JP2006078618A - リユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の他の目的は、一般に使用されている電子写真システムで画像を形成しても、オフセットによる画像の脱落や地汚れが生じることなく、高品質の画像が得られるリユース可能な被記録材およびその製造方法提供することである。
【解決手段】 少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有することを特徴とするリユース可能な電子写真用被記録材。
【選択図】 図5
Description
また、本発明は、上記の電子写真用被記録材を使用して、画像を形成する方法、および画像形成と画像の除去を繰り返し、電子写真用被記録材を繰り返し使用する方法に関する。本発明は、感光上に静電潜像を形成した後、乾式トナーを用いて現像し、トナー像を被記録材に転写する通常の電子写真法の他に、静電記録法、トナージェット記録法、イオンフロー記録法などの感光体を使用しない電子写真法や電子写真装置にも適用できる。
また、本発明の電子写真用被記録材が、定着性と画像除去性の両方に優れている原理から明らかなように、必ずしも電子写真法により画像を形成する場合に限らず、各種手法で形成された画像の除去方法に適用することができ、画像形成物質、特に熱可塑性の画像形成物質を用いて画像を形成する画像形成方法では、本発明の被記録材を用いることにより、同様に、定着性に優れる画像を良好に除去することが可能であり、好ましく繰り返し使用を行なうことが可能となる。
すなわち、本発明の被記録材は、電子写真装置で画像を形成する他、熱可塑性の粉体画像形成物質を用いる磁気記録プロセスや熱転写方式、熱溶融性のソリッドインクを用いるインクジエット法で画像を形成し、画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去し、被記録材を再使用する場合においても好ましく使用することができる。
しかしながら、この方法では、回収のための運送やパルプの再生、抄紙、乾燥のために多くのエネルギーを使用し、更に、剛度や白色度が低下する、印字した時ににじみが生じるなど、再生された紙に品質上の問題が生じる場合もある。また、白色度が高い上質の情報記録紙を製造するためには、新しい原料を用いるよりもコスト割高になったり、新しい紙を製造するよりも、石油などの化石資源を多く使用するとの報告もある。
更に、情報が記録された被記録材を回収、再生するには、紙を工場に集積する必要があるため、情報が記録された被記録材が社外や家庭外に流通することなり、機密保持やプライバシーの保守という観点からも問題がある。
例えば、特開平1−297294号公報(特許文献1)には、被記録材としてプラスチック、金属、液浸透性のない紙、セラミックスなどを用い、これらの被記録材上に形成された熱溶融性の画像に熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像を剥離除去する方法が開示されている。
また、特開平4−64472号公報(特許文献2)には、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトを用い、離型剤で処理された被記録材上の電子写真法で形成された画像を転写・剥離して除去する装置が開示されている。
また、特開平4−67043号公報(特許文献3)には、シート状被記録材の表面、特に片面のみに離型処理を行ない、且つ、該離型処理した被記録材に印を付け、普通紙と区別した被記録材が開示されている。
すなわち、プラスチックを基材とする被記録材は、電子写真法において感光体上に形成された画像を被記録材に転写する際に帯電し、転写操作後も電荷が散逸し難いために、蓄積した静電気で使用者が電撃ショックを受けることがあった。また、プラスチックは紙に比較して高価であり、コスト面での採算をとることが困難であった。更に、プラスチックを基材とする被記録材は、不要になったときに紙のように再利用することができず、環境負荷が高いなどの問題もあった。
しかしながら、シリコン化合物は、比較的高価であり、シリコン化合物を撥トナー剤として使用する被記録材は、コストが高いものになってしまう欠点がある。更に、シリコン化合物を用いると、画像の定着性が低くなり過ぎるために、画像形成時にオフセットを生じて画像品質が劣化してしまったり、画像が形成された被記録材を使用している際に画像形成物質が脱落してしまい、画像が判読できなくなったり、周囲を画像形成物質により汚染してしまうという問題もある。更に、水性ペン、油性ペンのような筆記具を用いて、シリコン化合物を塗布した被記録材上に記録することが困難であるという問題もある。
すなわち、シリコン系以外の樹脂と混合して塗布しても、得られる被記録材の画像形成物質に対する接着力低下作用の発現には、ばらつきが大きく、安定した接着力を有する被記録材が得られ難い。
また、シリコン化合物は水溶性がないために、水を媒体とした液で塗布することが困難であるという問題もあり、最近は触媒で硬化する無溶剤タイプのシリコン樹脂も市販されているが、塗布のためにグラビア印刷塗布機などの特殊な塗布機が必要であったり、塗液のポットライフが短いなど、製造に困難をともなうものであった。
すなわち、フッ素化合物は高価であり、これを用いた被記録材のコストは高い。フッ素を含む化合物自体の撥トナー作用が強いため、画像形成物質の被記録材に対する定着性を制御することが困難であり、撥トナー作用を示す程度に分子中にフッ素を含有する樹脂を用いると、画像形成物質の定着性が低下し過ぎたり、水性ペン、油性ペンのような筆記具で、被記録材上に記録することが困難になる傾向が強く、画像形成物質の定着性を確保することが難しい。また、この従来技術で開示されているフッ素化合物は、水に溶解しないばかりではなく、一般的に使用される有機溶剤にも溶解し難く、塗布のために、ハロゲン元素を含む溶媒を用いる必要があるため、環境負荷が高くなってしまうという問題もある。
しかしながら、サイズ剤として使用されるアルキルケテンダイマーは、40〜70℃に融点を有する単分子化合物であり、繰り返し使用時に、剥離部材や、画像形成物質、被記録材の内部への移行が生じ易く、被記録材表面に存在するアルキルケテンダイマーの量や比率が変動し易く、繰り返し使用の信頼性に欠けるという問題がある。
すなわち、本発明の目的の一つは、一般に使用されている電子写真システムを用いて画像を形成することができ、画像の定着性が実用的な水準であり、且つ、画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去することが可能な被記録材およびその製造方法、該被記録材を用いた画像形成方法、繰り返し使用方法を提供することである。
本発明の他の目的は、一般に使用されている電子写真システムで画像を形成しても、オフセットによる画像の脱落や地汚れが生じることなく、高品質の画像が得られるリユース可能な被記録材およびその製造方法提供することである。
本発明の他の目的は、繰り返し使用しても、画像品質や画像の除去特性に変化の少ないリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法、該被記録材を用いた画像形成方法、繰り返し使用方法を提供することである。
本発明の他の目的は、高価な材料を用いることなく、低いコストのリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、有機溶媒、フロンなどの溶媒を用いることなく、水を主体とする媒体を用いて一般的な塗布装置を用いて塗布可能であり、安全性が高く、環境負荷の少ない方法で製造できるリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、水を主体とする媒体で塗布可能であり、且つ、塗布液を乾燥した後の被記録材の表面層は、耐水性を有するリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、被記録材に耳折れが発生するなどの理由で、繰り返し使用が困難になり、再使用しない場合には、セルロース繊維まで離解でき、セルロース繊維として再利用が可能なリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、製造条件や処方のわずかなバラツキにより、定着性や画像除去特性が大きく変化することなく、不可効力、予測外の要因により不良品の発生することを防止できるリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、塗布むらなどにより、部分的に欠陥を有することのないリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、有機溶剤や界面活性剤を含む画像除去促進液を付与することなく、簡素な構成の画像除去手段で形成された画像形成物質を除去できるリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法、該被記録材を用いた画像形成方法、繰り返し使用方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、有機溶剤や界面活性剤を含む画像除去促進液を付与することなく、安全、且つ、環境負荷が少なく、ランニングコスト低く、形成された画像形成物質を除去できるリユース可能な電子写真用被記録材およびその製造方法、該被記録材を用いた画像形成方法、繰り返し使用方法を提供することにある。
