JP2006070166A - ポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよびそれらの製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよびそれらの製造方法 Download PDF

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友行 岸野
Tatsuya Ogawa
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Abstract

【課題】熱履歴を受けても、優れた色相を有するポリエステル組成物およびポリエステルフィルムならびにそれらの製造方法の提供。
【解決手段】アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を重合触媒とした芳香族ポリエステルにクロロホルム溶液中での最大吸収波長が540〜600nmの範囲にある特定の整色剤を0.1〜10重量ppm含有させた組成物で、140℃で2時間熱処理したときのカラーa*値が−9〜0、カラーb*値が−2〜9の範囲にあるポリエステル組成物およびそれを用いたポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、コバルト化合物がなくても極めて色相に優れる、ポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよびそれらの製造方法に関する。
芳香族ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレートは、その機械的、物理的、化学的性能が優れているため、繊維、フィルム、その他の成形物に広く利用されている。
その中で例えばポリエチレンテレフタレートは、次のような2段階の工程で製造されている。通常まずテレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応さて、テレフタル酸のエチレングリコールエステルまたはその低重合体を生成させる。次いでこの反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって、ポリエチレンテレフタレートが製造されている。
これらのポリエステルにおいては、重縮合反応段階で使用する触媒の種類によって、反応速度および得られるポリエステルの品質が大きく左右される。重縮合触媒としては、通常、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などが広く使用されている。
ところで、ポリエステルを製造する際には、通常重合反応の温度を280〜300℃程度で実施する必要がある。しかし、このような高温下にさらされると、ポリマーが熱劣化して着色、すなわちポリエステル自身が黄色く着色されてしまう。
このような着色の問題を解決するために、コバルト化合物をポリエステルに添加して黄味を抑えることが一般的に行われている(例えば特許文献1)。確かにコバルト化合物を添加することによってポリエステルの色相(b値)は改善することができるが、コバルト化合物を添加すると、ポリエステルの溶融熱安定性が低下したり、添加したコバルト化合物がポリマー中で析出して異物の原因となったりして、ポリエステル製品の製造時の工程調子や成形品の品質に悪影響を与えることがある。
また、フィルム製造においては、フィルム製造時に発生するクリッパーの把持した端部やスリット工程で発生する切れ端などを中心に、製品化されないフィルムを再溶融してペレット状に成形し、自己回収ポリマーとしてブレンド使用することが広く行われている。このような自己回収ポリマーは、重合された直後のフィルムに製膜される前のポリマーに比べ、より多くの熱履歴を受けていることから、さらに黄味が強くなり、色相の機微石井用途には、自己回収ポリマーを使用することが制限される。
一方、ポリエステルの色相を改善する試みとしては、コバルト化合物を添加するほかに、染料を混練したポリエステルも提案(例えば特許文献2〜4)されているが、色相改善のレベルとしては不十分なものであった。
特開昭51−128397号公報 特開平3−231918号公報 特開平11−158257号公報 特開平11−158361号公報
本発明の目的は、熱履歴を受けても、優れた色相を有するポリエステル組成物およびポリエステルフィルムならびにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定の整色剤を用いると、熱履歴を受けても、優れた色相を有するポリエステル組成物およびポリエステルフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の目的は、本発明によれば、芳香族ポリエステルと整色剤とからなるポリエステル組成物であって、
該組成物は、その重量を基準として、重合触媒残渣としてのアンチモン金属元素およびゲルマニウム金属元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素を10〜500重量ppmおよび整色剤を0.1〜10重量ppm含有し、コバルト金属元素の含有量が高々10重量ppmであり、そして140℃で2時間熱処理したときのカラーa値が−9〜0、カラーb値が−2〜9の範囲にあること、および
