JP2005096210A - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005096210A
JP2005096210A JP2003332132A JP2003332132A JP2005096210A JP 2005096210 A JP2005096210 A JP 2005096210A JP 2003332132 A JP2003332132 A JP 2003332132A JP 2003332132 A JP2003332132 A JP 2003332132A JP 2005096210 A JP2005096210 A JP 2005096210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
ink
ink jet
ejection
inkjet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003332132A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Nakazawa
雄祐 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003332132A priority Critical patent/JP2005096210A/ja
Publication of JP2005096210A publication Critical patent/JP2005096210A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】インクジェット記録装置において、ヘッド交換を行った際に、複雑な制御あるいは長い準備時間を必要とする吐出性能の測定や補正用データの作成を行うことなく、簡単な操作かつ短時間で、ヘッド間およびノズル間における吐出性能のバラツキを補正することができ、長時間安定して高画質な描画を行うことができるインクジェット記録装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】インクジェットヘッドと、外部の電気回線に接続される電気的接続部と、インクジェットヘッドの識別情報に応じて外部から電気的接続部を介してヘッド特性を取得するヘッド特性取得手段と、ヘッド特性取得手段によって取得されたヘッド特性に基づきインクジェットヘッドからのインクの吐出を制御する吐出制御部とを有することにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクをインク滴(インクジェット)として吐出して記録を行うインクジェット記録装置およびその制御方法に関する。
インクジェット記録装置は、色材を含むインクをインク滴(インクジェット)として吐出口から吐出して飛翔させ、記録媒体に着弾させて画像を記録するものである。インクジェット記録装置としては、インク滴の吐出方法によって、静電式、サーマル式、ピエゾ式等のものが知られている。
以下、静電式インクジェット記録装置を例に挙げて説明する。静電式インクジェット記録方式は、帯電した色材成分(着色荷電粒子)を含むインクを用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの吐出電極に所定の電圧を印加することにより、静電力を利用してインクの吐出を制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する方式である。
静電式インクジェット記録装置には、記録色に対応した複数の静電式インクジェットヘッド(以下、単にインクジェットヘッドまたはヘッドともいう)が設けられており、各ヘッドには、1つまたは複数の吐出口(ノズル)が形成されている。複数のノズルを有するヘッド、いわゆるマルチチャンネルヘッドは、記録速度を高速化できる点で有利であり、ノズルが画像記録媒体の幅方向に亘る長さに配列されたラインヘッドなど、ノズル数が非常に多いものも利用されている。
このような静電式インクジェット記録装置において、常に安定して高画質な描画を行うためには、ヘッドを交換した場合にも、ヘッド間あるいは同一ヘッド内でのノズル間の吐出性能の均一化が必須である。しかし、ヘッドの製造時における加工のバラツキ等により、各ノズル部の形状寸法にバラツキが出てしまい、その影響でヘッド間およびノズル間の吐出性能にバラツキが出てしまうのが現状である。
このような問題に対し、ヘッドの製造時におけるバラツキを減らし、高精度なノズルを形成する方法も検討されている。しかし、これには高度な加工技術を要し、加工時間も長くなり、あるいは高価な材料を用いる必要がある等の理由により、ヘッドが非常に高価なものとなってしまう。
一方で、記録装置においてヘッドの駆動条件を制御することにより、各ノズルの吐出性能のバラツキを補正し、吐出量の均一化を図る方法も提案されている。
例えば、特許文献1には、静電式インクジェット記録装置において、対向電極を複数にグループ化して、グループ毎に、対向電極へ印加する電圧値または電圧を印加する時間を設定可能とすることにより、吐出電極の形状のばらつきや対向電極に対する吐出電極の位置のばらつき等があっても均一な量の色材粒子を吐出することのできる静電式インクジェット記録装置が記載されている。
また、特許文献2には、静電式インクジェット記録装置において、インクを吐出させるための吐出電極とノズルに対向して設けられた対向電極との距離のばらつきを測定し、その距離のばらつきに応じて各吐出電極に印加するパルス幅を設定して、均一なドット径のインクを吐出する静電式インクジェット記録装置が記載されている。
また、特許文献3には、インクジェット記録装置において、階調データに応じて駆動波形を選択する手段と、ノズル間に生じるインク吐出量のバラツキに応じて駆動波形の駆動電圧値を制御する手段とを有し、画像記録に先立って、任意の駆動電圧波形を各インク吐出手段に与えた時に各ノズルから吐出されるインク量を測定し、この測定値を基準値と比較して誤差を算出し、画像記録時には、その結果と予め作成したバラツキ補正テーブルに基づいて駆動電圧値を制御することにより、ノズル間のインク吐出量のバラツキを補正するインクジェット記録装置が記載されている。
しかしながら、特許文献1および2の静電式インクジェット記録装置ならびに特許文献3のインクジェット記録装置では、いずれも、ヘッドが装置本体に組み込まれた状態で、各ノズル部における吐出インク量や電極間距離といった、吐出状態を表すデータあるいは吐出状態に直接影響するデータを測定してヘッドの吐出性能を補正するためのデータを作成している。そのため、ヘッドを交換した際には毎回、吐出状態を表すデータ等の測定、およびその結果に基づく補正用データの作成を行わなければならず、記録開始可能とされるまでの装置の準備時間が長くなってしまう。また、インクジェット記録装置が、吐出状態等の測定手段、および、補正データ作成のための基準データや補正データ作成手段等を備えなければならないため、装置や制御系が複雑化する上に、測定のための煩瑣な操作も必要となる。このような問題は、ラインヘッドのようにノズル数が多くなった場合には特に顕著となり、重要な問題であった。
特許第2885738号公報 特許第3150099号公報 特開平11−58704号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、インクジェット記録装置において、ヘッド交換を行った際に、複雑な制御あるいは長い準備時間を必要とする吐出性能の測定や補正用データの作成を行うことなく、簡単な操作かつ短時間で、ヘッド間およびノズル間における吐出性能のバラツキを補正することができ、長時間安定して高画質な描画を行うことができるインクジェット記録装置およびその制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、インクジェットヘッドと、
外部の電気回線に接続される電気的接続部と、
前記インクジェットヘッドの識別情報に応じて外部から前記電気的接続部を介してヘッド特性を取得するヘッド特性取得手段と、
前記ヘッド特性取得手段によって取得されたヘッド特性に基づき前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御する吐出制御部とを有するインクジェット記録装置を提供するものである。
ここで、前記ヘッド特性は、駆動電圧、前記駆動信号のパルス幅および前記駆動信号の動作タイミングの少なくとも1つを制御するためのデータまたはプログラムであり、
前記吐出制御部は、これらのデータまたはプログラムに応じて、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するのが好ましい。
また、前記吐出制御部は、前記データまたはプログラムに応じて、前記インクジェットヘッドのノズル間の吐出特性を補正するのが好ましい。
また、帯電した色材粒子を含むインクを用い、静電力により前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置であり、
前記ヘッド特性が、前記インクの吐出方向に対する前記インクジェットヘッドの位置のデータまたはプログラムであり、
前記吐出制御部が、このデータまたはプログラムに応じて、前記インクジェットヘッドの位置を制御するのが好ましい。
また、帯電した色材粒子を含むインクを用い、静電力により前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置であり、
前記ヘッド特性が、前記記録媒体の帯電電位のデータまたはプログラムであり、
前記吐出制御部が、このデータまたはプログラムに応じて、前記記録媒体の帯電電位を制御するのが好ましい。
また、前記電気的接続部は、前記インクジェットヘッドがインクジェット記録装置に装填された際に、外部の電気回線に接続され、
前記ヘッド特性取得手段は、前記インクジェットヘッドの出荷時の前記ヘッド特性を取得するのが好ましい。
また、前記ヘッド特性取得手段は、前記インクジェットヘッドの識別情報および前記インクジェットヘッドが使用される環境の情報に応じて、前記ヘッド特性を取得するのが好ましい。
また、本発明は、インクジェットヘッドを制御するためのヘッド特性を、前記インクジェットヘッドの識別情報に応じて、外部の電気回線に接続される電気的接続部を介して外部より取得し、
取得した前記ヘッド特性に基づき、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するインクジェット記録装置の制御方法を提供するものである。
また、本発明は、インクジェットヘッドの識別情報を、外部の電気回線に接続される電気的接続部から前記電気回線を介して外部データベースに送信し、
前記外部データベースにおいて前記インクジェットヘッドの識別情報に応じて選択され送信されたヘッド特性を、前記電気的接続部を介して受信し、
受信した前記ヘッド特性に基づき、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するインクジェット記録装置の制御方法を提供するものである。
