JP2005074977A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク液滴を安定して記録媒体P上の正確な位置に着弾させることができ、レジズレや色ズレ等のない高画質な画像を高精度に形成できる静電式のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクの電気伝導度、粘度およびインク中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量の少なくとも1つに応じて、インクの吐出タイミングを調整することにより上記課題を解決する。
【選択図】図5

Description

本発明は、静電界を利用してインク組成物を吐出させる静電式のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
静電式のインクジェット記録方式は、帯電した色材粒子を分散媒に分散してなるインク組成物(以下、インクとする)を用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの各々の吐出部に所定の電圧を印加することにより、静電力を利用してインクの吐出を制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録するものである。
この静電式のインクジェット記録方法を採用するインクジェット記録装置としては、例えば特許文献1に開示のインクジェット記録装置が知られている。
図7に、特許文献1に開示される静電式インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの概念図を示す。
このインクジェットヘッド110は、ヘッド基板112と、インクガイド114と、絶縁性基板116と、制御電極118と、対向電極120と、DCバイアス電圧源122と、パルス電圧源124とを備えている。
絶縁性基板116には、インクを吐出するためのノズル(貫通孔)126が形成される。このノズル126の配列方向に延在してヘッド基板112が設けられ、貫通孔の対応する位置のヘッド基板112上にはインクガイド114が配置される。インクガイド114は、ノズル126を貫通して、先端部分114aが絶縁性基板116の記録媒体P側の表面よりも上部に突出している。
ヘッド基板112と絶縁性基板116とは所定の間隔を離して配置されており、両者の間にはインクQの流路128が形成されている。
制御電極118に印加される電圧と同極性に帯電した色材粒子を含むインクQは、図示していないインクの循環機構により、このインク流路128内を例えば図中右側から左側へ向かって循環され、各ノズル126にインクが供給される。
制御電極118は、絶縁性基板116の記録媒体P側の面の表面に、ノズル126の周囲を囲むようにリング状に設けられている。また、制御電極118は、画像デ−タに応じてパルス電圧を発生するパルス電源124に接続され、このパルス電源124は、DCバイアス電源122を介して接地されている。
このような静電式のインクジェット記録においては、制御電極118にDCバイアス電源122によりバイアス電圧が印加されている状態では、対向電極120とのバイアス電圧とインク中の帯電した色材粒子とのクーロン引力、インク(分散媒)の粘性、表面張力、色材粒子間の反発力、インク供給の流体圧力等が連成して、図7に示すように、インクがノズル126から若干盛り上がったメニスカスとなってバランスが取れている。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子が泳動してメニスカス近傍に移動し、すなわち、インクが濃縮された状態となっている。
制御電極118にパルス電源124により駆動電圧が印加され、吐出オン状態とされると、バイアス電圧と駆動電圧とが重畳され、その結果、インクQは記録媒体P(対向電極)側に吸引されて、略円錐状のいわゆるテーラコーンが形成される。
電圧印加開始後、時間が経過すると、色材粒子に作用するクーロン引力と分散媒の表面張力とのバランスが崩れ、曳糸と呼ばれる直径数μm〜数十μm程度の細長いインク液柱が形成される。さらに時間が経過すると、曳糸が成長し、その先端が分断して、インクの液滴が吐出し、記録媒体Pに吸引されて飛翔する。
特開平10−138493号公報
静電式のインクジェット記録装置においては、通常、各制御電極118にパルス電圧を印加してインク液滴の吐出のオン/オフを行い、記録画像に応じたオンデマンドのインク液滴の吐出を行う。
ここで、曳糸の分断周波数は、1ドットのインク液滴を吐出させるための電圧印加周波数(制御電極118の駆動周波数)よりも遥かに高く、1回のパルス電圧の印加時間内で、曳糸の分断が連続して多数回発生する。また、曳糸から分断されて生じたインク液滴は、曳糸径に対応した非常に小さなものとなっている。すなわち、記録媒体P上における1ドットは、曳糸分断による微細な多数の液滴で形成される。静電式のインクジェット記録装置では、これを利用して、1ドットの形成における電圧の印加時間(パルス幅)を制御することにより1ドットを形成する液適量(数)を調整し、記録媒体P上におけるドット径の均一性の向上、ドット径の意図的な調整を利用した濃度階調制御等を行い、画像記録の高階調化を図ることが可能である。
しかしながら、静電式のインクジェット記録方式は、このような優れた特性を有する反面、制御電極118への電圧の印加からテーラーコーンの形成、曳糸の形成、曳糸の成長および曳糸の分断までの過程で、様々な要因によりインクの挙動が影響を受け、そのため、インク液滴の吐出までの時間が不安定となって、記録媒体上におけるインク液滴の着弾位置が変動してしまう。その結果、記録画像にレジズレを生じてしまったり、フルカラー画像の場合には色ズレを生じてしまうことがあり、高画質化を図る上で問題となっている。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、インク液滴を安定して記録媒体P上の正確な位置に着弾させることができ、例えば、複数のインクを用いて画像形成を行う場合にも、色ズレ等のない高画質な画像を高精度に形成できる静電式のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、溶媒中に帯電した色材粒子を分散させたインクに静電力を作用させることにより、画像データに応じてインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクの電気伝導度、粘度および前記インク中の前記色材粒子の単位質量当たりの荷電量の少なくとも1つに応じて、前記インクの吐出タイミングを調整することを特徴とするインクジェット記録方法を提供するものである。
ここで、前記インクとして2色以上のインクを用い、各色の前記インク間の吐出タイミングを調整するのが好ましい。
また、本発明は、溶媒中に帯電した色材粒子を分散させたインクに静電力を作用させることにより、画像データに応じてインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
前記インクのインク情報を記憶する記憶手段および前記インクのインク特性を計測する計測手段の少なくとも一方と、
前記記憶手段から得たインク情報および前記計測手段から得たインク特性の少なくとも一方に応じて、前記インクの吐出タイミングを調整する調整手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置を提供するものである。
ここで、前記インク特性は、前記インクの電気伝導度、粘度、および、前記インク中の前記色材粒子の単位質量当たりの荷電量の少なくとも1つであるのが好ましい。
また、前記調整手段は、前記記憶手段から得た前記インクのインク種に応じた吐出タイミングの調整値を基に、前記インクの吐出タイミングを調整するのが好ましい。
