JP4274164B2 - 積層樹脂板 - Google Patents

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本発明は、吸水による変形が抑制され、耐久性に優れる積層樹脂板に関する。
スチレン系単量体単位を主成分とする樹脂からなる樹脂板は、透明性が高く、吸水が小さいため、様々な用途において使用されてきている。
しかしながら、この樹脂板は、耐久性が十分でないため、使用条件によっては、着色等の劣化が問題となることがある。
一般に樹脂の耐久性を向上させる方法の1つとして、紫外線吸収剤を配合することが知られているが〔例えば非特許文献1(「JETI」第46巻第5号(1998年発行)第116〜121頁)〕、耐久性の低い樹脂に対しては、その配合量を多くしても、十分な耐久性が得られないことがある。またその配合量を多くすることにより、コスト高や他の物性の低下を招くこともある。
特開昭59−68333号公報 特開昭60−13813号公報 「JETI」第46巻第5号(1998年発行)第116〜121頁
そこで本発明者は、吸水による変形を起こしにくく、紫外線吸収剤の使用量が比較的少なくても耐久性にも優れる積層樹脂板を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、スチレン系単量体単位の含有量が75質量%〜100質量%であり、メタクリル酸メチル単位の含有量が25質量%〜0質量%である樹脂(A)からなる層の少なくとも一方の面に、
スチレン単位の含有量が50質量%〜100質量%であり、メタクリル酸メチル単位の含有量が0質量%〜50質量%である樹脂(B)および該樹脂(B)100質量部あたり0.1質量部〜3質量部の紫外線吸収剤からなり、該紫外線吸収剤の単位面積あたりの含有量が0.2g/m〜2g/mである層が積層されてなることを特徴とする積層樹脂板を提供するものである。
本発明の積層樹脂板は、吸水による変形を起こしにくく、耐久性にも優れているので、例えば光拡散板等の用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層樹脂板は、樹脂(A)からなる層の少なくとも一方の面に、樹脂(B)からなる層が積層されてなるものである。
樹脂(A)は、スチレン系単量体単位の含有量が75〜100質量%であり、メタクリル酸メチル単位の含有量が25〜0質量%である。ここで、スチレン系単量体としては、スチレンの他、置換スチレン類を用いることもできる。該置換スチレン類としては、例えばクロロスチレン、ブロモスチレンのようなハロゲン化スチレン類、
ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキルスチレン類などが挙げられる。スチレン系単量体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
樹脂(A)の単量体単位に占めるスチレン系単量体単位およびメタクリル酸メチル単位の割合は、スチレン系単量体単位75質量%〜100質量%であり、メタクリル酸メチル単位25質量%〜0質量%であるが、好ましくはスチレン系単量体単位80質量%〜100質量%、メタクリル酸メチル単位20質量%〜0質量%であり、さらに好ましくはスチレン系単量体90質量%〜100質量%、メタクリル酸メチル単位10質量%〜0質量%である。
樹脂(A)は、スチレン系単量体単位およびメタクリル酸メチル単位以外の単量体単位を含んでいてもよい。かかる単量体としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのようなメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのようなアクリル酸エステル類、
メタクリル酸、アクリル酸のような不飽和酸類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、無水グルタル酸、グルタルイミドなどが挙げられ、これらの単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
樹脂(B)は、単量体単位としてスチレンを50質量%〜100質量%、好ましくは50質量%〜90質量%、メタクリル酸メチルを0質量%〜50質量%、好ましくは10質量%〜50質量%、それぞれ含むものである。樹脂(B)は、スチレンおよびメタクリル酸メチル以外の単量体単位を含んでいてもよく、かかる単量体としては、樹脂(A)においてスチレン系単量体として上記したと同様の単量体、並びに、スチレン系単量体およびメタクリル酸メチル以外の単量体として上記したと同様の単量体が挙げられる。
樹脂(B)からなる層は、紫外線吸収剤を含有する。この紫外線吸収剤の含有量は、樹脂(B)100質量部に対して、耐久性の点で0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上であり、紫外線吸収剤が表面にブリードして外観が損なわれない点およびコストの点で、3質量部以下、好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。また、単位面積あたりの含有量は0.2g/m〜2g/m、好ましくは0.3g/m〜1.5g/mである
