JP2008248089A - 光拡散性樹脂組成物及び光拡散性樹脂板 - Google Patents

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Abstract

【課題】押出成形時の目ヤニやリップカスの発生が抑制された光拡散性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体を96〜99.9質量%及び分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体を0.1〜4質量%の割合で重合させてなり、重量平均粒子径が1〜40μmである架橋重合体粒子(B)とで、光拡散性樹脂組成物を構成する。この組成物は、熱可塑性樹脂(A)及び架橋重合体粒子(B)の合計量100質量部あたり、熱可塑性樹脂(A)の含有量が60〜99.5質量部であり、架橋重合体粒子(B)の含有量が0.5〜40質量部であり、熱可塑性樹脂(A)の屈折率(NA)と架橋重合体粒子(B)の屈折率(NB)との差(│NA−NB│)が0.005以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光拡散樹脂組成物及びこの光拡散性樹脂組成物を用いてなる光拡散性樹脂板に関する。
プロジェクションテレビの透過型スクリーンや液晶テレビのバックライトの部材に用いられる光拡散板としては、熱可塑性樹脂にこれと屈折率が異なる粒子を分散させてなる光拡散性樹脂組成物の単層板や、この光拡散性樹脂組成物を基材層に積層してなる多層板が好ましく用いられている。例えば、特開2000−221601号公報(特許文献1)には、上記粒子として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂の如き熱可塑性樹脂からなるものや、ガラスビーズ、シリコーン系ビーズを用いることが開示されている。
特開2000−221601号公報
上記の如き光拡散性樹脂板は、通常、押出成形により製造されるが、その際、押出機の溶融樹脂出口部に、樹脂分解物からなる目ヤニやリップカスと呼ばれる汚れが発生し、その汚れが製品に混入するという問題が生じることがある。そのため、定期的に製造を停止して、上記出口部を清掃する必要が生じ、生産性の低下を招くことがある。
そこで、本発明者は、上記の目ヤニやリップカスの発生を抑制することを目的に、鋭意検討した結果、光拡散性樹脂組成物として、熱可塑性樹脂(A)と所定の架橋重合体粒子(B)を含有するものを用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体を96〜99.9質量%及び分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体を0.1〜4質量%の割合で重合させてなり、重量平均粒子径が1〜40μmである架橋重合体粒子(B)とを含有し、熱可塑性樹脂(A)及び架橋重合体粒子(B)の合計量100質量部あたり、熱可塑性樹脂(A)の含有量が60〜99.5質量部であり、架橋重合体粒子(B)の含有量が0.5〜40質量部であり、熱可塑性樹脂(A)の屈折率(NA)と架橋重合体粒子(B)の屈折率(NB)との差(│NA−NB│)が0.005以上であることを特徴とする光拡散性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明によれば、上記光拡散性樹脂組成物からなる光拡散性樹脂板が提供され、さらには、上記光拡散性樹脂組成物が基材層の少なくとも一方の面に積層されてなる光拡散性積層樹脂板も提供される。
本発明の光拡散性樹脂組成物を用いることで、押出成形時の目ヤニやリップカスの発生を抑制することができ、これら汚れの表面への付着が防止された光拡散性樹脂板を生産性よく製造することができる。
本発明の光拡散性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と所定の架橋重合体粒子(B)とを必須に含有するものである。
熱可塑性樹脂(A)としては、透明性の高い樹脂が好適であり、例えば、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などが用いられる。中でも、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂が好ましく用いられる。
メタクリル酸メチル系樹脂は、メタクリル酸メチルを主体とする重合体であり、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチル50質量%以上とこれ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。共重合体である場合、メタクリル酸メチルの割合は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
メタクリル酸メチル以外の単量体は、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個以上有するものであり、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルやスチレン系単量体が好ましく用いられる。メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。スチレン系単量体の例としては、スチレンの他、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレンの如き核アルキル置換スチレン;α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンの如きα−アルキル置換スチレン;o−クロロスチレン、p−クロロスチレンの如きハロゲン化スチレンなどが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン系単量体以外の単量体の例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
