JPH10302658A - イオン源装置 - Google Patents

イオン源装置

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JPH10302658A
JPH10302658A JP9107570A JP10757097A JPH10302658A JP H10302658 A JPH10302658 A JP H10302658A JP 9107570 A JP9107570 A JP 9107570A JP 10757097 A JP10757097 A JP 10757097A JP H10302658 A JPH10302658 A JP H10302658A
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JP
Japan
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electrode
insulating
inner cylinder
gap
cylinder
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JP9107570A
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English (en)
Inventor
Atsushi Munemasa
淳 宗政
Tadashi Kumakiri
正 熊切
Shigeto Adachi
成人 足立
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン源装置の絶縁筒体の汚染を防止し、絶
縁筒体の絶縁劣化による絶縁筒体交換に要する経費、ひ
いては運転コストより安価なイオン源装置を提供する 【解決手段】 アークチャンバー内で生成したイオンを
引き出すために、イオンの引出し方向に沿って第1電極
と第2電極とが順次配設され、これら電極の各周縁間に
絶縁筒体を設けて両電極を固定するイオン源装置におい
て、前記絶縁筒体の内側に間隙を設けて絶縁性の内部筒
体を配設し、この絶縁性の内部筒体は絶縁部材を介して
前記絶縁筒体に固定されてなり、かつ、前記絶縁性の内
部筒体と前記第1電極との間に間隙d1 および前記絶縁
性の内部筒体と前記第2電極との間に間隙d2 が設け
ら、これら間隙d1 および間隙d2 はそれぞれ空間絶縁
破壊を起こさない距離にあるイオン源装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置な
どに組み込まれるイオン源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭63−211542号公報
に記載されているイオン源装置では、図3に示すよう
に、略カップ状のア−クチャンバ21内における頂部壁
面21a側に、イオン化すべき元素で作製された固体金
属カソード22が配設されている。さらに、カソード2
2に隣接させてエアシリンダ23のピストンロッド23
aが前記の頂部壁面21aを貫通して往復動可能に設け
られ、このピストンロッド23aの先端の鉤状のトリガ
電極24が取付けられている。
【0003】前記カソード22とア−クチャンバ21と
の間にはアーク電源25が接続されている。また、トリ
ガ電極24とア−クチャンバ21との間には、電流制御
用の抵抗26が接続されている。これにより、カソード
22とア−クチャンバ21との間にアーク電圧が、ま
た、トリガ電極24とア−クチャンバ21との間にはト
リガ電圧がそれぞれ印加されるように構成されている。
【0004】一方、ア−クチャンバ21内における頂部
壁面21aに対向する開口端側に、加速電極部30が設
けられている。この加速電極部30は第1電極31、第
2電極32および第3電極33を備えている。第1電極
31と、接地されている第3電極33との間に、イオン
ビームを引き出すための加速電圧が加速電源34から与
えられるようになっている。また、第2電極32と第3
電極33との間に、抑制電圧が抑制電源35から与えら
れる。なお、前記各電極31、32、33は、それぞれ
