JP4365178B2 - インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
すなわち、静電式のインクジェットにおいて吐出部の高密度化を図るためには、各吐出部に対応して配置される吐出電極も高密度化せざるを得ない。ところが、静電式のインクジェットでは、吐出電極を高密度に形成すると、隣接する吐出部間で電界干渉を生じて、吐出するインク液滴のサイズや飛翔方向にバラつきが生じてしまい、正確な記録が行えないという問題があった。
このインクジェット記録装置では、ガード電極に、駆動電圧より低く、かつ、吐出電極との間で放電しない程度に高い電圧を印加することによって、隣接する吐出電極間の電界干渉等を抑制している。
しかも、静電式のインクジェットでは、インク液滴の吐出のために、非常に高い駆動電圧を吐出電極に印加する必要があり、場合によっては、1000Vを超える駆動電圧を吐出電極に印加する必要がある。このような高い駆動電圧が必要な場合には、前記構成を有する特許文献1のインクジェット記録装置では、例えば、吐出電極の外周側の端部から発生する電気力線を遮蔽することができず、隣接する吐出部間での電界干渉を効果的に防止できない場合もある。
また、駆動電圧を高くしなくても吐出on時における十分なインク液滴の吐出性を確保した上で、記録媒体(対向電極)にかかるバイアス電圧を低くし、および/または、吐出性の低いインク(例えば、低電導度のインク)を用いることができるので、吐出off時における吐出性を低くすることができる。すなわち、吐出on時と吐出off時における吐出性の差を大きくして、より安定したインク液滴の吐出を行うことができる。
しかも、本発明によれば、駆動電圧を低くできるので、隣接する吐出電極間における電界干渉を低減できるのに加え、好ましくは、吐出電極とは異なる層において、基板平面方向の吐出電極間に、絶縁層に覆われたガード電極を有することにより、両者の相乗効果によって、より好適に吐出電極間での電界干渉を防止でき、しかも、インクの色材粒子の被膜化等に起因する吐出電極とガード電極間における放電も防止することができる。
同図に示す静電式のインクジェットヘッド10は、ヘッド基板12と、インクガイド14と、吐出口28を有する吐出口基板16とを有して構成される。ヘッド基板12の内部には、浮遊電極板22が配置される。また、吐出基板16は、絶縁基板32と、第1絶縁層34aと、第2絶縁層34bとを積層して構成される。
ヘッド基板12と吐出口基板16とは、対面した状態で所定間隔離間して配置され、両者の間が各吐出口28にインクを供給するインクの主流路30となり、この主流路30と吐出口28(その吐出側の開口端まで)とで、インク流路が形成される。
なお、本発明のインクジェットヘッド10において、吐出電極の個数や物理的な配置等は自由に選択することができる。例えば、図示例のようなマルチチャンネル構造のみならず、吐出部の列を1列のみ有するものであってもよい。また、記録媒体Pの全域に対応する吐出部の列を有するいわゆる(フル)ラインヘッドでもよく、あるいは、ノズル列の方向と直交する方向に走査されるいわゆるシリアルヘッド(シャトルタイプ)であってもよい。また、本発明のインクジェットヘッドは、モノクロおよびカラーのどちらの記録装置にも対応可能である。
後述する吐出口基板16には、インク液滴Rを吐出するための吐出口28が貫通して形成されている。前記インクガイド14は、各吐出口28(吐出部)に対応して配置されており、吐出口28を通過し、その先端部分14aが吐出口基板16の記録媒体P側の表面(絶縁層34bの図中上側の表面(以下、便宜的に、こちら側を上、他方を下とする))よりも上部に突出している。なお、インクガイド14の中央部分には、図中上下方向に毛細管現象によってインクQを先端部分14aに集めるインク案内溝となる切り欠きを形成しても良い。
本発明において、ここで、インクガイド14の最先端部は、金属が蒸着されているのが好ましい。この金属蒸着により、インクガイド14の先端部分14aの誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせ易くなり、インクの吐出性を向上できる。
このような浮遊導電板22を有することにより、画像の記録時に、吐出電極18に印加した駆動電圧に応じて誘起された誘導電圧が発生する。しかも、この誘導電圧は、可動チャンネル数に応じて、自動的に変化する。この誘導電圧が、後述する主流路30内において、インクQの色材粒子を吐出口基板16側へ泳動させ、その結果、インクQを安定して濃縮することができる。より具体的には、前記誘導電圧による泳動で、主流路30上層の色材粒子の濃度を向上し、さらに、吐出口基板16の吐出口28に至るインクQの色材粒子の濃度を向上できるので、結果的に、後述するインクQのメニスカスにおける色材粒子の濃縮を向上して、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の色材粒子の濃度を、適正な高濃度に安定させることができる。