なお、樹脂(A)からなる層にも紫外線吸収剤を含有させてもよいが、その場合、樹脂(A)からなる層における該樹脂(A)に対する紫外線吸収剤の含有量は、樹脂(B)からなる層における該樹脂(B)に対する紫外線吸収剤の含有量と等しいか、これよりも少なくするほうがコスト的に好ましい。
紫外線吸収剤としては、250〜320nmの範囲に極大吸収波長を有するものが好ましく、特に該極大吸収波長が250〜800nmの範囲における最大吸収波長(以下、「λmax」ということがある)であるものが、積層樹脂板の耐久性を向上させ、また紫外線吸収剤の可視光吸収による積層樹脂板の着色を抑制することもできて好ましい。また、紫外線吸収剤としては、最大吸収波長におけるモル吸光係数(εmax)が10000mol−1cm−1以上、特に15000mol−1cm−1以上であるものや、分子量(Mw)が400以下であるものが、使用重量低減の観点から好ましい。
紫外線吸収剤の種類としては、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤が好ましく、特にマロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤が、積層樹脂板の耐久性を向上させ、また紫外線吸収剤の可視光吸収による積層樹脂板の着色を抑制することもできて好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(Mw:214、λmax:288nm、εmax:14100mol−1cm−1)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Mw:228、λmax:289nm、εmax:14700mol−1cm−1)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(Mw:308、λmax:292nm、εmax:12500mol−1cm−1)、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン(Mw:326、λmax:291nm、εmax:15300mol−1cm−1)、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Mw:383、λmax:290nm、εmax:16200mol−1cm−1)、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Mw:304、λmax:289nm、εmax:15900mol−1cm−1)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(Mw:274、λmax:289nm、εmax:11800mol−1cm−1)、1,6−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ヘキサン(Mw:511、λmax:290nm、εmax:30100mol−1cm−1)、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン(Mw:483、λmax:290nm、εmax:28500mol−1cm−1)などが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えばエチル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Mw:277、λmax:305nm、εmax:15600mol−1cm−1)、2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Mw:362、λmax:307nm、εmax:14400mol−1cm−1)などが挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート(Mw:214、λmax:312nm、εmax:5000mol−1cm−1)、4−t−ブチルフェニルサリチレート(Mw:270、λmax:312nm、εmax:5400mol−1cm−1)などが挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、(2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート))−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)(Mw:629、λmax:298nm、εmax:6600mol−1cm−1)などが挙げられる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、2’,4’−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(Mw:436、λmax:267nm、εmax:20200mol−1cm−1)などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:225、λmax:300nm、εmax:13800mol−1cm−1)、