JP4234032B2 - 電子写真用紙、その製造方法、電子写真画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、上記の電子写真用紙を使用して、画像を形成・除去する方法、上記の電子写真用紙を使用する電子写真画像形成装置に関する。
更に、本発明は、感光体と乾式トナーを用いる通常の電子写真法の他に、静電記録法、トナージェット記録法、イオンフロー記録法などのような感光体は使用しない熱可塑性画像形成物質を用いる電子写真法にも適用できる。
例えば、被記録材としてプラスチック、金属、液浸透性のない紙、セラミックスなどを用い、これらの被記録材上に形成された熱溶融性の画像に熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像を剥離除去する方法が開示(特許文献1参照)されている。また、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトを用い、離型剤で処理された被記録材上の電子写真法で形成された画像を転写剥離して除去する装置が開示(特許文献2参照)されている。また、シート状被記録材の表面、特に片面のみに離型処理を行ない、且つ、該離型処理した被記録材に印を付け、普通紙と区別した被記録材が開示(特許文献3参照)されている。これらの従来例に示されている被記録材は、プラスチックがベースのものであったり、撥トナー剤として、シリコーンシール剤や市販の粘着テープを使用するもので、コスト、製造性、高品質の画像を得る点で、充分なものではなかった。
しかしながら、被記録材からの画像の除去を繰り返すことにより、画像剥離部材の上には、被記録材から転写された画像形成物質が蓄積する。蓄積した画像形成物質を画像剥離部材から除去するためには、転写された画像と、画像が転写する前に画像剥離部材に付着していた熱可塑性の樹脂との間の接着力あるいは凝集力よりも大きな剪断力を印加することが必要になる。被記録材から画像形成物質を転写するためには、熱可塑性の画像形成物質の凝集力が被記録材と画像形成物質の接着力より大きな状態で、転写(被記録材と画像剥離部材との分離)を行なわなければ、被記録材上の画像形成物質の全部が被記録材から剥離部材に転写されない。したがって、転写工程は、画像形成物質が完全に溶融するのではなく、軟化する程度の比較的低い温度で実施される。転写された画像と、画像が転写する前に画像剥離部材に付着していた熱可塑性樹脂との間の接着力あるいは凝集力よりも大きな剪断力を印加するためには、被記録材に転写した画像形成物質を転写温度よりも高温に加熱して溶融状態にして凝集力を低下することが必要になる。画像剥離部材上の転写された画像形成物質を除くために、被記録材上の画像を画像剥離部材上に転写するときの温度よりも高い温度に加熱することは、エネルギー効率が悪く、好ましくない。また、画像形成物質に使用している材料により、高温に加熱しても充分に粘度が低下しない場合もあり、そのような場合には、元から画像剥離部材に付与していた熱可塑性の樹脂を表面に残しながら画像剥離部材上の転写された画像形成物質を除去するためには、大きな剪断力を加える必要が生じる。画像剥離部材上の画像形成物質を大きな剪断力を加えて除去しようとすると、熱可塑性の樹脂が画像剥離部材の基材との界面から剥がれてしまう結果になり易い。このように、熱可塑性の樹脂を表面に保持する画像剥離部材を繰り返し使用することには、画像を除去するだけの観点からは有利であるが、上記のような困難を伴うため、現在までに、実用化に至っていない。
また、この方法で画像を除去するのに適した被記録材として、水を主体とする画像除去促進液に対する湿潤伸びを低減したり、表面の濡れ性を制御した紙が開示(特許文献5、6参照)されている。
他に、撥トナー剤としては、フッ素樹脂などのフッ化炭化水素基含有材料を用いることも或いは考えられる。しかし、フッ化炭化水素基含有材料を用いた場合、上記シリコン系材料の場合と同様、高価となる上に、水性ペン、油性ペンのような筆記具での筆記性を確保することが困難であるという問題がある。
画像除去促進液を付与せず画像形成物質の除去を可能にすることにより、カラー電子写真画像の除去を可能にする。画像除去促進液を付与せず画像形成物質の除去を可能にすることにより、画像除去促進液を使用した場合に、再生された電子写真用紙を再使用するときに発生し易い皺の発生を防止する。画像除去促進液をサプライとして必要としない画像除去システムをユーザーに提供することを目的とする。
しかしながら、紙は、セルロース繊維を漉いて繊維間に水素結合を発生させてなるものであり、不透明性を維持できる通常の叩解度の繊維を用いると表面に繊維の太さ程度の凹凸ができることは避けられない。この凹凸形状のために、凹部に入り込んだ画像形成物質粉体を除去することが困難となる。本発明においては、安価で環境負荷の小さな紙をベースに用いて、用紙上に形成された画像を完全に除去する電子写真用紙、電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、粒径の小さな画像形成物質粉体で画像が形成される場合や、重合法で製造される場合のように球形に近い画像形成物質粉体が使用されても、画像が完全に除去できる電子写真用紙、電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明の他の目的は、熱可塑性樹脂を表面に持たない画像剥離部材を用いても、画像が除去できる電子写真用紙、電子写真画像除去方法、電子写真画像形成装置を提供することである。画像除去手段に、熱可塑性樹脂を表面に持たない画像剥離部材を用いることにより、画像剥離部材上に転写された画像形成物質の除去を容易にし、安価で簡素な画像除去装置を提供することである。
(3)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(4)「前記ポリマーを含む層に、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料を含むことを特徴とする前記第(1)項1乃至第(3)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(5)「前記ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面に填料を付与し、該填料よりも体積平均粒径の小さな填料をポリマー層に含有させたことを特徴とする前記第(4)項に記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(6)「前記ポリマーを含む層は、架橋剤により架橋されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」、(7)「少なくとも画像を記録する面の表面平滑度をJ TAPPI No.5−B方式(王研式平滑度)で150秒以上としたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(8)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(9)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーから選ばれたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(10)「前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸から選ばれたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」;
(11)「前記ポリマーを含む層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基から選択される酸性基を含む高分子化合物を含有せしめ、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれか含むカチオン性化合物を使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(12)「セルロース繊維を主体とする紙をベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、撥トナー性を有する直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物をO/W型エマルジョンとして、ポリマーを含む層上に塗布することを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法」;
(13)「抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスあるいはオンマシーン・コートで、抄紙された紙の表面に、体積粒径4〜9μm填料を含有する塗工層を設け、乾燥後、オフマシーンにて、前記の紙の上にポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーと前記填料よりも体積平均粒径の小さい填料とを含有する塗工層を設け、更に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けることを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(14)「前記第(1)項乃至第(11)項に記載のリユース可能な電子写真用紙に、熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成する電子写真法により画像を形成し、形成された画像情報が不用になったら、該用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写、画像を除去することを特徴とする画像形成・除去方法」;
