JP4234032B2 - 電子写真用紙、その製造方法、電子写真画像形成方法 - Google Patents

電子写真用紙、その製造方法、電子写真画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性化合物を含有する画像形成物質で画像が形成される電子写真画像形成装置に適した電子写真用紙に関し、特に画像の形成された電子写真用紙から該画像形成物質を剥離除去して電子写真用紙を再生し、画像形成に再利用することができる、リユース可能な電子写真用紙に関する。
また、本発明は、上記の電子写真用紙を使用して、画像を形成・除去する方法、上記の電子写真用紙を使用する電子写真画像形成装置に関する。
更に、本発明は、感光体と乾式トナーを用いる通常の電子写真法の他に、静電記録法、トナージェット記録法、イオンフロー記録法などのような感光体は使用しない熱可塑性画像形成物質を用いる電子写真法にも適用できる。
近年、電子写真法を用いたプリンタやアナログ複写機、デジタル複写機、印刷機が普及し、紙が大量に使用されている。ところが、被記録材として一般に用いられる紙は木材より得られるパルプを原料とするため、紙を大量に消費することは、森林の伐採、地球環境の悪化につながることになり、その消費量を抑制することが社会的な課題となっている。更に、廃棄物の埋立て場所にも限界があり、廃棄物の削減も同様に社会的な課題となっている。
これらの、問題に対処するため、不要になった情報記録用紙を回収し、一旦、パルプの状態まで離解し再利用する方法が、従来より行なわれている。しかしながら、この方法では、回収のための運送やパルプの再生のために多くのエネルギーを使用し、更に、剛度や白色度が低下する、印字したときに滲みが生じるなど、再生された紙の品質上の問題もある。また、白色度が高い上質の情報記録紙を製造するためには、新しい原料を用いるよりも割高になる場合もある。情報が記録された被記録材を回収、再生するには、情報が記録された被記録材が社外や家庭外に流通することなり、機密やプライバシーの保守という観点からも、問題がある。
一旦使用された紙を回収し、再生紙としてリサイクルする場合の問題を解決するための方法として、一度使用した被記録材上の画像を除去して被記録材を再生し、再使用できる被記録材や方法が提案されている。
例えば、被記録材としてプラスチック、金属、液浸透性のない紙、セラミックスなどを用い、これらの被記録材上に形成された熱溶融性の画像に熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像を剥離除去する方法が開示(特許文献1参照)されている。また、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトを用い、離型剤で処理された被記録材上の電子写真法で形成された画像を転写剥離して除去する装置が開示(特許文献2参照)されている。また、シート状被記録材の表面、特に片面のみに離型処理を行ない、且つ、該離型処理した被記録材に印を付け、普通紙と区別した被記録材が開示(特許文献3参照)されている。これらの従来例に示されている被記録材は、プラスチックがベースのものであったり、撥トナー剤として、シリコーンシール剤や市販の粘着テープを使用するもので、コスト、製造性、高品質の画像を得る点で、充分なものではなかった。
また、これらの従来例では、熱溶融性樹脂を有する画像剥離部材を用いて被記録材上の画像を除去している。熱溶融性あるいは熱可塑性の樹脂を表面に有する画像剥離部材を使用して、被記録材上の画像を画像剥離部材に転写して、被記録材上の画像を除去する方法は、被記録材上の画像と画像剥離部材との密着を良好にすることができるため、表面にある程度の凹凸のある被記録材上に形成された画像を除去するために有効な方法である。
しかしながら、被記録材からの画像の除去を繰り返すことにより、画像剥離部材の上には、被記録材から転写された画像形成物質が蓄積する。蓄積した画像形成物質を画像剥離部材から除去するためには、転写された画像と、画像が転写する前に画像剥離部材に付着していた熱可塑性の樹脂との間の接着力あるいは凝集力よりも大きな剪断力を印加することが必要になる。被記録材から画像形成物質を転写するためには、熱可塑性の画像形成物質の凝集力が被記録材と画像形成物質の接着力より大きな状態で、転写(被記録材と画像剥離部材との分離)を行なわなければ、被記録材上の画像形成物質の全部が被記録材から剥離部材に転写されない。したがって、転写工程は、画像形成物質が完全に溶融するのではなく、軟化する程度の比較的低い温度で実施される。転写された画像と、画像が転写する前に画像剥離部材に付着していた熱可塑性樹脂との間の接着力あるいは凝集力よりも大きな剪断力を印加するためには、被記録材に転写した画像形成物質を転写温度よりも高温に加熱して溶融状態にして凝集力を低下することが必要になる。画像剥離部材上の転写された画像形成物質を除くために、被記録材上の画像を画像剥離部材上に転写するときの温度よりも高い温度に加熱することは、エネルギー効率が悪く、好ましくない。また、画像形成物質に使用している材料により、高温に加熱しても充分に粘度が低下しない場合もあり、そのような場合には、元から画像剥離部材に付与していた熱可塑性の樹脂を表面に残しながら画像剥離部材上の転写された画像形成物質を除去するためには、大きな剪断力を加える必要が生じる。画像剥離部材上の画像形成物質を大きな剪断力を加えて除去しようとすると、熱可塑性の樹脂が画像剥離部材の基材との界面から剥がれてしまう結果になり易い。このように、熱可塑性の樹脂を表面に保持する画像剥離部材を繰り返し使用することには、画像を除去するだけの観点からは有利であるが、上記のような困難を伴うため、現在までに、実用化に至っていない。
また、電子写真法により画像が形成された紙に水を含む液体を含浸させ、紙と画像形成物質との接着力を弱めた状態で紙と画像剥離部材とを加熱状態で圧接し、紙より熱可撓性の画像形成物質を剥離除去する方法が開示(特許文献4参照)されている。この方法では、紙繊維を水を含む液で膨潤させるため、液で膨潤しない画像形成物質との間に剪断力が生じ、画像形成物質と紙との接着力が弱まる。このために、画像剥離部材と画像形成物質との接着力が、比較的、弱い状態で転写、剥離が可能になるという利点がある。
また、この方法で画像を除去するのに適した被記録材として、水を主体とする画像除去促進液に対する湿潤伸びを低減したり、表面の濡れ性を制御した紙が開示(特許文献5、6参照)されている。
しかし、これらの従来例に開示されている被記録材は、本質的に普通紙に近い表面平滑性を有するものである。近年、画像品質の要求に答えるため、電子写真装置で使用される画像形成物質の粒径が小さくなり、小径化により、紙に画像が形成されるときに画像形成物質が紙の深部にまで到達し易く、画像の完全な除去が困難となってきている。また、電子写真カラー画像では、再現色領域の拡大、定着後画像光沢性も要求されるため、被記録材上の画像は、べた画像部において、連続した皮膜を形成するように設計される場合が多い。すなわち、画像が微細に途切れていると、乱反射により、画像の彩度や光沢が低下する。画像が連続した皮膜を形成している場合、被記録材画像面から画像除去促進液を画像と被記録材の界面に浸透せしめることが困難となる。画像除去促進液を被記録材と画像との界面に達するように付与するには、画像と反対の面から供給することや、機械的に画像形成物質が形成する膜に穴を開けるなどの前処理をして画像除去促進液を供給するなどの対策が必要である。しかしながら、このような手段は、液を大量に付与することが必要であったり、画像除去装置の構成が複雑になる問題など、実用化を妨げる課題がある。
また、リユース可能な被記録材として、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性樹脂と架橋剤を含む画像剥離層を、セルロース繊維を主体とする紙の上に4g/m程度の付着量で設けた被記録材が開示(特許文献7参照)されている。ここに開示されている被記録材は、水を主体とする画像除去促進液を付与する画像除去方法を用いると、剥離層が画像除去促進液により膨潤するために、一般のモノクロ画像ように連続膜を形成していない画像の除去特性は確保される。しかしながら、連続膜を形成する画像の除去は、前記の画像除去促進液を使用する方法でも困難である。また、画像除去促進液を使用しない方法で画像形成物質を除去するには、一般の画像形成物質との接着力が大きく、画像が充分に除去しきれないという問題がある。
また、基材の記録面に填料と樹脂とを含む塗工層を2〜15g/mの付着量で設け、該塗工層の表面に、分子中にシラン化合物と反応基を有する変性シリコーンオイルとを含む組成物から得られた離型材料を塗布または含浸し、乾燥した再生可能な被記録材が開示(特許文献8参照)されている。この従来例では、撥トナー剤としてのシリコーンオイル層の下に塗工層を設けることにより、画像除去促進液を付与しない方法でも、画像の除去を可能にしている。しかしながら、この従来例では、比較的高価なシリコーン化合物が用いられているため、大量に用いるには難がある、水性ペン、油性ペンのような筆記具での筆記性を確保することが困難であるという問題がある。
他に、撥トナー剤としては、フッ素樹脂などのフッ化炭化水素基含有材料を用いることも或いは考えられる。しかし、フッ化炭化水素基含有材料を用いた場合、上記シリコン系材料の場合と同様、高価となる上に、水性ペン、油性ペンのような筆記具での筆記性を確保することが困難であるという問題がある。
特開平1−297294号公報 特開平4−64472号公報 特開平4−67043号公報 特開平7−13383号公報 特開平8−100388号公報 特開平8−286579号公報 特開2002−278123号公報 特開平10−319620号公報
上述の通り、一度使用した被記録材から画像を除去して再生し、再使用するための電子写真用被記録材や画像除去方法は種々提案されている。しかしながら、従来提案されている被記録材、画像除去方法においては、画像の除去特性が、画像形成物質粉体の小径化などによる高画像品質化の要求やカラー化に充分対応しきれなくなってきていることや、コスト、製造性などの課題が残ったままである。本発明の目的は、これらの従来技術の欠点を解決するものである。
すなわち、本発明の目的の一つは、画像を完全に除去できる電子写真用紙や電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することである。特に、画像除去促進液を使用せずに、画像を形成した用紙と画像形成物質(トナー)に接着性の高い画像剥離部材とを、画像形成物質が軟化する程度に加熱された状態で重ね合わせて、圧力を印加し、その後、用紙と画像剥離部材とを分離することにより、画像形成物質を用紙から画像剥離部材に剥離・転写して、用紙上の画像を除去する方法において、良好に画像の除去ができる電子写真用紙を提供することである。
画像除去促進液を付与せず画像形成物質の除去を可能にすることにより、カラー電子写真画像の除去を可能にする。画像除去促進液を付与せず画像形成物質の除去を可能にすることにより、画像除去促進液を使用した場合に、再生された電子写真用紙を再使用するときに発生し易い皺の発生を防止する。画像除去促進液をサプライとして必要としない画像除去システムをユーザーに提供することを目的とする。
また、従来の被記録材や画像除去方法では、画像の除去は完全ではなく、特に、中間調画像の除去が困難であったが、本発明においては、用紙の上に形成された画像を完全に除去することを目的とする。
本発明の他の目的は、コストの安く、環境負荷の少ない被記録材で上記の目的を達成することにある。セルロース繊維を主体とする紙は、大気中の炭酸ガスを吸収する植物を原料とし、リサイクルが可能であることから、環境負荷が少なく、安価な素材である。また、セルロース繊維を主体とする紙は、手で触れたときの感触や、ページめくりの良さ等もあって、長年に亘って、文書や画像等の可視情報の記録表示媒体として用いられてきており、また、余白への筆記性も依然として良好であることが期待されている。したがって、本発明の他の目的は、セルロース繊維を主体とする紙そのような性質を保持し、かつ、水性ペン、油性ペンのような筆記具での良好な筆記性を保持することにある。
しかしながら、紙は、セルロース繊維を漉いて繊維間に水素結合を発生させてなるものであり、不透明性を維持できる通常の叩解度の繊維を用いると表面に繊維の太さ程度の凹凸ができることは避けられない。この凹凸形状のために、凹部に入り込んだ画像形成物質粉体を除去することが困難となる。本発明においては、安価で環境負荷の小さな紙をベースに用いて、用紙上に形成された画像を完全に除去する電子写真用紙、電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
また、一般に、撥トナー性を示す材料は、比較的高価な材料であり、本発明においては、極力その使用量を低減し、安価な被記録材を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、粒径の小さな画像形成物質粉体で画像が形成される場合や、重合法で製造される場合のように球形に近い画像形成物質粉体が使用されても、画像が完全に除去できる電子写真用紙、電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明の他の目的は、熱可塑性樹脂を表面に持たない画像剥離部材を用いても、画像が除去できる電子写真用紙、電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することである。画像除去手段に、熱可塑性樹脂を表面に持たない画像剥離部材を用いることにより、画像剥離部材上に転写された画像形成物質の除去を容易にし、安価で簡素な画像除去装置を提供することである。
上記課題は、本発明の(1)「セルロース繊維を主体とする紙をベースとし、該ベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、該ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けたことを特徴とするリユース可能な電子写真用紙」;(2)「リユース可能なことを示す識別情報が付与されていることを特徴とする前記第(1)項に記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(3)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(4)「前記ポリマーを含む層に、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料を含むことを特徴とする前記第(1)項1乃至第(3)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(5)「前記ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面に填料を付与し、該填料よりも体積平均粒径の小さな填料をポリマー層に含有させたことを特徴とする前記第(4)項に記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(6)「前記ポリマーを含む層は、架橋剤により架橋されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」、(7)「少なくとも画像を記録する面の表面平滑度をJ TAPPI No.5−B方式(王研式平滑度)で150秒以上としたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(8)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(9)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーから選ばれたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(10)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸から選ばれたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(11)「前記ポリマーを含む層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基から選択される酸性基を含む高分子化合物を含有せしめ、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれか含むカチオン性化合物を使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(12)「セルロース繊維を主体とする紙をベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、撥トナー性を有する直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物をO/W型エマルジョンとして、ポリマーを含む層上に塗布することを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法」;
