JP4795315B2 - 画像形成除去システム - Google Patents
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特に、画像形成装置としては、熱可塑性を有する画像形成物質粉体で画像が形成される電子写真方式の画像形成装置に関し、画像除去装置としては、画像形成物質を加熱し、加熱された被記録材上の画像形成物質と剥離部材とを重ね合わせた後、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写することにより被記録材上の画像を除去する方式の画像除去装置に関する。
また、画像形成装置としては、アナログ法式の複写機ではなく、特に、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリなどのデジタル信号処理により画像形成する画像形成装置に関する。
さらに、熱可塑性の粉体よりなる画像形成物質を用いた画像形成方法以外でも、特定の特性を有する被記録材を用い、特定の画像形成方法を用いた場合にのみ、画像の除去が可能である場合であって、画像の除去が出来ない画像が形成されていたり、画像が除去できない被記録材に画像が形成されている被記録材を画像除去手段に搬送するとトラブルが発生する場合には、本発明は、熱可塑性の粉体よりなる画像形成物質を用いた画像形成方法を用いた場合と同様に適用できる。
これらの、問題に対処するため、不要になった情報記録用紙を回収し、一旦、パルプの状態まで離解し再利用する方法が従来より行なわれている。しかしながら、この方法では、古紙を回収のための運送やパルプの再生のために多くのエネルギーを使用する、再生された紙の剛度や白色度が低下する、印字したときににじみが生じるなどの問題がある。更に、情報が記録された被記録材が社外や家庭外に流通することなり、機密やプライバシーの保守という観点からも、問題がある。
また、特許文献2には、PETフィルムなどの支持体上にシリコンシール材などの離型材を擦りつけた被記録材を消去被記録材として使用することが開示されている。
また、特許文献3には、コート紙にシリコンシール剤を塗布・乾燥したシートに、普通紙と区別するために、筆記具で印を付与したり、穴を開けたイレーザブルペーパが開示されている。
また、特許文献4には、シリコンシール剤を塗布し、乾燥した紙やプラスチックフィルムを貼り付けた紙をイレーザブルペーパとして使用し、これらのイレーザブルペーパ上に形成された画像と表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトとを加熱・接触せしめた後、冷却し、イレーザブルペーパとエンドレスベルトとを分離することにより、イレーザブルペーパ上の画像を転写・剥離して除去する装置が開示されている。更に、イレーザブルペーパに印を付与し、この印を検出せしめることにより、イレーザブルペーパと普通紙とを判別し、普通紙の場合には、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトと接触しないようにバイパスさせることにより、エンドレスベルトの表面に紙が固着してエンドレスベルトがクリーニングシートとしての機能を失うことを防止することが開示されている。
また、特許文献5,6には、第1モードと第2モードを有し、第1モードでは、トナーが吸収されない合成紙とアルコール溶解性の画像形成物質を用い、第2モードでは、一般紙と通常のプラスチックのトナーを用いる画像形成装置が開示されている。この画像形成装置で形成された画像はアルコールで被記録材より溶解除去される。
また、特許文献7には、通常の画像形成条件で画像を形成する第1モードと画像を除去し易い条件で印字する第2モードを選択可能にした画像形成装置が開示されており、第2モードでは、露光量、現像バイアス電圧などを第1モードと変えることにより、単位面性当たりのトナー付着量を少なくすることが記されている。また、第2モードで印字したときには、第2モードで印字したことがユーザーに容易に認識できるように、記録紙の一部または全面にマークを付与することが開示されている。
また、特許文献8には、被記録材の一部に画像消去装置により消去処理可否を示すマークを付与する画像形成装置が開示され、文書の内容で消去しては困る(重要な)文書を誤って消去してしまわないようにするために、消去処理を禁止するマークを付与する画像形成装置が開示されている。また、消去処理を許可するマークを付与することも記されている。
また、特許文献9には、パンチ穴を開けたりするフィニジングモード等では、リユーザブルペーパー以外の紙を自動的に選択し、試し印字モードなどではリユーザブルペーパーを自動的に選択することにより、ユーザーが自分でリユーザブルペーパーを使用するか否かを判断する必要がないリユーザブルペーパーの使用が可能な画像形成装置が開示されている。
また、特許文献10には、リユーザブルペーパーに消去可能な領域に画像を形成し、消去不可能あるいは消去可能な情報を記す画像形成装置が開示され、被記録材の使用回数や画像占有面積、トナーの種類などの情報を記すことができることが記されている。
また、特許文献11には、一般の被記録材に画像形成を行なう第1モードと、リユース可能な被記録材に画像形成を行なう第2モードとを有し、給紙カセットにリユース可能な被記録材があるか否か、モードの選択が出力されるアプリケーションの種別などの特定情報に基づき自動的に行なわれる画像形成装置が開示されている。
本発明の請求項1に記載の発明は、形成された画像を除去することを可能になるように形成され、画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報を有する被記録材とそれ以外の一般の被記録材との両方に画像を形成することができる画像形成装置であって、前記の識別するための情報を検知する手段を有し、被記録材上に形成する画像を消去することを前提とする第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設け、第1画像形成モードと第2画像形成モードとを任意に選択可能とし、前記検知手段により画像を消去することが可能な被記録材に画像が形成できる状態にあると判断される以外には、第1のモードでの画像形成を禁止するように制御する手段を設け、且つ、画像の除去が可能な被記録材を給紙することにより該被記録材に画像を形成し、第1の画像形成モードの画像形成時においては、被記録材の少なくとも一部に、画像を消去することを前提に画像形成をする第1の画像形成モードで画像が形成されたことを示す識別マーク、および画像形成装置の機種情報を、他の画像を形成するための画像形成物質と共通として画像除去装置で除去が可能になるように形成する画像形成装置と、少なくとも被記録材上の画像形成物質を加熱する手段、被記録材上の画像形成物質を被記録材から転写するための剥離部材、画像形成物質が加熱された状態で被記録材と剥離部材とを加圧する手段、画像形成物質が接着した剥離部材を被記録材と分離する手段よりなる前記画像形成装置で形成された画像を除去する手段を備え、前記第1の画像形成モードで画像が形成されたことおよび特定の画像形成装置の機種情報を示す識別マークを検知する手段を有し、被記録材上に識別マークが検知されない場合には、被記録材の画像除去を行なわないように制御する手段を有し、識別マークが検知された場合には画像除去処理を行ない、被記録材上に形成された画像および第1の画像形成モードで画像が形成されたことおよび特定の画像形成装置の機種で画像が形成されたことを示す識別マークを除去するように制御する手段を有する画像除去装置とから構成されることを特徴とする画像形成除去システムである。