(15)「用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙上の画像の除去を促進する液体を用紙に付与しないことを特徴とする前記第(14)項に記載の画像形成・除去方法」;
(16)「表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材と画像が形成させたリユース可能な電子写真用紙とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写せしめ、画像を除去することを特徴とする前記第(14)項又は第(15)項に記載の画像形成・除去方法」;
(17)「体積平均粒径が7.0μm以下の粉体の画像形成物質で形成された画像を電子写真用紙に転写して、用紙上に画像が形成されることを特徴とする前記第(14)項乃至第(16)項のいずれかに記載の画像形成・除去方法」;
(18)「重合法により形成された画像形成物質が使用されることを特徴とする前記第(14)項乃至第(17)項のいずれかに記載の画像形成・除去方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(19)「前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、ユーザーが、画像情報が不用になった場合に、画像を除去し用紙を再使用することを前提として選択する第1印字モードにおいては、リユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2印字モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けたことを特徴とする電子写真画像形成装置」;
(20)「前記第(2)項に記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙に付与されているリユース可能な電子写真用紙であることを識別する情報を、用紙上に画像が形成される工程の前に検知する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙の供給ができない状態にあるときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じるように制御する手段を設けたことを特徴とする前記第(19)項に記載の電子写真画像形成装置」によって解決される。
また、請求項2に記載の電子写真用紙においては、リユース可能なことを示す識別情報が付与されているため、画像形成装置がリユース可能な用紙があるか否かを検知することが可能となり、リユース可能な用紙が画像形成手段に供給できる状態にあるときのみに、画像が消去できるモードでの印字を許可するように制御できる。また、画像除去装置においては、画像除去手段に向けて搬送される用紙が、リユース可能な用紙か否かを検知することができるので、画像が除去できない用紙は画像除去手段を回避して搬送することが可能になり、画像除去手段で用紙と画像剥離部材とが分離しないことによるジャムなどのトラブルを防止できる。また、ユーザーが容易にリユース可能な紙であることが識別できるので、一般の用紙と分別して、保管、収納できる。
また、請求項3に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物を含有する層を設けているが、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物には、良好な撥トナー作用を示す場合が多く、用紙上に形成された画像の除去を容易にする。
また、請求項4に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層に、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料含むので、ポリマー層を不透明とし、白色度を向上することにより、この上に形成される画像品質を向上する。また、適当量を配合することにより、その上に設けられる撥トナーの効果を調節する役割を持たせることができ、定着性と画像の除去特性のバランスを改善することができる。また、筆記具による筆記性の改善ができる。
また、請求項5に記載の電子写真用紙においては、ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面には比較的粒径の大きな填料を付与し、ポリマー層には、粒径の小さい填料を含有する構成としているため、ポリマー層の付着量を少なくしても、所望の表面平滑度が得られ易く、リサイクル特性が良く、コストが安価となり、画像の除去特性に優れる。
また、請求項6に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層が、架橋剤により架橋されたものであるので、用紙の耐水性が向上するとともに、撥トナー作用を示す化合物を含む層を水を媒体として塗工しても、撥トナー作用を示す化合物を含む層とマージすることがないので、撥トナー作用を示す化合物を含む層を薄くすることができるため、コストが安価となり、画像の除去特性に優れる。また、製造工程において安全性を確保できる。
また、請求項7に記載の電子写真用紙においては、ポリマー含有層の付着量やスーパーカレンダー処理により、少なくとも画像を記録する面の表面平滑度を150秒以上としているので、紙の穴部に他の粒子と繋がりがなく独立した画像形成物質粉体粒子が入り込むことを防止でき、画像を完全に除去するきことが可能となる。また、画像除去装置において、熱可塑性のない画像剥離部材を使用しても、画像の高さの小さい中間調画像も除去することができるので、画像除去装置が簡素な構成となり、また、画像剥離部材上の転写された画像形成物質を除去するためのエネルギーが少なくなる。
また、請求項8に記載の電子写真用紙においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類を使用するものであるが、これらの化合物には、良好な撥トナー作用を示す場合が多く、用紙上に形成された画像の除去を容易にする。
また、請求項9に記載の電子写真用紙においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーが使用され、撥トナー作用を有するアルキル基あるいはアルケニル基が、高分子鎖に共有結合で結合されているため、撥トナー作用を示す化合物が画像形成物質とともに画像剥離部材側に移行したり、画像形成物質を介することなく画像剥離部材に転写されることがないので、画像形成、画像除去を多数回繰り返しても画像の除去特性や定着性の変化が少なく、多数回、使用することが可能になる。
また、請求項10に記載の電子写真用紙においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物として、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸を使用することにより、安価で、画像の剥離・除去特性を良好な電子写真用紙を提供することができる。
また、請求項11に記載の電子写真用紙においては、ポリマーを含む層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基から選択される酸性基を含む高分子化合物を含有し、撥トナー剤としてカチオン性化合物を使用しているので、ポリマー層と撥トナー剤とがイオン結合し、撥トナー剤が画像形成物質とともに画像剥離部材に転写・移行することを防止できるため、用紙の繰り返し使用耐久性を向上することができる。
また、請求項12に記載の電子写真用紙の製造方法においては、撥トナー性を有する、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含む化合物をO/W型エマルジョンとしてポリマーを含む層上に塗布するので、環境負荷を少なくし、安全衛生上好ましい製造方法を提供することができる。
また、請求項13に記載の電子写真用紙の製造方法においては、抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスあるいはオンマシーン・コートで、抄紙された紙の表面に、体積粒径4〜9μm填料を含有する塗工層を設け、乾燥後、オフマシーンにて、前記の紙の上にポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーと前記の填料よりも体積平均粒径の小さい填料とを含有する塗工層を設けることにより、ポリマー含有層の付着量を小さくしても、所望の表面平滑度が得られ易くし、安価でリサイクル特性が良いリユース可能な電子写真用紙を提供することができる。