(13)「抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスあるいはオンマシーン・コートで、抄紙された紙の表面に、体積粒径4〜9μm填料を含有する塗工層を設け、乾燥後、オフマシーンにて、前記の紙の上にポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーと前記填料よりも体積平均粒径の小さい填料とを含有する塗工層を設け、更に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けることを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(14)「前記第(1)項乃至第(11)項に記載のリユース可能な電子写真用紙に、熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成する電子写真法により画像を形成し、形成された画像情報が不用になったら、該用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写、画像を除去することを特徴とする画像形成・除去方法」;
(15)「用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙上の画像の除去を促進する液体を用紙に付与しないことを特徴とする前記第(14)項に記載の画像形成・除去方法」;
(16)「表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材と画像が形成させたリユース可能な電子写真用紙とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写せしめ、画像を除去することを特徴とする前記第(14)項又は第(15)項に記載の画像形成・除去方法」;
(17)「体積平均粒径が7.0μm以下の粉体の画像形成物質で形成された画像を電子写真用紙に転写して、用紙上に画像が形成されることを特徴とする前記第(14)項乃至第(16)項のいずれかに記載の画像形成・除去方法」;
(18)「重合法により形成された画像形成物質が使用されることを特徴とする前記第(14)項乃至第(17)項のいずれかに記載の画像形成・除去方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(19)「前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、ユーザーが、画像情報が不用になった場合に、画像を除去し用紙を再使用することを前提として選択する第1印字モードにおいては、リユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2印字モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けたことを特徴とする電子写真画像形成装置」;
(20)「前記第(2)項に記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙に付与されているリユース可能な電子写真用紙であることを識別する情報を、用紙上に画像が形成される工程の前に検知する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙の供給ができない状態にあるときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じるように制御する手段を設けたことを特徴とする前記第(19)項に記載の電子写真画像形成装置」によって解決される。
請求項1に記載の電子写真用紙においては、環境負荷が少なく、安価なセルロース繊維を主体とする紙をベースとし、少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、酢酸ビニルエマルジョン、アクリル樹脂エマルジョンから選ばれるポリマーを含む層を設けているので、粉体トナーがセルロース繊維間に入り込んで、画像の除去を困難にすることがなく、且つ、更に、ポリマーを含む層(本明細書中では「ポリマー含有層」、「ポリマー層」ということもある)の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層が設けられているため、画像除去促進液を用いない乾式加熱転写剥離方式で画像形成物質を除去することが可能になる。ポリマー含有層全体に撥トナー作用を示す化合物を含有する場合に比較して、撥トナー作用を示す化合物の使用量が少なくとも、充分な効果が得られるため、安価で、筆記性が良好で、完全な画像の除去が可能な電子写真用紙を提供できる。
また、請求項2に記載の電子写真用紙においては、リユース可能なことを示す識別情報が付与されているため、画像形成装置がリユース可能な用紙があるか否かを検知することが可能となり、リユース可能な用紙が画像形成手段に供給できる状態にあるときのみに、画像が消去できるモードでの印字を許可するように制御できる。また、画像除去装置においては、画像除去手段に向けて搬送される用紙が、リユース可能な用紙か否かを検知することができるので、画像が除去できない用紙は画像除去手段を回避して搬送することが可能になり、画像除去手段で用紙と画像剥離部材とが分離しないことによるジャムなどのトラブルを防止できる。また、ユーザーが容易にリユース可能な紙であることが識別できるので、一般の用紙と分別して、保管、収納できる。
また、請求項3に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物を含有する層を設けているが、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物には、良好な撥トナー作用を示す場合が多く、用紙上に形成された画像の除去を容易にする。
また、請求項4に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層に、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料含むので、ポリマー層を不透明とし、白色度を向上することにより、この上に形成される画像品質を向上する。また、適当量を配合することにより、その上に設けられる撥トナーの効果を調節する役割を持たせることができ、定着性と画像の除去特性のバランスを改善することができる。また、筆記具による筆記性の改善ができる。
また、請求項5に記載の電子写真用紙においては、ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面には比較的粒径の大きな填料を付与し、ポリマー層には、粒径の小さい填料を含有する構成としているため、ポリマー層の付着量を少なくしても、所望の表面平滑度が得られ易く、リサイクル特性が良く、コストが安価となり、画像の除去特性に優れる。
また、請求項6に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層が、架橋剤により架橋されたものであるので、用紙の耐水性が向上するとともに、撥トナー作用を示す化合物を含む層を水を媒体として塗工しても、撥トナー作用を示す化合物を含む層とマージすることがないので、撥トナー作用を示す化合物を含む層を薄くすることができるため、コストが安価となり、画像の除去特性に優れる。また、製造工程において安全性を確保できる。
また、請求項7に記載の電子写真用紙においては、ポリマー含有層の付着量やスーパーカレンダー処理により、少なくとも画像を記録する面の表面平滑度を150秒以上としているので、紙の穴部に他の粒子と繋がりがなく独立した画像形成物質粉体粒子が入り込むことを防止でき、画像を完全に除去するきことが可能となる。また、画像除去装置において、熱可塑性のない画像剥離部材を使用しても、画像の高さの小さい中間調画像も除去することができるので、画像除去装置が簡素な構成となり、また、画像剥離部材上の転写された画像形成物質を除去するためのエネルギーが少なくなる。
また、請求項8に記載の電子写真用紙においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類を使用するものであるが、これらの化合物には、良好な撥トナー作用を示す場合が多く、用紙上に形成された画像の除去を容易にする。
また、請求項9に記載の電子写真用紙においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーが使用され、撥トナー作用を有するアルキル基あるいはアルケニル基が、高分子鎖に共有結合で結合されているため、撥トナー作用を示す化合物が画像形成物質とともに画像剥離部材側に移行したり、画像形成物質を介することなく画像剥離部材に転写されることがないので、画像形成、画像除去を多数回繰り返しても画像の除去特性や定着性の変化が少なく、多数回、使用することが可能になる。
また、請求項10に記載の電子写真用紙においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸を使用することにより、安価で、画像の剥離・除去特性を良好な電子写真用紙を提供することができる。
また、請求項11に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基から選択される酸性基を含む高分子化合物を含有し、撥トナー剤としてカチオン性化合物を使用しているので、ポリマー層と撥トナー剤とがイオン結合し、撥トナー剤が画像形成物質とともに画像剥離部材に転写・移行することを防止できるため、用紙の繰り返し使用耐久性を向上することができる。
また、請求項12に記載の電子写真用紙の製造方法においては、撥トナー性を有する、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物をO/W型エマルジョンとしてポリマーを含む層上に塗布するので、環境負荷を少なくし、安全衛生上好ましい製造方法を提供することができる。
また、請求項13に記載の電子写真用紙の製造方法においては、抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスあるいはオンマシーン・コートで、抄紙された紙の表面に、体積粒径4〜9μm填料を含有する塗工層を設け、乾燥後、オフマシーンにて、前記の紙の上にポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーと前記の填料よりも体積平均粒径の小さい填料とを含有する塗工層を設けることにより、ポリマー含有層の付着量を小さくしても、所望の表面平滑度が得られ易くし、安価でリサイクル特性が良いリユース可能な電子写真用紙を提供することができる。
また、請求項14に記載の画像形成・除去方法においては、本発明のリユース可能な電子写真用紙に熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成する電子写真法により画像を形成されるので、画像が形成された用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、用紙上の画像を画像剥離部材に転写することにより、簡素な構成の画像除去装置を用いても、完全に画像を除去することが可能になる。完全な画像の除去が可能となるため、機密情報を印字した場合にも、除去後に印字画像が解読されることがないので、機密漏洩防止ができる。
また、請求項15に記載の画像形成・除去方法においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を表面に有する本発明の電子写真用紙を用いているので、画像除去促進液を用いずに画像を画像剥離部材に転写、除去することが可能になり、再使用時に画像形成装置で皺が発生することがない、余分のサプライを必要しない、画像除去装置において電子写真用紙に付着した画像除去促進液を乾燥する必要がない、などの利点が多く、エネルギー効率良い画像の除去方法を提供することが可能になる。
また、請求項16に記載の画像形成・除去方法においては、ポリマー含有層を有し、紙が有する隙間や穴構造をなくした本発明の電子写真用紙を用いているので、画像除去装置において、表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材を用いても、画像を画像剥離部材に転写、除去することにより、完全に画像を除去することか可能になる。表面に熱可塑性物質がない画像剥離部材を用いるため、画像剥離部材上の画像形成物質を除去するために画像形成物質の凝集力以上の力を印加する必要がなく、画像形成物質除去のために、転写温度以上に画像剥離部材上の画像形成物質を加熱する必要がなく、エネルギー効率が高く画像形成物質の除去を行なうことが可能となる。また簡素な構成の除去手段で画像剥離部材上の画像形成物質を除去できる。
また、請求項17に記載の画像形成・除去方法においては、本発明の電子写真用紙と体積平均粒径が7.0μm以下の画像形成物質粉体が画像形成に用いられるので、高い画像品質と画像形成物質の低着量化の要求を満足しつつ、良好な画像除去特性を得ることが可能になる。
また、請求項18に記載の画像形成・除去方法においては、本発明の電子写真用紙と重合法により製造された画像形成物質粉体とが使用されるので、高い画像品質と高耐久性の要求を満足しつつ、良好な画像除去特性を得ることが可能になる。
また、請求項19に記載の電子写真画像形成装置においては、本発明のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、画像を除去し用紙を再使用することを前提として選択する第1印字モードにおいては、リユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けているので、ユーザーが印字画像の除去を望む場合には、確実に画像の除去が可能になり、それ以外の場合には、画像の除去が困難となるので、情報が印字された用紙が改竄されて悪用されることを防止できたり、定着性の良い画像が得られる。
