JP2007021753A - インクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置 - Google Patents

インクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出部を高密度に配置することができ、かつ、隣接する吐出電極間の絶縁性を維持することができるインクジェットヘッドを提供すること。
【解決手段】インクに静電力を作用させてインク液滴として吐出させるインクジェットヘッドであって、インクに静電力を作用させる吐出電極が配置された吐出部を2つ以上有し、吐出部は、隣接する吐出部との配置間隔が2mm以下であり、かつ、隣接する吐出電極との電位差をV[V]としたときに、隣接する吐出電極との沿面距離X[μm]が下記式(1)を満足することで、上記課題を解決する。
X≧0.1×V 式(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、インクをインク液滴として吐出させるインクジェット記録の分野に属し、具体的には、インクに静電力を作用させてインク液滴を吐出させるインクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置に関するものである。
静電式のインクジェット記録方式は、荷電を有するインクを用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの吐出電極(駆動電極)に所定の電圧(駆動電圧)を印加することにより、静電力を利用してインクの吐出を制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する方式である。
このような静電式のインクジェット記録装置の一例として、特許文献1には、インクを吐出するためのノズルとして機能する貫通孔内にインクガイドが設置されるとともに、貫通孔の周辺に吐出電極が設置された構造を有するインクジェット記録装置が開示されている。このインクジェット記録装置は、吐出電極に記録データに応じた電圧を印加することによって、貫通孔付近に電界を発生させ、貫通孔に形成されているインクのメニスカスに、その電界による力を作用させることによって、貫通孔からインク液滴を記録媒体に向けて吐出させる。
特開平10−138493号公報
このような静電式インクジェット記録方式は、微小液滴の形成が可能であり、高解像力描画が可能であるという特徴を有する。特に、インクとして帯電した色材粒子を絶縁性溶媒に分散したインクを用いた静電式インクジェット記録方式は、記録媒体上でのドットの滲みを生じにくく、種々の記録媒体の画像記録に使用可能である。
ここで、このような静電式のインクジェットヘッドは、ヘッド自体を小さくすることで、より安価に作製することができる。
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、ヘッドを小さくするために吐出部の配置を高密度にすると、つまり吐出部を高集積化すると、隣接した吐出電極(吐出部、チャンネル)間で絶縁性を維持できない可能性がある。
本発明の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、吐出部を高密度に配置することができ、かつ、隣接する吐出電極間の絶縁性を維持することができるインクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、インクに静電力を作用させてインク液滴として吐出させるインクジェットヘッドであって、インクに静電力を作用させる吐出電極が配置された吐出部を2つ以上有し、隣接する2つの吐出部間の配置間隔が2mm以下であり、かつ、隣接する2つの吐出電極の電位差をV[V]としたときに、前記隣接する2つの吐出電極間の沿面距離X[μm]が下記式(1)を満足することを特徴とするインクジェットヘッドを提供するものである。
X≧0.1×V 式(1)
ここで、前記インクは、絶縁性の溶媒に少なくとも荷電および色材を含む微粒子を分散してなることが好ましい。
また、前記沿面距離Xと前記電位差Vとの関係が下記式(2)を満足することがより好ましい。
X≧0.3×V 式(2)
さらに、前記電位差Vは、1000V以下であることが好ましい。
ここで、インクジェットヘッドは、インクが吐出される吐出口が開口された吐出口基板と、前記吐出口基板と所定間隔離間して配置され、前記吐出口基板との間にインク流路を形成するヘッド基板とを有し、前記吐出電極は、前記吐出口基板の前記吐出口の開口の周りに配置されていることが好ましい。
さらに、前記隣接する2つの吐出電極間の前記吐出口基板に凹部または凸部が形成されていることが好ましい。
または、前記隣接する2つの吐出電極間の前記吐出口基板に壁部が設けられていることが好ましい。
また、前記吐出口の開口形状が、開口の長径と短径のアスペクト比で1より大きい形状であることが好ましい。
さらに、前記吐出口の開口形状が、インク流方向の長さと前記インク流方向に直交する方向の長さとのアスペクト比が1より大きい形状であることが好ましい。
さらに、前記ヘッド基板の前記吐出口基板側の前記吐出口の配置に対応する位置に配置され、前記吐出口を通過して、その先端部分が前記吐出口基板の前記ヘッド基板とは反対側の表面よりも突出するインクガイドを有することが好ましい。
また、前記インクガイドが、前記吐出口の形状に応じた幅広構造を有することが好ましい。
さらに、前記ヘッド基板の前記インク流路側の面に、インク流の上流側から前記吐出口へ向かうインク流を形成するインク誘導堰を有することが好ましい。
また、前記吐出電極は、前記吐出口基板の前記インク流路側に配置されていることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、上記のいずれかに記載のインクジェットヘッドを用いて、画像データに応じた画像を記録媒体上に記録することを特徴とするインクジェット記録装置を提供するものである。
さらに本発明の第3の態様は、前記記録媒体は、印刷基板であり、上記に記載のインクジェット記録装置を用いて、前記印刷基板上に画像を形成して印刷版を作成するインクジェット製版装置を提供するものである。
本発明によれば、隣接する2つの吐出電極間の沿面距離Xが、上記式(1)を満足することで、吐出部を高密度に配置しても、吐出電極間の絶縁性を維持することができる。これにより、安価に作製でき安全で、コンパクトなインクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置を提供することができる。
以下、本発明のインクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置について、添付の図面に示される好適な態様に基づいて詳細に説明する。
図1(A)に、本発明に従うインクジェットヘッドの概略構成の断面を模式的に示し、図1(B)に、図1(A)のB−B線矢視図を示す。
図1(A)に示すように、インクジェットヘッド10は、ヘッド基板12と、インクガイド14と、吐出口28が形成された吐出口基板16とを有する。吐出口基板16には、各々の吐出口28を囲むように吐出電極18が配置されている。インクジェットヘッド10のインク吐出側の面(図中、上面)に対面する位置に、記録媒体Pを支持する対向電極24が配置される。
また、ヘッド基板12と吐出口基板16とは、互いに対面した状態で所定間隔離間して配置される。ヘッド基板12と吐出口基板16との間に形成される空間によって各吐出口28にインクを供給するインク流路30が形成される。
本実施形態のインクジェットヘッド10では、例えば、顔料等の色材を含み、かつ、電荷を有する微粒子(以下、色材粒子とする)を絶縁性の液体(キャリア液)に分散してなるインクQを用いる。そして、吐出口基板16に設けられた吐出電極18に駆動電圧を印加して吐出口28およびインクガイド14と対向電極24との間で電界を発生させ、吐出口28内のインクガイド14に凝集したインクを静電力により吐出させる。また、吐出電極18に印加する駆動電圧を、画像データに応じてon/off(吐出on/off)することにより、画像データに応じて吐出口28からインク液滴を吐出して、記録媒体P上に画像を記録する。
インクジェットヘッド10は、より高密度な画像記録を高速に行うために、複数の吐出部が二次元的に配列されたマルチチャンネル構造を有する。ここで、1つの吐出部は、基本的に一組のインクガイド14と、吐出電極18と、吐出口28とで構成される。
図2に、インクジェットヘッド10の複数の吐出部が二次元的に配列されている様子を模式的に示した。なお、図2は、図1(A)のII−II線矢視図である。また、図1(A)及び図1(B)においては、インクジェットヘッドの構成を分かりやすく示すために、複数の吐出部のうちの隣接する2つの吐出部だけを示している。
本発明のインクジェットヘッドにおいて、配置する吐出部の個数や、その物理的な配置位置等は自由に選択することができる。例えば、図2に示すようなマルチチャンネル構造のみならず、吐出部の列を1列のみ有するものであってもよい。また、記録媒体Pの全域に対応する吐出部の列を有するいわゆる(フル)ラインヘッドでもよく、あるいは、ノズル列の方向と直交する方向に走査されるいわゆるシリアルヘッド(シャトルタイプ)であってもよい。また、本発明のインクジェットヘッドは、モノクロおよびカラーのどちらの記録装置にも対応可能である。
なお、図2は、マルチチャンネル構造の一部分(3行3列)の吐出部の配列を示しており、上流側の列の吐出部の吐出口28と下流側の吐出部の吐出口28が、インク流方向において同一直線上であり、かつ、各列の吐出部の吐出口28が、インク流に直交する方向において同一直線上となる位置に配置されている。
ここで、本発明のインクジェットヘッド10は、吐出部の配置間隔が2mm以下となるように各吐出部が配置されている。なお、吐出部の配置間隔とは、隣接する2つの吐出部の中心間距離、つまり、吐出部の中心(本実施形態では、吐出口28の中心)とこれに隣接する吐出部の中心との距離である。
本発明では、後述する理由により、吐出部の配置間隔を2mm以下とすることができるので、吐出部を高密度に配置することができる。つまり、吐出部を高集積化することができる。このように、吐出部の配置密度を高密度化することで、インクジェットヘッド10の小型化が可能となり、1プロセスで製作できるヘッドパーツの個数を多くすることができ、さらに、1つのヘッドに必要な材料の量を少なくすることができ、製造コストを低くすることができる。結果として、インクジェットヘッド10をより安価に作製することができる。