また、請求項14に記載の画像形成・除去方法においては、本発明のリユース可能な電子写真用紙に熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成する電子写真法により画像を形成されるので、画像が形成された用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、用紙上の画像を画像剥離部材に転写することにより、簡素な構成の画像除去装置を用いても、完全に画像を除去することが可能になる。完全な画像の除去が可能となるため、機密情報を印字した場合にも、除去後に印字画像が解読されることがないので、機密漏洩防止ができる。
また、請求項15に記載の画像形成・除去方法においては、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を表面に有する本発明の電子写真用紙を用いているので、画像除去促進液を用いずに画像を画像剥離部材に転写、除去することが可能になり、再使用時に画像形成装置で皺が発生することがない、余分のサプライを必要しない、画像除去装置において電子写真用紙に付着した画像除去促進液を乾燥する必要がない、などの利点が多く、エネルギー効率良い画像の除去方法を提供することが可能になる。
また、請求項16に記載の画像形成・除去方法においては、ポリマー含有層を有し、紙が有する隙間や穴構造をなくした本発明の電子写真用紙を用いているので、画像除去装置において、表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材を用いても、画像を画像剥離部材に転写、除去することにより、完全に画像を除去することか可能になる。表面に熱可塑性物質がない画像剥離部材を用いるため、画像剥離部材上の画像形成物質を除去するために画像形成物質の凝集力以上の力を印加する必要がなく、画像形成物質除去のために、転写温度以上に画像剥離部材上の画像形成物質を加熱する必要がなく、エネルギー効率が高く画像形成物質の除去を行なうことが可能となる。また簡素な構成の除去手段で画像剥離部材上の画像形成物質を除去できる。
また、請求項17に記載の画像形成・除去方法においては、本発明の電子写真用紙と体積平均粒径が7.0μm以下の画像形成物質粉体が画像形成に用いられるので、高い画像品質と画像形成物質の低着量化の要求を満足しつつ、良好な画像除去特性を得ることが可能になる。
また、請求項18に記載の画像形成・除去方法においては、本発明の電子写真用紙と重合法により製造された画像形成物質粉体とが使用されるので、高い画像品質と高耐久性の要求を満足しつつ、良好な画像除去特性を得ることが可能になる。
また、請求項19に記載の電子写真画像形成装置においては、本発明のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、画像を除去し用紙を再使用することを前提として選択する第1印字モードにおいては、リユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けているので、ユーザーが印字画像の除去を望む場合には、確実に画像の除去が可能になり、それ以外の場合には、画像の除去が困難となるので、情報が印字された用紙が改竄されて悪用されることを防止できたり、定着性の良い画像が得られる。
また、請求項20に記載の電子写真画像形成装置においては、請求項2に記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙に付与されているリユース可能な電子写真用紙であることを識別する情報を、用紙上に画像が形成される工程の前に検知する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙の供給ができない状態にあるときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じるように制御する手段を有しているので、第1印字モードでは印字した場合に確実に画像を除去することが可能になり、且つ、印字をする前に画像の除去が可能な電子写真用紙があるか否かを判断することが可能になり、用紙が無駄に消費されるのを防止でき、且つ、画像の除去ができない用紙が混入することにより発生する画像除去装置におけるジャムなどのトラブルを未然に防止することができる。
まず、本発明の電子写真用紙に関する構成、作用について説明する。
本発明の請求項1の発明は、セルロース繊維を主体とする紙をベースとし、該ベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、該ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けたことを特徴とするリユース可能な電子写真用紙である。ポリ酢酸ビニルやアクリル樹脂は、後に説明するように、エマルジョンの形で紙基質表面に塗工、乾燥されることにより設けることができる。
すなわち、化学パルプ、機械パルプなどの木材を原料とするもの、バガス、ケナフなどの非木材セルロース繊維を原料とするもの、一度使用した紙から脱墨して得られる古紙再生パルプを原料とするもの、損紙を解離したパルプを原料とするものいずれでも良い。上質紙、中質紙、印刷用紙、コピー用紙として市販されているものをそのまま使用しても良い。本発明においては、ベースとなる紙の表面に水を主体とする媒体とする塗工液を付与して、ポリマーを含有する層を設けることが、安全、衛生上好ましいために、ベースとなる紙は適度なサイズ度を有することで塗工液のベース基材への吸収速度を適切なものとでき、比較的付着量を小さくしても、所望の表面平滑度が得られる点で好ましい。
また、セルロース繊維を主体とする紙は、適度な電気抵抗を持つか、適度な電気抵抗に調整することが容易にできるために、電子写真画像形成装置において、静電的な力で、画像形成物質粉体を用紙に転写する場合に、高い画像品質が得られ、用紙に静電気が蓄積することも避けることができる点で好ましい。しかしながら、一般に市販されている紙をそのまま使用すると、画像形成物質との接着力が強過ぎて、画像除去促進液を使用して、画像形成物質との接着力を低下せしめないと、画像の除去が困難である。
アルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物の具体例は、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物である。より具体的には、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類である(請求項8)。
より具体的には、ステアリル(直鎖C18)アクリル酸エステル、ステアリル(直鎖C18)メタクリル酸エステル、セチル(直鎖C16)アクリル酸エステル、セチル(直鎖C16)メタクリル酸エステル、ミスチリル(直鎖C14)アクリル酸エステル、ミスチリル(直鎖C14)メタクリル酸エステル、ラウリル(C12)アクリル酸エステル、ラウリル(直鎖C12)メタクリル酸エステル、等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルをモノマーとして用いた重合体、共重合体である。
リユース可能なことを示す識別情報の例としては、図2(a)のように用紙の一部に切り欠きを設けたり、図2(b)、図2(c)のように穴を開けたり、用紙の一部または全面を染料、顔料などで着色したり、図2(d)のようにバーコードを印刷したり、バーコード以外のマークを印刷すること、紫外線や赤外線などの人間の目では認識できない波長の光を吸収するインク、蛍光を発するインク、磁気インクで印刷したりすることを挙げることができる。また、電磁波に感応するかあるいは、電磁波を発生するICチップを付与しても良い。
これらの顔料は、ポリマー層を不透明とし、白色度を向上することにより、この上に形成される画像の品質を向上する。また、適当量を配合することにより、その上に設けられる撥トナーの作用を調節する役割を持たせることができる。すなわち、電子写真画像形成装置で画像が形成されたときに、定着性と画像の除去特性のバランスを改善することができる。更に、適当量を配合することにより、蛍光ペン、ボールペン、鉛筆、マジック・インクなどの筆記具による筆記性改善できる。
これらの填料は、1種を単独で用いても良いが、2種以上を併用して用いることができる。また、上記の填料以外に、目的に応じて、酸化アルミニウム、シリカ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂粒子、ポリアクリル酸エステル粒子、ポリジビニルベンゼン粒子などの填料を上記のポリマーと併用することができる。
また、ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面に比較的粒径の大きな填料を付与し、ポリマー層に添加する填料の粒径を小さくすることにより、先に付与された比較的大きな粒径の填料が、目止め効果を持ち、ポリマー含有層の付着量が小さい場合においても、比較的高い表面平滑性が得られる(請求項5)。
ベースとなる紙の表面に填料を付与する方法としては、抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスにおいて、填料を含む液を付与する方法や、抄紙に引き続き行なわれるオンマシーンでの塗工で塗工液に填料を加えることが挙げられる。
撥トナー剤を含む層も、安全・衛生の観点から水を主体とする媒体で塗工することが好ましいが、ポリマー含有層を架橋せしめることにより、次工程で水を媒体とする撥トナー剤を含む塗工液を塗布しても、ポリマー含有層が溶解せず、撥トナー剤を含む層を薄く設けても、充分な撥トナー作用が得られる。また、ポリマー層を架橋させることにより、用紙が雨などに濡れても、その表面がべたつくことがない。また、高湿下で加圧された状態で用紙を保存しても、ブロッキングを防止できる。