該整色剤は、クロロホルム溶液中での波長380〜780nmの光に対する吸収スペクトルが下記式(1)〜(5)
0.00≦A400/Amax≦0.20 (1)
0.10≦A500/Amax≦0.70 (2)
0.55≦A600/Amax≦1.00 (3)
0.00≦A700/Amax≦0.05 (4)
540nm≦λmax≦600nm (5)
(上記式(1)〜(5)中の、λmaxは最大吸収波長であり、Amax、A400、A500、A600およびA700は、それぞれ最大吸収波長、波長400nm、波長500nm、波長600nmおよび波長700nmにおける吸光度である。)
を満足するポリエステル組成物によって達成される。
また、本発明によれば、重合触媒としてアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を用いて芳香族ポリエステルを重合するポリエステル組成物の製造方法において、
アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物の割合は、該組成物の重量を基準として、アンチモンおよびゲルマニウムの金属元素量で、10〜500重量ppmであること、および
クロロホルム溶液中での波長380〜780nmの光に対する吸収スペクトルが上記式(1)〜(5)を満足する整色剤が、該組成物の重量を基準として、0.1〜10重量ppm添加されるポリエステル組成物も提供される。
さらにまた、本発明によれば、本発明のポリエステルフィルムは、芳香族ポリエステルと整色剤とのポリエステル組成物からなるポリエステルフィルムであって、
該組成物は、その重量を基準として、重合触媒残渣としてのアンチモン金属元素およびゲルマニウム金属元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素を10〜500重量ppmおよび整色剤を0.1〜10重量ppm含有し、コバルト金属元素の含有量が高々10重量ppmであること、
該ポリエステルフィルムは、140℃で2時間熱処理したときのカラーa値が−9〜0、カラーb値が−2〜9の範囲にあること、および
該整色剤は、クロロホルム溶液中での波長380〜780nmの光に対する吸収スペクトルが上記式(1)〜(5)を満足するポリエステルフィルムも提供される。
さらにまた、上記本発明のポリエステル組成物を、溶融製膜するポリエステルフィルムの製造方法および上記本発明のポリエステルフィルムの製造方法で回収されたフィルムの一部と、上記本発明のポリエステル組成物とを、重量比10:90〜90:10の割合で用いて、溶融製膜する自己回収型ポリエステルフィルムの製造方法も提供される。
これらの本発明のポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよびそれらの製造方法は、その好ましい態様として、窒素雰囲気下で昇温速度10℃/分の条件で熱天秤にて測定した整色剤の重量減少開始温度が250℃以上であること、ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであること、整色剤が、青色系整色剤と紫色系整色剤との重量比90:10〜40:60の混合物であること、整色剤が、青色系整色剤と赤色系または橙色系整色剤との重量比98:2〜80:20の混合物であることの少なくともいずれか一つを具備することが好ましい。
本発明のポリエステル組成物によれば、芳香族ポリエステルの優れた特性を保持しながら、得られる成形品の色相を改善することができる。また、本発明のポリエステルフィルムは、優れた色相を有することから、特に色相要求の厳しい光学用等のフィルムに有用である。
また、本発明のポリエステル組成物は、得られるフィルムの色相が優れ、しかもコバルト化合物のような熱安定性の低下もないことから、一旦フィルムなどにし、それを回収して、再度フィルムの原料として用いても、優れた色相のフィルムを製造でき、その工業的価値はきわめて高い。
以下に本発明を詳しく説明する。
〔芳香族ポリエステル〕
本発明における芳香族ポリエステルとは、テレフタル酸やナフタレンジカルボン酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体に代表される芳香族ジカルボン酸成分と、グリコール成分を重縮合反応せしめて得られる芳香族ポリエステルのことである。このポリエステルは、共重合ポリエステルであってもよく、共重合成分として、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分以外の成分、例えば脂肪族ジカルボン酸成分、芳香族ジヒドロキシ化合物、オキシカルボン酸成分が共重合されていても良い。
芳香族ポリエステルとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンナフタレート等を挙げることができる。これらの中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、或はこれらの混合物であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするポリエステルであることが特に好ましい。尚、「主たる構成成分」とはポリエステルの全繰り返し単位の80モル%以上をその構成成分が占めることを意味する。
〔ポリエステル組成物〕