(1)「少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有することを特徴とするリユース可能な電子写真用被記録材」;
(2)「リユース可能なことを示す識別情報が付与されている前記第(1)項に記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(3)「前記オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分に相当する部分が、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体由来の構造部分であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(4)「前記オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分に相当する部分が、α位に二重結合を有するαオレフィン単量体由来の構造部分であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(5)「前記オレフィン−無水マレイン酸重合体が、オレフィン単量体に相当する部分/無水マレイン酸単量体に相当する部分のモル換算比においておよそ1/1の重合体であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(6)「前記オレフィン−無水マレイン酸重合体の被記録材の表面近傍における比率が20〜100重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(7)「少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、前記オレフィン−無水マレイン酸重合体に加えて、デンプン、デンプン誘導体、アクリル樹脂のいずれかを20〜80重量%含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(8)「少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、前記オレフィン−無水マレイン酸重合体に加えて、有機顔料を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(9)「前記オレフィン−無水マレイン酸重合体が、アンモニウム塩としてケン化されたオレフィン−マレイン酸重合体ケン化物を水媒体に溶解せしめて塗布され、乾燥によりアンモニアを脱離せしめることにより、水に不溶または難溶性となっていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(10)「セルロース繊維を主体とする紙に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を付着せしめてなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(11)「セルロース繊維を主体とする紙に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を、表裏両面の乾燥重量の合計で、1〜15g/m2付着せしめてなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(12)「セルロース繊維を主体とする紙に、白色顔料および樹脂成分を含む目止め層を設けた後、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を付着せしめてなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(13)「セルロース繊維を主体とする紙に、顔料および樹脂成分を含む目止め層を設けた後、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を、表裏両面の乾燥重量の合計で、1〜5g/m2付着せしめてなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(14)「目止め層に用いる顔料が炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれ、目止め層に用いる樹脂がポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、天然ゴム、又は合成ゴムラテックスから選ばれることを特徴とする前記第(12)項又は第(13)項に記載のリユース可能な電子写真用被記録材」;
(15)「塩基性水溶液でケン化せしめたオレフィン−無水マレイン酸重合体ケン化物を、水を主な媒体として基材に塗布することを特徴とするリユース可能な電子写真用被記録材の製造方法」;
(16)「水酸化アンモニウムによりケン化せしめたオレフィン−無水マレイン酸重合体の水溶性ケン化物を、水を主な媒体として基材に塗布し、加熱乾燥することにより、塗布物よりアンモニアを脱離せしめて、オレフィン−無水マレイン酸重合体ケン化物を水に不溶または難溶とすることを特徴とする前記第(15)項に記載のリユース可能な電子写真用被記録材の製造方法」;
(17)「前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材に、画像に従い熱可塑性を有する粉体よりなる画像形成物質を付着せしめ、100℃以上に加熱された部材と前記被記録材表面に形成された画像形成物質とを接触、加圧することにより、被記録材上に画像形成物質を定着せしめる画像形成方法」;
(18)「熱可塑性を有する粉体よりなる画像形成物質が、熱可塑性ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂を含有することを特徴とする前記第(17)項に記載の画像形成方法」;
(19)「前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材に、画像に従い熱可塑性を有する画像形成物質を付着せしめて画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面に、画像形成物質に対して該電子写真用被記録材表面よりも強い接着性を示す剥離部材を、画像形成物質が軟化された状態で重ね合わせ、加圧した後、該電子写真用被記録材と剥離部材とを分離することにより、該電子写真用被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写せしめて該電子写真用被記録材から除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法」;
(20)「前記第(17)項または第(18)項に記載の画像形成方法により画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面に、画像形成物質に対して該電子写真用被記録材表面よりも強い接着性を示す剥離部材を、画像形成物質が軟化された状態で重ね合わせ、加圧した後、該電子写真用被記録材と剥離部材とを分離することにより、該電子写真用被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写せしめて該電子写真用被記録材から除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法」;
(21)「前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材に、画像に従い熱可塑性を有する画像形成物質を付着せしめて画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面を摺擦し、画像形成物質を除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法」;
(22)「前記第(17)項または第(18)項に記載の画像形成方法により画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面を摺擦し、画像形成物質を除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法」。
また、撥トナー性の化合物が高分子材料で形成されているため、画像形成と画像除去を繰り返しても、撥トナー性の化合物が、剥離部材や、画像形成物質、被記録材の内部へ移行したりすることが無く、高い繰り返し信頼性が得られる。
また、被記録材の表面近傍の組成においてオレフィン−無水マレイン酸重合体の比率を高くすることができるので、安定した画像定着性と画像形成物質の除去特性が得られ、製造条件などによる定着性、画像除去特性のバラツキをも小さくすることができるという極めて優れた効果を奏する。