これらの架橋剤は、ポリマー固形分に対して、0.5〜30重量%の範囲で添加することが好ましい。むろん、本発明の電子写真用紙には、このような量の架橋剤のほぼ全てが未反応な状態で残存することもあり得るが、少なくとも添加した架橋剤の一部は架橋反応しているので、ポリマー固形分の構造を常法で分析することにより、架橋剤により架橋されたポリマー層か否かを判別することができる。
ポリマー含有層を付与した後の紙の平滑度は、ベースである紙を形成するセルロース繊維の太さ、叩解度、外添サイズ剤の付着量、ポリマー含有層の付着量、ポリマー含有層に含有せしめる填料の量比、粒径、撥トナー層の付着量、撥トナー層に含有される填料の量比、粒径などの多くの要因で決まる。特に、重要な要因は、ポリマー含有層の填料の粒径、ポリマー含有層の付着量及びスーパーキャレンダー処理の有無である。本発明の電子写真用紙では、ポリマー層をコートした後または撥トナー剤含有層をコートした後、あるいはその両方のときにスーパーカレンダ処理をすることが好ましい。スーパーカレンダ処理をすることにより、ポリマー層の付着量が比較的小さい場合にも、所望の平滑度が得られ易く、そのために用紙が不要になったときに、離解してセルロース繊維に戻すことが容易になる。また、コストが安価で画像の除去特性に優れた電子写真用紙が得られる。
これらの化合物の他に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス成分を複数種含む天然ワックスを使用することもできる。天然ワックスの例を挙げれば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、木蝋、モンタンワックスなどである。
アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸は、ワックス類にも分類可能な化合物であるが、工業的には、紙のサイズ剤として市販されているものである。これらの化合物は、入手し易く、これらの化合物を付与した用紙から、電子写真用の画像形成物質は、除去が容易になり、好ましい撥トナー剤である。
前述のとおり、本発明の電子写真用紙は、その上に画像を形成し、画像を形成した用紙と画像形成物質に接着性を有する画像剥離部材とを画像形成物質が軟化する程度に加熱された状態で重ね合わせて、圧力を印加し、その後、用紙と画像剥離部材とを分離することにより、画像形成物質を用紙から画像剥離部材に転写して、用紙上の画像を剥離・除去することにより再生して、画像形成、画像除去を繰り返して使用することを目的とするものである。
本発明の電子写真用紙を使用することにより、画像除去促進液の付与量が少ない場合にでも完全な画像の除去が可能にすることができるという効果がある。しかしながら、画像を除去しようとする用紙に画像除去促進液を付与する場合には、画像除去促進液を被記録材に均一に付与しなければ、再生された用紙を電子写真画像形成装置で再使用する際に、用紙の搬送中や、定着部において、皺が生じ易く、画像除去装置において複雑な機構の給液手段を必要となる。また、ユーザーは、画像除去のために画像除去促進液を購入する必要がある。
また、本発明の課題の項で述べたように、画像除去促進液を用いる方式では、多くの課題が残される。これらの点から、本発明の電子写真用紙は、熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成した後、用紙と画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙に画像除去促進液を付与せず、画像を形成した用紙と画像形成物質に接着性を有する画像剥離部材とを画像形成物質が軟化する程度に加熱された状態で重ね合わせて、圧力を印加し、その後、用紙と画像剥離部材とを分離することにより、画像形成物質を用紙から画像剥離部材に転写して、用紙上の画像を剥離・除去して、画像形成、画像除去を繰り返して使用する方法に用いることが最も好ましい(請求項15)。
一方、画像の除去特性の観点からは、粒径が10μmを越えるような粉体を用いると、普通紙程度の凹凸や穴構造を有していても、比較的良好に画像を除去することが可能である。粒径の小さな画像形成物質粉体は、紙表面の隙間や穴構造部に入り込み易く、用紙からの完全な画像の除去を極めて困難にする。
逆に、第2の印字モードで印字された情報が容易に除去されると、画像の一部を書き換えたり、署名や押印画像を残して画像を除去して、その用紙の上に別の情報を書き込むなどの改竄、悪用が可能となるため、第2の印字モードで印字された画像は、除去されないことが好ましい。
本発明に用いられる電子写真画像形成方法としては、感光体上に画像を形成し、感光体から直接被記録材に画像形成物質を転写する方法、感光体から中間転写体に画像形成物質を転写した後、被記録材に転写する方法、静電記録体に針電極やイオン流により電荷像を書き込み、画像形成物質で現像した後、静電記録体から被記録材に画像形成物質を転写する方法、グリッドを用いグリッドに印加する電圧を制御して、トナーの移動を制御し、被記録材にトナーを付着させるトナージエット法等が挙げられる。これらの方法は従来より公知のものであり、ここでは詳細に記述しない。これらの電子写真方法の中でも、本発明の電子写真用紙に画像を形成し、その画像を良好に除去するためには、熱可塑性を有する画像形成物質を用いることが必要である。
すなわち、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、等を熱可塑性樹脂成分として用いることができる。これらの樹脂成分は、画像形成物質中で、50〜99.5重量%の比率で用いられることが好ましく、特に、80〜97重量%で用いられることが好ましい。
色材として、例えば、カーボンブラック、酸化鉄などの黒顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー156、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、等のイエロー顔料、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222、等のマゼンタ色材、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、等のシアン色材、など公知の化合物が用いられる。
これらの色材は、画像形成物質粉体中で、0.5〜20重量%で用いるのが好ましく、特に、1〜10重量%で用いることが好ましい。
公知の外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の無機微粒子を挙げることができる。
これらの無機微粒子の一次粒子径は、2nm〜500nmであることが好ましく、特に5nm〜50nmであることが好ましい。これらの無機微粒子の画像形成物質粉体における使用量は、画像形成物質全体の0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
上記の材料より画像形成物質粉体を製造する方法は、混練・粉砕する方法や分散重合、懸濁重合など公知の製造方法が使用できる。
図1は、電子写真法により画像を形成する画像形成装置と画像除去装置とが一つの筐体内に納められている画像形成除去システムの一例である。
図1における画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を、それぞれ別の感光体上で形成し、それらの各ステーションで形成された画像を中間転写体(217)に転写し、中間転写体に転写された画像を被記録材収納容器(231a)から搬送される被記録材(237a)に転写し、被記録材上に形成された粉体画像を、定着ローラ(244)により加熱定着する電子写真方式画像形成装置である。このようなカラー電子写真画像形成装置は、タンデム型カラー電子写真装置として公知のものである。
すなわち、表面に光導電体層や保護層を有する金属等を基体とするドラムまたはベルト状の感光体(201Y),(201M),(201C),(201K)、帯電ローラやワイヤ帯電器などから構成される感光体を均一に帯電する手段(202Y),(202M),(202C),(202K)、形成したい画像に従って均一に帯電された感光体を露光する、レーザー、LED、発光体−液晶光バルブ、原稿台に乗せた原稿を照明しその反射光を感光体に投影する従来のアナログ複写機の光学系などの図示していない光照射手段、光照射に画像にしたがって形成された静電潜像を粉体トナーを用いて可視画像にする磁気ローラやトナー搬送ローラを内部に有する現像器(203Y),(203M),(203C),(203K)、感光体上に形成された粉体画像の帯電を制御するためのコロナワイヤ帯電器(205Y),(205M),(205C),(205K)、感光体上に形成された粉体画像を中間転写ベルトに転写するためのローラあるいはコロナワイヤ型の電界印加手段(206Y),(206M),(206C),(206K)、転写後の感光体に残留する粉体トナーを除去するためのクリーニング手段(207Y),(207M),(207C),(207K)、等から構成される。
被記録材上に転写された画像形成物質は、熱ローラあるいは熱ベルト(244)と加圧ローラ(245)などからなる定着手段で定着される。画像が定着された被記録材は、排紙ローラ対(241)を経て、排紙トレー(240)上に排出される。