本発明のポリエステル組成物は、得られる芳香族ポリエステルの熱安定性が優れることから、重合触媒として、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を用いたものであり、それの量は、アンチモン金属元素およびゲルマニウム金属元素の量で、ポリエステル組成物を基準として、10〜500重量ppmの範囲にある必要がある。
これらの金属元素の含有量が10重量ppm未満であると、ポリエステルの重合反応が極めて遅くなり、ポリエステルの製造に支障が生じる。一方、これらの金属元素の含有量が500重量ppmを超えると、これらの金属元素の化合物或は金属自体がポリエステル中の異物となる。その結果、ポリエステル組成物を用いてポリエステルフィルムを製造する場合製造工程の安定性が低下すること、得られたポリエステルフィルムが黒ずんだ色となり色相不良となること、更に製造コストも高くなること等の問題が生じる。アンチモン金属元素およびゲルマニウム金属元素の量は50〜400重量ppmの範囲であることが好ましく、100〜300重量ppmの範囲であることが特に好ましい。
本発明においては、ポリエステル組成物中のコバルト金属元素の含有量が10重量ppm以下であることが必要である。コバルト金属元素は、通常その化合物がポリエステルの色相調整剤として添加されるが、コバルト金属元素の量が10重量ppmを超えると、ポリエステルの耐熱性が低下する。また、コバルト金属元素の量が10重量ppmを超えると、ポリエステル中の異物となり、ポリエステル組成物から得られる繊維やフィルム製品の品質を低下させる。上記の理由で、ポリエステル組成物中のコバルト金属量は7重量ppm以下であることが好ましく、5重量ppm以下であることが更に好ましい。
本発明のポリエステル組成物の固有粘度(溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:35℃)は特に制限は無いが、通常、繊維等の成形品において通常使用することができる範囲であることが好ましく、具体的には0.40〜1.00の範囲にあることが好ましい。また、本発明のポリエステル組成物は固相重合によって固有粘度を高めることも好ましく実施できる。
尚、本発明のポリエステル組成物には、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、艶消剤等を含んでいても良い。これら少量の添加剤中にはハロゲン元素の含有量が極めて少ないことが好ましい。
〔整色剤〕
本発明のポリエステル組成物は、整色剤を0.1〜10重量ppmの範囲で含有している必要がある。ポリエステル組成物中の整色剤の含有量が、0.1重量ppm未満の場合、ポリエステル組成物の黄色味が強くなり過ぎ色相不良となる。一方、10重量ppmを超える場合、明度が弱くなり見た目に黒味が強くなり過ぎるため色相不良となる。上記の理由で、該整色剤の含有量は0.3重量ppm〜9重量ppmの範囲が好ましく、0.5〜8重量ppmの範囲にあることが更に好ましい。
本発明における整色剤とは、有機の多芳香族環系染料又は顔料を表す。具体的には後述のように青色系整色剤、紫系整色剤、赤色系整色剤、橙色系整色剤等を挙げることができる。これらの整色剤は単一種で用いても良く、複数種を併用して用いても良い。また、本発明における整色剤は、整色剤20mgをクロロホルム溶液1Lに溶解した溶液(以下、『整色剤溶液』という)の380〜780nm領域の吸収スペクトルでの最大吸収波長が540〜600nmの範囲にあることが必要である。また、整色剤溶液の最大吸収波長での吸光度(Amax)に対する波長400nm、500nm、600nm及び700nmでの吸光度(A400、A500、A600及びA700)が下記式(1)〜(4)を満足する必要がある。
0.00≦A400/Amax≦0.20…………(1)
0.10≦A500/Amax≦0.70…………(2)
0.55≦A600/Amax≦1.00…………(3)
0.00≦A700/Amax≦0.05…………(4)
(式(1)〜(4)中、Amax及びA400、A500、A600、A700は、それぞれ整色剤20mgをクロロホルム溶液1Lに溶解した溶液の光路長1cmでの最大吸収波長及び波長400nm、500nm、600nm、700nmにおける吸光度である。)
ここで吸収スペクトルとは、通常分光光度計によって測定されるスペクトルである。本発明のポリエステル組成物に含有される整色剤溶液の吸収スペクトルの最大吸収波長が540nm未満の場合は、得られるポリエステル組成物の赤味が強過ぎて色相不良となる。また、最大吸収波長が600nmを超える場合は、得られるポリエステル組成物の青味が強過ぎて色相不良となる。上記の理由から、最大吸収波長の範囲は545〜595nmの範囲が好ましく、550〜590nmの範囲が更に好ましい。
また、本発明のポリエステル組成物に含有される整色剤の整色剤溶液の吸光度が、前記式(1)〜(4)のいずれか一つでも外れる場合は、得られるポリエステル組成物の着色が大きくなり色相不良となる。
上記の理由で、最大吸収波長での吸光度(Amax)に対する波長400nm、500nm、600nm及び700nmでの吸光度(A400、A500、A600及びA700)は、下記式(6)〜(9)のいずれか1つ以上の範囲にあることが好ましく、更に下記式(6)〜(9)のすべてを満たしていることが好ましい。
0.00≦A400/Amax≦0.15…………(6)
0.30≦A500/Amax≦0.60…………(7)
