JP2005202097A - 多層光拡散板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的簡便な方法で、表面を荒らすことなく製造でき、反りの発生しにくい多層光拡散板(A)を提供する。
【解決手段】 本発明の多層光拡散板(A)は、メタクリル酸メチル樹脂などの熱可塑性樹脂(B1)中に光拡散剤(B2)が分散された光拡散層(B)の両面に、互いに同じメタクリル酸メチル樹脂などの透明熱可塑性樹脂(C1)からなる透明層(C)が共押出成形により積層一体化されている。背面投影スクリーン(E)として好適である。熱可塑性樹脂(B1)に光拡散剤(B2)が分散された光拡散性熱可塑性樹脂(B0)と、透明熱可塑性樹脂(C1)とを、それぞれ溶融温度以上に加熱して溶融し、光拡散性熱可塑性樹脂(B0)から形成される層(B)の両面に、透明熱可塑性樹脂(C1)から形成される層(C)が積層されるように、共押出成形用ダイ(1)から共押出し、積層一体化して製造される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層光拡散板に関する。
例えば図1に示すように、熱可塑性樹脂(B1)中に光拡散剤(B2)が分散された光拡散層(B)を有し、この光拡散層(B)に、透明熱可塑性樹脂からなる透明層(C)が積層一体化された多層光拡散板(A)は、背面投影型の画像表示装置(D)に組み込まれて用いられる背面投影スクリーン(E)として有用である。背面投影型画像表示装置(D)とは、例えば図2に示すように背面投影スクリーン(E)と、その背面側に配置された投影装置(F)から構成され、投影装置(F)から背面投影スクリーン(E)の背面に投影された画像を表側から見るための画像表示装置(D)である。
このような多層光拡散板(A)として、特許文献1〔特開昭56−151560号公報〕には、透明メタクリル樹脂板(C)を用いてセルを構成しておき、このセルに、光拡散剤(B2)を含むメタクリル樹脂シロップを注液し、重合させるキャスト重合法によって、シロップから形成される光拡散層(B)を透明メタクリル樹脂板(C)に積層一体化して得られる多層光拡散板(A)が開示されている。
特許文献2〔特開平3−236958号公報〕には、熱可塑性樹脂(B1)に光拡散剤(B2)が分散された基板(B)を用い、この基板(B)に、透明熱可塑性樹脂フィルム(C)が接着により積層一体化された多層光拡散板(A)が開示されている。
特許文献3〔実用新案登録第3093398号公報〕には、透明熱可塑性樹脂(B1)に光拡散剤(B2)が分散された光拡散板(B)に透明板(C)を接着により積層一体化した多層光拡散板(A)が開示されている。
特許文献4〔特開平6−18991号公報〕には、光拡散剤(B2)が分散された光拡散層(B)の片面に、共押出成形法により透明層(C)を形成した2層構成の光拡散板(A)が開示されている。
しかし、特許文献1〜特許文献3に記載の多層光拡散板(A)は煩雑な工程を経て製造されるものであるため、生産性に劣るという問題がある。特許文献4に記載の多層光拡散板(A)は光拡散層(B)に光拡散剤(B2)が分散されているため、光拡散層(B)と透明層(C)とで熱膨張率、吸水率などが異なるのが通常であり、使用中の温度変化、湿度変化などによって反りが生じ易いという問題があって、特に光拡散層(B)の透明熱可塑性樹脂や、透明層(C)の熱可塑性樹脂としてメタクリル樹脂を用いた場合には吸湿による反りが大きい。また、共押出成形により光拡散層(B)が形成される際に、光拡散剤(B2)によって光拡散層(B)側の表面が荒れてしまうという問題もあった。表面が荒れてしまったのでは、投影光の無用な散乱を引き起こし、背面投射スクリーンとして使用したときに映し出される画像の画質を低下させてしまう。
特開昭56−151560号公報 特開平3−236958号公報 実用新案登録第3093398号公報 特開平6−18991号公報 特公昭55−27576号公報 特開平1−252653号公報 特開平6−80739号公報
そこで本発明者は、比較的簡便な方法で、表面を荒らすことなく製造でき、反りの発生しにくい多層光拡散板を開発するべく鋭意検討した結果、光拡散層の両面に、互いに同じ透明熱可塑性樹脂からなる透明層を共押出成形により積層一体化した多層光拡散板は、共押出成形により比較的簡単に製造でき、また光拡散層の両面に透明層が積層されているので製造過程で表面が荒れる畏れもなく、さらに両面の透明層は互いに同じ熱可塑性樹脂からなるので反りにくいことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(B1)中に光拡散剤(B2)が分散された光拡散層(B)の両面に、互いに同じ透明熱可塑性樹脂(C1)からなる透明層(C)が共押出成形により積層一体化されてなることを特徴とする多層光拡散板(A)を提供するものである。図1に本発明の多層光拡散板(A)の一例を模式的に示す。
本発明の多層光拡散板は、比較的簡便に生産性よく製造でき、製造過程で表面が荒れにくく、また使用中に反りが生じにくい。
以下、図1を用いて本発明の多層光拡散板(A)について説明する。本発明の多層光拡散板(A)は、光拡散層(B)と透明層(C)とからなる。