また、定着性や画像除去特性が、樹脂の合成条件や被記録材の塗布条件の変動に大きく左右されない信頼性の高いリユース可能な被記録材を得ることができるという極めて優れた効果を奏する。
従って、目止め層を設けず、オレフィン−無水マレイン酸重合体含有する組成物を直接紙に塗布しても、定着性と画像の除去特性に優れるリユース可能な被記録材が得られる。
また、紙を基材とすることにより、使用できなくなった被記録材をセルロース繊維まで離解して、セルロース繊維として再利用できるため、環境負荷の小さなリユース可能な被記録材を提供できるという極めて優れた効果を奏する。
更に、基材を樹脂フィルムとした場合のように、電荷が長く残留することがないので、使用者が電撃ショックを受けたり、画像形成装置や画像除去装置において被記録材の重送が生じてしまう等のトラブルを生じることを回避することができる。
また、画像形成と画像の除去を繰り返しても、画像を除去する時に被記録材表面のセルロース繊維が剥がれないので、繰り返し使用耐久性が良好となるという極めて優れた効果を奏する。
また、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する塗布物中のオレフィン−無水マレイン酸重合体の比率を高くしても、目止め層が不透明性を維持するので裏写りを防止できるという極めて優れた効果を奏する。
オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物の付着量を少なくできるため、塗膜に亀裂が発生することを防止でき、画像形成、画像除去を繰り返しても、亀裂に画像形成物質が残留することがないので、繰り返し使用特性を向上できる。また、画像を除去する時に被記録材表面のセルロース繊維が剥がれることがないので、画像の除去特性が劣化せず、繰り返し使用耐久性が良好となるという極めて優れた効果を奏する。
まだ白色顔料を目止め層に含有せしめることにより、被記録材の不透明度を高くして裏写りが生じることを防止できるという極めて優れた効果を奏する。
ここでちなみに、表裏両面合計の付着量1〜15g/m2は、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含む組成物の比重が1.0で均一に付着し、両面同量塗布されているものと仮定すると、厚みが0.5〜7.5μmに相当(上に説明したように、現実の基材の実態を踏まえると、あくまでも「相当」であって、撥トナー性は膜厚により左右されるというよりもむしろ、付着量により左右されることが多い)する。厚みが厚い場合には、種々の膜厚計で測定可能であるが、目止層を設けても紙のような基質には平均粗さで2μm程の凹凸があるので、膜厚計での測定はあまり有効ではない。膜厚を直接的に測定するには、断面をカットして、電子顕微鏡で測定するのが現実的である。より現実的であるのは、前述のように、付着量と組成物の比重から平均膜厚を計算することである。
また、上記のような本発明のリユース可能な電子写真用被記録材を用いることにより、画像除去促進液を使用することなく、被記録材上の画像形成物質を除去できるため、画像形成装置における被記録材の搬送ジャムや被記録材の皺の発生を防止することができるという極めて優れた効果を奏する。
また、上記本発明のリユース可能な電子写真用被記録材を用いることにより、画像除去促進液を使用することなく、被記録材上の画像形成物質を除去できるため、画像形成装置における被記録材の搬送ジャムや被記録材の皺の発生を防止することができるという極めて優れた効果を奏する。
<本発明の電子写真用被記録材の構成、作用>
本発明は、基材の少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有することを特徴とするリユース可能な電子写真用被記録材であり、本発明の電子写真用被記録材の基材としては、セルロース繊維を主体とする紙、塗布層が設けられているアート紙などのコート紙、発泡構造などを有するプラスチックフィルムからなる合成紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、アセテートフィルム等の熱可塑性の樹脂よりなるフィルムを用いることができる。
紙を基材として用いる場合、基材が化学パルプ、機械パルプなどの木材を原料とするもの、バガス、ケナフなどの非木材セルロース繊維を原料とするもの、一度使用した紙から脱墨して得られる古紙再生パルプを原料とするもの、損紙を解離したパルプを原料とするもの等のいずれでも良い。
前述のように、基材としてPET、PP、アセテートフィルム等よりなるフィルムや合成紙として市販されている熱可塑性フィルムを用いることもできる。
しかしながら、製造コストが安価であること、電子写真装置内で被記録材が帯電しても、電荷が長時間残ることが無く、使用者が電撃ショックを受けることがないこと、被記録材に耳折れが発生するなどの理由で、繰り返し使用が困難になり再使用しない場合には、セルロース繊維まで離解して再利用が可能なことから、紙を基材とすることが最も好ましい(請求項10)。
基材がセルロース繊維からなる多孔質の紙であっても、或いは逆にプラスチックフィルムであっても、表面近傍にオレフィン−無水マレイン酸重合体を含有せしめることにより、実用的な定着性と画像の除去特性を得ることができる。オレフィン−無水マレイン酸重合体を用いることにより、良好な定着性と画像形成物質の除去特性が得られる作用の機構は必ずしも明確ではないが、オレフィン−無水マレイン酸重合体において、オレフィン部は被記録材に撥トナー性を付与して、画像の除去を可能にするものと思われ、また、マレイン酸部は、重合体に水溶性を与え、水溶媒による塗布を可能にするとともに、オレフィン構造部の撥トナー性を緩和して、画像形成物質に対する接着性を適当な範囲で強める作用をするものと推定される。
ここでオレフィンとは、二重結合を有し、付加重合により重合可能な炭化水素である。より具体的には、図1aに示したように、α位(鎖端)に二重結合があり、アルキル基R1を有する化合物である。より具体的には、例えば図1bに示すようなR1が直鎖のアルキル基である化合物である。
図1cは、α位(鎖端)に二重結合があり、アルキル基に分岐がある例である(R1が分岐を有するアルキル基の場合)。
R2、R3、R4は直鎖のアルキル基を示す。
図1dは、二重結合がα位以外の位置にある場合であり、R5、R6はそれぞれ炭素数1以上の直鎖のアルキル基を示す。より具体的な化合物例を図1eに示す。
本発明に用いる重合体を形成するオレフィン単量体は、上記のいずれのタイプの化合物であっても良く、数多くの具体的な化合物例が例示できるが、具体的な化合物例は、当業者にとっては自明であるのでここでは例示を省略し、アルキル基の炭素数については後述する。
炭素数が20を超えるオレフィンは、撥トナー性が強くなり、画像の定着性を確保するためには、被記録材表面近傍の該オレフィン部を含む重合体を他の樹脂で希釈して使用することが必要となる。炭素数が20を超えるオレフィンを単量体とするオレフィン−無水マレイン酸重合体を被記録材に使用する場合、オレフィン−無水マレイン酸重合体の比率が低くなるように希釈して使用しないと、画像形成物質の定着性が良好とならない。被記録材表面近傍におけるオレフィンを含む重合体の比率が低いと、被記録材製造時の製造条件のわずかなばらつきにより、製造された被記録材の定着性や画像の除去特性が変動し易く、安定した特性が得られ難くなる。
従って、本発明においては、炭素数が20を超えるオレフィンを単量体とする重合体を用いることはできるが、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体を用いることが、定着性、画像の除去特性が安定した被記録材か得られることから好ましい(請求項3)。
従って、本発明では、主成分として、α位に二重結合を有する単量体を無水マレイン酸と重合させたものを用いることが好ましい(請求項4)。
本発明に用いるオレフィン−無水マレイン酸重合体の他の単量体成分は、無水マレイン酸である。無水マレイン酸は、図1fに示した構造式を有する化合物である。オレフィンと重合反応を行なう時には、有機溶媒やオレフィンに溶解可能な無水物を用いることにより重合反応を進めることができる。重合反応を行なう場合には、オレフィン単量体と無水マレイン酸単量体のモル比をおよそ1/1で行なうことが好ましい。ここで、モル比がおよそ1/1とは、1.3/1〜1/1.3程度の範囲である。モル比がおよそ1/1の重合体を用いると、良好な定着性、画像除去性が安定して得られる(請求項5)。
従って、得られた重合体が被記録材表面近傍の組成中で100%となるように、オレフィン-無水マレイン酸重合体のみを被記録材に用いても、良好な定着性と画像の除去特性が安定して得られる。
また、シリコン樹脂やフッ素を含有する樹脂成分を他の撥トナー性のない樹脂成分などで希釈して用いても、被記録材の費用面近傍の組成中で、シリコン樹脂やフッ素を含有する樹脂成分の比率を低くして用いないと定着性が確保できず、比率が低い場合には、被記録材製造時の製造条件のわずかなばらつきにより、製造された被記録材の定着性や画像の除去特性が変動し易く、安定した特性が得られ難くかった。