各周縁を円筒状の絶縁筒体36、37、38によってそ
れぞれ固定支持されている。
【0005】前記構成のイオン源装置においては、ア−
クチャンバ21内と、加速電極部30を挟んでア−クチ
ャンバ21に連結されている図示しない処理室内とを所
望の真空度に排気した状態で、エアシリンダ23を作動
しカソード22にトリガ電極24の先端を接触させる操
作が行われる。この結果、アーク電源25によってトリ
ガ電極24とカソード22との間に抵抗26で制御され
た電流が流れる。
【0006】その後、エアシリンダ23を逆方向に作動
してトリガ電極24をカソード22から引き離すと、ト
リガ電極24とカソード22との間にアークが点弧す
る。このアークによってカソード22にエネルギーが与
えられてカソード22の表面が蒸発し、蒸気がイオン化
される。前記アークはカソード22とア−クチャンバ2
1との間に移行し持続する。この結果、ア−クチャンバ
21内に高イオン化プラズマが形成され、加速電圧によ
って加速電極部30側に引きつけられる。そして、この
加速電極部30を通して加速されたイオンビームが、前
記処理室内に配置された図示しない処理物に照射され
る。
【0007】なお、前記の加速電圧が印加される第1電
極31と抑制電圧が印加される第2電極32との間は、
極めて高電位差になる。このため、両者への給電部にお
ける大気に露出する部位は、絶縁破壊を生じないように
充分に離間させて組み立てることが必要である。第1電
極31と第2電極32とは、その各周縁側の間隔を中央
部の電極面の間隙よりも広げて形成される。この広げた
周縁側の間隔に対応するように、前記絶縁筒体37が軸
方向長の長い形状で作製されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の装置において、特に第1電極31と第2電極32
との各周縁間に設けられている絶縁筒体37を度々交換
する必要がある。この交換に伴って装置の運転コストが
高くなるという問題を生じている。つまり、前記の装置
において、第1電極31を通過した金属イオンは、さら
に第2電極32も通過して処理室に向かうことになる。
このとき、一部のイオンは第2電極32に衝突し、この
衝突したイオンによって第2電極32にスパッタリング
現象が起きる。これによって発生したスパッタ粒子や、
前記のように第2電極32に衝突して方向が変化した金
属イオンの一部が第1電極31と第2電極32との間を
通して側方へ飛散し、これが前記の絶縁筒体37の内面
に付着する。この結果、絶縁筒体37の絶縁劣化が生じ
易く、このため、絶縁筒体37を交換することが必要と
なる。
【0009】この絶縁筒体37は、前記の金属イオンや
スパッタ粒子が衝突することから、耐熱性に優れた例え
ばアルミナなどのセラミックスで製作される。しかも、
この絶縁筒体37は、第1電極31と第2電極32との
電位差が大きいため通常、軸方向の長さが長く、比較的
形状が大型である。したがって、その製作費も高価なも
のとなり、このような絶縁筒体37の交換を度々必要と
するために、運転コストの高騰を招来している。なお、
他の絶縁筒体36、38は、金属イオンやスパッタ粒子
が飛来しにくい構造になっている。
【0010】本発明は、前記の問題点に鑑みてなされた
もので、絶縁筒体の汚染を防止し、絶縁筒体の絶縁劣化
による絶縁筒体交換に要する経費、ひいては運転コスト
より安価なものを提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、アーク
チャンバー内で生成したイオンを引き出すために、イオ
ンの引出し方向に沿って第1電極と第2電極とが順次配
設され、これら電極の各周縁間に絶縁筒体を設けて両電
極を固定するイオン源装置において、前記絶縁筒体の内
側に間隙を設けて絶縁性の内部筒体を配設し、絶縁性の
内部筒体は絶縁部材を介して前記絶縁筒体に固定されて
なり、かつ、前記絶縁性の内部筒体と前記第1電極との
間に間隙d1 および前記絶縁性の内部筒体と前記第2電
極との間に間隙d2 が設けら、これら間隙d1 および間
隙d2 はそれぞれ空間絶縁破壊を起こさない距離である
ことを特徴とするものである。
【0012】このように絶縁筒体の内側に絶縁性の内部