ここで、画像信号に応じて発生される駆動信号に応じて、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するインクジェット記録装置の制御方法であって、
前記ヘッド特性は、駆動電圧、前記駆動信号のパルス幅および前記駆動信号の動作タイミングの少なくとも1つを制御するためのデータまたはプログラムであるのが好ましい。
また、帯電した色材粒子を含むインクを用い、静電力により前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置の制御方法であって、
前記ヘッド特性は、前記インクの吐出方向に対する前記インクジェットヘッドの位置、および、前記記録媒体の帯電電位の少なくとも一方を補正するためのデータであるのが好ましい。
また、前記インクジェットヘッドが接続された際に、前記インクジェットヘッドの識別情報、もしくはさらに前記インクジェットヘッドが使用される環境の情報を、前記電気的接続部から電気回線を介して外部データベースに送信し、
前記外部データベースから送信された、前記インクジェットの識別情報、もしくはさらに前記インクジェットヘッドが使用される環境の情報に応じた、前記インクジェットヘッドの出荷時の前記ヘッド特性を、前記電気的接続部を介して受信するのが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置およびその制御方法によれば、インクジェットヘットが記録装置に装填された際に、そのインクジェットヘッドを制御するためのヘッド特性を外部から取得し、そのヘッド特性に基づいてインクジェットヘッドを制御するので、インクジェットヘッドの交換を行った際にも、インクジェットヘッドの使用環境、すなわち、そのインクジェットヘッドを用いるユーザ側等のインクジェット記録装置において、吐出性能の測定を行う必要がない。そのため、記録可能となるまでに長い準備時間を要することなく、ドットの大きさ均一性に優れ、位置ずれの少ない高画質な描画を安定して行うことができる。また、吐出性能の測定のための複雑な制御系や測定手段等を備える必要がなく、装置のコンパクト化を実現できる。
また、製造過程等で生じた吐出性能のヘッド間およびノズル間におけるバラツキを補正できることにより、加工精度がそれほど高くない、低コストなインクジェットヘッドを使用した場合でも高画質な画像形成が可能なインクジェット記録装置を提供できる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、インクジェット記録装置およびその制御方法を詳細に説明する。
なお、以下では、インクジェット記録装置として、静電式のインクジェット記録装置を用いた形態を例に説明する。
図1は、本発明のインクジェット記録装置とその制御方法を説明する構成概念図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10,10a,10b等は電気回線2に接続可能とされている。また、サーバ4は、電気回線2に接続されており、サーバ4には記憶手段6が接続されている。
インクジェット記録装置10,10a,10b等は、詳細は後述するが、画像データに応じてインクを吐出し画像を記録する記録装置であり、それぞれ、各ユーザの使用環境に配置されている。インクジェット記録装置10,10a,10b等は、インクジェットヘッドが交換され、新たなインクジェットヘッドが取り付けられると、取り付けられたインクジェットヘッドの識別情報を電気回線2を介してサーバ4に送信し、サーバ4からその識別情報に応じて送信されたインクジェットヘッドを制御するためのヘッド特性を受信し、そのヘッド特性に基づいてインクジェットヘッドを制御して、記録を行う。なお、図1には、3台のインクジェット記録装置が図示されているが、電気回線2に接続されるインクジェット記録装置の数は、1台以上何台であってもよい。
電気回線2は、インターネットや、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network )、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)等の電気通信回線である。
サーバ4は、インクジェット記録装置10,10a,10b等およびインクジェット記録装置10,10a,10b等で用いられるインクジェットヘッドの制御用データ等を保有する外部データベースである。サーバ4は、インクジェット記録装置10,10a,10b等から電気回線2を介して送られてきたヘッドの識別情報を受け取り、その識別情報に応じたヘッド特性を記憶手段6から読み出して、読み出したヘッド特性を該当するインクジェット記録装置10,10a,10b等に送り返す。
記憶手段6には、インクジェット記録装置10,10a,10b等で使用されるインクジェットヘッドに対応して、各インクジェットヘッドを制御するためのヘッド特性が1つ以上、予め記憶されている。ヘッド特性は、インクジェットヘッドの製造時または出荷時に、そのインクジェットヘッドが使用されるインクジェット記録装置10等における条件と同様の条件下で吐出性能試験を行うことにより作成され、記憶手段6に記憶される。
次に、インクジェット記録装置10,10a,10b等の構成および作用を説明する。本実施形態において、インクジェット記録装置10,10a,10bは同種の記録装置であるので、これらを代表してインクジェット記録装置10について詳細に説明する。
図2は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態の構成概略図である。同図に示すインクジェット記録装置10は、静電力により、帯電した色材粒子(帯電微粒子)を含むインクの吐出を制御し、記録媒体(記録用紙)P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録する静電式のインクジェット記録装置であり、記録媒体Pの保持手段12、搬送手段14および記録手段16と、溶媒回収手段18と、筐体22とを備えている。
まず、記録媒体Pの保持手段12は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ24と、フィードローラ26と、記録後の記録媒体Pを保持する排出トレイ28とを備えている。
給紙トレイ24は、その先端部が給紙トレイ24の装着部(図中筐体22の左面下部)の内部に挿入され、装着部の所定位置に着脱可能なものである。給紙トレイ24が装着部に完全に装着された状態では、その挿入方向の先端部が装着部の奥端部に接触し、給紙トレイ24の後端部は筐体22の外部に突出した状態で装着される。また、フィードローラ26は、給紙トレイ24の装着部の奥部近傍に配置されている。
給紙トレイ24内には、記録前の記録媒体Pが複数枚積層されてストックされる。画像の記録時には、フィードローラ26により、記録媒体Pが給紙トレイ24から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段14に供給される。またこの時、積層されてストックされた記録媒体Pの分離を促進するような手段を設けることも好適に行われる。分離促進手段としては、記録媒体Pの除電を行う除電ブラシや除電ローラ、エア吹きつけブロアー等がある。
排出トレイ28は、記録媒体Pの排出部(図中筐体22の左面の中央部)の近傍に、その先端部側(記録媒体Pの搬送方向側)が筐体22の外部に位置し、その後端部側が筐体22の内部に位置するように配設されている。また、排出トレイ28は、その先端部が後端部よりも低くなるように、所定の傾斜角度で配設されている。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段14により搬送されて排出部から排出され、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
続いて、記録媒体Pの搬送手段14について説明する。
搬送手段14は、記録媒体Pを静電吸着し、給紙トレイ24から排出トレイ28まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ローラ対30と、搬送ベルト32と、ベルトローラ34a、34b、34cと、プラテン36と、記録媒体Pの帯電装置38および除電装置40と、分離爪42と、ガイド44と、定着ローラ対46とを備えている。
搬送ローラ対30は、記録媒体Pの搬送経路上の、フィードローラ26と搬送ベルト32との間の位置に設けられている。
フィードローラ26により給紙トレイ24から取り出された記録媒体Pは、この搬送ローラ対30により挟持搬送され、搬送ベルト32上の所定の位置に供給される。この搬送ローラ対30は、ソフトニップローラを使用することが好ましく、それにより高速給紙を行う場合にも正確な位置精度で給紙が可能となる。
記録媒体Pの帯電装置38は、スコロトロン帯電器48と、負の高圧電源50とを備えている。スコロトロン帯電器48は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ローラ対30と記録手段16との間の位置で、搬送ローラ対30により、記録媒体Pが供給される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、負の高圧電源50の負側の端子はスコロトロン帯電器48に接続され、その正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源50に接続されたスコロトロン帯電器48により所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
搬送ベルト32は、ループ状のエンドレスベルトであり、3つのベルトローラ34a、34b、34cによって三角形状に張架されている。また、ベルトローラ34bおよび34cの間の、記録手段16に対向する位置にある搬送ベルト32の内側には、平板状のプラテン36が配置されている。プラテン36は、ベルトローラ34bおよび34cの外周を結ぶ線よりヘッド側に張り出すように配置することにより、ベルトにヘッド方向に向かう張力を付与し、ベルトのばたつきを抑えても良い。
搬送ベルト32は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性、ベルトローラ34a、34b、34cと接触する側の面(裏面)が導電性のものである。ベルトローラ34bは接地されており、これにより、記録手段16に対向する位置の搬送ベルト32は、インクジェットヘッドの対向電極として機能する。
ベルトローラ34a、34b、34cのうちの少なくとも1つは図示していない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト32は、記録時に図中の矢印方向へ移動される。従って、記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに移動され、記録手段16の前を搬送される。
