JP2005112971A - 樹脂組成物および積層樹脂板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性に優れ、十分な表面硬度の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の樹脂組成物(C)は、メタクリル酸メチル単位を50質量%以上含むメタクリル重合体(A)と、メタクリル酸メチル単位50〜99.7質量%、単官能単量体単位0〜49.7質量%、多官能単量体単位0.3〜2質量%で、重量平均粒子径1〜25μmである架橋メタクリル重合体粒子(B)とを含有し、メタクリル重合体(A)の含有量が80〜95質量部、架橋メタクリル重合体粒子(B)の含有量20〜5質量部である。メタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂または脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を有する樹脂からなり、厚み0.5〜5mmの基材層(D)の片面または両面に、この樹脂組成物(C)からなり、厚みが10〜500μmの表面層(E)が積層された積層樹脂板(F)は、表面硬度に優れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂組成物および積層樹脂板に関する。
単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を50質量%以上含むメタクリル重合体は、透明性に優れた樹脂成形体を与える成形材料として有用であり、かかるメタクリル酸メチル重合体を単独で、例えば板状に成形した樹脂成形体は、玩具、食器、自動車のテールランプカバー、携帯電話の前面板、照明装置の光源を覆う照明カバー、液晶ディスプレイの背面側に配置される導光板などとして広く用いられている〔特許文献1:特開平10−265530号公報〕。
しかし、かかるメタクリル酸メチル重合体は、表面の硬度が十分ではなく、傷が付き易いという問題があった。
特開平10−265530号公報
そこで本発明者は、透明性に優れ、十分な表面硬度の樹脂組成物を開発するべく鋭意検討した結果、メタクリル重合体(A)と、架橋メタクリル重合体粒子(B)を含む樹脂組成物は、十分な透明性と、十分な表面硬度を示すことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を50質量%以上含むメタクリル重合体(A)と、
単量体単位組成がメタクリル酸メチル単位50質量%〜99.7質量%、メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体単位0質量%〜49.7質量%、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体単位0.3質量%〜2質量%であり、重量平均粒子径が1μm〜25μmである架橋メタクリル重合体粒子(B)とを含有し、
メタクリル重合体(A)および架橋メタクリル重合体粒子(B)の合計量100質量部あたり、メタクリル重合体(A)の含有量が80質量部〜95質量部であり、架橋メタクリル重合体粒子(B)の含有量が20質量部〜5質量部であることを特徴とする樹脂組成物(C)を提供するものである。
本発明の樹脂組成物は、これを成形することで十分な透明性と十分な表面硬度を備えた樹脂成形体を与えることができる。
本発明の樹脂組成物(C)は、メタクリル重合体(A)と架橋メタクリル樹脂粒子(B)とを含有する。
メタクリル重合体(A)は、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を50質量%以上で含む重合体であり、メタクリル酸メチル単位を100質量%で含むメタクリル酸メチル単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルと共重合し得る単量体との共重合体であってもよい。
メタクリル酸メチルと共重合し得る単量体としては通常、メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体が用いられ、かかる単官能単量体としては、例えばメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類が挙げられる。かかるメタクリル酸エステル類としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2―ヒドロキシエチルなどが挙げられる。また、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸類、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのハロゲンかスチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのアルキルスチレン類などの置換スチレン類、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなども挙げられる。かかる単量体はそれぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
かかるメタクリル重合体(A)は通常、非架橋構造である。かかるメタクリル重合体(A)は、例えば原料単量体としてメタクリル酸メチルを単独で、あるいはメタクリル酸メチルおよびこれと共重合可能なメタクリル酸メチルと共重合し得る単量体を組み合わせて用い、かかる原料単量体を懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などの通常の重合方法により重合させる方法で製造することができる。
架橋メタクリル重合体粒子(B)の単量体単位組成は、メタクリル酸メチル単位50質量%〜99.7質量%、メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体単位0質量%〜49.7質量%、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体単位0.3質量%〜2質量%であり、
好ましくはメタクリル酸メチル単位70質量%〜99.7質量%、メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体単位0質量%〜30質量%、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体単位0.3質量%〜1質量%、
さらに好ましくはメタクリル酸メチル単位90質量%〜99.7質量%、メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体単位0質量%〜10質量%、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体単位0.3質量%〜0.8質量%である。多官能単量体単位が0.3重量%未満であったり、2質量%を超えると、表面硬度が十分なものとならない傾向にある。
メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体としては、メタクリル酸メチル重合体(A)において上記した単官能単量体と同様の化合物が挙げられ、かかる単官能単量体を用いる場合、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体としては、例えば1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどの多価アルコール類のメタクリレート類、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多価アルコール類のアクリレート類、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどのような芳香族多官能化合物などが挙げられる。かかる多官能単量体はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
架橋メタクリル重合体粒子(B)の重量平均粒子径は1μm〜25μm、好ましくは2μm〜20μm、さらに好ましくは3μm〜10μmである。1μm未満では、表面硬度が十分なものとならない傾向にあり、25μmを超えると、成形して得られる樹脂成形品の表面が細かな凹凸の多いものとなってしまうほか、割れやすくなる傾向にある。
かかる架橋メタクリル重合体粒子(B)は、例えば懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などのような通常の重合方法で製造することができる。
本発明の樹脂組成物(C)は、かかるメタクリル酸メチル重合体(A)および架橋メタクリル酸メチル重合体粒子(B)を含有するものであり、メタクリル酸メチル重合体(A)および架橋メタクリル酸メチル重合体粒子(B)の合計量100質量部あたりのメタクリル重合体(A)の含有量は80質量部〜95質量部、好ましくは85質量部〜95質量部、さらに好ましくは90質量部〜95質量部であり、
架橋メタクリル重合体粒子(B)の含有量は5質量部〜20質量部、好ましくは15質量部〜5質量部、さらに好ましくは10質量部〜5質量部である。
本発明の樹脂組成物(C)は、添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、例えば紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては通常、波長250nm〜380nmの波長範囲の光を吸収し得るものが用いられ、かかる波長範囲に極大吸収波長を有するものが好ましく用いられ、250nm〜800nmの波長範囲における最大吸収波長(λmax)が250nm〜320nmの波長範囲にあるものがさらに好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、250nm〜320nmの波長範囲におけるモル吸光係数(εmax)が1000mol-1cm-1以上、さらには5000mol-1cm-1以上程度であり、分子量(Mw)が400以下であるものが、質量基準での含有量を低減できて好ましい。
かかる紫外線吸収剤としては、例えばマロン酸エステル系紫外線吸収剤、桂皮酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。かかる紫外線吸収剤を含有する場合、その含有量は、樹脂組成物(C)100質量部中に0.01質量部〜3質量部程度である。また、樹脂組成物を板状に成形する場合、成形後の樹脂成形体の単位面積あたりの紫外線吸収剤含有量が、0.2g/m2〜20g/m2となるように紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
樹脂組成物(C)は、紫外線吸収剤と共に、添加剤としてヒンダードアミン類を含有してもよい。
添加剤として、界面活性剤も挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを用いることができる。中でも、スルホン酸、硫酸モノエステルおよびこれらの塩などのようなアニオン性界面活性剤が好ましく用いられ、具体的にはラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムなどが用いられる。かかる界面活性剤を含有することで、樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体の表面に擦れ傷が生ずることを抑制でき、また帯電防止性能を与えることもできる。界面活性剤を含有する場合、その含有量は、樹脂組成物(C)100質量部中に通常は5質量部以下、好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下であり、好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上、特に好ましくは0.3質量部以上である。
添加剤として、光拡散剤も挙げられる。光拡散剤を含有することで、本発明の樹脂組成物(C)を板状に成形して得られる樹脂成形体は、光拡散板として用いることができる。光拡散剤としては、メタクリル重合体(A)と屈折率が異なる透明な微粒子を用いることができ、無機物である無機光拡散剤であってもよいし、有機物である有機光拡散剤であってもよい。光拡散剤とメタクリル重合体(A)との屈折率の差(Δn)は、絶対値で0.02以上であることが、光を十分に拡散できる点で好ましく、0.13以下であることが、透過光量が十分に大きい点で好ましい。
光拡散剤としては、例えば無機光拡散剤として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ(酸化ケイ素)、無機ガラス、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが挙げられる。かかる無機光拡散剤は、樹脂組成物(C)中へ均一に分散されるよう、脂肪酸などの表面処理剤で表面処理されていてもよい。
また、有機光拡散剤として、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子などが挙げられる。
スチレン系重合体粒子とは、スチレン系単官能単量体単位を主成分とする重合体、例えばスチレン系単官能単量体単位を50質量%以上含む重合体の粒子であって、単量体としてスチレン系単官能単量体だけを用いて得られ、単量体単位の全て(100質量%)がスチレン系単官能単量体単位である重合体の粒子であってもよいし、スチレン系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体とを共重合させて得られる共重合体の粒子であってもよい。
スチレン系単官能単量体は、スチレン骨格を有し、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する化合物である、例えばスチレンのほか、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどアルキルスチレン類などの置換スチレンなどが挙げられる。
