JP2006051655A - 合成樹脂製積層体及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
表面に硬化皮膜層を有し、皮膜の密着性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、かつ、高い光拡散性と光線透過率を有する合成樹脂製積層体を提供することにある。
【解決手段】
透明合成樹脂(a)100重量部に対して、透明性微粒子の平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)1〜30重量部が添加分散され、かつ炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸(c)0〜2重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル(d)0.01〜1重量部、及びリン系酸化防止剤(e)0.001〜1重量部、並びに窒素原子含有紫外線吸収剤(f)0.01〜1重量部を含有した射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成され、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂製積層体(D)である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、合成樹脂製積層体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、高い光拡散性と光線透過率を有し、一般建築物の窓ガラス、車輌用の窓ガラス、サンルーフ等のグレージング材、看板、照明具、表示灯などの保護カバー、液晶用バックライト拡散板や表示パネルのように、光源から発せられる光を高い透過率で一様な明るさに拡散透過させ、かつ、直線透過光を減少させることによりランプ等の光源の像を見えなくする性能が必要な分野に好適な合成樹脂製積層体及びその製造方法に関する。
ポリカーボネート等の透明合成樹脂は、機械的強度、加工の自由度、軽量性等に優れていることから種々の分野で広く使用されてきており、例えば、窓ガラス、サンルーフ、計器カバー等の車輌用途、採光用屋根材等の建材用途、温室被覆材、看板、照明具、表示灯などの保護カバー、液晶用バックライト拡散板や表示パネル等照明灯カバー等に幅広く用いられている。しかしながら透明合成樹脂は、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐溶剤性、塗装性等の表面特性や光拡散性が不十分であることからその用途は制限されており、表面特性や光拡散性を改良することが強く望まれている。
透明合成樹脂の光拡散性を改良する目的で、芳香族ポリカーボネートと屈折率が異なりかつ少なくとも部分的に架橋しており、その平均粒径が0.5〜100μmの範囲にあるポリマー微粒子を分散添加せしめた光拡散性ポリカーボネート樹脂が提案されている(例えば、特許文献1)が、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性の点で満足できるものではなかった。また、芳香族ポリカーボネート樹脂、炭酸カルシウム、ガラス短繊維、ホスファイト化合物および/またはホスフェート化合物およびフェノール系酸化防止剤を配合した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献2)が、この組成物も耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性の点で十分に満足できるものではなかった。
さらに、透明な基材層と、この基材層の表面側に形成された光学的機能層とを備えており、この基材層が100℃以上180℃以下のガラス転移温度の合成樹脂を含み、基材層の裏面にエンボス加工により微細凹凸が形成され、かつ基材層の裏面の鉛筆硬度が2B以上HB以下であるバックライトユニットに好適な光学シートが提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、耐擦傷性や耐候性が不十分であった。また、芳香族ポリカーボネートとポリアルキルシルセスキオキサンからなり、約0.1μm以下の中心線平均粗さRa、約1.0μm以下の十点平均粗さRz及び約1.0μm以下の最大高さRmaxとして表される表面粗さを有し、厚さ約3〜10μmの保護コーティング層を設けた光拡散性基材が提案されている(例えば、特許文献4)が、特に具体的な耐擦傷性、耐摩耗性を考慮した記載はない。以上のように従来技術では、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、かつ、高い光拡散性と光線透過率を有する合成樹脂製積層体及びその製造方法は見出されていなかった。
特開平03−143950号公報 特開平09−003310号公報 特開2002−357706号公報 特開2004−002848号公報
本発明の目的は、従来技術にみられる上記の課題を解決しようとするものであり、表面に硬化皮膜層を有し、皮膜の密着性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、かつ、高い光拡散性と光線透過率を有する合成樹脂製積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明者は上記の課題を解決すべく、透明合成樹脂に種々の光拡散剤を配合し、さらに透明合成樹脂上に種々の硬化皮膜層を形成させ、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、光拡散性、光線透過率等の改良研究を重ねた。その結果、透明合成樹脂に特定の光拡散剤を添加分散させ、該透明合成樹脂上に特定組成の硬化皮膜層を形成させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、透明合成樹脂(a)に対して、非架橋性モノマーに架橋性モノマーを配合し懸濁重合して得られる平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)を添加分散させ、かつ炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル、及びリン系酸化防止剤、並びに窒素原子含有紫外線吸収剤を含有した射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)を形成し、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)を形成してなる合成樹脂製積層体(D)及びその製造方法にある。
さらに詳細には、本発明は、(1)透明合成樹脂(a)100重量部に対して、透明性微粒子の平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)1〜30重量部が添加分散され、かつ炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸(c)0〜2重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル(d)0.01〜1重量部、及びリン系酸化防止剤(e)0.001〜1重量部、並びに窒素原子含有紫外線吸収剤(f)0.01〜1重量部を含有した射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成され、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂製積層体(D)に係る。
(2)平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)は、非架橋性モノマー70〜99重量%に架橋性モノマー1〜30重量%を配合し懸濁重合して得られるものであることを特徴とする上記(1)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(3)透明合成樹脂層(A)を構成する合成樹脂が、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする上記(1)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(4)プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(5)プライマー塗膜層(B)に、更に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して0.2〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(6)硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成もの(CC)からなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化1)
1 nSi(OR24-n (1)
(式(1)中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