給紙カセット(231a)の後端、側端面近傍に、発光素子(238)と受光素子(239)とが設けられ、被記録材に切り欠きや穴があるか否かを検知する。
受光素子で受光した信号は、図示していないリユース可能な電子写真用紙の有無を判断する制御手段に送られるが、リユース可能な電子写真用紙の有無を判断する制御手段においては、リユース可能な電子写真用紙ではない通常に用いられる被記録材が1枚でも給紙カセットに積載された場合には、画像を除去することが可能な被記録材に画像が形成できる状態にあると判断しないように、リミットの設定を行なう。
操作パネルやユーザーインターフェイスにおいて、第1印字モードは、例えば、「リユース」、「ペーパーリユース」、「リユースモード」、「専用紙」、「再使用紙」「省資源」、「短期閲覧」、「短期使用」などと表示されるボタンや選択肢を設けることで選択される。操作パネルやユーザーインターフェイスにおいて、第2印字モードは、例えば、「定着モード」、「高定着」、「フィクスモード」、「普通紙」、「新紙」、「文書保管」、「外部配布」などと表示されるボタンや選択肢を設けることで選択される。あるいは、第1印字モードを優先モードとして、ユーザーは何も操作しないで、自動的に第1印字モードが選択された状態にし、第2印字モードで画像を形成したいときのみに、第2印字モードを選択する操作をするように設定することもできる。
給紙カセットから給紙された被記録材が、リユース可能な電子写真用紙であるか否かを再確認するために、図1では、搬送されてくる被記録材がリユース可能な電子写真用紙であるか否かを検知するための反射型の発光素子・受光素子(271)が設けられている。給紙カセットに収納されている被記録材がリユース可能な電子写真用紙であるか否かを検知する手段が設けられているので、本来、発光素子・受光素子(271)は必要がないが、給紙カセットに収納されているリユース可能な電子写真用紙であるか否かを検知する手段の検知に誤りがあった場合の安全対策として設けられる。
リユース可能な電子写真用紙であることを識別する切り欠きや穴が検出されない場合には、画像を形成するための手段の動作が停止され、給紙された被記録材には画像が形成されないまま、排紙トレーに排出されるとともに、複数枚の画像形成か指令されている場合においては、次の給紙動作は禁止され、操作パネル、ユーザーインターフェイス部に、リユース可能な電子写真用紙が検出されず、第1印字モードでの印字はできなかった旨を表示するように制御する。
第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークが図4に示す(403)のバーコードのように、言語でない場合には、図4に示す(404),(405)の位置に、「リユースモードで印刷されています」、「短期使用モードで印刷されています」、「利用後は画像除去して再使用して下さい」、「地球にやさしい印字モードで印刷されました」などの言語メッセージを記すような手段を設けることにより、ユーザーがより容易に識別することが可能になる。
図1において、点線で囲まれる部分は、画像除去装置(250)である。
画像除去装置(250)は、画像を除去しようとしている給紙カセット(251)、該被記録材を画像除去処理部へと送り出す給紙コロ(252)、内部に加熱源としてハロゲンランプ(254)を有するアルミニウムで構成されるブロック(253)、該アルミニウム製ブロック(253)、テンションローラ(255)、クリーニングバックアップローラ(265)の間に張り巡らされたニッケル、ステンレスなどの金属またはポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトンなどの高分子化合物からなる画像剥離部材ベルト(257)、搬送された被記録材と画像剥離部材とを加熱状態で加圧するために、表面にシリコンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴムなどの弾性部材を有し、ステンレス、アルミニウム、鉄などからなる加圧ローラ(256)、被記録材から転写された画像形成物質を画像剥離部材から除去するためのスパイラル状クリーニングブレード(258)、画像剥離部材から除去された画像形成物質を収納する容器(259)、画像が除去された被記録材を画像形成装置の給紙カセットに搬送するための搬送ローラ対(281),(282)、画像形成装置の第1印字モードで画像が形成されたことを識別するマークの有無を検知する手段(264)、画像が除去できない被記録材の収納容器(261)、被記録材を収納容器(261)に導くためのガイド板(262)、可動ガイド板(267)、排出ローラ対(263)よりなる。
リユース可能な電子写真用紙の画像形成物質に対する接着力は、画像剥離部材に対する画像形成物質の接着力よりも弱くなるように構成されているため、被記録材と画像剥離部材とが分離されると、被記録材上の画像形成物質は画像剥離部材(257)の表面に転写され、被記録材上の画像形成物質は剥離されて、電子写真用紙より除去される。
電子写真用紙から転写された画像剥離部材上の画像形成物質は、回転するスパイラル状クリーニングブレード(258)により掻き落とされて、画像形成物質を収納する容器(259)に貯められる。画像が除去された電子写真用紙は搬送ローラ対(281),(282)により、画像形成装置の給紙カセット(231b)に排出される。画像形成装置の給紙コロ(232a)は図示されていない昇降手段により、画像除去装置から画像除去処理された電子写真用紙が排出される際には、上昇し、電子写真用紙が給紙カセット(231b)に収納されるのを妨げない位置に停止し、排出された電子写真用紙が搬送ローラ対(282)で搬送されなくなる時点で、下降し、画像形成時に給紙する方向とは逆の方向に回転し、画像除去装置から排出された電子写真用紙を給紙カセット(231b)に収納する。
すなわち、画像形成装置の給紙カセット(232b)において、容器のサイドフェンスが被記録材を長手方向に積載する位置にセットされた場合には、第1印字モードでの画像形成を禁止するように制御した。同様に画像除去装置においては、短手送り方向にのみ被記録材を積載できる給紙カセットのみが、画像除去装置にセットできる構造とした。
<実施例1>
電子写真用紙の製造
フリーネス400mlに叩解したLBKPに、パルプ比で0.4%のポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を添加し、さらに長網抄紙機のサイズプレスで、0.6g/m2の酸化デンプン、0.5g/m2のポリビニルアルコール、0.6g/m2の体積平均粒径4.8μmの炭酸カルシウム、0.3g/m2のアクリル樹脂サイズ剤を表面サイジングして、坪量65g/m2の紙を抄造した。
ポリビニルアルコール10重量部を水90重量部と混合し、水蒸気を吹き込みながら加熱、攪拌して溶解した。このポリビニルアルコール溶液100重量部に対して、体積平均粒径2.1μm炭酸カルシウム13重量部を混合して、サンドミルで2時間分散を行なった後、分散液40重量部に、固形分40.0重量%のグリオキザール3重量部、水50重量部を加えて攪拌し、塗工液とした。
前記で製造した紙の上に、この塗工液を、片面の乾燥付着量が3.3g/m2となるようにバーコーターで、片面に塗布し、105℃で乾燥した後、他の面(裏面)には、乾燥付着量が3.7g/m2となるように同様に、塗布、乾燥してポリマー含有層を形成した。
ポリマー層を塗布した紙にスーパーカレンダ処理をした。
20重量%のステアリル基を含有するアルキルケテンダイマー(撥トナー作用を示す化合物)を含有するエマルジョン10重量部と、25重量%のアクリルエステル樹脂を含むエマルジョン3重量部とを混合し、混合液を前記のスーパーカレンダ処理した紙に、片面あたりの乾燥付着量が0.8g/m2となるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に塗布して撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
撥トナー作用層を塗布した紙を再度、スーパーカレンダ処理を行ない、スーパーカレンダにおける加圧力を調整し、表面の平滑度720秒、裏面の平滑度670秒の電子写真用紙を得た。このようにして製造した電子写真用紙を断裁機にてA4版に断裁した後、更に長辺の上下両方にリユース可能なことを識別する情報としてコーナーカットを設けた。
画像形成物質粉体は、下記の懸濁重合法により得た。
カルナウバ・ワックス8重量部、スチレン90重量部、アクリル酸n−ブチル35重量部およびメタクリル酸10重量部とを85℃で混合し、単量体混合液を得た。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.5重量部をイオン交換水2200重量部に溶解させ、界面活性剤溶液を得た。
次いで、前記界面活性剤溶液中に、前記単量体溶液を混合分散させ、この分散液に、窒素気流中で、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.72重量部をイオン交換水170重量部に溶解させた溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌した。更に、この系に過硫酸カリウム6.1重量部をイオン交換水200重量部に溶解させた溶液を添加し、その後に、スチレン300重量部、アクリル酸n−ブチル120重量部、メタクリル酸35重量部からなる混合液を80℃で120分かけて滴下し、滴下終了後の系を60分間にわたり加熱、撹拌することによってラテックスを得た。
