aは、記録媒体Pの搬送経路上の、除電装置40の下流側にこの順に配置されている。ガイド44bおよび搬送ローラ31bは、排出時の搬送経路上の、切替爪43と排出トレイ28との間に配置され、ガイド44cおよび搬送ローラ31cは、記録媒体Pの反転時の搬送経路上の、反転ローラ対47と帯電装置38bとの間に配置されている。
両面の記録が指定された場合、片面の記録後は、切替爪43が反転位置に設定され、片面記録後の記録媒体Pは、反転ローラ対47側に搬送される。記録媒体Pの先端部が反転ローラ対47により挟持搬送され、その先端部がガイド44a上に載って、後端部が定着手段64から離れると、後端部はガイド44c上に垂下する。このタイミングで反転ローラ対47が反転され、記録媒体Pは、搬送ローラ31cとガイド44cとの間に挟持されて搬送され、ガイド44cに沿って搬送ベルト32上の所定の位置に供給される。
片面のみの記録が指定された場合の、片面の記録後、および両面の記録が指定された場合の、両面の記録後は、切替爪43が排出位置に設定され、記録後の記録媒体Pはガイド44b側に供給される。そして、後述する定着手段64により、ガイド44bに沿って搬送され、さらに搬送ローラ31bとガイド44bとの間に挟持されて搬送され、排出部から排出されて、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
記録媒体Pの帯電装置38bは、帯電装置38aと同様の構成のもので、記録媒体Pの反転時の搬送経路上の、ガイド44cの下流側の位置で、反転ローラ対47により、記録媒体Pが搬送された後の位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。
ガイド44cに沿って搬送ベルト32上の所定位置に供給された記録媒体Pの表面は、帯電装置38bにより帯電され、記録媒体Pは、搬送ベルト32の絶縁性を有する表面上に再度静電吸着される。そして、搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pは搬送ベルト32の移動とともに移動され、再度搬送ローラ31aと搬送ベルト32との間に挟持されて搬送され、その裏面側に画像が記録される。
続いて、記録媒体Pの記録手段16は、インクジェットヘッド56と、制御手段58と、インク循環系60と、記録媒体Pの位置検出装置62と、定着手段64と、検出器66とを備えている。
インクジェットヘッド56は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、同様に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。
インク循環系60は、インクタンク68と、ポンプ(図示省略)と、インクの供給路および回収路70を備えている。インクタンク66は、筐体22内部の底面中央部上に配置され、インクの供給路および回収路70を介してインクジェットヘッド56と接続されている。
制御手段58は、インクジェットヘッド56の上部に配置されており、インクジェットヘッド56と接続されている。
検出器66は、制御手段58とともに伸び縮み検出手段を構成する。ここで、伸び縮み検出手段は、記録手段16によって一方の面(表面)に画像が記録された記録媒体Pの搬送方向の長さを検出し、画像記録前に対する画像記録後の記録媒体Pの搬送方向の伸び縮みを検出するものである。
検出器66は、搬送ベルト32によって搬送される記録媒体Pの搬送方向の前端および後端を検出するもので、記録媒体Pの帯電装置38bと搬送ローラ31aとの間に取り付けられている。検出器66としては、フォトインタラプタ等の光学的センサや、リミットスイッチ、圧力センサ等の物理センサ、静電容量測定器、表面電位センサ等、公知の検出手段が利用される。
制御手段58には、検出器66が接続されており、検出器66による検出結果が入力される。制御手段58では、検出器66による検出結果および搬送ベルト32による記録媒体Pの搬送速度のデータから、検出された記録媒体Pの搬送方向の長さが算出される。そして、制御手段58において、検出器66によって検出された記録媒体Pの長さと、画像が記録される前の記録媒体Pの長さとが比較されることにより、記録媒体Pの伸び縮みが検出される。
表面に画像が記録された記録媒体Pが、反転され、先に画像を記録された面と反対側の面(裏面)を搬送ベルト32の外周側に向けて搬送されて、記録手段16に供給されると、制御手段58によるインクジェットヘッド56の制御によって、表面の記録後に検出された記録媒体Pの伸び縮みに応じて画像記録位置が制御される。制御手段58は、表面の記録によって記録媒体Pが伸びた場合には、裏面に画像を記録する際の搬送方向の記録開始位置を所定量遅らせる。逆に、記録媒体Pが縮んだ場合には、裏面の画像記録開始位置を所定量早める。
制御手段58による記録位置の制御は、制御手段58において算出された表面の記録後の記録媒体Pの長さから、その記録媒体Pの略中央の位置を算出し、裏面の画像記録範囲の略中央がその記録媒体Pの略中央に一致するように画像記録位置を設定し、これにより画像記録開始位置を算出することによって行うのが好ましいのは、上述の例と同様である。