筒体を配設することにより、前記の金属イオンやスパッ
タ粒子が衝突するのは絶縁性の内部筒体のみとなる。絶
縁性の内部筒体と第1電極との間の間隙d1 および絶縁
性の内部筒体と前記第2電極との間の間隙d2 が、それ
ぞれの電位差に対して空間絶縁破壊を起こさない距離に
あるので、絶縁性の内部筒体が金属イオンやスパッタ粒
子が衝突して、表面が導電性の金属に覆われて絶縁劣化
が生じても、絶縁性の内部筒体と第1電極との間および
絶縁性の内部筒体と前記第2電極との間で絶縁が保たれ
る。これによって絶縁筒体の絶縁劣化を防止できる。し
たがって、絶縁筒体の交換作業が不要となる。この結
果、運転コスト低減することが可能となるものである。
【0013】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明の構成のうち、絶縁性の内部筒体を導電性の内部
筒体に代えたことを特徴とするものである。導電性の内
部筒体に変えることによって、セラミックスのような難
加工性材の代わりに、加工が容易な金属材料、例えば、
W、Mo、ステンレス鋼等の耐熱材料等を用いることが
できる。この結果、絶縁性の内部筒体を製作費の安価な
導電性の内部筒体に代えることが可能となるものであ
る。このときも、前記の金属イオンやスパッタ粒子が衝
突するのは導電性の内部筒体のみとなる。導電性の内部
筒体が金属イオンやスパッタ粒子が衝突して、導電性の
金属に覆われても、導電性の内部筒体と第1電極との間
および導電性の内部筒体と前記第2電極との間は絶縁が
保たれるているので、第1電極と第2電極との間の絶縁
劣化を防止できる。
【0014】また請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載の発明の構成において、内部筒体と第1電極との
間の間隙d1 と内部筒体と第2電極との間隙d2 との和
が、前記第1電極と前記第2電極との間の間隙dA より
大きい、すなわち、(d1 +d2 )>dA であることを
特徴とするものである。内部筒体と第1電極との間の間
隙d1 と内部筒体と第2電極との間隙d2 との和を、前
記第1電極と前記第2電極との間の間隙dA より大きく
することにより、内部筒体が導電性を帯びている場合で
も、内部筒体と第1電極および内部筒体と第2電極との
間での絶縁破壊がより生じにくくなる。この結果、より
安定的にイオン源装置を運転することができる。すなわ
ち、d1 +d2 をdA より大きいので、もし、第1電極
と第2電極との間で絶縁破壊が生じても、内部筒体と第
1電極との間および、内部筒体と第2電極との間では、
絶縁破壊が起きにくくすることができる。さらに、内部
筒体と第1電極との間の間隙d1 を第1電極と第2電極
との間の間隙dA より大きく、すなわちd1 >dA とす
ることが好ましい。電位の高い第1電極と内部筒体との
間の間隙d1 が第1電極と第2電極との間の間隙dA
り大きいので、絶縁破壊は常に、第1電極と第2電極と
の間で起こることになる。また、内部筒体は絶縁性の内
部筒体であってもよく、また導電性の内部筒体あっても
よい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図示例ととも
に説明する。図1は、本発明の第1実施例におけるイオ
ン源装置の要部構成を示す断面図であり、図2は、本発
明の第2実施例におけるイオン源装置の絶縁筒体と導電
性円の要部構成を示す断面図である。図1に示す第1実
施例において、本発明を適用して構成されたイオン源装
置は、第1〜第3電極1〜3の3枚の電極が、図におい
て右方向(以下、イオン引出し方向Rという)に、順に
所定の間隔で配置された加速電極部Aを備えている。各
電極1〜3における周縁部を除く中央側の各電極面1
a、2a、3aは、それぞれの導電性の金属薄板に多数
の円形孔を設けて多孔式の電極板として形成されてい
る。また、これら電極面1a、2a、3aは、傾斜角θ
のお互いにほぼ同一の円錐台形状となるように、それぞ
れ中央部をイオン引出し方向Rにやや膨出させて形成さ
れている。
【0016】前記の第1電極1は、電極面1aの周縁か