なお、図示例においては、浮遊導電板22は、図示例では、ヘッド基板12の内部に配置されている。しかしながら、浮遊導電板22は、主流路30の下方であれば、どこに配置しても良く、例えば、ヘッド基板12の下方であっても良いし、吐出電極の位置よりも主流路30の上流側で、かつヘッド基板12の内部に配置しても良い。
なお、インクQは、画像記録時には、図示されていないインク循環機構によって、所定方向、図示例では主流路30内を図中右から左へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。
また、吐出口基板16には、各吐出口28に対応して吐出電極18が形成され、さらに、各吐出電極18間には、ガード電極20が形成される。
従って、図示例のインクジェットヘッド10においては、吐出電極18は、第1絶縁層
34aの下面側に埋設されたような状態で、ヘッド基板12と吐出口基板16との間隙とで構成される主流路30に下面を露出しており、すなわち、この主流路30で下面をインクQと接液する。
本発明においては、このように、主流路30と吐出口28とで構成されるインク流路において、吐出電極18がインク流路に露出し、インクQと接液する構成を有することにより、インク液滴の吐出性を、大幅に向上させている。この点については、後に、吐出の作用と共に詳述する。
前述のように、図示例においては、吐出口28を2次元的に配列したマルチチャンネル構造を有するので、当然のことであるが、吐出電極18は、図2(B)に示すように、各吐出口28に対応して2次元的に配置されている。
ガード電極20は、隣接する吐出電極18間における電気力線を遮蔽して、隣接する吐出電極間における電界干渉を抑制するためのものであり、所定電圧が印加される(接地による0Vを含む)。図示例においては、ガード電極20は接地されて0Vとされている。
このようなガード電極20を有することにより、隣接する吐出電極18間における電界干渉を好適に防止できると共に、吐出電極18とガード電極20との間で、インクQの色材粒子が被膜化して放電することも防止できる。しかも、後述するが、本発明においては、吐出電極18に印加する駆動電圧を、通常に比して低くすることができるので、この効果と、上記ガード電極20との相乗効果により、さらに好適に隣接する吐出電極間における電界干渉を防止して、安定した画像記録を可能にできる。
ガード電極20が無い場合、吐出電極18の内周部から生じる電気力線は、吐出電極18の内側に収束して自チャンネルに作用し、必要な電界を生じさせる。一方、吐出電極18の外周部から生じる電気力線は、外側に発散して他チャンネルに影響を及ぼし、電界干渉を生じる。
また、他チャンネルへの電気力線を効率的に遮蔽するためには、ガード電極20の開口部36の径は、基板平面で見た際に、自チャンネルの吐出電極18の外径よりも小さくするのが好ましい。すなわち、ガード電極20の内縁部は、自チャンネルの吐出電極18の外縁部より、吐出口28に近接(前進)しているのが好ましい。同様に、本発明者の検討によれば、この近接量は、5μm以上、特に、10μm以上とするのが好ましい。
上記構成を有することにより、吐出口28からの吐出安定性を十分に確保した上で、隣接するチャンネル間における電界干渉に起因するインク着弾位置のバラツキ等を好適に抑制して、安定して高画質な画像記録を行うことが可能となる。
このような場合にも、自チャンネルの吐出電極18に対して、その内縁部が、吐出電極18の内縁部よりも吐出口28から離間し、吐出電極18の外縁部より吐出口28に近接するように、ガード電極20を形成すればよい。
対向電極24は、インクガイド14の先端部分14aに対向する位置に配置され、接地される電極基板24aと、電極基板24aの図中下側の表面、すなわちインクジェットヘッド10側の表面に配置される絶縁シート24bで構成される。
記録媒体Pは、対向電極24の図中下側の表面、すなわち絶縁シート24bの表面に、例えば静電吸着によって支持されており、対向電極24(絶縁シート24b)は、記録媒体Pのプラテンとして機能する。
その結果、記録媒体Pは負帯電して負の高電圧にバイアスされ、吐出電圧18に対する実質的な対向電極として作用し、かつ、対向電極24の絶縁シート24bに静電吸着される。