これにより、記録される画像の中間部分が表面および裏面において略一致するように画像が記録され、記録媒体Pが伸び縮みしたことによる表面の画像と裏面の画像とのずれが搬送方向の前後に分配されて、画像の前縁部分および後縁部分におけるずれを最小にし、許容範囲、例えば視覚的に目立たない範囲に抑えることができる。
続いて、溶媒回収手段18は、筐体22内部の底面中央部上に配置され、図示省略しているが、活性炭フィルタ、排出ファン、冷却装置等を備えている。
筐体22内部の分散溶媒成分を含む空気は、冷却装置により冷却されてその溶媒成分が凝縮され、排出ファンにより、活性炭フィルタを介して筐体22の外部に排出される。その際、冷却装置により凝集された溶媒成分は再利用されるか、図示されない廃液タンクに収納される。
以下、静電式インクジェット記録装置11の動作を説明する。
静電式インクジェット記録装置11では、画像の記録時に、給紙トレイ24に収納された記録媒体Pがフィードローラ26により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ31aと搬送ベルト32との間に挟持されて、搬送ベルト32上の所定位置に搬送される。
搬送ベルト32上の所定位置に搬送された記録媒体Pは、帯電装置38aにより負の高電位に帯電され、搬送ベルト32の表面に静電吸着される。
搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに所定の速度で移動されつつ、インクジェットヘッド56により、その表面に画像データに対応した画像が記録される(第1の記録)。
片面記録後の記録媒体Pは、除電装置40により除電され、定着手段64により挟持搬送されつつ、記録された画像が加熱定着される。
両面の記録が指定されている場合、片面記録後の記録媒体Pは、反転位置に設定された切替爪43に応じて、定着手段64により、反転ローラ対47側に搬送される。その後、反転ローラ対47が反転され、記録媒体Pはガイド44cに沿って搬送され、さらに搬送ローラ31cとガイド44cとの間に挟持されて搬送され、搬送ベルト32上の所定の位置に供給される。すなわち、この段階で記録媒体Pは反転される。
その後、反転された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに移動され、検出器66によって、搬送される記録媒体Pの搬送方向の前端および後端が検出される。その検出結果は制御手段58に送られる。
記録手段16の位置において、表面への記録と同様にして、記録媒体Pの裏面に画像データに対応した画像が記録される(第2の記録)。ここで、インクジェットヘッド56による画像記録の開始位置は、検出器66によって検出された記録媒体Pの伸び縮みに応じて制御される。そのため、記録媒体Pには、表面および裏面でずれの小さい画像が記録される。
両面記録後の記録媒体Pは、排出位置に設定された切替爪43に従って、定着手段64からガイド44bに沿って搬送され、さらに搬送ローラ31bとガイド44bとの間に挟持されながら搬送され、排出部から排出されて、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
なお、静電式インクジェット記録装置11において、検出器66の配置位置は図示例には限定されず、定着手段64よりも下流側かつインクジェットヘッド56よりも(両面印刷における裏面記録時の)上流側であれば、どこに配置してもよい。例えば、反転ローラ対47に圧力センサを付し、反転ローラ対47によって搬送される記録媒体Pを検出してもよい。検出器66を除電装置40よりも下流側かつ帯電装置38bよりも上流側に配置する場合には、検出器66としては、静電容量を検出するもの以外の、光学的センサあるいは物理センサ等を利用すればよい。
次に、本発明のインクジェット記録装置のさらに別の実施形態について説明する。
上述の各例では、伸び縮み検出手段として、記録媒体Pの前端および後端を検出する検出器66と、検出器66の検出結果から記録媒体Pの搬送方向の長さを算出して伸び縮みを検出する制御手段58とを用い、記録媒体Pの伸び縮み検出を行ったが、本実施形態においては、表面への画像記録後から裏面への画像記録前までの時間間隔を検出し、予め作成された、時間と伸び縮み量の関係を表すルックアップテーブル(LUT)を用いて、裏面への画像記録時の記録媒体Pの伸び縮みを推定する。
記録媒体Pとして紙などの水分による伸縮性のあるものを使用した場合、紙などに含有される水分、画像定着工程での熱や圧力、環境の湿度等に起因して、記録媒体Pが伸縮してしまう場合があるが、伸縮した記録媒体Pは、時間とともに元のサイズに戻る方向にそのサイズが徐々に変化する。そのため、記録媒体Pの搬送方向において、裏面の画像記録位置を表面の画像の位置に対してずれがより少なくなるように制御するには、裏面記録時の記録媒体Pの長さを把握することが有効である。