スチレン系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体とは、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有し、この二重結合でスチレン系単官能単量体と共重合可能な化合物であって、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル類、アクリロニトリルなどが挙げられ、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル類が好ましく用いられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
スチレン系重合体粒子が単量体単位の全てがスチレン系単官能単量体単位である重合体の粒子である場合や、スチレン系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体の共重合体である場合は、その重量平均分子量は50万〜500万程度であることが好ましい。
スチレン系重合体粒子は、単量体単位として、スチレン系単官能単量体と共重合可能な多官能単量体単位を含む共重合体であってもよい。かかる多官能単量体とは、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有し、この二重結合でスチレン系単官能単量体と共重合可能な化合物であって、例えば1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどの多価アルコール類のメタクリレート類、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多価アルコール類のアクリレート類、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどのような芳香族多官能化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
かかる多官能単量体との共重合体は、スチレン系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体として上記した単官能単量体との共重合体であってもよい。
スチレン系単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体の共重合体は、いわゆる架橋構造の共重合体であり、そのゲル分率は10質量%以上であることが好ましい。
かかるスチレン系重合体粒子の屈折率は、通常1.53〜1.61程度であり、ベンゼン骨格やハロゲン原子の含有量が多いほど、大きな屈折率を示す傾向にある。かかるスチレン系重合体粒子は、例えば懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などの通常の方法で製造することができる。
アクリル系重合体粒子とは、アクリル系単官能単量体単位を主成分とする重合体、例えばアクリル系単官能単量体単位を50質量%以上含む重合体の粒子であって、単量体としてアクリル系単官能単量体だけを用いて得られ、単量体単位の全て(100質量%)がアクリル系単官能単量体単位である重合体の粒子であってもよいし、アクリル系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体とを共重合させて得られる共重合体の粒子であってもよい。
アクリル系単官能単量体としては、例えばアクリル酸またはメタクリル酸やそのエステルであって、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸などが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
かかるアクリル系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体とは、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有し、この二重結合でアクリル系単官能単量体と共重合可能な化合物であって、例えばスチレンが挙げられる。またクロロスチレン、ブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのアルキルスチレン類などの置換スチレンも挙げられる。さらにアクリロニトリルも挙げられる。かかる単官能単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
アクリル系重合体粒子が、単量体単位の全てがアクリル系単官能単量体単位である重合体の粒子である場合や、アクリル系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体の共重合体である場合は、その重量平均分子量は50万〜500万程度であることが好ましい。
アクリル系重合体粒子は、共重合成分としてアクリル系単官能単量体と共重合可能な二重結合を分子内に2個以上有し、この二重結合でアクリル系単官能単量体と共重合可能な化合物であって、例えばスチレン系重合体粒子において上記したと同様の多価アルコール類のメタクリレート類、多価アルコール類のアクリレート類、芳香族多官能化合物などが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかる多官能単量体との共重合体は、アクリル系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体として上記した単官能単量体との共重合体であってもよい。
アクリル系単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体の共重合体は、架橋構造の共重合体であり、そのゲル分率は10質量%以上であることが好ましい。
かかるアクリル系重合体粒子の屈折率は、通常1.46〜1.55程度であり、ベンゼン骨格や、ハロゲン原子の含有量が多いほど大きな屈折率を示す傾向にある。また、このアクリル系重合体粒子は、例えば懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などの通常の重合法で製造することができる。
シロキサン系重合体粒子は、シロキサン系重合体の粒子である。シロキサン系重合体は、例えばクロロシラン類を加水分解し、縮合させる方法により製造される重合体である。クロロシラン類としては、例えばジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランなどが挙げられる。シロキサン系重合体は架橋されていてもよい。架橋させるには、例えばシロキサン系重合体に過酸化ベンゾイル、過酸化2,4−ジクロルベンゾイル、過酸化p−クロルベンゾイル、過酸化ジキュミル、過酸化ジ−t−ブチル−2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどの過酸化物を作用させればよい。また、末端にシラノール基を有する場合には、アルコキシシラン類と縮合架橋させてもよい。架橋された重合体は、ケイ素原子1個あたり、有機慚愧が2〜3個程度結合した構造であることが好ましい。かかるシロキサン系重合体は、シリコーンゴム、シリコーンレジンとも称される重合体であって、常温では固体のものが好ましく用いられる。