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:358、λmax:312nm、εmax:14600mol−1cm−1)、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:316、λmax:354nm、εmax:14300mol−1cm−1)、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:352、λmax:305nm、εmax:15200mol−1cm−1)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:323、λmax:303nm、εmax:15600mol−1cm−1)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール(Mw:388、λmax:304nm、εmax:14100mol−1cm−1)、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Mw:323、λmax:301nm、εmax:14700mol−1cm−1)などが挙げられる。
マロン酸エステル系紫外線吸収剤としては、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類、中でも式(1)
Figure 0004274164
〔式中、Xは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕
で示される化合物が好適に用いられる。
上記一般式(1)中、Xで表されるアルキル基およびXで表されるアルコキシ基におけるアルキル基は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。Xは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であるのが好ましく、Xの置換位置は、パラ位であるのが好ましい。
また、上記一般式(1)中、RおよびRで表されるアルキル基は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。RおよびRは、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましい。
上記一般式(1)で示される化合物としては、特に2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル(Mw:250、λmax:308nm、εmax:24200mol−1cm−1)が好ましい。
オキサルアニリド系紫外線吸収剤としては、アルコキシオキサルアニリド類、中でも式(2)
Figure 0004274164
〔式中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕
で示される化合物が好適に用いられる。
上記式(2)中、RおよびRで表されるアルキル基は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。RおよびRは、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましく、また、RおよびORの置換位置は互いにオルト位であることが好ましい。
上記式(2)で示される化合物としては、特に2−エトキシ−2’−エチルオキサルアニリド(Mw:312、λmax:298nm、εmax:16700mol−1cm−1)が好ましい。
酢酸エステル系紫外線吸収剤としては、式(3)
Figure 0004274164
〔式中、Xは水素原子、アルキル基またはアルコキシル基を示し、Rはアルキル基を示す。〕
で示される化合物であることが好ましい。
置換基Xにおけるアルコキシル基は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基などの炭素数1〜6程度のアルコキシル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4程度のアルコキシル基である。アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1〜6程度のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4程度のアルキル基であり、さらに好ましくはメトキシ基である。置換基Xはアルコキシル基であることが好ましい。
置換基Rにおけるアルキル基としては、通常は炭素数1〜10程度のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−プチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜10程度のアルキル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、2−エチルヘキシル基などである。