記録媒体Pの除電装置40は、コロトロン除電器52と、交流電圧源53と、高圧電源54とを備えている。コロトロン除電器52は、記録媒体Pの搬送経路上の、記録手段16と分離爪42との間の位置で、記録後の記録媒体Pが搬送される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、高圧電源54の一端はコロトロン除電器52に接続され、多端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン帯電器52により除電される。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32から分離されやすくなる。
また、分離爪42、ガイド44、および定着ローラ対46は、記録媒体Pの搬送経路上の、除電装置40の下流側にこの順に配置されている。
除電装置40により除電された記録媒体Pは、分離爪42により搬送ベルト32上から分離され、ガイド44に沿って定着ローラ対46に供給される。定着ローラ対46は、ヒートローラを備えるローラ対であり、記録媒体Pは、定着ローラ対46により挟持搬送されつつ、その上に記録された画像は、接触加熱され定着される。定着後の記録媒体Pは排出部から排出され、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
続いて、記録媒体Pの記録手段16について説明する。
記録手段16は、静電力により、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するものであり、インクジェットヘッド56と、制御部58と、インク循環系60と、記録媒体Pの位置検出装置62とを備えている。
インクジェットヘッド56は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。
ここで、帯電した色材粒子を含むインクの吐出を静電力により制御する方式の静電式インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドの具体的なヘッド構造を図3〜図5に示す。
図3は、図2に示すインクジェットヘッド56で使用されている各色の吐出ヘッド80の一実施形態の概略構成を示す模式的部分斜視図である。また、図4(a)は、図3に示す吐出ヘッド80の一部を示す模式的断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIV−IV線切断面図である。図5(a)、図5(b)および図5(c)は、それぞれ図4(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図(貫通孔部分を除く)である。
これらの図に示す吐出ヘッド80は、2層電極構造の吐出電極を持つ静電式インクジェットであって、帯電された顔料等の色材粒子(着色荷電粒子)を含むインクQを、静電力により吐出させて、画像データに応じた画像を記録媒体P上に記録するものであり、ヘッド基板82と、インクガイド84と、絶縁性基板86と、吐出電極を構成する第1吐出電極88および第2吐出電極90と、浮遊導電板92とを備えている。吐出ヘッド80は、対向電極となる記録媒体Pを支持する搬送ベルト32と対向するように配置されている。
図示例の吐出ヘッド80において、吐出電極は、絶縁性基板86を挟むように、図中上面に配置される第1吐出電極88と下面に配置される第2吐出電極90との2層電極構造としている。
図示例の吐出ヘッド80は、さらに、第2吐出電極90の下方(下面)を覆う絶縁層94aと、第1吐出電極88の上方(上面)を覆う絶縁層94bと、第1吐出電極88の上方に絶縁層84bを介して配置されるシート状のガード電極96と、ガード電極96の上面を覆う絶縁層94cとを備えている。
図示例の吐出ヘッド80においては、インクガイド84は、突状先端部分84aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、吐出部(ノズル部)毎にヘッド基板82の上に配置されている。また、絶縁層94a、絶縁性基板86、絶縁層94bおよび94cの積層体には、インクガイド84の配置に対応する位置に貫通孔(ノズル)98が開孔されている。この貫通孔98には、絶縁層94a側からインクガイド84が挿入され、インクガイド84の先端部分84aは、絶縁層94cから突出している。なお、インクガイド84の先端部分84aには、インクQの供給およびインクQ内の色材粒子の先端部分84aへの濃縮を促進するために、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成しても良い。
なお、インクガイド84の先端部分84aは、記録媒体P(搬送ベルト32)側へ向かうに従って次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。また、インクガイド84の、インクQが吐出される先端部分(最先端部)84aには、金属が蒸着されているのが好ましい。インクガイド84の先端部分84aの金属蒸着はされていなくても良いが、この金属蒸着により、インクガイド84の先端部分84aの誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせやすくできるという効果があるので、金属蒸着を行うのが好ましい。なお、インクガイド84の形状は、インクQ、特に、インクQ内の色材粒子を絶縁性基板86の貫通孔98を通って先端部分84aに濃縮させることができれば、特に、制限的ではなく、例えば、先端部分84aは、突状でなくても良いなど適宜変更してもよく、従来公知の形状とすることができる。
ヘッド基板82と絶縁層94aとは、所定間隔離間して配置されており、両者の間には、インクガイド84にインクQを供給するためのインクリザーバ(インク室)として機能するインク流路100が形成されている。なお、インク流路100内のインクQは、第1吐出電極88および第2吐出電極90に印加される電圧と同極性に帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク循環系60(図2参照)によって、所定方向、図4に示す例ではインク流路100内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行う。
第1吐出電極88および第2吐出電極90は、図3に示すように、絶縁性基板86に開孔された貫通孔98の周囲を囲むように、絶縁性基板86の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、第1吐出電極88および第2吐出電極90の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。このような第1吐出電極88および第2吐出電極90は、2層電極構造に構成され、マトリクス状に配置される。ここで、行方向(例えば、主走査方向)に配置された複数の第1吐出電極88は相互に接続され、列方向(例えば、副走査方向)に配置された複数の第2吐出電極90は相互に接続される。
ここで、一つの第1吐出電極88の行を高電圧レベルまたはフローティング(ハイインピーダンス)状態とし、一つの第2吐出電極90の列を高電圧レベルとして、一つの行と一つの列とをともにオン状態にすることにより、両者(行と列)が交差する1つの吐出部をオン状態にして、この吐出部からのインクの吐出を行うことができる。なお、この時、これらの第1および第2吐出電極88および90の一方が接地レベルの場合にはインクは吐出しない。このように、マトリクス状に配置される第1吐出電極88および第2吐出電極90をマトリクス駆動することができる。従って、第1および第2吐出電極88および90を駆動するヘッドドライバの数を大幅に減らすことができ、制御部58の構成をコンパクトにし、その実装面積を削減することができる。
一方、インクガイド84と対向する位置には、インク中の帯電した色材粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト32に保持されて配置される。上述したように、本実施形態において、記録媒体Pは負の高電圧に帯電されている。また、搬送ベルト32の記録媒体Pを保持する面は絶縁性のフッ素樹脂面であり、裏面は導電性の金属面であり、この金属面が導電性のベルトローラ34bを介して接地されている(図2参照)。
浮遊導電板92は、インク流路100の下方に配置され、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)となっている。図示例では、ヘッド基板82の内部に配置されている。
この浮遊導電板92は、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧が発生し、インク流路100内のインクQにおいて、その色材粒子を絶縁性基板86側へ泳動させて濃縮させるためのものである。従って、浮遊導電板92は、インク流路100よりもヘッド基板82側に配置される必要がある。また、浮遊導電板92は、吐出部の位置よりもインク流路100の上流側に配置される方が好ましい。この浮遊導電板92により、インク流路100内の上層の色材粒子の濃度を高めるため、絶縁性基板86の貫通孔98を通過するインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド84の先端部分84aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
以上のように構成される2層電極構造の吐出電極を持つ本実施形態の吐出ヘッド80においては、例えば、第2吐出電極90に、常時、所定の電圧、例えば600Vを印加し、第1吐出電極88を、画像データに応じて接地状態(オフ状態)とハイインピーダンス状態(オン状態)とに切り換えることにより、それぞれ第2吐出電極90に印加される高電圧レベルと同極性に帯電した顔料等の色材粒子を含むインクQ(インク液滴R)の吐出/非吐出を制御することができる。すなわち、吐出ヘッド80では、第1吐出電極88が接地レベルの状態(オフ状態)では、インクガイド84の先端部分84a近傍の電界強度が低く、インクQはインクガイド84の先端部分84aからは飛び出さず、第1吐出電極88がハイインピーダンス状態(オン状態)になると、インクガイド84の先端部分84a近傍の電界強度が高くなり、インクガイド84の先端部分84aに濃縮したインクQは静電力によって先端部分84aから飛び出す。このとき、条件を選ぶことによって更に濃縮を行うこともできる。
このような2層電極構造においては、第1吐出電極88をハイインピーダンス状態と接地レベルとの間でスイッチングすることができるので、スイッチングのために大電力を消費しない。従って、本実施形態によれば、高精細かつ高速性が要求されるインクジェットヘッドにおいても、消費電力を大幅に削減することができる。
なお、第1吐出電極88を、画像データに応じて、接地レベル(オフ状態)と高電圧レベル(オン状態)との間でスイッチングさせて、吐出/非吐出を制御してもよい。本実施形態の吐出ヘッド80では、第1吐出電極88または第2吐出電極90の一方が接地レベルの場合にはインクが吐出せず、第1吐出電極88がハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2吐出電極90が高電圧レベルの場合にだけインクが吐出する。