シクロヘキサン重合体粒子は、かかるシクロヘキサン重合体を粉砕することで得ることができる。線状オルガノシロキサンブロックを有する硬化性重合体やその組成物を噴霧状態で硬化させることで、粒状粒子として得てもよい(特許文献2:特開昭59−68333号公報)。また、アルキルトリアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物をアンモニアまたはアミン類の水溶液中で加水分解縮合させることで、粒状粒子として得てもよい(特許文献3:特開昭60−13813号公報)。
かかるシロキサン系重合体は、重量平均分子量が50万〜500万程度であることが好ましく、また、架橋構造である場合には、そのゲル分率は10質量%以上であることが好ましい。シロキサン系重合体粒子の屈折率は通常1.40〜1.47程度の範囲である。
添加剤としては、耐衝撃剤、ポリマー系帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、線量および顔料などの着色剤なども挙げられる。耐衝撃剤としては、例えばアクリル系多層構造ゴム粒子、グラフトゴム状重合体粒子などが挙げられる。ポリマー系帯電防止剤としては、例えばポリエーテルエステルアミドなどが挙げられる。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノールなどが挙げられる。滑剤としては、例えばパルチミン酸、ステアリルアルコールなどが挙げられる。
かかる本発明の樹脂組成物(C)は、例えばメタクリル重合体(A)および架橋メタクリル重合体粒子(B)をメタクリル重合体(A)を混合する方法で製造でき、添加剤を含有する場合には、添加剤と共に混合してもよい。また、溶融温度以上の温度で溶融混練する方法で製造することもできる。
かかる本発明の樹脂組成物(C)を成形することで、樹脂成形体を得ることができる。樹脂組成物を成形する方法としては、通常の押出成形法、異形押出成形法、射出成形法プレス成形法などが挙げられる。また、メタクリル重合体(A)を製造するための単量体や、その部分重合物に架橋メタクリル重合体粒子(B)および重合開始剤を添加し、セル内で重合させるキャスト重合法により樹脂成形体として樹脂組成物(C)を得てもよい。樹脂成形体の形状は特に限定されるものではなく、例えば板状の樹脂板であってもよい。
本発明の樹脂組成物(C)は表面硬度が十分であるので、例えば図1に示すように、表面が傷付き易い樹脂からなる樹脂板を基材層(D)とし、その片面または両面に、本発明の樹脂組成物(C)からなる表面層(E)が積層された構成とすることで、十分な表面硬度の積層樹脂板(F)とすることができる。
基材層(D)を構成する樹脂としては、例えばメタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環構造含有エチレン製不飽和単量体単位を有する樹脂などからなる板が挙げられる。
メタクリル酸メチル樹脂とは、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を50質量%以上含む重合体からなる樹脂であって、かかる重合体としては、上記したメタクリル重合体(A)と同様のものが挙げられる。
スチレン樹脂とは、単量体単位としてスチレン系単官能単量体単位を50質量%以上含む重合体からなる樹脂であって、単量体単位の全量(100質量%)がスチレン系単官能単量体であってもよいし、スチレン系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体とを共重合させて得られる共重合体からなる樹脂であってもよい。スチレン系単官能単量体、スチレン系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体としては、スチレン重合体粒子において上記したと同様の単量体がそれぞれ挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮重合法、溶融エステル交換法などの方法で反応させて得られたもの、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換する方法により重合させたもの、環状カーボネート化合物を開環重合する方法により得られたものなどが挙げられる。
二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特にビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選択される少なくとも1種の二価フェノールとの共重合体が好ましく使用される。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を有する樹脂としては、例えばノルボルネン樹脂、ビニル脂環式炭化水素樹脂などが挙げられる。かかる樹脂は、単量体単位中に脂環式構造を有しており、脂環式構造は重合体の主鎖中にあってもよいし、側鎖にあってもよい。
かかる樹脂としては、例えばノルボルネン系重合体、単管の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体およびこれらの水素添加物などからなる樹脂が挙げられる。中でも、光透過性の観点からは、脂環式構造が主鎖中にあることが好ましく、具体的には、ノルボルネン系重合体の水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系重合体の水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体水素添加物がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物(C)からなる表面層(E)は、図1(a)に示すように、基材層(D)の一方の面だけに積層されていてもよいし、図1(b)に示すように、両面に積層されていてもよい。
かかる基材層(D)の表面に、本発明の樹脂組成物(C)からなる表面層(E)が積層された積層樹脂板(F)において、樹脂組成物からなる表面層(E)の厚みは10μm〜500μmであり、好ましくは20μm〜300μm、さらに好ましくは30μm〜100μm程度である。表面層(E)の厚みが10μm未満であると、十分な表面硬度の積層樹脂板(F)とすることが困難となる傾向にある。