ら、図において左方向(以下、イオン源方向Lという)
に向けて折曲し、この部位に円筒部1bを有するように
形成されると共に、この円筒部1bの先端を、リング状
の第1給電板1cにおける内周縁に接合して構成されて
いる。第2電極2は、その電極面2aの周縁から、前記
とは逆にイオン引出し方向Rに向けて折曲し形成された
円筒部2bの先端を、前記同様のリング状の第2給電板
2cの内周縁に接合して構成され、また、第3電極3
も、その電極面3aの周縁に、第2電極の円筒部2bの
内側でイオン引出し方向Rに向かう円筒部3bを連設
し、この円筒部3bの先端を、リング状の第3給電板3
cの内周縁に接合して構成されている。
【0017】一方、加速電極部Aの領域を囲う外郭部材
として、それぞれ絶縁材料(例えばアルミナ、窒化珪素
等)からなる絶縁筒体4と、この絶縁筒体4よりもイオ
ン引出し方向Rに配設されるサプレッサ絶縁筒体5とが
設けられている。絶縁筒体4と、この絶縁筒体4のイオ
ン源方向Lに位置するイオン源フランジ6との間に、前
記第1電極1の第1給電板1cが挟持され固定されると
と共に、この第1給電板1cに、後述する加速電圧を外
部から印加しえるように構成されている。なお、前記の
イオン源フランジ6は、加速電極部Aよりも図において
左側に設けられているアークチャンバは、図3を参照し
て先に説明した従来装置と同様に、固体金属カソード表
面をアーク放電により蒸発・イオン化するための構成を
備えている。
【0018】一方、絶縁筒体4とサプレッサ絶縁筒体5
との間に、後述する抑制電圧が印加され第2電極2の第
2給電板2cが、また、サプレッサ絶縁筒体5とチャン
バフランジ7との間に、第3電極3の第3給電板3cが
それぞれ挟持され固定されている。前記チャンバフラン
ジ7は、このイオン源装置に連結される処理室の端部に
設けられるもので、この処理室内には、例えば、切削工
具、金型、機械部品等の耐摩耗材料、さらには半導体ウ
エハなどの処理基板8が配設される。
【0019】絶縁筒体4の各軸方向の長さ寸法は装置の
電圧により変化させるが、例えば、装置の電圧が80〜
150kVの場合は、通常150〜200mmの範囲に
あり、サプレッサ絶縁筒体5の各軸方向の長さ寸法は通
常10〜35mmの範囲にある。この絶縁筒体4の内側
に、間隙D(例えば30mm)を設けて絶縁性の内部筒
体9を配設し、この絶縁性の内部筒体9は絶縁部材10
を介して前記絶縁筒体4に固定されている。さらに、こ
の絶縁性の内部筒体9と、前記第1電極1および前記第
2電極2とのそれぞれの間は、空間絶縁破壊を起こさな
い距離の間隙d 1 、d2 (例えば、それぞれ15mm)
が設けられている。この絶縁部材10は、絶縁筒体4と
絶縁性の内部筒体9とを脱着自在な部材、例えばボルト
等を用いて構成されてもよい。また、第1電極1と第2
電極2との各電極面1a、2aの中央部が所定の電源間
隔dA で、また第2電極2と第3電極3との各電極面2
a、3aの中央部が所定の電源間隔dD でそれぞれ相対
面するように設定されている。なお、本実施例では、第
1電極1とイオン源フランジ6を同電位としたもので、
従来例のイオン装置(図3)の絶縁筒体36を用いない
構造である。
【0020】次に、前記構成のイオン源装置における動
作状態について説明する。加速−減速電極構造を有する
前記の加速電極部Aでは、第1電極1に、図示しない加
速電源から+70kVの加速電圧が印加され、第2電極
2には、図示しない抑制電源から−1〜−5kVの抑制
電圧が印加される。第3電極3はグランドグリッドで接
地されている。
【0021】したがって、アークチャンバ内で生成した
イオンは、イオンプラズマ11として第1電極1のイオ
ン源側に到達し、第1電極1を通過後に、この第1電極
1と第2電極2との間で加速される。そして、第2電極
2を通過後にこの第2電極2と第3電極3との間で減速
される。総合的的に70kVに加速されたイオンビーム
12が加速電極部Aを通して引き出され、処理室内の処
理基板8に照射されてこれに注入される。
【0022】ところで、前記のような運転を継続する
と、絶縁筒体4の内側の絶縁性の内部筒体9は次第に汚
染される。これは、第1電極1を通過した金属イオンの