0.60≦A600/Amax≦0.95…………(8)
0.00≦A700/Amax≦0.03…………(9)
(式(6)〜(9)中、Amax及びA400、A500、A600、A700は、それぞれ整色剤20mgをクロロホルム溶液1Lに溶解した溶液の光路長1cmでの最大吸収波長及び波長400nm、500nm、600nm、700nmにおける吸光度である。)
本発明における整色剤は窒素雰囲気下中、昇温速度10℃/分の条件で熱天秤にて測定した重量減少開始温度が250℃以上である整色剤であることが好ましい。ここで、熱天秤で測定した重量減少開始温度とは、JIS K−7120に記載の重量減少開始温度(T1)のことであり、整色剤が有している耐熱性の指標となる。この重量減少開始温度が250℃未満の場合、整色剤の耐熱性が不十分であることから最終的に得られるポリエステル組成物の着色の原因となることがある。上記理由から、整色剤の重量減少開始温度は300℃以上であることが更に好ましい。
〔ポリエステル組成物の色相〕
本発明のポリエステル組成物は、140℃、2時間熱処理後のL表色系におけるカラーa値が−9〜0、カラーb値が−2〜9の範囲にある必要がある。このカラー値は含有される整色剤の量によって変化するが、カラーa値が−9より小さい場合、ポリエステル組成物は緑色味が強くなり過ぎ色相不良となる。また、カラーa値が0より大きい場合は赤味が強くなり過ぎ色相不良となる。カラーb値が−2より小さい場合、ポリエステル組成物は青味が強くなり過ぎ色相不良となる。また、カラーb値が10より大きい場合は黄色味が強くなり過ぎ色相不良となる。上記の理由で、カラーa値は−8〜−1の範囲が好ましく、−7.5〜−2の範囲が更に好ましい。また、カラーb値は−1〜8の範囲が好ましい。
〔ポリエステル組成物の製造方法〕
本発明のポリエステル組成物を製造する方法は特に限定されないが、例えば、ポリエステルを重合する際に、芳香族ポリエステルの重合反応が終了するまでの任意の段階で整色剤を系内に添加する方法が好ましく挙げられる。なお、整色剤の添加の早い時期としては、ポリエステルの重合用原料を調整する段階が挙げられる。
ポリエステルの重合には、通常知られている方法を用いることができる。すなわち、まずテレフタル酸の如きジカルボン酸成分とエチレングリコールの如きグリコール成分とを直接エステル化反応させる、若しくはテレフタル酸ジメチルの如きジカルボン酸成分の低級アルキルエステルとエチレングリコールの如きグリコール成分とをエステル交換反応触媒の存在下、エステル交換反応させ、ジカルボン酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を製造する。次いでこの低重合体を重合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって目的とする芳香族ポリエステルを製造できる。芳香族ポリエステル以外の他のポリエステルを含む場合についても、芳香族ポリエステルと共重合する、若しくはそのポリエステルについて通常知られている製造方法を用い、重合後ブレンドする等の手法を採用することができる。上述したエステル交換反応触媒としてはカルシウム化合物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、チタン化合物等が好ましく例示される。
更に、芳香族ポリエステルを製造する際において用いる重合触媒は、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物である。ここで、アンチモン化合物及びゲルマニウム化合物としては特に限定されず、ポリエステルの重縮合触媒として一般的なアンチモン化合物及びゲルマニウム化合物、例えば、三酸化二アンチモン、酢酸アンチモン、五塩化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラアルコキシドなどが挙げられるが、これらの中でも三酸化二アンチモン、二酸化ゲルマニウムが特に好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、上述した芳香族ポリエステル製造工程の任意の段階で整色剤を添加することによって製造でき、重合反応が終了するまでの任意の段階で添加することが更に好ましい。エステル化反応もしくはエステル交換反応が終了した後に整色剤を添加することが最も好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法においては、整色剤として青色系整色剤と紫色系整色剤を重量比90:10〜40:60の範囲で併用すること、あるいは青色系整色剤と赤色系または橙色系整色剤を重量比98:2〜80:20の範囲で併用することが好ましい。ここで青色系整色剤とは、一般に市販されている整色剤の中で「Blue」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光スペクトルにおける最大吸収波長が580〜620nmの範囲にあるものである。同様に紫色系整色剤とは市販されている整色剤の中で「Violet」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が560〜580nmの範囲にあるものである。赤色系整色剤とは市販されている整色剤の中で「Red」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が480〜520nmの範囲にあるものである。橙色系整色剤とは市販されている整色剤の中で「Orange」と表記されているものである。