本発明の樹脂組成物(C)からなる表面層(E)が基材層(D)の片面にだけ積層されている場合、基材層(D)の厚み(tD)と、表面層(E)の厚み(tE)との比(tD/tE)は、通常99/1〜1.1/1程度の範囲である。両面に積層されている場合、これらの層の比(tE/tD/tE)は、1/198/1〜1/2.2/1程度の範囲であり、コストの面からは、表面層(E)の厚み(tE)の合計が、基材層(D)の厚み(tD)の1/2以下であることが好ましい。なお、基材層(D)の厚みは通常0.8mm〜5mm程度、好ましくは1mm〜4mm程度、さらに好ましくは1.5mm〜3.5mm程度である。
積層樹脂板(F)を構成する基材層(D)は、本発明の樹脂組成物(C)において上記したと同様の添加剤を含有していてもよい。また、上記基材層(D)には、紫外線に対して耐久性に劣る樹脂からなるものも多いので、かかる基材層(D)を用いる場合には、本発明の樹脂組成物(C)として紫外線吸収剤を含有するものを用い、かかる樹脂組成物(C)からなる表面層(E)を基材層(D)の表面に積層した構成とすることで、基材層の耐久性を大きく向上させることもできる。
かかる積層樹脂板(F)は、例えば共押出成形法、貼合法、熱接着法、溶剤接着法、重合接着法、キャスト重合法、表面塗布法などの方法によって製造することができる。
共押出成形法により積層樹脂板(F)を製造するには、例えば基材層(D)を構成する樹脂と、本発明の樹脂組成物(C)とを共押し出しすればよい。共押し出しするには、例えば基材層(D)を構成する樹脂と、本発明の樹脂組成物(C)とをそれぞれ別個の押出機で加熱し、溶融混練しながら共押出用のダイから押し出し、積層一体化させればよい。押出機としては、例えば一軸押出機、二軸押出機などを用いることができる。共押出用ダイとしては、例えばフィードブロックダイ、マルチマニホールドダイなどを用いることができる。ダイから押し出し、積層一体化された後、通常は冷却ロールに挟み込んで冷却することで、目的の積層樹脂板(F)を得ることができる。
基材層(D)が添加剤を含有する場合、樹脂板を構成する樹脂に添加剤を配合して共押し出しすればよい。添加剤は通常の方法で配合することができ、例えば押出機で樹脂に添加剤を加えて溶融混練すればよい。また、本発明の樹脂組成物(C)として添加剤を含有するものを用いる場合には、樹脂組成物(C)に添加剤を配合して共押し出しすればよく、例えば樹脂組成物(C)に添加剤を加えて押出機で溶融混練すればよい。
貼合法により積層樹脂板(F)を製造するには、例えば予め成形された樹脂板(D)の表面に、加熱されて溶融状態にある本発明の樹脂組成物(C)を貼合すればよい。貼合後、貼合された樹脂組成物(C)が冷却され、固化することで、樹脂板(D)の表面に本発明の樹脂組成物からなる表面層(E)が形成されて、目的の積層樹脂板(F)を得ることができる。
熱接着法により積層樹脂板(F)を製造するには、例えば本発明の樹脂組成物(C)を予めフィルム状に成形しておき、これを予め成形された樹脂板(D)の表面に加熱しながらプレスすればよい。樹脂組成物(C)および樹脂板(D)の軟化点以上の温度に加熱してプレスすることで、予め層状に成形された樹脂組成物(C)と樹脂板(D)とが熱融着により一体化して積層されて、目的の積層樹脂板(F)を得ることができる。
溶剤接着法により積層樹脂板(F)を製造するには、例えば予め成形して得られた樹脂板(D)と、本発明の樹脂組成物(C)をフィルム状に成形した成形体とを準備し、これらの一方または両方の接着面に、これらの一方または両方を溶解し得る溶剤を塗布し、積層すればよい。積層後、溶剤を揮発させることで、樹脂板(D)と樹脂組成物(C)からなるフィルムとが一体化して積層され、目的の積層樹脂板(F)を得ることができる。
重合接着法により積層樹脂板(F)を得るには、例えば予め成形して得られた樹脂板(D)と、本発明の樹脂組成物(C)をフィルム状に成形した成形体とを準備し、これらの一方または両方の接着面に、重合性接着剤を塗布し、積層すればよい。積層後、重合性接着剤を重合させる。重合性接着剤には重合性の単量体と、重合開始剤が含まれるが、かかる重合開始剤は、加熱することで単量体の重合を開始させる熱重合開始剤であってもよいし、光を照射されることで単量体の重合を開始させる光重合開始剤であってもよい。重合性接着剤を重合させるには、用いた重合開始剤の種類に応じて加熱するか、または光を照射すればよい。かくして樹脂板(D)とフィルム状の成形体とが一体化して積層されて、目的の積層樹脂板(F)を得ることができる。
キャスト重合法により積層樹脂板(F)を製造するには、例えば本発明の樹脂組成物(C)を予めフィルム状に成形したフィルムを重合セル内に配置しておき、この重合セルに、基材層(D)を得るための単量体またはその部分重合物を注液し、重合させればよい。単量体または部分重合物に予め重合開始剤を添加しておくことで、重合セルに注液後、重合させることができる。
本発明の樹脂組成物(C)は十分な透明性と、十分な表面硬度を有しているので、これを成形して得られる樹脂成形体や、基材層(D)の表面に本発明の樹脂組成物(C)からなる表面層(E)が積層された構成の積層樹脂板(F)は、屋内外の各種用途に用いることができる。例えば照明看板、照明カバーとして用いることもできるし、ディスプレイ装置の前面側や背面側に配置されて用いられる光拡散板として用いることもできる。
積層樹脂板(F)を光拡散板として用いる場合、通常は基材層(D)に光拡散剤を含有させて、光拡散性導光板として用いることができる。光拡散性導光板は、例陰極線管、発光ダイオード(LED)などの光源からの光を拡散しながら導くもので、例えば液晶ディスプレイなどを背面側から照明する光源装置(バックライト)に組み込まれる。かかる光源装置は、光拡散性導光板の背面側に光源が配置されていてもよいし、光拡散性導光板の側面側に光源が配置されていてもよい。
かかる光源装置では、光拡散性導光板に、光拡散フィルム、プリズムフィルムなどが密着して配置されることも多く、光拡散性導光板の表面が、かかるフィルムと擦れ合うことも多い。基材層(D)に本発明の樹脂組成物(C)からなる表面層(E)が積層された構成の積層樹脂板(F)は、十分な表面硬度であるので、かかるフィルムが擦れ合うことで生ずる擦れ傷の発生を防止することができて、好ましい。
積層樹脂板(F)を照明カバーや光拡散性導光板として用いる場合、その少なくとも一方の表面には微細な凹凸を設け、この面を、光を拡散させながら反射する、いわゆる艶消面とすることが好ましい。かかる凹凸は、例えば十点平均粗さ(Rz)が1μm〜50μm程度、平均山間隔(Sm)が10μm〜300μm程度である。十点平均粗さ(Rz)が1μm未満であったり、平均山間隔(Sm)が300μmを超えると、入射光が散乱されることなくそのまま反射されて、艶消面とならない傾向にあり、十点平均粗さ(Rz)が50μmを超えたり、平均山間隔(Sm)が300μmを超えると、衝撃に対して弱くなる傾向にある。
かかる凹凸は、例えば積層樹脂板(F)を共押出成形法により製造する場合には、本発明の樹脂組成物(C)から形成される表面層(E)に架橋メタクリル重合体粒子によって形成される。また、冷却ロールから凹凸を転写してもよい。キャスト重合法により製造する場合には、重合セルとして凹凸の型を設けたものを用いて、この凹凸から転写すればよい。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の各実施例で得た樹脂板は、以下の方法で評価した。