また、インクジェットヘッドを小型化することで、ヘッドを走査する場合のキャリッジも小型化することができ、装置全体を小型化することか可能となる。
吐出口基板16のインク流路30側の吐出部(吐出電極)と吐出部(吐出電極)の間には、チャンネル間壁22a、22bが設けられている。チャンネル間壁22aは、吐出口基板16のインク流路30側の面のインク流れ方向に隣接する2つの吐出電極18同士の間に付設され、チャンネル間壁22bは、吐出口基板16のインク流路30側の面のインク流れと直交する方向に隣接する2つの吐出電極18同士の間に付設されている。
このように、吐出口基板16のインク流路30側にチャンネル間壁22を設けることで、吐出電極18とこれに隣接する吐出電極18との間、すなわち、隣接する2つの吐出電極18間の沿面距離(以下、単に吐出電極18間の沿面距離ともいう)が所定長以上となる。具体的には、隣接する2つの吐出電極18間の電位差をV[V]としたときに、隣接する2つの吐出電極18間の沿面距離をX[μm]が、下記式(1)を満足する。ここで、隣接する2つの吐出電極18間の電位差とは、画像記録時に、吐出電極18とこれに隣接する吐出電極18との間に生じる最大の電位差である。
X≧0.1×V 式(1)
このように、隣接する2つの吐出電極18間の沿面距離Xが上記式(1)を満足することにより、吐出部の配置間隔を2mm以下した場合でも、隣接する2つの吐出電極18間の絶縁性を維持することができる。これにより、インクジェットヘッドを小型化でき、かつ隣接する2つの吐出電極18間の絶縁性を維持することもできる。つまり、安全かつ安価なインクジェットヘッドとすることができる。
具体的には、隣接する2つの吐出電極18間の電位差Vが300Vの場合は、隣接する2つの吐出電極18間の沿面距離Xを30μm以上とすることで、隣接する2つ吐出電極間の絶縁性を維持することができる。
チャンネル間壁22a、22bの形状は、特に限定されず、その断面形状が矩形、台形、半円、楕円、三角等となる種々の形状を用いることができる。
また、隣接する2つの吐出電極として選択する吐出電極によって、吐出電極間の直線距離が異なる場合は、その直線距離に応じて、大きさの異なるチャンネル間壁を配置してもよい。例えば、本実施形態のように、インク流れ方向に隣接する2つの吐出電極間の直線距離が長く、インク流れに直交する方向に隣接する2つの吐出電極間の直線距離が短い場合は、チャンネル間壁22aをチャンネル間壁22bよりも小さい形状としてもよい。また、沿面距離Xが上記式(1)を満たすことができれば、インク流れに平行な方向の吐出電極間にはチャンネル間壁を設けず、チャンネル間壁22bのみを配置した構成としてもよい。つまり、インク流れに平行な方向の吐出電極間の直線距離が沿面距離Xとして上記式(1)を満足する場合は、インク流れに直交する方向に隣接する2つの吐出電極間のみにチャンネル間壁を設けた構成としてもよい。
ここで、隣接する2つの吐出電極18間の電位差Vと、隣接する2つの吐出電極18間の沿面距離Xとの関係が、下記式(2)を満足することがより好ましい。
X≧0.3×V 式(2)
上記式(2)を満足することで、上記効果をより好適に得ることができる。
また、隣接する2つの吐出電極の電位差Vは、1000V以下であることが好ましい。電位差Vを1000V以下とすることで、電源および制御回路に用いるパーツのコストを低減することができ、より安価な記録装置を提供することが可能となる。
ここで、図1に示したインクジェットヘッド10では、吐出部間にチャンネル間壁22aおよび22bを設けたが、本発明はこれに限定されず、吐出口基板の形状を変形させて、吐出電極間の沿面距離Xが上記式(1)を満たすようにしてもよい。
例えば、図3(A)に示すように、吐出口基板16aのインク流路側の面が、吐出電極が配置された対向電極側の面と平行な面と、吐出口を基準にして吐出電極18から離れていくに従ってヘッド基板に近づく傾斜を有する面とで構成された形状、つまり、ヘッド基板側の面の吐出口を基準にして吐出電極18よりも外側の部分に凸部23aを有する形状としてもよい。他の一例としては、図3(B)に示すように、吐出口基板16bをインク流路側の面が吐出口から離れるに従ってヘッド基板側に凸となる傾斜面のみで構成された形状、つまり、インク流路側の面に凸部23bを有し、吐出口基板16bの断面形状が5角形となる形状としてもよい。
また、凸部を形成することで、沿面距離Xを長くすることに限定されず、吐出口基板に凹部を形成し、沿面距離Xを長くしてもよい。例えば、図3(C)に示すように、吐出口基板16cを隣接した吐出電極18間に凹部23cを設けた形状、つまり、吐出口基板16cの一部が凹んだ形状としてもよい。
このように、吐出口基板に凹部、または凸部を形成し、隣接する2つの吐出電極間の直線距離よりも沿面距離Xを長くすることで、隣接する2つの吐出部の配置間隔をより短くすることができる。これによりインクジェットヘッドをより小型化することができる。
ここで、上記実施形態では、吐出口基板のインク流路側の面を種々の形状とすること、もしくは吐出口基板のインク流路側の面にチャンネル間壁を設けることで、沿面距離Xが上記式(1)を満足する形状としたが、吐出口基板の形状はどのような形状でもよく、隣接する2つの吐出電極間の沿面距離Xが上記式(1)を満足すれば、必ずしも吐出口基板に凹凸形状を設けなくてもよい。
本実施形態では、上流側の列の吐出部と下流側の吐出部が、インク流方向において同一直線上になるように配置したが本発明はこれに限定されず、どのような配置位置、パターンで配置してもよい。
特に、吐出部の配列は、図4に示すように、インク流方向において、下流側の列の(吐出部の)吐出口28が上流側の列の(吐出部の)吐出口28に対してインク流に垂直な方向に所定ピッチずつずれて配置されていることが好ましい。このように、下流側の列の吐出口を上流側の列の吐出口に対してインク流方向に垂直な方向にずらして配置することにより、吐出口にインクを良好に供給することができる。
また、本発明のインクジェットヘッドにおいては、下流側の列の吐出口が上流側の列の吐出口に対してインク流方向に垂直な方向にずらされて配置されたn行m列(n、mは正の整数)の吐出部が、インク流方向に一定の周期で繰り返し続くように構成されていてもよいし、それぞれの吐出口が、上流側に位置する吐出口に対してインク流に垂直な一方向(図4において下方向又は上方向)に連続的にずれて配置されていてもよい。吐出部の個数やピッチ、繰り返し周期等は、解像度や送りピッチに応じて適宜設定することができる。また、下流側の吐出口と上流側の吐出口を、インク流方向において同一直線上に配置する場合は、各行のそれぞれの吐出口を、インク流に垂直な方向において隣に位置する行のそれぞれの吐出口に対して、インク流方向にずらして配置することが好ましい。また、図4中上下方向がインク流方向であっても構わない。
このように吐出部の配置位置を所定パターンとなるようにずらして配置した場合も、隣接する2つの吐出電極間の沿面距離Xが上記式(1)満足することにより、吐出部を高密度に配置した場合でも、絶縁性を維持することができる。
以下、図1および図2に示した本発明のインクジェットヘッド10の構造についてより詳細に説明する。
図1(A)に示すように、インクジェットヘッド10の吐出口基板16は、インク液滴Rを吐出するための吐出口28が貫通して形成され、図中下側の面(ヘッド基板12に対面する側の面)には、吐出電極18が配置されてている。また、上述したように、吐出口基板16のヘッド基板12側の面の隣接する吐出部との間には、チャンネル間壁22a、22bが配置されている。
吐出口28は、図2に示すように、長方形の両方の短辺側を半円形にした、インク流方向に細長い繭形の開口(スリット)であり、インク流方向の長さLとインク流れに直交する方向の長さDとのアスペクト比(L/D)が1以上となる形状を有する。
本発明では、このように、吐出口28をインク流方向の長さLとインク流れに直交する方向の長さDとのアスペクト比(L/D)が1以上の開口(インク流方向を長辺とする形状異方性を有する形状、インク流方向を長辺とする長穴形状)とすることで、吐出口28にインクが流れやすくなる。つまり吐出口28へのインクの粒子供給性を高めることができ、周波数応答性を向上させ、さらに目詰まりも防止することができる。この点については、インク液滴の吐出の作用とともに、後ほど詳細に説明する。
本実施形態では、吐出口28を細長い繭形の開口として形成したが、これに限らず、吐出口28からインクを吐出することができ、インク流方向の長さとインク流れに直交する方向の長さとのアスペクト比が1以上となる形状であれば、略円形、楕円形、長方形、ひし形、平行四辺形など任意の形状にすることができる。例えば、インク流方向を長辺とする矩形状、又は、インク流方向を長軸とする楕円形若しくはひし形にすることができる。また、インク流の上流側を上底、下流側を下底とし、インク流方向の高さが下底よりも長い台形状にしてもよい。この場合、上流側の辺を長くしても下流側の辺を長くしてもよい。また、インク流方向を長辺とする長方形の両方の短辺側に、直径がその長方形の短辺よりも大きな円が接続されたような形状にしてもよい。また、吐出口28は、その中心に対して、上流側と下流側で対称な形状であっても非対称な形状であっても良い。例えば、矩形状の吐出口の上流側と下流側の少なくとも一方の端部を半円状にして吐出口を形成してもよい。
インクジェットヘッド10のインクガイド14は、所定の厚みを有するセラミック製平板からなり、各吐出口28に対応してヘッド基板12の上に配置されている。インクガイド14は、繭形の吐出口28の長辺方向の長さに応じて幅広に形成されている。上述したように、インクガイド14は、吐出口28を通過し、その先端部分14aが吐出口基板16の記録媒体P側の表面よりも上方に突出している。
インクガイド14の先端部分14aは、対向電極24側へ向かうに従って次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。インクガイド14は、先端部分14aの傾斜面がインク流方向と交差するように配置される。これにより、吐出口28に流入するインクがインクガイド14の先端部分14aの傾斜面に沿って先端部分14aの頂点に到達するので、吐出口28にインクのメニスカスが安定して形成される。
また、インクガイド14を吐出口28の長辺方向に幅広に形成することで、インク流れに直交する方向の幅を短くすることができ、インクの流れに及ぼす影響を少なくすることができ、かつ後述するメニスカスを安定して形成させることができる。
なお、インクガイド14の形状は、インクQ内の色材粒子を吐出口基板16の吐出口28を通って先端部分14aに濃縮させることができれば、特に、制限的ではなく、例えば、先端部分14aが対向電極に向かうに従って細くなるような形状でなくても良く、適宜変更することができる。例えば、インクガイド14の中央部分に、図中上下方向に毛細管現象によってインクQを先端部分14aに集めるインク案内溝となる切り欠きが形成されていても良い。