また、記録媒体Pの対向電極24への静電吸着と、記録媒体Pへの負の高電圧への帯電または対向電極24への負のバイアス高電圧の印加とを別々の負の高電圧源によって行っても良いし、対向電極24による記録媒体Pの支持は、記録媒体Pの静電吸着に限られず、他の支持方法や支持手段を用いても良い。
他方、記録に際して、記録媒体Pは、対向電極24に供給され、帯電ユニット26によって色材粒子の逆極性すなわち負の高電圧(一例として、−1500V)に帯電されて、バイアス電圧を帯電した状態で、対向電極24に静電吸着される。また、浮遊導電板22は、絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされている。
この状態で、記録媒体P(対向電極24)とインクジェットヘッド10とを、相対的に移動しつつ、供給された画像データに応じて信号電圧源33から各吐出電極18に駆動電圧(パルス電圧)を印加し、この駆動電圧の印加on/offによって吐出をon/offすることにより、画像データに応じてインク液滴Rを変調して吐出し、記録媒体P上に画像を記録する。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。すなわち、吐出口28のメニスカスにおいては、インクQが濃縮された状態となっている。
さらに有限な時間が経過すると曳糸が成長し、この曳糸の成長、レイリー/ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断され、インク液滴Rとなって吐出/飛翔し、かつ、バイアス電圧にも引っ張られて、記録媒体Pに着弾する。なお、曳糸の成長および分断は、さらにはメニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、駆動電圧の印加中は連続して発生する。
また、駆動電圧の印加を終了(吐出off)した時点で、バイアス電圧のみが印加された先のメニスカスの状態に戻る。
このように、主流路30および吐出口28(その開口端部まで)で形成されるインク流路においてインクQと接液する吐出電極18に駆動電圧を印加(吐出on)すると、吐出電極18に供給された電荷の一部がインクQに注入され、吐出口28内部を含む吐出部近傍のインクQの電導度が高くなる。その結果、本発明のインクジェットヘッド10においては、インクQは、吐出電極18に駆動電圧が印加された時(吐出on時)にのみ、著しく、インク液滴Rを吐出し易い状態となる(吐出性が向上)。
また、吐出性が向上することにより、記録媒体P(対向電極24)にかかるバイアス電圧を低くし、および/または、吐出性の低いインク(例えば、低電導度のインク)を用いた際でも、駆動電圧を上げることなく、吐出on時における十分なインク液滴の吐出性を確保した上で、安定した吐出を行うことができる。すなわち、吐出on時における吐出性を確保した上で、吐出off時における吐出性を低くすることができる。従って、本発明によれば、吐出on時と吐出off時における吐出性の差を従来よりも大幅に拡大して、より安定したインク液滴の吐出を行うことができる。
なお、図3に示すインクジェットヘッドは、前記図1のインクジェットヘッド10と層構成が異なるのみであるので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は、異なる点を主に行う。
これに対し、図3のインクジェットヘッドは、絶縁基板32の下面に吐出電極18を形成し、公知の手段で同面の吐出電極18の領域以外を第1絶縁層34aで被覆し、さらに、絶縁基板32の上面(吐出電極18と逆面)にガード電極20を形成して、これを第2絶縁層34bで被覆した構成を有する。従って、この態様においては、吐出電極18は、絶縁基板32の下面で支持された状態で主流路30に露出して、主流路30において、下面および端面(内縁部端面および外縁部端面)をインクQと接液する。その結果、先と同様に、吐出onによる電荷の注入により、前述の各種の作用効果をもたらす。
例えば、図4に示すように、前記図1のインクジェットヘッド10において、円形の吐出電極18を、内縁部端面が吐出口28に露出するように形成し、かつ、絶縁基板32の除去を行わない構成として、吐出電極18を吐出口28に露出させ、吐出口28においてインクQと接液する構成であってもよい。
ここで、吐出電極18は、基本的に、接液面積が多い方が、色材粒子の付着などによる汚染に強く、長期にわたって安定して効果を発揮して安定したインク液滴Rの吐出を行うことができ、かつ、電荷の注入効率も良好である。この点を考慮すると、本発明において、吐出電極18は、図1や図3に示す例のように、インクの主流路30に露出して、インクQと接液するのが好ましい。また、この際においても、吐出電極18は、少なくとも下面の全面がインクQと接液するのが好ましい。