本発明の積層樹脂板には、さらに耐久性を向上させるために、ヒンダードアミン(Hindered Amine)類、特に2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を有する化合物を含有させるのが望ましい。この場合、ヒンダードアミン類は、樹脂(A)からなる層および樹脂(B)からなる層のいずれか一方に含有させてもよいし、両方に含有させてもよい。ヒンダードアミン類の含有量は、積層樹脂板中に含有される紫外線吸収剤の、通常2質量倍以下であり、好ましくは0.01〜1質量倍である。
ヒンダードアミン類としては、例えば、コハク酸ジメチル/1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))、2−(2,3−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン/2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)や、式(4)
Figure 0004274164
〔式中、Yは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、全炭素数2〜20のカルボキシアルキル基、全炭素数2〜25のアルコキシアルキル基または全炭素数3〜25のアルコキシカルボニルアルキル基を表わす。〕
で示される化合物などが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記式(4)中、Yで表されるアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基における2つのアルキル基(アルコキシ基のアルキル基およびアルコキシ基で置換されたアルキル基)、ならびにアルコキシカルボニルアルキル基における2つのアルキル基(アルコキシ基のアルキル基およびアルコキシカルボニル基で置換されたアルキル基)は、それぞれ直鎖状であっても分岐状であってもよい。Yは、水素原子または全炭素数5〜24のアルコキシカルボニルアルキル基であるのが好ましく、水素原子またはアルコキシカルボニルエチル基であるのがさらに好ましい。該アルコキシカルボニルエチル基としては、例えば、ドデシルオキシカルボニルエチル基、テトラデシルオキシカルボニルエチル基、ヘキサデシルオキシカルボニルエチル基、オクタデシルオキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
本発明の積層樹脂板は、光拡散剤を含有させることにより、光拡散板として好適に採用することができる。光拡散板の代表的な用途として、冷陰極管やLED光源のような光源とともに光源装置を構成する光拡散性部材、例えば、照明看板、照明カバー、ディスプレイ用光拡散板等が挙げられるが、この用途では、光源の点灯・消灯による温度変化により、光拡散板の吸水率が変動しやすい環境にある。このため、従来の光拡散板では、例えば液晶ディスプレイ用途においては、反りやうねり等の変形による液晶セル等の部材への悪影響、照明カバー用途においては、変形に伴い「ミシッ」、「パキッ」といった異音の発生が問題となることが多かったが、本発明の積層樹脂板からなる光拡散板であれば、これらの問題を回避することができる。
光拡散剤は、樹脂(A)からなる層および樹脂(B)からなる層のいずれか一方に含有させてもよいし、両層に含有させてもよいが、少なくとも樹脂(A)からなる層に含有させるのが望ましい。光拡散剤の使用量は、樹脂(A)からなる層に含有させる場合も、樹脂(B)からなる層に含有させる場合も、その層の基材樹脂100質量部に対して、通常0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.3質量部〜7質量部、さらに好ましくは1質量部〜5質量部である。光拡散剤の含有量があまり少ないと、積層樹脂板に十分な光拡散性を付与することができず、また、あまり多いと、積層樹脂板の強度が低下する傾向にある。また、光拡散剤の粒子径は、重量平均粒子径として、隠蔽性の観点から1μm以上であるのが好ましく、強度の観点から20μm以下であるのが好ましい。
光拡散剤としては、通常、基材の樹脂(A)や樹脂(B)と屈折率の異なる無機系または有機系の透明微粒子が用いられる。光拡散剤の屈折率と基材の屈折率との差については、その絶対値が、0.02以上であるのが光拡散性の観点から好ましく、また、0.13以下であるのが光透過性の観点から好ましい。なお、このように光拡散剤と基材との屈折率差を設けることにより、所謂内部拡散性を付与することができる。
無機系の光拡散剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは脂肪酸等で表面処理が施されたものであってもよい。また、有機系の光拡散剤としては、例えば、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等が挙げられ、重量平均分子量が50万〜500万の高分子量重合体粒子や、アセトンに溶解させたときのゲル分率が10%以上の架橋重合体粒子が好適に用いられる。光拡散剤は、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