一部が第2電極2に衝突し、この衝突したイオンによっ
て第2電極2がスッパッタされ、これにより発生したス
ッパッタ粒子や、前記のように第2電極2に衝突して方
向が変化した金属イオンの一部が、第1電極1と第2電
極2との各電極面1a、2aの間を通して半径方向に飛
散し、これらが絶縁性の内部筒体9に衝突するためであ
る。
【0023】本装置において、前記のように絶縁性の内
部筒体9が金属膜付着により汚染されて、導電性を帯び
ても、絶縁性の内部筒体9と第1電極1との間および絶
縁性の内部筒体9と前記第2電極2との間で放電発生は
なく、絶縁特性は劣化しないことを確認した。これは、
絶縁性の内部筒体9と第1電極1との間および絶縁性の
内部筒体9と前記第2電極2との間に空間絶縁破壊を起
こさない距離の間隙d 1 、d2 が設けられているためで
ある。また、このとき、絶縁筒体9の前記金属イオンや
スパッタ粒子により汚染は認められなかった。この結
果、絶縁筒体9の交換作業が殆ど不要となった。これに
より、イオン源装置の運転コスト低減することが可能と
なるものである。
【0024】なお、絶縁性の内部筒体9と第1電極1と
の間および絶縁性の内部筒体9と前記第2電極2との間
の間隙d1 、d2 の距離は空間絶縁破壊を起こさない距
離であれば狭い程よい。すなわち、d1 、d2 の距離が
狭い程、前記スッパッタ粒子や金属イオンが絶縁性の内
部筒体9に到達しにくくなるからである。第1実施例で
はd1 、d2 を15mmとしたことにより、(d1 +d
2 ):30mmが第1電極1と第2電極2との間隔dA
(本実施例ではdA は20mmである。)より大きくな
り、絶縁性の内部筒体9が金属膜付着により汚染され
て、導電性帯びても、内部筒体9と第1電極1との間お
よび、内部筒体9と第2電極2との間で絶縁破壊を生じ
ることはない。また、本実施例では、絶縁筒体4と絶縁
性の内部筒体9との間隙Dを30mmとしたが、間隙D
は、第1電極1、第2電極2、絶縁筒体4および絶縁性
の内部筒体9の構成を考慮すると、、前記スッパッタ粒
子や金属イオンが絶縁性の内部筒体9への到達を防止す
る観点より、Dは絶縁筒体4と絶縁性の内部筒体9と間
に間隙があるだけでよいので、Dを2〜3mmの範囲に
することができる。
【0025】イオン源装置を長時間使用することによ
り、絶縁性の内部筒体9の汚染が著しい場合には、イオ
ン源フランジ6と第1電極1とを外した後、絶縁筒体4
と絶縁性の内部筒体9とを脱着自在に固定している絶縁
部材10を取り外し、絶縁性の内部筒体9のみを引き出
す作業で、絶縁筒体4はそのままにして絶縁性の内部筒
体9を容易に取り出すことができる。そして、新たな絶
縁性の内部筒体9を絶縁筒体4に装着し、組立ること
で、運転再開することが可能である。
【0026】さらに、例えば大電流イオンビームを生成
するイオン源装置として構成するとき、前記した従来装
置のように絶縁筒体が一体物である場合には、耐熱性の
面から、全体をアルミナ等にセラミックスで製作するこ
とが必要となる。これに対し、本装置のような絶縁筒体
4と絶縁性の内部筒体9とから成る二重構造の構成する
と、形状が簡単な絶縁性の内部筒体9のみを耐熱性の良
好なアルミナや窒化珪素等のセラミックスで作製し、絶
縁筒体4は耐アーキング性、耐沿面放電性が良好な例え
ばアクリル樹脂で作製することができる。これにより絶
縁筒体4全体の製作費をより安価になし得るので、さら
に、コストダウンを図ることができる。
【0027】本発明の第1実施例の絶縁性の内部筒体9
の代わりに導電性の内部筒体を用いてもよい。イオン源
装置の運転中に発生する、前記スッパッタ粒子や金属イ
オンが絶縁筒体4への到達を防止できればよい。導電性
の材料としては、耐熱性を有し、機械加工が容易な金属
材料、例えば、W、Mo、ステンレス鋼等の耐熱材料等
を用いることができる。
【0028】次に、本発明の第2実施例を図2に示す。
第1実施例と同様のイオン源装置を用いた。第1実施例
と異なる構成は、絶縁性の内部筒体9の代わりにステン
レス鋼(SUS304)製の導電性の内部筒体13を用
い、さらに、加速電極部Aは第1、第2電極1、2の二
枚の電極構成にしたことである。すなわち、加速電圧が