また、インクガイド14の最先端部に、金属が蒸着されていることが好ましい。インクガイド14の最先端部に金属を蒸着させることにより、インクガイド14の先端部分14aの誘電率が実質的に大きくなる。これにより、強電界を生じさせ易くなり、インクの吐出性を向上することができる。
図2に示すように、吐出口基板16の下面(ヘッド基板12と対向する面)には、吐出電極18が形成されている。吐出電極18は、矩形状の吐出口28の周囲を囲むように、吐出口28の周縁に沿ったロの字形状(升目形状)、つまり矩形状の電極に矩形状の開口が形成された形状を有する。図2においては、吐出電極18はロの字状で形成されているが、インクガイドに臨むように配置される電極であれば、どのような形状でもよく、例えば、リング状の円形電極、楕円形電極、分割円形電極、平行電極、略平行電極、一辺を切り欠いたコの字状電極等、吐出口28の形状に応じて種々の形状に変更することができる。
前述のように、インクジェットヘッド10は、吐出口28を2次元的に配列したマルチチャンネル構造を有するので、図2に模式的に示すように、吐出電極18は、各吐出口28に対応して2次元的に配置されている。
また、吐出電極18は、インク流路30に露出し、インク流路30を流れるインクQと接触している。これにより、インク液滴の吐出性を大幅に向上させることができる。この点については、後に、吐出の作用と共に詳述する。
吐出電極18は、図1に示すように、制御部33に接続されている。制御部33は、インク吐出時及び非吐出時に吐出電極18に印加する駆動電圧の電圧値、パルス幅を制御することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド10は、好ましい形態として、ヘッド基板12に吐出口28にインクを誘導するインク誘導堰40が設けられている。以下、インク誘導堰40について説明する。
図5(A)は、図1のインクジェットヘッド10における吐出部近傍の構成を示す部分断面斜視図である。同図では、インク誘導堰40の構造を明示するために、吐出口基板16をインクガイド14の略中央の位置でインク流方向に沿って切断して示している。
インク誘導堰40は、ヘッド基板12のインク流路30側の面、すなわちインク流路30の底面において、吐出口28に対応する位置に配置されたインクガイド14のインク流方向の上流側および下流側に備えられており、インク流方向に対して、吐出口28に対応する位置の近傍から吐出口28の中心に対応する位置に向かって、吐出口基板16に漸次近接するように傾斜した面を有している。すなわち、インク誘導堰40は、インク流方向に沿って、吐出口28に向かって傾斜する形状を有している。
また、インク誘導堰40は、吐出口28を塞ぐことなく、インクQの流路を確保するように、吐出口基板16のインク流路30側の面、すなわちインク流路30の上面から所定の間隔を置いて設けられている。このようなインク誘導堰40は、各々の吐出部にそれぞれ設けられている。
このように、インク流路30の底面に、インク流方向に沿って、吐出口28に向かって傾斜するインク誘導堰40を設けることによって、吐出口28へ向かうインク流が形成され、インクQが吐出口28のインク流路30側の開口部に誘導される。そのため、インクQを吐出口28内部へ好適に流入させることができ、インクの粒子供給性をより向上させることができる。さらに目詰まりもより確実に防止することができる。
インク誘導堰40のインク流方向の長さlは、隣接する吐出部と干渉しない範囲で、インクQを吐出口28へ好適に誘導できるように適宜設定されればよいが、図5(B)に示すように、インク誘導堰40の最高部の高さhに対し、3倍以上(l/h≧3)とするのが好ましく、8倍以上(l/h≧8)とするのがより好ましい。
インク誘導堰40のインク流と直交する方向の幅は、吐出口28と同等か、若干広いのが好ましい。また、インク誘導堰40の幅は、図示例のように均一なものには限定されず、幅が漸減するものや漸増するもの等であってもよい。また、その壁面も、垂直面には限定されず、傾斜面等であってもよい。
インク誘導堰40の傾斜面(インク誘導面)は、インクQを吐出口28に誘導するのに好適な形状とすればよく、一定の傾斜角を有する斜面であってもよいし、傾斜角が変化する面や、湾曲面であってもよい。また、その表面は、平滑面には限定されず、インク流方向に、あるいは吐出口28の中心部に向かって放射状に、1条以上の畝や溝等が形成されていてもよい。
また、インク誘導堰40の上部のインクガイド14との接部近傍は、図示例のように段差を有することなく、滑らかにつながる形状としてもよい。
図示例では、インク誘導堰40がインクガイド14の上流側および下流側に配置された形態としているが、吐出口28の上流側および下流側に斜面を有する台形状のインク誘導堰40を設け、その上部にインクガイド14を立設する形態としてもよいし、インクガイド14およびインク誘導堰40を一体的に形成してもよい。このように、インク誘導堰40は、インクガイド14と別々に、または、一体的に形成されて、ヘッド基板12に取り付けられてもよいし、あるいは、従来公知の掘削手段によりヘッド基板12を削り出して形成されてもよい。
なお、インク誘導堰40は、吐出口28の上流側に設けられていれば良いが、図示例のように、吐出口28の下流側にも、インク液滴Rの吐出方向の高さが吐出口28から遠ざかるにつれて低くなるように設けられているのが好ましい。これにより、上流側のインク誘導堰40によって吐出口28に向かって誘導されたインクQが滑らかに下流側へ流れるので、インクQが乱流になることなく、インク流の安定を保つことができ、吐出安定性を保つことができる。
また、図5の例では、インク誘導堰40は、ヘッド基板12の上側の面上に配置されているが、これに限定されず、ヘッド基板12にインク流溝を設け、インク流溝の内部にインク誘導堰を設けてもよい。
例えば、インク流方向に沿って、吐出口28に対応する位置を通過する所定深さのインク流溝を設け、吐出口に対応する位置にインク流方向に沿って吐出口28に向かって傾斜する面を有するインク誘導堰を設ける。このように、インク流溝を設けることによって、インク流路30を流れるインクQの多くを選択的にインク流溝に流すことができ、インク流路堰を設けることで、インクQを吐出口28の内部へ好適に流入させることができ、インクガイド先端部分14aへのインクの供給性を向上させることができる。
図1(A)に示すように、インクジェットヘッド10のインク液滴Rの吐出面と対面するように、対向電極24が配置されている。
対向電極24は、インクガイド14の先端部分14aに対向する位置に配置され、接地される電極基板24aと、電極基板24aの図中下側の表面、すなわちインクジェットヘッド10側の表面に配置される絶縁シート24bで構成される。
記録媒体Pは、対向電極24の図中下側の表面、すなわち絶縁シート24bの表面に、例えば静電吸着によって保持されており、対向電極24(絶縁シート24b)は、記録媒体Pのプラテンとして機能する。
少なくとも記録時には、帯電ユニット26によって、対向電極24の絶縁シート24bに保持された記録媒体Pは、吐出電極18に印加される駆動電圧と逆極性の所定の負の高電圧に帯電される。
その結果、記録媒体Pは負帯電して負の高電圧にバイアスされ、吐出電圧18に対する実質的な対向電極として作用し、かつ、対向電極24の絶縁シート24bに静電吸着される。
帯電ユニット26は、記録媒体Pを負の高電圧に帯電させるためのスコロトロン帯電器26aと、スコロトロン帯電器26aに負の高電圧を供給する高圧電源26bと、バイアス電圧源26cとを有している。スコロトロン帯電器26aのコロナワイヤは、高圧電源26bの負側の端子に接続されており、高圧電源26bの正側の端子とスコロトロン帯電器26aの金属製シールドケースは接地されている。また、バイアス電圧源26cの負側の端子は、スコロトロン帯電器26aのグリット電極に接続され、正側の端子は接地されている。
なお、本発明に用いられる帯電ユニット26の帯電手段としては、スコロトロン帯電器26aに限定されず、コロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針などの種々の放電手段を用いることができる。
また、図示例においては、対向電極24を電極基板24aと絶縁シート24bとで構成し、記録媒体Pを、帯電ユニット26によって負の高電圧に帯電させることにより、バイアス電圧を印加して対向電極として作用させ、かつ、絶縁シート24bの表面に静電吸着させているが、本発明はこれに限定されず、対向電極24を電極基板24aのみで構成し、対向電極24(電極基板24a自体)を負の高電圧のバイアス電圧源に接続して、負の高電圧に常時バイアスしておき、対向電極24の表面に記録媒体Pを静電吸着させるようにしても良い。
また、記録媒体Pの対向電極24への静電吸着と、記録媒体Pへの負の高電圧への帯電または対向電極24への負のバイアス高電圧の印加とを別々の負の高電圧源によって行っても良いし、対向電極24による記録媒体Pの保持は、記録媒体Pの静電吸着に限られず、他の保持方法や保持手段を用いても良い。
記録媒体Pの保持手段としては、記録媒体Pの先端と後端とを保持する固定手段、押さえローラ装置等を用いる機械的方法、対向電極24のインクジェットヘッド10と対向する面に、吸引装置と連通する複数の吸引孔を設け、吸引孔からの吸引力によって記録媒体を対向電極に固定する方法等が例示される。
以下、インクジェットヘッド10におけるインク液滴Rの吐出作用を説明する。
図1(A)に示すように、インクジェットヘッド10では、図示しないポンプ等を含むインク循環機構により、記録時に吐出電極18に印加される電圧と同極性、例えば、正(+)に帯電した色材粒子を含むインクQが、インク流路30の内部を矢印方向(図中左から右方向)に循環している。
他方、記録に際して、記録媒体Pは、対向電極24に供給され、帯電ユニット26によって色材粒子と逆極性すなわち負の高電圧に帯電されて、バイアス電圧を帯電した状態で、対向電極24に静電吸着される。
この状態で、記録媒体P(対向電極24)とインクジェットヘッド10とを、相対的に移動しつつ、供給された画像データに応じて制御部33で吐出電極18にパルス電圧(以下、駆動電圧という)が印加されるように制御する。そして、基本的には、駆動電圧の印加on/offによって吐出をon/offすることにより、画像データに応じてインク液滴Rを変調して吐出し、記録媒体P上に画像を記録する。