しかしながら、界面活性剤自体の撥トナー性が強過ぎて、被記録材表面近傍の配合比を前記のように低くする必要があるため、安定した定着性と画像除去特性が得られ難い。
すなわち、塗布時には、水に溶解するが塗布後には、電子写真用被記録材に耐水性の樹脂層を形成することができる(請求項9、請求項16)。
また、オレフィン−無水マレイン酸重合体の撥トナー性は比較的弱く、一般的には、定着性は良好であるが、使用する画像形成物質の特性、画像が記録された被記録材の使用条件、画像除去手段の画像除去能力、画像形成装置における定着手段の構成などにより、撥トナー性を弱めることが要求される場合がある。このような場合には、撥トナー性のない樹脂成分と混合して用いることにより、繰り返し耐久性を保ったまま、撥トナー性を弱めたり、塗膜の欠陥を無くしたりすることができる。
これらの樹脂の中でも、デンプン、デンプン誘導体、水溶性アクリル樹脂を用いることが、混合比率を変えることにより、撥トナー性の強さを安定して変えることができること、塗布液のはじきによる欠陥を解消できる点で特に好ましい。デンプン、デンプン誘導体、水溶性アクリル樹脂は、被記録材の表面近傍の組成物の中で、20〜80重量%の範囲で用いることが好ましい(請求項7)。
白色顔料としては、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、アルミナ、珪藻土、硫酸バリウム、シリカなどの無機顔料が一般に用いられる。
しかしながら、オレフィン−無水マレイン酸重合体を、水溶性樹脂として塗布する場合には、オレフィン−無水マレイン酸重合体はアニオン性重合体となっているため、これらの無機顔料に含まれる多価金属イオンと結合して、凝集を引き起こし易い。それゆえ、水溶性のオレフィン−無水マレイン酸重合体を塗布する際には、多価カチオンを含まない有機顔料を用いることにより塗布液の凝集を防止することができ、好ましい(請求項8)。
良好な画像除去特性を得るために被記録材に要求されるの一つの条件は、電子写真装置に常用される普通紙よりも高い平滑度を有することである。一般に上質紙として市販されている普通紙程度に凹凸のある紙では、熱可塑性の画像形成物質を加熱・加圧定着すると、画像形成物質がセルロース繊維の周りに絡み付くように付着することが避けられない。
従って、画像が記録された被記録材から画像形成物質を除去するときに、繊維を画像形成物質と共に剥ぎ取らなければ、良好な除去特性が得られない。
それゆえ、画像形成物質が除去できたとしても、被記録材の表面に毛羽立ちが生じ、再使用した時に画像の除去特性が劣化し、良好な繰り返し特性が得られない。
平滑度を150秒以上とすることより、電子写真装置において、粉体トナーを被記録材に転写する際に、被記録材の穴部に粒子間の繋がりが無く独立したトナー粉体が入り込むことを防止でき、良好な画像の除去が可能になる。
オレフィン−無水マレイン酸重合体を含む塗布物を紙に、表裏両面の乾燥重量の合計で 1〜15g/m2となるように塗布することが、良好な画像除去特性を得るために好ましい(請求項11)。
また、付着量が大きいと、コストが高くなる、被記録材の透明度が高くなる、紙の重量が重たくなるなどの欠点を生じる。最適な付着量は使用する原紙の平滑度や密度(空隙率)、塗布液の組成などにより変化するが、一般に上質紙として市販されている紙に塗布する場合には、表裏両面の乾燥重量合計が 2.5〜10g/m2 であることが好ましい。
しかしながら、片面のみにオレフィン−無水マレイン酸重合体を含む塗布物を塗布した場合には、被記録材にカールが生じ易く、特に電子写真装置で、熱定着を行なった後にカールが発生し、被記録材を装置の排出部に排出したときに、被記録材を秩序正しく積み上げることができなかったり、定着部で被記録材に皺が発生したりし易い。オレフィン−無水マレイン酸重合体を含む塗布液に顔料を分散することは必ずしも容易ではない。
しかしながら、基材として紙を使用し、顔料を含有しないオレフィン−無水マレイン酸重合体を含む塗布液の付着量を大きくした場合には、紙の空隙部が樹脂に置き換えられる割合が高くなり、被記録材の透明度が高くなり、記録した画像の視認性が悪くなる、画像を記録した被記録材を重ねた時に裏写りが生じるなどの問題を生じる。これを防止するためには、白色顔料および樹脂成分を含む目止め層を設けた後、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を塗布することが好ましい(請求項12)。
従って、オレフィン−無水マレイン酸重合体含む塗布物の層は、画像形成物質と接触する被記録材の表面部分をオレフィン−無水マレイン酸重合体を含む組成物で均一に覆われている限り、薄い方が好ましい。
顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる一つまたは複数の顔料を使用すると、高い不透明性や白色度が得られ、且つ、コストが安いこと、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含む組成物との接着性が良好であることから好ましい。
また、樹脂成分としては、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、天然ゴム、又は合成ゴムラテックスから選ばれる一つまたは複数の樹脂を用いることが、原紙とオレフィン−無水マレイン酸重合体を含む塗布物を含む組成物に対する接着性を示すことから好ましい(請求項14)。
原紙に目止め層を設けた場合には、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を、表裏両面の乾燥重量の合計で、1〜5g/m2とすることが好ましい(請求項14)。
本発明において、目止めを設けることにより、典型例としての紙の表面を平滑にするには、通常、片面につき10〜20kg/m2の塗布量が必要で、基質が紙であるとき、このような紙にすれば、剥離機能が理想的なものが得易い。そして、本発明においてこのような目止めをした場合には、オレフィン−無水マレイン酸重合体の塗布量が1g/m2以下でも充分な撥トナー性を発揮させることができる。しかしながら、オレフィン−無水マレイン酸重合体の塗布量は、片面1〜3g/m2で、極力平滑にすることが、より好ましい。
但し、付着量が1g/m2に満たない時には、被記録材の画像形成物質と接触をする表面をオレフィン−無水マレイン酸重合体を含む組成物で均一に覆うことが困難な場合があり、充分な画像除去特性が得られない。
付着量が5g/m2を超えた場合には、それ以上付着量を大きくしても、画像の除去特性が改善されないばかりでなく、塗布層が厚いと、紙内部から蒸発する水蒸気の圧力により塗布膜に微細な亀裂が発生し易く、その亀裂に入り込んだ画像形成物質の除去が困難となり、繰り返し使用特性が劣化する。また、付着量が大きいと、コストが高くなる、被記録材の透明度が高くなる、紙の重量が重たくなるなどの欠点を生じる。
これらの点や、比較的安価に加工が可能であることから、切り欠きを設けるか、穴を開けることが最も好ましい。すなわち、リユース可能な電子写真用紙であることを示す識別情報として、用紙に切り欠きまたは穴を設けることにより、画像形成装置あるいは画像除去装置の給紙カセット内に積層して収納した用紙の全部がリユース可能な用紙であるか否かを、発光素子と受光素子の組み合わせで検知することが可能となる。
被記録材の平滑度を高めるために、目止め層を付与した後、あるいは、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を塗布した後に、スーパーキャレンダー処理を行なうことは、平滑度を向上して、画像の除去特性を向上する上で有効な処理である。
本発明のリユース可能な電子写真用被記録材は、表面近傍の組成物にオレフィン−無水マレイン酸重合体を含有しているので、通常の電子写真装置に用いられている画像形成物質に対する接着性が適当な範囲にあり、画像の定着性と画像の除去特性の両方を満足させることができる。従って、本発明の電子写真用被記録材に画像形成をするプロセス、画像形成物質の組成、画像除去のプロセスは特に制約を受けるものではない。
しかしながら、本発明の被記録材は、特に熱可塑性を有する粉体画像形成物質を使用し、被記録材に形成した粉体画像形成物質を、100℃以上に加熱した定着用部材と接触せしめて、画像形成物質を被記録材に定着する画像形成装置に用いることにより、良好な定着性と画像の除去特性が得られる(請求項17)。
本発明の原理より、本発明被記録材の作用・効果は、いずれのプロセスを用いても同様に有効であることは明らかである。本発明の被記録材は、電子写真プロセスに限らず、熱可塑性の粉体画像形成物質を用いる磁気記録プロセス、熱転写方式、熱溶融性のソリッドインクを用いるインクジエット法で画像を形成するプロセスに用い、良好な定着性と画像の除去特性が得られることも明らかである。