また、2色以上のインクの吐出手段を備え、前記調整手段は、各色の前記インク間の吐出タイミングを調整するのが好ましい。
本発明の静電式のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置によれば、インク特性に応じてインクの吐出タイミングを調整するので、安定して記録媒体の正確な位置にインク液滴を着弾させることができる。そのため、色ズレやレジズレのない高画質な画像を形成することができる。
また、本発明によれば、1種類のインクにおけるロット間での物性の差や、経時的な物性の変化によらず、常に、レジズレのない高精度な画像記録を行うことができる。
以下、本発明のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
以下では、静電式のインクジェット記録装置において、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行うが、本発明はこれには限定されず、逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させたものを用いてもよい。その場合は、記録に作用する各部の極性を以下の例とは逆にすればよい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法を実施する本発明のインクジェット記録装置の一実施形態の構成概略図である。同図に示すインクジェット記録装置10(以下、記録装置10とする)は、静電力により、帯電した色材粒子(着色荷電粒子)を含むインクの吐出を制御し、記録媒体(記録用紙)P上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色印刷をしてフルカラー画像を記録するもので、記録媒体Pの保持手段12、搬送手段14および記録手段16と、溶媒回収手段18と、筐体22とを備えている。
記録媒体Pの保持手段12は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ24と、フィードローラ26と、記録後の記録媒体Pを保持する排出トレイ28とを備えている。
給紙トレイ24は、その先端部が給紙トレイ24の装着部(図中筐体22の左面下部)の内部に挿入され、装着部の所定位置に着脱可能なものである。給紙トレイ24が装着部に完全に装着された状態では、その挿入方向の先端部が装着部の奥端部に接触し、給紙トレイ24の後端部は筐体22の外部に突出した状態で装着される。また、フィードローラ26は、給紙トレイ24の装着部の奥部近傍に配置されている。
給紙トレイ24内には、記録前の記録媒体Pが複数枚積層されてストックされる。画像の記録時には、フィードローラ26により、記録媒体Pが給紙トレイ24から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段14に供給される。
排出トレイ28は、記録媒体Pの排出部(図中筐体22の左面の中央部)の近傍に、その先端部側(記録媒体Pの搬送方向側)が筐体22の外部に位置し、その後端部側が筐体22の内部に位置するように配設されている。また、排出トレイ28は、その先端部が後端部よりも低くなるように、所定の傾斜角度で配設されている。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段14により搬送されて排出部から排出され、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
続いて、記録媒体Pの搬送手段14について説明する。
搬送手段14は、記録媒体Pを静電吸着し、給紙トレイ24から排出トレイ28まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ローラ対30と、搬送ベルト32と、ベルトローラ34a、34b、34cと、プラテン36と、記録媒体Pの帯電装置38および除電装置40と、分離爪42と、ガイド44と、定着ローラ対46とを備えている。なお、搬送手段14としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ローラ対や搬送ベルト等の通常の搬送手段が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されている。
搬送ローラ対30は、記録媒体Pの搬送経路上の、フィードローラ26と搬送ベルト32との間の位置に設けられている。
フィードローラ26により給紙トレイ24から取り出された記録媒体Pは、この搬送ローラ対30により挟持搬送され、搬送ベルト32上の所定の位置に供給される。
記録媒体Pの帯電装置38は、スコロトロン帯電器48と、負の高圧電源50とを備えている。スコロトロン帯電器48は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ローラ対30と記録手段16との間の位置で、搬送ローラ対30により、記録媒体Pが供給される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、負の高圧電源50の負側の端子はスコロトロン帯電器48に接続され、その正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源50に接続されたスコロトロン帯電器48により所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。また、これにより、記録媒体Pは搬送ベルト32の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
搬送ベルト32は、ループ状のエンドレスベルトであり、3つのベルトローラ34a、34b、34cによって三角形状に張架されている。また、ベルトローラ34bおよび34cの間の、記録手段16のインクジェットヘッドに対向する位置にある搬送ベルト32の内側には、平板状のプラテン36が配置されている。プラテン36は、ベルトローラ34bおよび34cの外周を結ぶ線よりヘッド側に張り出すように配置することにより、ベルトにヘッド方向に向かう張力を付与し、ベルトのばたつきを抑えても良い。
搬送ベルト32は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性(絶縁シート32b)、ベルトローラ34a、34b、34cと接触する側の面(裏面)が導電性(電極基板32a)のものである。ベルトローラ34bは接地されており、これにより、記録手段16のインクジェットヘッドに対向する位置の搬送ベルト32は、インクジェットヘッドの対向電極として機能する。
ベルトローラ34a、34b、34cのうちの少なくとも1つは図示していない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト32は、記録時に図中の矢印方向へ移動する。従って、搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに移動し、記録手段16の前を副走査搬送される。
記録媒体Pの除電装置40は、コロトロン除電器52と、交流電圧源53と、高圧電源54とを備えている。コロトロン除電器52は、記録媒体Pの搬送経路上の、記録手段16のインクジェットヘッドと分離爪42との間の位置で、記録後の記録媒体Pが搬送される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、高圧電源54の一端は交流電圧源53を介してコロトロン除電器52に接続され、他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、高圧電源54に交流電圧源53を介して接続されたコロトロン帯電器52により除電される。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32から分離されやすくなる。