また、請求項20に記載の電子写真画像形成装置においては、請求項2に記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙に付与されているリユース可能な電子写真用紙であることを識別する情報を、用紙上に画像が形成される工程の前に検知する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙の供給ができない状態にあるときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じるように制御する手段を有しているので、第1印字モードでは印字した場合に確実に画像を除去することが可能になり、且つ、印字をする前に画像の除去が可能な電子写真用紙があるか否かを判断することが可能になり、用紙が無駄に消費されるのを防止でき、且つ、画像の除去ができない用紙が混入することにより発生する画像除去装置におけるジャムなどのトラブルを未然に防止することができる。

以下、本発明にかかる電子写真用紙、該電子写真用紙を用いた電子写真画像形成・除去方法、電子写真画像形成装置について、詳しく説明する。
まず、本発明の電子写真用紙に関する構成、作用について説明する。
本発明の請求項1の発明は、セルロース繊維を主体とする紙をベースとし、該ベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、該ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けたことを特徴とするリユース可能な電子写真用紙である。ポリ酢酸ビニルやアクリル樹脂は、後に説明するように、エマルジョンの形で紙基質表面に塗工、乾燥されることにより設けることができる。
セルロース繊維を主体とする紙とは、一般に紙として市販されているものであり、特別のものではない。
すなわち、化学パルプ、機械パルプなどの木材を原料とするもの、バガス、ケナフなどの非木材セルロース繊維を原料とするもの、一度使用した紙から脱墨して得られる古紙再生パルプを原料とするもの、損紙を解離したパルプを原料とするものいずれでも良い。上質紙、中質紙、印刷用紙、コピー用紙として市販されているものをそのまま使用しても良い。本発明においては、ベースとなる紙の表面に水を主体とする媒体とする塗工液を付与して、ポリマーを含有する層を設けることが、安全、衛生上好ましいために、ベースとなる紙は適度なサイズ度を有することで塗工液のベース基材への吸収速度を適切なものとでき、比較的付着量を小さくしても、所望の表面平滑度が得られる点で好ましい。
ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の坪量としては、40g/m〜200g/mが好ましく、特に、50g/m〜100g/mが好ましい。坪量が小さ過ぎると、紙の腰が弱すぎて、電子写真画像形成装置、電子写真画像除去装置で、紙の搬送時にジャムや皺の発生の原因になる。また、画像が印字された用紙を扱うときにも耳折れが発生し易く、画像を完全に除去したとしても、再使用に不適な用紙となり易い。また、坪量が大き過ぎると、紙の腰が強くなり過ぎて、電子写真画像形成装置、電子写真画像除去装置で、紙の搬送が困難となる、画像が印字された用紙が重くなり、取り扱いが困難になるという問題を生じる。
セルロース繊維を主体とする紙は、原料を大気中の炭酸ガスを太陽エネルギーを使用して固定化する植物とするため、化石燃料を原料とするプラスチックを原材料とする場合に比較して、環境負荷が小さく、且つ、安価である。
また、セルロース繊維を主体とする紙は、適度な電気抵抗を持つか、適度な電気抵抗に調整することが容易にできるために、電子写真画像形成装置において、静電的な力で、画像形成物質粉体を用紙に転写する場合に、高い画像品質が得られ、用紙に静電気が蓄積することも避けることができる点で好ましい。しかしながら、一般に市販されている紙をそのまま使用すると、画像形成物質との接着力が強過ぎて、画像除去促進液を使用して、画像形成物質との接着力を低下せしめないと、画像の除去が困難である。
一般に市販されている紙に撥トナー剤を付与することにより、画像形成物質の定着性を低下せしめると、画像除去促進液を付与しなくても、画像剥離部材に転写剥離することが可能になる。しかしながら、一般に市販されている紙の表面には、繊維の網目構造の中に不定形の隙間や穴部が多数存在し、電子写真画像形成装置において、画像形成物質粉体を用紙に静電的に転写する際に、隙間や穴部に粉体が入り込むことが避けられない。
一般に用いられている紙、所謂、普通紙を用いると、画像形成物質粉体が30μm以上の深さの穴に入り込むことは、頻繁に生じる。穴部に入り込んだ画像形成物質粉体が、画像形成装置熱定着器で溶融され、紙表面近傍の画像形成物質粉体と連続体を形成している場合には、画像除去装置において、紙の表面近傍の画像形成物質は、画像剥離部材と接触し得るため、穴部に入り込んだ画像形成物質も、用紙表面で画像剥離部材と接触した画像形成物質に引かれて、画像剥離部材側に転写・除去することは可能となる。ところが、画像形成物質粉体が、粒子それぞれが他の粒子と結合することなしに独立して穴部に入り込んだ場合には、転写・剥離時に用紙と画像剥離部材にかける圧力を高くしたとしても、画像剥離部材と接触することができず、除去が不可能となる。従って、一般に普通紙に、直接、撥トナー剤を付与することにより、画像形成物質の定着性を低下せしめても、表面近傍に形成された大部分の画像の除去は可能となるものの、画像の高さの小さい、独立したドットを形成している中間調画像や、穴部に入り込み独立して存在する画像形成物質を除去することは困難であり、完全な画像の除去は困難である。
本発明のポリマーを含む層は、ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙において、隙間や穴部をなくし、粉体画像形成物質が除去不能な穴部に入り込むことを防止する。また、ポリマーを含む層は、用紙の表面を平滑にすることにより、中間調画像などの比較的高さの小さな画像が、画像除去装置の画像剥離部材と接触し易くする。
前述のとおり、紙の上に設けるポリマー含有層は、水を主体とする媒体で塗工することが、安全・衛生上好ましい。したがって、本発明のポリマーを含む層には、水溶性の樹脂、水を主媒体とする液に分散するエマルジョン樹脂を用いることが好ましく、コスト、入手の容易性から、種種のケン化度のポリビニルアルコール、でんぷん、酸化でんぷん、リン酸でんぷんなどのでんぷん類、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、種種のポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル共重合体を含むアクリル樹脂エマルジョンから選ばれるポリマーを用いることが、特に好ましい。これらは、1種を単独で用いても良いが、2種以上を併用して用いることができる。また、上記の化合物以外に、目的に応じて、アルギン酸、ゼラチン、アクリルアミド、アラビアゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの水溶性樹脂や、天然ゴムラテックス、ポリスチレン−ブタジエンエマルジョンなどのエマルジョンを上記のポリマーと併用することができる。
紙の上に設けるポリマー含有層は、片面のみを記録面とするときには、ベースとなる紙の片面にのみ設けても良いが、片面にのみコート層を設けると、使用環境の温湿度の変化により、カールが発生し易いという欠点があり、両面を使用することにより、繰り返し使用の回数が大きくできるという利点を生じることから、紙の両面に、ほぼ、同一の処方で同一の付着量となるように塗布することが好ましい。但し、ベースとなる紙の表裏の平滑度が異なる場合には、平滑度の低い方の乾燥塗工量を大きくして、最終的に得られる用紙の表面平滑度が両面でほぼ等しくなるようにすることが好ましい。
本発明の電子写真用紙の表層には、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層が塗工される。本発明で用いられる直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物は、アルキルシラン基やフッ化炭化水素基を有しないものであることが好ましい。シリコン系材料やフッ素樹脂系材料を用いると、用紙表面の性質を筆記性を保持しつつ撥トナー性を発揮させるような範囲に調節することが難かしくなる。
アルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物の具体例は、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物である。より具体的には、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類である(請求項8)。
撥トナー剤として作用するか否かは、分岐の有無や二重結合の数、親水基の有無、その他の化学構造により影響を受けるが、一般的には、炭素数が6以上であることが好ましい。炭素数がこれよりも少ない化学構造の化合物を用いた場合、画像の除去が不充分なものとなることがある。(請求項3)
撥トナー剤として直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物を用いることにより、画像除去促進液を付与することなく、画像の除去が可能となるばかりでなく、フッ素化合物などの撥トナーを使用するよりも安価な電子写真用紙が得られ、且つ、製造過程や化合物の溶解のために、オゾン層破壊係数の高いフロンなどの溶媒を使用しないので、製造工程における環境負荷を小さくできる。
直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー剤として作用する化合物の例として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を側鎖として有するポリマーが挙げられ、その具体例としては、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基のアルキル基を有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーである(請求項9)。
より具体的には、ステアリル(直鎖C18)アクリル酸エステル、ステアリル(直鎖C18)メタクリル酸エステル、セチル(直鎖C16)アクリル酸エステル、セチル(直鎖C16)メタクリル酸エステル、ミスチリル(直鎖C14)アクリル酸エステル、ミスチリル(直鎖C14)メタクリル酸エステル、ラウリル(C12)アクリル酸エステル、ラウリル(直鎖C12)メタクリル酸エステル、等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルをモノマーとして用いた重合体、共重合体である。
必要な撥トナー作用は画像形成物質を構成する材料、特に、樹脂成分により、画像形成物質の用紙に対する接着性が変化する。添加する撥トナー剤の撥トナー作用が強すぎて、画像形成物質の定着性が弱くなり過ぎる場合には、撥トナー作用を弱める目的やその他の特性の調整のために、上記のようなアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルを単独で重合させるのではなく、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどの他のモノマーとの共重合体を用いることができる。
本発明の電子写真用紙には、リユース可能なことを示す識別情報が付与されていることが好ましい(請求項2)。
リユース可能なことを示す識別情報の例としては、図2(a)のように用紙の一部に切り欠きを設けたり、図2(b)、図2(c)のように穴を開けたり、用紙の一部または全面を染料、顔料などで着色したり、図2(d)のようにバーコードを印刷したり、バーコード以外のマークを印刷すること、紫外線や赤外線などの人間の目では認識できない波長の光を吸収するインク、蛍光を発するインク、磁気インクで印刷したりすることを挙げることができる。また、電磁波に感応するかあるいは、電磁波を発生するICチップを付与しても良い。
これらのリユース可能な電子写真用紙であることを識別するための情報は、その上に画像情報を形成するときや画像を除去するときに消失しないものが好ましい。また、画像形成装置の給紙カセットに収納したときに容易に画像形成装置がリユース可能な電子写真用紙であることを識別でき、ユーザーが目視により容易に識別できることが好ましく、これらの点や、比較的安価に加工が可能であることから、切り欠きを設けるか、穴を開けることが最も好ましい。すなわち、リユース可能な電子写真用紙であることを示す識別情報として、用紙に切り欠きまたは穴を設けることにより、画像形成装置あるいは画像除去装置の給紙カセット内に積層して収納した用紙の全部がリユース可能な用紙であるか否かを、発光素子と受光素子の組み合わせで検知することが可能となる。
前記のポリマーを含む層には、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料を含むことが好ましい(請求項4)。
これらの顔料は、ポリマー層を不透明とし、白色度を向上することにより、この上に形成される画像の品質を向上する。また、適当量を配合することにより、その上に設けられる撥トナーの作用を調節する役割を持たせることができる。すなわち、電子写真画像形成装置で画像が形成されたときに、定着性と画像の除去特性のバランスを改善することができる。更に、適当量を配合することにより、蛍光ペン、ボールペン、鉛筆、マジック・インクなどの筆記具による筆記性改善できる。
ポリマーと填料の比率としては、固形分重量比率で、0.5〜5程度にすることが好ましい。
これらの填料は、1種を単独で用いても良いが、2種以上を併用して用いることができる。また、上記の填料以外に、目的に応じて、酸化アルミニウム、シリカ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂粒子、ポリアクリル酸エステル粒子、ポリジビニルベンゼン粒子などの填料を上記のポリマーと併用することができる。
本発明のポリマー含有層に添加する填料の粒径は、体積平均粒径が、5μm以下の比較的小さいものであることが、用紙の表面平滑性を高くでき、画像の除去特性を向上できる点で好ましい。
また、ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面に比較的粒径の大きな填料を付与し、ポリマー層に添加する填料の粒径を小さくすることにより、先に付与された比較的大きな粒径の填料が、目止め効果を持ち、ポリマー含有層の付着量が小さい場合においても、比較的高い表面平滑性が得られる(請求項5)。
ベースとなる紙の表面に填料を付与する方法としては、抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスにおいて、填料を含む液を付与する方法や、抄紙に引き続き行なわれるオンマシーンでの塗工で塗工液に填料を加えることが挙げられる。
前記のポリマーを含む層には、架橋剤によりポリマー層が架橋されていること好ましい(請求項6)。
撥トナー剤を含む層も、安全・衛生の観点から水を主体とする媒体で塗工することが好ましいが、ポリマー含有層を架橋せしめることにより、次工程で水を媒体とする撥トナー剤を含む塗工液を塗布しても、ポリマー含有層が溶解せず、撥トナー剤を含む層を薄く設けても、充分な撥トナー作用が得られる。また、ポリマー層を架橋させることにより、用紙が雨などに濡れても、その表面がべたつくことがない。また、高湿下で加圧された状態で用紙を保存しても、ブロッキングを防止できる。
架橋剤の具体例としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ架橋剤、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネートなどのチタンアルコキシド、チタンラクテートなどの有機チタン化合物、酢酸ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物、ポリカルボン酸架橋剤、イソシアネート架橋剤、カルボジイミド架橋剤、放射線架橋剤、グリオキザールなどが挙げられる。