スチレン系重合体粒子としては、その単量体単位としてラジカル重合可能な二重結合を1分子内に1個有するスチレン系単量体を50質量%以上含む重合体粒子が好適に用いられ(以下、ラジカル重合可能な二重結合を1分子内に1個有する単量体を単官能単量体といい、ラジカル重合可能な二重結合を1分子内に少なくとも2個有する単量体を多官能単量体ということがある)、例えば、スチレン系単官能単量体を重合させて得られる高分子量重合体粒子;スチレン系単官能単量体と他の単官能単量体を重合させて得られる高分子量重合体粒子;スチレン系単官能単量体と多官能単量体を重合させて得られる架橋重合体粒子;スチレン系単官能単量体と他の単官能単量体と多官能単量体を重合させて得られる架橋重合体粒子等が用いられる。これらスチレン系重合体粒子を得るための重合方法としては、通常、懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等が採用される。
スチレン系重合体粒子におけるスチレン系単官能単量体としては、スチレンの他、クロロスチレン、ブロモスチレンのようなハロゲン化スチレンや、ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキルスチレン等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
スチレン系重合体粒子におけるスチレン系単官能単量体以外の単官能単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類;アクリロニトリル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、メタクリル酸メチルのようなメタクリル酸エステル類が好ましい。
スチレン系重合体粒子における多官能単量体としては、例えば、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートのような多価アルコール類のジ−またはそれを越えるメタクリレート類;1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートのような多価アルコール類のジ−またはそれを越えるアクリレート類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートのような芳香族多官能単量体等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
スチレン系重合体粒子の屈折率は、その構成成分にもよるが、通常1.53〜1.61程度である。一般的に、フェニル基を多く有するほど、またハロゲノ基を多く有するほど、屈折率が上がる傾向にある。
アクリル系重合体粒子としては、その単量体単位としてアクリル系単官能単量体を50質量%以上含む重合体粒子が用いられ、例えば、アクリル系単官能単量体を重合させて得られる高分子量重合体粒子;アクリル系単官能単量体と他の単官能単量体を重合させて得られる高分子量重合体粒子;アクリル系単官能単量体と多官能単量体を重合させて得られる架橋重合体粒子;アクリル系単官能単量体と他の単官能単量体と多官能単量体を重合させて得られる架橋重合体粒子等が用いられる。これらアクリル系重合体粒子を得るための重合方法としては、通常、懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等が採用される。
アクリル系重合体粒子におけるアクリル系単官能単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
アクリル系重合体粒子におけるアクリル系単官能単量体以外の単官能単量体としては、前記スチレン系重合体粒子におけるスチレン系単官能単量体と同様のものやアクリロニトリル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、スチレンが好ましい。また、アクリル系重合体粒子における多官能単量体としては、前記スチレン系重合体粒子における多官能単量体と同様のものが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
アクリル系重合体粒子の屈折率は、その構成成分にもよるが、通常1.46〜1.55程度である。これもスチレン系重合体粒子と同様に、一般的に、フェニル基を多く有するほど、またハロゲノ基を多く有するほど、屈折率が上がる傾向にある。
シロキサン系重合体粒子としては、一般的にシリコーンゴムと呼称されるものや、シリコーンレジンと呼称されるものであって、常温で固体状のものが用いられる。シロキサン系重合体は、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン類を加水分解、縮合することによって、好適に製造することができる。このようにして得られた重合体は、さらに、過酸化ベンゾイル、過酸化−2,4−ジクロルベンゾイル、過酸化−p−クロルベンゾイル、過酸化ジキュミル、過酸化ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンのような過酸化物を作用させることにより架橋させてもよいし、また、末端にシラノール基を有するものであれば、アルコキシシラン類と縮合架橋させてもよい。該重合体としては、珪素原子1個あたりに有機基が2〜3個結合した架橋重合体が好ましい。