また、分離爪42、ガイド44、および定着ローラ対46は、記録媒体Pの搬送経路上の、除電装置40の下流側にこの順に配置されている。
除電装置40により除電された記録媒体Pは、分離爪42により搬送ベルト32上から分離され、ガイド44に沿って定着ローラ対46に供給される。定着ローラ対46は、ヒートローラを備えるローラ対であり、記録媒体Pは、定着ローラ対46により挟持搬送されつつ、その上に記録された画像は、接触加熱され定着される。定着後の記録媒体Pは排出部から排出され、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
続いて、記録媒体Pの記録手段16について説明する。
記録手段16は、静電力により、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するものであり、インクジェットヘッド56と、制御部58と、インク循環系60と、記録媒体Pの位置検出装置62とを備えている。
インクジェットヘッド56は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の吐出ヘッド56C,56M,56Y,56Kを備えている。インクジェットヘッド56は、帯電した色材粒子を含むインクの吐出を静電力により制御する方式のものである。この吐出ヘッドの構造および作用については後に詳述する。
記録媒体Pの位置検出装置62は、フォトセンサ等の従来公知の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、帯電装置38とインクジェットヘッド56との間の位置で、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。位置検出装置62により記録媒体Pの位置が検出され、その位置情報は制御部58に供給される。
制御部58は、筐体22内部の図中右面に取り付けられている。制御部58は、インクジェットヘッド56と駆動信号ケーブルを介して接続されており、インクジェットヘッド56のインクの吐出動作を制御する。制御部58には、外部装置から画像データが入力され、位置検出装置62から記録媒体Pの位置情報が入力され、さらに、後述するインクの計測手段72からインクQのインク特性が入力される。制御部58は、画像データおよび記録媒体Pの位置情報に応じてインクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドからの吐出のオン/オフを制御すると共に、計測手段72によるインクQのインク特性に従って、各色の吐出ヘッドからの吐出タイミングを制御する。
記録媒体Pは、搬送手段14により、インクジェットヘッド56の前を所定の速度で副走査搬送されつつ、インクジェットヘッド56から画像データに応じて各色のインクが吐出され、その表面に4色印刷が行われてフルカラー画像が記録される。
インク循環系60は、インクタンク64と、ポンプ(図示省略)と、インクの供給路および回収路66とを備えている。図示例では、インクタンク64は、筐体22内部の底面上に配置され、インクの供給路および回収路66を介してインクジェットヘッド56と接続されている。
インクタンク64内には、各色の色材粒子と、これを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが備えられている。インクタンク64内の各色のインクQは、ポンプにより、インクの供給路66を介して、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクQは、ポンプにより、インクの回収路66を介して各色のインクタンク64内に回収される。
インクタンク64の各色のインクタンクの内部には、各色のインクQの物性値(電気伝導度、粘度、および、前記インク中の前記色材粒子の単位質量当たりの荷電量)を計測し、インクQの特性を得るための計測手段72がそれぞれ備えられている。この計測手段72は、制御部58に接続されており、計測手段72による計測結果は制御部58に送られる。また、図示しないが、インクタンク64には、新しいインクの供給機構、インクタンク64内のインクの攪拌装置等が適宜設けられている。
ここで、記録装置10で使用されるインクQについて説明する。
本発明においては、インクQとして、粒径0.1μm〜5μm程度の色材粒子(着色荷電粒子)をキャリア液(分散媒)中に分散してなるインク組成物を用いる。なお、インクQ中には、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子が適宜含有されていてもよい。
キャリア液は、高い電気抵抗率(109 Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上、また、好ましくは1016cm以下)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。
キャリア液として、電気抵抗率の高い誘電性液体を使用すると、制御電極に印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けることを少なくすることができ、色材粒子を濃縮することができる。また、電気抵抗率の高いキャリア液は、隣接する吐出部間での電気的導通の防止にも寄与し得る。しかも、上記範囲の電気抵抗率のキャリア液からなるインクを用いると、低電界下でも、インクの吐出を良好に行うことができる。
他方、キャリア液の比誘電率は、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下であり、かつ、その下限値は1.9程度であるのが望ましい。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に電界が有効に作用し、その泳動が起こりやすくなる。これにより、溶媒の分極を抑え、電界の緩和を抑えることができ、滲みの少ない良好な画像濃度のドットを形成することができる。
キャリア液としては、好ましくは、直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、これらの炭化水素のハロゲン置換体等を用いることができる。
具体的には、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等が例示され、これらを単独あるいは混合して用いることができる。
インクQは、一例として、色材粒子をキャリア液(誘電性液体)中に分散させ、荷電制御剤を添加して色材粒子を荷電させることによって、調整することができる。
色材粒子は、色材をそのままキャリア液中に分散させてもよく、もしくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を添加してからキャリア液中に分散させてもよい。
分散樹脂粒子を添加する際には、色材が顔料の場合には、色材を樹脂材料で被覆して樹脂被覆した色材粒子とする方法等が一般的であり、色材が染料の場合には、分散樹脂粒子を色材で着色して色材粒子とする方法等が一般的である。
色材粒子の含有量は、印刷画像濃度、均一な分散液の形成、ヘッドにおけるインクの目詰まりの抑制という観点から、インクQ全体に対して0.5重量%〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5重量%〜25重量%、さらに好ましくは3重量%〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。