また、本実施形態では、画像信号に応じて、第1および第2吐出電極88および90にパルス電圧を印加し、両電極ともに高電圧レベルとなった時に、インク吐出を行うようにしても良い。
なお、第1吐出電極88または第2吐出電極90のどちらかで、または、両方で、インク吐出/非吐出の制御を行うかは特に制限的ではないが、第1吐出電極88または第2吐出電極90の一方が接地レベルの場合には、インクQが吐出せず、第1吐出電極88がハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2吐出電極90が高電圧レベルの場合にだけインクQが吐出するようにするのが良い。
また、記録媒体Pを例えば−1.6kVに帯電し、第1吐出電極88および第2吐出電極90の何れか一方または両方が負の高電圧(例えば−600V)の時にはインクが吐出せず、第1吐出電極88および第2吐出電極90の両方が接地レベル(0V)の場合にだけインクが吐出するようにしても良い。
また、本実施形態によれば、吐出部を2次元的に配置し、マトリクス駆動するため、行方向の複数の吐出部を駆動する行ドライバおよび列方向の複数の吐出部を駆動する列ドライバの個数を大幅に削減することができる。従って、本実施形態によれば、2次元配列される吐出部の駆動回路の実装面積および消費電力を大幅に削減することができる。また、本実施形態によれば、各吐出部間を比較的余裕をもって配置することができるため、各吐出部間での放電の危険性を極めて低減することができ、高密度実装と高電圧を安全に両立させることができる。
なお、上述した静電吐出型吐出ヘッド80のように、第1および第2吐出電極88および90からなる2層電極構造の吐出電極を用いるものでは、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部間に電界干渉が生じることがある。このため、本実施形態のように、隣接するインクガイド84への電気力線を遮蔽するために、隣接する吐出部の第1吐出電極88間に、ガード電極96を設けるのが好ましい。
ガード電極96は、隣接する吐出部の第1吐出電極88の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド84の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。図5(a)、(b)および(c)は、それぞれ図4(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図である。図5(a)に示すように、ガード電極96は、全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第1吐出電極88に相当する部分が穿孔されている(図4参照)。なお、本実施形態において、ガード電極96を設ける理由は、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部の電界の状態によって自分自身の吐出部の発生する電界が影響を受け、ドットサイズおよびドットの描画位置が乱れ、記録品質に悪影響を及ぼす場合があるからである。
ところで、ガード電極96の図中上側には、貫通孔98を除いて絶縁層94cによって覆われ、ガード電極96と第1吐出電極88との間には、絶縁層94bが介在し、両電極96と88とを絶縁している。すなわち、ガード電極96は、絶縁層94cと絶縁層94bとの間に配置され、第1吐出電極88は、絶縁層94bと絶縁性基板86との間に配置される。
すなわち、図5(b)に示すように、絶縁性基板86の上面には、従って、絶縁層94bと絶縁性基板86との間には、各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第1吐出電極88が2次元的に配列されており、列方向の複数の第1吐出電極88が相互に接続されている。
また、図5(c)に示すように、絶縁層94aの上面には、従って、絶縁性基板86の下面には、すなわち、絶縁層94aと絶縁性基板86との間には(図4参照)、各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第2吐出電極90が2次元的に配列されており、行方向の複数の第2吐出電極90が相互に接続されている。
また、本実施形態において、各吐出部の吐出電極、例えば第1および第2吐出電極88および90からのインク流路100方向への反発電界を遮蔽するために、第1および第2吐出電極88および90の流路側にシールド電極を設置しても良い。
さらに、本実施形態の吐出ヘッド80においては、インク流路100の底面を構成すると共に、第1吐出電極88および第2吐出電極90に印加されるパルス電圧によって定常的に生じる誘導電圧により、インク流路100内の正に帯電したインク粒子(荷電粒子、すなわち帯電微粒子)を上方へ向けて(すなわち記録媒体P側に向けて)泳動させる浮遊導電板92が設けられている。また、浮遊導電板92の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することを防止する。絶縁性被覆膜の電気抵抗は、1012Ω・cm以上が望ましく、より望ましくは1013Ω・cm以上である。また、絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性であることが望ましく、これにより浮遊導電板92がインクに腐食されることが防止される。また、浮遊導電板92は、下方から絶縁部材で覆われており、このような構成により、浮遊導電板92は、完全に電気的絶縁浮遊にされている。
浮遊導電板92は、吐出ヘッドの1ユニットにつき1個以上である(例えば、C、M、Y、Kの4つの吐出ヘッドがあった場合、浮遊導電板数は最低各1個ずつ有し、CとMの吐出ヘッドユニット間で共通の浮遊導電板とすることはない)。
上述した実施形態においては、第1および第2吐出電極88および90として、吐出部毎に円形電極等を設け、それぞれ行および列方向に接続しているが、本発明はこれに限定されず、全ての吐出部を独立にして、個々に駆動するようにしても良いし、第1および第2吐出電極88および90の一方を全ての吐出部に共通のシート状電極(貫通孔98部分は穿孔されている)としても良い。
また、上記実施形態においては、吐出電極を第1および第2吐出電極88および90の2層電極構造としているが、本発明はこれに限定されず、単層電極構造の吐出電極としても良い。単層吐出電極は、絶縁性基板86のどちらの表面に配置させても良いが、記録媒体P側に設けるのが好ましい。また、単層電極を用い、電気回路的にマトリクス駆動を行ってもよい。このような駆動方法は、例えば、特開平11−268275号公報に記載されている。各色の吐出ヘッドは、例えば以上のような構成ものである。
それぞれの吐出ヘッドは、その吐出部の配列方向が、記録媒体Pの搬送方向に直交する方向と一致するように配置され、各色の吐出ヘッドは記録媒体Pの搬送方向に沿って一列に配置されている。また、それぞれの吐出ヘッドは、そのインクの吐出部が、プラテン36が配置された位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に、搬送ベルト32上に静電吸着されて搬送されてくる記録媒体Pの表面と所定の一定間隔となるように配置されている。またそれぞれの吐出ヘッドの吐出部の配列方向は記録媒体Pの搬送方向と略並行に配置してもよい。この場合には吐出ヘッドを記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に主走査しながら吐出を行い、その後に記録媒体Pを一定量のみ搬送することを繰り返すシリアルスキャンを行う。
前述の通り、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面は、記録媒体Pの帯電装置38により、所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(約−1.5kV)が印加された状態である。また、各色の吐出ヘッドの吐出部の吐出電極には、後述するインクジェットヘッド56印加用のパルス電圧印加装置(図示省略)により、記録時に画像データに応じたパルス電圧が印加される。
各色の吐出ヘッドでは、記録媒体Pに、常に一定のDCバイアス電圧(約−1.5kV)が印加された状態で、パルス電圧として、高電圧(400〜600V)が印加された場合にはインクの吐出が行われ、低電圧(0V)が印加された場合にはインクの吐出は行われない。各色の吐出ヘッドから吐出されたインクは、負の高電位に帯電された記録媒体Pに引っ張られて記録媒体P上に付着し、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
なお、本実施形態では、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面に、常に一定のDCバイアス電圧を印加し、吐出電極には、記録時に画像データに応じたパルス電圧を印加しているが、対向電極側を接地し、後述するインクジェットヘッド56印加用のDCバイアス電圧印加装置により、各色の吐出ヘッドの吐出部の吐出電極側に、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、1.5kV)を印加するようにしてもよい。
インク循環系60は、インクタンク64と、ポンプ(図示省略)と、インクの供給路および回収路66とを備えている。インクタンク64は、筐体22内部の底面上に配置され、インクの供給路および回収路66を介してインクジェットヘッド56と接続されている。
インクタンク64内には、各色の色材粒子と、これを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク64内の各色のインクは、ポンプにより、インクの供給路66を介して、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、ポンプにより、インクの回収路66を介して各色のインクタンク64内に回収される。