(7)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1は炭素数1〜8の置換基又は非置換の一価の炭化水素基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする上記(6)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(8)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする上記(6)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(9)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする上記(6)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(10)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする上記(6)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(11)無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカ(e)からなるコーティング組成物(CC)であることを特徴とする上記(6)〜(10)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(12)射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(13)射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(14)透明合成樹脂層(A)が、射出圧縮成形により形成された成形体からなることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(15)プライマー塗装層(B)と透明合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面に、熱線回路、アンテナ、ブラックアウト等の印刷部を有することを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
さらに、本発明は、(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)からなる磨りガラス調車輌用窓ガラス。
に関する。
本発明の合成樹脂製積層体は、透明合成樹脂層に特定のビーズ状架橋アクリル樹脂を光拡散材として含有し、さらに離型剤、リン系酸化防止剤および窒素原子含有紫外線防止剤を含有しており、特に光拡散性、光線透過率に優れたものであり、さらに特定の多官能性オルガノアルコキシシランからなる硬化皮膜を有し、皮膜の密着性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れており、一般建築物の窓ガラス、車輌用の窓ガラス、サンルーフ等のグレージング材、計器カバー、看板、照明具、表示灯などの保護カバー、液晶用バックライト拡散板や表示パネル等として好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における透明合成樹脂層(A)を構成する透明合成樹脂は、可視領域の光線透過率が高い透明な熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、3mm厚の板状成形体としたときのJIS R 3106記載による可視光透過率が50%以上で、JIS K7105記載によるヘイズが30%以下のものが挙げられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。これらの中でも、ポリカーボネートは耐衝撃性に優れるために好ましい。ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを用いることができるが、芳香族ポリカーボネートが好ましい。
芳香族ポリカーボネートとしては、芳香族ジヒドロキシ化合物、またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって作られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。製造方法については、特に限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された末端のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネートも使用することができる。ポリカーボネートの分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜40,000である。より好ましくは18,000〜32,000であり、最も好ましくは20,000〜28,000である。粘度平均分子量が16,000未満では機械的強度が不足し、40,000を越えると流動性が低下し、成形品外観に不良を生じやすく好ましくない。
本発明において、光拡散剤として使用されるビーズ状架橋アクリル樹脂(b)は、非架橋性モノマー70〜99重量%に架橋性モノマー1〜30重量%を配合し懸濁重合して得られる。
上記の非架橋性モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート等を単独或いは混合して用いることができるが、メチルメタアクリレートが特に好ましい。
本発明の架橋性モノマーとしては、分子内に2個以上の不飽和結合を持つ化合物が用いられるが、特にその2個以上の不飽和結合のうちの少なくとも1個がアリル基を有するものが望ましい。例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンビオールジメタアクリレート等が例示され、特に、エチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
上記架橋性モノマーの添加量は、前記非架橋性モノマー1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満であると架橋が不完全なため得られるビーズの耐熱性が低く、成形加工後ビーズが変形を起こす虞がある。一方、30重量%を超えても特に光拡散効果を促進させるものではなく、経済上不利となる。
本発明で使用されるビーズ状架橋アクリル樹脂(b)は、前記非架橋性モノマーと架橋性モノマーを、上記した範囲において一定割合で配合し、通常の懸濁重合法により製造される。本発明において、非架橋性モノマーおよび架橋性モノマー以外に、過酸化物等の重合開始剤、分散安定剤、また耐熱性、衝撃強度をさらに向上させるために2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の添加剤を混合することができる。また本発明における該架橋アクリル樹脂の平均粒子径は1〜20μmが好ましい。平均粒子径が上記20μmを超えると得られる成形体表面が粗い状態となり、一方、平均粒子径が上記1μm未満では十分な光拡散効果は得られない。又、架橋アクリル樹脂の粒子径は粒子全体の80%以上が上記1〜20μmの範囲内にあるのが特に望ましい。
本発明で使用されるビーズ状架橋アクリル樹脂は、透明合成樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の割合で配合される。ビーズ状架橋アクリル樹脂の配合割合が1重量部より少ないと十分な光拡散効果が得られず、一方、30重量部を超えて配合しても光拡散性能等を特に向上させるものでなく、光線透過率、外観及び物性を低下させる要因ともなり、またコストの面において経済性にも劣る。
本発明における透明合成樹脂(a)には、顔料、染料、可塑剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができるが、次のような添加剤、すなわち炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪族酸、炭素数8〜22の飽和又は不飽和酸とペンタエリスリトールとのエステル、リン系酸化防止剤及び窒素原子含有紫外線吸収剤が、それぞれ特定の範囲内で配合される。
すなわち、本発明において透明合成樹脂に配合される添加剤の配合率は、透明合成樹脂100重量部に対し、それぞれ炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪族酸を0〜2重量部、好ましくは、0.1〜1重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和酸とペンタエリスリトールとのエステル0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部、リン系酸化防止剤0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部、窒素原子含有紫外線吸収剤0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.8重量部配合される。炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪族酸の配合率が2重量部を超えると透明合成樹脂の耐加水分解性が低下したり、成形時の金型汚染を引き起こす虞があるので好ましくない。炭素数8〜22の飽和又は不飽和酸とペンタエリスリトールとのエステルの配合率が0.01樹脂未満では滑剤としての効果が小さく、1重量部を超えると透明合成樹脂の耐加水分解性が低下したり、成形時の金型汚染を引き起こす虞があるので好ましくない。また、リン系酸化防止剤の配合率が0.001重量部未満では、酸化防止効果が小さく、1重量部を超えると透明合成樹脂の耐加水分解性が低下することがある。さらに、窒素原子含有紫外線吸収剤の配合率が0.01重量部未満では耐候性の改良効果が小さく、1重量部を超えると成形時の金型汚染が発生したり、経済性が低下する。