これらの整色剤としては油溶染料が特に好ましく、具体的な例としては、青色系整色剤には、C.I.Solvent Blue 11、C.I.Solvent Blue 25、C.I.Solvent Blue 35、C.I.Solvent Blue 36、C.I.Solvent Blue 45 (Telasol Blue RLS)、C.I.Solvent Blue 55、C.I.Solvent Blue 63、C.I.Solvent Blue 78、C.I.Solvent Blue 83、C.I.Solvent Blue 87、C.I.Solvent Blue 94等が挙げられる。紫色系整色剤には、C.I.Solvent Violet 8、C.I.Solvent Violet 13、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Solvent Violet 21、C.I.Solvent Violet 27、C.I.Solvent Violet 28、C.I.Solvent Violet 36等が挙げられる。赤色系整色剤には、C.I.Solvent Red 24、C.I.Solvent Red 25、C.I.Solvent Red 27、C.I.Solvent Red 30、C.I.Solvent Red 49、C.I.Solvent Red 52、C.I.Solvent Red 100、C.I.Solvent Red 109、C.I.Solvent Red 111、C.I.Solvent Red 121、C.I.Solvent Red 135、C.I.Solvent Red 168、C.I.Solvent Red 179等が例示される。橙色系整色剤には、C.I.Solvent Orange 60等が挙げられる。
ここで青色系整色剤と紫色系整色剤を併用する場合、重量比90:10より青色系整色剤の重量比が大きい場合は、得られるポリエステル組成物のカラーa値が小さくなり過ぎ緑色を呈し、40:60より青色整色剤の重量比が小さい場合は、カラーa値が大きくなり過ぎ赤色を呈してくる為好ましくない。同様に青色系整色剤と赤色系または橙色系整色剤を併用する場合、重量比98:2より青色系整色剤の重量比が大きい場合は、得られるポリエステル組成物のカラーa値が小さくなり過ぎ緑色を呈し、80:20より青色整色剤の重量比が小さい場合は、カラーa値が大きくなり過ぎ赤色を呈してくる為好ましくない。該整色剤は、青色系整色剤と紫色系整色剤を重量比80:20〜50:50の範囲で併用すること、あるいは青色系整色剤と赤色系または橙色系整色剤を重量比95:5〜90:10の範囲で併用することが更に好ましい。
〔ポリエステルフィルム〕
本発明のポリエステルフィルムは、前述の本発明のポリエステル組成物を溶融製膜することで製造でき、本発明の目的を損なわない範囲で、他のポリエステル組成物を少量含有していても良い。なお、本発明のポリエステルフィルムは、以下で説明しない部分については、前述の本発明のポリエステル組成物で述べたのと同様なことがいえる。
本発明のポリエステルフィルムは、140℃、2時間熱処理後のL表色系におけるカラーa値が−9〜0、カラーb値が−2〜9の範囲にある必要がある。このカラー値は含有される整色剤の量によって変化するが、カラーa値が−9より小さい場合、ポリエステル組成物は緑色味が強くなり過ぎ色相不良となる。また、カラーa値が0より大きい場合は赤味が強くなり過ぎ色相不良となる。カラーb値が−2より小さい場合、ポリエステル組成物は青味が強くなり過ぎ色相不良となる。また、カラーb値が10より大きい場合は黄色味が強くなり過ぎ色相不良となる。上記の理由で、カラーa値は−8〜−1の範囲が好ましく、−7.5〜−2の範囲が更に好ましい。また、カラーb値は−1〜8の範囲が好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは特に制限されず、使用される用途に応じて適宜選択すればよく、通常は2〜400μmの範囲である。また、本発明のポリエステルフィルムは、力学的特性を向上できることから、二軸方向に分子鎖が配向された二軸配向フィルムであることが好ましい。さらにまた、本発明のポリエステルフィルムは、適度な滑り性を具備するために、不活性粒子を含有していることが好ましい。
〔ポリエステルフィルムの製造方法〕
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、前述の本発明のポリエステル組成物を溶融製膜したものである。溶融製膜の方法としては、特に制限されず、それ自体公知の製膜方法を用いることができる。
例えば、乾燥したポリエステル組成物を溶融混連押出機で280〜320℃、より好ましくは290〜310℃にて溶融押出し、繊維焼結ステンレス金属フィルター内を通過させた後、ドラフト比2〜30にて、Tダイよりシート状に吐出し、このシートを表面温度10〜70℃の冷却ドラム上に密着させて急冷固化し無配向のフィルムを得る。この無配向フィルムを二軸延伸するには、公知の逐次二軸延伸、同時二軸延伸いずれの方法でも活用できる。また、高強度を図るために再縦延伸法、再横延伸法、再縦、再横延伸法、及び多段延伸法も好ましく行うことができる。ここでは、再縦、再横延伸法の例を記載する。