n−ドデシル硫酸ナトリウム28重量部をイオン交換水850重量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、黒色顔料としてカーボンブラック100重量部を徐々に添加して分散液を調製した。
前記のラテックス550重量部と、得られた着色剤分散液140重量部と、イオン交換水250重量部とを攪拌混合し、混合分散液に3Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調製した。次いで、混合分散液に塩化マグネシウム6水和物13重量部をイオン交換水20重量部に溶解した水溶液を添加した。その後この液を90℃まで昇温した後、塩化ナトリウム水溶液を添加することにより、粒子成長を停止し、体積平均粒径が5.6μmの粒径の球形に近い粒子を得た。更に、塩析を継続した後、得られた生成物を濾過し、生成物を、エタノール含有水溶液で洗浄し、温風で乾燥することによって黒色粉体母体粒子を得た。
母体粒子100重量部に対して、トナーと同様にシリカゲル微粉末0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、体積平均粒径5.6μmの画像形成物質粉体を得た。
上記の黒色粉体画像形成物質の製造例におけるカーボンブラックに替えて、黄色、マゼンタ、シアンの粉体画像形成物質を製造するために、それぞれ、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・ブルー15:2を用いること以外は、黒色粉体画像形成物質の製造例と同様の操作を行ない、黒色画像形成物質とほぼ同じ粒径、粒子形状の画像形成物質粉体を得た。
図1に示す画像形成装置と画像除去装置とが一体になった画像形成・除去システムを用いて、切り欠きを検知する手段を設けた画像形成装置の給紙カセットに、前記のコーナーカットを行なった前記の電子写真用紙を収納し、前記の画像形成物質粉体に磁性キャリアを混合した現像剤を現像装置に充填して、下記条件で画像の形成を行なった。
プロセス線速:130mm/sec
定着ローラ温度設定:170℃
定着ローラ面圧:15N/cm2
カラー画像の形成を行なったところ、鮮明な画像が得られた。また、画像の定着性は白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
プロセス線速:25mm/sec
転写・剥離温度設定:115℃
剥離部材:厚み150μmポリエチレンナフタレートフィルム(表面に熱可塑性物質なし)
加圧面圧:20N/cm2
用紙・剥離部材分離:半径2mmの曲率分離
画像除去操作が行なわれた電子写真用紙の上には、中間調画像も完全に除去されていて、形成された画像の残りは全くなかった。
反対面に形成された画像の除去後にも、表と同様、電子写真用紙の上には、形成された画像の残りは全くなかった。
この画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれにおいても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
実施例1で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例1で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が0.8g/m2となるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面32秒、裏面28秒であった。得られた紙を用いて、実施例1と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。印字された画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上、問題のないものであったが、粒状性が実施例1に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後の画像には、表裏のどちらの面においても、第1回目においても中間調画像の大半は残っていた。また、べた画像部にも画像形成物質の残りが見られた。
画像残がある状態で、画像形成と画像除去を繰り返すと、片面について繰り返し回数3回程度で、用紙と画像剥離部材との分離が困難となり、画像除去装置においてジャムを生じた。ジャムとなった用紙を手で除去しようとすると、べた画像部において、用紙と画像剥離部材とが分離しないため用紙が破れてしまった。
実施例1で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例1で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が1.4g/m2となるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面56秒、裏面38秒であった。得られた紙を用いて、実施例1と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。印字された画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上問題のないものであったが、粒状性が実施例1に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後の画像には、表裏のどちらの面とも、第1回目においても中間調画像の大半は残っており、また、べた画像部にも画像形成物質の残りが見られた。
画像残がある状態で、画像形成と画像除去を繰り返すと、片面について繰り返し回数5回程度まで、画像除去装置においてジャムを生じることなく、用紙と画像剥離部材との分離は可能であったが、繰り返しを行なう度に、用紙に残留する画像形成物質の量は多くなってしまった。
フリーネス400mlに叩解したLBKPに、パルプ比で0.4%のポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を添加し、さらに長網抄紙機のサイズプレスで、0.9g/m2の酸化デンプン、0.6g/m2のポリビニルアルコール、0.3g/m2のアクリル樹脂サイズ剤を表面サイジングして、坪量70g/m2の紙を抄造した。
ポリマー含有層の塗工液として、固形分含有量を5重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液70重量部、固形分含有量を10重量%のポリビニルアルコール水溶液2重量部、固形分40重量%のグリオキザール2重量部、カオリン6重量部、水70重量部からなる混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、前記の紙の上にポリマー層を設けた。ポリマー含有層の付着量は、表面2.5g/m2、裏面2.8g/m2となるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの10重量%水溶液10重量部と、ポリアクリル酸ナトリウムの3重量%水溶液5重量部とを混合し、前記のポリマー含有層を付与し、スーパーカレンダ処理をした紙の両面に、乾燥付着量が片面0.5g/m2となるように塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について5回づつ、表裏合計で10回繰り返した。表裏いずれにおいても、各5回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、5回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
但し、繰り返しを片面について10回目まで繰り返すと、画像形成物質の剥離、除去特性に劣化が観られ、中間調画像部の画像が残るようになった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
実施例2で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例2で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が1.5g/m2となるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して撥トナー剤を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面28秒、裏面24秒であった。得られた紙を用いて、実施例2と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。印字された画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上問題のないものであったが、粒状性が実施例2に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後の画像には、表裏のどちらの面とも、第1回目においても中間調画像の大半は残っており、また、べた画像部にも画像形成物質の残りが見られた。
撥トナー作用を示す化合物ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムに替えて、ジブチルスルホコハク酸ナトリウムを使用する以外は、実施例1と同様に、電子写真用紙の製造、画像形成、画像除去を行なった。