印化される第1電極と接地される第2電極との二枚の電
極構成となる。
【0029】この場合も、導電性の内部筒体13と第1
電極1との間および導電性の内部筒体13と前記第2電
極2との間の間隙d1 、d2 の距離はそれぞれの電位差
に対する空間絶縁破壊を起こさない距離であれば、狭い
程よい。本実施例では導電性の内部筒体13と第1電極
1との間の間隙d1 は25mm、導電性の内部筒体13
と前記第2電極2との間の間隙d2 は15mmとした。
導電性の内部筒体13と第1電極1との間の間隙d1
25mmとしたのは、導電性の内部筒体13と前記第1
電極1との間の電位差が大きいことを考慮したものであ
る。すなわち、内部筒体13と第1電極1との間の間隙
1 (25mm)を第1電極1と第2電極2との間の間
隙dA (本実施例では20mm)より大きくして、導電
性の内部筒体13と前記第1電極1との間の絶縁破壊を
防止するものである。なお、絶縁筒体4と導電性の内部
筒体13の間隙Dは30mmにした。
【0030】次に、第2実施例の構成のイオン源装置に
おける動作状態について説明する。第1実施例と同様
に、加速電極部Aでは、第1電極1に、図示しない加速
電源から+70kVの加速電圧が印加され、第2電極2
はグランドグリッドで接地されている。アークチャンバ
内で生成したイオンは、第1実施例と同様にイオンプラ
ズマとして第1電極1のイオン源側に到達し、第1電極
1を通過後に、この第1電極1と第2電極2との間で加
速される。総合的的に70kVに加速されたイオンビー
ムが加速電極部Aを通して引き出され、第1実施例と同
様に、図示しない処理室内の処理基板に照射されてこれ
に注入される。
【0031】運転継続において、第1電極1を通過した
金属イオンの第2電極2に衝突し、衝突により発生した
スッパッタ粒子や、第2電極2に衝突して方向が変化し
た金属イオンの一部が、第1電極1と第2電極2との各
電極面1a・2aの間を通して半径方向に飛散して導電
性の内部筒体13が汚染される。この汚染状況は、第1
実施例と同程度であったこのときも、絶縁性の内部筒体
9と第1電極1との間および絶縁性の内部筒体9と前記
第2電極2との間で放電発生はなく、絶縁特性は劣化し
ないことを確認した。
【0032】なお、前記の各実施例は本発明を限定する
ものでなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば前記では、各電極1〜3を多孔式の電極板と
して、イオンビームを処理室へと引き出す構成を示した
が、各電極1〜3を単孔式のものとしたスポットイオン
ビームを引き出す構成とすることも可能である。また、
加速電極部Aに第1〜第3電極1〜3の三枚の電極を設
けた構成や、加速電圧が印化される第1電極と接地され
る第2電極との二枚の電極構成や、その他の電極数の構
成にも本発明を適用することが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明のうち請
求項1記載の発明は、第1電極と第2電極との各周縁間
に設けられる絶縁筒体の内側に間隙を設けて絶縁性の内
部筒体を配設し、この絶縁性の内部筒体と第1電極との
間および絶縁性の内部筒体と第2電極との間にそれぞれ
の電位差に対して空間絶縁破壊を起こさない距離の間隙
が設けられているので、汚染によって絶縁劣化するのは
絶縁性の内部筒体のみとなる。これによって、絶縁筒体
4の絶縁劣化の防止を可能とするものである。したがっ
て、絶縁筒体の交換作業が不要となる。この結果、運転
コスト低減することが可能となるものである。また、絶
縁性の内部筒体の汚染が著しくなった場合も、交換作業
は絶縁性の内部筒体を交換するだけで済むので、作業が
簡単になる。
【0034】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の構成のうち、絶縁性の内部筒体を導電性の内部筒体
に代えたことにより、絶縁筒体の内側に設ける円筒の製
作費を低減することが可能となるものである。
【0035】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明の構成において、内部筒体と第1電極との間の