スチレン系樹脂は、スチレンを主体とする重合体であり、スチレンの単独重合体であってもよいし、スチレン50質量%以上とこれ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。共重合体である場合、スチレンの割合は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
スチレン以外の単量体は、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個以上有するものであり、その例としては、メタクリル酸メチルの他、先にメタクリル酸メチル系樹脂の単量体の例として挙げたメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン以外のスチレン系単量体、並びに(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン系単量体以外の単量体と同様のものが挙げられる。
メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂は、メタクリル酸メチルとスチレンを必須の単量体とする共重合体であり、その単量体組成により、上記のメタクリル酸メチル系樹脂やスチレン系樹脂と重複しうるものである。その単量体組成は、メタクリル酸メチルが15〜85質量%、スチレンが15〜85質量%、これら以外の単量体が0〜30質量%であるのがよい。
メタクリル酸メチル及びスチレン以外の単量体は、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個以上有するものであり、その例としては、先にメタクリル酸メチル系樹脂の単量体の例として挙げたメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン以外のスチレン系単量体、並びに(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン系単量体以外の単量体と同様のものが挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状重合体を含有するものであってもよく、この場合、ゴム状重合体としては、通常、熱可塑性樹脂(A)のゴム状重合体以外の部分と屈折率が略同等のもの(屈折率差が0.005以下のもの)が用いられる。
特に熱可塑性樹脂(A)のゴム状重合体以外の部分がメタクリル酸メチル系樹脂である場合、ゴム状重合体としては、アクリルゴム粒子が好適である。アクリルゴム粒子は、ゴム成分としてアクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を含有する粒子であり、この弾性重合体のみからなる単層構造の粒子であってもよいし、この弾性重合体の層を有する多層構造の粒子であってもよい。また、この弾性重合体は、アクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、アクリル酸エステル50質量%以上とこれ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。
また、特に熱可塑性樹脂(A)のゴム状重合体以外の部分ががメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂である場合、ゴム状重合体としては、ジエン系ゴム共重合体が好適である。ジエン系単量体としては、例えば、ブタジエン、2−メチルブタジエン、2,3−ジメチルブタジエンなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でもブタジエンが好ましい。ジエン系ゴム状共重合体としては、最も一般的にはスチレン−ブタジエン共重合体ゴムが挙げられる。ジエン系ゴム状共重合体は、ランダム共重合体であってもよくブロック共重合体であってもよい。また、熱可塑性樹脂(A)のゴム状重合体以外の部分の単量体成分がグラフト重合したものであってもよい。
熱可塑性樹脂(A)は、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などにより製造することができる。
架橋重合体粒子(B)は、全単量体を基準として、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体を96〜99.9質量%及び分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体を0.1〜4質量%の割合で重合させてなるものであり、好ましくは上記単官能単量体を97.5〜99.9質量%及び上記多官能単量体を0.1〜2.5質量%の割合で重合させてなるものであり、より好ましくは上記単官能単量体を98.5〜99.9質量%及び上記多官能単量体を0.1〜1.5質量%の割合で重合させてなるものである。多官能単量体の量が少なすぎると、粒子の架橋程度が十分でなく、押出成形において熱や剪断がかかった場合に粒子が大きく変形し易く、結果として所望の光拡散効果が得られ難くなる。また、多官能単量体の量が多すぎると、押出成形時に目ヤニやリップカスが発生し易くなる。