炭素数8〜22の飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸があげられ、炭素数8〜22の不飽和脂肪酸としては、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノレン酸があげられる。特に飽和脂肪酸が好ましく、なかでもステアリン酸、ベヘン酸が好ましい。炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステルは、フルエステルが好ましい。炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのフルエステルとして、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラパルミネート等である。特に好ましくはペンタエリスリトールテトラステアレートである。
リン系酸化防止剤としては、例えば、亜リン酸エステル中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/または炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステル、亜リン酸あるいはテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイトから選ばれた少なくとも1種である。亜リン酸エステルの具体例としては、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリスノニルフェニルホスファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジターシャリーブチルフェニル)フッ化ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、モノノニルフェノールおよびジノニルフェノールからなる亜リン酸エステル、さらに式(V)に示したヒンダードフェノールを有する亜リン酸エステル等を挙げることができる。本発明においては、リン化合物として、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、又はトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、亜リン酸が好ましい。
窒素原子含有紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤がよく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、2−(2H―ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(5−メチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2―ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert―ブチルー2−ヒドロキシフェニル)―5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシー5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert―アミルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α―ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、〔メチル−3−〔3−tert―ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)―4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール〕縮合物などが例示される。これらのうち、2−(2H―ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシー5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2―ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールが好適に用いられる。
トリアジン系紫外線吸収剤は、具体的には、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤は、アミン系光安定剤であり、通常の市販品のものが適用できる。一般には、このアミン系光安定剤はポリカーボネート樹脂の加水分解を促進しやすい傾向がありその使用は好まれないが、例えばトリアゾール系あるいはトリアジン系紫外線吸収剤と併用することにより相乗的効果を発現できる利点がある。
本発明において透明合成樹脂層(A)の構成成分として本発明の目的を損なわない範囲で、難燃性、安定剤、顔料、染料、骨材、繊維強化材等の各種添加剤等を配合することができる。本発明において、透明合成樹脂(a)、ビーズ状架橋アクリル樹脂(b)、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸(c)、及び炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル(d)、リン系酸化防止剤(e)および窒素原子含有紫外線防止剤(f)の混合方法は、従来公知の方法が採用されればよく、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で混練する方法が適宜選択される。
本発明のプライマー塗膜層(B)を構成するプライマー塗料に使用される熱硬化性アクリル樹脂は、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート類、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、エチレングリコールジメタクリレートで例示されるビニル単量体の少なくとも1種に、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤の少なくとも1種を2〜50重量%含有させたものから誘導されるものであり、上記単量体及びシランカップリング剤を含有する溶液にジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド類またはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物から選択されるラジカル重合用開始剤を加え加熱下に反応させることにより容易に得られる。
上記プライマー塗料には溶剤が使用される。この溶剤としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、キシレン、トルエン等が挙げることができる。このプライマー塗料は、通常、上記溶剤で希釈され、熱硬化性アクリル樹脂の5〜10重量%の溶液として使用される。
上記プライマー塗料には紫外線吸収剤が配合されることが好ましい。プライマー塗料に配合される紫外線吸収剤は、熱硬化性アクリル樹脂と相容性の良好なベンゾフェノン系紫外線吸収剤がよく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4'−エトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等が例示される。更に、紫外線吸収性能、プライマー塗料との相溶性、揮散性の点から2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好適に用いられる。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加量としては、熱硬化性アクリル樹脂塗料中の不揮発分(JIS K5407、以下同じ)100重量部に対して5〜30重量部、好ましくは8〜25重量部、さらに好ましくは10〜15重量部である。30重量部よりも多いと塗膜上に析出し外観不良となり、さらに熱硬化性アクリル樹脂の安定性が低下する虞がある。また5重量部よりも少ないと所望の耐候性が得られない。しかし、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの量が増えると、初期の黄色度が高くなるので、それを改善するためには2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの一部を熱硬化性アクリル樹脂と相溶性の良好な他のベンゾフェノン系紫外線吸収剤に置き換えることが好ましく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンは、プライマー塗料に添加されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の10〜100重量%の範囲内で使用される。2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの配合割合が、10重量%未満であると十分な耐候性が得られない。