本発明の静電式インクジェットヘッドおよび静電式インクジェット記録装置においては、インクとして、粒径0.1〜5μm程度の着色荷電粒子(着色帯電微粒子成分)をキャリア液中に分散したものを用いる。なお、インク中には、着色荷電粒子とともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を、適宜含有させてもよい。キャリア液は、高い電気抵抗率(109 Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上、また、好ましくは1016Ω・cm以下)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であることが好ましい。電気抵抗率の高いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けることを少なくでき、荷電粒子(帯電微粒子成分)の濃度を高めることができ、荷電粒子を濃縮することができる。また、電気抵抗率の高いキャリア液は、隣接する記録電極間での電気的導通の防止にも寄与し得る。また、このような程度の電気低効率の液体からなるインクを用いると、低電界下でも、インクの吐出を良好に行うことができる。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。このような比誘電率の範囲とすることによって、誘電性液体中の荷電粒子に有効に電界が作用され、泳動が起こりやすくなる。それにより、溶媒の分極を抑え、電界が緩和されることを抑えることができ、滲みの少ない良好な画像濃度のドットを形成することができる。
本発明の静電式インクジェットヘッドに用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
上記の誘電性液体(非水溶媒)中に、分散される着色粒子は、色材自身を分散粒子として誘電性液体中に分散させてもよいし、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
インク中に分散されたインク粒子、すなわち、着色粒子(微粒子)は、樹脂 (粒子)と色材(粒子)とを含むものであるのが好ましい。
ここで、インク中に分散されたインク粒子の含有量(着色粒子および/または樹脂粒子の合計含有量)は、印刷画像濃度、均一な分散液の形成、吐出ヘッドでのインクの目詰まりの抑制という観点から、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましい。
また、誘電性溶媒中に分散された着色粒子および/または樹脂粒子等のインク粒子の平均粒径は、0.1μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
なお、インク中のインク粒子(分散樹脂粒子および/または着色粒子あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電または負荷電の検電性粒子である。
これらのインク粒子に検電性を付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能である。具体的には、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の検電材料および他の添加剤を用いることで行われる。
また、インク組成物として、粘度は、0.5〜5mPa・secの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secの範囲である。着色粒子は、荷電を有し、必要に応じて電子写真用液体現像剤に用いられている種々の荷電制御剤が使用でき、その荷電量は5〜200μC/gの範囲が望ましく、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化する事もあり、下記に定義する分配率Pが、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インク組成物の電気伝導度、σ2は、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインク組成物とすることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
一方、インク組成物の電気伝導度σ1は、100〜3000pS/cmの範囲が好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmの範囲である。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。また、インク組成物の表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
記録媒体Pの位置検出装置62は、フォトセンサ等の従来公知の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、帯電装置38とインクジェットヘッド56との間の位置で、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。
位置検出装置62により記録媒体Pの位置が検出され、その位置情報は制御部58に供給される。
制御部58は、筐体22内部の図中右面に取り付けられている。制御部58は、インクジェットヘッド56のヘッドドライバを備えており、インクジェットヘッド56と駆動信号ケーブルを介して接続されて、インクジェットヘッド56のインクの吐出動作を制御する吐出制御部として機能する。制御部58には、外部装置から画像データが入力され、位置検出装置62から記録媒体Pの位置情報が入力される。そして、制御部58により、記録媒体Pの位置情報に従って、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
また、図2には示されていないが、制御部58には、外部の電気回線に接続される電気的接続部が接続されている。制御部58は、インクジェットヘッド56を制御するためのヘッド特性を、外部からこの電気的接続部を介して取得するヘッド特性取得手段としても機能する。これらの構成および作用の詳細は後述する。
記録媒体Pは、搬送手段14により、インクジェットヘッド56の前を所定の速度で搬送されつつ、記録手段16により、その表面に4色印刷が行われてフルカラー画像が記録される。
続いて、溶媒回収手段18について説明する。
溶媒回収手段18は、インクジェットヘッド56から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ68と、排出ファン70とを備えている。活性炭フィルタ68は、筐体22の上蓋(開閉扉)22aの裏面に取り付けられ、排出ファン70は、活性炭フィルタ68の上に取り付けられている。
筐体22内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン70により、活性炭フィルタ68を介して筐体22の外部に排出される。その際、筐体22内部の空気中に含まれる分散溶媒成分は、活性炭フィルタ68によって吸着除去される。
以下、インクジェット記録装置10の動作を説明する。
インクジェット記録装置10では、画像の記録時に、給紙トレイ24に収納された記録媒体Pがフィードローラ26により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対30により挟持搬送されて搬送ベルト32上の所定位置に供給される。
搬送ベルト32上に供給された記録媒体Pは、帯電装置38により負の高電位に帯電され、搬送ベルト32の表面に静電吸着される。
搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに所定の一定速度で移動されつつ、インクジェットヘッド56により、その表面に画像データに対応した画像が記録される。
画像記録後の記録媒体Pは、除電装置40により除電され、分離爪42により搬送ベルト32から分離され、ガイド44に沿って定着ローラ対46に供給される。そして、定着ローラ対46により挟持搬送されつつ、記録された画像が加熱定着され、排出トレイ28内に積層された状態でストックされる。
次に、再び図1を参照して、インクジェット記録装置10の制御方法について詳細に説明し、インクジェット記録装置10の作用を説明する。
図1には、インクジェット記録装置10として、図2のインクジェット記録装置10の制御部58周辺の構成のみを詳細に示してある。図1に示すように、制御部58には、インクジェットヘッド56と、電気的接続部74と、ヘッド位置移動手段76とが接続されている。また、電気的接続部74は、外部の電気回線2に接続されている。また、インクジェットヘッド56のインク吐出側、すなわち図中左側には、図2に示した搬送ベルト32、プラテン36が、また、インクジェットヘッド56の記録媒体Pの搬送方向の上流側、すなわち図中下側には帯電装置38が示されている。
インクジェットヘッド56の各吐出部には、吐出手段として、上述したように、吐出電極を構成する第1吐出電極88および第2吐出電極90が設けられており、本実施形態においては、画像信号に応じて、所定の電圧およびパルス幅の駆動電圧が、所定の動作タイミングで印加されることにより、駆動電圧が印加された吐出部(ノズル部)から、その駆動電圧の状態に応じてインクが吐出される。
電気的接続部74は、制御部58にインクジェットヘッド56が接続された際に、電気的接続状態となり、制御部58と外部の電気回線2とを接続させる。これにより、制御部58とサーバ4との間でデータの送受が可能となる。なお、制御部58とサーバ4とのデータの送受の終了後には、電気的接続部74による電気的接続状態を解除するのも好ましい。このように、電気的接続部74を、インクジェットヘッド56が制御部58に接続された時から所定時間のみ作動し、データの送受を行っていない時には絶縁状態とすることにより、インクジェット記録装置10内における放電や漏電等の危険を回避することができる。また、電気的接続部74は、インクジェットヘッド56と制御部58とを接続する駆動信号ケーブルから遠ざけて配置するのが好ましい。これは、駆動信号ケーブルに高レベルのパルス電圧電流が流れること等による電気的影響によるデータの送受のミス等を防止するためである。
ヘッド位置移動手段76は、インクジェットヘッド56が取り付けられ、制御部58からの指示によって、インクの吐出方向、すなわち、インクジェットヘッド56と搬送ベルト32との距離を変化させる方向にインクジェットヘッド56を移動させて、その位置を補正するものである。ヘッド位置移動手段76としては、例えば、スライドガイド、リードスクリュー等の公知のガイド機構と、モータやエアシリンダ等の公知の駆動機構とを備えたもの等を用いることができる。
制御部58は、インクジェットヘッド56が接続されると、接続されたインクジェットヘッド56の識別情報をインクジェットヘッド56から取得し、電気的接続部74によって制御部58が電気回線2に接続されると、インクジェットヘッド56の識別情報を電気回線2を介してサーバ4に送信する。
また、制御部58は、サーバ4によって、インクジェットヘッド56の識別情報に応じて記憶手段6から読み出され、電気回線2を介して送信されたインクジェットヘッド56のヘッド特性を、電気的接続部74を介して受信して取得し、これに基づいて、インクジェットヘッド56を制御する。
記憶手段6には、上述したように、1つ以上のインクジェットヘッドのヘッド特性が予め記憶されている。ヘッド特性は、インクジェットヘッドの製造時における加工のバラツキ等に起因する各ヘッド間の吐出性能のバラツキ、および、同一ヘッド内の各ノズル間の吐出性能のバラツキを補正して、バラツキのない所定のインク吐出状態でインク吐出を行うように、インクジェットヘッド56等を制御するためのデータである。