また、インクQ中には、色材粒子ともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を、適宜、含有させてもよい。
なお、このような誘電性液体の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。誘電性液体の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、色材粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
その結果、普通紙を初めとして、非吸収性のフィルム(例えばPETフィルム等)などの種々の記録媒体Pに画像を記録することができ、また、記録媒体P上で、滲みや流動を生じることなく、種々の記録媒体に対して、高画質な画像を得ることができる。
同図に示すインクジェット記録装置60(以下、プリンタ60とする)、記録媒体Pに片面4色印刷を行う装置で、記録媒体Pの搬送手段、画像記録手段、および溶媒回収手段を有するものであり、これらを筐体61に収容して構成される。
また、搬送手段は、フィードローラ対62、ガイド64、ローラ66(66a,66bおよび66c)、搬送ベルト68、搬送ベルト位置検知手段69、静電吸着手段70、除電手段72、剥離手段74、定着・搬送手段76およびガイド78を有する。画像記録形成手段は、ヘッドユニット80、インク循環系82、ヘッドドライバ84、および記録媒体位置検出手段86を有する。さらに、溶媒回収手段は、排出ファン90および溶媒回収装置92を有する。
異物除去手段としては、公知の吸引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法や、ブラシ、ローラー等による接触法によるものの1以上を組み合わせて使用すればよい。また、フィードローラ対62を微粘着ローラとし、さらにフィードローラ対62のクリーナを設けて、フィードローラ対62による記録媒体Pのフィード時に塵埃・紙粉等の異物の除去を行っても良い。
搬送ベルト68は、ヘッドユニット80による画像記録時には、記録媒体Pの走査搬送手段に加え、記録媒体Pを保持するプラテンとして機能し、さらに、画像記録後、定着・搬送手段76まで搬送する。従って、搬送ベルト68は、寸法安定性に優れ、耐久性を有する材料で形成されるのが好ましく、例えば、金属、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、その他の樹脂およびそれらの複合体で形成される。
すなわち、搬送ベルト68は、記録媒体Pを保持するとき、図1に示す電極基板24aと絶縁シート24bからなる対向電極24として機能するものである。
また、搬送ベルト68の記録媒体Pに接する表面は平滑であるのが好ましく、これにより、記録媒体Pの良好な吸着性が得られる。
図示例おいては、静電吸着手段70は、記録媒体Pを帯電させるスコロトロン帯電器70aと、スコロトロン帯電器70aに接続される負の高圧電源70bとを有する。記録媒体Pは、フィードローラ対62および搬送ベルト68によって搬送されつつ、負の高圧電源70bに接続されたスコロトロン帯電器70aにより、負のバイアス電圧を帯電され、かつ、搬送ベルト68の絶縁層に静電吸着される。
なお、図示例では、静電吸着手段70で記録媒体Pの静電吸着および帯電を行っているが、静電吸着手段と帯電手段とを別々に設けてもよい。
ヘッドユニット80は、前記本発明のインクジェットヘッドを用いて、画像データに応じてインク液滴を吐出して、記録媒体Pに画像を記録する。ここで、本発明のインクジェットヘッドは、記録媒体Pの帯電電位をバイアス電圧とし、吐出電極18に駆動電圧を印加することにより、バイアス電圧に駆動電圧を重畳し、インク液滴Rを吐出し、記録媒体Pに画像を記録するのは、前述のとおりである。この際、搬送ベルト68の加熱手段を設け、記録媒体Pの温度を高めることで、記録媒体P上におけるインク液滴Rの定着を促進することができ、滲みをより一層抑制して画質の向上を図ることができる。
なお、ヘッドユニット80等による画像記録に関しては、後に詳述する。
図示例において、除電手段72は、コロトロン除電器72aと、交流電源72bと、一端が接地された直流高圧電源72cとを有する、いわゆるACコロトロン除電器である。なお、除電手段は、これ以外にも、例えばスコロトロン除電器、固体チャージャ、放電針等の種々の手段や方法などが利用でき、また、上述の静電吸着手段70のように、導電性ローラや導電性プラテンを用いる構成も好適に使用される。