色材としては、従来から、インクジェット用インク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、静電写真用液体現像剤等に用いられている顔料および染料であれば、どれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。
色材として用いる顔料としては、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料等、従来公知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
また、色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
また、色材粒子の平均粒径には特に限定は無いが、好ましくは0.1μm〜5μm、より好ましくは0.2μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。なお、この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
色材粒子をキャリア液に分散させた後、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、インク吐出のための制御電極に印加される制御電圧と同極性となるように、正電荷および負電荷のいずれかに荷電される。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5μC/g〜200μC/g、より好ましくは10μC/g〜150μC/g、さらに好ましくは15μC/g〜100μC/gの範囲である。
ここで、荷電制御剤の添加によってキャリア液の電気抵抗が変化する事もあるため、下記に定義する分配率Pが、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上であるのがよい。このようなインクQを用いることによって、色材粒子の泳動が起こりやすくなり、インクが濃縮しやすくなる。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インク組成物の電気伝導度、σ2は、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。
なお、電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また、遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
一方、インクQ(インク組成物)の電気伝導度σ1は、100pS/cm〜3000pS/cmの範囲が好ましく、より好ましくは150pS/cm〜2500pS/cm、さらに好ましくは200pS/cm〜2000pS/cmの範囲である。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、制御電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの粘度は、好ましくは0.5mPa・sec〜5mPa・sec、より好ましくは0.6mPa・sec〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7mPa・sec〜2.0mPa・secである。
さらに、インクQの表面張力は、好ましくは15mN/m〜50mN/m、より好ましくは15.5mN/m〜45mN/m、さらに好ましくは16mN/m〜40mN/mである。表面張力をこの範囲とすることによって、制御電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
続いて、溶媒回収手段18について説明する。
溶媒回収手段18は、インクジェットヘッド56から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ68と、排出ファン70とを備えている。活性炭フィルタ68は、筐体22の図中上側の内壁面に取り付けられ、排出ファン70は、活性炭フィルタ68に取り付けられている。
筐体22内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン70により、活性炭フィルタ68を介して筐体22の外部に排出される。その際、筐体22内部の空気中に含まれる分散溶媒成分は、活性炭フィルタ68によって吸着除去される。
以下、記録装置10の動作を説明する。
記録装置10では、画像の記録時に、給紙トレイ24に収納された記録媒体Pがフィードローラ26により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対30により挟持搬送されて搬送ベルト32上の所定位置に供給される。
搬送ベルト32上に供給された記録媒体Pは、帯電装置38により負の高電位に帯電され、搬送ベルト32の表面に静電吸着される。
搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに所定の一定速度で副走査搬送されつつ、インクジェットヘッド56により、その表面に画像データに対応した画像が記録される。
画像記録後の記録媒体Pは、除電装置40により除電され、分離爪42により搬送ベルト32から分離され、ガイド44に沿って定着ローラ対46に供給される。そして、定着ローラ対46により挟持搬送されつつ、記録された画像が加熱定着され、排出トレイ28内に積層された状態でストックされる。
次に、記録装置10の記録手段16を構成するインクジェットヘッド56の構造およびインク吐出動作について詳細に説明する。なお、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドはいずれも同様の構造を有するので、ここでは、インクジェットヘッド56として、インクジェットヘッド56を構成する各色の吐出ヘッドの1つについて説明する。
図2は、インクジェットヘッド56における吐出ヘッド80の一実施形態を概念的に示す部分断面図である。吐出ヘッド80は、図3に概念的に示すように、多数の吐出部を二次元的に配置したマルチチャンネル構造のインクジェットヘッドであるが、図2には、構造を明瞭に示すために、吐出部の一部のみを示す。また、図2には、インク循環系60および搬送ベルト32も合わせて示してある。
図2および図3に示す吐出ヘッド80は、2層電極構造の吐出電極を持つ静電式のインクジェットであって、帯電された顔料等の色材粒子を含むインクQを静電力により吐出させて、画像データに応じた画像を記録媒体P上に記録するものであり、ヘッド基板81と、ノズル基板82と、インクガイド84とを備えている。吐出ヘッド80は、対向電極となる記録媒体Pを支持する搬送ベルト32と対向するように配置されている。
ヘッド基板81とノズル基板82は、互いに対面して所定の間隔離間して配置され、その間に、各吐出口にインクQを供給するためのインク流路100が形成されている。インクQは、帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク流路100内を所定方向(図示例では矢印a方向)に所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下では、インク中の色材粒子が正帯電されている場合を例に説明する。
ヘッド基板81は、全ての吐出部に共通なシート状の絶縁性基板であり、その表面には、電気的にフローティング状態である浮遊導電板92が設けられている。
浮遊導電板92には、画像の記録時に、後述する吐出部の制御電極に印加される制御電圧の電圧値に応じて誘起される誘導電圧が発生する。また、誘導電圧の電圧値は稼動チャンネル数に応じて自動的に変化する。この誘導電圧により、インク流路100内のインクQに含まれる色材粒子は付勢されてノズル基板82側に泳動し、すなわち、後述するノズル98のインクが、より好適に濃縮される。