単官能単量体の例としては、メタクリル酸メチルの他、先にメタクリル酸メチル系樹脂の単量体の例として挙げたメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン以外のスチレン系単量体、並びに(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン系単量体以外の単量体と同様のものが挙げられる。架橋重合体粒子(B)として、例えば、メタクリル酸メチル系のものを得る場合、全単量体を基準に、多官能単量体を上記所定量としたうえで、メタクリル酸メチルを50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上とすればよい。また、スチレン系のものを得る場合、全単量体を基準に、多官能単量体を上記所定量としたうえで、スチレンを50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上とすればよい。また、メタクリル酸メチル−スチレン系のものを得る場合、全単量体を基準に、多官能単量体を上記所定量としたうえで、メタクリル酸メチルを15質量%以上、スチレンを15質量%以上とするのがよい。
多官能単量体としては、例えば、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレンエチレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレンエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートの如き多価アルコールのメタクリレート類;1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレンエチレングリコールジアクリレート、テトラプロピレンエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの如き多価アルコールのメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレーの如き芳香族多官能化合物などが挙げられる。かかる多官能単量体はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
架橋重合体粒子(B)の重量平均粒子径は、光拡散性能の観点から、1〜40μmであり、好ましくは3〜20μmであり、より好ましくは5〜15μmである。かかる架橋重合体粒子(B)は、例えば、懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などにより製造することができる。
本発明の光拡散性樹脂組成物における熱可塑性樹脂(A)と架橋重合体粒子(B)との含有割合は、熱可塑性樹脂(A)及び架橋重合体粒子(B)の合計量100質量部あたり、熱可塑性樹脂(A)が70〜99.5質量部、好ましくは75〜99質量部、より好ましくは77〜98質量部であり、架橋重合体粒子(B)が0.5〜30質量部、好ましくは、1〜25質量部、より好ましくは2〜23質量部である。架橋重合体粒子(B)の量があまり多いと、光拡散性樹脂組成物の流動性が不十分となり、溶融押出成形にて外観不良などの不具合が生じ易くなる。また、架橋重合体粒子(B)の量があまり少ないと、所望の光拡散性能が得られ難くなる。
また、熱可塑性樹脂(A)の屈折率(NA)と架橋重合体粒子(B)の屈折率(NB)との差(|NA−NB|)は、0.005以上である。この屈折率差があまり小さいと、所望の光拡散性能が得られ難くなる。
なお、本発明の光拡散性樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの各種添加剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
本発明の光拡散性樹脂組成物は、例えば、熱可塑性樹脂(A)及び架橋重合体粒子(B)を混合することにより製造でき、添加剤を含有させる場合には、添加剤と共に混合してもよい。また、溶融温度以上の温度で溶融混練することにより製造することもできる。
かかる本発明の光拡散性樹脂組成物を成形することで、樹脂成形体を得ることができる。光拡散性樹脂組成物を成形する方法としては、例えば、押出成形法、多層押出成形法、異型押出成形法などが挙げられる。
上記樹脂成形体の形状を板状にすることで、本発明の光拡散性樹脂板を得ることができる。この光拡散性樹脂板は、本発明の光拡散性樹脂組成物からなる単層板であってもよいし、基材層の片面又は両面に、本発明の光拡散性樹脂組成物からなる表面層が積層されてなる積層板であってもよい。単層板とする場合、その厚みは光学特性に応じて設定されるが、通常0.05〜6mm程度であり、好ましくは0.1〜5mmである。
積層板とする場合、基材層を構成する樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などが用いられる。かかる基材層の少なくとも一方の面に、本発明の光拡散性樹脂組成物からなる表面層が積層されるが、その厚みは、基材層の両面に積層する場合はそれぞれの厚みとして、通常10〜2000μm程度であり、好ましくは20〜1000μm、より好ましくは40〜800μmである。また、基材層の厚みは、通常0.05〜6mm程度であり、好ましくは0.1〜5mmである。なお、基材層は、必要に応じて、先に光拡散性樹脂組成物の添加剤として挙げたものと同様の添加剤を含有していてもよい。また、基材層に光拡散性樹脂組成物を含有させることもできる。