これらの架橋剤は、ポリマー固形分に対して、0.5〜30重量%の範囲で添加することが好ましい。むろん、本発明の電子写真用紙には、このような量の架橋剤のほぼ全てが未反応な状態で残存することもあり得るが、少なくとも添加した架橋剤の一部は架橋反応しているので、ポリマー固形分の構造を常法で分析することにより、架橋剤により架橋されたポリマー層か否かを判別することができる。
本発明の電子写真用紙に設けるポリマー含有層の付着量は、片面あたり、1.5〜5g/mとすることが好ましい。付着量が1.5g/mより小さいと、ベース紙の凹凸や穴形状が残り、電子写真画像形成装置で形成された画像を充分に除去することができない。付着量が5g/mより大きいと、画像形成物質の定着性が低下したり、画像形成装置や画像除去装置で用紙の搬送性が劣化したり、筆記具による筆記性が劣化する傾向がある。また、それ以外にコストが高くなってしまったり、耳折れや皺が発生してリユースができなくなった用紙を離解してセルロース繊維に戻す際にトラブルとなり易いうという問題も生じる。
本発明の電子写真用紙は、少なくとも画像を記録する面の表面平滑度を J TAPPI No.5−B方式(王研式平滑度)で150秒以上とすることが好ましい(請求項7)。平滑度を150秒以上とすることより、紙の穴部に他の粒子と繋がりがなく独立した画像形成物質粉体が入り込むことを防止でき、且つ、画像の高さの小さい中間調画像も、表面に熱可塑性のない画像剥離部材を用いても転写・除去が可能となる。
ポリマー含有層を付与した後の紙の平滑度は、ベースである紙を形成するセルロース繊維の太さ、叩解度、外添サイズ剤の付着量、ポリマー含有層の付着量、ポリマー含有層に含有せしめる填料の量比、粒径、撥トナー層の付着量、撥トナー層に含有される填料の量比、粒径などの多くの要因で決まる。特に、重要な要因は、ポリマー含有層の填料の粒径、ポリマー含有層の付着量及びスーパーキャレンダー処理の有無である。本発明の電子写真用紙では、ポリマー層をコートした後または撥トナー剤含有層をコートした後、あるいはその両方のときにスーパーカレンダ処理をすることが好ましい。スーパーカレンダ処理をすることにより、ポリマー層の付着量が比較的小さい場合にも、所望の平滑度が得られ易く、そのために用紙が不要になったときに、離解してセルロース繊維に戻すことが容易になる。また、コストが安価で画像の除去特性に優れた電子写真用紙が得られる。
前述のとおり、本発明の電子写真用紙に使用する、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物の例としては、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類が挙げられる。
これらの化合物の中で、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマーについては、既に具体的化合物例を示した。
炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウム、ベヘン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸アルカリ塩、モノステアリルリルリン酸ナトリウム、ジステアリルリン酸ナトリウムなどのアルキルリン酸アリカリ塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、ジヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩、などのジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸塩、などのアニオン型界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテルエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖糖脂肪酸エステルなどのエステル類、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、などのノニオン型界面活性剤、脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、などのカチオン型界面活性剤、が挙げられる。
炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックスの例としては、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸などの脂肪酸、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、N−オレイルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリイン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミドなどのN−置換脂肪酸アミド類、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セリルアルコール、ミリスチルアルコール、メリシルアルコール、ミリシルアルコール、セロメリシルアルコール、オレイルアルコール、ガドレイルアルコール、ゾーマリルアルコールなどのアルコール類、オレイルアミン、ドデシルアミン、ジオクタデシルアミン、テトラデシルアミンなどのアミン類、ラウロン、ステアロンなどのケトン類、ラウリルリン酸、ステアリルリン酸などのリン酸化合物類、ステアリルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、ベヘニルリン酸エステルなどのリン酸エステル類などが挙げられる。
これらの化合物の他に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス成分を複数種含む天然ワックスを使用することもできる。天然ワックスの例を挙げれば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、木蝋、モンタンワックスなどである。
撥トナー作用する化合物としては、前記の高分子化合物、界面活性剤、ワックス類の他に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸を用いることができる(請求項10)。
アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸は、ワックス類にも分類可能な化合物であるが、工業的には、紙のサイズ剤として市販されているものである。これらの化合物は、入手し易く、これらの化合物を付与した用紙から、電子写真用の画像形成物質は、除去が容易になり、好ましい撥トナー剤である。
上記の界面活性剤やワックス類などの撥トナー作用を示す化合物は、1種を単独で用いても良いが、2種以上を併用して用いることができる。また、上記の炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤やワックスなど以外に、目的に応じて、他の撥トナー作用を示す化合物と併用することができる。また、撥トナー作用を減じるために撥トナー作用がないか、撥トナー作用の弱い化合物を併用して、ポリマー層上に塗工することができる。
撥トナー作用を示す化合物を用紙に固定して、画像形成物質の転写時に、撥トナー作用を示す化合物が画像形成物質や画像剥離部材に移行することを防止するために、ポリマー含有層に使用できるポリマーと同様なポリマーを併用したり、表面に2μm程度の凸部を設けて用紙の画像形成装置や画像除去装置における搬送性を改善するために、ポリマー含有層に用いたものと同様の填料を、撥トナー作用を示す化合物を含有する層にも添加することができる。
上記の界面活性剤やワックス類は、ポリマー含有層の表面に単分子層を形成する程度の付与量で充分な撥トナー作用を示すため、撥トナー作用を示す化合物として、ポリマー含有層材料や画像形成物質に適合する化合物を選択して使用することにより充分な画像形成物質の除去特性が得られる。付着量は1g/m〜0.01g/mの範囲であることが好ましい。1g/mを超える付着量では筆記性を損なうことが多く、0.01g/m未満の付着量では充分な画像形成物質の除去特性が得られないことがある。
本発明のリユース可能な電子写真用紙を多数回繰り返し使用する場合には、用紙表面の撥トナー作用を示す化合物が画像形成物質と共に除去されたり、画像剥離部材側に転写・移行することを防止する必要がある。撥トナー作用を示す化合物自体がポリマーの場合には、撥トナー作用を示す化合物の移行は比較的生じ難いが、界面活性剤やワックス類は、一般に単分子であり、移行が生じ易い。特に、融点が剥離温度よりも低いワックス類を用いる場合や、界面活性剤の親水基が画像形成物質とある程度の親和性を有するときに、撥トナー作用を示す化合物は、画像形成物質と共に、画像剥離部材に転写され易い。ポリマー含有層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基などの酸性基を有する化合物、特に高分子化合物を含有させ、撥トナー作用を示す化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物を含む層に炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれか含むカチオン性化合物を使用することで、撥トナー作用を示す化合物の移行を防止し、用紙の繰り返し使用耐久性を向上することができる(請求項11)。
酸性基を有する水溶性高分子化合物としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体などがあり、これらの酸性基を含有する樹脂を、ポリマー含有層の主成分として用いることもできるし、主となるポリマーに混合して使用することもできる。
撥トナー作用を示す化合物を含む層は、水を主体とする媒体で塗布することが、環境負荷が少なく、安全衛生上好ましい。このために、前記の撥トナー作用を示す化合物を水に溶解または、分散して塗工する。前記の撥トナー作用を示す化合物の中には、水に溶解ないし、コロイド状態で分散可能なものもあるが、特にワックス類、アルキルケテンダイマーなどは、水に溶解し難い。したがって、自己乳化性のある化合物は、添加物を加えることなくO/W型エマルジョンとし、自己乳化が難しい場合には、界面活性剤などの添加物を加えて、O/W型エマルジョンを形成し、エマルジョンを塗工することが好ましい(請求項12)。
次に、本発明のリユース可能な電子写真用紙を使用する画像形成方法、画像除去方法の構成、動作、作用について説明する。
前述のとおり、本発明の電子写真用紙は、その上に画像を形成し、画像を形成した用紙と画像形成物質に接着性を有する画像剥離部材とを画像形成物質が軟化する程度に加熱された状態で重ね合わせて、圧力を印加し、その後、用紙と画像剥離部材とを分離することにより、画像形成物質を用紙から画像剥離部材に転写して、用紙上の画像を剥離・除去することにより再生して、画像形成、画像除去を繰り返して使用することを目的とするものである。
この方法で画像を除去するためには、画像形成物質が熱可塑性を示す必要がある。また、電子写真画像記録方式としては、液体現像方式のものを用いても、原理的には画像の除去は可能であるが、一般に、液体現像剤中の着色粒子は、粒径が小さく、画像剥離部材との接触が困難であり、液体現像方式で形成された画像を除去するためには、被記録材に更に高い表面平滑性が要求される。本発明の電子写真用紙は、熱可塑性の樹脂を含む、体積平均粒径が3〜15μmの粉体の画像形成物質で画像が形成される、所謂、乾式トナー方式の電子写真画像形成装置で形成された画像を除去すると、比較的ポリマー含有層の付着量の少ない場合においても、完全な画像の除去ができる点で好ましい(請求項14)。
本発明の電子写真用紙は、画像を除去する際に、用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙に画像の除去を促進する液体を付与し、画像を形成した用紙と画像形成物質に接着性を有する画像剥離部材とを画像形成物質が軟化する程度に加熱された状態で重ね合わせて、圧力を印加し、その後、用紙と画像剥離部材とを分離することにより、画像形成物質を用紙から画像剥離部材に剥離・転写して、用紙上の画像を除去して、画像形成、画像除去を繰り返して使用する方法にも用いることができる。
本発明の電子写真用紙を使用することにより、画像除去促進液の付与量が少ない場合にでも完全な画像の除去が可能にすることができるという効果がある。しかしながら、画像を除去しようとする用紙に画像除去促進液を付与する場合には、画像除去促進液を被記録材に均一に付与しなければ、再生された用紙を電子写真画像形成装置で再使用する際に、用紙の搬送中や、定着部において、皺が生じ易く、画像除去装置において複雑な機構の給液手段を必要となる。また、ユーザーは、画像除去のために画像除去促進液を購入する必要がある。
また、本発明の課題の項で述べたように、画像除去促進液を用いる方式では、多くの課題が残される。これらの点から、本発明の電子写真用紙は、熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成した後、用紙と画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙に画像除去促進液を付与せず、画像を形成した用紙と画像形成物質に接着性を有する画像剥離部材とを画像形成物質が軟化する程度に加熱された状態で重ね合わせて、圧力を印加し、その後、用紙と画像剥離部材とを分離することにより、画像形成物質を用紙から画像剥離部材に転写して、用紙上の画像を剥離・除去して、画像形成、画像除去を繰り返して使用する方法に用いることが最も好ましい(請求項15)。
また、本発明の電子写真用紙は、その上に形成された画像をブラシや刃物で擦って除去する方式にも使用できるが、摺擦により画像を除去する方式においては、擦られて用紙より剥離した画像形成物質が、粒径の小さな粒子となる場合があり、小粒径になった画像形成物質は紙の凹部から除去されなかったり、粒子が帯電して用紙に再付着するなど、画像を完全に除去することは困難である。特に、用紙から剥離した画像形成物質粒子を用紙から除去し、回収するために、複雑な機構が必要になり、画像除去装置の大型化したり、画像除去操作に伴い大きな騒音が発生したり、画像除去装置のコストが高くなるという欠点を生じる。
本発明の電子写真用紙は、ポリマー含有層を設けることにより、紙が有する隙間や穴構造をなくし、普通紙に比較して表面平滑性が高く形成されている。従って、本発明の電子写真用紙を用いることにより、画像除去装置において、表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材を用いても、完全に画像を除去することか可能になる(請求項16)。