ここで、重要な点は、画像の除去が可能な被記録材に、画像が除去可能な被記録材である識別情報が設けられているにも拘わらず、第1モードで画像形成をする際に、第1モードで印字されたことを識別する情報付与示す識別マークすることである。第1モードで画像が形成されたことを示すとともに機種情報も含めて印字すること、すなわち、前記識別マーク、および画像形成装置の機種情報を付与することが好ましい。第1モードでは、画像が除去可能な被記録材以外への被記録材への画像形成を禁じているにも拘わらず、更に特定機種の第1モードで画像が形成されたことを識別する識別する情報付与するのは、画像が除去可能な被記録材は、画像が除去できない方式の画像形成方法や画像形成方法は概略同一であっても画像の除去ができない機種で画像が形成される可能性があるからである。例えば、特定の画像の除去が出来る識別情報を有する被記録材に、電子写真方式のA機種で第1モードで画像形成をした場合には、画像の除去は可能である場合でも、電子写真方式のB機種で形成した画像は必ずしも画像が除去できるとは限らない。また、該被記録材にインクジェット・プリンタで画像を形成すると通常のインクでは、熱可塑性がないので、剥離部材への転写法で、画像の除去はできない。更に、A機種では、第1モードを選択したときに、第2モードに対して、画像を除去し易くするために画像の定着性を弱めるように画像形成プロセスを変更をしている場合や、画像形成物質が除去し易いものが使用されるように変更される場合には、A機種の第1モード以外の方法で画像形成した場合には、画像除去手段により画像の除去を行なっても、完全な画像の除去が出来ない場合が多くなる。画像除去手段により画像を除去する際に、画像除去手段には、画像が除去可能な被記録材であることを示す識別情報ではなく、特定機種の第1モードで画像が形成されたことを検知する手段が設けられ、これが検知された場合にのみ画像除去処理がなされる。これにより、確実に画像を除去できる被記録材のみが画像除去処理がなされることになる。
しかしながら、そのようなシステムにおいては、被記録材が比較的高価なものになってしまい、識別情報の消去、書き込みのための特別の手段が必要になるという欠点がある。従って、第1モードで画像が形成されたことを識別するための情報は、画像でマークされ、画像除去装置で画像を除去する際に、形成された他の画像と共に除去されるように形成されることが好ましい。
前述のとおり、第1モードで印字されたことを示す識別情報は、画像除去装置で画像を除去する際に、形成された他の画像と共に除去されるように形成されることが好ましい。例えば、通常の画像は電子写真法で形成する画像形成装置において、第1モードで印字されたことを示す識別マークを染料インクを使用するインクジエット記録方法で形成した場合には、画像除去装置において、通常の画像とインクで形成された画像の両方を除去することは困難である。第1モードで形成されたことを識別するためのマークが画像除去後も残留すると、その被記録材に画像が除去できない方式の画像形成がなされた場合においても、画像除去装置が画像除去可能な画像形成装置の第1モードで形成された画像であると判断してしまい、トラブルを生じてしまう。従って、通常の画像を形成する画像形成方法と第1モードで画像を形成したことを識別するためのマークとは、画像形成物質を共通とする同様の方法で印字することが好ましい。
被記録材を識別するための情報を検知する手段は、画像形成装置の給紙部の下流の搬送パスに設けられ、そこで画像が除去可能な被記録材であるか否かを判別することも考え得る。しかし、その場合には、一旦、被記録材が搬送パスに給紙された後、それが画像が除去可能な被記録材であるか否かを判別することになるため、第1モードが選択されているにも関わらず、搬送された被記録材に識別情報がない場合には、その被記録材を搬送方向を逆転して収納容器に戻したり、画像形成せずに排紙トレーに搬送したりする処理が必要になる。また、ユーザーが第1モードで画像形成できる状態にないことに気付くまでに時間を要することになる。従って、被記録材の収納容器にセットされている被記録材が、画像が除去可能な被記録材であるか否かを検知する手段が被記録材の収納容器に設けられ、第1モードを選択されるとほぼ同時に画像形成装置が、画像が除去可能な被記録材を供給することが可能か否かを判断することが好ましい。更に、被記録材の収納部(収納容器)に画像除去可能な被記録材が積載されていない場合には、第1モードが選定された際に画像が除去できる被記録材が収納容器に積載されていないことをユーザーにフィードバックする表示をすることが好ましい。これにより、ユーザーは、画像の除去が可能な被記録材を収納容器に積載する、第2モードで画像を形成するなどの処置を容易に行なうことができる。
ユーザーが第2モードを選択する場合に想定される用途は、社外、当該部署外、家庭外、顧客へ画像が形成された被記録材を配布する、契約書や法的に定められた申請書、報告書等改竄がなされてはならないものを印字する、画像が形成された被記録材を紙文書として長期間保存する場合である。このような用途において、画像の除去可能な識別情報が記された被記録材、すなわち、切り欠きや穴が開いたり、バーコードが印刷されている被記録材に印字された文書が配布されることは、見栄えが悪いばかりではなく、使用目的には不必要な情報が記録されていることによるトラブルが生じる可能性がある。更に、画像が除去可能な被記録材を用いると、画像の除去が容易になり、その文書を社外、当該部署外、家庭外、顧客などの外部に配布した後、改竄される危険性がある。また、画像が除去可能な被記録材は、通常の被記録材よりもコストが高くなる傾向があるので、コストの高い被記録材を、外部に配布したり、長期間保存することは、経済的な効率からも好ましくない。従って、たとえ被記録材の収納部に、画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報を有する被記録材がセットされていることが検知された場合においても、第2モードが選択された場合には、画像除去が可能な被記録材には画像の形成を禁止するように制御する。これにより、第2モードでは、画像の除去が不可能な状態でしか画像の形成が出来ないので、不正な改竄を防止できる。一般に使用される被記録材上の画像を形成する第2の画像形成モードでは、画像除去手段により除去できないように選定された画像形成物質を使用したり、定着条件を第1モードよりも被記録材に画像形成物質がより強く接着するように設定したりすることは、不正な改竄を防止する意味で好ましい。また、画像除去装置のプロセス条件を第1モードで画像を形成した場合にのみ除去が可能な条件に設定をすることも、不正な改竄の防止が、より完全なものとなり好ましい。
前述のように、ユーザーが第2モードを選択する場合に想定される用途は、社外、当該部署外、家庭外、顧客へ画像が形成された被記録材を配布する、契約書や法的に定められた申請書、報告書等改竄がなされてはならないものを印字する、画像が形成された被記録材を紙文書として長期間保存する場合である。このような用途において、使用目的以外の情報を被記録材に形成することは好ましくない。第2モードにおいて、不必要な情報を形成しないことにより、余計な情報が被記録材に形成された場合に生じうるトラブルの発生を防止することができる。