ここで、ヘッド間の吐出性能のバラツキを補正するためのデータとしては、インクジェットヘッド56等のインク吐出方向に対する位置を補正するための位置補正量が記憶されている。すなわち、インクジェットヘッド56と対向電極としての搬送ベルト32(その上に保持された記録媒体P)との距離(ギャップ)が所定値となるようにインクジェットヘッド56の位置を補正するための位置補正量が記憶されている。
インクジェット記録装置10において、インクジェットヘッドからのインクの吐出量、詳しくは、インク中の色材成分である帯電微粒子の吐出量は、インクジェットヘッド56の吐出電極と対向電極上の記録媒体Pとの間の電界強度によって変化する。すなわち、吐出電極と対向電極上に保持された記録媒体Pとのギャップが小さい時には、電界強度が強くなってインクの吐出量が多くなり、逆に、ギャップが大きい時には、電界強度が弱くなってインクの吐出量が少なくなる。また、吐出電極と対向電極との間の電界強度が強いほど、非吐出時(吐出待機時)に、吐出部に色材粒子が濃縮されるので、吐出されるインク中の色材粒子の割合が多くなり、すなわちインク濃度が高くなる。
従って、インクジェットヘッド56を移動させてインクジェットヘッド56と搬送ベルト32とのギャップを補正することによって、インクジェットヘッド56からのインクの吐出量(インク中の色材粒子の量)および濃縮度を補正することができ、それにより、画像データに応じた適切な濃度で画像を記録することができる。
また、インクジェット記録装置10は、搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pをインクジェットヘッド56の位置に移動させることにより、記録媒体P上に画像を記録するので、インクジェットヘッド56と記録媒体Pとのギャップが異なると、インクジェットヘッド56から吐出されたインク液滴Rの記録媒体P上の着弾位置が異なる。
従って、インクジェットヘッド56と搬送ベルト32とのギャップを補正することによって、インク液滴Rの着弾位置、すなわち画像ドット位置を補正することができ、位置ずれを補正することができる。
一方、ノズル間の吐出性能のバラツキを補正するためのデータとしては、インクジェットヘッド56(吐出ヘッド80)の各吐出部における第1吐出電極88に印加される駆動電圧と、それにより記録される画像の濃度との関係、および、記録ドット位置との関係が記憶されている。具体的には、所定の濃度および記録ドット位置を得るように、駆動電圧、駆動信号のパルス幅および動作タイミングのうちの1つ以上を各ノズル毎に補正するためのデータが記憶されている。
インクジェットヘッド56において、駆動電圧が変化すると、吐出部の電界強度が変化して、吐出されるインク量が変化する。また、駆動信号のパルス幅、すなわち駆動電圧のパルス幅が変化すると、吐出部のインクに静電力が掛かる時間が変化してインク吐出量が変化する。インク吐出量の変化は画像記録媒体上に記録される画像の濃度に影響する。
従って、駆動電圧およびパルス幅の少なくとも一方を変化させることによって、インク吐出量を調整し、画像濃度を補正することができる。
また、駆動信号の動作タイミング、すなわち駆動電圧の印加タイミングが変化すると、吐出部に静電力が加わるタイミングが変化し、それによって吐出のタイミングが変化する。吐出タイミングの変化は、画像記録媒体上の記録ドットの位置に影響する。
従って、駆動電圧の動作タイミングを変化させることによって、インクの吐出タイミングを調整し、記録ドット位置を補正することができる。
このようなインク吐出状態の調整を1ヘッド内の各吐出部について行うことにより、ノズル間の吐出性能のバラツキを補正することができる。また、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッド80においてインク吐出状態を調整することにより、各色の吐出ヘッド間の吐出性能のバラツキを補正できる。
図6は、制御部58によるインクジェットヘッド56(吐出ヘッド80)の駆動制御方法を説明するブロック図である。
図6に示すように、制御部58は、インクジェットヘッド56のヘッドドライバとして、信号電圧源102、補正手段104および変更手段106を有している。また、インクジェットヘッド56の各吐出部には吐出手段である第1吐出電極88が配置されている。
信号電圧源102は、図示しない画像信号供給源から画像信号を受け取り、その画像信号に従って、インクジェットヘッド56に設けられたn個の吐出部のそれぞれに対する信号電圧(駆動電圧)(v1,v2,v3,・・・vn)を補正手段104へ送る。
補正手段104は、信号電圧源102からの駆動電圧を、予め設定された補正LUT(f1、f2、f3,・・・fn)によって、信号振幅、信号パルス幅および信号タイミングのうちの1以上を補正変換して補正駆動電圧(v1’,v2’,v3’,・・・vn’)とし、インクジェットヘッド56の第1吐出電極88に印加する。
変更手段106は、電気的接続部74と接続されており、電気的接続部74を介して得たデータによって補正手段104を設定する。
次に、制御部58(変更手段106)によるヘッド位置移動手段76およびインクジェットヘッド56(吐出ヘッド80)の制御方法を、図7のフローチャートに沿って説明する。
まず、制御部58にインクジェットヘッド56が新たに接続されたことが検知されると、ステップS1からステップS2に移行し、S2が肯定されて、S3へ進む。
ステップS3では、電気的接続部74によって、制御部58が電気回線2に接続され、インクジェットヘッド56の識別情報が電気的接続部74を介して送信される。
ステップS4では、送信した識別情報に応じて送られてきたインクジェットヘッド56のヘッド特性、すなわちヘッド位置補正データ、並びに、駆動電圧、駆動信号のパルス幅および動作タイミングの補正データが受信される。
ステップS5では、ステップS4で受信されたヘッド特性の、ヘッド位置補正データを基にヘッド位置移動手段76が制御され、インクジェットヘッド56が移動されてその位置が補正される。
ステップS6では、ステップS4で受信されたヘッド特性のうちの、駆動電圧、制御信号のパルス幅および動作タイミングの補正データを基に、補正手段104の補正LUTが変更される。
以上により、制御部58(変更手段106)による処理が終了する(ステップS7)。
これにより、インクジェットヘッド56の位置は、所定のインク吐出量が得られる位置に補正される。その結果、ヘッド間のバラツキは補正されて、インクジェットヘッド56によって、画像信号に応じた適切な濃度で、記録媒体P上の正確な位置に画像記録(印刷)を行うことができる。
また、補正手段104には、インクジェットヘッド56の吐出性能に応じた補正LUTが設定される。この補正LUTによって信号電圧源102からの駆動電圧が補正されることで、インクジェットヘッド56の吐出性能に対応した補正駆動電圧が得られ、これが第1吐出電極88に印加されることにより、インクジェットヘッド56の各吐出部から、画像データに応じた適切なインク吐出が行われる。すなわち、インクジェットヘッド56の各吐出部からは、画像信号に応じて吐出されるべき量のインクRが吐出されるべきタイミングで吐出される。その結果、ノズル間のバラツキは補正されて、インクジェットヘッド56によって、画像信号に応じた適切な濃度で、位置ずれの少ない高画質な画像の記録を行うことができる。
このように、本発明によれば、インクジェット記録装置10にインクジェットヘッド56を取り付けた際に、電気回線2を介して、インクジェットヘッド56のヘッド特性が取得されるので、インクジェット記録装置10においてインクジェットヘッド56の吐出性能を測定したり、インクジェットヘッド56を制御するためのデータを作成する必要がなく、取得されたヘッド特性に基づいて、インクジェットヘッド56の吐出を適切に制御することができ、高画質な画像記録を安定して行うことができる。
なお、電気的接続部74による制御部58と電気回線2との接続、制御部58によるヘッド特性の受信、インクジェットヘッド56の位置の補正、並びに、変更手段106による補正手段104の変更は、制御部58にインクジェットヘッド56が接続された時に行われるが、これ以外にも、インクジェットヘッド56が調整やクリーニングのために一旦離脱され再度装着された時、ユーザからの指示があった時、あるいは、装置電源がONにされた時等にも行うようにしてもよい。
また、本実施形態においては、制御部58が、インクジェットヘッド56が取り付けられた際に、インクジェットヘッド56の識別情報を送信し、その製造時または出荷時の吐出性能に応じたヘッド特性を取得しているが、インクジェットヘッド56の識別情報に合わせてインクジェットヘッド56が使用される環境の情報も送信し、インクジェットヘッド56の識別情報および使用環境情報に応じたヘッド特性を取得するようにしてもよい。インクジェットヘッド56が使用される環境の温度や湿度等が異なることにより、インクジェットヘッド56で使用されるインクの物性が変化する場合等には、上記のように、使用環境に応じたヘッド特性に基づいてインクジェットヘッド56を制御することにより、吐出を一層正確にかつ安定して行うことができる。
この場合、記憶手段6には、インクジェット記録装置10等において使用される各インクジェットヘッドのヘッド特性を、使用環境毎に記憶しておき、サーバ4が、識別情報と使用環境情報に応じたヘッド特性を記憶手段6から読み出し、インクジェット記録装置10等に送信してもよいし、記憶手段6には各インクジェットヘッドのヘッド特性を記憶しておき、サーバ4が、使用環境情報に応じてそのヘッド特性を変更し、インクジェット記録装置10等に送信してもよい。
なお、上記のように、ヘッド特性として、ヘッド位置補正データと、駆動電圧、駆動信号のパルス幅および動作タイミングの補正データとを用い、吐出性能のヘッド間のバラツキおよびノズル間のバラツキの両方を補正するのが好ましいが、本発明はこれには限定されず、ヘッド間のバラツキおよびノズル間のバラツキのいずれか一方を補正するものであってもよい。また、ノズル間のバラツキを補正するためのデータとして、駆動電圧、駆動信号のパルス幅および動作タイミングの補正データのうちの1つまたは2つを用いるものとしてもよい。
なお、本実施形態では、記憶手段6は、ノズル間のバラツキを補正するためのヘッド特性として、インクジェットヘッド56の各ノズルを個々に制御するためのヘッド特性を記憶しているが、本発明はこれに限定されず、複数のノズルの吐出状態を平均的に補正するヘッド特性、あるいは、1つの吐出ヘッド80の全ノズルにおいて平均的に補正するヘッド特性を記憶していてもよい。また、記憶手段6は、ヘッド特性として、このようなヘッド特性に加え、吐出不能なノズルの情報等、当初からの不具合の情報、さらに、インクジェットヘッド56の吐出部の形状寸法等を記憶させ、補正手段104を設定する際には、これらの情報を利用するものとしてもよい。