良好な定着性と画像の除去特性が得るには、画像を形成するプロセスよりも、むしろ画像形成物質組成や、最終的にどのような手段で被記録材に画像形成物質を定着せしめるか、どのような手段で画像を除去するかが支配的な要素である。本発明の被記録材に記録して良好な定着性を得て、記録に用いた画像形成物質を良好に除去するためには、特に、熱可塑性を有する画像形成物質を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂成分の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2となる温度が、80℃以上であることが好ましく、90〜160℃であることが更に好ましい。
画像形成物質には、必要に応じて帯電制御剤、離型材、外添剤など公知の材料が、必要に応じて用いられる。帯電制御剤を例示すれば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の無機微粒子等が公知のものとして例示できる。
重合時や粒子の凝集条件を制御することにより、画像形成物質の粒径分布、形状分布、帯電性分布を、粉砕法以上に制御できるために、重合法で製造される画像形成物質粉体は、画像の高品位化や信頼性を向上することができる。本発明の被記録材は、粉砕および分散重合、懸濁重合など公知の化学プロセスにより製造した粉体画像形成物質のいずれも好ましく用いることができる。
好ましい定着部材の加熱温度は、100〜240℃である。定着部材を100〜240℃になるように加熱・加圧した時に、被記録材上に形成された画像形成物質の温度がどのくらいの温度に達しているかを実際に測定することには困難を伴うが、被記録材上に形成された画像形成物質の温度は、およそ80〜160℃となるように加熱することが好ましいものと推定される。
それゆえに、データベースなどに蓄積された情報を検索し、一時的に紙に印字して、閲覧するという場面が、著しく増えている。
逆に、第2の印字モードで印字された情報が容易に除去されると、画像の一部を書き換えたり、署名や押印画像を残して画像を除去して、その用紙の上に別の情報を書き込むなどの改竄、悪用が可能となるため、第2の印字モードで印字された画像は、除去されないことが好ましい。すなわち、普通紙に第2の印字モードで印字した画像は除去できないように、画像形成物質の組成、画像形成装置における定着条件などを設定することが好ましい。
例えば、画像形成装置に、本発明の電子写真用被記録材を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する複数の給紙カセットを設け、そのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を設け、第1印字モードにおいては、本発明のリユース可能な本発明の電子写真用被記録材を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けることにより、第1印字モードを選択した時には、確実に画像が除去でき、第2印字モードを選択された時には、画像除去が困難な印字物を得ることが可能になる。
被記録材に画像が形成される工程の前、特に、画像形成装置のユーザーインターフェイスを使用してユーザーが印字要求スイッチをオン(クリック)したり、画像形成装置のプリントボタンを押した段階で、画像形成装置においてリユース可能な電子写真用被記録材が供給可能か否かを検知、判別し、リユース可能な電子写真用被記録材が供給ができないときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じ、更には、給紙カセットにリユース可能な電子写真用被記録材をセットするようにユーザーに促すような制御手段を設けることにより、ユーザーは確実に画像を除去できる印字物を得ることができる。
本発明のリユース可能な電子写真用被記録材は、表面近傍の組成物にオレフィン−無水マレイン酸重合体を含有しているので、通常の電子写真装置に用いられている画像形成物質に対する接着性が適当な範囲になるため、画像の定着性と画像の除去特性の両方を満足させることができる。従って、本発明の電子写真用被記録材に形成された画像を除去するプロセスは特に制約を受けるものではない。
摺擦除去法にも、画像が形成された被記録材に液体を付与することなく摺擦操作を行なう乾式摺擦除去法と、摺擦操作をする前に、有機溶剤あるいは界面活性剤を含む水溶液などを被記録材に付与し、画像形成物質の一部を軟化あるいは溶解せしめたり、画像形成物質あるいは被記録材を膨潤せしめる湿式摺擦除去法が挙げられる。
本発明の画像形成装置について、具体的な例で説明する。図5は、電子写真法により画像を形成する画像形成装置と画像除去装置とが一つの筐体内に納められている画像形成除去システムの1例である。図5における画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、マゼンタ(C)、ブラック(K)の画像を、それぞれ別の感光体上で形成し、それらの各ステーションで形成された画像を中間転写体(217)に転写し、中間転写体に転写された画像を被記録材収納容器(231)から搬送される被記録材(237)に転写し、被記録材上に形成された粉体画像を、定着ローラ(244)により加熱定着する電子写真方式画像形成装置である。このようなカラー電子写真画像形成装置は、タンデム型カラー電子写真装置として公知のものである。
中間転写ベルト(217)は、ローラ(211)、(212)、(213)、(214)を内接するように設けられており、図示されていないテンション印加機構により、適当な張力が与えられている。中間転写ベルトには、ブラシ、ローラ等、その表面に付着した粉体を除去する手段(210)が設けられている。必要に応じて、被記録材に画像を転写した後の、中間転写ベルトに残留する電荷を除いたり、均一にするための、除電手段、帯電手段を設けることもできる。
被記録材上に転写された画像形成物質は、熱ローラあるいは定着ローラ(244)と加圧ローラ(245)などからなる定着手段で定着される。画像が定着された被記録材は、排紙ローラ対(241)を経て、排紙トレー(240)上に排出される。
リユース可能な電子写真用被記録材であることを識別する切り欠きや穴が検出されない場合には、画像を形成するための手段の動作が停止され、給紙された被記録材には画像が形成されないまま、排紙トレーに排出されるとともに、複数枚の画像形成か指令されている場合においては、次の給紙動作は禁止され、操作パネル、ユーザーインターフェイス部に、リユース可能な電子写真用被記録材が検出されず、第1印字モードでの印字はできなかった旨を表示するように制御する。
第1印字モードが手動また自動で選択されて画像を形成する場合には、画像形成装置は、第1印字モードで画像形成がされたことを示す識別マークを被記録材に形成する。
識別マークは、例えば図4(403)のバーコードであり、他の画像情報(402)と同様に、除去可能な画像形成プロセスにより印字される。すなわち、電子写真方式の画像形成方法による画像形成装置であれば、識別マーク信号発生手段により、レーザー、LEDの発光や液晶などのシャッター素子の開閉が制御され、感光体上に識別パターンの静電潜像が形成されたのち、現像装置で現像されて可視の識別パターンが形成され、電子写真用被記録材に転写されることにより第1印字モードで画像形成がされたことを示す識別マークが形成される。
乾式加熱・加圧転写法による除去方法(装置)の具体例
図5において、点線(250)で囲まれる部分は、画像除去装置である。画像除去装置は、画像を除去しようとしている被記録材を収納する給紙カセット(251)、該被記録材を画像除去処理部へと送り出す給紙コロ(252)、内部に加熱源としてハロゲンランプ(254)を有するアルミニウムで構成されるブロック(253)、該アルミニウム製ブロック(253)、テンションローラ(255)、クリーニングバックアップローラ(265)の間に張り巡らされたニッケル、ステンレスなどの金属またはポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトンなどの高分子化合物からなる剥離部材ベルト(257)、搬送された被記録材と剥離部材とを加熱状態で加圧するために、表面にシリコンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴムなどの弾性部材を有し、ステンレス、アルミニウム、鉄などからなる加圧ローラ(256)、被記録材から転写された画像形成物質を剥離部材から除去するためのスパイラル状クリーニングブレード(258)、剥離部材から除去された画像形成物質を収納する容器(259)、画像が除去された被記録材を画像形成装置の給紙カセットに搬送するための搬送ローラ対(281)、(282)、画像形成装置の第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークの有無を検知する手段(264)、画像が除去できない被記録材の収納容器(261)、被記録材を収納容器(261)に導くためのガイド板(262)、可動ガイド板(267)、排出ローラ対(263)よりなる。
温度の設定範囲は、50〜200℃程度であるが、通常用いられている電子写真用トナーで形成された画像を除去するためには、90〜130℃に設定することが好ましい。
