JP2011110916A - 艶消し樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形品に貼合した際に、貼合の前後で光沢感や艶の具合いに変化が少なく、所望の外観を備えた成形品を得ることができるとともに、印刷等による加飾に制限が少なく、幅広い意匠性を付与することが可能な艶消し樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の艶消し樹脂フィルムは、ポリカーボネート樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(A)からなるポリカーボネート樹脂層(A)の片面に、メタクリル樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(B)からなるメタクリル樹脂層(B)が積層された多層フィルムであって、多層フィルムの前記ポリカーボネート樹脂層(A)側に位置する面(α)は、表面に微細な凹凸を有するマット面であり、この面(α)の算術平均粗さRa1と、多層フィルムの前記メタクリル樹脂層(B)側に位置する面(β)の算術平均粗さRa2とが、式:(Ra1−Ra2)/Ra1>0.40を満たす。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種プラスチック成形品の表面装飾などに有用な艶消し樹脂フィルムに関する。また、本発明は、この艶消し樹脂フィルムを用いてなる加飾用フィルム及び加飾用シート、さらには加飾成形品に関する。
各種プラスチック成形品の表面を装飾する手法の一つとして、成形品表面を艶消し状態にすることにより高級感や深み感といった意匠性を付与する手法がある。成形品の表面を艶消し状態にするには、熱加工等によって成形品の表面に直接、艶消し形状(凹凸など)を形成する方法もあるが、近年では、生産性やコストといった点で有利な射出成形同時貼合法などのフィルム貼合法が採用される傾向にある。例えば、射出成形同時貼合法の場合には、艶消し樹脂フィルムを真空成形や圧空成形などによって三次元形状に予備成形した後、あるいは成形せずに、射出成形金型内に挿入し、その中に溶融樹脂を射出することにより、射出成形品の形成と同時に該射出成形品に艶消し樹脂フィルムを貼合することができる。
このようにフィルム貼合法によって表面に艶消し形状を有する成形品を得ようとする際に用いられる艶消し樹脂フィルムとしては、マット層(艶消し層)を含む多層構造の樹脂フィルムが適していることが知られている。このマット層は、アクリル樹脂に光拡散材や艶消し剤(透明微粒子など)を含有させた材料で形成されたものが一般的であり、例えば、アクリル樹脂に光拡散材を含有させた光拡散層(マット層)が、合成樹脂層の両面または片面に積層されてなる艶消し板が提案されている(特許文献1)。ここで、マット層を積層する合成樹脂層としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂からなる層が挙げられているが、一般に、フィルムの機械的強度などの観点からは、ポリカーボネート樹脂が適していることが知られている。
特開平11−179856号公報
しかしながら、アクリル樹脂に光拡散材を含有させたマット層をポリカーボネート樹脂層の両面に積層してなるフィルムの場合、これを艶消し樹脂フィルムとして成形品に貼合しようとした際に、フィルムの状態での光沢感や艶の具合いと、貼合した後の成形品における光沢感や艶の具合いとが大きく異なり、所望の外観を備えた成形品が得られないという問題があった。また、アクリル樹脂に光拡散材を含有させたマット層をポリカーボネート樹脂層の片面のみに積層してなるフィルムの場合、この艶消し樹脂フィルムのポリカーボネート樹脂層側に印刷等による加飾を施そうとする際に、ポリカーボネート樹脂に対して良好に使用できる塗料が限られるため、付与できる意匠性の幅が狭くなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、成形品に貼合した際に、貼合の前後で光沢感や艶の具合いに変化が少なく、所望の外観を備えた成形品を得ることができるとともに、印刷等による加飾に制限が少なく、幅広い意匠性を付与することが可能な艶消し樹脂フィルムを提供し、さらには、このフィルムを用いた加飾用フィルム、加飾用シート及び加飾成形品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、ポリカーボネート樹脂層(A)の片面にメタクリル樹脂層(B)を積層した多層フィルムにおいて、当該多層フィルムのポリカーボネート樹脂層(A)側に位置する面(α)を表面に微細な凹凸を有するマット面とすることで、得られた艶消し樹脂フィルムに加飾を施すにあたり、用いることのできる塗料に制限が少なく幅広い塗料を良好に用いることが可能なメタクリル樹脂層に印刷でき、加えて、この面(α)の算術平均粗さRa1と、多層フィルムのメタクリル樹脂層(B)側に位置するもう一方の面(β)の算術平均粗さRa2とが、式:(Ra1−Ra2)/Ra1>0.10を満たす所定の関係になるようにすることで、成形品に貼合する前後での光沢感や艶の具合いの変化を抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)ポリカーボネート樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(A)からなるポリカーボネート樹脂層(A)の片面に、メタクリル樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(B)からなるメタクリル樹脂層(B)が積層された多層フィルムであって、多層フィルムの前記ポリカーボネート樹脂層(A)側に位置する面(α)は、表面に微細な凹凸を有するマット面であり、この面(α)の算術平均粗さRa1と、多層フィルムの前記メタクリル樹脂層(B)側に位置する面(β)の算術平均粗さRa2とが、式:(Ra1−Ra2)/Ra1>0.40を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルム。