(1)鉛筆硬度
JIS K 5400に準拠して鉛筆硬度を測定した。
(2)表面粗さ(Rz、Sm)
JIS B 0601に準拠して、表面粗さ測定機〔東洋精密(株)製、「サーフコム550A」〕を用いて、十点平均粗さ(Rz)および平均山間隔(Sm)を測定した。
(3)外観
目視により判定した。
(4)フィルム摩擦試験
10cm×5cmに切り出して得た試験片の上に、1cm×1cmに切り出した「DBEF−D」フィルム(住友スリーエム社から販売されている。)を載せ、この「DBEF−D」フィルムの中央部に、消しゴム耐摩耗性試験器〔元光製作所社製〕の消しゴム部分(3mmφ)をセットして、200g/3mmφの加重で50往復させた後に、試験片および「DBEF−D」フィルム双方の傷の有無を目視で確認し、試験片またはフィルムに傷が認められたときの往復回数を求め、50往復後にも傷がなかった時を「○」と評価した。
(5)全光線透過率(Tt)
JIS K 7361に準拠してヘイズ透過率計〔(株)村上色彩技術研究所製、「HR−100」〕を用いて測定した。
(6)耐光性(ΔE)
6cm×7cmに切り出して試験片を得、この試験片の透過光のL*、a*およびb*を分光光度計〔日立製作所(株)製、「U4000」〕にて測定し、次いで紫外線照射承知〔東洋精機(株)製、「ATLAS−UVCON」〕を用いて60℃にて60時間の間、連続的に紫外線を照射し、その後、上記と同様にして透過光のL*、a*およびb*を測定し、式(1)
ΔE=〔(L* 1−L* 0)2 + (a* 1−a* 0)2 + (b* 1−b* 0)21/2 (1)
〔式中、L* 0、a* 0、b* 0はそれぞれ紫外線を照射する前のL*、a*、b*を示し、L* 1、a* 1、b* 1はそれぞれ紫外線を照射したのちのL*、a*、b*を示す。〕
により、紫外線照射前後でのΔEを求めた。
各実施例で用いた樹脂は以下のとおりである。
MS樹脂:メタクリル酸メチル60質量部とスチレン40質量部との共重合体(屈折率は1.53)。
MA樹脂:メタクリル酸メチル96質量部とアクリル酸メチル4質量部との共重合体(屈折率は1.49)。
PC樹脂:ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、住友ダウ(株)製、「カリバー200」、屈折率は1.59。
COP樹脂:ノルボルネン系重合体、日本ゼオン(株)製、「ゼオノア1060R」、屈折率は1.53。
各実施例で用いた光拡散剤は以下のとおりである。
光拡散剤(1):スチレン95質量部とジビニルベンゼン5質量部との共重合体粒子〔屈折率1.59、重量平均粒子径6μm〕。
光拡散剤(2):スチレン50質量部とメタクリル酸メチル50質量部との共重合体〔屈折率1.54、重量平均粒子径11μm〕。
光拡散剤(3):架橋シロキサン系重合体粒子〔ジーイー東芝シリコーン(株)製、「トスパール120」、屈折率1.43、重量平均粒子径2μm〕。
各実施例で用いた紫外線吸収剤(UVA)は以下のとおりである。
UVA(1):2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル〔米国Clariant(クラリアント)社製、「Sanduvor PR−25」〕
UVA(2):2−〔2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール〔住友化学工業(株)製、「スミソーブ200」〕
架橋メタクリル重合体粒子(B)の重量平均粒子径(D50)は、マイクロトラック粒度分析計(光回折散乱粒径測定機)〔日機装(株)製、「Model 9220 FRA」〕を用いて求めた。
実施例1
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチル99質量部およびエチレングリコールジメチルアクリレート1質量部を混合して単量体混合物100質量部を得た。ガラス容器にイオン交換水250重量部とセチル硫酸ナトリウム0.25質量部、ラウリルパーオキサイド1.5質量部および上記で得た単量体混合物100質量部を仕込み、ホモミキサー〔特殊機化工業(株)製、「TK HOMOMIXER」〕によって8000rpmにて30分間攪拌して、単量体混合物を均一に分散させた後、加熱して70℃に昇温し、同温度で緩やかに攪拌しながら3時間、同温度を保持して重合させた。その後、得られた重合物を取り出し、乾燥し、風力分級機〔日清エンジニアリング(株)製、「TC−15N」〕にて分級して、重量平均粒子径(D50)4.6μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔樹脂組成物の製造〕
MA樹脂92質量部に上記で得た架橋メタクリル重合体粒子8質量部およびUVA(1)0.01質量部を加え、室温にてポリ袋の中で攪拌して混合して、樹脂組成物を得た。
〔押出樹脂板の製造〕
上記で得た樹脂組成物を一軸式押出機〔スクリュー径20mm、ベント付、東洋精機(株)製〕にて加熱しながら250℃にて溶融混練し、Tダイおよび艶付ロールユニットを経由させて成形して幅5cm、厚み2mmの透明な押出樹脂板を得た。得られた押出樹脂板の評価結果を第1表に示す。
〔プレス成形樹脂板の製造〕
上記で得た押出樹脂板を220℃で熱プレス成形して、厚み0.3mmの透明なプレス成形樹脂板を得た。得られたプレス成形樹脂板の評価結果を第1表に示す。
実施例2
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチルの使用量を99.5質量部とし、エチレングリコールジメチルアクリレートの使用量を0.5質量部とした以外は、実施例1と同様に操作して、重量平均粒子径(D50)5.5μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔樹脂組成物、押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の製造〕
実施例1で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得た架橋メタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、樹脂組成物を得、幅5cm、厚み2mmの透明な押出樹脂板を得、厚み0.3mmの透明なプレス成形樹脂板を得た。押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の評価結果を第1表に示す。
実施例3
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