画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報としては、被記録材に切り欠きあるいは穴が設けられることによりなされていることが好ましいこと、被記録材収納部にそれを検知する手段が設けられていることが好ましいことは、前述したとおりである。被記録材の収納部に画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報を検知する手段が設けられた場合においても、印字指令か出されたときに給紙する1枚目だけに情報があるか否かを検知する場合は、2枚目以降に画像の除去が可能な被記録材以外の被記録材が混入していると、ユーザーが第1モードを選択して印字指令を出した後、混入を検出した時点で画像形成が禁止されてしまう。ユーザーは、複数ページまたは複数部数の印字指令を第1モードで出したときに、印字が可能な状態になっているか否かを予め知ることにより、印字途中で画像形成が停止してしまうことを防止することが好ましい。画像の除去が可能な被記録材を収容する容器に積載されている被記録材のすべてに、切り欠きあるいは穴が設けられているか否かを検知するようにすることで、この目的を達成することができる。画像形成装置に複数の給紙カセットがある場合においては、必ずしも、すべてのカセット(被記録材の収容容器)において、積載された被記録材のすべてに切り欠きあるいは穴が設けられることによりなされていることが検知された場合にのみ第1モードでの画像形成を許可するのではなく、被記録材のサイズが所望のものである特定の被記録材収納容器に積載されている被記録材のすべてに切り欠きあるいは穴が設けられることによりなされていることが検知される収納容器が一つでもあれば、第1モードでの画像形成を許可するように制御することが好ましい。
通常の画像形成装置では、使用される被記録材が特定できないために、広い範囲の被記録材の使用が許容されるように、定着条件が設定される。すなわち、厚さが厚い紙上や接着性が悪い紙に対しても充分な定着力が生じるように定着条件が設定される。本発明の画像形成装置に置いては、第1のモードで画像形成を行なう場合には、請求項1記載の装置より、必ず画像が除去可能な被記録材上に画像が形成される。画像が除去可能な被記録材は特定の被記録材であり、厚みや表面の画像形成物質に対する接着性の変動が少ない。定着条件は、画像が除去可能な被記録材である特定の被記録材に必要最低限の範囲で設定することにより、画像の除去を困難とすることを防止できる。すなわち、画像形成物質を被記録材に定着する方式として熱定着あるいは、光照射定着を用いる画像形成装置において、第1モードでは、種々の被記録材への定着性を確保する必要がないので、第2モードの画像形成時に対して、定着温度を低くしたり、定着圧力を弱くしたり、定着のために照射する光量を小さくしたり、定着ローラで加熱・加圧するニップ時間を短くするために定着処理速度を上げたり、定着処理パスが短くなるように変更したりすることで、画像の除去をより確実にすることができる。これらの定着処理条件の変更は、上記の中で単独または、複数の組み合わせで行なうことができる。
第1モードは、被記録材上の画像を除去し、被記録材を再使用することを前提として選択される画像形成モードであるが、このモードで被記録材の両面に画像を形成した場合、画像除去装置は複雑な構成になったり、処理に時間を要することになる。すなわち、画像除去装置に、両面に画像が形成されているか否かを検出する手段を設け、両面に画像が形成されている場合においては、片面の画像除去を行なった後に表裏を反転して再度画像除去手段に被記録材を搬送したり、あるいは、画像の除去するステーションを複数設けて、被記録材の表裏を別々の画像除去ステーションで処理する必要がある。また、被記録材から画像形成物質を除去して被記録材を再生する方法として、被記録材と剥離部材とを加熱・加圧して密着し、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写する方法により、画像形成物質を除去する画像除去方法を採用する場合には、片面の画像の除去処理をする際に、熱可塑性を示す画像形成物質が加熱されると、被記録材の除去処理面と反対面に形成された画像が、加圧ローラ、被記録材の搬送ローラなどの画像除去装置構成部品に付着し易いため、ローラに巻きついてしまったり、ジャムを生じたり、部品の汚れを生じ、その汚れが次に処理する被記録材にオフセットしたりするトラブルが発生する。これらの問題の発生を防止するためには、被記録材の画像除去処理面と反対面ある画像が画像除去装置の構成部品に付着しないように、フッソ樹脂加工するなどを施す必要があり、画像除去装置は構成が複雑になったり、コストの高いものになってしまう。
第1モードが選択されたときには、両面に画像を形成することを禁止するように制御する手段を設けることにより、画像除去手段は、片面のみを処理するだけでよいため、複雑な搬送経路や画像の有無を検知する手段、片面の除去処理をした被記録材をストックする容器を設ける必要がなく、また、除去処理面と反対面の画像形成物質が付着することも必要がないため、簡素で安価な画像除去装置の提供が可能となる。また、被記録材の表裏を反転して処理することも必要がなくなるため、処理速度も速くなり、画像除去装置内での被記録材のジャムなどの確率も低減できる。
デジタル処理を行なうことにより画像を形成する装置には、ドットの画像濃度を変えずに単位面積あたりに形成するドット数を変えて画像を記録する2値の中間調画像の記録方法と、画像濃度を2段階以上に変えて中間調画像の記録する多値の記録方法がある。多値で中間画像を形成したほうが、原理的には、粒状感のない画像が得られる。ところが、被記録材から画像形成物質を除去して被記録材を再生する方法として、被記録材と剥離部材とを加熱・加圧して密着し、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写する方法により、画像形成物質を除去する画像除去方法を採用する場合には、被記録材上に形成された画像の厚みが小さいと、被記録材上の画像形成物質と剥離部材とが接触し難くなるため、画像の除去が完全でなくなる場合がある。形成された画像の除去を前提とした第1モードが選択されたときには、多値モードでの画像形成を禁止し、2値の中間調処理をすることにより、被記録材上に形成された中間調画像部も画像除去装置において剥離部材と接触することが可能になり、画像の除去不良を防止することができる。
前述したように、画像除去装置において、画像が除去可能な被記録材であることを示す識別情報を読み取るのではなく、特定機種の第1の画像形成モードで画像が形成されたことを識別するマークを検知することにより、被記録材上に形成された画像が除去できるものであるか否かを確実に判別することができる。このために、画像の除去が不良になるために発生する種種のトラブルを防止できる。画像が除去されない被記録材と画像が除去された被記録材とが混在し、再度、画像形成装置により画像を形成した際に、画像が残留した被記録材上に形成した画像は判読が出来ないというトラブルが発生するが、確実に画像が除去できる被記録材だけを画像除去手段に搬送し、完全に画像が除去できた被記録材だけを排紙してストックすることにより、このようなトラブルの発生を防止できる。また、被記録材から画像形成物質を除去して被記録材を再生する方法として、被記録材と剥離部材とを加熱・加圧して密着し、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写する方法で、画像形成物質を除去する画像除去方法を採用する画像除去装置において、被記録材と剥離部材との分離が不良となることによる被記録材のジャムが発生するのを防止できる。
画像除去装置には、第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークを検知する手段と、被記録材の画像の除去が可能なことを識別するために記されている情報を検知する手段を併有し、両者が検知されたときのみに、画像除去処理をするようにしてもよい。