なお、浮遊導電板92は必須の構成要素ではなく、必要に応じて適宜設けるのが好ましい。また、浮遊導電板92は、インク流路100よりもヘッド基板81側に配置されていればよく、例えばヘッド基板81の内部に配置してもよい。また、浮遊導電板92は、吐出部が配置される位置よりもインク流路100の上流側に配置される方が好ましい。また、浮遊導電板92に所定の電圧を印加するようにしても良い。
ノズル基板82は、ヘッド基板81と同様に全ての吐出部に共通なシート状の基板であり、絶縁性基板86と、第1制御電極88と、第2制御電極90と、ガード電極96と、絶縁層94a,94b,94cとの積層体である。また、ノズル基板82には、各インクガイド84に対応する位置に、インクの吐出口となるノズル98が貫通して開口している。
第1制御電極88および第2制御電極90は、それぞれ絶縁性基板86の図中上面および下面の表面に、各吐出部に対応するノズル98の周囲を囲むようにリング状に設けられた円形電極である。絶縁性基板86および第1制御電極88の表面には、その表面を保護すると共に平坦化する絶縁層94bが被覆され、同様に、絶縁性基板86および第2制御電極90の表面には、その表面を保護および平坦化する絶縁層94aが被覆されている。
なお、第1制御電極88および第2制御電極90はリング状の円形電極に限定されず、インクガイド84に臨むように配置される電極であれば、例えば略円形電極、分割円形電極、平行電極、略平行電極など、どのような形状であっても良い。
図3(a)、(b)および(c)は、それぞれガード電極96、第2制御電極90、および第1制御電極88の配置を表す一実施形態の構成概略図である。図3においては、行方向(主走査方向)の1行当り5個(1列、2列、3列、4列、5列)ずつ、かつ列方向(副走査方向)の1列当たり3個(A行、B行、C行)ずつの計15個の吐出部が、マトリクス状に配置された状態が示されている。
図3(b)に示すように、同じ列に配置された吐出部の第1制御電極88は、相互に接続されている。また、図3(c)に示すように、同じ行に配置された吐出部の第2制御電極90は、相互に接続されている。そして、詳細は後述するが、第1制御電極88および第2制御電極90は、吐出ヘッド80からの吐出を制御する制御部に接続されている。第1制御電極88および第2制御電極90には、この制御部によって、画像データに応じてインクQと同極性のパルス電圧が印加される。
各行の吐出部は、行方向に対して所定の間隔を離して配置される。
また、B行目の吐出部は、A行目の吐出部に対して、列方向に所定の間隔を有し、かつ、行方向に対して、それぞれA行目の吐出部とC行目の吐出部との間に配置されている。同様に、C行目の吐出部は、B行目の5個の吐出部に対して、列方向に所定の間隔を離して、かつ、行方向に対して、それぞれB行目の吐出部とA行目の吐出部との間に配置されている。このように、各行A,B,Cに含まれる各吐出部を、それぞれ行方向にずらして配置することにより、記録媒体Pに記録される1行は行方向に3分割される。
画像の記録時には、同一列に配置された第1制御電極88は同時かつ同一電圧レベルに駆動される。同様に、同一行に配置された5個の第2制御電極90は同時かつ同一電圧レベルに駆動される。
また、記録媒体Pに記録される1行は、行方向に対して、第2制御電極90の行数に相当する3つのグループに分割され、時分割で順次記録される。例えば、図3に示す例の場合、第2制御電極90のA行目、B行目、C行目を所定のタイミングで順次記録することにより、記録媒体P上に1行分の画像が記録される。また、この記録に対応して、第1制御電極88を画像データ(記録画像)に応じてパルス変調駆動して、インク液滴Rを吐出して、画像を記録する。
従って、図示例においては、記録媒体Pと吐出ヘッド80とを、列方向(主走査方向)に相対的に移動しつつ画像記録を行うことにより、行方向(副走査方向)に各行の有する記録密度の3倍の記録密度の画像記録を行うことができる。
なお、制御電極は、第1制御電極88および第2制御電極90の2層電極構造に限定されず、単層電極構造でもよいし、3層以上の電極構造としても良い。
ガード電極96は、全ての吐出部に共通なシート状の電極であり、図3(a)に示すように、各々の吐出部のノズル98の周囲に形成された第1制御電極88および第2制御電極90に相当する部分がリング状に開口している。また、絶縁層94bおよびガード電極96の表面には、その表面を保護するとともに、平坦化する絶縁層94cが被覆されている。ガード電極96は所定の電圧が印加されており、隣接する吐出部のインクガイド84の間に生じる電界干渉を抑制する役割を果たす。
なお、ガード電極96は必須の構成要素ではない。また、ノズル基板82には、第1制御電極88または第2制御電極90からのインク流路100方向への反発電界を遮蔽するために、第2制御電極90よりインク流路100側にシールド電極を設けても良い。
インクガイド84は、凸状の先端部分84aを持つ所定厚さのセラミック製平板である。図示例においては、同一行の吐出部のインクガイド84は、ヘッド基板81上の浮遊導電板92の上に配置された同じ支持体84bの上に所定の間隔で配置される。インクガイド84は、ノズル基板82に開孔されたノズル98を貫通し、先端部分84aをノズル基板82の記録媒体P側の最表面(絶縁層94cの図1中上側の表面)よりも上部に突出している。
インクガイド84の先端部分84aは、記録媒体Pを保持する搬送ベルト32に向かって漸次細くなる略三角形状(ないしは台形状)に成形されている。
なお、先端部分(最先端部)84aは、金属が蒸着されているのが好ましい。この先端部分84aの金属蒸着は必須の要素ではないが、これにより、先端部分84aの誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせ易くできるという効果がある。
なお、インクガイド84の形状は、インクQ内の色材粒子を先端部分84aに向けて泳動(すなわちインクQを濃縮)させることができれば、特に制限的ではなく、例えば先端部分84aは凸状でなくても良い等、自由に変更してもよい。また、インクの濃縮を促進するために、毛細管現象によってインクQを先端部分84aに集めるインク案内溝となる切り欠きを、インクガイド84の中央部分に図中上下方向に沿って形成しても良い。
なお、このような吐出ヘッド80は、記録媒体Pの一辺の全域に対応する吐出部列を有する、いわゆるラインヘッドであってもよく、あるいは、吐出ヘッド80の走査と記録媒体Pの断続的な搬送とを組み合わせる、いわゆるシャトルタイプのヘッドであってもよい。
各色の吐出ヘッドは、インクガイド84の先端部分84aが、搬送ベルト32によって搬送される記録媒体Pの表面と所定の間隔(例えば、200〜1000μm)となるように配置されている。
上述したように、画像の記録時には、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面は、帯電装置38(図1参照)によって、第1制御電極88および第2制御電極90に印加される高電圧と逆極性の所定の負の高電圧、例えば−1.5kVに均一に帯電されている。その結果、記録媒体Pは、第1制御電極88または第2制御電極90に対して負の高電圧にバイアスされるとともに、搬送ベルト32の絶縁シート32bに静電吸着されている。
なお、本実施形態では、搬送ベルト32を電極基板32aと絶縁シート32bとで構成し、記録媒体Pを帯電装置38によって負の高電圧に帯電させることにより、記録媒体Pに所定のバイアス電圧を印加するとともに記録媒体Pを絶縁シート32bの表面に静電吸着させているが、記録媒体Pの搬送ベルト32への静電吸着と、記録媒体Pへの負のバイアス高電圧の印加または搬送ベルト32への負のバイアス高電圧の印加とを別々の負の高電圧源によって行っても良いし、搬送ベルト32による記録媒体Pの支持は、記録媒体Pの静電吸着に限られず、他の支持方法や支持手段を用いても良い。