かかる光拡散性積層樹脂板は、例えば、共押出成形法や異型押出成形法などにより、製造することができる。共押出成形法により光拡散性積層樹脂板を製造するには、例えば基材層を構成する樹脂と、本発明の光拡散性樹脂組成物とを共押し出しすればよい。共押し出しするには、例えば基材層を構成する樹脂と、本発明の光拡散性樹脂組成物とをそれぞれ別個の押出機で加熱し、溶融混練しながら共押出用のダイから押し出し、積層一体化させればよい。押出機としては、例えば一軸押出機や二軸押出機などを用いることができる。共押出用ダイとしては、例えばフィードブロックダイやマルチマニホールドダイなどを用いることができる。ダイから押し出し、積層一体化された後、通常は冷却ロールに挟み込んで冷却することで、目的の光拡散性積層樹脂板を得ることができる。このとき、通常は押出用ダイの樹脂出口リップ部に目ヤニやリップカスという茶褐色の樹脂分解物が生成付着し問題となるが、本発明の光拡散性樹脂組成物を用いることで目ヤニやリップカスを低減することが可能となる。
基材層に添加剤を含有させる場合、基材層を構成する樹脂に添加剤を配合して共押し出しすればよい。添加剤は通常の方法で配合することができ、例えば押出機で樹脂に添加剤を加えて溶融混練すればよい。また本発明の光拡散性樹脂組成物として添加剤を含有するものを用いる場合には、光拡散性樹脂組成物に添加剤を配合して共押し出しすればよく、例えば光拡散性樹脂組成物に添加剤を加えて押出機で溶融混練すればよい。
こうして得られる本発明の光拡散性樹脂板ないし光拡散性積層樹脂板は、例えば、プロジェクションテレビのスクリーン部材であるフレネルレンズシート原反やレンチキュラーレンズシート原反として好適に用いることができる。また、液晶ディスプレイのバックライト用拡散板としても好適に用いることができる。これらの場合、通常、光拡散性積層樹脂板が選択されることが多い。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては、以下の2種類を用いた。
〔樹脂(1)〕
スチレン/ブタジエン=25/75(質量比)のランダム共重合体〔日本エラストマー(株)製、タフデンL208A〕6.7質量部に対して、メタクリル酸メチル53.2質量部、スチレン40.1質量部及び重合開始剤を混合し、二段式攪拌型連続反応装置を用いて、150℃にて225秒滞留させて部分重合させた。得られた部分重合体を別の重合槽に移し、さらに重合開始剤、懸濁安定剤及び水を添加し、攪拌しながら懸濁重合を行い、重合を完結させた。得られたスラリーを洗浄、ろ過し、ゴム状共重合体が分散した樹脂(1)を得た。樹脂(1)の押出成形により得られた3mm厚の全光線透過率(JIS K7361に準拠して測定)及び曇価(JIS K7136−1に準拠して測定)は、それぞれ91%及び2%であった。また、屈折率(JIS K7142に準拠して測定)は、1.535であった。
〔樹脂(2)〕
塊状重合によって得られたメタクリル酸メチル/スチレン=20/80(質量比)の共重合体樹脂を樹脂(2)として使用した。樹脂(2)の押出成形により得られた3mm厚の全光線透過率(JIS K7361に準拠して測定)及び曇価(JIS K7136−1に準拠して測定)は、それぞれ90%及び0.5%であった。また、屈折率(JIS K7142に準拠して測定)は、1.57であった。
架橋重合体粒子としては、以下のものを用いた。屈折率は、JIS K7142に準拠して測定した。
粒子(1):メタクリル酸メチル/ジビニルベンゼン=95/5(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.49、重量平均粒子径10μm)。
粒子(2):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=68/22/10(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.525、重量平均粒子径11μm)。
粒子(3):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=68/27/5(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.525、重量平均粒子径11μm)。
粒子(4):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=68/31.5/0.5の共重合体粒子(屈折率1.525、重量平均粒子径11μm)。
粒子(5):メタクリル酸メチル/スチレン/エチレングリコールジメタクリレート=63/32/5(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.525、重量平均粒子径11μm)。
粒子(6):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=32/58/10(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.56、重量平均粒子径8μm)。
粒子(7):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=32/63/5(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.56、重量平均粒子径8μm)。
粒子(8):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=32/65/3(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.56、重量平均粒子径8μm)。