ここで、吐出電極18に駆動電圧を印加していない状態(あるいは、印加電圧が低電圧レベルである状態)、すなわち、バイアス電圧のみが印加されている状態では、インクQには、バイアス電圧とインクQの色材粒子(荷電粒子)の荷電とのクーロン引力、色材粒子間のクーロン反発力、キャリア液の粘性、表面張力、誘電分極力等が作用している。そして、これらが連成して、色材粒子やキャリア液が移動し、図1(A)に概念的に示すように、インクQは、吐出口28から若干盛り上がったメニスカス状となってバランスが取れている。
また、吐出電極18から発生する電界によって、吐出口28に色材粒子が凝集している。そして、上述したクーロン引力等によって、その色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。したがって、吐出口28に形成されたメニスカスにおいては、インクQが濃縮された状態となっている。
この状態から、吐出電極18には駆動電圧が印加される。これにより、バイアス電圧に駆動電圧が重畳され、先の連成に、さらにこの駆動電圧の重畳によって連成された運動が起こる。そして、吐出電極18への駆動電圧の印加によって発生する電界によって色材粒子及びキャリア液には静電力が作用する。その静電力によって色材粒子およびキャリア液がバイアス電圧(対向電極)側、すなわち記録媒体P側に引っ張られ、吐出口に形成されたメニスカスが上方に向かって成長し、吐出口28の上方に略円錐状のインク液柱いわゆるテーラーコーンが形成される。また、先と同様に、色材粒子は、電気泳動、及び、吐出電極からの電界によってメニスカスに移動しており、メニスカスのインクQは濃縮され、色材粒子を多数有する、ほぼ均一な高濃度状態となっている。
吐出電極18への駆動電圧の印加開始後、さらに有限な時間が経過すると、色材粒子の移動等により、電界強度の高いメニスカスの先端部分で、主に色材粒子に作用する力(クーロン力等)とキャリア液の表面張力とのバランスが崩れ、メニスカスが急激に伸びて、曳糸と呼ばれる直径数μm〜数十μm程度の細長いインク液柱が形成される。
さらに有限な時間が経過すると曳糸が成長し、この曳糸の成長、レイリー/ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断される。そして、分断された曳糸が、インク液滴Rとなって吐出され、記録媒体に向かって飛翔し、かつ、バイアス電圧にも引っ張られて、記録媒体Pに着弾する。なお、曳糸の成長および分断は、さらにはメニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、駆動電圧の印加中は連続して発生する。したがって、駆動電圧を印加する時間を調整することによって、1画素当たりのインク液滴の吐出量を調整することができる。
また、駆動電圧の印加を終了(吐出off)した時点で、バイアス電圧のみが印加された先のメニスカスの状態に戻る。
ここで、本発明のインクジェットヘッドは、上述したように、隣接する2つの吐出電極間の沿面距離Xが、X≧0.1×Vを満足する。これにより、画像記録時に隣接する2つの吐出部間で、電位差が発生した場合も、吐出電極間の絶縁性を維持することができる。これにより、安定して画像を形成することができる。
また、吐出部の配置を2mm以下とすることができ、インクジェットヘッドを小型化することができる。
また、図1に示すように、本実施形態のインクジェットヘッドの吐出口はインク流方向に細長いスリット状の長穴形状を有する。このように、吐出口28を細長いスリット状の長穴形状、つまりインク流方向の長さとインク流れに直交する方向の長さとのアスペクト比が1以上となる形状とすることで、インクが吐出口内部に流れやすくなり、吐出口28へのインクの粒子供給性が高くなる。これにより、インクガイド先端14aへのインクの粒子供給性を向上させることができる。したがって、画像記録時の吐出周波数が改善され、高速で連続的にドットを描画しても安定して所望のサイズのドットを描画することができる。さらに、吐出口のアスペクト比を1以上にすることで、インクの流れがスムーズになり、吐出口での目詰まりを防止することができる。
吐出周波数としては、画像の出力時間を考慮すると5kHzで、好ましくは10kHzで、より好ましくは15kHzで描画できることが望まれる。
ここで、吐出口は、インク流方向とそれに直交する方向とのアスペクト比は、1.5以上であることがより好ましい。
アスペクト比を1.5以上とすることで、インクガイドへのインク供給性がより向上し、連続した大ドットを形成した際も、より安定してドットを形成することができ、より高い周波数の描画周波数で描画を行うことができる。
ここで、上記実施形態のように、吐出口の開口形状をインク流方向の長さとインク流れに直交する方向の長さとのアスペクト比が1以上となる形状とすることで、上記効果をより好適に得ることができるだけでなく、吐出口の開口形状を、開口の長径と短径のアスペクト比を1以上とすることで、インクの流れをスムーズにし、吐出口での目詰まりを防止することができる。
また、吐出電極は、インク流方向の上流側が一部欠けている形状であることが好ましい。これにより、インク流方向の上流側から吐出口への色材粒子の流入を妨げる電界が形成されないので、効率よく色材粒子を吐出口へ供給させることができる。また、インク下流側に吐出電極を配置することで、吐出口へ流入した色材粒子を吐出口に留める方向の電界が形成される。以上より、吐出電極をインク流方向の上流側が一部欠けている形状とすることで、吐出口への粒子供給性をより向上させることができる。
図6(A)〜(F)は、吐出電極の種々の形態を示す模式図である。ここで、図6(A)〜(F)中は、図中左から右方向にインクが流れているものとする。
吐出電極は、図6(A)に示すように、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と平行な面(図6(A)中α線)に対して対称であり、さらに、吐出口の長径方向に形成された吐出電極の長手部分、すなわち、吐出電極の図6(A)の斜線部分Sを除いた部分が、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と直交する面(図6(A)中β線)に対して対称な形状とすることが好ましい。
吐出部の電界形成に対する寄与が高く、実質的に有効に働くのは吐出電極の長手部分であるため、吐出電極を上記のような形状とすることで、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と平行な面および垂直な面に対して実質的に対称な電界が形成され、吐出位置が安定し、インク液滴の着弾位置を一定にすることができ、より安定した画像形成が可能となり、高画質な画像を形成することができる。
さらに、図6(A)に示した吐出電極は、インク上流側の一部を切り欠いた形状であるので、上述したように吐出口への粒子供給性を向上させ、かつインク液滴の吐出位置を安定させることができる。
ここで、図6(A)では、吐出電極をインク流上流側の一辺が切り欠いたコの字状としたが、これに限定されず、例えば、図6(B)に示すようなインク流上流側の一部を切り欠いた長方形の両方の短辺側を半円形にした細長い繭型形状でもよく、図6(C)に示すようなインク流方向と平行な方向と長軸とし、かつインク流上流側の一部を切り欠いた楕円形状でもよい。さらに、図6(D)に示すような矩形電極を吐出口の長径方向に平行に配置した平行電極も好適に用いることができる。
このように、図6(A)〜(D)に示すような吐出口の中心を通りかつ吐出口の長手方向と平行な面(図6(A)〜(D)中α線)に対して対称で、さらに吐出電極の長手部分、つまり図6(A)、図6(B)および図6(C)に示した吐出電極は斜線部分Sを除いた部分、図6(D)に示した吐出電極は吐出電極全体が、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と直交する方向と平行な面(図6(A)〜(D)中β線)に対して対称な形状とすることで、インク液滴の着弾位置を安定させ、より高画質な画像を形成することができる。
また、図6(B)〜(D)に示した吐出電極も、図6(A)に示した吐出電極と同様に、インク流上流側の一部を切り欠いた形状であるので、吐出口の粒子供給性も向上させることができる。
ここで、吐出口の形状は細長い繭形に限定されず、開口の長径と短径のアスペクト比を1以上とした形状であればよく、例えば、図6(E)に示すように、矩形形状の場合も上述と同様に、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長手方向と平行な面(図6(E)中α線)に対して対称であり、さらに、吐出電極の長手部分(図6(E)中、斜線部分Sを除いた部分)が、吐出口の中心を通りかつ長手方向と直交する面(図6(E)中β線)に対して対称な形状とすることで、インク液滴の吐出位置を安定させることができる。
また、吐出口の長径方向もインク流と平行な方向に限定されず、吐出口の長径方向はどの方向でもよく、吐出口の開口形状に対して吐出電極の形状を、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と平行な面に対して対称であり、さらに、吐出電極の長手部分が、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と直交する面に対して対称な形状とすることで、インク液滴の吐出位置を安定させることができる。
また、吐出電極の形状は、吐出口に実質的に対称な電界を容易に形成できる点から、上記の吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と平行な面に対して対称であり、さらに、吐出電極の長手部分が、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と直交する面に対して対称な形状であることが好ましいが、これに限定されず、前記吐出電極のインク液滴の吐出に寄与する有効な部分が吐出口に対して実質的に対称な形状であればよい。一例としては、図6(F)に示すように、インク上流側が矩形でありインク下流側が半円形であるU字形状であり、長手部分(図6(F)中、斜線部分Sを除いた部分)が、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と直交する面(図6(F)中β線)に対して対称ではない形状としても、吐出口に対して実質的に対称な電界、つまり、吐出口の中心に対して実質的に点対称な電界、または、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と垂直な面に対して実質的に対称に電界が形成され、インク液滴の吐出位置を安定させることができる。