また、上述の例では、吐出ヘッド80において、第2制御電極90の各行を順次駆動し、第1制御電極88の各列を画像データに応じて駆動しているが、別の実施形態として、第1制御電極88と第2制御電極90とを逆の状態、すなわち第1制御電極88を1列毎に順次駆動し、画像データに応じて、第2制御電極90を駆動することも可能である。
この場合、列方向は、第1制御電極88の1列毎に駆動され、列方向のそれぞれの吐出部を中心として、その両側の列の吐出部の第1制御電極88は常に接地レベルになるため、この両側の列の吐出部の第1駆動電極36がガード電極96の役割を果す。このように、上層の第1制御電極88で各列を順次オンし、画像データに応じて下層の第2制御電極90を駆動する場合には、ガード電極96を設けなくても、隣接する吐出部の影響を排除し、記録品質を向上させることができる。
また、吐出ヘッド80において、第1制御電極88または第2制御電極90の一方、または両方で、インク吐出、非吐出の制御を行うかは何ら制限的ではない。すなわち、制御電極側のインク吐出、非吐出の時の電圧値と記録媒体P側の電圧値との差分が所定値よりも大きい場合にはインクが吐出し、所定値よりも小さい場合にはインクが吐出しないように、制御電極側および記録媒体P側の電圧を適宜設定すればよい。
以下、記録装置10におけるインク液滴Rの吐出制御方法を説明する。
なお、本実施形態では、インクQに分散される色材粒子は正荷電しており、従って、インク液滴Rを吐出するために第1制御電極88および第2制御電極90には正の電圧が印加され、記録媒体Pには負のバイアス電圧が帯電される。
画像記録に際しては、まず、インクQが、吐出ヘッド80のインク流路100内を図中右側から左側(図1中矢印a方向)に向かって所定の速度で循環する。
一方、記録媒体Pは、帯電装置38により、負の高電位(例えば、−1.5kV)に帯電され、搬送ベルト32の絶縁シート32bに静電吸着された状態で、図中紙面奥手側に所定の速度で搬送される。
記録媒体Pと吐出ヘッド80との間に所定のバイアス電圧のみが印加されている状態、すなわち、インク吐出の待機状態では、インクQには、バイアス電圧とインクQの色材粒子の荷電とのクーロン引力、色材粒子間のクーロン反発力、キャリア液の粘性、表面張力、誘電分極力等が作用し、これらが連成して、色材粒子やキャリア液が移動し、図4(a)に概念的に示すように、ノズル98から若干盛り上がったメニスカスが形成されて、その状態でバランスが保たれる。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。これにより、ノズル98のメニスカス先端部(記録媒体P側のメニスカス凸部)においては、インクQが濃縮された状態となっている。
記録時には、この状態から、インク液滴Rを吐出するためのパルス電圧が印加される。すなわち、図2に示す例においては、第1制御電極88および第2制御電極90が、制御部によって制御されて所定のパルス電圧が印加される。
第2制御電極90は、所定のタイミングで1行ずつ順番に、例えば400〜600Vの高電圧レベルまたはハイインピーダンス状態(オン状態)とされ、残りの全ての第2制御電極90は接地レベル(接地状態:オフ状態)に駆動される。また、第1制御電極88は、画像データに応じて、列単位で高電圧レベル(オン状態)または接地レベル(オフ状態)に駆動される。これにより、各々の吐出部におけるインクの吐出および非吐出が制御される。
すなわち、ある吐出部において、第1制御電極88および第2制御電極90の両方がオン状態とされると、その吐出部における電界強度がインク吐出に必要な所定値に達し、インクQがインク液滴Rとして吐出する。一方、第1制御電極88および第2制御電極90のいずれか一方でもオフ状態のときには、電界強度は所定値に達しておらず、インクQは吐出しない。
ここで、第1制御電極88および第2制御電極90の両方がオン状態とされたとき、すなわち、インク吐出動作開始時においては、バイアス電圧に所定の駆動電圧が重畳されることにより、先の連成運動に加えて、さらにこの駆動電圧の重畳によって連成された運動が起こり、電気泳動によって色材粒子およびキャリア液がバイアス電圧(対向電極)側すなわち記録媒体P側に引っ張られ、図4(b)に概念的に示すように、メニスカスが成長して、その上部から略円錐状のインク液柱いわゆるテーラーコーンが形成される。また、先と同様に、色材粒子は電気泳動によってメニスカスに移動しており、メニスカスの先端部は、インクQが濃縮され、色材粒子を多数有するほぼ均一な高濃度状態となっている。
パルス電圧の印加開始後、さらに有限な時間が経過すると、色材粒子の移動等により、電界強度の高いメニスカスの先端部分で、主に色材粒子とキャリア液の表面張力とのバランスが崩れ、メニスカスが急激に伸びて、図4(c)に概念的に示すように、曳糸と呼ばれる直径数μm〜数十μm程度の細長いインク液柱が形成される。
さらに有限な時間が経過すると、曳糸の成長、レイリー・ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断され、曳糸経に対応する非常に小さいインク液滴Rとなって吐出し、飛翔する。このインク液滴Rは、対向電極(図示例では記録媒体P)に引っ張られて、記録媒体Pの所定位置に着弾する。
1回のインク吐出動作が終了し、第1制御電極88および第2制御電極90の両方がオフ状態とされると、バイアス電圧のみが印加された図4(a)のメニスカスの状態に戻る。
吐出動作時における曳糸の成長および分断は、1パルス電圧の印加中に連続して発生する。曳糸からの液滴の分断周波数は、制御電極(図示例においては第1制御電極88)の駆動周波数(制御電極へのパルス電圧の印加周波数)よりも遥かに高い。また、メニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、1パルス電圧の印加中、連続的に行われている。
すなわち、この静電式のインクジェットによれば、1回のパルス電圧の印加に対応する1つのドットは、曳糸が分断されてなる微細な複数のインク液滴で形成される。
従って、1回のパルス電圧の印加時間(いわゆるパルス幅)を可変とし、これを制御することで、1回のパルス電圧の印加すなわち1ドットを形成する微細液滴の吐出量(数)を調整して、記録媒体P上におけるドット径の均一性の向上や、ドット径の調整を用いた濃度階調制御による画像記録の高階調化を図ることができる。
このように、インク吐出動作時において、第2制御電極90がオン状態の時に第1制御電極88が画像データに応じてパルス電圧が印加されオン状態とされると、ノズル98のメニスカス部分において、テーラーコーンの形成、曳糸の形成、曳糸の成長および曳糸の分断までの過程を経て、最初のインク液滴Rが吐出する。
従って、第1制御電極88へのパルス電圧の印加開始から最初のインク液滴Rが吐出するまでには僅かな時間差(遅れ)がある。この時間差は、吐出を不安定にする要因の1つであり、これがばらつくと吐出タイミングがばらついてしまう。
記録装置10においては、各色の吐出ヘッド(80)を備えるインクジェットヘッド56と記録媒体Pとが相対的に移動しながら各色のインク吐出が行われることにより、記録媒体P上にフルカラー画像が形成されるので、吐出タイミングがばらつくと、記録媒体P上におけるインク液滴Rの着弾位置(ドット位置)にずれを生じ、記録画像に色ズレやレジズレを生じてしまう。
本発明者(ら)は、研究の結果、パルス電圧の印加開始から最初のインク液滴Rが吐出するまでの時間差の程度は、インクQの特性、特に、電気電導度、粘度、インクQ中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量によって変化することを見出した。すなわち、インクの電気電導度が低い場合や、粘度が高い場合、インク中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量が低い場合には、インクの吐出タイミングが遅くなり、反対に、インクの電気電導度が高い場合、粘度が低い場合、あるいはインク中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量が高い場合には吐出タイミングが早くなることがわかった。