表面に熱可塑性物質を有する画像剥離部材を用いると、加熱され軟化した画像剥離部材上の熱可塑性物質が、被記録材表面の凹凸に従って移動するため、被記録材上の画像と剥離部材とが接触し易くなり、被記録材の表面にある程度の凹凸があっても、被記録材上の画像形成物質を除去することが可能になる。しかしながら、画像剥離部材上の熱可塑性物質と画像形成物質とは、転写時に加熱と加圧により一体化するため、画像剥離部材上の熱可塑性物質と画像形成物質との界面から剥離して、画像剥離部材上に転写された画像形成物質を除去することは困難となる。従って、画像形成物質の転写と、画像剥離部材上の画像形成物質の除去を繰り返すと、剥離部材上の熱可塑性物質は、たとえ繰り返し使用前に、画像形成物質とは別の化合物を付着せしめても、繰り返し使用すると、被記録材上に画像を形成するための画像形成物質と混合し、同一にならざるを得ない。それ故、画像剥離部材上に転写された画像形成物質を取り除くには、実質的には、画像形成物質の凝集力に打ち勝つ剪断力を与えなければならない。画像を転写して除去するためには、画像形成物質の凝集力が小さくなるまで温度を上げると、分離時に、被記録材と画像剥離部材の両方に画像形成物質が残ることになるので、分離・転写時には、画像形成物質の凝集力が用紙や画像剥離部材に対する接着力よりも大きい状態である温度で行なわれなければならない。分離・転写時に加熱する温度では、画像形成物質の凝集力が大きく、この温度で画像剥離部材に転写された画像形成物質を除去して画像剥離部材上の熱可塑性物質(画像形成物質)を一定の厚みに制御することは、著しく困難である。従って、画像剥離部材に転写された画像形成物質を取り除くためには、剥離部材を転写・剥離温度以上の温度に加熱して、画像形成物質の凝集力を低下する必要がある。このため、熱可塑性物質を表面に有する画像剥離部材を用いると、転写された画像形成物質を除去するために、画像剥離部材上の画像形成物質を凝集力が低下する状態にまで加熱するエネルギーを投入することが必要になる。また、熱可塑性物質を表面に有する画像剥離部材を用いると、熱可塑性物質層を一定の厚みに保つために、フィルム状の画像剥離部材の裏側に加熱溶融した画像除去促進液が回り込んで汚してしまうのを防止する手段を設けるなど、画像形成物質除去手段が複雑な構成になるという欠点もある。
本発明の電子写真用紙を使用することにより、熱可塑性物質を表面に持たない画像剥離部材を使用した簡素な構成の画像除去装置でも、完全な画像の除去が可能となり、装置構成が簡素化されることから装置製造のために投入するエネルギーを減少することができ、剥離部材上の画像形成物質の除去のために投入するエネルギーも少なくすることができる。
前述のとおり、本発明は、熱可塑性の樹脂を含む、体積平均粒径が3〜15μmの粉体の画像形成物質で画像が形成された画像を除去するのに特に優れている。近年、電子写真技術の進歩、デジタル電子写真の高解像度化、カラー化により、高い画像品質が要求されてきている。この要求に答えるためには、画像形成物質として使用される粉体の粒径は小さくすることが好ましい。特に、400dpi以上の解像度において高い画像品質を得るには、体積平均粒径を7.0μm以下の粉体で画像を形成することが好ましい。また、被記録材に付着する画像形成物質の量を減じて、画像形成物質(の充填されているトナーボトル)の交換頻度を少なくしたり、違和感のある画像の光沢を減じることが要求されている。画像形成物質を低付着量とするには、粒径を小さくして、画像形成物質中の色材量比を上げることが必要である。
一方、画像の除去特性の観点からは、粒径が10μmを越えるような粉体を用いると、普通紙程度の凹凸や穴構造を有していても、比較的良好に画像を除去することが可能である。粒径の小さな画像形成物質粉体は、紙表面の隙間や穴構造部に入り込み易く、用紙からの完全な画像の除去を極めて困難にする。
本発明の電子写真用紙を用いることにより、体積平均粒径を7.0μm以下の粉体よりなる画像形成物質を用いる場合においても、良好な画像除去が可能になる。それ故、高画像品質や画像形成物質の低付着量化の要求に答えつつ、良好な画像の除去を行なうという相反する要求を満足することが可能になる(請求項17)。
更に、近年、画像形成物質粉体の製造方法として従来の粉砕によるものではなく、重合法が用いられるようになってきた。重合法で製造した画像形成物質粉体は、粉砕法で製造した角部を有する形状の画像形成物質粉体とは異なり、形状のコントロールが可能であり、画像形成物質粉体は球に近い構造となっている。重合時や粒子の凝集条件を制御することにより、画像形成物質の粒径分布、形状分布、帯電性分布を、粉砕法以上に制御できるために、重合法で製造される画像形成物質粉体は、画像の高品位化や信頼性を向上することができる。
一方、画像の除去特性の観点からは、重合法で製造される画像形成物質は、上記のように角構造をもたず、球に近い構造をしていることから、紙の隙間や穴部に入り込み易く、画像の除去を困難にする。本発明の電子写真用紙を用いることにより、重合法で製造される球形に近い画像形成物質粉体を用いる場合にも、良好な画像除去が可能になる。従って、画像品質の向上やランニング時の高信頼性の要求に答えつつ、画像の除去を良好に保つという相反する要求を満足することが可能になる(請求項18)。
近年、磁気記録を行なうハードディスクドライブ、光により記録層に相変化を生じせしめたり、記録層を破壊することにより情報を記録する光ディスクなどの高容量の記憶メディアが普及したこと、集積回路の進歩により、高速の情報の入出力が可能になったことなどにより、情報を紙情報として保存せずに、デジタル化された電子情報として、記憶メデイアに保存する機会が著しく多くなっている。デジタル電子情報として保存することにより、情報の検索が著しく容易になり、紙情報として保管する場合に比較して、保管スペースを要せず、情報の配信や閲覧が容易になる利点がある。その一方、デジタル電子情報とて保管された情報をディスプレイで閲覧しようとしても、紙情報に比較して、情報全体の概要を一覧することが困難であったり、重要な部分にアンダーラインを引いたり、書き込みを行なうことができないという欠点がある。また、現状のディスプレイ画像は、プリンタで印字された画像に比較して、解像度が低く、品質が劣り、長時間の閲覧は、目に大きな負担をかけるという欠点もある。それゆえに、データベースなどに蓄積された情報を検索し、紙に印字して、一時的に閲覧をするという場面が、著しく増えている。このような場面では、情報そのものは、データベースに保存されていていつでも容易に検索し、出力することが可能である。このような場合、情報の利用者は、紙に記録された情報は、情報を閲覧した後には必要がなくなることを、情報を紙にプリントする前に認識できる。それゆえに、情報を印字する画像形成装置が、画像情報が不用になった場合に画像を除去し、用紙を再使用することを前提とする印字モード(第1印字モード)と、通常印字を行なうモード(第2印字モード)とをユーザーが使い分けられるように制御する手段が設けられ、ユーザーが第1印字モードを選択したときには、確実に画像が除去できるように画像が形成されることが有益となる。
逆に、第2の印字モードで印字された情報が容易に除去されると、画像の一部を書き換えたり、署名や押印画像を残して画像を除去して、その用紙の上に別の情報を書き込むなどの改竄、悪用が可能となるため、第2の印字モードで印字された画像は、除去されないことが好ましい。
上記の第1印字モードと第2印字モードとをユーザーが任意に選択できるような制御手段を設けた画像形成装置において、本発明のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットを設け、そのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を設け、画像情報が不用になった場合に、画像を除去し用紙を再使用することを前提とする第1印字モードにおいては、本発明のリユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けることにより、第1印字モードを選択したときには、確実に画像が除去でき、第2印字モードを選択されたときには、画像除去が困難な画像を得ることが可能になる(請求項19)。
画像形成装置で、前述のように、画像形成物質粉体として粒径の小さなもの、重合法で製造した球形に近い画像形成物質粉体を用いると、第2モードで印字した場合には、画像の除去が特に困難となり好ましい。
第1印字モードが選択されたときには、確実に画像が除去でき、第2印字モードが選択されたときには、画像除去が困難な画像を得ることを可能にするためには、第1モードが選択されたときには、確実に画像除去ができるリユース可能な電子写真用紙が選択されて画像形成手段に搬送されることが重要である。このためには、ユーザーが印字要求信号を発した段階で、画像形成装置においてリユース可能な電子写真用紙が供給可能な状態にあるか否かを画像形成装置の制御手段が検知できることが好ましい。本発明請求項2にかかる電子写真用紙のように、リユース可能なことを識別する情報が、用紙に穴や切り欠きを設けることによりなされている場合には、例えば、画像形成装置に内蔵した給紙カセットに積層されて収納されている電子写真用紙の穴や切り欠き部に、積層された用紙の全体の穴や切り欠き部に光が通過するように、発光素子、受光素子を設けることにより、給紙カセットにリユース可能な電子写真用紙がセットされているか否かを検出することができる。このような手段を用いて、用紙上に画像が形成される工程の前、特に、画像形成装置のユーザーインターフェィスにおいてユーザーが印字要求スイッチをオン(クリック)したり、プリントボタンを押した段階で、画像形成装置においてリユース可能な電子写真用紙が供給可能か否かを、検知、判別して、供給ができないときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じ、更には、給紙カセットにリユース可能な電子写真用紙をセットするようにユーザーに促すような制御手段を設けることにより、確実に画像を除去できる印字物を得ることができる(請求項20)。
次に、本発明の画像形成方法、装置の具体例を記載する。
本発明に用いられる電子写真画像形成方法としては、感光体上に画像を形成し、感光体から直接被記録材に画像形成物質を転写する方法、感光体から中間転写体に画像形成物質を転写した後、被記録材に転写する方法、静電記録体に針電極やイオン流により電荷像を書き込み、画像形成物質で現像した後、静電記録体から被記録材に画像形成物質を転写する方法、グリッドを用いグリッドに印加する電圧を制御して、トナーの移動を制御し、被記録材にトナーを付着させるトナージエット法等が挙げられる。これらの方法は従来より公知のものであり、ここでは詳細に記述しない。これらの電子写真方法の中でも、本発明の電子写真用紙に画像を形成し、その画像を良好に除去するためには、熱可塑性を有する画像形成物質を用いることが必要である。
熱可塑性画像形成物質を形成するには、樹脂成分としては、電子写真用トナー材料として公知の材料が用いられる。
すなわち、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、等を熱可塑性樹脂成分として用いることができる。これらの樹脂成分は、画像形成物質中で、50〜99.5重量%の比率で用いられることが好ましく、特に、80〜97重量%で用いられることが好ましい。
熱可塑性画像形成物質を形成する他の必須成分は色材である。色材としては、染料または顔料のいずれを用いても良い。
色材として、例えば、カーボンブラック、酸化鉄などの黒顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー156、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、等のイエロー顔料、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222、等のマゼンタ色材、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、等のシアン色材、など公知の化合物が用いられる。
これらの色材は、画像形成物質粉体中で、0.5〜20重量%で用いるのが好ましく、特に、1〜10重量%で用いることが好ましい。
良好な画像形成物質の定着、除去特性を得るためには、画像形成物質に含有される熱可塑性樹脂成分のガラス転移点(Tg)、溶融温度、粘弾性特性が重要である。ガラス転移点は、40〜100℃であると、比較的低い温度で熱定着や画像形成物質の被記録材からの除去が可能であり、且つ、画像形成物質の保存安定性も良好である。ガラス転移点は、50〜70℃であることが更に好ましい。熱可塑性樹脂成分の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cmとなる温度が、80℃以上であることが好ましく、90〜160℃であることが更に好ましい。
画像形成物質には、必要に応じて帯電制御剤、離型材、外添剤など公知の材料が、必要に応じて用いられる。帯電制御剤を例示すれば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
離型性成分は、定着時に熱定着ローラや定着ベルトに画像形成物質が接着してしまうのを防止する(ホツトオフセツト防止)目的で添加されるものであり、カルナバワックス、モンタンワックス、密ロウ、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス等の60〜110℃に融点を持つ、ワックス類が公知である。
外添剤は、画像形成物質粉体の流動性や現像性、帯電性を補助するために添加されるもので、通常は、色材、樹脂粒子の表面を覆うように添加される。
公知の外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の無機微粒子を挙げることができる。
これらの無機微粒子の一次粒子径は、2nm〜500nmであることが好ましく、特に5nm〜50nmであることが好ましい。これらの無機微粒子の画像形成物質粉体における使用量は、画像形成物質全体の0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
上記の材料より画像形成物質粉体を製造する方法は、混練・粉砕する方法や分散重合、懸濁重合など公知の製造方法が使用できる。
次に、本発明の画像形成装置について、具体的な例を用いて説明する。
図1は、電子写真法により画像を形成する画像形成装置と画像除去装置とが一つの筐体内に納められている画像形成除去システムの一例である。
図1における画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を、それぞれ別の感光体上で形成し、それらの各ステーションで形成された画像を中間転写体(217)に転写し、中間転写体に転写された画像を被記録材収納容器(231a)から搬送される被記録材(237a)に転写し、被記録材上に形成された粉体画像を、定着ローラ(244)により加熱定着する電子写真方式画像形成装置である。このようなカラー電子写真画像形成装置は、タンデム型カラー電子写真装置として公知のものである。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、それぞれの画像形成ステーションは、下記のような公知の電子写真装置の要素よりなる。
すなわち、表面に光導電体層や保護層を有する金属等を基体とするドラムまたはベルト状の感光体(201Y),(201M),(201C),(201K)、帯電ローラやワイヤ帯電器などから構成される感光体を均一に帯電する手段(202Y),(202M),(202C),(202K)、形成したい画像に従って均一に帯電された感光体を露光する、レーザー、LED、発光体−液晶光バルブ、原稿台に乗せた原稿を照明しその反射光を感光体に投影する従来のアナログ複写機の光学系などの図示していない光照射手段、光照射に画像にしたがって形成された静電潜像を粉体トナーを用いて可視画像にする磁気ローラやトナー搬送ローラを内部に有する現像器(203Y),(203M),(203C),(203K)、感光体上に形成された粉体画像の帯電を制御するためのコロナワイヤ帯電器(205Y),(205M),(205C),(205K)、感光体上に形成された粉体画像を中間転写ベルトに転写するためのローラあるいはコロナワイヤ型の電界印加手段(206Y),(206M),(206C),(206K)、転写後の感光体に残留する粉体トナーを除去するためのクリーニング手段(207Y),(207M),(207C),(207K)、等から構成される。
これらの構成要素に加えて、必要に応じて適当な公知の要素を加えることができる。例えば、画像を転写した後の感光体上の電荷を除くために、交流帯電器や光照射器などの除伝手段を設ける、感光体への帯電電圧を検知する手段と帯電器に印加する電圧をコントロールする手段を設けて、環境変動や繰り返し使用による劣化があっても感光体に帯電する表面電位を一定に保つような制御手段などである。