また、図6(A)〜(F)では、いずれも吐出電極に切り欠きが形成されている形状としたが、これに限定されず、例えば、切り欠きが形成されていない円形電極、楕円形電極、矩形電極等も、吐出電極のインク液滴の吐出に寄与する有効な部分が吐出口に対して実質的に対称な形状、好ましくは、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と平行な面に対して対称であり、さらに、吐出電極の長手部分が、吐出口の中心を通りかつ吐出口の長径方向と直交する面に対して対称な形状とすることで、インク液滴の吐出位置を安定させることができる。
さらに、吐出電極の形状は上記形状に限定されず、吐出電極が、吐出口の中心を通りかつ長径方向と平行な面に対して対称であり、かつ、吐出口の長径方向に形成された長手部分の長さが吐出口の長径方向の長さよりも長い形状、または、吐出電極が、吐出口の中心を通りかつ長径方向と平行な線を軸として対称であり、かつ、吐出口の長径方向に形成された長手部分の中心が吐出口の中心を通りかつ長径方向と垂直な面上にある形状、もしくは、吐出電極が、吐出口の中心を通りかつ長径方向と平行な面に対して対称であり、かつ、吐出口の長径方向に形成された長手部分の中心が吐出口の中心を通りかつ長径方向と垂直な面上にある形状とすることでもインク液滴の吐出位置を安定させることができる。
また、図1(A)及び(B)に示したインクジェットヘッド10においては、吐出電極18はインク流路30に露出している。すなわち、吐出電極18は、インク流路30において、インクQと接液している。
このように、インク流路30においてインクQと接液する吐出電極18に駆動電圧を印加(吐出on)すると、吐出電極18に供給された電荷の一部がインクQに注入され、吐出口28と吐出電極18との間に位置するインクQの電導度が高くなる。したがって、本実施形態のインクジェットヘッド10においては、インクQは、吐出電極18に駆動電圧が印加された時(吐出on時)に、インク液滴Rを吐出し易い状態となる(吐出性が向上する)。
さらに、非吐出時、すなわち、駆動電圧を印加していないときに、吐出電極18に色材粒子と同極性の電圧を印加することで、非吐出時においてもインクに電荷が注入され、インクの電導度を一層高めることができる。また、インク流路の上流側を切り欠いたコの字形状の吐出電極とすることで、上流から流れるインク中に浮遊する帯電した色材粒子を、吐出電極による静電力によって吐出口28により確実に押し留められる。
以上より、本実施形態のインクジェットヘッドによれば、ヘッド自体を小型化することができ、吐出電極間の絶縁性を維持することができ、さらに、微小な液滴を高周波数で安定して吐出することができる。
なお、上記実施形態では、吐出性、吐出安定性等の観点から吐出口基板のインク流路側に吐出電極を設けたが、本発明はこれに限定されず、吐出口基板の対向電極側に吐出電極を設けてよい。この場合も、隣接する吐出電極との沿面距離が上記式(1)を満足することで、絶縁性を維持することができる。このように、吐出口基板のインク流路側に吐出電極を設ける場合は、吐出口基板のインク流路側の面に凹凸部を形成することで、沿面距離を長くすることができる。
また、吐出電極を吐出口基板の内部に埋設し、その一部が吐出口に露出するように配置してもよい。
ここで、本発明のインクジェットヘッド10に用いられるインクについて説明する。
インクQは、色材粒子をキャリア液に分散することにより得られる。キャリア液は、高い電気抵抗率(109Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。キャリア液の電気抵抗が低いと、吐出電極に印加される駆動電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けて帯電してしまい、色材粒子の濃縮がおこらない。また、電気抵抗の低いキャリア液は、隣接する吐出電極間での電気的導通を生じさせる懸念もあるため不向きである。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に有効に電界が作用し、泳動が起こりやすくなる。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ω・cm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液に分散される色材粒子は、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよいが、好ましくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させる。分散樹脂粒子を含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均一な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4〜1.0μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
色材粒子をキャリア液に分散させた後(必要に応じて、分散剤を使用しても可)、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、吐出電極に印加される駆動電圧と同極性であれば、正電荷および負電荷のいずれに荷電したものであってもよい。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/m、さらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
このようなインクQは、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ、荷電調整剤を分散媒に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
また、本発明のインクジェットに用いるインクとしては、上述した絶縁性インクに限定されず、電気伝導度が10−8〜100pS/cmの導電性インクも用いることができる。
また、上記実施例では、色材粒子に色材を含有させたが、必ずしも色材を含有させる必要はなく、例えば、分散樹脂粒子のみで構成された微粒子も用いることができる。さらに、金属微粒子を分散したインクも好適に用いることができる。
図7に、本発明のインクジェットヘッドを利用する、本発明のインクジェット記録装置の一実施例の概念図を示す。
同図に示すインクジェット記録装置60(以下、プリンタ60とする)は、記録媒体Pに片面4色印刷を行う装置で、記録媒体Pの搬送手段、画像記録手段、および溶媒回収手段を有するものであり、これらを筐体61に収容して構成される。
また、搬送手段は、フィードローラ対62、ガイド64、ローラ66(66a,66bおよび66c)、搬送ベルト68、搬送ベルト位置検知手段69、静電吸着手段70、除電手段72、剥離手段74、定着・搬送手段76およびガイド78を有する。画像記録形成手段は、ヘッドユニット80、インク循環系82、ヘッドドライバ84、および記録媒体位置検出手段86を有する。さらに、溶媒回収手段は、排出ファン90および溶媒回収装置92を有する。
記録媒体Pの搬送手段において、フィードローラ対62は、筐体61の側面に設けられた搬入口61aに隣接して設けられた搬送ローラ対である。フィードローラ62は、図示しないストッカから供給された記録媒体Pを、搬送ベルト68(ローラ66aに支持される部分)に送り込む。ガイド64は、フィードローラ対62と搬送ベルト68を支持するローラ66aとの間に設けられ、記録媒体Pを搬送ベルト68に案内する。
なお、フィードローラ対62の近傍には、記録媒体Pに付着した塵埃や紙粉等異物を除去する異物除去手段を設けるのが好ましい。
異物除去手段としては、公知の吸引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法や、ブラシ、ローラ等による接触法によるものの1以上を組み合わせて使用すればよい。また、フィードローラ対62を微粘着ローラとし、さらにフィードローラ対62のクリーナを設けて、フィードローラ対62による記録媒体Pのフィード時に塵埃・紙粉等の異物の除去を行っても良い。
搬送ベルト68は、3つのローラ66に張架されるエンドレスベルトである。また、ローラ66a,66bおよび66cのうち少なくとも1つは、図示されない駆動源と連結されており、搬送ベルト68を回転させる。
搬送ベルト68は、ヘッドユニット80による画像記録時には、記録媒体Pの走査搬送手段に加え、記録媒体Pを保持するプラテンとして機能し、さらに、画像記録後、定着・搬送手段76まで搬送する。従って、搬送ベルト68は、寸法安定性に優れ、耐久性を有する材料で形成されるのが好ましく、例えば、金属、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、その他の樹脂およびそれらの複合体で形成される。
図示例においては、記録媒体Pは、静電吸着によって搬送ベルト68上に保持されるので、搬送ベルト68は、記録媒体Pを保持する側(表面)が絶縁性、ローラ66と接する側(裏面)が導電性を有する。また、図示例においては、ローラ66aは導電性ローラとされ、搬送ベルト68の裏面は、ローラ66aを介して接地されている。
すなわち、搬送ベルト68は、記録媒体Pを保持するとき、図1(A)に示す電極基板24aと絶縁シート24bからなる対向電極24として機能するものである。
このような搬送ベルト68としては、金属ベルトの表面側にフッ素樹脂コートを行ったもの等、金属ベルトに上記のいずれかの樹脂材料でコーティングしたベルト、接着剤等で樹脂シートと金属ベルトを張り合わせたベルト、上記の樹脂から成るベルトの裏面に金属蒸着したベルト等、各種の方法により作製された、金属層と絶縁物層とを有するベルトを用いればよい。
また、搬送ベルト68の記録媒体Pに接する表面は平滑であるのが好ましく、これにより、記録媒体Pの良好な吸着性が得られる。
搬送ベルト68は、公知の方法により蛇行が抑制されているのが好ましい。蛇行抑制の方法としては、例えば、ローラ66cをテンションローラとし、搬送ベルト位置検知手段69の出力、すなわち搬送ベルト68の幅方向の検知位置に応じて、ローラ66cの軸をローラ66aおよびローラ66bの軸に対して傾けることにより、搬送ベルトの幅方向の両端でテンションを変えて蛇行を抑制する方法等が例示される。また、ローラ66をテーパ形やクラウン形、あるいはその他の形状とすることで、蛇行を抑制してもよい。
ここで、搬送ベルト位置検知手段69は、上述のように、搬送ベルトの蛇行などを抑制すると共に、画像記録時の記録媒体Pの走査搬送方向の位置を所定位置に規制するために、搬送ベルト68の幅方向の位置を検知するもので、フォトセンサ等の公知の検知手段が用いられる。