光拡散層(B)は、透明熱可塑性樹脂(B1)に光拡散剤(B2)が分散された層である。透明熱可塑性樹脂(B1)としては、例えばメタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
メタクリル酸メチル樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50質量%以上含む樹脂であって、実質的にメタクリル酸メチルの単独重合体であるポリメタクリル酸メチルのほか、メタクリル酸メチルと共重合可能な不飽和単量体との共重合体も挙げられる。不飽和単量体としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル類、
メタクリル酸、アクリル酸などの不飽和酸類、
スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。中でもアクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどをはじめとするアクリル酸エステル類が好ましい。また、この共重合体は、無水グルタル酸単位やグルタルイミド単位を含んでいてもよい。
光拡散剤(B2)としては通常、透明熱可塑性樹脂(B1)とは屈折率が異なる粒子が用いられる。具体的には透明熱可塑性樹脂の屈折率(n1)と光拡散剤の屈折率(n2)との差(Δn=|n1−n2|)が0.02以上であることが、光を十分に拡散できる点で好ましい。また、この差(Δn)が0.2以下であることが、十分な透過光量となって明るい画像が得られる点で好ましい。
光拡散剤(B2)の平均粒子径は通常1μm〜100μm程度である。平均粒子径が1μm未満では可視光の散乱が過度になって好ましくなく、また100μmを超えると、可視光を十分に拡散するための使用量が多くなる傾向にあるばかりか、多層光拡散板(A)の機械的強度を低下させることがあるため、好ましくない。
光拡散剤は無機化合物からなる無機光拡散剤であってもよいし、有機化合物からなる有機光拡散剤であってもよい。無機光拡散剤としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが挙げられ、これらは脂肪酸などで表面処理が施されたものであってもよい。有機光拡散剤としては、例えばスチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等が挙げられ、重量平均分子量が50万〜500万の高分子量重合体粒子や、アセトンに溶解させたときのゲル分率が10%以上の架橋重合体粒子が好適に用いられる。これらの光拡散剤はそれぞれ単独で、または必要に応じて2種以上を組み合わせて用いられる。
スチレン系重合体粒子としては、単量体単位としてラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有するスチレン系の単官能単量体単位を50重量%以上含む重合体粒子が挙げられ、例えばスチレン系単官能単量体だけを重合させて得られる高分子量重合体粒子、スチレン系単官能単量体と他の単官能単量体を共重合させて得られる高分子量重合体粒子、スチレン系単官能単量体と、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体を共重合させて得られる架橋重合体粒子、スチレン系単官能単量体と他の単官能単量体と多官能単量体を重合させて得られる架橋重合体粒子などが用いられる。
スチレン系単官能単量体としては、スチレンの他、クロロスチレン、ブロモスチレンのようなハロゲン化スチレン類、
ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキルスチレン類などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。スチレン系重合体粒子におけるスチレン系単官能単量体以外の他の単官能単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸エステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類、アクリロニトリルなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。多官能単量体としては、例えば、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートのような多価アルコール類のメタクリル酸エステル類、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートのような多価アルコール類のアクリル散エステル類、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートのような芳香族多官能単量体などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
スチレン系重合体粒子を得るための重合方法としては、目的とする平均粒子径を得るために懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などから選ばれる重合方法が採用される。