更に、上記プライマー塗料に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を添加することにより、耐候性が大幅に向上できる。使用される該光安定剤としては、プライマー塗料に用いた溶剤に溶解し、かつ熱硬化性アクリル樹脂との相溶性が良く、また低揮散性のものが選ばれる。その加量は熱硬化性アクリル塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部であり5重量部を超えて添加すると塗膜の密着性が低下する。
上記光安定剤の具体例としては、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3055、クラリアント(株)製)、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3056、クラリアント(株)製)、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3058、クラリアント(株)製)、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名:スミソーブ577、住友化学工業(株)製)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名:サノールLS−765、三共(株)製)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品名:アデカスタブLA−57、旭電化工業(株)製)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品名:アデカスタブLA−52、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−67、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−62、旭電化工業(株)製)、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン(市販品としては商品名:サノールLS−440、三共(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−63または63P、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−68LD、旭電化工業(株)製)等が挙げられ、これらの光安定剤は2種以上併用しても良い。
本発明において上記プライマー塗膜層(B)上に形成させる硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成もの(CC)からなる。
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化2)
1 nSi(OR24-n (1)
(式(1)中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重である。
本発明におけるオルガノアルコキシシラン(d)は、下記のオルガノトリアルコキシシランが好ましく使用される。具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これらのオルガノシランは、1種類単独、もしくは2種以上を併用して使用することができる。
本発明において、オルガノアルコキシシラン(d)は、以下のような組み合わせで使用することが特に好ましい。すなわち、上記式(1)において、n=1、R1が炭素数1〜8の非置換アルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−1)が80〜97重量%と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基のオルガノアルコキシシラン(d−2)が20〜3重量%からなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用され、耐候性及び耐摩耗性をより向上させることができる。この場合、オルガノアルコキシシラン(d−2)が3重量%未満では、硬化皮膜(C)の耐候性及び耐摩耗性に対する改良効果が小さく、20重量%を超えると密着性が不十分となる傾向がある。
オルガノアルコキシシラン(d−1)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシランなどである。これらのオルガノトリアルコキシシランは、1種類単独、もしくは2種類以上を併用して使用することができる。オルガノアルコキシシラン(d−2)の具体例としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランがある。
また、本発明におけるオルガノアルコキシシラン(d)は、上記式(1)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−3)99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−4)1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用される。ジアルキルジアルコキシシラン(d−4)の配合率が1重量部未満では硬化皮膜層(C)の耐候性の改良効果が小さく、3重量部を越えると架橋密度が低下し、耐候性も低下するので好ましくない。
上記のアルキルトリアルコキシシラン(d−3)の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等を挙げることができる。これらのアルキルトリアルコキシシランは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記ジアルキルジアルコキシシラン(d−4)としては、具体的には、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられる。これらのジアルキルジアルコキシシランは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−5)80〜97重量%と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)20〜3重量%からなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用される。このオルガノトリアルコキシシランは耐候性が向上する。(d−5)及び(d−6)の比率が前記範囲より外れると硬化皮膜(C)の耐候性の改良効果が十分に発現されない虞がある。
上記のオルガノトリアルコキシシラン(d−5)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン等が例示でき、それらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、オルガノトリアルコキシシラン(d−6)としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン等があり、それらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における上記オルガノアルコキシシラン(d)は加水分解物であるポリオルガノシロキサンとしてコーティング組成物に使用することができる。加水分解は、公知の方法、例えば酸触媒存在下、該アルコキシシランの低級アルコール溶液に水を添加して行われる。低級アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が例示される。また、上記加水分解の際にコロイダルシリカの水性分散液を酸触媒とともに添加しても良い。このようにして得られるポリオルガノシロキサンは、1〜2量体成分が実質的に存在せず、6量体以上が65重量%以上であって、数平均重合度が8〜30であることが好ましい。
本発明におけコーティング組成物(CC)を構成するのコロイダルシリカ(e)には無水ケイ酸が10〜50重量%含有されており、コロイダルシリカの平均粒径は4〜20nmが好ましく、4〜7nmであることが特に好ましい。このようなコロイダルシリカ(e)の分散剤は、水または有機溶媒、さらに親水性有機溶媒、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等の少なくとも1種と水との混合溶媒を用いることができる。これらの水系溶媒の中でも、水または水−メタノール混合溶媒が、分散安定性と、塗布後の分散媒の乾燥性の点で好ましい。
コロイダルシリカを塩基性水溶液中で分散させた市販品として日産化学工業(株)のスノーテックス30、スノーテックス40、触媒化成工業(株)のカタロイドS30、カタロイドS40、酸性水溶液中で分散させた商品として日産化学工業(株)のスノーテックスO、有機溶剤に分散させた商品として日産化学工業(株)のMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、NPC−ST、DMAC−ST等がある。