まず、無配向フィルムを50〜190℃、好ましくは60〜160℃、更に好ましくは60〜140℃の範囲にある加熱ロール群で加熱し、長手方向に2〜6倍、好ましくは2.5〜4倍に延伸し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。次いで、フィルムをクリップで把持してテンターに導き、幅方向の延伸を行う。延伸倍率は2〜6倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。また延伸温度は50〜200℃の範囲が好ましいが、より好ましくは80〜160℃の範囲である。
その後、必要に応じて、この二軸配向フィルムを長手方向または幅方向に適宜0.5〜20%弛緩しながら、220〜140℃および180〜80℃の温度ゾーンに導く。その後、室温まで冷却し、フィルムエッジを除去して本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。
ところで、本発明のポリエステル組成物は、優れた色相と耐熱性とを兼備することから、極めて優れた色相を要求される用途でも、ポリエステルフィルムを製膜する過程で生じた屑、例えばフィルムのエッジ屑などを回収して、再度原料として用いることができる。このような屑は、再溶融してチップなのような状態とし、溶融混練押出機に投入すればよい。このとき、回収されたポリエステル組成物(以下、“回収ポリマー”と称することがある。)と重合されてフィルム化されていないポリステル組成物(以下、“未使用ポリマー”と称することがある。)とは、重量比10:90〜90:10、さらに20:80〜80:20の範囲にあることが好ましい。回収ポリマーの割合が下限未満であると、回収ポリマーの使用量が少なく、回収された回収ポリマーが十分に使用されがたく、一方回収ポリマーの使用量が上限を超えると、色相は満足しても、固有粘度などが低くなりすぎたりして、未使用ポリマーで製造したポリエステルフィルムとの物性差が大きくなりすぎる。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。尚、固有粘度、色相等については、下記記載の方法により測定した。
(1)固有粘度
ポリエステル組成物のチップを100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。
(2)色相(L値、a値、b値)
〔チップの色相〕
ポリマーチップを285℃、真空下で10分間溶融し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mmのプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、このプレートを140℃、1時間乾燥結晶化処理を行う。その後、色差計調整用の白色標準プレート上に置き、プレート表面のハンターL値、a値、及びb値を、ミノルタ社製ハンター型色差計(CR−200型)を用いて測定した。L値は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示す。a値はその値が大きいほど赤着色の度合いが大きいことを示す。b値はその値が大きいほど黄着色の度合いが大きいことを示す。また他の詳細な操作はJIS Z−8729に準じて行った。
〔フィルムの色相〕
フィルムを50×50mmに切断し、フィルムの厚み合計が2mmとなるよう重ね合わせた後クリッピングし、140℃で1時間定温乾燥機に入れ結晶化処理を行う。その後、色差計調整用の白色標準プレート上に置き、プレート表面のハンターL値、a値、及びb値を、ミノルタ社製ハンター型色差計(CR−200型)を用いて測定した。
(3)ポリマー中のアンチモン、ゲルマニウム、コバルト含有量
粒状のポリマーサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形体を作成し、この試験成形体を蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)に装着してポリマー中のアンチモン元素量、ゲルマニウム元素量、コバルト元素量を求めた。
(4)整色剤の重量減少開始温度
リガク社製TAS−200熱天秤を用いてJIS K7120に従い、窒素雰囲気下中昇温速度10℃/分で測定した。
[参考例]整色剤の可視光吸収スペクトル測定、整色剤調製
表1に示す整色剤を室温で濃度20mg/Lのクロロホルム溶液とし、光路長1cmの石英セルに充填し、対照セルにはクロロホルムのみを充填して、日立分光光度計U−3010を用いて、380〜780nmの可視光領域での可視光吸収スペクトルを測定した。整色剤2種を混合する場合は合計で濃度20mg/Lとなるようにした。最大吸収波長とその波長における吸光度に対する、400、500、600、700nmの各波長での吸光度の割合を測定した。
更に粉末の整色剤の熱重量減少開始温度を測定した。結果を表1に示す。尚、実施例、比較例でこれら整色剤をポリエステル製造工程で添加する場合は、100℃の温度で、原料として用いるグリコール溶液に対し、濃度0.1重量%となるように溶解または分散させて調製した。
Figure 2006070166
なお、表1中の吸光度の割合は、最大吸収波長の吸光度に対する各波長下での吸光度の割合を意味する。
[実施例1]
〔ポリエステル組成物チップの製造〕