剥離手段74としては、剥離用ブレード、逆回転ローラ、エアナイフ等公知の技術が利用可能である。
画像が定着された記録媒体Pは、ガイド78に案内されて図示しない排紙ストッカーに排紙される。
なお、加熱定着の場合、記録媒体Pとして、コート紙やラミネート紙を用いた場合には、急激な温度上昇により紙内部の水分が急激に蒸発し紙表面に凹凸が発生する、ブリスターと呼ばれる現象が生じる可能性がある。これを防止するために、複数の定着器を配置し、記録媒体Pが徐々に昇温するように、各定着器の電力供給および記録媒体Pまでの距離の一方または両方を変えるのが好ましい。
また、定着・搬送手段76における定着の際の記録媒体Pの移動速度には、特に限定はなく、画像形成時の搬送ベルト68による搬送速度と同じであっても良いし、異なっていても良い。画像形成時の搬送速度と異なる場合には、定着・搬送手段76の直前に記録媒体Pの速度バッファを設けるのも好ましい。
前述のように、プリンタ60の画像記録手段は、インクジェットを吐出するヘッドユニット80、ヘッドユニット80にインクQの供給および回収を行うインク循環系82、図示されないコンピュータ、RIP(Raster Image Processor)等の外部機器からの出力画像信号によりヘッドユニット80を駆動するヘッドドライバ84、記録媒体Pにおける画像記録位置を決定するために記録媒体Pを検出する記録媒体位置検出手段86を有して構成される。
ヘッドユニット80は、フルカラー画像の記録を行うためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインク吐出に対応して、4つのインクジェットヘッド80aを有し、画像データを供給されたヘッドドライバ84からの信号に従って、インク循環系82によって供給されるインクQをインク液滴Rとして吐出して、搬送ベルト68によって所定速度で搬送されている記録媒体Pに画像を記録する。各色のインクジェットヘッド80aは、搬送ベルト68の搬送方向に配列されている。
なお、ヘッドユニット80の各色のインクジェットヘッド80aは、前記本発明のインクジェットヘッドである。
従って、図示例においては、搬送ベルト68に記録媒体Pを保持させた状態で、ヘッドユニット80に対して記録媒体Pを搬送し、1回通過させる、すなわち1回の走査搬送を行うのみで、記録媒体Pの全面に画像が形成される。従って、吐出ヘッドをシリアルスキャンする場合に比べて、高速での画像記録(描画)が可能となる。
この際においては、各インクジェットヘッドの吐出口28の列(単列でもマルチチャンネルでもよい)を搬送ベルト68の搬送方向と一致させてヘッドユニット80を構成し、ヘッドユニット80を記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に走査する公知の走査手段を設ける。
画像記録は、通常のシャトルタイプのインクジェットプリンタと同様にに行えばよく、吐出口28の列の長さに応じて、搬送ベルト68によって記録媒体Pを間欠的に搬送しつつ、この間欠搬送に同期して、停止時にヘッドユニット80を走査して、記録媒体Pの全面に画像を記録する。
このようにして、ヘッドユニット80によって記録媒体Pの全面に形成された画像は、前述のように、記録媒体Pが定着・搬送手段76によって挟持搬送されることにより、定着・搬送手段76によって定着される。
このシステム制御部は、コンピュータやRIP、画像スキャナ、磁気ディスク装置、画橡データ伝送装置等の外部装置から受け取った画像データに、色分解、適当な画素数や階調数への分割演算等を行って、ヘッドドライバ84がヘッドユニット80(インクジェットヘッド)を駆動するための画像データとする部位である。また、システム制御部は、搬送ベルト68による記録媒体Pの搬送タイミングに合わせたヘッドユニット80によるインクの吐出タイミングの制御を行う。吐出タイミングの制御は、記録媒体位置検出手段86からの出力や、搬送ベルト68または搬送ベルト68の駆動手段へ配置したエンコーダからの出力信号を利用して行われる。
なお、記録媒体位置検出手段86は、ヘッドユニット80によるインク液滴の吐出位置に搬送されてくる記録媒体Pを検出するためのもので、フォトセンサ等の公知の検出手段を用いることができる。