また、ヘッド特性のデータの形態は特に限定されず、データ列や関数式であってもよいし、駆動電圧を制御するためのデータとしては、例えば、パルス幅と濃度の関係を表すLUT等であってもよい。あるいは、制御部58に補正手段104および変更手段106を有さず、記憶手段6に、インクジェットヘッド56の制御プログラムを記憶しておき、制御部58によって、その制御プログラムを実行することにより、信号電圧源102からの電圧を制御して、インクジェットヘッド56を制御するものとしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
上記では、ヘッド間における吐出性能のバラツキを補正するために、インクジェットヘッド56と対向電極としての搬送ベルト32とのギャップを補正することにより、インクジェットヘッド56の吐出電極と搬送ベルト32上の記録媒体Pとの間の電界強度を補正して、インクジェットヘッド56からのインクの吐出量を制御したが、本実施形態は、記録に供される記録媒体Pの帯電電位を補正することにより、吐出電極と記録媒体Pとの間のバイアス電位を補正して、すなわち、吐出電極と記録媒体Pとの間の電界強度を補正して、インクジェットヘッド56からのインクの吐出量を制御するものである。
図8は、本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態であるインクジェット記録装置10aの、制御部58周辺の構成を示す模式的概念図である。図8に示す例は、図1の例が有していない帯電ユニット78を有し、図1の例が有しているヘッド位置移動手段76を有していない点以外は、基本的に同様の構成を有しているので、同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
図8に示す制御部58には、インクジェットヘッド56と、電気的接続部74と、帯電ユニット78が接続されている。制御部58は、インクジェットヘッド56が接続された際に電気的接続部74によって電気回線2に接続され、電気回線2を介して得られたデータに基づいて帯電ユニット78を制御する。
帯電ユニット78は、記録媒体Pの記録方向に対してインクジェットヘッド56よりも上流側で、かつ、帯電装置38の下流側に配置され、帯電装置38によって搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面電位が所定の電位となるように、記録媒体Pの帯電電位を補正する。帯電ユニット78としては、帯電装置38と同様のスコロトロン帯電器や、コロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針などの種々の帯電手段を用いることができる。帯電ユニット78は、制御部58に接続されており、制御部58からの指示に従って、記録媒体Pを所定の電位に帯電させる。
本実施形態においては、記憶手段6には、ヘッド特性として、ヘッド間の吐出性能のバラツキを補正するために、記録媒体Pを所定の電位に帯電させるように補正するためのデータが記憶されている。
上述したように、静電式インクジェット記録装置において、インクジェットヘッドからのインクの吐出量、詳しくは、インク中の色材成分である色材粒子の吐出量は、吐出電極と対向電極上の記録媒体Pとの間の電界強度によって変化する。吐出電極と記録媒体Pとの電位差が大きければインクの吐出量が多くなり、また、インク濃度が高くなり、逆に、吐出電極と記録媒体Pとの電位差が小さければインクの吐出量が少なくなる。従って、帯電ユニット78による記録媒体Pの帯電電位を補正することによって、インクジェットヘッド56からのインクの吐出量を補正することができる。
また、ノズル間の吐出性能のバラツキを補正するためのデータとして、上記の例と同様に第1吐出電極88に印加される駆動電圧の振幅、パルス幅および動作タイミングの補正データが記憶されている。
なお、記録媒体Pを所定の負の高電圧に帯電させて搬送ベルト32に静電吸着させる機能を有する帯電装置38と、インクジェットヘッド56の吐出性能を補正するように記録媒体Pの帯電電位を補正するための帯電ユニット78とは、1つの帯電手段で構成されるのも好ましい。
次に、インクジェット記録装置10aにおける、制御部58による帯電ユニット78およびインクジェットヘッド56の制御方法を、図9のフローチャートに沿って説明する。
まず、制御部58にインクジェットヘッド56が新たに接続されたことが検知されると、ステップS11からステップS12に移行し、S12が肯定されて、S13へ進む。
ステップS13では、電気的接続部74によって、制御部58が電気回線2に接続され、インクジェットヘッド56の識別情報が電気的接続部74を介して送信される。
ステップS14では、送信した識別情報に応じて送られてきたインクジェットヘッド56のヘッド特性、すなわち帯電電位補正データ、並びに、駆動電圧の振幅、パルス幅および動作タイミングの補正データが受信される。
次に、ステップS15では、ステップS14で受信されたヘッド特性のうちの帯電電位補正データを基に帯電ユニット78が制御され、記録媒体Pの帯電電位が変更されて補正される。
次に、ステップS16では、ステップS14で受信されたヘッド特性のうちの駆動電圧の振幅、パルス幅および動作タイミングの補正データを基に、補正手段104(図6参照)の補正LUTが変更される。以上により、制御部58(変更手段106)による処理が終了する(ステップS17)。
これにより、記録媒体Pがインクジェットヘッド56の吐出性能に応じて所定の電位に帯電されるので、インクジェットヘッド56と記録媒体Pとの間に所定の電界を形成することができ、インクジェットヘッド56から所定量のインクを吐出させることができるので、画像信号に応じた適切な濃度の画像記録(印刷)を行うことができる。
また、上記の例と同様に、ノズル間のバラツキも補正でき、適切な濃度で、位置ずれの少ない高画質な画像を記録できる。
以上の各例では、インクジェット記録装置10および10aが、ヘッド位置移動手段76および帯電ユニット78のいずれか一方を有し、制御部58がヘッド位置移動手段76または帯電ユニット78を制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、インクジェット記録装置10等が、ヘッド位置移動手段76および帯電ユニット78の両方を有していてもよい。この場合、例えば、ヘッド位置移動手段76によって画像記録位置を制御し、帯電ユニット78によってインク吐出量を制御することもできる。
なお、上述の例では、インク中の色材粒子を正帯電させ、記録媒体あるいは記録媒体の背面の対向電極を負の高電圧にして、吐出したインクジェットによって画像記録を行うインクジェット式記録装置について説明したが、本発明はこれには限定されず、逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させ、記録媒体または対向電極を正の高電圧にして、インクジェットによる画像記録を行っても良い。このように、色材粒子の極性を上記の例と逆にする場合には、静電吸着手段、対向電極、静電式インクジェットヘッドの吐出電極への印加電圧極性等を上記の例と逆にすれば良い。
また、本実施例においては、各吐出部に第1吐出電極88および第2吐出電極90を備えた2層電極構造とし、上述した各駆動方式によってインクジェットヘッドの安定した駆動を可能としているが、本発明のインクジェットヘッドはこれには限定されず、吐出電極を単層電極構造としてもよいし、3層以上の電極構造としてもよい。
また、本発明は、図2に示すインクジェット記録装置10に限定されるわけではなく、その具体的な構成は、図示例のものに何ら制限されない。
また、本発明は、静電式のインクジェット記録装置に限定されるわけではなく、例えば、上記のうち、ノズル間の吐出性能のバラツキを補正する方法、および、インクジェットヘッドの位置を補正することによりヘッド間の吐出性能のバラツキを補正する方法は、サーマル式、ピエゾ式等のインクジェット記録装置にも好適に利用可能である。
以上、本発明に係るインクジェット記録装置およびその制御方法について詳細に説明したが、本発明は上記種々の実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のインクジェット記録装置とその制御方法を説明する構成概念図である。 本発明のインクジェット記録装置の一実施形態の構成概略図である。 図2に示すインクジェットヘッドで使用されている各色の吐出ヘッドの一実施形態の概略構成を示す模式的部分斜視図である。 (a)は、図3に示す吐出ヘッドの一部を示す模式的断面図であり、(b)は、図4(a)のIV−IV線切断面図である。 (a)、(b)および(c)は、それぞれ図4(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図である。 図1のインクジェット記録装置10におけるインクジェットヘッドの制御方法を説明するブロック図である。 図1のインクジェット記録装置10の制御方法を説明するフローチャートである。 本発明インクジェット記録装置の他の実施形態の制御部周辺の構成を概念的に示す模式図である。 図8のインクジェット記録装置10aの制御方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
2 電気回線
4 サーバ
6 記憶手段
10,10a,10b インクジェット記録装置
32 搬送ベルト
36 プラテン
38 帯電装置
56 インクジェットヘッド
58 制御部
74 電気的接続部
76 ヘッド位置移動手段
78 帯電ユニット
80 吐出ヘッド
88 第1吐出電極
90 第2吐出電極
102 信号電圧源
104 補正手段
106 変更手段

Claims (12)

  1. インクジェットヘッドと、
    外部の電気回線に接続される電気的接続部と、
    前記インクジェットヘッドの識別情報に応じて外部から前記電気的接続部を介してヘッド特性を取得するヘッド特性取得手段と、
    前記ヘッド特性取得手段によって取得されたヘッド特性に基づき前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御する吐出制御部とを有するインクジェット記録装置。
  2. 前記ヘッド特性は、駆動電圧、前記駆動信号のパルス幅および前記駆動信号の動作タイミングの少なくとも1つを制御するためのデータまたはプログラムであり、
    前記吐出制御部は、これらのデータまたはプログラムに応じて、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吐出制御部は、前記データまたはプログラムに応じて、前記インクジェットヘッドのノズル間の吐出特性を補正することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 帯電した色材粒子を含むインクを用い、静電力により前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置であり、
    前記ヘッド特性が、前記インクの吐出方向に対する前記インクジェットヘッドの位置のデータまたはプログラムであり、
    前記吐出制御部が、このデータまたはプログラムに応じて、前記インクジェットヘッドの位置を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 帯電した色材粒子を含むインクを用い、静電力により前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置であり、