静電吸着手段70は、記録媒体Pに、ヘッドユニット80(前述したインクジェットヘッド)に対する所定のバイアス電圧を印加すると共に、静電力により搬送ベルト68に吸着させて保持するために、記録媒体Pを所定の電位に帯電させるものである。
図示例おいては、静電吸着手段70は、記録媒体Pを帯電させるスコロトロン帯電器70aと、スコロトロン帯電器70aに接続される高圧電源70bと、バイアス電圧源77cとを有する。スコロトロン帯電器70aのコロナワイヤは、高圧電源70bの負側の端子に接続されており、高圧電源70bの正側の端子とスコロトロン帯電器70aの金属製シールドケースは接地されている。また、バイアス電圧源70cの負側の端子は、スコロトロン帯電器70aのグリット電極に接続され、正側の端子は接地されている。
記録媒体Pは、フィードローラ対62および搬送ベルト68によって搬送されつつ、負の高圧電源70bに接続されたスコロトロン帯電器70aにより、負のバイアス電圧を帯電され、かつ、搬送ベルト68の絶縁層に静電吸着される。
なお、記録媒体Pを帯電する際の搬送ベルト68の搬送速度は、安定に帯電できる範囲であれば良く、画像記録時の搬送速度と同じでも異なっていても良い。また、記録媒体Pを複数回周回させることによって、同一の記録媒体Pに静電吸着手段を複数回作用させ、均一帯電を行っても良い。
なお、図示例では、静電吸着手段70で記録媒体Pの静電吸着および帯電を行っているが、静電吸着手段と帯電手段とを別々に設けてもよい。
静電吸着手段は、図示例のスコロトロン帯電器70aに限定されず、他にも、コロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針等、種々の手段や方法が利用できる。また、後に詳述するように、ローラ66の少なくとも1つを導電性ローラとし、あるいは、記録媒体Pへの記録位置において搬送ベルト68の裏面側(記録媒体Pと逆側)に導電性プラテンを配置し、この導電性ローラ、または導電性プラテンを負の高圧電源に接続することにより、静電吸着手段70を構成してもよく、あるいは搬送ベルト68を絶縁性ベルトとし、導電性ローラを接地し、導電性プラテンを負の高圧電源に接続する構成としても良い。
静電吸着手段70によって帯電された記録媒体Pは、搬送ベルト68によって後述するヘッドユニット80の位置まで搬送される。
ヘッドユニット80は、前記本発明のインクジェットヘッドの制御方法を実施するインクジェットヘッドを用いて、画像データに応じてインク液滴を吐出して、記録媒体Pに画像を記録する。ここで、本発明のインクジェットヘッドは、記録媒体Pの帯電電位をバイアス電圧とし、吐出電極18に駆動電圧を印加することにより、バイアス電圧に駆動電圧を重畳し、インク液滴Rを吐出し、記録媒体Pに画像を記録するのは、前述のとおりである。この際、搬送ベルト68の加熱手段を設け、記録媒体Pの温度を高めることで、記録媒体P上におけるインク液滴Rの定着を促進することができ、滲みをより一層抑制して画質の向上を図ることができる。
なお、ヘッドユニット80等による画像記録に関しては、後に詳述する。
画像が記録された記録媒体Pは、除電手段72により除電され、剥離手段74により搬送ベルト68より剥離されて定着・搬送手段76へ搬送される。
図示例において、除電手段72は、コロトロン除電器72aと、交流電圧源72bと、高圧電源72cとを備えている、いわゆるACコロトロン除電器である。コロトロン除電器72aのコロナワイヤは、交流電圧源72bを介して高圧電源72cに接続されており、高圧電源72cの他端とコロトロン除電器72aの金属製シールドケースは接地されている。なお、除電手段は、これ以外にも、例えばスコロトロン除電器、固体チャージャ、放電針等の種々の手段や方法などが利用でき、また、上述の静電吸着手段70のように、導電性ローラや導電性プラテンを用いる構成も好適に使用される。
剥離手段74としては、剥離用ブレード、逆回転ローラ、エアナイフ等公知の技術が利用可能である。
搬送ベルト68から剥離された記録媒体Pは、定着・搬送手段76に送られ、インクジェットによって形成された画像が定着される。定着・搬送手段76としてヒートローラ76aおよび搬送ローラ76bからなるローラ対を用い、記録媒体Pを挟持搬送しつつ、記録された画像を加熱定着する。
画像が定着された記録媒体Pは、ガイド78に案内されて図示しない排紙ストッカに排紙される。
加熱定着手段としては、上述のヒートロール定着以外に、赤外線またはハロゲンランプやキセノンフラッシュランプによる照射、あるいはヒータを利用した熱風定着等の一般的な加熱定着を挙げることができる。また、加熱定着・搬送手段76においては、加熱手段は、加熱のみを行うものとし、搬送手段と加熱定着手段とを別々に設けてもよい。
なお、加熱定着の場合、記録媒体Pとして、コート紙やラミネート紙を用いた場合には、急激な温度上昇により紙内部の水分が急激に蒸発し紙表面に凹凸が発生する、ブリスターと呼ばれる現象が生じる可能性がある。これを防止するために、複数の定着器を配置し、記録媒体Pが徐々に昇温するように、各定着器の電力供給および記録媒体Pまでの距離の一方または両方を変えるのが好ましい。
なお、プリンタ60においては、少なくともヘッドユニット80による画像記録から、定着・搬送手段76による定着を終了するまでは、記録媒体Pの画像記録面には何も接触しないように構成するのが好ましい。
また、定着・搬送手段76における定着の際の記録媒体Pの移動速度には、特に限定はなく、画像形成時の搬送ベルト68による搬送速度と同じであっても良いし、異なっていても良い。画像形成時の搬送速度と異なる場合には、定着・搬送手段76の直前に記録媒体Pの速度バッファを設けるのも好ましい。
以下、プリンタ60における画像記録について詳述する。
前述のように、プリンタ60の画像記録手段は、インクジェットを吐出するヘッドユニット80、ヘッドユニット80にインクQの供給および回収を行うインク循環系82、図示されないコンピュータ、RIP(Raster Image Processor)等の外部機器からの出力画像信号によりヘッドユニット80を駆動するヘッドドライバ84、記録媒体Pにおける画像記録位置を決定するために記録媒体Pを検出する記録媒体位置検出手段86を有して構成される。
図7(B)は、ヘッドユニット80と、その周辺の記録媒体Pの搬送手段を模式的に示す斜視図である。
ヘッドユニット80は、フルカラー画像の記録を行うためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインク吐出に対応して、4つのインクジェットヘッド80aを有し、画像データを供給されたヘッドドライバ84からの信号に従って、インク循環系82によって供給されるインクQをインク液滴Rとして吐出して、搬送ベルト68によって所定速度で搬送されている記録媒体Pに画像を記録する。各色のインクジェットヘッド80aは、搬送ベルト68の搬送方向に配列されている。
なお、ヘッドユニット80の各色のインクジェットヘッド80aは、本発明に従うインクジェットヘッドである。
図示例において、各インクジェットヘッド80aは、吐出口28が記録媒体Pの幅方向全域に配列されたラインヘッドであり、好ましくは、図4に示されるように、互いに千鳥状となるように配置された複数のノズル列を有するマルチチャンネルヘッドである。
従って、図示例においては、搬送ベルト68に記録媒体Pを保持させた状態で、ヘッドユニット80に対して記録媒体Pを搬送によって1回通過させるだけで、すなわち1回の走査搬送を行うのみで、記録媒体Pの全面に画像が形成される。従って、吐出ヘッドをシリアルスキャンする場合に比べて、高速での画像記録(描画)が可能となる。
なお、本発明のインクジェットヘッドは、いわゆるシリアルヘッド(シャトルタイプ)にも利用可能であり、従って、プリンタ60も、この態様であってもよい。
この際においては、各インクジェットヘッドの吐出口28の列(単列でもマルチチャンネルでもよい)を搬送ベルト68の搬送方向と一致させてヘッドユニット80を構成し、ヘッドユニット80を記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に走査する走査手段を設ける。走査手段としては、既に知られた走査手段を用いることができる。
画像記録は、通常のシャトルタイプのインクジェットプリンタと同様に行えばよく、吐出口28の列の長さに応じて、搬送ベルト68によって記録媒体Pを間欠的に搬送しつつ、この間欠搬送に同期して、停止時にヘッドユニット80を走査して、記録媒体Pの全面に画像を記録する。
このようにして、ヘッドユニット80によって記録媒体Pの全面に形成された画像は、前述のように、記録媒体Pが定着・搬送手段76によって挟持搬送されることにより、定着・搬送手段76によって定着される。
ヘッドドライバ84は、外部装置から画像データを受け取り、種々の処理を行うシステム制御部(図示せず)から画像データを受け取り、その画像データに基づいてヘッドユニット80を駆動する。
このシステム制御部は、コンピュータやRIP、画像スキャナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等の外部装置から受け取った画像データに、色分解、適当な画素数や階調数への分割演算等を行って、ヘッドドライバ84がヘッドユニット80(インクジェットヘッド)を駆動するための画像データとする部位である。また、システム制御部は、搬送ベルト68による記録媒体Pの搬送タイミングに合わせたヘッドユニット80によるインクの吐出タイミングの制御を行う。吐出タイミングの制御は、記録媒体位置検出手段86からの出力や、搬送ベルト68または搬送ベルト68の駆動手段へ配置したエンコーダからの出力信号を利用して行われる。
なお、記録媒体位置検出手段86は、ヘッドユニット80によるインク液滴の吐出位置に搬送されてくる記録媒体Pを検出するためのもので、フォトセンサ等の既に知られた検出手段を用いることができる。
ここで、ヘッドドライバ84は、ラインヘッド適用時など、制御する吐出部の数(チャンネル数)が多数有る場合には、描画を分割し、公知の抵抗マトリクス型駆動法や抵抗ダイオードマトリクス型駆動法を用いてもよい。これにより、ヘッドドライバ84の使用IC数を低減することができ、コストを低下させると共に制御回路サイズを抑制することができる。
インク循環系82は、ヘッドユニット80の各色のインクジェットヘッド80aのインク流路30(図1参照)にインクQを流すためのもので、4色(C、M、Y、K)の各色のインクタンク、ポンプおよび補給用インクタンク(図示せず)等を有するインク循環装置82aと、インク循環装置82aのインクタンクからヘッドユニット80の各色のインクジェットヘッドのインク流路30に各色のインクQを供給するインク供給系82bと、ヘッドユニット80の各色のインクジェットヘッドのインク流路30からインクをインク循環装置82aに回収するインク回収系82cとを有する。