スチレン系重合体粒子の屈折率は、単量体単位の成分、組成比などにもよるが、通常は1.53〜1.61程度であり、一般的に単量体単位として、フェニル基を有する単量体単位やハロゲノ基を有する単量体単位を多く含むほど、屈折率が大きくなる傾向にある。
アクリル系重合体粒子としては、単量体単位としてアクリル系単官能単量体単位を50重量%以上含む重合体粒子が挙げられ、例えばアクリル系単官能単量体だけを重合させて得られる高分子量重合体粒子、アクリル系単官能単量体とアクリル系単官能単量体以外の他の単官能単量体を共重合させて得られる高分子量重合体粒子、アクリル系単官能単量体と多官能単量体を共重合させて得られる架橋重合体粒子、アクリル系単官能単量体と他の単官能単量体と多官能単量体を共重合させて得られる架橋重合体粒子などが挙げられる。
アクリル系単官能単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸エステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類、
メタクリル酸、アクリル酸などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
アクリル系単官能単量体以外の他の単官能単量体としては、前記スチレン系重合体粒子におけるスチレン系単官能単量体と同様の単官能単量体のほか、アクリロニトリルなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
多官能単量体としては、スチレン系重合体粒子にいて上記したと同様のものが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
アクリル系重合体粒子を得るための重合方法としては、通常、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などが採用される。
アクリル系重合体粒子の屈折率は、単量体単位の種類、組成比などにもよるが、通常は1.46〜1.55程度であり、一般的に単量体単位として、フェニル基を有する単量体単位やハロゲノ基を有する単量体単位を多く含むほど、屈折率が大きくなる傾向にある。
シロキサン系重合体粒子としては、一般的にシリコーンゴムと呼称されるものや、シリコーンレジンと呼称されるものであって、常温で固体状のものが用いられる。シロキサン系重合体は、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン類を加水分解、縮合することによって、製造することができる。このようにして得られた重合体は、さらに過酸化ベンゾイル、過酸化−2,4−ジクロルベンゾイル、過酸化−p−クロルベンゾイル、過酸化ジキュミル、過酸化ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのような過酸化物を作用させることにより架橋させてもよいし、また末端にシラノール基を有するものであれば、アルコキシシラン類などと縮合架橋させてもよい。このような重合体の中でも、珪素原子1個あたりに有機基が2〜3個結合した架橋重合体が好ましい。
シロキサン系重合体粒子は、例えばシロキサン系重合体を機械的に微粉砕することにより得てもよいし、その製造の際、特開昭59−68333号公報に記載されているように、線状オルガノシロキサンブロックを有する硬化性重合体またはその組成物を噴霧状態で硬化させることにより球状粒子として得てもよいし、特開昭60−13813号公報に記載されているようにアルキルトリアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物をアンモニアまたはアミン類の水溶液中で、加水分解・縮合させることにより、球状粒子として得てもよい。シロキサン系重合体粒子の屈折率は、単量体単位の種類、組成比などにもよるが、通常は1.40〜1.47程度であり、一般的に単量体単位として、フェニル基を有する単量体単位を多く含むほど、また珪素原子に直結した有機基を多く有するほど、屈折率が大きくなる傾向にある。
光拡散層(B)における光拡散剤(B2)の含有量は、用いる透明熱可塑性樹脂(B1)と光拡散剤(B2)との屈折率の差(Δn)、光拡散剤(B2)の平均粒子径、光拡散層(B)の厚み(tB)を勘案して、目的とする光拡散性に応じて適宜選択されるが、例えば透明熱可塑性樹脂(B1)100質量部あた0.1質量部〜10質量部程度である。
光拡散層(B)は、光拡散剤(B2)のほかに、例えば硬質のアクリル重合体からなる硬質層と、ゴム弾性層とを有する多層構造アクリル重合体が分散されていてもよい。多層構造アクリル重合体としては通常、最外層が硬質層であるものが用いられ、硬質層、ゴム弾性層は、それぞれ1層でもあってもよいし、2層以上でもよい。具体的には、例えばゴム弾性を有するアクリル重合体を硬質のアクリル重合体で覆ったもの、硬質のアクリル重合体をゴム弾性を有するアクリル重合体で覆い、さらに硬質のアクリル重合体で覆ったものなどが挙げられる。多層構造アクリル重合体におけるゴム弾性層の占める割合は通常、20質量%〜60質量%程度である。