そこで、本実施形態においては、本記録装置において所定の記録媒体Pに画像を記録した場合の記録後の記録媒体Pの伸び縮み量、および、表面記録後からの時間経過に伴う記録媒体Pのサイズ変化を表すデータを、テスト印刷によって予め取得してLUTを作成しておき、実際の画像記録時には、このLUTを基に裏面記録時の記録媒体Pの長さを推定して、裏面への画像記録位置を制御する。なお、このようなLUTを作成する際には、テスト環境を装置使用環境の平均的な温度および湿度に合わせて行うのが好ましい。あるいは、温度および湿度等の環境に応じて異なるLUTを用意してもよい。
本実施形態では、図1の静電式インクジェット記録装置10において、伸び縮み検出手段には、検出器66と制御手段58に加え、さらに、裏面記録に供される記録媒体Pを検出する検出器が含まれる。この検出器は、記録手段16のインクジェットヘッド56よりも上流側に配置される。この検出器としては、検出器66と同様の各種のものを利用することができる。あるいは、搬送ローラ対30に圧力センサを付して記録媒体Pを検出してもよいし、記録手段16の位置検出装置62を、伸び縮み検出手段の検出器としても利用してもよい。また、フィードローラ26の作動によって記録媒体Pが記録に供されるのを検出してもよい。以下では、搬送ローラ対30に圧力センサを付して記録媒体Pの検出器として用いた例について説明する。
上述したように、図1の静電式インクジェット記録装置10において、表面に画像が記録された記録媒体Pは、定着手段64による画像定着後に、検出器66によって検出される。本実施形態では、記録媒体Pの前端または後端等、所定の箇所が検出され、検出時刻が制御手段58に記憶される。
裏面への画像記録のために、表裏を逆にして給紙トレイ24に供給された記録媒体Pは、フィードローラ26によって給紙トレイ24から取り出され、搬送ローラ対30を経て搬送ベルト32に供給される。ここで、本実施形態においては、搬送ローラ対30の圧力センサが制御手段58に接続されており、搬送ローラ対30による記録媒体Pの挟持搬送によって搬送ローラ対30の圧力センサが記録媒体Pの所定の箇所を検出し、その検出時刻が制御手段58に記憶される。
制御手段58には、検出器66による記録媒体Pの検出時刻から搬送ローラ対30の圧力センサによる検出時刻までの時間間隔と、それに対する記録媒体Pの伸び縮み量を表すLUTが、予め作成されて記憶されている。制御手段58においては、検出器66および搬送ローラ対30の圧力センサの検出結果から求められた時間間隔のデータが、このLUTと比較参照されることにより、裏面記録に供される記録媒体Pの長さが推定的に算出され、以下、上述の各例と同様にして、裏面の画像記録位置が制御される。
以下、本実施形態における静電式インクジェット記録装置10の動作を説明する。
表面への画像記録(第1の記録)後に、検出器66によって検出され、その時刻が制御手段58においてカウントされる。
排出トレイ28に排出された記録媒体Pは、裏面への記録のために、表裏を逆にして給紙トレイ24に供給される。
フィードローラ26によって記録媒体Pが給紙トレイ24から取り出され、搬送ローラ対30によって搬送されるとともに、搬送ローラ対30の圧力センサによって記録媒体Pが検出され、その時刻が制御手段58においてカウントされる。
制御手段58では、検出器66による記録媒体Pの検出時刻および搬送ローラ対30の圧力センサによる検出時刻から、その間の時間間隔、すなわち表面記録後から裏面記録前までの時間間隔が算出され、予め記憶されているLUTを基に、その時間における記録媒体Pの伸び縮み量が推定される。
記録媒体Pは、搬送ベルト32によって搬送され、記録手段16の位置において、搬送ベルト32の移動とともに所定の速度で移動されつつ、インクジェットヘッド56により、その裏面に画像データに対応した画像が記録される(第2の記録)。ここで、インクジェットヘッド56による画像記録の開始位置は、制御手段58において推定された記録媒体Pの伸び縮み量に応じて制御される。そのため、記録媒体Pには、表面および裏面でのずれが小さい状態で画像が記録される。
なお、本実施形態において、さらに、検出器66によって記録媒体Pの前端および後端を検出することにより、表面記録後の記録媒体Pの実際の伸び縮み量を得るものとし、制御手段58には、時間と記録媒体Pの伸び縮み量の変化量との関係を表すLUTを記憶しておき、実際の伸び縮み量およびLUTから得られる時間に応じた伸び縮み量の変化量から、裏面記録に供される際の記録媒体Pの伸び縮み量を算出し、これに応じて裏面の画像記録位置を制御してもよい。
また、本実施形態は、図2の静電式インクジェット記録装置11のような、自動的に両面印刷を行う記録装置にも適用可能である。
なお、本発明は、図1および図2に示すインクジェット記録装置10,11に限定されるわけではなく、従来公知の各種形態の静電式インクジェット記録装置に適用可能である。すなわち、本発明が適用される静電式インクジェット記録装置を構成する記録媒体Pの保持手段12、搬送手段14および記録手段16、溶媒回収手段18の具体的な構成は、図示例のものに何ら制限されない。
さらに、本発明は、静電式のインクジェット記録装置には限定されず、従来公知の各方式のインクジェット記録装置に適用可能である。