間隙d1 と内部筒体と第2電極との間隙d2 との和を前
記第1電極と前記第2電極との間の間隙dA より大きく
することにより内部筒体が導電性を帯びている場合で
も、内部筒体と第1電極および内部筒体と第2電極との
間での絶縁破壊がより生じにくくなる。このため、より
安定的にイオン源装置を運転することができる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるイオン源装置の要
部構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例におけるイオン源装置の絶
縁筒体と導電性の内部筒体の要部構成を示す断面図であ
る。
【図3】従来のイオン源装置の構成を示す断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 第1電極 2 第2電極 3 第3電極 4 絶縁筒体 5 サプレッサ絶縁筒体 6 イオン源フランジ 7 チャンバフランジ 8 処理基板 9 絶縁性の内部筒体 10 絶縁部材 11 イオンプラズマ 12 イオンビーム 13 導電性の内部筒体 A 加速電極部 dA 第1電極と第2電極との間の間隙 d1 内部筒体と第1電極との間の間隙 d2 内部筒体と第2電極との間の間隙 D 絶縁筒体と内部筒体との間の間隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アークチャンバー内で生成したイオンを
    引き出すために、イオンの引出し方向に沿って第1電極
    と第2電極とが順次配設され、これら電極の各周縁間に
    絶縁筒体を設けて両電極を固定するイオン源装置におい
    て、 前記絶縁筒体の内側に間隙を設けて絶縁性の内部筒体を
    配設し、 この絶縁性の内部筒体は絶縁部材を介して前記絶縁筒体
    に固定されてなり、かつ、前記絶縁性の内部筒体と前記
    第1電極との間に間隙d1 および前記絶縁性の内部筒体
    と前記第2電極との間に間隙d2 が設けられ、これら間
    隙d1 および間隙d2 はそれぞれ空間絶縁破壊を起こさ
    ない距離であることを特徴とするイオン源装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の絶縁性の内部筒体の代わ
    りに導電性の内部筒体を用いるイオン源装置。
  3. 【請求項3】 内部筒体と第1電極との間の間隙d1
    内部筒体と第2電極との間隙d2 との和が、前記第1電
    極と前記第2電極との間の間隙dA より大きいことを特
    徴とする請求項1又は2記載のイオン源装置。
JP9107570A 1997-04-24 1997-04-24 イオン源装置 Pending JPH10302658A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7170070B2 (en) 2004-09-20 2007-01-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Ion implanters having an arc chamber that affects ion current density
JP2007021753A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Fujifilm Holdings Corp インクジェットヘッド、それを用いるインクジェット記録装置およびインクジェット製版装置

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US7170070B2 (en) 2004-09-20 2007-01-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Ion implanters having an arc chamber that affects ion current density
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