図6は、画像形成物質の除去を摺擦により行なう被記録材再生装置の例である。図6において、被記録材上(1)上の画像形成物質(3)は、回転するスパイラルブレード(310)により除去される。スパイラルブレード(310)は、図7のように数条(図7では4条の)スパイラル状の刃が形成されたローラである。スパイラルブレードは、ボール盤やフライス盤などに使用する刃物に用いる鋼やセラミックスで作製することができる。スパイラルブレード(310)とゴムなどの弾性部材が表面に設けられているバックアップローラ(304)との間には、図示していない加圧手段により圧力が印加されていて、スパイラルブレード(310)が回転することにより、スパイラル状の刃が一定幅で被記録材に当接するように構成されている。スパイラルブレード(310)は、被記録材の搬送方向に対して、順方向に回転させても、逆方向に回転させても画像形成物質を除去することができる。被記録材より除去された画像形成物質(312)は、画像形成物質回収容器(311)に回収される。順方向に回転する場合には、被記録材の搬送速度よりもローラの被記録材への当接面の速度が速くなるように回転させる。
スパイラルブレードに替えて、直刃形状のブレードを当接しても、表面平滑性の高い被記録材上に形成された画像形成物質の除去は可能である。しかしながら、直刃形状のブレードを使用すると、被記録材と刃との摩擦力が著しく大きくなるため、被記録材の搬送が困難となる。スパイラルブレードでは、被記録材とブレードとが当接している面積が少ないため、摩擦抵抗が少なく、被記録材の搬送が可能となる。
合成例1
炭素数12〜14の直鎖αオレフィンの混合物(C12オレフィン/C13オレフィン/C14オレフィン モル比=4:3:3)と無水マレイン酸をモル比が1/1になるようにオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、200℃、5時間の反応をさせた。
反応生成物を水酸化アンモニウム水溶液でケン化し、重合体固形分20重量%の重合体の水溶液を得た。
炭素数16〜18の直鎖αオレフィンの混合物(C16オレフィン/C17オレフィン/C18オレフィン モル比=5:3:2)と無水マレイン酸をモル比が1/1になるようにオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、200℃、5時間の反応をさせた。
反応生成物を水酸化アンモニウム水溶液でケン化し、重合体固形分20重量%の重合体の水溶液を得た。
炭素数14〜16の直鎖αオレフィンの混合物(C14オレフィン/C15オレフィン/C16オレフィン モル比=3:5:2)と無水マレイン酸をモル比が1/1になるようにオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、200℃、5時間の反応をさせた。
反応生成物を水酸化アンモニウム水溶液でケン化し、重合体固形分20重量%の重合体の水溶液を得た。
炭素数12〜14の分岐したアルキル鎖を有するαオレフィンの混合物(C12オレフィン/C13オレフィン/C14オレフィン モル比=2:4:4)と無水マレイン酸をモル比が1/1になるようにオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、200℃、5時間の反応をさせた。
反応生成物を水酸化アンモニウム水溶液でケン化し、重合体固形分20重量%の重合体の水溶液を得た。
炭素数18〜20の分岐したアルキル鎖を有するαオレフィンの混合物(C18オレフィン/C19オレフィン/C20オレフィン モル比=5:3:2)と無水マレイン酸をモル比が1/1になるようにオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、200℃、5時間の反応をさせた。
反応生成物を水酸化アンモニウム水溶液でケン化し、重合体固形分20重量%の重合体の水溶液を得た。
炭素数8〜9の分岐したアルキル鎖を有するαオレフィンの混合物(C8オレフィン/C9オレフィン モル比=6:4)と無水マレイン酸をモル比が1/1になるようにオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、200℃、5時間の反応をさせた。
反応生成物を水酸化アンモニウム水溶液でケン化し、重合体固形分20重量%の重合体の水溶液を得た。
実施例1
市販の上質紙(商品名:リコーPPC用紙 Type6200)の両面に、片面の乾燥塗布量が4.8g/m2となるように、下記処方の塗布液をワイヤバーを用いて塗布し、120℃、5分間の乾燥を行なった。両面に塗布した紙にスーパーキャレンダー処理を行なった後、実機で印字可能なサイズのシートに切断し、リユース可能な被記録材であることを識別するためのマークとして、端面に切り欠きを設け、電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、73重量%)。
合成例1のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 30重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 15重量部
下記処方の塗布液を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、25重量%)。
合成例2のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 10重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 40重量部
下記処方の塗布液を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、53重量%)。
合成例3のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 25重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 30重量部
合成例4で得たオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液の原液を塗布液とする以外は、実施例1と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン-無水マレイン酸重合物比率は、100重量%)。
下記処方の塗布液を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、25重量%)。
合成例5のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 10重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 40重量部
合成例4のオレフィン−無水マレイン酸重合体水溶液に替えて、比較合成例1で得たオレフィン−無水マレイン酸重合体水溶液を原液を塗布液に用いる以外は、実施例4と同様の操作を行ない、比較用電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、100重量%)。
オレフィン−無水マレイン酸重合物を塗布せず、市販の上質紙(商品名:リコーPPC用紙 Type6200)に、リユース可能な被記録材であることを識別するためのマークとして、端面に切り欠きを設け、比較用電子写真用被記録材とした。
酸化デンプン10重量%水溶液を塗布液とする以外は、実施例1と同様の操作を行ない、比較用電子写真用被記録材を得た(塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、0重量%)。
下記処方の塗布液をアトライターにて分散処理を行ない、得られた白色顔料分散物を、市販の上質紙(商品名:リコーPPC用紙 Type6200)の両面に、片面の乾燥塗布量が2.9g/m2となるように塗布し、120℃、3分間の乾燥を行ない、目止め層を設けた。
ポリビニルアルコール 10重量%水溶液 10重量部
白色顔料 炭酸カルシウム 1重量部
合成例1のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 30重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 15重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン−無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、25重量%)。
合成例2のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 10重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 40重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン−無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、53重量%)。