画像を形成したジブチルスルホコハク酸ナトリウムを使用した紙は、画像除去処理を実施すると画像剥離部材との分離が困難であり、画像除去装置においてジャムを発生した。画像除去装置において手で、ジャムした画像を除去しようとしたところ、紙が破れてしまい、用紙と画像剥離部材とを分離できなかった。
実施例1で抄紙した紙の上に、ポリマー含有層の塗工液として、固形分含有量を5重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液70重量部、固形分40重量%のグリオキザール2重量部、カオリン4重量部、水70重量部からなる混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、抄紙後の紙上にポリマー含有層を設けて、スーパーカレンダ処理を行なった。ポリマー含有層の付着量は、表面2.5g/m2、裏面2.8g/m2となるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物として10重量%パルミチルアミンを含むO/W型エマルジョンを前記のポリマー含有層を塗工した紙の上に、乾燥付着量が片面0.7g/m2となるように両面に塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた紙の表面平滑度は、表面290秒、裏面320秒であった。得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれの面においても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も含めて完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
実施例1で抄紙した紙の上に、ポリマー含有層の塗工液として、固形分含有量を8重量%のポリアクリル酸水溶液50重量部にカオリン4重量部、酸化チタン2重量部を混合して分散し、その分散液にグリセリンジグリシジルエーテル0.2重量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.3重量部、水40重量部を加えて混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー含有層を設け、スーパーカレンダ処理を行なった。ポリマー含有層の付着量は、表面3.9g/m2、裏面4.5g/m2となるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物として10重量%のステアリルトリメチルアンモニウム塩水溶液を、前記のポリマー含有層を付与した紙の上に、乾燥付着量が片面0.7g/m2となるように両面に塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた紙の表面平滑度は、表面1000秒以上、裏面800秒であった。得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られた。画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれにおいても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
実施例1で抄紙した紙の上に、下記のポリマー含有層の塗工液を塗工した。すなわち、炭酸カルシウム4重量部、タルク1重量部、10重量%のポリビニルアルコールを含有する水溶液10重量部とを混合分散した液20重量部に、固形分含有量を15重量%の酢酸ビニルエマルジョン3重量部を混合してポリマー含有層塗工液とした。ポリマー含有層の付着量は、表面2.8g/m2、裏面3.3g/m2となるように調整した。
撥トナー作用を示す化合物として10重量%のステアリルトリメチルアンモニウム塩水溶液を前記のポリマー層を付与した紙の上に、乾燥付着量が片面1.0g/m2となるように塗布し、実施例1と同様に乾燥、スーパーカレンダ処理、断裁を行ない電子写真用紙を得た。
得られた紙の表面平滑度は、表面430秒、裏面350秒であった。得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
また、画像除去処理も実施例1と同様に行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
画像形成、画像除去を片面について10回づつ、表裏合計で20回繰り返した。表裏いずれにおいても、各10回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、10回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
実施例1で抄紙した紙の上に、下記のポリマー含有層の塗工液を設けた。すなわち、炭酸カルシウム4重量部、10重量%のポリビニルアルコールを含有する水溶液20重量部とを混合分散した液50重量部に、固形分40.0重量%のグリオキザール2重量部、水60重量部を加えて攪拌し、塗工液とした。
片面の乾燥付着量が、表面1.5g/m2、裏面1.8g/m2となるように実施例1と同様に塗布、乾燥、スーパーカレンダ処理をした。
ポリマー含有層を設けた紙に、撥トナー作用を示す化合物としてステアリルリン酸エステル10重量%を含有するエマルジョンを片面あたりの乾燥付着量が0.5g/m2となるように、両面に塗布した。
撥トナー作用を示す化合物を含む層を塗布した紙を、再度、スーパーカレンダ処理を行ない表面の平滑度170秒、裏面の平滑度160秒の電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
画像剥離部材として、表面に22μmの厚みの画像形成用画像形成物質を有する厚み100μmのポリイミドフィルムを用いる以外は実施例1と同様に画像除去操作を行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
上記の画像形成、画像除去を片面について5回づつ、表裏合計で10回繰り返した。表裏いずれにおいても、各5回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、5回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
さらに、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーを使用して、筆記性を画像除去前後の電子写真用紙について試験したところ、いずれの筆記具においても、筆記跡のむらなく筆記が可能であった。
実施例1で製造した紙上に、ポリマー含有層を設けずに、実施例6で作製した撥トナー作用を示す化合物を含有する塗工液を片面あたりの乾燥付着量が0.5g/m2となるように、片面づつ塗布、105℃にて乾燥して、両面に撥トナー作用を示す化合物を含む層を形成した。
ポリマー含有層を設けずに撥トナー作用を示す化合物を塗布した紙を、実施例1と同様にスーパーカレンダ処理、断裁を行なった。
得られた紙の表面平滑度は、表面30秒、裏面26秒であった。得られた紙を用いて、実施例6と同様にして画像形成、画像除去の評価を行なった。
得られた画像は、表裏とも、定着性は、実施例と同様に実用上、問題のないものであったが、粒状性と彩度が実施例1に比較して若干劣るものであった。
画像除去処理した後、表裏のどちらの面とも、第1回目においても中間調画像の残りが見られた。
実施例6のスーパーカレンダ処理されたポリマー含有層の上に、撥トナー作用を示す化合物として実施例6で用いたステアリルリン酸エステル含有層の代わりに、フッ素ルミフロン(LF−200,Mn=20000、旭硝子社製)を片面あたりの乾付着量が0.5g/m2となるように、両面に溶剤塗布(イソシアネート系常温硬化剤、日本ポリウレタン社製のコロネートEH使用)した。
実施例6の場合と同様、撥トナー作用を示す化合物を含む層を塗布した紙を、再度、スーパーカレンダ処理を行ない表面の平滑度170秒、裏面の平滑度160秒の電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用いて実施例6と同様に筆記性テストを行なったところ、水性インクのボールペン、油性インクのボールペン、水性蛍光インクマーカー、油性インクマーカーのいずれにおいても、インクの付着が悪く、筆跡がほとんど残らないか、筆跡が残る場合においても、むらが発生した。
実施例6の画像除去処理において、画像形成物質(熱可塑性物質)を表面に持たない100μmのポリイミドフィルムを用いる以外は、実施例6と同様に画像の除去処理を行なったところ、べた画像部の画像の除去はできたが、中間調画像は除去されずに残った。
実施例1で抄紙した紙の上に、下記のポリマー含有層の塗工液を設けた。すなわち、炭酸カルシウム4重量部、10重量%のポリビニルアルコールを含有する水溶液20重量部とを混合分散した液50重量部に、固形分40.0重量%のグリオキザール2重量部、水60重量部を加えて攪拌し、塗工液とした。
片面の乾燥付着量が、表面1.5g/m2、裏面1.8g/m2となるように実施例1と同様に塗布、乾燥、スーパーカレンダ処理をした。
ポリマー含有層を設けた紙に、撥トナー作用を示す化合物としてステアリルリン酸エステル10重量%を含有するエマルジョンを片面あたりの乾燥付着量が3.0g/m2となるように、両面に塗布した。