ここで、ヘッドドライバ84は、ラインヘッド適用時など、制御する吐出部の数(チャンネル数)が多数有る場合には、描画を分割し、公知の抵抗マトリクス型駆動法や抵抗ダイオードマトリクス型駆動法を用いてもよい。これにより、ヘッドドライバ84の使用IC数を低減することができ、コストを低下させると共に制御回路サイズを抑制することができる。
インクタンクは、各色のインクQを貯留しており、インクQがポンプで汲み出されてヘッドユニット80へ送られる。ヘッドユニット80からインクが吐出されることにより、インク循環系82で循環しているインクの濃度が低下するので、インク循環系82では、インク濃度検出器によってインク濃度を検出し、それ応じて補給用インクタンクから適宜インクを補充して、インク濃度を所定の範囲に保つのが望ましい。
攪拌装置としては回転羽、超音波振動子、循環ポンプ等が使用できる。
インクの温度制御装置としてはヘッドユニット80、インクタンク、配インク管系等に、ヒータやペルチェ素子等の発熱素子または冷却素子を配し、温度センサ、例えばサーモスタットにより制御する方法等、公知の方法が使用できる。温度制御装置をインクタンク内に配置する場合には、温度分布を一定にするように攪拌装置と共に配するのがよい。また、タンク内の濃度分布を一定に保つための攪拌装置は、インクの固形成分の沈澱・濃縮の抑制するための攪拌装置と共用しても良い。
排出ファン90は、プリンタ60の筐体61内部の空気を吸い込んで溶媒回収装置92へ送るためのものである。
溶媒回収装置92は、溶媒蒸気吸収材を備えており、排出ファン90によって吸い込まれた溶媒蒸気を含む気体の溶媒成分をこの溶媒蒸気吸収材に吸着し、溶媒が吸着回収された後の気体をプリンタ60の筐体11外に排出する。溶媒蒸気吸収材としては、各種の活性炭などが好適に使用される。
12 ヘッド基板
14 インクガイド
14a 先端部分
16 吐出口基板
18 吐出電極
20 ガード電極
22 浮遊導電板
24 対向電極
24a 電極基板
24b 絶縁シート
26 帯電ユニット
26a スコロトロン帯電器
26b バイアス電圧源
28 吐出口
30 主流路
32 信号電圧源
34a 第1絶縁層
34b 第2絶縁層
36 開口部
60 インクジェットプリンタ
62 フィードローラ
64 ガイド
66 ローラ
68 搬送ベルト
69 搬送ベルト位置検知手段
70 静電吸着手段
72 除電手段
74 剥離手段
76 定着・搬送手段
78 ガイド
80 ヘッドユニット
82 インク循環系
84 ヘッドドライバ
86 記録媒体位置検出手段
90 排出ファン
92 溶媒回収装置
P 記録媒体
Q インク
R インク液滴
Claims (4)
- 帯電した微粒子を含むインクを静電力を利用して吐出させて記録媒体に画像を記録する静電式のインクジェットヘッドであって、
インクを吐出する吐出口を有する吐出口基板と、前記吐出口に対応して吐出口基板に形成される、前記インクに静電力を作用させて前記吐出口から吐出させるための吐出電極と、前記吐出口基板と対面して所定の間隔離間して配置されるヘッド基板と、前記吐出電極とは異なる層の前記吐出電極間に、絶縁層に覆われたガード電極とを有し、
前記インクを前記吐出口に供給するインク流路が、前記吐出口基板と前記ヘッド基板との間隙、ならびに、前記吐出口で形成されており、前記吐出電極は、前記インク流路に、少なくとも一部を露出し、
前記ガード電極は、吐出口基板の平面で見た際において、前記吐出電極の吐出口に近接する側の端部よりも前記吐出口から離間しており、かつ、前記吐出電極の吐出口から離れた側の端部よりも、前記吐出口に近接する領域を有することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記ガード電極の、前記吐出電極の吐出口に近接する側の端部よりも、前記吐出口から離間する離間量は、10μm以上である請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記ガード電極の、前記吐出電極の吐出口から離れた側の端部よりも、前記吐出口に近接する近接量は、5μm以上である請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる手段と、
前記インクジェットヘッドの吐出電極と前記記録媒体との間に所定のバイアス電圧を印加する手段と、
前記インクジェットヘッドのガード電極に所定のガード電圧を印加する手段と、
前記記録媒体に記録すべき前記画像に応じて、前記インクジェットヘッドの吐出電極に所定の吐出電圧を印加する手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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