    前記ヘッド特性が、前記記録媒体の帯電電位のデータまたはプログラムであり、
    前記吐出制御部が、このデータまたはプログラムに応じて、前記記録媒体の帯電電位を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記電気的接続部は、前記インクジェットヘッドがインクジェット記録装置に装填された際に、外部の電気回線に接続され、
    前記ヘッド特性取得手段は、前記インクジェットヘッドの出荷時の前記ヘッド特性を取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記ヘッド特性取得手段は、前記インクジェットヘッドの識別情報および前記インクジェットヘッドが使用される環境の情報に応じて、前記ヘッド特性を取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. インクジェットヘッドを制御するためのヘッド特性を、前記インクジェットヘッドの識別情報に応じて、外部の電気回線に接続される電気的接続部を介して外部より取得し、
    取得した前記ヘッド特性に基づき、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するインクジェット記録装置の制御方法。
  9. インクジェットヘッドの識別情報を、外部の電気回線に接続される電気的接続部から前記電気回線を介して外部データベースに送信し、
    前記外部データベースにおいて前記インクジェットヘッドの識別情報に応じて選択され送信されたヘッド特性を、前記電気的接続部を介して受信し、
    受信した前記ヘッド特性に基づき、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するインクジェット記録装置の制御方法。
  10. 画像信号に応じて発生される駆動信号に応じて、前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御するインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記ヘッド特性は、駆動電圧、前記駆動信号のパルス幅および前記駆動信号の動作タイミングの少なくとも1つを制御するためのデータまたはプログラムである請求項8または9に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  11. 帯電した色材粒子を含むインクを用い、静電力により前記インクジェットヘッドからのインクの吐出を制御し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記ヘッド特性は、前記インクの吐出方向に対する前記インクジェットヘッドの位置、および、前記記録媒体の帯電電位の少なくとも一方を補正するためのデータである請求項8〜10のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  12. 前記インクジェットヘッドが接続された際に、前記インクジェットヘッドの識別情報、もしくはさらに前記インクジェットヘッドが使用される環境の情報を、前記電気的接続部から電気回線を介して外部データベースに送信し、
    前記外部データベースから送信された、前記インクジェットの識別情報、もしくはさらに前記インクジェットヘッドが使用される環境の情報に応じた、前記インクジェットヘッドの出荷時の前記ヘッド特性を、前記電気的接続部を介して受信する請求項8〜11のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。
JP2003332132A 2003-09-24 2003-09-24 インクジェット記録装置およびその制御方法 Withdrawn JP2005096210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003332132A JP2005096210A (ja) 2003-09-24 2003-09-24 インクジェット記録装置およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003332132A JP2005096210A (ja) 2003-09-24 2003-09-24 インクジェット記録装置およびその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005096210A true JP2005096210A (ja) 2005-04-14

Family

ID=34460569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003332132A Withdrawn JP2005096210A (ja) 2003-09-24 2003-09-24 インクジェット記録装置およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005096210A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008273136A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Sony Corp 印刷装置、サーバー、印刷特性改善方法及びコンピュータプログラム
US7722145B2 (en) 2006-12-28 2010-05-25 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Ink jet head driving apparatus and ink jet head driving method
JP2016203394A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッド、情報処理装置、及び吐出速度補正方法
WO2023203865A1 (ja) * 2022-04-21 2023-10-26 株式会社Sijテクノロジ 液滴吐出装置およびマルチノズルヘッドの調整方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7722145B2 (en) 2006-12-28 2010-05-25 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Ink jet head driving apparatus and ink jet head driving method
JP2008273136A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Sony Corp 印刷装置、サーバー、印刷特性改善方法及びコンピュータプログラム
US8614828B2 (en) 2007-05-07 2013-12-24 Sony Corporation Print apparatus, server, method for improving print characteristics, and computer program therefor
JP2016203394A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッド、情報処理装置、及び吐出速度補正方法
WO2023203865A1 (ja) * 2022-04-21 2023-10-26 株式会社Sijテクノロジ 液滴吐出装置およびマルチノズルヘッドの調整方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4354786B2 (ja) インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置
US7275812B2 (en) Ink jet head and recording apparatus using the same
US7475957B2 (en) Ink jet recording apparatus and method of controlling the same
JP4371783B2 (ja) インク濃度検出方法、インク濃度検出装置、およびこれを用いるインクジェット記録装置
JP2005096210A (ja) インクジェット記録装置およびその制御方法
JP2006175645A (ja) インクジェット画像形成装置
JP4362057B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP4371872B2 (ja) インク補充装置、インクジェット記録装置およびインク補充方法
JP2005305962A (ja) インクジェット記録方法
US7419248B2 (en) Ink jet head and ink jet recording apparatus
US7118196B2 (en) Ink jet recording method
US20050116994A1 (en) Ink jet recording method and ink jet recording apparatus
JP2004291578A (ja) 静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法
JP2005041062A (ja) 静電式インクジェットヘッド、静電式インクジェット記録装置および静電式インクジェット記録装置の制御方法
JP2005028708A (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP4482325B2 (ja) 濃度検出方法、濃度検出装置、およびインクジェット記録装置
JP2005074977A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2005186398A (ja) インクジェット記録装置
JP2004284306A (ja) 画像定着方法および装置
JP2005047049A (ja) インクジェット記録装置
JP2005119258A (ja) インクジェット記録装置
JP2005041026A (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置およびインクジェットヘッド制御方法
JP2006175644A (ja) インクジェット画像形成装置
JP2005186526A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2005074754A (ja) インクジェットヘッドおよびそれを用いる記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061205