具体的には、例えば、2400dpiで描画を行う場合、1ドットは約16μmとなり、画質の点から、レジズレの許容範囲を好ましくは1/4ドット以下、より好ましくは1/8ドット以下とすると、許容レジズレ量は、好ましくは4μm、より好ましくは2μmとなる。
一方、使用するインクの標準電気伝導度が100nS/mのとき、この標準値から電気伝導度が10nS/m低下すると、吐出の遅れ時間は20μsとなる。印刷物の生産性(出力速度)を確保するために主走査速度を300mm/sとした場合、電気伝導度が10nS/mずれた場合のレジズレ量は6μmとなってしまう。すなわち許容レジズレ量を超えてしまう。
そこで、本発明の記録装置10においては、このようなインク特性に応じて駆動電圧の印加タイミングを調整することにより、インクの吐出タイミングを調整し、レジズレを許容範囲内に抑えることを可能にしている。
図5は、記録装置10におけるインク吐出の制御方法を説明するブロック図である。上述したように、制御部58には、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッド(80)と、位置検出装置62と、計測手段72とが接続されている。制御部58は、位置検出装置62からの記録媒体Pの位置情報に従って、各色の吐出ヘッド(80)による記録開始のタイミングを制御し、さらに、計測手段72からのインクQのインク特性に従って、各色のインク毎に、吐出ヘッド80からのインク吐出のタイミングを制御する。以下では、各色の吐出ヘッドの1つを取って、そのインク吐出の制御方法を説明する。
制御部58には、パルス電源74と、駆動制御手段76とが備えられており、駆動制御手段76の内部にはLUT78が備えられている。また、駆動制御手段76には、計測手段72と、位置検出装置62とが接続されている。
計測手段72は、インクタンク64内のインクQのインク特性として、インクの電気伝導度、粘度、および、インク中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量を計測するものである。計測手段72としては、公知の測定機器が利用される。
位置検出装置62は、図1に示して説明したように、記録媒体Pの搬送方向のインクジェットヘッド56の上流側に配置された記録媒体Pの位置検出手段である。
パルス電源74は、吐出ヘッド80において画像データに応じて駆動される制御電極、すなわち本実施形態においては第1制御電極88に、パルス状の駆動電圧を供給するものである。
駆動制御手段76は、外部から入力された画像データに応じてパルス電源74の駆動を制御し、第1制御電極88を変調駆動するためのパルス電圧(駆動電圧)をパルス電源74から出力させるものである。また、駆動制御手段76は、使用するインクのインク特性に応じて吐出タイミングを調整する調整手段としても機能する。
LUT78は、インク特性と吐出タイミングの調整量との関係を表すLUT(ルックアップテーブル)である。具体的には、LUT78は、インク特性に応じて、適切なタイミングで吐出ヘッド80からインクを吐出させるための、駆動電圧の印加タイミングの調整量を与えるテーブルである。LUT78は、実験による実測データ等を基に予め作成され、駆動制御手段76に設定されている。なお、LUT78は、インク特性に応じた吐出タイミングの調整量を得られるものであればよく、LUT78に代えて、計算式等の変換手段が備えられていてもよい。
画像記録に際しては、まず、計測手段72によって吐出ヘッド80に供給されるインクQのインク特性が計測され、計測結果がインク特性として駆動制御手段76に送られる。駆動制御手段76は、計測手段72からのインク特性を基にLUT78を参照し、駆動電圧の印加タイミングの調整量を取得する。
次に、駆動制御手段76に外部装置から画像データが入力され、位置検出装置62によって記録媒体Pが検出されると、駆動制御手段76は、該画像データを駆動制御信号に変換すると共に記録開始タイミングを決定し、さらに、LUT78によって得られた駆動電圧の印加タイミングの調整量に応じてパルス電源74を駆動して、第1制御電極88に駆動電圧を印加させる。
例えば、使用するインクQの電気伝導度が予め設定された基準値よりも低い場合には、インクQの曳糸の形成から成長、分断、インク液滴Rの吐出までに掛かる時間が通常よりも長くなり、吐出タイミングが遅くなるので、第1制御電極88に印加する駆動電圧の印加タイミングを所定時間早くすることにより、インク液滴Rを、記録媒体Pの副走査に応じた適正なタイミングで吐出させ、記録媒体P上の適正な位置に着弾させる。一方、インクQの電気伝導度が基準値よりも高い場合には、駆動電圧の印加タイミングを所定時間遅くする。
また、インクQの粘度が基準値よりも高い場合には駆動電圧の印加タイミングを所定時間早くし、粘度が低い場合には所定時間遅くする。
また、インクQの中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量が基準値よりも低い場合には駆動電圧の印加タイミングを所定時間早くし、荷電量が高い場合には所定時間遅くする。
このようにして、駆動制御手段76によってパルス電源74が駆動制御され、インクQのインク特性に応じたタイミングで駆動電圧が第1制御電極88に印加される。これにより、吐出ヘッド80からは、インクQに応じた適切なタイミングで、インク液滴Rが吐出する。
以上により、記録装置10においては、複数色のインクを用いてフルカラー画像を形成する際に、各色のインクの特性が異なっていた場合にも、各インクの特性に応じて吐出タイミングを調整することができるので、記録媒体P上での画像の書き出し位置がずれることなく、レジズレのない、良好なカラー画像を形成することができる。
なお、上記の例では、計測手段72は、好ましい態様として、インクQのインク特性として、インクの電気伝導度、粘度、および、インク中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量を計測し、そのデータをインク特性として駆動制御手段76へ送るものとしたが、本発明はこれには限定されず、これらのパラメータのうち少なくとも1つを測定し、インクQのインク特性としてもよい。
また、計測手段72によるインク特性の取得は、記録装置10の起動時、記録装置10の所定時間ごと、あるいはオペレータからの指示があった時等に行われればよい。計測手段72を備える本実施形態では、所定時間経過後にインク特性を計測することによって、インクQの物性が経時的に変化した場合にも、その変化に応じて吐出タイミングを調整することができるという利点がある。
また、吐出制御に必要なインクQの物性値を記録装置10において計測するので、インクタンク64のインクQについて、同じインク種のロット間で物性の変動があった場合や、異なるインク種のものに交換された場合にも、即時に対応できる。
次に、本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態について説明する。
上記では、インクタンク64の内部に備えられた計測手段72によって、使用するインクQの特性を計測し、計測されたインク特性を基に、インクの吐出タイミングを調整する形態について説明したが、インクQの特性を記録装置10において実測することなく、予め計測されたデータを基に、インクの吐出タイミングを調整してもよい。
図6は、本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態におけるインク吐出の制御方法を説明するブロック図である。図5に示す例との相違点は、駆動制御手段76に計測手段72に代えて記憶手段73が接続されている点である。他の構成要素は図5の例と同様であるので、同じ符号を付しその説明を省略する。