本発明では、安定性に優れた分散体を得るとともに特に耐候性に優れた硬化皮膜層(C)を得るために、平均粒径が4〜20nm、特に好ましくは4〜7nmの範囲にあるコロイダルシリカを使用する。また、コロイダルシリカ(e)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)100重量部に対して50〜200重量部、好ましくは70〜180重量部の範囲で使用するのが好ましい。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を構成する50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/またはビニル系単量体とこれら単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体(f)は、アルコキシシリル基により熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)との接着性が向上し、耐熱性や耐久性も向上する。但し、アルコキシシリル基を含有する単量体の含有量が50重量%を超えると接着性が低下する虞がある。
アルコキシシリル基を含有するアクリル系単量体としては、例えば、3−メタクロリキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリブトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリイソプロペノキシシラン、メタクロリキシメチルトリメトキシシラン、メタクロリキシメチルトリエトキシシラン、メタクロリキシメチルトリブトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリブトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジブトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジメメトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジエトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジブトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジブトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジブトキシシランなどがあり、作業性、反応性、架橋性の点から3−メタクロリキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジエトキシシランなどがあり、作業性や反応性の点からビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
アルコキシシランと共重合可能な他の単量体としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレングリコール、ジメタクリレートなどがある。
該有機共重合体(f)は、前記アルコキシシリル基を含有する単量体とこれと共重合しうる他の単量体との共重合体であり、共重合はこれらの単量体を含有する溶液にベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのパーオキサイド類やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物から選択されるラジカル重合用触媒を加え、加熱して、反応させることによって得られる。該有機共重合体(f)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)とコロイダルシリカ(e)からなる組成物100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは2〜18重量部が配合される。該有機共重合体(f)の配合量が20重量部を超えると、耐煮沸性試験で白化し、密着性も低下し、さらに耐候性試験においても白化し、塗膜が剥離する。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を構成するアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)として、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート、ジメチルアニリンホルメート、テトラエチルアンモニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムアセテート、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムアセテートなどをあげることができる。このアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)は、アルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)及び有機共重合体(f)からなる組成物100重量部に対し1〜5重量部、好ましくは1.5〜4重量部の範囲で使用される。アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の使用量が1重量部より少ないと皮膜の耐摩耗性が低く、5重量部を越えると皮膜の透明性が低下するので好ましくない。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を構成するもう一つの成分であるシリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、特開2001−139924号公報に記載された紫外線吸収剤を使用することができる。該紫外線吸収剤(h)は、下記式(2)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー(h1)、及び下記式(3)で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマー(h2)から選択された少なくとも一種の紫外線吸収モノマー(h1h2)と、下記式(4)で示されるシリコーンマクロマー(h3)と、官能基含有共重合性ビニルモノマー(h4)と、官能基非含有共重合性ビニル化合物(h5)からなる重量平均分子量が10,000〜100,000の重合物である。
Figure 2006051655
(2)
(式(2)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
Figure 2006051655
(3)
(式(3)中、R21 は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基を示し、m22は0又は1を示す。R25は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
Figure 2006051655
(4)
(式(4)中、R31は水素原子、又はメチル基を示す。R32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は炭素数1〜6のオキシアルキレン基を示し、m31は0又は1を示す。R33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、m32は0又は1を示す。nは1〜200の整数を示し、X3はエステル結合又はアミド結合を示す。)
シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)を構成する前記各成分の比率は、h1h2/h3/h4/h5=5〜50/5〜60/50〜80/5〜20(重量%)である。また、シリコーンマクロマー(h3)の重量平均分子量は200〜10,000であることが好ましい。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、オルガノトリアルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)、アルコキシシリル基を含有する有機共重合体(f)、アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の合計100重量部に対し、0〜35重量部配合される。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、所望に応じて配合されるがその配合量が35重量部より多いと硬化皮膜層(C)の線膨張係数が大きくなり好ましくない。
上記のアルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)、有機共重合体(f)、アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)、及びシリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなる硬化皮膜層(C)用のコーティング組成物(CC) の分散溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができ、分散溶媒としてはゾルの安定性や入手のし易さの観点から、水、或いは低級アルコールであるメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ケトン類であるメチルエチルケトン、ジアセチルアセトンなどを用いることが好ましい。又、本発明において前記溶媒効果を発現させるためには、組成物中の水分含有量が15%以下とすることが好ましい。15%を超えると水がシラノール基に選択的に配位するため、シラノール基の安定性が損なわれる。