(2)前記算術平均粗さRa2が0.25以下である前記(1)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(3)前記樹脂材料(A)のガラス転移温度TgA(℃)と前記樹脂材料(B)のガラス転移温度TgB(℃)とが、式:TgA−TgB<25を満たす前記(1)又は(2)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(4)前記樹脂材料(A)が、可塑剤を、ポリカーボネート樹脂:可塑剤(重量比)=70:30〜99:1の割合で含有する前記(3)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(5)前記可塑剤が、リン酸エステル系化合物である前記(4)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(6)マット面である前記面(α)が、メタクリル樹脂を樹脂成分とし、かつ透明微粒子を含む樹脂材料(C)からなるマット層(C)で構成されている前記(1)〜(5)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(7)前記樹脂材料(B)が透明微粒子を含有する(但し、前記樹脂材料(B)の前記TgBは、透明微粒子を含まない状態で測定される値である)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(8)前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)におけるメタクリル樹脂と透明微粒子との含有割合が、メタクリル樹脂:透明微粒子(重量比)=60:40〜99:1である前記(6)又は(7)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(9)前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)に含まれる透明微粒子の体積平均粒子径が3〜10μmである前記(6)〜(8)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(10)前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)に含まれる透明微粒子がアクリル系の架橋粒子である前記(6)〜(9)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(11)前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)における透明微粒子の屈折率(Nd)とメタクリル樹脂の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.01以下である前記(6)〜(10)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(12)前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)が、アクリル系ゴム粒子を、メタクリル樹脂:アクリル系ゴム粒子(重量比)=20:80〜99:1の割合で含有する前記(1)〜(11)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(13)前記アクリル系ゴム粒子が、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、アクリル酸アルキルを50〜99.9重量%と、メタクリル酸アルキルを0〜49.9重量%と、単官能単量体を0〜49.9重量%と、多官能単量体を0.1〜10重量%とを重合させてなる弾性重合体の層を含む弾性重合体部を有する粒子である前記(12)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(14)前記アクリル系ゴム粒子が、前記弾性重合体の層の外側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルを50〜100重量%と、アクリル酸アルキルを0〜50重量%と、単官能単量体を0〜50重量%と、多官能単量体を0〜10重量%とを重合させてなる硬質重合体の層を備えた多層構造の粒子である前記(13)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(15)前記アクリル系ゴム粒子が、前記弾性重合体の層の内側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルを70〜100重量%と、アクリル酸アルキルを0〜30重量%と、単官能単量体を0〜30重量%と、多官能単量体を0〜10重量%とを重合させてなる硬質重合体の層を備えた多層構造の粒子である前記(13)又は(14)に記載の艶消し樹脂フィルム。