シロキサン系重合体粒子は、例えば、シロキサン系重合体を機械的に微粉砕することにより得てもよいし、その製造の際、特許文献1〔特開昭59−68333号公報〕に記載されているように、線状オルガノシロキサンブロックを有する硬化性重合体またはその組成物を噴霧状態で硬化させることにより、球状粒子として得てもよいし、特許文献2〔特開昭60−13813号公報〕に記載されているように、アルキルトリアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を、アンモニアまたはアミン類の水溶液中で、加水分解・縮合させることにより、球状粒子として得てもよい。
シロキサン系重合体粒子の屈折率は、その構成成分にもよるが、通常1.40〜1.47程度である。一般的に、フェニル基を多く有するほど、また珪素原子に直結した有機基を多く有するほど、屈折率が上がる傾向にある。
なお、前述の光拡散板の変形による諸問題は、光拡散板として本発明の積層樹脂板からなるものを採用し、さらに該積層樹脂板に界面活性剤を含有させることにより、より効果的に回避することができる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれも用いることができるが、中でも、スルホン酸、硫酸モノエステル、それらの塩等のアニオン性界面活性剤が好適に用いられる。具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
界面活性剤は、樹脂(A)からなる層および樹脂(B)からなる層のいずれか一方に含有させてもよいし、両層に含有させてもよいが、少なくとも樹脂(B)からなる層に含有させるのが望ましい。界面活性剤の使用量は、樹脂(A)からなる層に含有させる場合も、樹脂(B)からなる層に含有させる場合も、その層の基材樹脂100質量部に対して、通常0.1質量部〜5質量部、好ましくは0.2質量部〜3質量部、さらに好ましくは0.3質量部〜1質量部である。
本発明の積層樹脂板を光拡散板として用いる場合、特に照明カバーとして用いる場合には、積層樹脂板の少なくとも一方の面を凹凸形状として、所謂艶消し面とするのが望ましい。この凹凸形状は、十点平均粗さ(Rz)が通常1〜50μmであり、平均山間隔(Sm)が通常10〜300μmである。Rzがあまり小さいと、艶消し性が十分でなく、Rzがあまり大きいと積層樹脂板の面衝撃性が十分でない。また、Smがあまり大きいと、艶消し効果が十分でなく、Smがあまり小さいと、積層樹脂板の面衝撃性が十分でない。
積層樹脂板の表面に凹凸形状を付与する方法としては、例えば、押出成形により積層樹脂板を製造するのであれば、凹凸形状を付与したい表面を構成する層の基材となる樹脂に、それに不溶の樹脂粒子を含有させる方法や、凹凸をロール転写する方法が挙げられる。また、キャスト成形により積層樹脂板を製造するのであれば、凹凸をセル転写する方法等が挙げられる。
不溶樹脂粒子を含有させることにより表面凹凸形状を付与する場合、該粒子としては、通常、重量平均粒子径が1〜50μmのものが用いられる。不溶樹脂粒子は、樹脂(A)からなる層および樹脂(B)からなる層のいずれか一方に含有させてもよいし、両層に含有させてもよいが、少なくとも樹脂(B)からなる層に含有させるのが望ましい。不溶樹脂粒子の使用量は、樹脂(A)からなる層に含有させる場合も、樹脂(B)からなる層に含有させる場合も、その層の基材樹脂100質量部に対して、通常3質量部〜20質量部である。
本発明の積層樹脂板の厚みは、用途等により適宜調整されるが、通常、0.8〜5mmである。積層樹脂板における樹脂(A)からなる層の厚みと樹脂(B)からなる層の厚みの比率は、通常、[樹脂(A)からなる層の厚み]/[樹脂(B)からなる層の厚み]=99/1〜1.1/1、好ましくは50/1〜10/1である。また、積層樹脂板は、耐久性の観点から、樹脂(A)からなる層の両方の面に樹脂(B)からなる層を積層してなるものが好ましく、コストの観点から、樹脂(B)からなる層の厚みの合計が、樹脂(A)からなる層の厚みの1/2以下であるのが好ましい。
本発明の積層樹脂板には、必要に応じて、前記の紫外線吸収剤等の他に種々の添加剤を含有させることができる。該添加剤としては、例えば、アクリル系多層構造重合体やグラフトゴム状重合体のような耐衝撃剤;
ポリエーテルエステルアミドのような帯電防止剤;
ヒンダードフェノールのような酸化防止剤;
燐酸エステル類のような難燃剤;
パルミチン酸、ステアリルアルコールのような滑剤;
染料等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
本発明の積層樹脂板は、例えば、共押出成形法、貼合法、熱接着法、溶剤接着法、重合接着法、キャスト重合法、表面塗装法等の方法により、製造することができる。
共押出成形法による製造は、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)をそれぞれ別々の一軸または二軸の押出機を用いて溶融混練し、両者をフィードブロックダイやマルチマニホールドダイを介して積層一体化した後、ロールユニットを用いて冷却固化することにより行うことができる。