上記コーティング組成物の保存温度は、通常25℃以下、好ましくは15℃以下、更に好ましくは5℃以下である。25℃を超えると、保存期間が長い場合、加水分解・縮合反応が徐々に進行するので好ましくない。コーティング組成物(CC)を硬化させて硬化膜を形成させる際、硬化膜の硬度や耐擦傷性の向上、又は高屈折率化などの光学的機能性を付与させるために、公知の硬化触媒や金属酸化物及びその他の添加物を適宜加えても良い。
硬化触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、n−ヘキシルアミン、プロピオン酸カリウム、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセンのごとき塩基性化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アルミニウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、錫アセチルアセトナート、ジブトキシ錫オクチレートの如き金属化合物類、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸の如き酸性化合物類が挙げられる。硬化触媒の添加量は、コーティング組成物100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。
金属酸化物の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げられる。特に、耐擦傷性を目的とした硬化剤とする場合には、コロイダルシリカ(シリカゾル)が好適である。硬化剤として使用する場合の金属酸化物の添加量は、コーティング組成物100重量部に対して5〜500重量部、特に10〜200重量部であることが好ましい。これらの金属酸化物の存在下に縮合反応を行っても良く、また縮合反応後に加えても良い。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)上に塗装する方法は、塗装される成形品の形状や塗装目的に応じて、刷毛、ロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、スクリーンプロセス、電着塗装、蒸着塗装等がある。
プライマー塗膜層(B)上にコーティング組成物(CC)を塗布後、硬化して形成される硬化皮膜層(C)の厚さは、1〜10μmである。皮膜層の厚さが1μm未満であると表面硬化の効果が不十分になりやすく、10μmを超えても表面硬化の効果は更には向上し難く、クラックが発生し易く、コスト的に不利である。硬化皮膜層(C)の厚さは、より好ましくは2〜8μmである。
本発明では、透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることが好ましい。それぞれの線膨張係数の差が32×10-5℃以下であると、長期間にわたり各層間の密着性が保たれ、耐擦傷性や耐候性に優れた合成樹脂製積層体(D)を得ることができる。
本発明の合成樹脂製積層体(D)は、透明合成樹脂(a)100重量部に対して、非架橋性モノマー70〜99重量%に架橋性モノマー1〜30重量%を配合し懸濁重合して得られる透明性微粒子の平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)1〜30重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸(c)0〜2重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル(d)0.01〜1重量部、及びリン系酸化防止剤(e)0.001〜1重量部、並びに窒素原子含有紫外線吸収剤(f)0.01〜1重量部を添加分散させた透明合成樹脂組成物を、射出成形により透明合成樹脂層(A)を構成する成形体を得、該成形体の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚みが1〜10μmとなるように塗布してプライマー塗膜層(B)を形成し、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランコーティング組成物を塗膜厚みが1〜10μmとなるように塗布し、硬化させ硬化皮膜層(C)を形成させることにより製造される。
射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)は、厚みが2〜70mmであることか好ましい。特に、本発明の合成樹脂製積層体(D)が磨りガラス調車輌用窓ガラスに用いられる場合の透明合成樹脂層(A)の厚みは、剛性、重量、透明性等の点より、好ましくは2〜10mmであり、より好ましくは2.5〜8mmである。透明合成樹脂層(A)の厚みが70mmを超えると外観が低下したり、成形時間が長くなるので好ましくない。また、透明合成樹脂層(A)の成形法としては、厚肉成形品のヒケを小さくでき、成形歪みや反りを低減でき、さらに、高度な面精度を出しやすい射出圧縮成形により形成することが特に好ましい。
透明合成樹脂層(A)の面、すなわちプライマー塗装層(B)と透明合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面には、グラビヤ印刷、平板印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、パット印刷およびスクリーン印刷等の通常の印刷工法により、熱線回路、アンテナ、文字、マーク、ブラックアウト等の印刷部を有することができる。印刷部に熱線回路が形成される場合、通常、印刷ペーストを用いて印刷する。印刷ペーストとしては、好ましくは、銀、カーボン、銅、ニッケル、クロムまたは金を含むペーストが用いられ、低抵抗性、コスト、印刷性の点から、より好ましくは、銀を含むペーストあるいは銀とカーボンを含むペーストが好ましい。印刷インキの密着性を向上させるためには、印刷インキに不飽和ポリエステル樹脂を溶剤で溶かした溶液を混入したインキを回路印刷の上に再度印刷することも可能である。印刷インキとしては、例えば、十條化工(株)製、商品名:HIPETインキ#9390が挙げられ、不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、東洋紡績(株)製、商品名:バイロン200が挙げられ、溶剤としては、例えば、メチルエチルケトンが挙げられる。印刷インキと溶液の混合比率は、例えば、重量比で3:1である。また印刷回路の酸化防止性を向上させるために、カーボン等の印刷インキを回路印刷の上に印刷することもできる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記す「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
製造例1
(プライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造)
ジムロート型コンデンサー付き500mlセパラブルフラスコにγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてアゾビスイソブチルニトリルを0.5部ならびに溶剤としてジアセトンアルコール20部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕込み窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。得られた熱硬化型アクリル樹脂溶液の粘度は38500cst、また該共重合体中のアルコキシシリル基含有量は40重量%であった。次に、得られた樹脂溶液を不揮発分10%になる様、ジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶剤にて調整した。この調整して得られたプライマー塗料(B−1)の粘度は20〜40cstであった。このプライマー塗料(B−1)に、塗料中の不揮発成分100部に対し、紫外線吸収剤として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを15部配合し、プライマー塗料BB−1(以下、単に(BB−1)と略記することがある)を得た。また、プライマー塗料(B-1)に、塗料中の不揮発成分100部に対し、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを10部、ヒンダードアミン構造を有する光安定剤としてアデカスタブLA−62(旭電化工業(株)製)を10部配合し、プライマー塗料BB−2(以下、単に(BB−2)と略記することがある)を得た。
合成例1
(有機共重合体(f−1)の合成)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部に、これと共重合可能な単量体としてメチルメタクリレート58部、エチルアクリレート6部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート11部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5部、ジアセトンアルコール100部を配合し、窒素気流下に80〜90℃で5時間加熱撹拌し、粘度42,200cpsで、アルコキシシリル基20重量%を含有する有機共重合体f−1(以下、単に(f−1)と略記することがある)を得た。