(16)前記弾性重合体部の数平均粒子径が100nm以下である前記(13)〜(15)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(17)前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)が、各樹脂材料毎に、樹脂材料の総量に対して0.5〜10重量%の紫外線吸収剤を含有するものである前記(1)〜(16)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(18)艶消し樹脂フィルム全体の厚さが20〜200μmであり、ポリカーボネート樹脂層(A)の厚さが艶消し樹脂フィルム全体の厚さの10〜90%であり、かつメタクリル樹脂層(B)の厚さが5μm以上である前記(1)〜(17)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(19)前記多層フィルムを構成する各樹脂材料が共押出成形されてなる前記(1)〜(18)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
(20)前記(1)〜(19)のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルムにおける面(β)に加飾が施されていることを特徴とする加飾用フィルム。
(21)前記(20)に記載の加飾用フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂シートが積層されてなることを特徴とする加飾用シート。
(22)前記(20)に記載の加飾用フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品。
(23)前記(21)に記載の加飾用シートの熱可塑性樹脂シート側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品。
本発明によれば、成形品に貼合した際に、貼合の前後で光沢感や艶の具合いに変化が少なく、所望の外観を備えた成形品を得ることができるとともに、印刷等による加飾に制限が少なく、幅広い意匠性を付与することが可能な艶消し樹脂フィルムを提供することができる。そして、この艶消し樹脂フィルムを用いた加飾用フィルムや加飾用シートを使用すれば、フィルムから期待した通りに所望の光沢感や艶を備え、さらに印刷等により幅広い意匠性を付与された各種プラスチック成形品を容易に得ることができる、という効果が得られる。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、ポリカーボネート樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(A)からなるポリカーボネート樹脂層(A)の片面に、メタクリル樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(B)からなるメタクリル樹脂層(B)が少なくとも積層された多層フィルムである。本発明においては、当該多層フィルムの2つの面のうち、ポリカーボネート樹脂層側に位置する面を面(α)と称し、メタクリル樹脂層(B)側に位置する面を面(β)と称する。
本発明の艶消し樹脂フィルムにおいては、ポリカーボネート樹脂層(A)側に位置する面(α)が、表面に微細な凹凸を有するマット面である。このように、ポリカーボネート樹脂層(A)側(換言すれば、メタクリル樹脂層(B)の反対側)がマット面であることによって、得られた艶消し樹脂フィルムに印刷等の加飾を施す際にはメタクリル樹脂層に対して施すことになるので、用いることができる塗料に制限が少なく、種々の塗料を用いて良好に印刷でき、付与できる意匠性の幅が広がる、という利点が得られる。
前記面(α)における微細な凹凸は、例えば、i)面(α)を構成する層の形成材料として、樹脂成分とともに透明微粒子をも含有するものを用いるか、ii)面(α)を構成する層の形成材料をフィルム化した後、その表面にエンボス加工を施すか、もしくはこれらi)およびii)を併用するか、のいずれかの手法によって形成することができる。とりわけ、i)の透明微粒子を含有させる手法は、簡便で後述する共押出成形を採用しうるといった点で、好ましい。さらに好ましくは、i)の手法でも、メタクリル樹脂を樹脂成分とする材料を用いるのがよい。すなわち、本発明の艶消し樹脂フィルムにおける面(α)は、メタクリル樹脂を樹脂成分とし、かつ透明微粒子を含む樹脂材料(C)からなるマット層(C)で構成されていることが好ましいのである。なお、樹脂材料(C)については、基本的に後述する樹脂材料(B)と同じ説明を適用できる。
本発明の艶消し樹脂フィルムにおいては、前記面(α)の算術平均粗さRa1と、前記面(β)の算術平均粗さRa2とが、式:(Ra1−Ra2)/Ra1>0.40を満たすことが重要であり、好ましくは、式:(Ra1−Ra2)/Ra1>0.45を満たすのがよい。これにより、成形品に貼合する前後での光沢感や艶の具合いの変化を抑制することができる。
前記面(α)の算術平均粗さRa1の値や前記面(β)の算術平均粗さRa2の値は、特に制限されないが、成形品に貼合する前後での光沢感や艶の具合いの変化を充分に抑制するには、Ra2の上限は、0.25以下であることが好ましく、0.20以下であることがより好ましい。なお、面(α)の算術平均粗さRa1および面(β)の算術平均粗さRa2は、例えば後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
ポリカーボネート樹脂層(A)の形成材料である樹脂材料(A)は、ポリカーボネート樹脂を樹脂成分とするものである。このようにポリカーボネート樹脂層(A)の形成材料としてポリカーボネート樹脂を含むことにより、得られる艶消し樹脂フィルムは優れた機械的強度を発現するものとなる。