ガラス容器にイオン交換水300質量部、ポリメタクリル酸ナトリウム〔和光純薬(株)製、分子量(Mw)700万〕0.125質量部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔旭電化(株)製、「プルロニックF68」)0.35質量部およびリン酸水素2ナトリウム0.3質量部を仕込んだのち、メタクリル酸メチル95質量部、アクリル酸メチル4.25質量部およびエチレングリコール0.5質量部と、ラウリルパーオキサイド0.225質量部およびn−ドデシルメルカプタン0.45質量部との混合物を投入し、800rpmで攪拌しながら75℃に昇温し、ポリメタクリル酸ナトリウム〔和光純薬(株)製、Mw700万〕連続的に添加しながら、同温度を2時間保持して、重合させた。ポリメタクリル酸ナトリウムの添加量は合計0.1質量部であった。重合後、洗浄、脱水、乾燥し、風力分級機〔「TC−15N」〕にて分級して、重量平均粒子径(D50)24.2μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔樹脂組成物、押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の製造〕
実施例1で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得た架橋メタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、樹脂組成物を得、幅5cm、厚み2mmの透明な押出樹脂板を得、厚み0.3mmの透明なプレス成形樹脂板を得た。押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の評価結果を第1表に示す。
比較例1
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチルの使用量を90質量部とし、エチレングリコールジメチルアクリレートの使用量を10質量部とした以外は、実施例1と同様に操作して、重量平均粒子径(D50)4.6μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔樹脂組成物、押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の製造〕
実施例1で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得た架橋メタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、樹脂組成物を得、幅5cm、厚み2mmの透明な押出樹脂板を得、厚み0.3mmの透明なプレス成形樹脂板を得た。押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の評価結果を第1表に示す。
比較例2
〔樹脂組成物の製造〕
MA樹脂100質量部に実施例1で得た架橋メタクリル重合体粒子を加えることなく、UVA(1)0.01質量部を加えた以外は、実施例1と同様に操作して、樹脂組成物を得た。
〔押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の製造〕
実施例1で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得た架橋メタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、樹脂組成物を得、幅5cm、厚み2mmの透明な押出樹脂板を得、厚み0.3mmの透明なプレス成形樹脂板を得た。押出樹脂板およびプレス成形樹脂板の評価結果を第1表に示す。




第1表
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押出樹脂板 プレス成形樹脂板
鉛筆硬度 Rz Sz 外観 鉛筆硬度 外観
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実施例1 5H 2.8 38 良好な艶消 5H 良好
実施例2 5H 2.9 38 良好な艶消 5H 良好
実施例3 5H 11.4 45 良好な艶消 5H 良好
比較例1 3H 2.7 37 良好な艶消 3H 良好
比較例2 3H − − 良好 3H 良好
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実施例4
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチルの使用量を99.67部とし、エチレングリコールジメチルアクリレートの使用量を0.33質量部とした以外は、実施例1と同様に操作して、重量平均粒子径(D50)11.8μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔積層押出樹脂板の製造〕
MA樹脂100質量部にUVA(1)0.01質量部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合した後、第一の一軸式押出機〔スクリュー径40mm、ベント付、田村プラスチック(株)製〕にて250℃で加熱しながら溶融混練して、第一溶融混練物を得た。
一方、MA樹脂92質量部に上記で得た架橋メタクリル重合体粒子8質量部およびUVA(1)0.01質量部を加え、室温にてポリ袋の中で攪拌して混合したのち、第二の一軸式押出機〔スクリュー径20mm、ベント付、田村プラスチック(株)製〕にて255℃で加熱しながら溶融混練して、第二溶融混練物を得た。
上記で得た第一溶融混練物から得られる層が主層となり、その片面に上記で得た第二溶融混練物から得られる表層が積層された2層構成となるように、2種2層分配型のマルチマニホールドダイに第一溶融混練物および第二溶融混練物を供給し、250℃で共押出成形を行い、切断して、幅20cm、長さ80cmで、厚み2mmの透明な積層押出樹脂板を得た。この積層押出樹脂板は、厚み1.95mmの主層の片面に厚み0.05mmの表層が積層された構成であった。この積層押出樹脂板の評価結果を第2表に示す。
実施例5
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチルの使用量を99.5質量部とし、エチレングリコールジメチルアクリレートの使用量を0.5質量部とした以外は、実施例1と同様に操作して、重量平均粒子径(D50)8.6μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔積層押出樹脂板の製造〕
実施例4で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得たメタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は実施例4と同様に操作して、第二溶融混練物を得、透明な積層押出樹脂板〔幅20cm×長さ80cm×厚み2mm、主層の厚みは1.95mm、表層の厚みは0.05mmの2層構成〕を得た。この積層押出樹脂板の評価結果を第2表に示す。
実施例6
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチルの使用量を98質量部とし、エチレングリコールジメチルアクリレートの使用量を2質量部とした以外は、実施例1と同様に操作して、重量平均粒子径(D50)6.6μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔積層押出樹脂板の製造〕