参考例1
(コーティング組成物CC−1A、CC−2Aの製造)
表1および表2に示すようにメチルトリメトキシシラン(d−1)(以下、単に(d−1)と略記することがある)と3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)(以下、単に(d−2)と略記することがある)の配合率を変化させ、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加し、コーティング組成物CC−1AとCC−2A(以下、単に(CC−1A)、(CC−2A)と略記することがある)を製造した。
参考例2
(コーティング組成物CC−1B、CC−2Bの製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)と3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)との配合率を表1のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−1BとCC−2B(以下、単に(CC−1B)、(CC−2B)と略記することがある)を製造した。
参考例3
(コーティング組成物CC−3A、CC−4Aの製造)
参考例1(CC−1A),(CC−2A)の製造において3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)をジメチルジメトキシシラン(d−4)(以下、単に(d−4)と略記することがある)に替えて配合率を表2のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−3AとCC−4A(以下、単に(CC−3A)、(CC−4A)と略記することがある)を製造した。
参考例4
(コーティング組成物CC−3B、CC−4Bの製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)とジメチルジメトキシシラン(d−4)との配合率を表2のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−3BとCC−4B(以下、単に(CC−3B)、(CC−4B)と略記することがある)を製造した。
参考例5
(コーティング組成物CC−5A、CC−6Aの製造)
参考例1(CC−1A),(CC−2A)の製造において3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)をプロピルトリメトキシシラン(d−6)(以下、単に(d−6)と略記することがある)に替えて配合率を表3のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−5AとCC−6A(以下、単に(CC−5A)、(CC−6A)と略記することがある)を製造した。
参考例6
(コーティング組成物CC−5B、CC−6Bの製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)とプロピルトリメトキシシラン(d−6)との配合率を表3のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−5BBとCC−6B(以下、単に(CC−5B)、(CC−6B)と略記することがある)を製造した。
参考例7
(コーティング組成物CC−7A、CC−8A、コーティング組成物CC−7Bの製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)(以下、単に(d−1)と略記することがある)100部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いで表4に示した平均粒径のコロイダルシリカ(e)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にコロイダルシリカ(e)を84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。以後、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−7AとCC−8A(以下、単に(CC−7A)、(CC−8A)と略記することがある)、及びコーティング組成物CC−7B(以下、単に(CC−7B)と略記することがある)を製造した。
参考例8
(コーティング組成物CC−9A、CC−10Aの製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部と酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO2 30wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。その後、上記(有機共重合体(f-1)の調整)で得た共重合体を、表5に示した比率で配合し、次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(商品名信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合し塗料組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を、該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物CC−9A、CC−10A(以下、単に(CC−9A)、(CC−10A)と略記することがある)を製造した。
参考例9
(コーティング組成物CC−8B、CC−9Bの製造)
上記合成例1で得た有機共重合体(f−1)の配合率を表5のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物CC−8B,CC−9B(以下、単に(CC−8B)、(CC−9B)と略記することがある)を製造した。
以下の実施例、比較例で用いた評価、試験方法は次の通りである。
(1)全光線透過率とヘーズ:日本電色工業のヘーズメーターにて試験片の全光線透過率(%)、ヘーズ(%)を測定した。
(2)拡散率、拡散率村上色彩技術研究所(株)製自動変角光度計で透過法にて測定した。
拡散率(%) =(100) ×(20゜輝度値+70゜輝度値)/(5゜の輝度値×2)
(3)初期密着性:JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で2mm間隔に6本ずつ切れ目をいれて25個の碁盤目をつくり、市販のセロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、塗膜が全く剥離しないものを合格、1個以上の碁盤目の剥離したものを不合格とした。
(4)テーバー摩耗性:ASTM−D1044に準拠し、テーバー摩耗性試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で500回転後のヘイズ(%)を測定し、試験前のヘイズを引いた値ΔH(%)を示した。なお、ヘイズは日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH−2000にて測定した。
(5)耐候性:JIS K5400に準拠し、カーボンアーク式サンシャインウェザーメーターにて4000時間処理し、次の評価を行った。
(5−1)耐候塗膜密着性:塗膜が剥離しないものを合格、剥離したものを不合格とした。
(5−2)耐候黄変度:JIS Z―8722に準拠し、日本電色工業製分光式色彩計SE−2000にて測定した。黄変度5以下を合格、5をこえるものを不合格とした。
実施例1〜3、比較例1〜4
下記(1)〜(7)の原材料を表1に示した樹脂組成の比率で混合し、一軸のベント式押出機で押し出し、ペレット化した樹脂組成物を120℃の熱風乾燥機中で5時間以上乾燥した後、射出圧縮成形機(三菱重工(株)製1600MMIIIW、240オンス)にサンルーフ形状(600mm×400mm、厚み5mm)のモデル型を装備し、可動金型部を操作して型締めし、そして、溶融樹脂の温度を300℃、金型温度を70゜C、金型の保持圧力を50MPaに設定した後、射出速度200mm/secにてキャビティ内に溶融樹脂を射出した。そして、キャビティ内の樹脂を冷却、固化させ、次いで、型開きを行って透明合成樹脂層(A)となる成形品A−1、A−2、A−3、A−4、A−5、A−6およびA−7を取り出した。
(1)芳香族ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ユーピロンS−3000、粘度平均分子量22,000。(以下、「PC」と略記する。)
(2)ビーズ状架橋アクリル樹脂、ガンツ化成(株)製、商品名GM−0630H(非架橋性モノマー95重量%、架橋性モノマー5重量%)。(以下、単に「アクリル」と略記する。)
(3)比較例用光拡散剤としての繊維径10μm、繊維長100〜200μmのガラス繊維。(以下、「ガラス繊維」と略記する。)
(4)リン系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト。(以下、「酸化防止剤」と略記する。)