合成例3のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 25重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 30重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、合成例4で得たオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液の原液を塗布液とする以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、100重量%)。
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン−無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、25重量%)。
合成例5のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 10重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 40重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を実機で印字可能なサイズのシートに断裁し、リユース可能な被記録材であることを識別するためのマークとして、端面に切り欠きを設け、比較用電子写真用被記録材とした。
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、オレフィン-無水マレイン酸重合物に替えてシリコーン樹脂(商品名:信越化学工業社、KR251)を溶媒にトルエンを使用して塗布する以外は、実施例6と同様に塗布、その他の処理をすることにより、比較電子写真用被記録材を得た。
実施例6で目止め層を設けただけの紙を用い、オレフィン-無水マレイン酸重合物に替えて含フッ素メタマリレート樹脂(商品名:ダイキン工業社、テックスガード)を溶媒としてCFC−113を用いて付着量が片面の乾燥重量で0.6g/m2となるように塗布する以外は、実施例6と同様に塗布、その他の処理をすることにより、比較電子写真用被記録材を得た。
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、実施例6で用いたオレフィン-無水マレイン酸重合物を含有する塗布液に替えて下記組成の塗布液を用いる以外は実施例6と同様に塗布、その他の処理をすることにより、比較電子写真用被記録材を得た。
合成例1のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 30重量部
ポリビニルアルコール ケン化度98%品15重量%水溶液 15重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン-無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン-無水マレイン酸重合物比率は、63重量%)。
合成例1のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 30重量部
酸化デンプン 15重量%水溶液 15重量部
スチレンアクリル系有機顔料分散液 固形分30重量%
(商品名:日本ゼオン社、MH5055) 4重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン−無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン-無水マレイン酸重合物比率は、71重量%)。
合成例1のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 30重量部
水溶性アクリル樹脂 30重量%水溶液
(商品名:星光PMC社、T−YP−147) 8重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン−無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、21重量%)。
合成例2のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 10重量部
水溶性アクリル樹脂 25重量%エマルジョン
(商品名:星光PMC社、T−YP−146) 30重量部
実施例6で目止め層を設けた紙を用い、下記処方のオレフィン-無水マレイン酸重合物を塗布する以外は、実施例6と同様の操作を行ない、電子写真用被記録材を得た(上層塗布組成物固形分中のオレフィン−無水マレイン酸重合物比率は、50重量%)。
合成例3のオレフィン−無水マレイン酸重合物水溶液 30重量部
水溶性アクリル樹脂 30重量%水溶液
(商品名:星光PMC社、T−YP−147) 20重量部
図5の画像形成装置と画像除去装置とが一体になった画像形成・除去システムを用いて、切り欠きを検知する手段を設けた画像形成装置の給紙カセットに、前記のコーナーカットを行なった前記実施例1〜11および比較例1〜6の電子写真用被記録材を収納し、現像剤として市販のポリエステル樹脂を主成分とする現像剤を用いた(リコー:IPSiO CX8200用現像剤)を現像装置に充填し、下記条件でカラー画像の形成を行なった。
プロセス線速:130mm/sec
定着ローラ温度設定:170℃
定着ローラ面圧:15N/cm2
すなわち、黒色階調画像部(画像面積率30%の画像)をクロックメータに貼り付けた白色の綿布にて、10往復擦り、被記録材から脱落して綿布に付着した画像の濃度を、マクベス濃度計により測定した。
評価は、脱落した画像の付着している綿布の濃度から綿布自体の濃度の値を差し引いた値で行なった。
脱落画像濃度 0.20以下 …○
0.20〜0.39 …△
0.40以上 …×
被記録材に形成した画像の除去は、図5の画像形成装置と画像除去装置とが一体になった画像形成・除去システムを用いて行なった。
画像除去の条件は下記のとおりである。
プロセス線速:25mm/sec
転写・剥離温度設定:115℃
剥離部材:厚み100μm ポリイミドフィルム
加圧面圧:20N/cm2
用紙・剥離部材分離:半径2mmの曲率分離
残留画像濃度は、ベた画像を除去した後に被記録材の画像濃度から未使用の被記録材の画像濃度を差し引いて求め、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色および2次色の中で最も残留濃度が高いもので判定した。
残留画像濃度 0.02以下 …○
0.03〜0.09 …△
0.10〜0.29 …×
0.30以上 …××
評価結果を表2に示す。
カルナウバワックス8重量部、スチレン90重量部、アクリル酸n−ブチル35重量部およびメタクリル酸10重量部を85℃で混合し、単量体混合液を得た。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.5重量部をイオン交換水2200重量部に溶解させ、界面活性剤溶液を得た。
次いで、前記界面活性剤溶液中に、前記単量体溶液を混合分散させ、この分散液に、窒素気流中で、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.72重量部をイオン交換水170重量部に溶解させた溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌した。更に、この系に過硫酸カリウム6.1重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた溶液を添加し、その後に、スチレン300重量部、アクリル酸n−ブチル120重量部、メタクリル酸35重量部からなる混合液を80℃で120分かけて滴下し、滴下終了後の系を60分間にわたり加熱、撹拌することによってラテックスを得た。
n−ドデシル硫酸ナトリウム28重量部をイオン交換水850重量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、黒色顔料としてカーボンブラック100重量部を徐々に添加して分散液を調製した。
母体粒子100重量部に対して、トナーと同様にシリカゲル微粉末0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、体積平均粒径5.6μmの画像形成物質粉体を得た。
201Y 感光体
201M 感光体
201C 感光体
201K 感光体
202 帯電手段
202Y 帯電手段
202M 帯電手段
202C 帯電手段
202K 帯電手段
203 現像器
203Y 現像器
203M 現像器
203C 現像器
203K 現像器
205 コロナワイヤ帯電器
205Y コロナワイヤ帯電器
205M コロナワイヤ帯電器
205C コロナワイヤ帯電器
205K コロナワイヤ帯電器
206 電界印加手段
206Y 電界印加手段
206M 電界印加手段
206C 電界印加手段
206K 電界印加手段
207 クリーニング手段
207Y クリーニング手段
207M クリーニング手段
207C クリーニング手段
207K クリーニング手段
210 粉体を除去する手段
211 ローラ
212 ローラ
213 ローラ
214 ローラ