インク循環系82は、インク循環装置82aによって、インクタンクからインク供給系80bを介してヘッドユニット80に各色毎にインクQを供給し、かつ、インク供給系80cを介してヘッドユニット80から各色毎にインクQをインクタンクに回収して循環させることができればどのようなものでも良い。
インクタンクは、各色のインクQを貯留しており、インクQがポンプで汲み出されてヘッドユニット80へ送られる。ヘッドユニット80からインクが吐出されることにより、インク循環系82で循環しているインクの濃度が低下するので、インク循環系82では、インク濃度検出器によってインク濃度を検出し、それ応じて補給用インクタンクから適宜インクを補充して、インク濃度を所定の範囲に保つのが望ましい。
また、インクタンクには、インクの固形成分の沈殿・濃縮を抑制するための攪拌装置や、インクの温度変化を抑制するためのインク温度管理装置が備えられるのが好ましい。この理由は、温度管理をしないと、環境温度の変化等によりインク温度が変化して、インクの物性が変化することによりドット径が変化し、高画質な画像が安定して形成できなくなる可能性があるからである。
攪拌装置としては回転羽、超音波振動子、循環ポンプ等が使用できる。
インクの温度制御装置としてはヘッドユニット80、インクタンク、インク配管系等に、ヒータやペルチェ素子等の発熱素子または冷却素子を配し、温度センサ、例えばサーモスタットにより制御する方法等、公知の方法が使用できる。温度制御装置をインクタンク内に配置する場合には、温度分布を一定にするように攪拌装置と共に配するのがよい。また、タンク内の濃度分布を一定に保つための攪拌装置は、インクの固形成分の沈澱・濃縮の抑制するための攪拌装置と共用しても良い。
前述のように、プリンタ60は、排出ファン90および溶媒回収装置92からなる溶媒回収手段を有する。溶媒回収手段は、ヘッドユニット80から記録媒体P上に吐出されたインク液滴から蒸発するキャリア液、特にインク液滴によって形成された画像を定着する際に記録媒体Pから蒸発するキャリア液を回収する。
排出ファン90は、プリンタ60の筐体61内部の空気を吸い込んで溶媒回収装置92へ送るためのものである。
溶媒回収装置92は、溶媒蒸気吸収材を備えており、排出ファン90によって吸い込まれた溶媒蒸気を含む気体の溶媒成分をこの溶媒蒸気吸収材に吸着し、溶媒が吸着回収された後の気体をプリンタ60の筐体61外に排出する。溶媒蒸気吸収材としては、各種の活性炭などが好適に使用される。
上記では、C、M、Y、Kの4色のインクを用いてカラー画像を記録する静電式のインクジェット記録装置について説明したが、本発明はこれには制限されず、モノクロ用の記録装置であってもよいし、他の色、例えば淡色や特色のインクを任意の数だけ用いて記録するものであってもよい。その場合は、インク色数に対応する数のヘッドユニット80およびインク循環系82が用いられる。
また、以上の例では、いずれも、インク中の色材粒子を正帯電させ、記録媒体Pあるいは記録媒体Pの背面の対向電極を負の高電圧にして、インク液滴Rを吐出するインクジェットについて説明したが、本発明はこれには限定されず、逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させ、記録媒体または対向電極を正の高電圧にして、インクジェットによる画像記録を行っても良い。このように、色材粒子の極性を上記の例と逆にする場合には、静電吸着手段、対向電極、インクジェットヘッドの駆動電極への印加電圧極性等を上記の例と逆にすれば良い。
ここで、上記実施形態では、インクジェット記録装置をインクジェットプリンタとして用いたが、本発明はこれに限定されず、インクジェット製版装置として用いることもできる。
図8に、本発明のインクジェット記録装置を用いるインクジェット製版装置の一実施例の概念図を示す。
同図に示すインクジェット製版装置100は、記録媒体Pとして印刷基板(版材)を用い、版材上に画像を形成することで印刷版を作製する装置で、記録媒体Pを支持するためのドラム102と、インクジェット記録装置104と、データ演算制御装置106と、ドラム102に記録媒体Pを自動で供給するための図示しない自動供給装置とを有する。自動供給装置は、ドラム102に自動的に記録媒体Pを供給する公知の自動供給装置である。
ドラム102は、図8に示すように、記録媒体Pを支持するための円柱形状を有する回転体である。
ドラム102は、アルミ、ステンレス等の金属等で形成され、インクジェット記録装置104のインクジェットヘッド110の対向電極としての機能を有し、図示しない高圧電源と接続され、画像記録時は、その表面に高電圧が印加された状態となる。
また、ドラム102には、記録媒体Pを固定する固定手段(図示せず)が設けられており、この固定手段により、自動供給装置から供給された記録媒体Pを表面に固定する。固定手段としては、ドラム102に吸引装置と連通する複数の吸引孔を形成し、吸引孔からの吸引力によって記録媒体Pを固定する方法、記録媒体Pの先端および後端を銜える装置、押さえローラ装置などにより記録媒体Pを固定する機械的方法、あるいは、静電的な方法により記録媒体Pを固定する方法等が例示される。
インクジェット記録装置104は、インク吐出手段としてのインクジェットヘッド110と、インク供給手段112と、ヘッド離接手段114と、ヘッド副走査手段116とを有する。
インクジェットヘッド110は、ドラム102に対面する位置に配置され、ドラム102表面に固定された記録媒体Pに向かってインク液滴を吐出し、画像を形成する。ここで、インクジェットヘッド110は、上述したインクジェットヘッドと同様の構成を有するものであるので、詳しい説明は省略する。なお、インクジェットヘッド110は、上述したように、小型でかつ安全なインクジェットヘッドである。
ここで、本実施形態のインクジェットヘッド110は、複数の吐出部を有するマルチチャンネルヘッドであり、ドラム102の軸方向に複数の吐出部が延在して配置されている。
インク供給手段112は、インク濃度制御部120と、インクタンク122と、インク送出部124とを有する。インクタンク122の内部には、撹拌手段126、インク温度管理手段128が設けられている。
インクタンク122内のインクは、インク送出装置124により、インク供給管130を介してインクジェットヘッド110に供給される。インク送出装置124は、例えば、ポンプを用いて構成することができる。インクジェットヘッド110に供給されたインクは、図示しないインク回収管を介してインクタンク122に回収される。すなわち、インクは、インクジェットヘッド110内で循環している。インクジェットヘッド110に接続されるインク供給管130とインク回収管(図示しない)は、上述したように柔軟性を有するチューブにより構成されている。
撹拌手段126はインクの固形成分の沈殿・凝集を抑制することができる。これにより、インクタンク122の清掃の必要性が低減される。撹拌手段126としては回転羽、超音波振動子、循環ポンプが使用でき、これらの中から、あるいは組み合わせて使用される。
インク温度管理手段128は、インクタンク122内のインクの温度を検出してインクを一定温度に維持することができる。これにより、周囲の温度変化によりインクの物性が変化することを防止して、版材に形成されるドット径が変化することを防止することができる。これにより、高画質な画像を版材に安定して形成することができる。インク温度管理手段128は、例えば、ヒーター、ペルチェ素子などの発熱素子、あるいは冷却素子などの温度制御素子と、温度センサ、例えば、サーモスタット等とから構成することができる。また、インクタンク122内の温度分布を一定にするように、温度制御素子とともに撹拌手段38を配してもよい。なお、インクタンク122内のインク温度は15℃以上60℃以下が望ましく、より好ましくは20℃以上50℃以下である。またインクタンク122内の温度分布を一定に保つ攪拌手段はインクの固形成分の沈殿・凝集の抑制を目的とする撹拌手段と共用しても良い。
また、本実施形態におけるインクジェット記録装置104では、高画質な描画を行うためにインク濃度制御部120を有している。これによりインク中の固形分濃度の低下による版上での滲みの発生や印刷画像の飛びやカスレ、あるいは固形分濃度の上昇による版上のドット径の変化などを有効に抑制することができる。インク濃度は光学的検出、電導度測定、粘度測定などの物性測定、あるいは描画枚数による管理等により行う。物性測定による管理を行う場合にはインクタンク122内、あるいはインク流路内に、光学検出器、電導度測定器、粘度測定器を単独、あるいはそれらを組み合わせて設け、その出力信号により、また描画枚数による管理を行う場合には、製版枚数、及び頻度によりインクタンク122ヘ図示されない補給用濃縮インクタンクあるいは希釈用インクキャリアタンクからの液供給を制御する。
ヘッド離接手段114は、ドラム102の軸方向に対して垂直な方向、つまり、ドラムに対して離接する方向にインクジェットヘッド110を移動させるものであり、ヘッド副走査手段116は、ドラム102の軸方向と平行な方向にインクジェットヘッド110を移動させるものである。
画像データ演算制御装置106は、画像スキャナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画像データを受け、必要に応じて色分解を行うと共に、分解されたデータに対して適当な画素数、階調数に分割演算する。さらに、インクジェットヘッド110を用いて画像を網点化して描くために、網点面積率の演算も行う。また、画像データ演算制御装置106は、インクジェットヘッドの移動、インク液滴の吐出タイミングを制御すると共に、必要に応じてドラム102等の動作タイミングの制御も行う。
画像データ演算制御装置106に入力された演算データは一旦バッファに格納される。
画像データ演算制御装置106は、ドラム102を回転させ、インクジェットヘッド110をヘッド離接手段114によりドラム102と近接された位置に近づける。インクジェットヘッド110とドラム102上の記録媒体Pとの距離は、突き当てローラのような機械的距離検出器、あるいは光学的距離検出器からの信号によるヘッド離接手段の制御により、描画中、所定距離に制御される。このように距離制御を行うことで、記録媒体Pの浮きなどによりドット径が不均一になったり、特に製版装置に振動が加わった際などにもドット径が変化することなく、良好な製版を行うことができる。