撥トナー作用を示す化合物を含む層を塗布した紙を、再度、スーパーカレンダ処理を行なって電子写真用紙を得た。
得られた電子写真用紙を用い、実施例1と同様に、画像形成を行なったところ、表裏どちらの面においても鮮明なカラー画像が得られ、画像の定着性は、白布を肘に押し当てて擦っても、布側に画像形成物質粉体が転写せず、また、直接、指先で擦っても画像が剥離せずに、実用上、問題のないものであった。
画像剥離部材として、表面に22μmの厚みの画像形成用画像形成物質を有する厚み100μmのポリイミドフィルムを用いる以外は実施例1と同様に画像除去操作を行なったところ、画像は完全に除去されて、剥離処理後の電子写真用紙には、画像形成物質の残りは観察されなかった。
上記の画像形成、画像除去を片面について5回づつ、表裏合計で10回繰り返した。表裏いずれにおいても、各5回目に形成された画像の品質は、第1回目に形成された画像の品質と比較して劣化は観察されず、また定着性についても認識できる変化は観られなかった。
また、5回目の画像除去後も、形成された画像は、中間調画像も完全に除去されていて、画像形成物質の残りは観察されなかった。
202Y,202M,202C,202K:帯電手段
203Y,203M,203C,203K:現像器
205Y,205M,205C,205K:コロナワイヤ帯電器
206Y,206M,206C,206K:電界印加手段
207Y,207M,207C,207K:クリーニング手段
210:粉体除去手段
211,212,213,214:ローラ
217:中間転写体
231a,231b:給紙カセット
232a,232b:給紙コロ
233a,233b,233c,233d,233e,233f:給紙ローラ対
237a:被記録材
238:発光素子
239:受光素子
240:排紙トレー
241:排紙ローラ対
242:電界印加手段
244:定着ローラ
245:加圧ローラ
269:給紙ローラ対
401:被記録材
402:画像情報
403:バーコード
404:言語メッセージ
405:言語メッセージ
Claims (20)
- セルロース繊維を主体とする紙をベースとし、該ベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーを含む層を設け、該ポリマーを含む層の上に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を有する化合物を含み撥トナー性を有する層を設けたことを特徴とするリユース可能な電子写真用紙。
- リユース可能なことを示す識別情報が付与されていることを特徴とする請求項1に記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を含む化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記ポリマーを含む層に、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる填料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記ベースとなるセルロース繊維を主体とする紙の表面に填料を付与し、該填料よりも体積平均粒径の小さな填料をポリマー層に含有させたことを特徴とする請求項4に記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記ポリマーを含む層は、架橋剤により架橋されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 少なくとも画像を記録する面の表面平滑度をJ TAPPI No.5−B方式(王研式平滑度)で150秒以上としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを側鎖として有するポリマー、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有する界面活性剤、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基または炭素数6以上のアルケニル基を有するワックス類であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーから選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物が、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれかを有する、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸から選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
- 前記ポリマーを含む層に、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基から選択される酸性基を含む高分子化合物を含有せしめ、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層に、炭素数6以上の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数6以上のアルケニル基のいずれか含むカチオン性化合物を使用することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙。
- セルロース繊維を主体とする紙をベースの少なくとも画像を記録する面に、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、アクリル樹脂エマルジョンから選ばれるポリマーを含む層を設け、撥トナー性を有する直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物をO/W型エマルジョンとして、ポリマーを含む層上に塗布することを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法。
- 抄紙に引き続き行なわれるサイズプレスあるいはオンマシーン・コートで、抄紙された紙の表面に、体積粒径4〜9μm填料を含有する塗工層を設け、乾燥後、オフマシーンにて、前記の紙の上にポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂から選ばれるポリマーと前記填料よりも体積平均粒径の小さい填料とを含有する塗工層を設け、更に、直鎖または分岐したアルキル基またはアルケニル基を含み撥トナー性を有する化合物を含む層を設けることを特徴とするリユース可能な電子写真用紙の製造方法。
- 請求項1乃至11に記載のリユース可能な電子写真用紙に、熱可塑性樹脂を含有する乾式トナーで画像を形成する電子写真法により画像を形成し、形成された画像情報が不用になったら、該用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写、画像を除去することを特徴とする画像形成・除去方法。
- 用紙とトナーと接着性を有する画像剥離部材とを重ね合わせる前に、用紙上の画像の除去を促進する液体を用紙に付与しないことを特徴とする請求項14に記載の画像形成・除去方法。
- 表面に熱可塑性物質を保持していない画像剥離部材と画像が形成させたリユース可能な電子写真用紙とをトナーが軟化するまで加熱された状態で重ね合わせて圧接した後、該用紙と画像剥離部材とを分離することにより、該用紙上の画像を画像剥離部材に転写せしめ、画像を除去することを特徴とする請求項14又は15に記載の画像形成・除去方法。
- 体積平均粒径が7.0μm以下の粉体の画像形成物質で形成された画像を電子写真用紙に転写して、用紙上に画像が形成されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の画像形成・除去方法。
- 重合法により形成された画像形成物質が使用されることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の画像形成・除去方法。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、ユーザーが、画像情報が不用になった場合に、画像を除去し用紙を再使用することを前提として選択する第1印字モードにおいては、リユース可能な電子写真用紙を画像形成手段に向けて搬送し、通常印字の第2印字モードでは、一般用紙を選択して給紙するような制御手段を設けたことを特徴とする電子写真画像形成装置。
- 請求項2に記載のリユース可能な電子写真用紙を内蔵した給紙カセットと一般用紙を内蔵する給紙カセットのいずれかを選択して画像形成手段に向けて搬送する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙に付与されているリユース可能な電子写真用紙であることを識別する情報を、用紙上に画像が形成される工程の前に検知する手段を有し、リユース可能な電子写真用紙の供給ができない状態にあるときには、第1印字モードで画像を形成することを禁じるように制御する手段を設けたことを特徴とする請求項19に記載の電子写真画像形成装置。
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