画像除去処理が禁止された被記録材は、画像除去処理をする手段とは別の搬送経路を経て、画像除去された被記録材とは別にストックされることが好ましい。被記録材に第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークが検出されない場合には、画像除去手段の一部の機能を解除して、画像除去処理をしないようにしてもよい。被記録材と剥離部材とを加熱・加圧して密着し、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写する方法で、画像形成物質を除去する画像除去方法を採用する画像除去装置においては、被記録材と剥離部材とを加圧するローラの圧力を解除することにより、画像除去処理をしないようにすることができる。
画像が形成された被記録材と画像形成物質に接着性を有する剥離部材と画像が形成された被記録材とを加熱・加圧した後、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写・剥離する工程を含むものであって、該工程の前後に他のプロセスを含む方法を画像除去手段として使用することもできる。例えば、特開平7−13383号公報に記載されている方法のように、水などを含む液体を被記録材に付与せしめて、画像形成物質と被記録材との接着性を弱めた後、画像が形成された被記録材と画像形成物質に接着性を有する剥離部材と画像が形成された被記録材とを加熱・加圧し、被記録材と剥離部材とを分離することにより被記録材に形成された画像形成物質を除去する手段を用いることかできる。
本発明の画像除去装置には、被記録材に形成された画像を摺擦して除去する手段を用いることができる。被記録材上に形成された画像をスパイラル状に刃を設けたローラの側面で摺擦したり、ブラシ形状を有する摺擦部材を用いることにより画像を剥離除去する画像除去手段においては、被記録材の表面が紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂などの硬い表面を有する被記録材、表面に画像形成物質との接着力を低下する化合物が付与されている被記録材を用いることにより、容易に画像が除去できるようになり、このような被記録材に画像除去が可能なことを示す識別情報を付与することができる。
本発明の画像除去装置には、被記録材に形成された画像を溶解又は膨潤せしめる液体を被記録材に付与することにより、画像を液体で洗浄する手段を用いることもできる。液体で洗浄除去する方法に適する被記録材としては、付与する液体が吸収されないように、撥液性のある化合物を被記録材の表面に付与した被記録材、画像形成物質が被記録材の内部に入り込まないように、表面を平滑にし、且つ、付与する液体で溶解してしまわないように架橋構造を有する樹脂を表面に設けた被記録材などが例として挙げられる。このような被記録材に画像除去が可能なことを示す識別情報を付与することができる。
前述のとおり、画像除去装置には、第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークを検知する手段と、被記録材の画像の除去が可能なことを識別するために記されている情報を検知する手段を併有し、両者が検知されたときのみに、画像除去処理をすることで、より確実に画像が除去できる場合にのみ画像除去処理を行なうことができる。画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報が検出された場合においても、第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークが検知されない場合には、被記録材の画像除去動作を禁止することにより、被記録材上に形成された画像が除去できるものであるか否かを確実に判別することができる。このために、画像の除去が不良になるために発生する種種のトラブルを防止できる。
前述のとおり、被記録材から画像形成物質を除去して被記録材を再生する方法として、被記録材と剥離部材とを加熱・加圧して密着し、被記録材と剥離部材とを分離することにより、被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写する方法で、画像形成物質を除去する画像除去方法を採用する画像除去装置においては、除去できない画像、特に除去できない熱可塑性を有する画像形成物質で画像が形成された被記録材が混入すると、被記録材と剥離部材との分離が不良となることによる被記録材のジャムが発生し易い。従って、加熱・加圧により被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写する方式の画像除去装置では、特に本発明の効果が大きい。
画像が除去できる被記録材は繰り返し使用するものであるが、例えば表面に撥トナー剤などの画像形成物質との接着性を低下せしめる化合物が付与する場合、片面にのみ付与すると、被記録材は環境条件の変化や画像形成装置内の温湿度の変化により、カールする場合が多い。このために画像形成装置の搬送経路でジャムを生じたり、皺が発生するという問題も生じる。これを防止するためには、被記録材の両面に概略同等の処理をすることが好ましい。そのように両面が処理された被記録材を使用する場合、表裏の使用回数をほぼ均等にすることが好ましい。被記録材は繰り返し使用することにより、表面のセルロース繊維が剥がれてきたり、表面に塗布した化合物が剥がれてきたりするなどの劣化を生じる場合がある。被記録材の両面に概略同等回数使用することにより、表面の劣化を両面でほぼ均等にできるので、繰り返し使用回数を上げることができる。
画像の除去が可能な被記録材を識別する情報として、切り欠きや穴を設けると、積層した場合においても発光素子、受光素子や機械的なスイッチにより、切り欠きや穴があるか否かを容易に判別でき、且つ、ユーザーも目視や接触により、積層された被記録材の中に切り欠きや穴がない被記録材が混入した場合に判別、除去できる。図6aのように、一つの隅に切り欠きや穴を設けた場合でもこの効果は得られるが、被記録材容器に切り欠きを揃えて積載する場合に、両面を使用しようとすると、被記録材容器内で切り欠きの位置が表裏で変ってしまうため、切り欠きや穴を検出するための手段を2個所に設けたり、1つの検知手段を移動させる必要があったりするために、被記録材容器の構造が複雑になったり、検知の信頼性が低下するという問題がある。図5cのように長方形の辺の中央近傍1個所、または図5aのように長方形の一辺に沿って隅近傍2個所、または、図5bのように隅近傍3個所に切り欠きや穴を設けた場合には、切り欠きや穴を揃えた状態で、画像形成装置の被記録材収納容器に表裏どちらをセットしても、1箇所の検知だけで検知が可能になり、被記録材収納容器の構造を簡素なものにすることができる。
また、画像形成装置の被記録材収納容器の2個所以上で識別情報の有無を検知できる手段を設けて、被記録材の表裏に画像形成を可能とした場合においても、被記録材の1隅近傍にのみきり欠きや穴を設けた被記録材を使用すると、画像除去装置の被記録材収納容器に積載する場合、片面の画像除去処理しかしない画像除去装置では、画像が形成された面を同一方向にして積載することが必要であり、被記録材の両面に画像が形成されたものが混在すると、切り欠きや穴のある位置が反対方向になってしまい、画像除去装置で画像を除去され排紙トレーに排出される被記録材の切り欠き位置がばらばらになってしまい、画像形成装置で再使用する際に、切り欠きや穴の位置をそろえてから使用しなければならなくなり、著しく手間を要する作業が要求されてしまう。