217 中間転写体
231 給紙カセット
231a 給紙カセット
231b 給紙カセット
232 給紙コロ
232a 給紙コロ
232b 給紙コロ
233 給紙ローラ対
233a 給紙ローラ対
233b 給紙ローラ対
233c 給紙ローラ対
233d 給紙ローラ対
233e 給紙ローラ対
233f 給紙ローラ対
237 被記録材
238 発光素子
239 受光素子
240 排紙トレー
241 排紙ローラ対
242 電界印加手段
244 定着ローラ
245 加圧ローラ
250 画像除去装置
251 給紙カセット
252 給紙コロ
253 ブロック
254 ハロゲンランプ
255 テンションローラ
256 加圧ローラ
257 剥離部材ベルト
258 スパイラル状クリーニングブレード
259 容器
261 収納容器
262 ガイド板
263 排出ローラ対
264 マークの有無を検知する手段
265 クリーニングバックアップローラ
267 可動ガイド板
271 反射型発光素子・受光素子
281 搬送ローラ対
282 搬送ローラ対
310 スパイラルブレード
304 バックアップローラ
305a ローラ対
305b ローラ対
306a ローラ対
306b ローラ対
311 画像形成物質回収容器
312 画像形成物質
403 バーコード
402 画像情報
404 言語メッセージ
405 言語メッセージ
Claims (22)
- 少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有することを特徴とするリユース可能な電子写真用被記録材。
- リユース可能なことを示す識別情報が付与されている請求項1に記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 前記オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分に相当する部分が、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体由来の構造部分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 前記オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分に相当する部分が、α位に二重結合を有するαオレフィン単量体由来の構造部分であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 前記オレフィン−無水マレイン酸重合体が、オレフィン単量体に相当する部分/無水マレイン酸単量体に相当する部分のモル換算比においておよそ1/1の重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 前記オレフィン−無水マレイン酸重合体の被記録材の表面近傍における比率が20〜100重量%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、前記オレフィン−無水マレイン酸重合体に加えて、デンプン、デンプン誘導体、アクリル樹脂のいずれかを20〜80重量%含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 少なくとも画像を記録する面の表面近傍に、前記オレフィン−無水マレイン酸重合体に加えて、有機顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 前記オレフィン−無水マレイン酸重合体が、アンモニウム塩としてケン化されたオレフィン−マレイン酸重合体ケン化物を水媒体に溶解せしめて塗布され、乾燥によりアンモニアを脱離せしめることにより、水に不溶または難溶性となっていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- セルロース繊維を主体とする紙に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を付着せしめてなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- セルロース繊維を主体とする紙に、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を、表裏両面の乾燥重量の合計で、1〜15g/m2付着せしめてなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- セルロース繊維を主体とする紙に、白色顔料および樹脂成分を含む目止め層を設けた後、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を付着せしめてなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- セルロース繊維を主体とする紙に、顔料および樹脂成分を含む目止め層を設けた後、オレフィン−無水マレイン酸重合体を含有する組成物を、表裏両面の乾燥重量の合計で、1〜5g/m2付着せしめてなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 目止め層に用いる顔料が炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれ、目止め層に用いる樹脂がポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、天然ゴム、又は合成ゴムラテックスから選ばれることを特徴とする請求項12又は13に記載のリユース可能な電子写真用被記録材。
- 塩基性水溶液でケン化せしめたオレフィン−無水マレイン酸重合体ケン化物を、水を主な媒体として基材に塗布することを特徴とするリユース可能な電子写真用被記録材の製造方法。
- 水酸化アンモニウムによりケン化せしめたオレフィン−無水マレイン酸重合体の水溶性ケン化物を、水を主な媒体として基材に塗布し、加熱乾燥することにより、塗布物よりアンモニアを脱離せしめて、オレフィン−無水マレイン酸重合体ケン化物を水に不溶または難溶とすることを特徴とする請求項15に記載のリユース可能な電子写真用被記録材の製造方法。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材に、画像に従い熱可塑性を有する粉体よりなる画像形成物質を付着せしめ、100℃以上に加熱された部材と前記被記録材表面に形成された画像形成物質とを接触、加圧することにより、被記録材上に画像形成物質を定着せしめる画像形成方法。
- 熱可塑性を有する粉体よりなる画像形成物質が、熱可塑性ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項17に記載の画像形成方法。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材に、画像に従い熱可塑性を有する画像形成物質を付着せしめて画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面に、画像形成物質に対して該電子写真用被記録材表面よりも強い接着性を示す剥離部材を、画像形成物質が軟化された状態で重ね合わせ、加圧した後、該電子写真用被記録材と剥離部材とを分離することにより、該電子写真用被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写せしめて該電子写真用被記録材から除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法。
- 請求項17または18に記載の画像形成方法により画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面に、画像形成物質に対して該電子写真用被記録材表面よりも強い接着性を示す剥離部材を、画像形成物質が軟化された状態で重ね合わせ、加圧した後、該電子写真用被記録材と剥離部材とを分離することにより、該電子写真用被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写せしめて該電子写真用被記録材から除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用被記録材に、画像に従い熱可塑性を有する画像形成物質を付着せしめて画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面を摺擦し、画像形成物質を除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法。
- 請求項17または18に記載の画像形成方法により画像を形成し、該画像情報が不要となったときに、画像が形成された該電子写真用被記録材の画像形成面を摺擦し、画像形成物質を除くことにより、該電子写真用被記録材を再生して、再度、該電子写真用被記録材に画像を形成することを特徴とする電子写真被記録材の繰り返し使用方法。
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