また、画像転写後の感光体上のトナー除去が必要ない場合には、クリーニング手段(207Y),(207M),(207C),(207K)を除くことや、感光体に形成した粉体画像を帯電する必要がない場合には、コロナワイヤ帯電器(205Y),(205M),(205C),(205K)を除くことができる。
中間転写ベルト(217)は、ローラ(211),(212),(213),(214)を内接するように設けられており、図示されていないテンション印加機構により、適当な張力が与えられている。中間転写ベルトには、ブラシ、ローラ等、その表面に付着した粉体を除去する手段(210)が設けられている。必要に応じて、被記録材に画像を転写した後の、中間転写ベルトに残留する電荷を除いたり、均一にするための、除電手段、帯電手段を設けることもできる。
最終的に画像が形成される被記録材は、給紙カセット(231a),(231b)に収納されており、給紙コロ(232a),(232b)により紙搬送系に送られ、給紙ローラ対(233a),(233b),(233c),(233d),(233e),(233f)を経て搬送され、中間転写ベルト(217)上に形成された粉体画像は、電圧印加ローラ、コロナワイヤ帯電器のような電界印加手段(242)により、被記録材に転写される。
被記録材上に転写された画像形成物質は、熱ローラあるいは熱ベルト(244)と加圧ローラ(245)などからなる定着手段で定着される。画像が定着された被記録材は、排紙ローラ対(241)を経て、排紙トレー(240)上に排出される。
図3は、給紙カセット(231a)の給紙方向で見た場合に後端に相当する部分を拡大した図である。
給紙カセット(231a)の後端、側端面近傍に、発光素子(238)と受光素子(239)とが設けられ、被記録材に切り欠きや穴があるか否かを検知する。
受光素子で受光した信号は、図示していないリユース可能な電子写真用紙の有無を判断する制御手段に送られるが、リユース可能な電子写真用紙の有無を判断する制御手段においては、リユース可能な電子写真用紙ではない通常に用いられる被記録材が1枚でも給紙カセットに積載された場合には、画像を除去することが可能な被記録材に画像が形成できる状態にあると判断しないように、リミットの設定を行なう。
図1では、2つの給紙カセット(231a),(231b)を有し、給紙カセット(231a)は一般の被記録材が収納され、給紙カセット(231b)にリユース可能な電子写真用紙を収納する画像装置の例を示している。更に、サイズの異なる被記録材や、送り方向(縦送り、横送り)の異なる被記録材を収納するために、給紙カセットの数を増やすことができる。
ユーザーは、図1においては図示していない操作パネルや、図1のような画像形成装置と接続されたコンピュータに接続されているディスプレーに表示されるユーザーインターフェイスにおいて、第1印字モードで画像形成をするか、第2印字モードで画像を形成するかを選択することができる。
操作パネルやユーザーインターフェイスにおいて、第1印字モードは、例えば、「リユース」、「ペーパーリユース」、「リユースモード」、「専用紙」、「再使用紙」「省資源」、「短期閲覧」、「短期使用」などと表示されるボタンや選択肢を設けることで選択される。操作パネルやユーザーインターフェイスにおいて、第2印字モードは、例えば、「定着モード」、「高定着」、「フィクスモード」、「普通紙」、「新紙」、「文書保管」、「外部配布」などと表示されるボタンや選択肢を設けることで選択される。あるいは、第1印字モードを優先モードとして、ユーザーは何も操作しないで、自動的に第1印字モードが選択された状態にし、第2印字モードで画像を形成したいときのみに、第2印字モードを選択する操作をするように設定することもできる。
ユーザーが第1印字モードを手動または自動的に選択すると、画像形成装置の制御部は、画像のリユース可能な電子写真用紙の有無、両面印字などの第1印字モードでの画像形成が禁じられているモードが選択されていないか否かを判断する。ステープラーを使用することや綴じ穴を開けることは、被記録材の再使用を困難とする場合が多いので、ステープラーや綴じ穴を開ける手段が画像形成装置に接続され、画像形成装置で制御される場合には、第1印字モードでは、画像形成装置に接続されているステープラーや綴じ穴を開ける手段の使用を禁じる制御手段を設けることが好ましい。
リユース可能な電子写真用紙が給紙カセットに積載されているか否かが検知され、ユーザーが所望する被記録材のサイズや第1印字モードで印字することを選択した時点で、画像の除去が可能な被記録材が積載されていない場合には、そのことを操作パネルやユーザーインターフェイス部にフィードバックするような制御手段、表示手段を設けることが好ましい。同様に、両面印字、ステープラー処理、綴じ穴開け処理と第1モードとが選択されたときには、選択された時点で、それらが許可されていないことを操作パネルやユーザーインターフェイス部にフィードバックするような制御手段、表示手段を設けることが好ましい。
第1印字モードが手動または自動的に選択され、操作パネルのスタートボタンやプリントボタンを押したり、ユーザーインターフェイス部で印字のOKボタンがクリックされたりして、印字要求指令が出されると、画像形成装置に複数の給紙カセットがセットされている場合には、サイズが適合したリユース可能な電子写真用紙が自動的に選択されるように制御され、給紙されるように制御される。
給紙カセットから給紙された被記録材が、リユース可能な電子写真用紙であるか否かを再確認するために、図1では、搬送されてくる被記録材がリユース可能な電子写真用紙であるか否かを検知するための反射型の発光素子・受光素子(271)が設けられている。給紙カセットに収納されている被記録材がリユース可能な電子写真用紙であるか否かを検知する手段が設けられているので、本来、発光素子・受光素子(271)は必要がないが、給紙カセットに収納されているリユース可能な電子写真用紙であるか否かを検知する手段の検知に誤りがあった場合の安全対策として設けられる。
リユース可能な電子写真用紙であることを識別する切り欠きや穴が検出されない場合には、画像を形成するための手段の動作が停止され、給紙された被記録材には画像が形成されないまま、排紙トレーに排出されるとともに、複数枚の画像形成か指令されている場合においては、次の給紙動作は禁止され、操作パネル、ユーザーインターフェイス部に、リユース可能な電子写真用紙が検出されず、第1印字モードでの印字はできなかった旨を表示するように制御する。
第1印字モードが手動また自動で選択されて画像を形成する場合には、第1印字モードで画像形成がされたことを示す識別マークを形成する。識別マークは、例えば図4に示す(403)のバーコードであり、他の画像情報(402)と同様に、除去可能な画像形成プロセスにより印字される。すなわち、電子写真方式の画像形成方法による画像形成装置であれば、識別パターン信号発生手段により、レーザー、LEDの発光や液晶などのシャッター素子の開閉が制御され、感光体上に識別パターンの静電潜像が形成されたのち、現像装置で現像されて可視の識別パターンが形成され、電子写真用紙に転写されることにより第1印字モードで画像形成がされたことを示す識別マークが形成される。
図1のようなカラー画像形成装置において、第1印字モードで画像形成がされたことを示す識別マークは全ての色で形成される必要はなく、画像除去装置で読み取り可能に形成されることが重要である。多色で形成した場合には、色ずれなどにより画像除去装置で読み取りが困難になる場合もある。例えば、黒色だけで識別パターン形成することにより、色ずれの問題はなく、コントラストも大きいために、画像除去装置において、読み取りが容易になる。
また、肉眼では不可視にするために、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸染料、紫外線吸収顔料、赤外線吸収染料、赤外線吸収顔料を含む画像形成物質で第1印字モードで画像形成がされたことを示す識別マークを形成することも考えられるが、画像除去装置ばかりでなく、ユーザーにも第1モードで形成されたことが識別できることが、通常は好ましい。
第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークが図4に示す(403)のバーコードのように、言語でない場合には、図4に示す(404),(405)の位置に、「リユースモードで印刷されています」、「短期使用モードで印刷されています」、「利用後は画像除去して再使用して下さい」、「地球にやさしい印字モードで印刷されました」などの言語メッセージを記すような手段を設けることにより、ユーザーがより容易に識別することが可能になる。
次に、本発明の画像除去方法(装置)の具体例を説明する。
図1において、点線で囲まれる部分は、画像除去装置(250)である。
画像除去装置(250)は、画像を除去しようとしている給紙カセット(251)、該被記録材を画像除去処理部へと送り出す給紙コロ(252)、内部に加熱源としてハロゲンランプ(254)を有するアルミニウムで構成されるブロック(253)、該アルミニウム製ブロック(253)、テンションローラ(255)、クリーニングバックアップローラ(265)の間に張り巡らされたニッケル、ステンレスなどの金属またはポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトンなどの高分子化合物からなる画像剥離部材ベルト(257)、搬送された被記録材と画像剥離部材とを加熱状態で加圧するために、表面にシリコンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴムなどの弾性部材を有し、ステンレス、アルミニウム、鉄などからなる加圧ローラ(256)、被記録材から転写された画像形成物質を画像剥離部材から除去するためのスパイラル状クリーニングブレード(258)、画像剥離部材から除去された画像形成物質を収納する容器(259)、画像が除去された被記録材を画像形成装置の給紙カセットに搬送するための搬送ローラ対(281),(282)、画像形成装置の第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークの有無を検知する手段(264)、画像が除去できない被記録材の収納容器(261)、被記録材を収納容器(261)に導くためのガイド板(262)、可動ガイド板(267)、排出ローラ対(263)よりなる。
画像を除去しようとしている電子写真用紙は、給紙カセット(251)にセットされるが、画像の除去が可能であることを識別するための情報して切り欠きがシートの2隅に設けられた電子写真用紙は、切り欠き部を揃えて、切り欠きが後端になるように積載される。画像除去装置の給紙カセット(251)にも、画像形成装置の給紙カセットと同様に、積載された電子写真用紙の切り欠きを検知するための発光素子、受光素子対を設けた。発光素子、受光素子が、給紙カセット(251)に積載された被記録材の全てに切り欠きがあることが確認される以外の場合には、操作パネルに、「トナー除去ができない紙が積載されています」と表示されるように制御する手段を画像除去装置に設けた。
積載された電子写真用紙は、給紙コロ(252)により画像除去手段に向けて送り出される。画像形成装置の第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークの有無を検知する手段(264)は、ラインセンサー、CCDなどからなる画像パターンを読み取ることができる映像センサーであり、給紙された電子写真用紙の先端中央部にある識別マークを読み取り、制御手段のメモリ部に記憶されている識別パターンとの比較を行ない、画像除去処理を行なうことを許可するか否かを判断する。
第1印字モードで画像が形成されたことを示す識別マークがあると判断された電子写真用紙は、可動ガイド板(267)によりガイドされて、画像剥離部材ベルト(257)と加圧ローラ(256)との間に搬送される。画像剥離部材ベルト(257)は、アルミブロック(253)内にあるハロゲンランプ(254)により加熱されている。アルミブロック(253)の表面温度は図示されていないサーミスタ、熱電対、白金抵抗、熱放射量測定器のような温度検知手段で温度が検知され、検知された温度は図示されていない温度制御手段に入力され、設定された温度との比較により、図示されていないハロゲンランプ(254)への電力の供給変化させる手段の動作を制御し、表面の温度が一定に保たれる。温度の設定範囲は、50〜200℃程度であるが、通常用いられている電子写真用トナーで形成された画像を除去するためには、80〜120℃に設定することが好ましい。
電子写真用紙上の画像形成物質は、加熱された画像剥離部材と接触することにより加熱され、画像剥離部材ベルト(257)と加圧ローラ(256)間に印加されている図示されていないバネや水圧、空気圧などによる加圧手段により、画像形成物質を表面に有する被記録材と画像剥離部材とは、画像形成物質が画像剥離部材と接触した状態で加圧される。被記録材上の画像形成物質は、加熱・加圧されることにより、画像剥離部材(257)に接着される。
アルミブロック(253)の加圧ローラ(256)の下流側のエッジ部は、半径1〜5mm程度の曲率になっており、画像剥離部材ベルト(257)がこの曲率に沿って搬送されるため、被記録材の剛性により、被記録材と画像剥離部材とは分離される。
リユース可能な電子写真用紙の画像形成物質に対する接着力は、画像剥離部材に対する画像形成物質の接着力よりも弱くなるように構成されているため、被記録材と画像剥離部材とが分離されると、被記録材上の画像形成物質は画像剥離部材(257)の表面に転写され、被記録材上の画像形成物質は剥離されて、電子写真用紙より除去される。
電子写真用紙から転写された画像剥離部材上の画像形成物質は、回転するスパイラル状クリーニングブレード(258)により掻き落とされて、画像形成物質を収納する容器(259)に貯められる。画像が除去された電子写真用紙は搬送ローラ対(281),(282)により、画像形成装置の給紙カセット(231b)に排出される。画像形成装置の給紙コロ(232a)は図示されていない昇降手段により、画像除去装置から画像除去処理された電子写真用紙が排出される際には、上昇し、電子写真用紙が給紙カセット(231b)に収納されるのを妨げない位置に停止し、排出された電子写真用紙が搬送ローラ対(282)で搬送されなくなる時点で、下降し、画像形成時に給紙する方向とは逆の方向に回転し、画像除去装置から排出された電子写真用紙を給紙カセット(231b)に収納する。
第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークの有無を検知する手段(264)に入力される信号から、第1印字モードで画像が形成されたことを示す識別マークがないと判断される場合には、可動ガイド板(267)が、図示されていない回動手段により、被記録材を被記録材収納容器(261)に導くためのガイド板(262)の方向へ導く。識別マークがないと判断された被記録材は、可動ガイド板(267)に従い、排出ローラ対(263)に到達し、排出ローラ対(263)により、収納容器(261)に排出される。
本態様例においては、画像形成装置においても、画像除去装置においても、被記録材を短手方向に送るよう被記録材が給紙カセットに積載されるようにし、画像形成装置においては、第1印字モードでは、被記録材を長手方向に搬送して画像を形成することを禁止した。
すなわち、画像形成装置の給紙カセット(232b)において、容器のサイドフェンスが被記録材を長手方向に積載する位置にセットされた場合には、第1印字モードでの画像形成を禁止するように制御した。同様に画像除去装置においては、短手送り方向にのみ被記録材を積載できる給紙カセットのみが、画像除去装置にセットできる構造とした。
以下、実施例により、本発明のリユース可能な電子写真用紙、その製造方法について説明する。
<実施例1>
電子写真用紙の製造