第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークは、画像除去装置において、被記録材を搬送する前あるいは、搬送直後に検知されることにより、画像除去装置の被記録材搬送経路を短くでき、装置を簡素で小型なものとすることができる。画像除去装置においては、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークの有無を検知し、識別マークの有無により、画像除去処理を行なうか否かを判断するが、画像除去処理された被記録材とされない被記録材とか混在すると、画像形成装置で再使用する前にユーザーは、混在した被記録材の中から、画像除去処理がなされたもののみを抜き出して再使用せねばならない。この手間を省くためには、画像除去処理がなされない被記録材は、搬送パスを分ける必要がある。従って、画像除去装置において、給紙された被記録材の先端に第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークがあるほうが、早く画像除去処理が可能か否かを早く判別できるので、被記録材の搬送経路を早く分別できたり、画像処理手段の作動の有無を早く判別できるので、被記録材の搬送パスを短くでき、装置を簡素で小型なものとすることができるのである。
また、画像除去装置の被記録材収納容器で積載された被記録材がすべて画像の除去が可能な被記録材であるか否かを、画像形成装置の被記録材収納容器に積載された被記録材に適用する手段と同様な手段で容易に検知できる。
図6bのように隅近傍4個所、図6c、図6dのように辺の中央近傍2ヶ所に切り欠きや穴を設けても、画像形成装置の両面をセットすることができるが、この場合には図において上下が逆になった場合においても積載が可能であり、画像形成装置において、画像除去装置において、第1モードで画像が形成されたことを識別するマークを搬送される被記録材の先端部近傍で検知しようとすると、被記録材の先端部と後端部の両方に識別マークを形成することが必要になり、好ましくない。
この目的を達成するには、切り欠きや穴が設けられた被記録材を用い、画像形成装置で第1モードが選択された場合に許可される被記録材の送り方向および画像除去装置で画像除去処理をするときの搬送方向を決めておけばよい。
例えば、画像形成装置で第1モードが選択される場合に、画像形成装置が短手方向送りのみを許可するような制御手段が設けられ、画像除去装置は、被記録材を長手方向に搬送した場合にのみ画像除去処理が可能なように構成することが、好ましい。画像形成装置においては、一般に高速の処理が望まれるので、被記録材を短手方向に搬送し画像を形成する。画像除去装置は、被記録材を長手方向にのみ搬送して画像除去処理できるように構成し、被記録材の短手の幅のみが除去処理すればよいようにするほうが、画像除去手段を構成する部品の長さが短くて済むので、画像除去装置が小型・軽量に構成できる。また、画像除去処理幅が小さくてよいので、プロセス条件のばらつきも少なくなり、安価な制御手段で構成することが可能になったり、信頼性の高い画像除去処理が可能になる。画像除去装置の処理速度は、一般的な使用法においては、ユーザーが画像が除去されるのを待っている場面は少なく、比較的遅くても問題を生じない。
画像形成装置において第1モードが選択される場合に、画像形成装置が短手方向送りのみを許可するような制御手段が設けられる場合には、請求項14の長方形の辺の中央近傍1個所に切り欠きが設けられるかあるいは穴が開けられた被記録材を画像の除去が可能な被記録材として用いるときには、図7aのように、被記録材の長いほうの辺中央近傍に切り欠きが設けられるかあるいは穴が開けられた被記録材を用いる。また、被記録材の2隅に切り欠きあるいは穴が設けられている被記録材を使用するときには、図7bのように被記録材を使用する。被記録材の2隅に切り欠きあるいは穴が設けられている被記録材を使用するときには、図7cのように被記録材を使用する。このように被記録材を用いることにより、画像除去装置の被記録材収納容器の1個所に、切り欠きあるいは穴を検知する手段を設ければ、被記録材の表裏どちらの面がセットされた場合においても検知が可能であり好ましい。逆に、画像形成装置が長手方向送りのみを許可するような制御手段が設けられる場合には、被記録材の短いほうの辺中央近傍に切り欠きが設けられるかあるいは穴が開けられたり、短いほうの辺の両方の隅近傍に切り欠きや穴が開いている被記録材を用いることが好ましい。
また、画像形成装置で第1モードが選択される場合に、画像形成装置が短手方向送りのみを許可するような制御手段が設けられ、画像除去装置は、被記録材を長手方向に搬送した場合にのみ画像除去処理が可能なように構成される画像形成除去システムでは、図7a、図7b、図7cのように、画像形成装置での被記録材の搬送方向から見た場合に、側方に第1モードで画像が形成されたことを示す識別マーク(403)を形成するような制御手段が画像形成装置に設けられる。また、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マーク(403)は、切り欠きのない側かある側がどちらか定められたほうに形成されるように制御される。
上述のように、画像形成装置で第1モードが選択される場合に、画像形成装置が短手方向送りのみを許可するような制御手段が設けられ、画像除去装置は、被記録材を長手方向に搬送した場合にのみ画像除去処理が可能なように構成することは、好ましい組み合わせではあるが、目的や用途により、他の組み合わせであっても、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークが先端になるよう被記録材が搬送されること、ユーザーが画像の除去が可能な被記録材と一般の被記録材とが混在しないように被記録材を揃えて画像形成装置の被記録材収納容器に、容易に積載できることは、達成することができる。例えば、画像形成装置の第1モード及び画像形成装置の両方で短手送りする場合は、この目的を達成しながら、画像形成装置および画像除去装置の両方の処理速度を速くすることができる。
上述したように、切り欠きや穴が設けられた被記録材を用い、画像形成装置で第1モードが選択された場合に許可される被記録材の送り方向および画像除去装置で画像除去処理をするときの搬送方向を決めておくことにより、画像除去装置において、ユーザーが、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークが先端になるよう被記録材が搬送され、画像の除去が可能な被記録材と一般の被記録材とが混在しないように被記録材を揃えて画像形成装置の被記録材収納容器に積載することが容易になり好ましい。画像形成装置と画像除去装置とて紙送りの方向を同じにしておくことで、画像形成装置と画像除去装置とで被記録材の切り欠きや穴が同じ位置にくるように被記録材収納容器に積載すれば、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークが先端になるよう被記録材が搬送され、画像の除去が可能な被記録材と一般の被記録材とが混在しないように被記録材を揃えられることになり、特に好ましい。
また、画像形成装置における被記録材の送り方向と画像除去装置における被記録材の送り方向を同じに設定しておくと、画像除去装置で画像を除去処理した被記録材を90度回転することなく、処理する方向のまま、処理後の被記録材を画像形成装置の被記録材容器にスタックできる。画像除去装置で送り方向を決めていない場合においても、従来の画像形成・除去システムでは、第1モードで画像を形成したことを読み取ってはいなかったので、画像除去装置での送り方向は、長手送りにしても短手送りにしても問題は生じることはなかった。