画像データ演算制御装置106は、ドラム102が一回転する毎にインクジェットヘッド110をドラム102の軸方向に所定距離移動させつつ、ドラム102に固定された記録媒体Pの表面に、演算により得られた吐出位置および網点面積率でインクを吐出させる。このようにして吐出させたインクにより、記録媒体Pの表面には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が描画される。この動作は、記録媒体Pの表面に印刷原稿の一色分のインク画像が形成されるまで続く。この様にドラム102の回転により主走査を行うことにより、主走査方向の位置精度を高め、高速描画を行うことができる。
なお、本実施形態では、インクジェットヘッドをマルチチャンネルヘッドとしたが、本発明はこれに限定されず、インクジェットヘッド110がドラム102の幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドも好適に用いることができる。
インクジェットヘッドとして、フルラインヘッドを用いる場合は、ドラム102が一回転することによってドラム102の表面に巻き付けられた印刷原版に、印刷原稿一色分のインク画像が形成される。
また、本発明では、記録媒体をドラムに装着させて記録を行う形態としたが、本発明はこれに限定されず、記録媒体を載置台に載せて搬送させながら記録を行うフラットベット搬送方式や、記録媒体をローラでニップ搬送しながら記録を行うローラニップ搬送方式など、公知の記録装置形態も好適に用いることができる。
本発明のインクジェット製版装置は、印刷原版に形成されたインク画像を強固にするための定着装置を備えてもよい。インクの定着手段としては、加熱定着、溶媒定着などの手段が使用できる。加熱定着では赤外線ランプやハロゲンランプまたはキセノンフラッシュランプによる照射、あるいはヒーターを利用した熱風定着、ヒートロール定着が一般的である。この場合には定着性を高めるために、ドラムを加熱しておく、記録媒体を予め加熱しておく、熱風を当てながら描画を行う、ドラムを断熱材でコートする、定着時にはドラムから記録媒体を離して、記録媒体のみを加熱する等の手段を単独、あるいは組み合わせてとることが有効である。キセノンフラッシュランプ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの定着法として公知であり、定着を短時間に行えるという利点がある。また、記録媒体として紙版材を用いた場合には、急激な温度上昇により記録媒体内部の水分が急激に蒸発し、記録媒体の表面に凹凸が発生するブリスターと呼ばれる現象が生じるため、紙版材を徐々に昇温させることが好ましい。また、上述したインクジェットヘッドと同様に、ドラムの表面に対面しながら記録媒体を走査するような加熱装置を設けて記録媒体を加熱させてもよい。
溶媒定着ではメタノール、酢酸エチル等のインク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧または蒸気の暴露をし、余分な溶媒蒸気は回収する。なお、少なくともインクジェット記録装置104によるインク画像形成から、定着装置による定着までの行程では、記録媒体上の画像には何物も接触しないように保たれることが望ましい。
また、本発明に従うインクジェット製版装置は、必要に応じて、記録媒体の表面の親水性強化の目的で版面不感脂化装置を設けることもできる。また、製版装置は、記録媒体への描画前及び/又は描画中に版材の表面に存在する埃を除去する埃除去手段を有してもよい。これにより、製版中にヘッドと版材の間に入った埃を伝ってインクが版材上に付着することを有効に防止し、良好な製版を行うことができる。埃除去手段としては、例えば、吸引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法の他、ブラシ、粘着ローラ等による接触法が使用でき、本発明では望ましくはエア吸引、またはエアによる吹き飛ばしのいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使用することができる。
また、本発明のインクジェット製版装置は、描画終了後の記録媒体をドラムから自動的に取り除く自動排版装置を備えることが好ましい。自動排版装置を用いることで、製版操作がより簡便となり、また製版時間の短縮が図ることができる。
つぎに、本発明のインクジェット製版装置100による刷版の作製工程を説明する。
まず、自動給版装置(図示しない)により、ドラム102の表面に記録媒体Pを装着する。この時、記録媒体Pは、図示しない固定手段によりドラム102の表面上に密着固定される。これにより記録媒体Pがドラム102の表面からはがれて、描画時にインクジェットヘッド110に接触し破損することを防止できる。また、ドラム102の描画位置の上流、及び下流に押さえローラを配する等の方法も有効である。さらに描画を行わない場合には、インクジェットヘッド110を記録媒体Pから離しておくことが望ましく、それによってインクジェットヘッド110に接触破損等の不具合が発生することを有効に防止できる。
こうして得られた印刷版は、公知の平版印刷方法により印刷される。すなわち、このインク画像が形成された刷版を印刷機に装着し、印刷インキおよび湿し水を与え印刷インキ画像を形成し、この印刷インキ画像を版胴と共に回転しているブランケット胴上に転写し、ついでブランケット胴と圧胴との間を通過する印刷用紙上にブランケット胴上の印刷インキ画像を転移させることで一色分の印刷が行われる。印刷終了後の刷版は、版胴から取り除かれ、ブランケット胴上のブランケットはブランケット洗浄装置により洗浄され、次の印刷可能な状態となる。
(印刷基板)
次に、本発明のインクジェット製版装置に用いられる版材(印刷基板)について説明する。印刷基板としては、アルミ、クロムメッキを施した鋼板などの金属版が挙げられる。特に砂目立て、陽極酸化処理により表面の保水性および耐摩耗性が優れるアルミ版が好ましい。より安価な版材として、耐水性を付与した紙、プラスチックフィルム、プラスチックをラミネートした紙などの耐水性支持体上に画像受理層を設けた版材が使用できる。この版材の膜厚は100〜300μmの範囲が好適であり、そのうち設けられる画像受理層の厚さは5〜30μmの範囲が好適である。
以上、本発明のインクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置ついて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんのことである。
(A)は、本発明に従うインクジェットヘッドの概略構成を示した模式図であり、(B)は、(A)のB−B線矢視図である。 インクジェットヘッド10の吐出口基板16に複数の吐出口28が二次元的に配列されている様子を示した模式図である。 (A)〜(C)は、吐出口基板の他の形状を示す一例である。 吐出口基板の吐出口の配置の他の一例を示す模式図である。 (A)は、図1のインクジェットヘッドにおける吐出部近傍の構成を示す部分断面斜視図であり、(B)は、インク誘導堰の形状寸法を説明する図である。 (A)〜(F)は、それぞれ吐出電極の形状の一例を示す模式図である。 (A)は、本発明のインクジェットヘッドを利用する、本発明のインクジェット記録装置の一実施例の概念図であり、(B)は、ヘッドユニット80と、その周辺の記録媒体Pの搬送手段を模式的に示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置を用いる本発明のインクジェット製版装置の一実施例の概念図である。
符号の説明
10、110 インクジェットヘッド
12 ヘッド基板
14 インクガイド
14a 先端部分
16、16a、16b、16c 吐出口基板
18 吐出電極
22 チャンネル間壁
23a、23b 凸部
23c 凹部
24 対向電極
24a 電極基板
24b 絶縁シート
26a スコロトロン帯電器
26b バイアス電圧源
28 吐出口
30 インク流路
33 制御部
40 誘導堰
60 インクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)
62 フィードローラ
64 ガイド
66 ローラ
66a ローラ
68 搬送ベルト
69 搬送ベルト位置検知手段
70 静電吸着手段
70a スコロトロン帯電器
70b 高圧電源
72 除電手段
72a コロトロン除電器
72b 交流電源
72c 直流高圧電源
76 定着・搬送手段
76a ヒートローラ
78 ガイド
80 ヘッドユニット
80a 各インクジェットヘッド
80b、80c インク供給系
82 インク循環系
82a インク循環装置
82b インク供給系
82c インク回収系
84 ヘッドドライバ
86 記録媒体位置検出手段
90 排出ファン
100 インクジェット製版装置
102 ドラム
104 インクジェット記録装置
106 データ演算制御装置
112 インク供給手段
114 ヘッド離接手段
116 ヘッド副走査手段
120 インク濃度制御部
122 インクタンク
124 インク送出部
126 攪拌手段
128 インク温度管理手段
130 インク供給管
P 記録媒体
Q インク
R インク液滴

Claims (5)

  1. インクに静電力を作用させてインク液滴として吐出させるインクジェットヘッドであって、
    インクに静電力を作用させる吐出電極が配置された吐出部を2つ以上有し、
    隣接する2つの吐出部間の配置間隔が2mm以下であり、かつ、隣接する2つの吐出電極の電位差をV[V]としたときに、前記隣接する2つの吐出電極間の沿面距離X[μm]が下記式(1)を満足することを特徴とするインクジェットヘッド。
    X≧0.1×V 式(1)
  2. 前記インクは、絶縁性の溶媒に少なくとも荷電および色材を含む微粒子を分散してなる請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記沿面距離Xと前記電位差Vとの関係が下記式(2)を満足する請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
    X≧0.3×V 式(2)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッドを用いて、画像データに応じた画像を記録媒体上に記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 前記記録媒体は、印刷基板であり、
    請求項4に記載のインクジェット記録装置を用いて、前記印刷基板上に画像を形成して印刷版を作成するインクジェット製版装置。
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