フリーネス400mlに叩解したLBKPに、パルプ比で0.4%のポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を添加し、さらに長網抄紙機のサイズプレスで、0.6g/mの酸化デンプン、0.5g/mのポリビニルアルコール、0.6g/mの体積平均粒径4.8μmの炭酸カルシウム、0.3g/mのアクリル樹脂サイズ剤を表面サイジングして、坪量65g/mの紙を抄造した。
ポリビニルアルコール10重量部を水90重量部と混合し、水蒸気を吹き込みながら加熱、攪拌して溶解した。このポリビニルアルコール溶液100重量部に対して、体積平均粒径2.1μm炭酸カルシウム13重量部を混合して、サンドミルで2時間分散を行なった後、分散液40重量部に、固形分40.0重量%のグリオキザール3重量部、水50重量部を加えて攪拌し、塗工液とした。
前記で製造した紙の上に、この塗工液を、片面の乾燥付着量が3.3g/mとなるようにバーコーターで、片面に塗布し、105℃で乾燥した後、他の面(裏面)には、乾燥付着量が3.7g/mとなるように同様に、塗布、乾燥してポリマー含有層を形成した。
ポリマー層を塗布した紙にスーパーカレンダ処理をした。
20重量%のステアリル基を含有するアルキルケテンダイマー(撥トナー作用を示す化合物)を含有するエマルジョン10重量部と、25重量%のアクリルエステル樹脂を含むエマルジョン3重量部とを混合し、混合液を前記のスーパーカレンダ処理した紙に、片面あたりの乾燥付着量が0.8g/mとなるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に塗布して撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
撥トナー作用層を塗布した紙を再度、スーパーカレンダ処理を行ない、スーパーカレンダにおける加圧力を調整し、表面の平滑度720秒、裏面の平滑度670秒の電子写真用紙を得た。このようにして製造した電子写真用紙を断裁機にてA4版に断裁した後、更に長辺の上下両方にリユース可能なことを識別する情報としてコーナーカットを設けた。
画像形成物質粉体の製造
画像形成物質粉体は、下記の懸濁重合法により得た。
カルナウバ・ワックス8重量部、スチレン90重量部、アクリル酸n−ブチル35重量部およびメタクリル酸10重量部とを85℃で混合し、単量体混合液を得た。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.5重量部をイオン交換水2200重量部に溶解させ、界面活性剤溶液を得た。
次いで、前記界面活性剤溶液中に、前記単量体溶液を混合分散させ、この分散液に、窒素気流中で、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.72重量部をイオン交換水170重量部に溶解させた溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌した。更に、この系に過硫酸カリウム6.1重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた溶液を添加し、その後に、スチレン300重量部、アクリル酸n−ブチル120重量部、メタクリル酸35重量部からなる混合液を80℃で120分かけて滴下し、滴下終了後の系を60分間にわたり加熱、撹拌することによってラテックスを得た。
n−ドデシル硫酸ナトリウム28重量部をイオン交換水850重量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、黒色顔料としてカーボンブラック100重量部を徐々に添加して分散液を調製した。
前記のラテックス550重量部と、得られた着色剤分散液140重量部と、イオン交換水250重量部とを攪拌混合し、混合分散液に3Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調製した。次いで、混合分散液に塩化マグネシウム6水和物13重量部をイオン交換水20重量部に溶解した水溶液を添加した。その後この液を90℃まで昇温した後、塩化ナトリウム水溶液を添加することにより、粒子成長を停止し、体積平均粒径が5.6μmの粒径の球形に近い粒子を得た。更に、塩析を継続した後、得られた生成物を濾過し、生成物を、エタノール含有水溶液で洗浄し、温風で乾燥することによって黒色粉体母体粒子を得た。
母体粒子100重量部に対して、トナーと同様にシリカゲル微粉末0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、体積平均粒径5.6μmの画像形成物質粉体を得た。
上記の黒色粉体画像形成物質の製造例におけるカーボンブラックに替えて、黄色、マゼンタ、シアンの粉体画像形成物質を製造するために、それぞれ、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・ブルー15:2を用いること以外は、黒色粉体画像形成物質の製造例と同様の操作を行ない、黒色画像形成物質とほぼ同じ粒径、粒子形状の画像形成物質粉体を得た。
画像形成、除去例
図1に示す画像形成装置と画像除去装置とが一体になった画像形成・除去システムを用いて、切り欠きを検知する手段を設けた画像形成装置の給紙カセットに、前記のコーナーカットを行なった前記の電子写真用紙を収納し、前記の画像形成物質粉体に磁性キャリアを混合した現像剤を現像装置に充填して、下記条件で画像の形成を行なった。
プロセス線速:130mm/sec
定着ローラ温度設定:170℃
定着ローラ面圧:15N/cm
カラー画像の形成を行なったところ、鮮明な画像が得られた。また、画像の定着性は白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
次に、図1に示す画像形成装置と画像除去装置とが一体になった画像形成・除去システムを用いて、電子写真用紙に形成された画像の除去を行なった。画像除去の条件は下記のとおりである。
プロセス線速:25mm/sec
転写・剥離温度設定:115℃
剥離部材:厚み150μmポリエチレンナフタレートフィルム(表面に熱可塑性物質なし)
加圧面圧:20N/cm
用紙・剥離部材分離:半径2mmの曲率分離
画像除去操作が行なわれた電子写真用紙の上には、中間調画像も完全に除去されていて、形成された画像の残りは全くなかった。
同じ電子写真用紙を用いて、上記で画像を形成した面と反対の面(裏面)に、上記と同様に画像形成を行なったところ、鮮明な画像が得られた。また、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上問題のないものであった。
反対面に形成された画像の除去後にも、表と同様、電子写真用紙の上には、形成された画像の残りは全くなかった。
この画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれにおいても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
<比較例1>
実施例1で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例1で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が0.8g/mとなるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面32秒、裏面28秒であった。得られた紙を用いて、実施例1と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。印字された画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上、問題のないものであったが、粒状性が実施例1に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後の画像には、表裏のどちらの面においても、第1回目においても中間調画像の大半は残っていた。また、べた画像部にも画像形成物質の残りが見られた。
画像残がある状態で、画像形成と画像除去を繰り返すと、片面について繰り返し回数3回程度で、用紙と画像剥離部材との分離が困難となり、画像除去装置においてジャムを生じた。ジャムとなった用紙を手で除去しようとすると、べた画像部において、用紙と画像剥離部材とが分離しないため用紙が破れてしまった。
<比較例2>
実施例1で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例1で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が1.4g/mとなるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面56秒、裏面38秒であった。得られた紙を用いて、実施例1と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。印字された画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上問題のないものであったが、粒状性が実施例1に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後の画像には、表裏のどちらの面とも、第1回目においても中間調画像の大半は残っており、また、べた画像部にも画像形成物質の残りが見られた。
画像残がある状態で、画像形成と画像除去を繰り返すと、片面について繰り返し回数5回程度まで、画像除去装置においてジャムを生じることなく、用紙と画像剥離部材との分離は可能であったが、繰り返しを行なう度に、用紙に残留する画像形成物質の量は多くなってしまった。
<実施例2>
フリーネス400mlに叩解したLBKPに、パルプ比で0.4%のポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を添加し、さらに長網抄紙機のサイズプレスで、0.9g/mの酸化デンプン、0.6g/mのポリビニルアルコール、0.3g/mのアクリル樹脂サイズ剤を表面サイジングして、坪量70g/mの紙を抄造した。
ポリマー含有層の塗工液として、固形分含有量を5重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液70重量部、固形分含有量を10重量%のポリビニルアルコール水溶液2重量部、固形分40重量%のグリオキザール2重量部、カオリン6重量部、水70重量部からなる混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、前記の紙の上にポリマー層を設けた。ポリマー含有層の付着量は、表面2.5g/m、裏面2.8g/mとなるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの10重量%水溶液10重量部と、ポリアクリル酸ナトリウムの3重量%水溶液5重量部とを混合し、前記のポリマー含有層を付与し、スーパーカレンダ処理をした紙の両面に、乾燥付着量が片面0.5g/mとなるように塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について5回づつ、表裏合計で10回繰り返した。表裏いずれにおいても、各5回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、5回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
但し、繰り返しを片面について10回目まで繰り返すと、画像形成物質の剥離、除去特性に劣化が観られ、中間調画像部の画像が残るようになった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
<比較例3>
実施例2で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例2で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が1.5g/mとなるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して撥トナー剤を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面28秒、裏面24秒であった。得られた紙を用いて、実施例2と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。印字された画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上問題のないものであったが、粒状性が実施例2に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後の画像には、表裏のどちらの面とも、第1回目においても中間調画像の大半は残っており、また、べた画像部にも画像形成物質の残りが見られた。
<参考例1>
撥トナー作用を示す化合物ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムに替えて、ジブチルスルホコハク酸ナトリウムを使用する以外は、実施例1と同様に、電子写真用紙の製造、画像形成、画像除去を行なった。
画像を形成したジブチルスルホコハク酸ナトリウムを使用した紙は、画像除去処理を実施すると画像剥離部材との分離が困難であり、画像除去装置においてジャムを発生した。画像除去装置において手で、ジャムした画像を除去しようとしたところ、紙が破れてしまい、用紙と画像剥離部材とを分離できなかった。
<実施例3>
実施例1で抄紙した紙の上に、ポリマー含有層の塗工液として、固形分含有量を5重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液70重量部、固形分40重量%のグリオキザール2重量部、カオリン4重量部、水70重量部からなる混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、抄紙後の紙上にポリマー含有層を設けて、スーパーカレンダ処理を行なった。ポリマー含有層の付着量は、表面2.5g/m、裏面2.8g/mとなるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物として10重量%パルミチルアミンを含むO/W型エマルジョンを前記のポリマー含有層を塗工した紙の上に、乾燥付着量が片面0.7g/mとなるように両面に塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた紙の表面平滑度は、表面290秒、裏面320秒であった。得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれの面においても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も含めて完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
<実施例4>
実施例1で抄紙した紙の上に、ポリマー含有層の塗工液として、固形分含有量を8重量%のポリアクリル酸水溶液50重量部にカオリン4重量部、酸化チタン2重量部を混合して分散し、その分散液にグリセリンジグリシジルエーテル0.2重量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.3重量部、水40重量部を加えて混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー含有層を設け、スーパーカレンダ処理を行なった。ポリマー含有層の付着量は、表面3.9g/m、裏面4.5g/mとなるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物として10重量%のステアリルトリメチルアンモニウム塩水溶液を、前記のポリマー含有層を付与した紙の上に、乾燥付着量が片面0.7g/mとなるように両面に塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた紙の表面平滑度は、表面1000秒以上、裏面800秒であった。得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られた。画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれにおいても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