前記ポリカーボネート樹脂としては、例えば、i)二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法などで反応させることにより得られるもの、ii)カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法などで重合させることにより得られるもの、iii)環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるもの等が挙げられる。これらの中でも、i)二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法などで反応させることにより得られるものが、生産性の点で好ましい。なお、ポリカーボネート樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記二価フェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
前記二価フェノールとしては、上述したものの中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群から選ばれる二価フェノールを単独で又は2種以上用いるのが好ましく、特に、ビスフェノールAの単独使用や、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群れから選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。
前記カルボニル化剤としては、例えば、ホスゲンの如きカルボニルハライド、ジフェニルカーボネートの如きカーボネートエステル、二価フェノールのジハロホルメートの如きハロホルメート等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
前記樹脂材料(A)は、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤を含有させると樹脂材料(A)のガラス転移温度(TgA)が下がるので、可塑剤を適宜含有させることにより、後述するTgA−TgBの値が所定の範囲になるよう調整することが可能になり、その結果、得られる艶消し樹脂フィルムの成形性を高めることができる。
前記可塑剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートの如きリン酸エステル系化合物;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシルフタレート)、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートの如きフタル酸エステル系化合物;トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテートの如きトリメリット酸エステル系化合物;ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス(ブチルジグリコール)アジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジエチルサクシネートの如き脂肪族二塩基酸エステル系化合物;メチルアセチルリシノレートの如きリシノール酸エステル系化合物;トリアセチン、オクチルアセテートの如き酢酸エステル系化合物;N−ブチルベンゼンスルホンアミドの如きスルホンアミド系化合物;等が挙げられる。これらの中でも特に、ポリカーボネート樹脂との相溶性や、相溶後の樹脂材料(A)の透明性に優れる点で、リン酸エステル系化合物が好ましく、とりわけ、クレジルジフェニルホスフェートやトリクレジルホスフェートがより好ましい。なお、可塑剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記樹脂材料(A)に可塑剤を含有させる場合、その含有量は、通常、ポリカーボネート樹脂:可塑剤(重量比)=70:30〜99:1の割合で設定される。好ましくは、ポリカーボネート樹脂:可塑剤(重量比)=90:10〜98:2の割合で設定するのがよい。可塑剤の量が前述した割合よりも少ないと、得られる艶消し樹脂層フィルムの成形性が不充分になるおそれがある。一方、可塑剤の量が前述した割合よりも多いと、樹脂材料(A)の流動性が著しく大きくなり、例えば、後述するように各樹脂材料を共押出成形する方法でフィルムを作製した場合に、その外観が損なわれるおそれがある。
メタクリル樹脂層(B)の形成材料である樹脂材料(B)は、メタクリル樹脂を樹脂成分とするものである。
前記メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステルとこれ以外の単量体との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。なお、メタクリル樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記メタクリル酸アルキルとしては、通常、アルキル基の炭素数が1〜8であるもの、好ましくは1〜4であるものが用いられる。具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、これらの中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。メタクリル酸アルキルは、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
前記メタクリル酸エステル以外の単量体としては、アクリル酸アルキルや、メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体が挙げられる。