(5)窒素原子含有紫外線吸収剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール。以下、「UV剤」と略記することがある。
(6)ペンタエリスリトールテトラステアレート(以下、「PETS」と略記する。)
(7)ステアリン酸(以下、「SA」と略記する。)
次に、上記で得られた透明合成樹脂層(A)を形成する成形品A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6およびA−7に、上記製造例1で得られたにプライマー塗料BB−1を乾燥塗膜厚2〜5μmになるようにフロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、参考例1で得られたコーティング組成物CC−1Aを塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体を前記方法で評価し、評価結果を表1に示した。
実施例4、5、比較例5〜8
実施例1と全く同一方法で得られた透明合成樹脂層(A)を形成する成形品A−1に、実施例1と同様にプライマー塗料BB−1を乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、表2に示す参考例1および2のコーティング組成物CC−2A,CC−1B,CC−2Bを塗布し、実施例1と同様にして硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示した。
実施例6、7、比較例9〜10
実施例1同一樹脂組成で、透明合成樹脂層(A)を形成する成形品A−1に、実施例1と同様にプライマー塗料BB−2を乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、表3に示す参考例3および4のコーティング組成物CC−3A、CC−4A、CC−3B、CC−4Bを塗布し、実施例1と同様にして硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示した。
実施例8、9、比較例11〜12
実施例1と全く同一方法で得られた透明合成樹脂層(A)を形成する成形品A−1に、実施例1と同様に、プライマー塗料BB−2を乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、表4に示す参考例5および6のコーティング組成物CC−5A、CC−6A、CC−5B、CC−6Bを塗布し、実施例1と同様にして硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表4示した。
実施例10、11、比較例13
実施例1と全く同一方法で得られた透明合成樹脂層(A)を形成する成形品A−1に、プライマー塗料BB−2を乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、参考例7のコーティング組成物CC−7A、CC−8A、CC−7Bを塗布し、実施例1と同様にして硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表5に示した。
実施例12、13、比較例14〜15
実施例1と全く同一方法で得られた透明合成樹脂層(A)を形成する成形品A−1に、プライマー塗料BB−2を実施例1と同様に乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、表6に示した参考例8,9のコーティング組成物CC−9A、CC−10A、CC−8B、CC−9Bを塗布し実施例1と同様にして硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表6に示した。
Figure 2006051655
Figure 2006051655
(表3)
Figure 2006051655
(表4)
Figure 2006051655
(表5)
Figure 2006051655
(表6)
Figure 2006051655
本発明の合成樹脂積層体からなる自動車用サンルーフの成形品の概要を示す平面図。 図1A−A切断断面の説明図。
符号の説明
1 透明合成樹脂層
2 プライマー塗膜層
3 硬化皮膜層
4 ブラックアウト印刷部

Claims (16)

  1. 透明合成樹脂(a)100重量部に対して、透明性微粒子の平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)1〜30重量部が添加分散され、かつ炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸(c)0〜2重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル(d)0.01〜1重量部、及びリン系酸化防止剤(e)0.001〜1重量部、並びに窒素原子含有紫外線吸収剤(f)0.01〜1重量部を含有した射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成され、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂製積層体(D)。
  2. 平均粒子径0.2〜20μmのビーズ状架橋アクリル樹脂(b)は、非架橋性モノマー70〜99重量%に架橋性モノマー1〜30重量%を配合し懸濁重合して得られるものであることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製積層体(D)。
  3. 透明合成樹脂層(A)を構成する合成樹脂が、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂製積層体(D)。
  4. プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  5. プライマー塗膜層(B)に、更に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  6. 硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成物(CC)からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
    (イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
    (化1)
    1 nSi(OR24-n (1)
    (式(1)中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
    (ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
    (ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
    (二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
    および
    (ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
  7. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1は炭素数1〜8の置換基又は非置換の一価の炭化水素基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする請求項6記載の合成樹脂製積層体(D)。
  8. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項6記載の合成樹脂製積層体(D)。
  9. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする請求項6記載の合成樹脂製積層体(D)。
  10. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項6記載の合成樹脂製積層体(D)。
  11. 無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカ(e)からなるコーティング組成物(CC)であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  12. 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  13. 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  14. 透明合成樹脂層(A)が、射出圧縮成形により形成された成形体からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  15. プライマー塗装層(B)と透明合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面に、熱線回路、アンテナ、ブラックアウト等の印刷部を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)からなる磨りガラス調車輌用窓ガラス。
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