<実施例5>
実施例1で抄紙した紙の上に、下記のポリマー含有層の塗工液を塗工した。すなわち、炭酸カルシウム4重量部、タルク1重量部、10重量%のポリビニルアルコールを含有する水溶液10重量部とを混合分散した液20重量部に、固形分含有量を15重量%の酢酸ビニルエマルジョン3重量部を混合してポリマー含有層塗工液とした。ポリマー含有層の付着量は、表面2.8g/m、裏面3.3g/mとなるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物として10重量%のステアリルトリメチルアンモニウム塩水溶液を前記のポリマー層を付与した紙の上に、乾燥付着量が片面1.0g/mとなるように塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた紙の表面平滑度は、表面430秒、裏面350秒であった。得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれにおいても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
<実施例6>
実施例1で抄紙した紙の上に、下記のポリマー含有層の塗工液を設けた。すなわち、炭酸カルシウム4重量部、10重量%のポリビニルアルコールを含有する水溶液20重量部とを混合分散した液50重量部に、固形分40.0重量%のグリオキザール2重量部、水60重量部を加えて攪拌し、塗工液とした。
片面の乾燥付着量が、表面1.5g/m、裏面1.8g/mとなるように実施例1と同様に塗布、乾燥、スーパーカレンダ処理をした。
ポリマー含有層を設けた紙に、撥トナー作用を示す化合物としてステアリルリン酸エステル10重量%を含有するエマルジョンを片面あたりの乾燥付着量が0.5g/mとなるように、両面に塗布した。
撥トナー作用を示す化合物を含む層を塗布した紙を、再度、スーパーカレンダ処理を行ない表面の平滑度170秒、裏面の平滑度160秒の電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
画像剥離部材として、表面に22μmの厚みの画像形成用画像形成物質を有する厚み100μmのポリイミドフィルムを用いる以外は実施例1と同様に画像除去操作を行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
上記の画像形成、画像除去を片面について5回づつ、表裏合計で10回繰り返した。表裏いずれにおいても、各5回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、5回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
<比較例4>
実施例1で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例6で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が0.5g/mとなるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面30秒、裏面26秒であった。得られた紙を用いて、実施例6と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。
得られた画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上、問題のないものであったが、粒状性と彩度が実施例1に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後、表裏のどちらの面とも、第1回目においても中間調画像の残りが見られた。
<比較例5>
実施例6のスーパーカレンダ処理されたポリマー含有層の上に、撥トナー作用を示す化合物として実施例6で用いたステアリルリン酸エステル含有層の代わりに、フッ素ルミフロン(LF−200,Mn=20000、旭硝子社製)を片面あたりの乾付着量が0.5g/mとなるように、両面に溶剤塗布(イソシアネート系常温硬化剤、日本ポリウレタン社製のコロネートEH使用)した。
実施例6の場合と同様、撥トナー作用を示す化合物を含む層を塗布した紙を、再度、スーパーカレンダ処理を行ない表面の平滑度170秒、裏面の平滑度160秒の電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用いて実施例6と同様に筆記性テストを行なったところ、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーのいずれにおいても、インクの付着が悪く、筆跡がほとんど残らないか、筆跡が残る場合においても、むらが発生した。
<参考例2>
実施例6の画像除去処理において、画像形成物質(熱可塑性物質)を表面に持たない100μmのポリイミドフィルムを用いる以外は、実施例6と同様に画像の除去処理を行なったところ、べた画像部の画像の除去はできたが、中間調画像は除去されずに残った。
<参考例3>
実施例1で抄紙した紙の上に、下記のポリマー含有層の塗工液を設けた。すなわち、炭酸カルシウム4重量部、10重量%のポリビニルアルコールを含有する水溶液20重量部とを混合分散した液50重量部に、固形分40.0重量%のグリオキザール2重量部、水60重量部を加えて攪拌し、塗工液とした。
片面の乾燥付着量が、表面1.5g/m、裏面1.8g/mとなるように実施例1と同様に塗布、乾燥、スーパーカレンダ処理をした。
ポリマー含有層を設けた紙に、撥トナー作用を示す化合物としてステアリルリン酸エステル10重量%を含有するエマルジョンを片面あたりの乾燥付着量が3.0g/mとなるように、両面に塗布した。
撥トナー作用を示す化合物を含む層を塗布した紙を、再度、スーパーカレンダ処理を行なって電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
画像剥離部材として、表面に22μmの厚みの画像形成用画像形成物質を有する厚み100μmのポリイミドフィルムを用いる以外は実施例1と同様に画像除去操作を行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
上記の画像形成、画像除去を片面について5回づつ、表裏合計で10回繰り返した。表裏いずれにおいても、各5回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、5回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
本発明に係る電子写真法により画像を形成する画像形成装置と画像除去装置とが一つの筐体内に納められている画像形成除去システムの一例を示した図である。 リユース可能なことを示す識別情報の例を示した図である。 給紙カセットの給紙方向で見た場合に後端に相当する部分を拡大した図である。 第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークの例を示す図である。
符号の説明
201Y,201M,201C,201K:感光体
202Y,202M,202C,202K:帯電手段
203Y,203M,203C,203K:現像器
205Y,205M,205C,205K:コロナワイヤ帯電器
206Y,206M,206C,206K:電界印加手段
207Y,207M,207C,207K:クリーニング手段
210:粉体除去手段
211,212,213,214:ローラ
217:中間転写体
231a,231b:給紙カセット
232a,232b:給紙コロ
233a,233b,233c,233d,233e,233f:給紙ローラ対
237a:被記録材
238:発光素子
239:受光素子
240:排紙トレー
241:排紙ローラ対
242:電界印加手段
244:定着ローラ
245:加圧ローラ
269:給紙ローラ対
401:被記録材
402:画像情報
403:バーコード
404:言語メッセージ
405:言語メッセージ

Claims (20)

  1. セルロース繊維を主体とする紙をベースとし、該ベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、該ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を有する化合物を含み撥トナー性を有する層を設けたことを特徴とするリユース可能な電子写真用紙。
  2. リユース可能なことを示す識別情報が付与されていることを特徴とする請求項1に記載のリユース可能な電子写真用紙。
  3. 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリユース可能な電子写真用紙。
  4. 前記ポリマーを含む層に、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のリユース可能な電子写真用紙。
  5. 前記ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面に填料を付与し、該填料よりも体積平均粒径の小さな填料をポリマー層に含有させたことを特徴とする請求項4に記載のリユース可能な電子写真用紙。
  6. 前記ポリマーを含む層は、架橋剤により架橋されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
  7. 少なくとも画像を記録する面の表面平滑度をJ TAPPI No.5−B方式(王研式平滑度)で150秒以上としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
  8. 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
  9. 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーから選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
  10. 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸から選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
  11. 前記ポリマーを含む層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基から選択される酸性基を含む高分子化合物を含有せしめ、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれか含むカチオン性化合物を使用することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
  12. セルロース繊維を主体とする紙をベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル樹脂エマルジョンから選ばれるポリマーを含む層を設け、撥トナー性を有する直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物をO/W型エマルジョンとして、ポリマーを含む層上に塗布することを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法。
  13. 抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスあるいはオンマシーン・コートで、抄紙された紙の表面に、体積粒径4〜9μm填料を含有する塗工層を設け、乾燥後、オフマシーンにて、前記の紙の上にポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーと前記填料よりも体積平均粒径の小さい填料とを含有する塗工層を設け、更に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けることを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法。
  14. 請求項1乃至11に記載のリユース可能な電子写真用紙に、熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成する電子写真法により画像を形成し、形成された画像情報が不用になったら、該用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写、画像を除去することを特徴とする画像形成・除去方法。
  15. 用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙上の画像の除去を促進する液体を用紙に付与しないことを特徴とする請求項14に記載の画像形成・除去方法。
  16. 表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材と画像が形成させたリユース可能な電子写真用紙とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写せしめ、画像を除去することを特徴とする請求項14又は15に記載の画像形成・除去方法。
  17. 体積平均粒径が7.0μm以下の粉体の画像形成物質で形成された画像を電子写真用紙に転写して、用紙上に画像が形成されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の画像形成・除去方法。
  18. 重合法により形成された画像形成物質が使用されることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の画像形成・除去方法。
  19. 請求項1乃至11のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、ユーザーが、画像情報が不用になった場合に、画像を除去し用紙を再使用することを前提として選択する第1印字モードにおいては、リユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2印字モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けたことを特徴とする電子写真画像形成装置。
  20. 請求項2に記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙に付与されているリユース可能な電子写真用紙であることを識別する情報を、用紙上に画像が形成される工程の前に検知する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙の供給ができない状態にあるときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じるように制御する手段を設けたことを特徴とする請求項19に記載の電子写真画像形成装置。
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