前記アクリル酸アルキルとしては、通常、アルキル基の炭素数が1〜8であるもの、好ましくは1〜4であるものが用いられる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。アクリル酸アルキルは、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
前記メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。ここで、単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きアルケニルシアン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミド;等が挙げられる。また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートの如き多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルの如き不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの如き多塩基酸のポリアルケニルエステル;ジビニルベンゼンの如き芳香族ポリアルケニル化合物;等が挙げられる。メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体は、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
前記メタクリル樹脂を構成する単量体成分(前記メタクリル酸エステル、前記アクリル酸アルキル、および前記メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体)の組成は、全単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルが50〜100重量%、アクリル酸アルキルが0〜50重量%、メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体が0〜49重量%であることが好ましく、より好ましくは、メタクリル酸アルキルが50〜99.9重量%、アクリル酸アルキルが0.1〜50重量%、メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体が0〜49重量%であるのがよい。
前記メタクリル樹脂は、前述した単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの公知の方法で重合させることにより調製することができる。その際、所望のガラス転移温度に調整するため、もしくは好適な成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体成分の種類やその組成などに応じて、適宜決定すればよい。
前記樹脂材料(B)は、アクリル系ゴム粒子を含有することが好ましい。アクリル系ゴム粒子を含有させることにより、得られる艶消し樹脂フィルムの柔軟性や強度を向上させることができる。
前記アクリル系ゴム粒子は、少なくとも、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体からなる層(弾性重合体層)を含む弾性重合体部を有する粒子であればよく、前記弾性重合体層とともに硬質重合体からなる層(硬質重合体層)をも含む多層構造を有する粒子であってもよい。なお、アクリル系ゴム粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記アクリル系ゴム粒子が多層構造を有する場合には、その層構成は、特に限定されず、例えば、内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造、内層(硬質重合体層)/外層(弾性重合体層)からなる2層構造、内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造、内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/外層(弾性重合体層)からなる3層構造、内層(弾性重合体層)/内層側中間層(硬質重合体層)/外層側中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる4層構造等が挙げられる。また、これら層構造のうち最も外側が硬質重合体層である構造において、さらにその外側が異なる組成の硬質重合体層で覆われた構造、具体的には、例えば、内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造、内層(硬質重合体層)/内層側中間層(弾性重合体層)/外層側中間層(硬質重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる4層構造等であってもよい。
前記アクリル系ゴム粒子における弾性重合体部とは、少なくとも弾性重合体を含む部分であり、具体的には、アクリル系ゴム粒子が弾性重合体のみからなる単層の粒子である場合には、当該アクリル系ゴム粒子の全てを意味し、他方、アクリル系ゴム粒子が多層構造を有する粒子である場合には、アクリル系ゴム粒子を構成する層のうち最も外側にある弾性重合体層と該弾性重合体層に覆われる内部とを意味するものとする。すなわち、アクリル系ゴム粒子の弾性重合体部は、該ゴム粒子を構成する全ての弾性重合体層を包含する。例えば、アクリル系ゴム粒子が内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造である場合には、内層のみが弾性重合体部に該当し、アクリル系ゴム粒子が内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造である場合には、内層および中間層が弾性重合体部に該当し、アクリル系ゴム粒子が内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造である場合には、内層のみが弾性重合体部に該当する。