粒子(9):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=32/66/2(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.56、重量平均粒子径8μm)。
粒子(10):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=32/67/1(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.56、重量平均粒子径8μm)。
粒子(11):メタクリル酸メチル/スチレン/ジビニルベンゼン=32/67.5/0.5(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.56、重量平均粒子径8μm)。
実施例1〜5、比較例1〜8
〔光拡散性樹脂組成物の製造〕
表1に示す種類の熱可塑性樹脂及び架橋重合体粒子を表1に示す質量比で、室温にてポリ袋の中で攪拌し混合した後、押出機(一軸式、スクリュー径φ40mm、ベント付き、田辺プラスチックス機械製)にて加熱しながら樹脂温度約230℃にて溶融混練し、ストランドダイから押し出された樹脂ストランドをペレタイザー装置でカットして、ペレット形状に加工した光拡散性樹脂組成物を得た。
〔積層押出樹脂板の製造〕
まず、2種2層分配型のマルチマニホールドダイのリップ表面をヘラ及び布で綺麗に洗浄した。次いで、表1に示す種類の熱可塑性樹脂を、第一の押出機(一軸式、スクリュー径φ40mm、ベント付き、田辺プラスチックス機械製)にて、約250℃で加熱しながら溶融混練して、上記マルチマニホールドダイに供給した。また、表1に示す熱可塑性樹脂を、第二の押出機(一軸式、スクリュー径φ20mm、ベント付き、田辺プラスチックス機械製)にて、その洗浄を目的として、約250℃で加熱しながら溶融混練して、上記マルチマニホールドダイに供給し、第二の押出機が十分洗浄されたことを確認した後、先に得た光拡散性樹脂組成物を、この第二の押出機にて250℃で加熱しながら溶融混練して、上記マルチマニホールドダイに供給した。こうして、第一の押出機で溶融混練されて供給される熱可塑性樹脂が基材層となり、その片面に第二の押出機で溶融混練されて供給される光拡散性樹脂組成物が表層として積層された2層構成となるように、上記マルチマニホールドダイの温度を265℃として、共押出成形を行い、光拡散性積層樹脂板を得た。
押し出された積層樹脂板は、第一冷却ロールと第ニ冷却ロールとの間に挟み込み、第二冷却ロールに密着して巻きつけながら、第二却ロールと第三冷却ロールとの間に挟み込み、第三冷却ロールに密着して巻きつけて冷却した。第一冷却ロール、第ニ冷却ロール及び第三冷却ロールは、それぞれステンレス製φ25cmで、表面をクロムメッキ処理後に鏡面仕上げしたものを用いた。積層樹脂板の総厚は約1.8mmであり、表層厚は約0.2mmであった。
〔汚れ発生開始時間の評価〕
上記の共押出成形において、上記マルチマニホールドダイのリップ部から光拡散性樹脂組成物が出始めた時点から、すなわち光拡散性積層樹脂板の製造開始時点から、ストップウォッチにて、リップ部に目ヤニ又はリップカスが1個出現するまでの時間(分)を計測した。結果を表1に示す。
〔光拡散性能の評価〕
上記の汚れ発生開始時間の評価時に得られた光拡散性樹脂板について、蛍光灯をバックに光を透過させ、拡散の程度を目視で判定し、良好なものを○、不十分なものを×とした。結果を表1に示す。
Figure 2008248089

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、分子内にラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能単量体を96〜99.9質量%及び分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能単量体を0.1〜4質量%の割合で重合させてなり、重量平均粒子径が1〜40μmである架橋重合体粒子(B)とを含有し、
    熱可塑性樹脂(A)及び架橋重合体粒子(B)の合計量100質量部あたり、熱可塑性樹脂(A)の含有量が60〜99.5質量部であり、架橋重合体粒子(B)の含有量が0.5〜40質量部であり、
    熱可塑性樹脂(A)の屈折率(NA)と架橋重合体粒子(B)の屈折率(NB)との差(│NA−NB│)が0.005以上であることを特徴とする光拡散性樹脂組成物。
  2. 架橋重合体粒子(B)が、前記単官能単量体を98.5〜99.9質量%及び前記多官能単量体を0.1〜2.5質量%の割合で重合させてなるものである請求項1に記載の光拡散性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂(A)が、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、及びメタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂から選ばれるものである請求項1又は2に記載の光拡散性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物からなる光拡散性樹脂板。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物が基材層の少なくとも一方の面に積層されてなる光拡散性積層樹脂板。
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