ゴム弾性層としては、ガラス転移温度が25℃未満でゴム弾性を有するアクリル重合体を用いることができる。ゴム弾性を有するアクリル重合体は、例えばアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、低級アルコキシアクリル酸エステル、シアノアクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシ低級アルキル、メタクリル酸ヒドロキシ低級アルキルなどの単官能単量体をメタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールジメタクリル酸エステルなどの多官能単量体と共重合させて得ることができる。単官能単量体および多官能単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬質層としては、ガラス転移温度が25℃以上で硬質のアクリル重合体を用いることができる。硬質のアクリル重合体重合体は、炭素数が1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを重合させて得ることができ、必要に応じて、他のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、スチレン、アクリロニトリルなどの単官能単量体や、上記したと同様の多官能単量体と共重合させて得えてもよい。
かかる多層構造アクリル重合体の製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば特許文献5〔特公昭55−27576号公報〕、特許文献6〔特開平1−252653号公報〕、特許文献7〔特開平6−80739号公報〕などに記載されている。
多層構造アクリル系重合体を用いる場合、その使用量は透明熱可塑性樹脂100重量部に対して、シートの耐衝撃性の点から、通常5重量部以上、好ましくは10重量部以上であり、また、シートの表面硬度の点から、通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下である。
光拡散層(B)は、光拡散層を構成する透明樹脂の透明性を損なわない範囲で、例えば染料、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤などの添加剤を含有していてもよい。
かかる光拡散層(B)の厚み(tB)は通常0.2mm〜5mmである。厚み(tB)が0.2mm未満では、十分な光拡散性を有するためには光拡散剤(B2)の含有量が多くなり過ぎ、後述する共押出成形の際に共押出しが困難となる傾向にあり、また前面に亙って均一な光拡散性の多層光拡散板を得にくくなる傾向にあり、好ましくない。また5mmを超えたのでは、背面投射スクリーンとして用いたときに、投射される画像が不鮮明になり易く、好ましくない。
本発明の多層光拡散板(A)は、このような光拡散層(B)の両面に透明層(C)が積層一体化されている。透明層(C)は透明熱可塑性樹脂からなる透明な層である。透明熱可塑性樹脂としては、例えば光拡散層を構成する透明熱可塑性樹脂(B1)として上記したと同様の熱可塑性樹脂が挙げられ、透明性を損なわない範囲で上記したと同様の多層構造アクリル重合体や添加剤を含有していてもよい。また、透明層(C)を構成する透明熱可塑性樹脂(C1)として、光拡散層を構成する熱可塑性樹脂(B1)と同じもの用いることは、多層光拡散板(A)のリサイクルが容易になる点で、好ましい。
透明層(C)の厚み(tC)は通常1mm〜10mm程度である。1mm未満では、多層光拡散板(A)を背面投影スクリーンとして直立させて使用した場合に自立しない傾向にあったり、投影される映像に深みが感じられない傾向にあり、好ましくない。また10mmを超えても、それに見合った効果が得にくく、経済的に不利であるばかりか、共押出成形により製造しにくくなって生産性が低下する傾向にある。光拡散層(B)の両面に積層一体化される透明層(C)の厚み(tC)は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の多層光拡散板(A)では、光拡散層(B)の両面に積層一体化される透明層(C)は、互いに同じ透明熱可塑性樹脂(C1)からなる。
これらの透明層(C)は、それぞれ光拡散層(B)に共押出成形により積層一体化されている。共押出成形により積層一体化して本発明の足そう光拡散板(A)を製造するには、例えば熱可塑性樹脂(B1)に光拡散剤(B2)が分散された光拡散性熱可塑性樹脂(B0)と、透明熱可塑性樹脂(C1)とを、それぞれ加熱して溶融し、共押出成形用ダイ(1)から共押出しすればよい。
加熱して溶融するには、通常の共押出成形と同様に2基の押出機(2B、2C)を用いればよい。2基の押出機(2B、2C)を用いて光拡散性熱可塑性樹脂(B0)と透明熱可塑性樹脂(C1)とをそれぞれ加熱して溶融する。押出機(2B、2C)としては、それぞれ一軸押出機、二軸押出機などが用いられる。2基の押出機(2B、2C)でそれぞれ別個に溶融された光拡散性熱可塑性樹脂(B0)および透明熱可塑性樹脂(C1)は、共押出成形用ダイ(1)に送られる。光拡散性熱可塑性樹脂(B0)は、あらかじめ熱可塑性樹脂(B1)に光拡散剤(B2)を分散させてから押出機(2B)に投入してもよいし、押出機(2B)に透明熱可塑性樹脂(B1)と光拡散剤(B2)とを別個に投入し、溶融して得てもよい。得られた光拡散性熱可塑性樹脂(B0)は、熱可塑性樹脂(B1)が溶融状態となっていればよく、そのままダイ(1)に送られる。光拡散層(B)に多層構造アクリル重合体や添加剤を含有させる場合には、熱可塑性樹脂(B1)および光拡散剤(B2)と共に押出機(2B)に投入してもよい。透明層(C)に多層構造アクリル重合体や添加剤を含有させる場合には、透明熱可塑性樹脂(C1)を押出機(2C)で溶融混練する際に、これら多層構造アクリル重合体や添加剤を加えてもよい。