また、本発明のインクジェット記録装置によって画像を記録する記録媒体としては、以外にも、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)等の樹脂フィルム、布等を用いることができる。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明のインクジェット記録装置について静電式インクジェット記録装置を例に詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のインクジェット記録装置の一実施形態の構成概略図である。 本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態の構成概略図である。 図1に示すインクジェットヘッドで使用されている各色の吐出ヘッドの一実施形態の概略構成を示す模式的部分斜視図である。 (a)は、図3に示す吐出ヘッドの一部を示す模式的断面図であり、(b)は、図4(a)のIV−IV線切断面図である。 (a)、(b)および(c)は、それぞれ図4(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図である。
符号の説明
10、11 静電式インクジェット記録装置
12 保持手段
14 搬送手段
16 記録手段
18 溶媒回収手段
22 筐体
22a 上蓋
24 給紙トレイ
26 フィードローラ
28 排出トレイ
30 搬送ローラ対
31a、31b、31c 搬送ローラ
32 搬送ベルト
34a、34b、34c ベルトローラ
36 導電性プラテン
38 帯電装置
40 除電装置
42 分離爪
44、44a、44b、44c、45 ガイド
46 排出ローラ対
48 スコロトロン帯電器
50、54 高圧電源
52 コロトロン除電器
53 交流電圧源
56 インクジェットヘッド
58 制御手段
60 インク循環系
62 位置検出装置
64 定着手段
66 検出器
68 インクタンク
70 インクの供給路および回収路
72 活性炭フィルタ
74 排出ファン
80 吐出ヘッド
82 ヘッド基板
84 インクガイド
84a インクガイドの先端部分
86 絶縁性基板
88、90 制御電極
92 浮遊導電板
94a、94b、94c 絶縁層
96 ガード電極
98 貫通孔
100 インク流路

Claims (7)

  1. 記録媒体を所定速度で搬送する搬送手段と、画像データに応じてインクをインク滴として吐出して前記画像データに応じた画像を前記記録媒体に記録するインクジェット記録手段とを有し、前記インクジェット記録手段によって、前記記録媒体の一方の面に第1の記録を行った後、他方の面に第2の記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記第1の記録後の記録媒体の搬送方向の伸び縮みを検出する伸び縮み検出手段と、
    前記伸び縮み検出手段からの出力に基づいて、前記第2の記録時の前記記録媒体の前記搬送方向における画像記録位置を制御する記録位置制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記伸び縮み検出手段は、
    前記第1の記録後の記録媒体の搬送方向の前端および後端を検出する検出器と、
    前記検出器による検出結果を基に前記記録媒体の前記搬送方向の長さを算出して前記伸び縮みを検出する検出手段とを有する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記伸び縮み検出手段は、
    前記第1の記録終了後および前記第2の記録開始前の時間間隔を検出する時間間隔検出手段と、
    前記時間間隔と前記記録媒体の伸び縮み量との関係を表すルックアップテーブルと、
    前記時間間隔検出手段による検出結果と前記ルックアップテーブルとから、前記記録媒体の前記伸び縮み量を算出する算出手段とを有する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録位置制御手段は、前記第1の記録後の前記記録媒体が伸びていた場合には、前記第2の記録時の前記記録媒体の前記搬送方向における画像記録開始位置を遅らせるように制御し、前記記録媒体が縮んでいた場合には、前記画像記録開始位置を早めるように制御する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録位置制御手段は、前記第2の記録時の画像記録範囲の前記搬送方向の中間位置が、前記第1の記録時の画像記録範囲の前記搬送方向の中間位置に一致するように制御する請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクジェット記録手段は、加熱定着手段を含む請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェット記録手段は、帯電した着色微粒子を含むインクに静電力を作用させ、前記インクの吐出を制御する静電式インクジェットヘッドを含む請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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