実施例4で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得たメタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は実施例4と同様に操作して、第二溶融混練物を得、透明な積層押出樹脂板〔20cm×80cm×2mm、主層1.95mm、表層0.05mm〕を得た。この積層押出樹脂板の評価結果を第2表に示す。
比較例3
〔架橋メタクリル重合体粒子の製造〕
メタクリル酸メチル98.82質量部、メチルアクリレート2質量部およびエチレングリコールジメチルアクリレート0.18質量部を混合して単量体混合物100質量部を得た。実施例1で得た単量体混合物に代えて上記で得た単量体混合物100質量部を用いた以外は実施例1と同様に操作して、重量平均粒子径(D50)7.3μmの架橋メタクリル重合体粒子を得た。
〔積層押出樹脂板の製造〕
実施例4で得た架橋メタクリル重合体粒子に代えて上記で得たメタクリル重合体粒子8質量部を用いた以外は実施例4と同様に操作して、第二溶融混練物を得、透明な積層押出樹脂板〔20cm×80cm×2mm、主層1.95mm、表層0.05mm〕を得た。この積層押出樹脂板の評価結果を第2表に示す。
第2表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鉛筆硬度 Rz Sz 外観 フィルム摩擦試験*1
板 フィルム
────────────────────────────────
実施例4 5H 4.8 26 良好な艶消 ○ ○
実施例5 5H 4.1 29 良好な艶消 ○ ○
実施例6 5H 3.9 31 良好な艶消 ○ ○
比較例3 5H 2.2 80 流れ模様 ○ 30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*1:「板」は積層押出樹脂板の傷の有無を、「フィルム」はDBEF−Dフィルムの傷 の有無をそれぞれ示す。また、数値(30)は30往復後にはDBEF−Dフィル ムに傷が付いていたことを示す。
比較例4
PC樹脂100質量部に光拡散剤(2)2質量部およびUVA(2)0.56質量部を加え、室温にてポリ袋の中で攪拌して混合して、樹脂組成物を得た。
実施例1で得た樹脂組成物に代えて上記で得た樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に操作して、幅5cm、厚み2mmの押出樹脂板を得た。この押出樹脂板の評価結果を第3表に示す。
実施例7
比較例4と同様に操作して得た押出樹脂板に、実施例2と同様に操作して得た厚み0.3mmのプレス成形樹脂板を重ね合わせ、熱プレスして接合して、厚み2mmの積層樹脂板を得た。この積層樹脂板の評価結果を第3表に示す。
比較例5
COP樹脂100質量部に、光拡散剤(3)2質量部およびUVA(2)1質量部を加え、室温にてポリ袋の中で攪拌して混合して、樹脂組成物を得た。
実施例1で得た樹脂組成物に代えて上記で得た樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に操作して、幅5cm、厚み2mmの押出樹脂板を得た。この押出樹脂板の評価結果を第3表に示す。
実施例8
比較例5と同様に操作して得た押出樹脂板に、実施例2と同様に操作して得た厚み0.3mmのプレス成形樹脂板を重ね合わせ、熱プレスして接合して、厚み2mmの積層樹脂板を得た。この積層樹脂板の評価結果を第3表に示す。
比較例6
MS樹脂100質量部に光拡散剤(1)2質量部およびUVA(1)0.25質量部を加え、室温にてポリ袋の中で攪拌混合して樹脂組成物を得た。実施例1で得た樹脂組成物に代えて上記で得た樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に操作して、幅5cm、厚み2mmの押出樹脂板を得た。この押出樹脂板の評価結果を第3表に示す。
実施例9
比較例6と同様に操作して得た押出樹脂板に、実施例2と同様に操作して得た厚み0.3mmのプレス成形樹脂板を重ね合わせ、熱プレスして接合して、厚み2mmの積層樹脂板を得た。この積層樹脂板の評価結果を第3表に示す。
第3表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鉛筆硬度 Tt ΔE 外観 フィルム摩擦試験*2
板 フィルム
────────────────────────────
実施例7 5H 58 4.9 良好 ○ ○
比較例4 2B 59 11.1 良好 1 1
実施例8 5H 53 0.9 良好 ○ ○
比較例5 HB 54 1.8 良好 1 1
実施例9 5H 51 0.6 良好 ○ ○
比較例6 3H 51 1.4 良好 30 ○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*2:「板」は積層樹脂板の傷の有無を、「フィルム」はDBEF−Dフィルムの傷の有 無をそれぞれ示す。また、数値(1、30)はそれぞれ1往復または30往復後に 積層樹脂板またはDBEF−Dフィルムに傷が付いていたことを示す。
積層樹脂板の層構成を示す模式図である。
符号の説明
D:表面が傷付き易い樹脂からなる基材層(樹脂板)
E:本発明の樹脂組成物からなる表面層
F:積層樹脂板

Claims (3)

  1. 単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を50質量%以上含むメタクリル重合体(A)と、
    単量体単位組成がメタクリル酸メチル単位50質量%〜99.7質量%、メタクリル酸メチルと共重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体単位0質量%〜49.7質量%、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体単位0.3質量%〜2質量%であり、重量平均粒子径が1μm〜25μmである架橋メタクリル重合体粒子(B)とを含有し、
    メタクリル重合体(A)および架橋メタクリル重合体粒子(B)の合計量100質量部あたり、メタクリル重合体(A)の含有量が80質量部〜95質量部であり、架橋メタクリル重合体粒子(B)の含有量が20質量部〜5質量部であることを特徴とする樹脂組成物(C)。
  2. メタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂または脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を有する樹脂からなる基材層(D)の片面または両面に、請求項1に記載の樹脂組成物(C)からなり厚みが10μm〜500μmの表面層(E)が積層されてなる積層樹脂板(F)。
  3. 基材層(D)の厚みが0.8mm〜5mmである請求項2に記載の積層樹脂板(F)。
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