貼合法による製造は、例えば、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)のいずれか一方の樹脂を板状に加工しておき、これに、他方の樹脂を溶融状態で貼り合わせることにより行うことができる。
熱接着法による製造は、例えば、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)をそれぞれ板状に加工しておき、両板状物を、両者の軟化点よりも高い温度でプレスして一体化することにより行うことができる。
溶剤接着法による製造は、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)をそれぞれ板状に加工しておき、両板状物を、両者のいずれか一方または両方の樹脂を溶解する溶剤を用いて接着することにより行うことができる。
重合接着法による製造は、例えば、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)をそれぞれ板状に加工しておき、両板状物を、熱重合性または光重合性の接着剤を用いて接着することにより行うことができる。ここで、接着剤としては、樹脂(A)や樹脂(B)の原料となる単量体またはその部分重合体に、熱重合開始剤または光重合開始剤を添加したものが、好適に用いられる。
キャスト重合法による製造は、例えば、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)のいずれか一方の樹脂を板状に加工しておき、これをキャスト成形用のセルの内面に設置し、このセルの中に、他方の樹脂の原料となる単量体またはその部分重合体に必要な成分を配合したものを注入して、重合させることにより行うことができる。
表面塗装法による製造は、例えば、必要な成分が配合された樹脂(A)および樹脂(B)のいずれか一方の樹脂を板状に加工しておき、これに、他方の樹脂の原料となる単量体またはその部分重合体に必要な成分を配合したものを塗布して、重合させることにより行うことができる。
以上のようにして得られる本発明の積層樹脂板は、屋内外の各種用途に採用することができるが、中でも前述のように光拡散板用途に好適に採用することができる。この光拡散板の具体的な用途としては、例えば、看板、照明看板、照明カバー、ショーケース、ディスプレイ用光拡散板等が挙げられるが、中でも前述のように、照明看板、照明カバー、ディスプレイ用光拡散板等の、冷陰極管やLED光源のような光源とともに光源装置を構成する光拡散性部材が代表的である。ここでディスプレイ用光拡散板としては、液晶ディスプレイの直下型またはエッジライト型のバックライトにおける光拡散板が代表的である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各例で使用した押出装置の構成は、次のとおりである。
押出機(1) :スクリュー径40mm、一軸、ベント付き、田辺プラスチック(株)製
押出機(2) :スクリュー径20mm、一軸、ベント付き(田辺プラスチック(株)製
フィードブロック:2種3層分配型、田辺プラスチック(株)
ダイ :Tダイ、リップ幅250mm、リップ間隔6mm
ロール :ポリシングロール3本、縦型
各例で得られた積層板の物性評価方法は、次のとおりである。
(1)光透過性
JIS K 7361に準拠して、ヘイズ・透過率計((株)村上色彩技術研究所製、HR−100)用いて、全光線透過率(Tt)を測定した。
(2)隠蔽性および光拡散性
自動変角光度計((株)村上色彩技術研究所製GP−1R)を用いて、垂直入射光による透過角0度の透過光強度(I)、垂直入射光による透過角5度の透過光強度(I)、および垂直入射光による透過角70度の透過光強度(I70)を測定し、隠蔽性の指標としてI/Iを、光拡散性の指標としてI70/Iをそれぞれ求めた。
(3)吸水性
積層板から5cm×5cmの試験片を切り出し、80℃のオーブン中で24時間乾燥させた後、質量(W)を測定した。次いで、乾燥させた試験片を50℃の純水中に10日間浸漬した後、質量(W)を測定し、吸水率[(W−W)/W]を求めた。
(4)吸水反り試験
積層板から18cm×18cmの試験片を切り出し、試験片より大きめの鋼板に挟んで、90℃にて5時間加熱した後、24時間放冷した。試験片を取り出し、30cm×23cmの容器に平置きした後、試験片の片面のみが水に浸るように、容器に純水を注いだ。室温にて24時間放置した後、試験片の4隅の反り上がり量(mm)を測定し、これらの平均値を反り量とした。
(5)耐久性
積層板から6cm×7cmの試験片を切り出し、この試験片に、ATLAS−UVCON(東洋精機(株)製)を用いて、60℃にて100時間、紫外線を連続的に照射した。この照射前後の試験片について、積分球付き分光透過率計(日立製作所製U4000)により、透過光のL*、a*、b*を測定し、照射前後のΔE(透過光)を求めた。
各例で使用した樹脂は、次のとおりである。
樹脂(1):スチレン/メタクリル酸メチル=40/60(質量比)の共重合体(屈折率1.55)
樹脂(2):スチレン/メタクリル酸メチル=80/20(質量比)の共重合体(屈折率1.57)
樹脂(3):スチレン樹脂(屈折率1.59)
各例で使用した光拡散剤は、それぞれ次のとおりである。