アナログ複写機で、A3版の原稿をA4に縮小コピーをする場合には長手方向の搬送により画像を形成し、通常のA4版の画像形成は短手送りしたい場合のように、第1モードの画像形成時にも、被記録材を長手方向(縦方向)あるいは短手方向(横方向)の何れの方向にも搬送することが要求される場合においては、画像形成装置で何れの方向に搬送されることも許可される。画像形成装置において、第1モードで画像を形成するときに、被記録材を長手方向(縦方向)あるいは短手方向(横方向)の何れの方向に搬送することも許可される場合も、画像除去装置において、被記録材を長手方向(縦方向)あるいは短手方向(横方向)の何れの方向に搬送するかは定められていて、画像除去装置において、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークが搬送される被記録材の先端に来るように、画像形成装置で識別マークが形成されることが好ましい。画像形成装置においては、被記録材の長手方向(縦方向)あるいは短手方向(横方向)の何れの方向に搬送することが選択されたかにより、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークを付与する位置を変更するように制御する手段を有することで、被記録材に多数の識別マークを形成することを避けることができる。例えば、画像除去装置において、被記録材の搬送方向が長手方向に設定されている場合には、画像形成装置で被記録材の短手方向(横方向)搬送が選択されると、図8aのように画像形成装置の搬送方向から見た場合には、側方に識別マークを形成する。一方、画像形成装置で被記録材の長手方向(縦方向)搬送が選択されると、図8bのように画像形成装置の搬送方向から見た場合には、搬送方向側に識別マークを形成する。
また、被記録材上に形成する画像を消去することを前提とする第1の画像形成モードの画像形成時に、被記録材の少なくとも一部に、画像の消去することを前提に画像が形成される第1モードで画像が形成されたことを表示する識別マーク、および画像形成装置の機種情報を形成するので、画像除去装置において、この識別マークの有無を検知することにより、画像の除去が可能な被記録材の上に、画像の除去が可能な画像形成手段で画像が形成されたものであること、すなわち、被記録材上の画像が確実に除去可能なものであるかを判別することができ、画像が除去できない被記録材が混入することにより発生するトラブルの発生を防止することができる。
また、画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報を有する被記録材であっても、第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークが検知されない場合には、被記録材の画像除去動作を禁止する制御手段を有し、画像の除去が可能な被記録材に、指定の機種以外の画像形成装置などで除去できない画像を形成された場合にも、機種情報を検知し、その被記録材の画像除去処理を禁止するので、単に、画像が除去できる被記録材であることを識別する場合に比較して、画像が除去できない被記録材が混入することにより発生する被記録材の搬送ジャムなどの問題を防止することができ、再生処理された被記録材を再使用する際に、除去不良の被記録材が混入することにより生じるトラブルの発生を低減できる。
また、第1の画像形成モードで画像が形成されたことを識別するためのマークを形成するための画像形成物質が他の画像を形成するための画像形成物質と共通としているので、識別マークを形成するための手段が簡素になるばかりでなく、画像除去装置で識別マークの除去が可能となるため、画像形成装置において、繰り返し使用するたびに識別マークを形成する位置を変えて印字する必要がなく、画像除去装置においても、一定位置にある識別マークの有無を検知するだけで除去可能な画像が形成されている被記録材か否かを判別できるため、画像形成装置、画像除去装置の両方を簡素な構成とすることが可能になる。
また、被記録材の収容部に、積載セットされている被記録材が画像を除去することを可能にした被記録材であるか否かを検知する手段を有していて、第1モードが選択された場合には、画像を除去することが可能な被記録材がセットされていることが検知され、その上に画像を形成することが可能な場合にのみ、画像の形成を許可するため、確実に画像の除去が可能となるとともに、印字指令を行なう以前または印字指令を行なった直後に第1モードで印字することが可能か否かをユーザーにフィードバックすることができて、効率的に画像形成を行なうことが可能となる。
また、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードで画像形成を行なうときには、画像の除去が可能な被記録材への画像形成を実行しないので、切り欠きや穴が開いた被記録材やバーコードなどの画像の除去が可能な被記録材であることを表示するマークが記された被記録材が外部に配布されることを防止できる。また、画像の除去が可能な文書が配布先で改竄されることを防止できる。更に、コストの高い被記録材を、外部に配布したり、長期間保存することを防止でき経済的である。
また、画像形成装置が、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードで画像形成を行なうときには、第2モードで画像が形成されたこと識別するマークを記さないので、不要な情報が記されているために生じるトラブルを防止することができる。
また、画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報が、被記録材に切り欠きあるいは穴が設けられることによりなされ、画像形成装置の画像の除去が可能な被記録材の収納部には、積載された被記録材のすべてに切り欠きあるいは穴が設けられているか否かを検知する手段を設けているので、ユーザーが第1モードで複数枚の被記録材に画像を形成する印字指令を出した後、印字途中で画像除去できない被記録材が検出されて、画像形成が中断される確率を減らすことができる。
また、熱定着あるいは、光照射定着する手段を有し、第1モードと第2モードでは、第1のモードのほうが、定着温度あるいは定着圧力、光量が小さいか、定着処理パスが短いか、定着処理速度が速いかの何れか一つまたは複数の手段により、被記録材への定着が弱くなるようにプロセスを変更するように制御をするので、第1モードで形成された画像は、より確実に画像の除去が可能になり、画像除去装置でトラブルが発生することを防止でき、また、再生処理した被記録材を再使用する際に発生するトラブルを防止できる。
また、第1モードが選択されたときには、両面に画像を形成することを禁止するように制御する手段を設けられているので、片面のみを処理する簡易な構成であって且つ、信頼性も高い画像除去装置で処理することが可能になる。
また、2値の画像形成モードと多値の画像形成モードの両方で画像形成ができる制御手段を有し、第1モードが選択されたときには、多値の画像形成モードを禁止し、2値の印字モードで画像形成を行なうように制御する手段を有するので、第2モードにおいては粒状性に優れた画像を形成することができるとともに、第1モードで形成された2値画像は、画像形成物質を加熱・加圧して剥離部材に転写して画像を除去する画像除去装置において、剥離部材と接触不良になる可能性が小さくなり、中間調画像の除去が確実にできる。
また、画像形成装置において被記録材上に形成する画像を消去することを前提とする第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークを検知する手段を有し、該識別マークが検知されない場合には、被記録材の画像除去動作を禁止するように制御する手段を有するので、画像が除去できない被記録材が混入することにより発生する被記録材の搬送ジャムなどの問題を防止することができ、再生処理された被記録材を再使用する際に、除去不良の被記録材が混入することにより生じるトラブルの発生を防止することができる。