記憶手段73は、吐出ヘッド80において使用されるインクQのインク情報を記憶している。インクQのインク情報は、インク種毎のインク特性である。インク特性は、上述したように、インクの電気伝導度、粘度、および、インク中の色材粒子の単位質量当たりの荷電量である。
記憶手段73は、吐出ヘッド80において使用される1種類のインクのインク情報を記憶するものであってもよいし、複数種のインク情報を記憶し、使用されるインクの識別情報がオペレータ等によって外部から入力されることにより、該当するインク情報が選択されるものであってもよい。また、記憶手段73は、制御部58に着脱可能なものであってもよいし、データの追記や書き換えが可能なものであってもよい。
画像記録に際して、記憶手段73は、例えば、外部入力されたインクの名称等の識別情報に応じて、対応するインク情報を駆動制御手段76に送る。駆動制御手段76は、上述の例と同様に、記憶手段73からのインク情報を基にLUT78を参照し、駆動電圧の印加タイミングの調整量を取得する。
以下、上述の例と同様にして、駆動制御手段76において、画像データが駆動制御信号に変換されると共に記録開始タイミングが決定され、上記のようにして得られた駆動電圧の印加タイミングの調整量に応じてパルス電源74が駆動制御されて、駆動電圧が第1制御電極88に印加される。これにより、吐出ヘッド80からは、各色のインク液滴Rがそれぞれ適切なタイミングで吐出する。
なお、記憶手段73は、インクQのインク情報として、インク種毎のインク特性に代えて、インク種毎の吐出タイミングの調整値または調整量を記憶するものとしてもよい。この場合、記憶手段73は、入力されたインクの識別情報に対応する吐出タイミングの調整値として駆動電圧の印加タイミングの調整値を駆動制御手段76に送り、駆動制御手段76は、記憶手段73からの駆動電圧の印加タイミングの調整値に基づいて、パルス電源74を駆動制御すればよい。
先の例は、計測手段72を備えることにより、インクQのインク特性の経時的変化やロット間での変動にも対応可能であるという利点があるが、本例の記憶手段73を備える形態では、記録装置10においてインクQの特性を計測する必要がないので、装置を簡略化しながらも、インク吐出タイミングを適切に制御できるという利点がある。
なお、記録装置10は、上述の計測手段72および記憶手段73の両方を備えるものであってもよい。この場合、インクQの特性の初期データを記憶手段73から得るとともに、経時的に変化したインクQの特性を計測手段72によって得るようにしたり、記憶手段73および計測手段72から得られたインク特性のデータを複合し、あるいは選択して用いるなど、適宜使い分けることによって、記録装置10において常に高画質な画像を形成することができる。
なお、上記では、4色のインクを用いてフルカラー画像を形成するインクジェット記録装置について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置は、モノクロ画像を形成する記録装置やプレートセッター等の一種類のインクを用いる記録装置にも適用可能であり、インクのロット間差や、経時的な変化によってインクの物性に違いを生じた場合にも、常に一定のタイミングでインクが吐出されるので、レジズレを生じることなく、安定した画像形成が可能となるという効果を奏するものである。
以上、本発明のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明のインクジェット記録装置の一実施形態の構成概略図である。 本発明のインクジェット記録方法を実施するインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドの一例を概念的に示す部分断面図である。 (a)〜(c)は、図2に示すインクジェットヘッドの制御電極を説明するための概念図である。 (a)〜(c)は,本発明のインクジェット記録方法を説明するための概念図である。 図1のインクジェット記録装置におけるインク吐出の制御方法の一実施形態を説明するブロック図である。 本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態におけるインク吐出の制御方法を説明するブロック図である。 従来の静電式インクジェット記録を説明するための概念図である。
符号の説明
10 (インクジェット)記録装置
12 保持手段
14 搬送手段
16 記録手段
18 溶媒回収手段
22 筐体
24 給紙トレイ
26 フィードローラ
28 排出トレイ
30 搬送ローラ対
32 搬送ベルト
34a、34b、34c ベルトローラ
36 プラテン
38 帯電装置
40 除電装置
42 分離爪
44 ガイド
46 定着ローラ対
48 スコロトロン帯電器
50,54 高圧電源
52 コロトロン除電器
53 交流電圧源
56 インクジェットヘッド
58 制御部
60 インク循環系
62 位置検出装置
64 インクタンク
66 インクの供給路および回収路
68 活性炭フィルタ
70 排出ファン
72 計測手段
73 記憶手段
74 パルス電源
76 駆動制御手段
78 LUT
80 吐出ヘッド
81 ヘッド基板
82 ノズル基板
84 インクガイド
84a インクガイドの先端部分
84b 支持体
86 絶縁性基板
88,90 制御電極
92 浮遊導電板
94a,94b,94c 絶縁層
96 ガード電極
98 ノズル
100 インク流路

Claims (6)

  1. 溶媒中に帯電した色材粒子を分散させたインクに静電力を作用させることにより、画像データに応じてインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクの電気伝導度、粘度および前記インク中の前記色材粒子の単位質量当たりの荷電量の少なくとも1つに応じて、前記インクの吐出タイミングを調整することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インクとして2色以上のインクを用い、各色の前記インク間の吐出タイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 溶媒中に帯電した色材粒子を分散させたインクに静電力を作用させることにより、画像データに応じてインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記インクのインク情報を記憶する記憶手段および前記インクのインク特性を計測する計測手段の少なくとも一方と、
    前記記憶手段から得たインク情報および前記計測手段から得たインク特性の少なくとも一方に応じて、前記インクの吐出タイミングを調整する調整手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 前記インク特性は、前記インクの電気伝導度、粘度、および、前記インク中の前記色材粒子の単位質量当たりの荷電量の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記調整手段は、前記記憶手段から得た前記インクのインク種に応じた吐出タイミングの調整値を基に、前記インクの吐出タイミングを調整することを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 2色以上のインクの吐出手段を備え、
    前記調整手段は、各色の前記インク間の吐出タイミングを調整することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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