光拡散剤(1):メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレート=95/5(質量比)の共重合体粒子(屈折率1.49、重量平均粒子径5μm)
光拡散剤(2):架橋シロキサン系重合体粒子(東レダウコーニングシリコーン(株)製、トレフィルDY33−719;屈折率1.42、重量平均粒子径2μm)
なお、これら光拡散剤および後記の不溶樹脂粒子の重量平均粒子径は、光回折散乱粒径測定機(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分析計Model 9220 FRA)を用いて測定したD50の値である。
比較例1
樹脂(A)として、上記樹脂(1)100質量部、光拡散剤として上記光拡散剤(1)3質量部および上記光拡散剤(2)0.7質量部並びに2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル〔紫外線吸収剤(UVA)、一般式(1)において、Xがメトキシ基でその置換位置がパラ位であり、RおよびRがメチル基である化合物、Clariant社製「Sanduvor PR−25」〕0.1質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機(1)にて溶融混練し、フィードブロックに供給した。
一方、樹脂(B)として、上記樹脂(1)100質量部および2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル〔紫外線吸収剤(UVA)、一般式(1)において、Xがメトキシ基でその置換位置がパラ位であり、RおよびRがメチル基である化合物、Clariant社製「Sanduvor PR−25」〕0.5質量部、セチル硫酸ナトリウムとステアリル硫酸ナトリウムの混合物(界面活性剤)0.3質量部、ならびにメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート=95/5(質量比)の共重合体粒子(不溶樹脂粒子(光拡散剤)、屈折率1.49、重量平均粒子径4μm)8質量部を、ヘンシェルミキサーで混合した後、押出機(2)にて溶融混練し、フィードブロックに供給した。
押出機(1)からフィードブロックに供給される樹脂(A)が中間層となり、押出機(2)からフィードブロックに供給される樹脂(B)が表層(両面)となるように、押出樹脂温度250℃にて共押出成形を行い、幅23cmで厚さ2mm(中間層1.9mm、表層0.05mm×2)の3層の積層板を作製した。この積層板には、単位面積(1m)あたり2.5g〔樹脂層(A)に2.0g/m、樹脂層(B)に0.5g/m〕の紫外線吸収剤(UVA)が含まれている。この積層板の評価結果を第2表に示す。
比較例2〜比較例3および実施例1〜実施例3
樹脂(A)を構成する樹脂および光拡散剤の種類および使用量並びに紫外線吸収剤(UVA)の使用量を第1表のとおりとし、樹脂(B)を構成する樹脂および光拡散剤の種類および使用量並びにUVAの使用量を第1表のとおりとした以外は実施例1と同様に操作して積層板を得た。この積層板に含まれるUVAの単位面積(1m)あたりの含有量は第1表のとおりである。この積層板の評価結果を第2表に示す。
Figure 0004274164
Figure 0004274164

Claims (7)

  1. スチレン系単量体単位の含有量が90質量%〜100質量%であり、メタクリル酸メチル単位の含有量が10質量%〜0質量%である樹脂(A)からなる層の少なくとも一方の面に、スチレン単位の含有量が50質量%〜90質量%であり、メタクリル酸メチル単位の含有量が10質量%〜50質量%である樹脂(B)および該樹脂(B)100質量部あたり0.1質量部〜3質量部の紫外線吸収剤からなり、該紫外線吸収剤の単位面積あたりの含有量が0.2g/m2〜2g/m2である層が積層されてなり、厚みが0.8mm〜5mmであり、樹脂(A)からなる層の厚みと樹脂(B)からなる層の厚みの比率が、
    [樹脂(A)からなる層の厚み]/[樹脂(B)からなる層の厚み]=99/1〜10/1
    であることを特徴とする積層樹脂板。
  2. 紫外線吸収剤が250〜320nmの範囲に極大吸収波長を有するものである請求項1に記載の積層樹脂板。
  3. 樹脂(A)からなる層中に、樹脂(A)100質量部に対して光拡散剤0.1〜10質量部を含有する請求項1〜請求項2のいずれかに記載の積層樹脂板。
  4. 表面の少なくとも一方が凹凸形状を有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の積層樹脂板。
  5. 樹脂(A)からなる層の両方の面に、樹脂(B)からなる層が積層されてなる請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層樹脂板。
  6. 樹脂(A)からなる層が光拡散剤を含有する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の積層樹脂板。
  7. 直下型またはエッジライト型のバックライトにおける光拡散板である請求項6に記載の積層樹脂板。
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