また、画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報を有する被記録材であっても、第1の画像形成モードが選択されたときのみに形成される識別マークが検知されない場合には、被記録材の画像除去動作を禁止する制御手段を有し、画像の除去が可能な被記録材に、指定の機種以外の画像形成装置などで除去できない画像を形成された場合にも、その被記録材の画像除去処理を禁止するので、単に、画像が除去できる被記録材であることを識別する場合に比較して、画像が除去できない被記録材が混入することにより発生する被記録材の搬送ジャムなどの問題を防止することができ、再生処理された被記録材を再使用する際に、除去不良の被記録材が混入することにより生じるトラブルの発生を低減できる。
また、被記録材上に形成された画像形成物質を加熱する手段、剥離部材を有し、画像形成物質が加熱された状態の被記録材と剥離部材とを圧接する手段、圧接された被記録材と剥離部材とを分離する手段を有するものであり、このような手段で画像を除去する場合おいては、特に画像が除去できない被記録材の画像除去処理を行なうと被記録材の搬送ジャムが発生する可能性が高く、画像が除去できない被記録材を検知し画像除去処理を禁止することによる効果が大きい。
また、本発明の繰り返し使用する画像の除去が可能な長方形の被記録材においては、長方形の辺の中央近傍の1個所、長方形の長辺の中央近傍の1個所と短辺の中央近傍の1個所、長方形の一辺に沿って隅近傍2個所、または隅近傍3個所の何れかに切り欠きまたは穴が設けられているので、画像形成装置の被記録材収納部における画像の除去が可能な被記録材であることを検知する手段が、被記録材収納容器の1個所で検知を行なうだけで、被記録材の表裏、どちらの面を使用する場合も検知できる。また、4隅や対角線上に2個所、長辺の中央部に2個所、短辺の中央に2ヶ所の切り欠きや穴を設けた場合と異なり、180°回転した場合の見分けが可能であり、画像除去装置において、第1モードにより画像が形成されたことを識別するためのマークが、搬送方向先端になるように被記録材収納容器に、容易に積載することができる。また、画像除去装置で画像が形成された面が異なる被記録材が混載されていても、画像形成面を揃えた状態で、画像の除去ができる被記録材のみが収納容器に積載されているか否かを判別することが可能になる。
また、画像形成装置において第1モードで画像を形成するときの被記録材の送り方向と、画像除去装置で画像除去処理をするときの被記録材の送り方向が一定の方向に定められているので、請求項14の被記録材を用いることにより、ユーザーが、画像除去装置において、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークが先端になるように、また、画像の除去が可能な被記録材と一般の被記録材とが混在しないように被記録材を揃えて画像形成装置および画像除去装置の被記録材収納容器積載することが容易になる。
また、画像形成装置において第1モードで画像を形成するときの被記録材の送り方向と、画像除去装置で画像除去処理をするときの被記録材の送り方向が同じ方向に定められているので、ユーザーは、画像形成装置の被記録材収納容器への積載の仕方と、画像除去装置における被記録材収納容器への被記録材の生記載を、請求項14の被記録材を用いたときに、切り欠きや穴が同じ位置に来るように積載すると、画像除去装置において、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークが先端になるようになり、また、画像形成装置において画像の除去が可能な被記録材と一般の被記録材とが混在しないように被記録材を揃えて積載することが容易になる。また、画像除去装置で処理した被記録材を回転処理することなく、画像形成装置の被記録材容器に排出することができる。
また、画像除去装置において画像除去処理するときの被記録材の搬送方向が定められていて、画像形成装置が、第1モードの画像形成時に、被記録材を長手方向(縦方向)あるいは短手方向(横方向)の何れの方向に搬送された場合においても、第1モードで画像が形成されたことを示す識別マークを、画像除去装置の搬送方向の先端になるように形成するので、画像除去装置を簡素、小型にすることができる。
本発明における画像記録装置の具体例は、感光体と乾式トナーを用いる通常の電子写真装置、静電記録装置、トナージェット記録装置、イオンフロー記録装置、磁気記録装置などである。乾式現像法を用いるこれらの記録方装置では、一般的に、染料または顔料からなる色材と熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性を有する粉体の画像形成物質が用いられる。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、マゼンタ(C)、ブラック(K)、それぞれの画像形成ステーションは、下記のような公知の電子写真装置の要素よりなる。すなわち、表面に光導電体層や保護層を有する金属等を基体とするドラムまたはベルト状の感光体(201)〈(201Y)、(201M)、(201C)、(201K)〉、帯電ローラやワイヤ帯電器などから構成される感光体(201)を均一に帯電する手段(202)〈(202Y)、(202M)、(202C)、(202K)〉、形成したい画像に従って均一に帯電された感光体(201)を露光する、レーザー、LED、発光体−液晶光バルブ、原稿台に乗せた原稿を照明しその反射光を感光体に投影する従来のアナログ複写機の光学系などの図示していない光照射手段、光照射に画像にしたがって形成された静電潜像を粉体トナーを用いて可視画像にする磁気ローラやトナー搬送ローラを内部に有する現像器(203)〈(203Y)、(203M)、(203C)、(203K)〉、感光体(201)上に形成された粉体画像の帯電を制御するためのコロナワイヤ帯電器(205)〈(205Y)、(205M)、(205C)、(205K)〉、感光体(201)上に形成された粉体画像を中間転写ベルトに転写するためのローラあるいはコロナワイヤ型の電界印加手段(206)〈(206Y)、(206M)、(206C)、(206K)〉、転写後の感光体に残留する粉体トナーを除去するためのクリーニング手段(207)〈(207Y)、(207M)、(207C)、(207K)〉等から構成される。これらの構成要素に加えて、必要に応じて適当な公知の要素を加えることができる。例えば、画像を転写した後の感光体(201)上の電荷を除くために、交流帯電器や光照射器などの除伝手段を設ける、感光体への帯電電圧を検知する手段と帯電器に印加する電圧をコントロールする手段を設けて、環境変動や繰り返し使用による劣化があっても感光体に帯電する表面電位を一定に保つような制御手段などである。また、画像転写後の感光体上のトナー除去が必要ない場合には、クリーニング手段(207)〈(207Y)、(207M)、(207C)、(207K)〉を除くことや、感光体に形成した粉体画像を帯電する必要がない場合には、コロナワイヤ帯電器(205)〈(205Y)、(205M)、(205C)、(205K)〉を除くことができる。
最終的に画像が形成される被記録材は、被記録材収納容器(231)〈(231a)、(231b)に収納されており、給紙コロ(232)〈(232a)、(232b)〉により紙搬送系に送られ、給紙ローラ対(233)〈(233a)、(233b)、(233c)、(233d)、(233e)、(233f)〉を経て搬送され、中間転写ベルト(217)上に形成された粉体画像は、電圧印加ローラ、コロナワイヤ帯電器のような電界印加手段(242)により、被記録材に転写される。
被記録材上に転写された画像形成物質は、熱ローラあるいは熱ベルト(244)と加圧ローラ(245)などからなる定着手段で定着される。画像が定着された被記録材は、排紙ローラ対(241)を経て、排紙トレー(240)上に排出される。