前記アクリル系ゴム粒子としては、具体的には、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、アクリル酸アルキルを50〜99.9重量%と、メタクリル酸アルキルを0〜49.9重量%と、単官能単量体を0〜49.9重量%と、多官能単量体を0.1〜10重量%とを重合させてなる弾性重合体層を含む弾性重合体部を有する粒子が好ましく挙げられる。
さらに好ましくは、前記アクリル系ゴム粒子は、i)前記弾性重合体層の外側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルを50〜100重量%と、アクリル酸アルキルを0〜50重量%と、単官能単量体を0〜50重量%と、多官能単量体を0〜10重量%とを重合させてなる硬質重合体層を備えた多層構造の粒子であるか、ii)前記弾性重合体層の内側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルを70〜100重量%と、アクリル酸アルキルを0〜30重量%と、単官能単量体を0〜30重量%と、多官能単量体を0〜10重量%とを重合させてなる硬質重合体層を備えた多層構造の粒子であるのがよい。なお、前記弾性重合体層の外側に前記i)の硬質重合体層を備え、かつ前記弾性重合体層の内側に前記ii)の硬質重合体層を備えた多層構造の粒子も同様に好ましいことは勿論である。
前記弾性重合体層を形成する際に用いられるアクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するアクリル酸アルキルとして前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのように炭素数が4〜8であるアルキル基を有するものが好ましく挙げられる。なお、このアクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性重合体層を形成する際に任意に用いられるメタクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキルとして前述したものと同様のものが挙げられる。なお、このメタクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性重合体層を形成する際に任意に用いられる単官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成する単官能単量体(メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体)として前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物が好ましく挙げられる。なお、この他の単官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性重合体層を形成する際に用いられる多官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成する多官能単量体(メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体)として前述した単量体の如く、いわゆる架橋剤やグラフト剤としての機能を示すものであればよい。具体的には、前記メタクリル樹脂を構成する多官能単量体と同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、不飽和カルボン酸のアルケニルエステルや多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましく挙げられる。なお、この多官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に用いられるメタクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するメタクリル酸アルキルとして前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも、メタクリル酸メチルが好ましく挙げられる。なお、このメタクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に任意に用いられるアクリル酸アルキルとしては、前記メタクリル樹脂を構成するアクリル酸アルキルとして前述したものと同様のものが挙げられ、それらの中でも特に、炭素数が1〜4であるアルキル基を有するものが好ましく挙げられる。なお、このアクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に任意に用いられる単官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成する単官能単量体(メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体)として前述したものと同様のものが挙げられる。なお、この他の単官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層を形成する際に任意に用いられる多官能単量体としては、前記メタクリル樹脂を構成する多官能単量体(メタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルと共重合可能な単量体)として前述したものと同様のものが挙げられる。なお、この多官能単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記アクリル系ゴム粒子を構成する弾性重合体層と硬質重合体層との重量割合は、特に制限されないが、例えば、隣り合って存在する弾性重合体層と硬質重合体層との割合は、弾性重合体100重量部に対して、硬質重合体が通常10〜400重量部、好ましくは20〜200重量部であるのがよい。