共押出成形用ダイ(1)としては、通常の多層板を製造するために用いられると同様のTダイ、ハンガーダイなどが用いられ、具体的にはフィードブロックダイ、マルチマニホールドダイなどが用いられる。光拡散性熱可塑性樹脂(B0)および透明熱可塑性樹脂(C1)は、光拡散性熱可塑性樹脂(B0)から形成される層(B)の両面に、透明熱可塑性樹脂(C1)から形成される層(C)が積層されるように、共押出成形用ダイ(1)から共押出しされる。
かくして共押出しすることで、本発明の多層光拡散板(A)を得るが、通常は両面から、少なくとも一対の冷却ロール(3)に挟み込んで冷却する。得られた多層光拡散板(A)は、光拡散性熱可塑性樹脂(B0)から形成された層が光拡散層(B)となり、その両面に透明熱可塑性樹脂(C1)から形成された層が透明層(C)となって積層一体化されている。
本発明の多層光拡散板(A)は、光拡散層(B)の両面に、透明層(C)が共押出成形により積層一体化されているので、共押出成形用ダイ(1)を用いて共押出しする方法によって、比較的簡便に製造することができ、生産性に優れている。また、共押出成形に際して、光拡散剤(B2)を含む光拡散層(B)は、透明層(C)に挟まれた状態で共押出しされるので、光拡散剤(B2)によって表面が荒れる畏れもない。透明層(C)は、互いに同じ熱可塑性樹脂からなるので、温度変化や、吸湿による反りが生じにくく、このため、比較的大面積、例えば50cm×70cm以上、通常は3m×4m以下程度の面積で用いられる背面投影スクリーン(E)として有用である。
背面投影スクリーン(E)は、例えば図2に示すように、背面投影型画像表示装置(D)に組み込まれて用いられるスクリーンである。背面投影型画像表示装置(D)とは、背面投影スクリーン(E)と、その背面側に配置された投影装置(F)から構成され、投影装置(F)から背面投影スクリーン(E)の背面に投影された画像を表側から見る画像表示装置である。
本発明の多層光拡散板の一例を示す断面模式図である。 本発明の多層光拡散板を背面投影スクリーンとして用いた背面投影型画像表示装置の一例を示す模式図である。 本発明の多層光拡散板を製造する工程を示す模式図である。
符号の説明
A:多層光拡散板
B:光拡散層 B1:熱可塑性樹脂 B2:光拡散剤 tB:光拡散層の厚み
B0:光拡散性熱可塑性樹脂
C:透明層 C1:透明熱可塑性樹脂 tC:透明層の厚み
D:背面投影型画像表示装置 E:背面投影スクリーン F:投影装置
1:共押出成形用ダイ
2B:押出機 2C:押出機
3:冷却ロール

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂中に光拡散剤が分散された光拡散層の両面に、互いに同じ透明熱可塑性樹脂からなる透明層が共押出成形により積層一体化されてなることを特徴とする多層光拡散板。
  2. 光拡散層を構成する熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂またはポリカーボネート樹脂であり、透明層を構成する透明熱可塑性樹脂がメタクリル酸メチル樹脂である請求項1に記載の多層光拡散板。
  3. 光拡散層の厚みが0.2mm〜5mmであり、透明層の厚みが1mm〜10mmである請求項1または請求項2に記載の多層光拡散板。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多層光拡散板からなる背面投影スクリーン。
  5. 請求項4に記載の背面投影スクリーンが組み込まれた背面投影型画像表示装置。
  6. 熱可塑性樹脂に光拡散剤が分散された光拡散性熱可塑性樹脂と、透明熱可塑性樹脂とを、それぞれ加熱して溶融し、
    前記光拡散性熱可塑性樹脂から形成される層の両面に、前記透明熱可塑性樹脂から形成される層が積層されるように共押出成形用ダイから共押出して、積層し、一体化することを特徴とする請求項1に記載の多層光拡散板の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂がメタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂またはポリカーボネート樹脂であり、前記透明熱可塑性樹脂がメタクリル樹脂である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記光拡散性熱可塑性樹脂から形成される層の厚みが0.2mm〜5mmとなり、前記透明熱可塑性樹脂から形成される層の厚みが1mm〜10mmとなるように共押出成形用ダイから共押出しする請求項6または請求項7に記載の製造方法。
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