CMC水溶液(固形分濃度5.0重量%、ダイセル化学工業社製)64部、ポリビニルアルコール水溶液(固形分10重量%、クラレ社製)4部、グリオキザール(固形分重量40%)4部、水29部からなる混合物を充分に攪拌して塗布液を調整し、これを75g/m2の紙の上に、片面当たりの乾燥重量が4g/m2となるように両面コートした。次いで、乾燥した後、40℃で20時間熱処理を行なった。熱処理を行なった紙に、パーフルオロアルキルカルボン酸5重量%の水溶液を片面の乾燥重量が、0.2g/m2となるように両面に塗布し、70℃で約10秒間乾燥した。乾燥後の被記録材をーパーカレンダー処理を行ない、J.TAPPI No.5−B方式による平滑度が250秒の被記録材を得た。平滑化処理を行ない、A4サイズに裁断した紙に、画像の除去が可能な被記録材を識別する情報として、図5aのように2隅に切り欠きを設けて、画像の除去が可能な被記録材を得た。ただし、図5aとは異なり、長辺の両側の2隅に切り欠きを設けた。なお、画像の除去が可能な被記録材を識別する情報としては、図2aのような切り欠きの他に、図2bのように穴を開けることもできる。単に穴を開けただけでは、他の被記録材と混同する可能性がある場合には、図2cのように複数の穴を設けたり、複数の切り欠きを設けることもできる。また、図2dのようにバーコードなどのマークを印刷することも他の被記録材との混同を避けることができる点で好ましい。
図1のようなカラー画像形成装置において、第1モードで画像形成がされたことを示す識別マークは全ての色で形成される必要はなく、画像除去装置が読み取り可能に形成されることが重要である。多色で形成した場合には、色ずれなどにより画像除去装置で読み取りが困難になる場合もある。例えば、黒色だけで識別パターン形成することにより、色ずれの問題はなく、コントラストも大きいために、画像除去装置において、読み取りが容易になる。
また、肉眼では不可視にするために、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸染料、紫外線吸収顔料、赤外線吸収染料、赤外線吸収顔料を含む画像形成物質で第1モードで画像形成がされたことを示す識別マークを形成することも考えられるが、画像除去装置ばかりでなく、ユーザーにも第1モードで形成されたことが識別できることが、通常は好ましい。第1モードで画像が形成されたことを識別するマークが図4(403)のバーコードのように、言語でない場合には、図4(404)、(405)の位置に、「リユースモードで印刷されています」、「短期使用モードで印刷されています」、「利用後は画像除去して下さい」、「地球にやさしい印字モードで印刷されました」などの言語メッセージを記すような手段を設けることにより、ユーザーがより容易に識別することが可能になる。
アルミブロック(253)の加圧ローラ(256)の下流側のエッジ部は、半径1〜5mm程度の曲率になっており、剥離部材ベルト(257)がこの曲率に沿って搬送されるため、被記録材の剛性により、被記録材と剥離部材とは分離される。
画像の除去が可能な被記録材の画像形成物質に対する接着力は、剥離部材に対する画像形成物質の接着力よりも弱くなるように構成されているため、被記録材と剥離部材とが分離されると、被記録材上の画像形成物質は剥離部材(257)の表面に転写され、被記録材上の画像形成物質は剥離されて、被記録材上より除去される。
本実施例においては、画像形成装置においても、画像除去装置においても、被記録材を短手方向に送るよう被記録材が被記録材収納容器に積載されるようにし、画像形成装置においては、第1モードでは、被記録材を長手方向に搬送して画像を形成することを禁止した。すなわち、画像形成装置の被記録材収納容器(232b)において、容器のサイドフェンスが被記録材を長手方向に積載する位置にセットされた場合には、第1モードでの画像形成を禁止するように制御した。同様に画像除去装置においては、短手送り方向にのみ被記録材を積載できる被記録材収納容器のみが、画像除去装置にセットできる構造とした。
202 帯電手段
203 現像器
205 帯電器
206 電界印加手段
207 クリーニング手段
210 粉体を除去する手段
211 ローラ
212 ローラ
213 ローラ
214 ローラ
217 中間転写体(中間転写ベルト)
231 被記録材収納容器
232 給紙コロ
233 給紙ローラ対
237 被記録材
238 発光素子
239 受光素子
240 排紙トレー
241 排紙ローラ対
242 電界印加手段
244 熱ローラあるいは熱ベルト
245 加圧ローラ
250 画像除去装置
251 被記録材収納容器
252 給紙コロ
253 ブロック
254 ハロゲンランプ
255 テンションローラ
256 加圧ローラ
257 剥離部材ベルト
258 クリーニングブレード
259 画像形成物質収納容器
261 被記録材の収納容器
262 ガイド板
263 排出ローラ対
264 マークの有無を検知する手段
265 クリーニングバックアップローラ
267 可動ガイド板
269 レジストローラ
271 発行素子・受光素子
281 搬送ローラ対
282 搬送ローラ対
401 被記録材
402 画像情報
403 識別マーク(バーコード)
404 言語メッセージを記す手段
405 言語メッセージを記す手段
Y イエロー
M マセンタ
C シアン
B ブラック
Claims (1)
- 形成された画像を除去することを可能になるように形成され、画像除去が可能な被記録材であることを識別するための情報を有する被記録材とそれ以外の一般の被記録材との両方に画像を形成することができる画像形成装置であって、前記の識別するための情報を検知する手段を有し、被記録材上に形成する画像を消去することを前提とする第1の画像形成モードと、被記録材上に形成する画像を消去することを前提としない第2の画像形成モードとを設け、第1画像形成モードと第2画像形成モードとを任意に選択可能とし、前記検知手段により画像を消去することが可能な被記録材に画像が形成できる状態にあると判断される以外には、第1の画像形成モードでの画像形成を禁止するように制御する手段を設け、且つ、画像の除去が可能な被記録材を給紙することにより該被記録材に画像を形成し、第1の画像形成モードの画像形成時においては、被記録材の少なくとも一部に、画像を消去することを前提に画像形成をする第1の画像形成モードで画像が形成されたことを示す識別マークおよび画像形成装置の機種情報を形成し、前記識別マークおよび機種情報を形成するための画像形成物質を他の画像を形成するための画像形成物質と共通として、他の画像と共に画像除去装置で除去が可能になるようにした画像形成装置と、少なくとも被記録材上の画像形成物質を加熱する手段、被記録材上の画像形成物質を被記録材から転写するための剥離部材、画像形成物質が加熱された状態で被記録材と剥離部材とを加圧する手段、画像形成物質が接着した剥離部材を被記録材と分離する手段よりなる前記画像形成装置で形成された画像を除去する手段を備え、前記第1の画像形成モードで画像が形成されたことを示す識別マークおよび画像形成装置の機種情報を検知する手段を有し、被記録材上に前記識別マークおよび画像形成装置の機種情報が検知されない場合には、被記録材の画像除去を行なわないように制御する手段を有し、前記識別マークおよび画像形成装置の機種情報が検知された場合には前記画像を除去する手段で、被記録材上に形成された画像および前記識別マークおよび画像形成装置の機種情報を除去するように制御する手段を有する画像除去装置とから構成されることを特徴とする画像形成除去システム。
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