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール70重量部との混合物に、酢酸マンガン四水和物0.032重量部を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、リン酸トリメチル0.02重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後反応生成物に表1に示す整色剤Aの0.1重量%エチレングリコール溶液0.3部、三酸化二アンチモン0.037重量部を添加して、撹拌装置、窒素導入口、減圧口、蒸留装置を備えた反応容器に移し、300℃まで昇温し、30Pa以下の高真空で重縮合反応を行って、固有粘度0.65のポリエステル組成物を得た。さらに常法に従いチップ化した。得られたチップの品質結果を表2、表3に示す。
得られたチップを常法により170℃で3時間乾燥後、溶融温度290℃で1mmのスリット状ダイを通して厚さ200μmのシート状に溶融押出し、線状電極を用いて表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に密着させ固化させて未延伸フィルムを得た。次いで、得られた未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速、高速のロール間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒータ1本にて加熱して縦方向に3.6倍に延伸し、続いてステンターに供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを230℃の温度で5秒間熱固定処理し、厚み15μmの熱固定二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの品質結果を表3に示す。
[実施例2〜3]
実施例1において、整色剤を表2に示す種類、量に変更したこと以外は実施例1と同様にチップとフィルムを得た。得られたチップ及びフィルムの品質結果を表3に示す。
[実施例4]
実施例1において、触媒を表2に示す量の二酸化ゲルマニウムに変更したこと以外は実施例1と同様にチップとフィルムを得た。得られたチップ及びフィルムの品質結果を表3に示す。
[実施例5]
原料をテレフタル酸ジメチルから2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに変更して、固有粘度が0.62のポリエステル組成物を得たこと以外は実施例1と同様に操作を行いチップとフィルムを得た。得られたチップ及びフィルムの品質結果を表3に示す。
[実施例6]
実施例1で得られたフィルムを、窒素雰囲気下290℃で再溶融し、常法によりチップ化して、固有粘度0.55のポリエステル組成物を得た。得られたチップの品質結果を表3に示す。これを実施例1で用いたポリエステル組成物と重量比50:50の割合でブレンドして、再び実施例1と同様の条件にてフィルムを得た。得られたフィルムの品質結果を表3に示す。なお、表3中のチップの品質結果は、実施例1で用いたポリエステル組成物を含まない再溶融して得られたチップのみの品質である。
[比較例1]
整色剤Aを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にチップとフィルムを得た。得られたチップ及びフィルムの品質結果を表3に示す。
[比較例2〜4]
整色剤を表2に示す種類、量に変更したこと以外は実施例1と同様にチップとフィルムを得た。得られたチップ及びフィルムの品質結果を表3に示す。
[比較例5]
整色剤A添加せず、表2に示す量の酢酸コバルト四水和物を添加したこと以外は実施例1と同様にチップとフィルムを得た。得られたチップ及びフィルムの品質結果を表3に示す。
表2及び表3に示した結果から明らかなように、本発明の実施例のポリエステル組成物は良好な性能が得られた。一方、整色剤の特性が本発明の範囲を外れる場合(比較例1〜4)は、チップ及びフィルムの色相が不良であった。また、コバルト化合物を添加したものは(比較例5)、チップ中にコバルト化合物が検出され、フィルム中に異物が生じる懸念が残る結果となった。
[比較例6]
比較例1で得られたフィルムを、窒素雰囲気下290℃で再溶融し、常法によりチップ化して、固有粘度0.55のポリエステル組成物を得た。得られたチップの品質結果を表3に示す。これを比較例1で用いたポリエステル組成物と等量の割合でブレンドして、再び比較例1と同様の条件にてフィルムを得た。得られたフィルムの品質結果を表3に示す。なお、表3中のチップの品質結果は、比較例1で用いたポリエステル組成物を含まない再溶融して得られたチップのみの品質である。
Figure 2006070166
ここで、表2中の、DMTはテレフタル酸ジメチル、DMNは2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、SBOは三酸化二アンチモン、GEOは二酸化ゲルマニウム、MNAは酢酸マンガン四水和物およびTMPはリン酸トリメチルを意味する。
Figure 2006070166

Claims (9)

  1. 芳香族ポリエステルと整色剤とからなるポリエステル組成物であって、
    該組成物は、その重量を基準として、重合触媒残渣としてのアンチモン金属元素およびゲルマニウム金属元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素を10〜500重量ppmおよび整色剤を0.1〜10重量ppm含有し、コバルト金属元素の含有量が高々10重量ppmであり、そして140℃で2時間熱処理したときのカラーa値が−9〜0、カラーb値が−2〜9の範囲にあること、および
    該整色剤は、クロロホルム溶液中での波長380〜780nmの光に対する吸収スペクトルが下記式(1)〜(5)を満足することを特徴とするポリエステル組成物。
    0.00≦A400/Amax≦0.20 (1)
    0.10≦A500/Amax≦0.70 (2)
    0.55≦A600/Amax≦1.00 (3)
    0.00≦A700/Amax≦0.05 (4)
    540nm≦λmax≦600nm (5)
    (上記式(1)〜(5)中の、λmaxは最大吸収波長であり、Amax、A400、A500、A600およびA700は、それぞれ最大吸収波長、波長400nm、波長500nm、波長600nmおよび波長700nmにおける吸光度である。)
  2. 窒素雰囲気下で昇温速度10℃/分の条件で熱天秤にて測定した整色剤の重量減少開始温度が250℃以上である請求項1に記載のポリエステル組成物。
  3. ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートである請求項1又は2に記載のポリエステル組成物。
  4. 重合触媒としてアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を用いて芳香族ポリエステルを重合するポリエステル組成物の製造方法において、
    アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物の割合は、該組成物の重量を基準として、アンチモンおよびゲルマニウムの金属元素量で、10〜500重量ppmであること、および
    クロロホルム溶液中での波長380〜780nmの光に対する吸収スペクトルが下記式(1)〜(5)を満足する整色剤が、該組成物の重量を基準として、0.1〜10重量ppm添加されることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
    0.00≦A400/Amax≦0.20 (1)
    0.10≦A500/Amax≦0.70 (2)
    0.55≦A600/Amax≦1.00 (3)
    0.00≦A700/Amax≦0.05 (4)
    540nm≦λmax≦600nm (5)
    (上記式(1)〜(5)中の、λmaxは最大吸収波長であり、Amax、A400、A500、A600およびA700は、それぞれ最大吸収波長、波長400nm、波長500nm、波長600nmおよび波長700nmにおける吸光度である。)
  5. 整色剤が、青色系整色剤と紫色系整色剤との重量比90:10〜40:60の混合物である請求項4に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  6. 整色剤が、青色系整色剤と赤色系または橙色系整色剤との重量比98:2〜80:20の混合物である請求項4に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  7. 芳香族ポリエステルと整色剤とのポリエステル組成物からなるポリエステルフィルムであって、
    該組成物は、その重量を基準として、重合触媒残渣としてのアンチモン金属元素およびゲルマニウム金属元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素を10〜500重量ppmおよび整色剤を0.1〜10重量ppm含有し、コバルト金属元素の含有量が高々10重量ppmであること、
    該ポリエステルフィルムは、140℃で2時間熱処理したときのカラーa値が−9〜0、カラーb値が−2〜9の範囲にあること、および
    該整色剤は、クロロホルム溶液中での波長380〜780nmの光に対する吸収スペクトルが下記式(1)〜(5)を満足することを特徴とするポリエステルフィルム。
    0.00≦A400/Amax≦0.20 (1)
    0.10≦A500/Amax≦0.70 (2)
    0.55≦A600/Amax≦1.00 (3)
    0.00≦A700/Amax≦0.05 (4)
    540nm≦λmax≦600nm (5)
    (上記式(1)〜(5)中の、λmaxは最大吸収波長であり、Amax、A400、A500、A600およびA700は、それぞれ最大吸収波長、波長400nm、波長500nm、波長600nmおよび波長700nmにおける吸光度である。)
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル組成物を、溶融製膜するポリエステルフィルムの製造方法。
  9. 請求項8記載に記載のポリエステルフィルムの製造方法で回収されたフィルムの一部と、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル組成物とを、重量比10:90〜90:10の割合で用いて溶融製膜する、自己回収型ポリエステルフィルムの製造方法。
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