以上のようなアクリル系ゴム粒子は、例えば、公知の乳化重合法によりラテックス中に合成することができ、その後、適当な回収操作(例えば、塩析、酸析、凍結などで凝固させた後、ろ過し、次いで洗浄する方法や、スプレー乾燥処理により回収する方法等)を行なうことにより粉体として単離する方法で得ることができる。乳化重合に際しては、アクリル系ゴム粒子の内側(中心側)の層となる重合体を構成する単量体成分から順に重合させていけばよく、例えば、内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造のゴム粒子の場合は、まず、内層とする弾性重合体を構成する単量体成分を重合させて弾性重合体の粒子を含むラテックスを得、次いで、このラテックスに外層とする硬質重合体を構成する単量体成分を添加して重合させることにより、弾性重合体の粒子に硬質重合体をグラフトさせればよい。なお、各層を形成する際の重合は、それぞれ、1段の反応で行なってもよいし、2段以上の多段反応で行なってもよい。2段以上の多段反応で行う場合には、各段で用いる単量体の組成は特に制限されず、当該層を形成する多段反応で用いる全ての単量体成分の組成が上述した所定の範囲内にあればよい。
前記アクリル系ゴム粒子における弾性重合体部の数平均粒子径は100nm以下であることが好ましく、より好ましくは90nm以下であるのがよい。アクリル系ゴム粒子における弾性重合体部の数平均粒子径が100nmを超えると、耐白化性が不充分となるとともに、透明性も低下することとなる。アクリル系ゴム粒子における弾性重合体部の数平均粒子径は、例えば、乳化重合によりアクリル系ゴム粒子を得る際に、乳化剤の添加量や単量体成分の使用量等を調節することによって制御することができる。
なお、最外層(外層)が硬質重合体層である層構造を有するアクリル系ゴム粒子を用いる場合、弾性重合体部の数平均粒子径(すなわち、アクリル系ゴム粒子を構成する層のうち最も外側にある弾性重合体層よりも外側にある硬質重合体層を除いた粒子の数平均粒子径)は、例えば、当該アクリル系ゴム粒子を樹脂材料(B)に含有させるメタクリル樹脂と混合してフィルム化し、その断面において酸化ルテニウムによる弾性重合体層への染色を施した後、電子顕微鏡で観察して、染色された部分の直径(外径)から求めることができる。アクリル系ゴム粒子をメタクリル樹脂に混合し、その断面を酸化ルテニウムで染色すると、当該アクリル系ゴム粒子は、弾性重合体層よりも外側にある硬質重合体層(最外層(外層))を除いた状態のほぼ円形状の粒子として観察されることになり、例えば、内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造のゴム粒子であれば、内層の弾性重合体層のみが染色されて単層構造の粒子として観察され、内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる3層構造のゴム粒子であれば、外層である硬質重合体層と内層である粒子中心部分の硬質重合体層とは染色されず、中間層の弾性重合体層のみが染色された2層構造の粒子として観察される。
前記樹脂材料(B)に前記アクリル系ゴム粒子を含有させる場合、その含有量は、通常、メタクリル樹脂:アクリル系ゴム粒子(重量比)=20:80〜99:1の割合で設定される。好ましくは、メタクリル樹脂:アクリル系ゴム粒子(重量比)=40:60〜75:25の割合で設定するのがよい。アクリル系ゴム粒子の量が前述した割合よりも少ないと、柔軟性や強度の向上効果が不充分になるおそれがあり、一方、前述した割合よりも多いと、得られる艶消し樹脂フィルムの表面硬度(鉛筆硬度)が低下するおそれがある。
なお、前記アクリル系ゴム粒子は、前記樹脂材料(B)に代えて、もしくは前記樹脂材料(B)とともに、マット層(C)の形成材料である樹脂材料(C)に含有させることもできる。
前記樹脂材料(B)には、透明微粒子を含有させることができる。ここで含有させることができる透明微粒子については、後述する樹脂材料(C)中の透明微粒子と同じ説明を適用できる。
前記樹脂材料(A)のガラス転移温度TgA(℃)と前記樹脂材料(B)のガラス転移温度TgB(℃)とは、式:TgA−TgB<25を満たすことが好ましい。これにより、得られる艶消し樹脂フィルムは良好な成形性を有することになり、例えば射出成形同時貼合法によって容易に加飾成形品を製造することができる。但し、前記樹脂材料(B)が透明微粒子を含有する場合、当該樹脂材料(B)の前記TgBは、透明微粒子を含まない状態で測定される値であるものとする。なお、TgA及びTgBは、例えば後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
前記マット層(C)の形成材料である樹脂材料(C)は、上述したように、マット層(C)の表面に微細な凹凸を設けるために、透明微粒子を含有するものである。前記透明微粒子としては、例えば、アクリル系やスチレン系などの架橋粒子、タルク、ガラスビーズ、シリコーン粒子等が挙げられる。これらの中でも、屈折率やサイズを制御し易い点から、アクリル系の架橋粒子が好ましい。例えば、アクリル系やスチレン系の架橋粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法などの従来公知の方法で製造することができる。なお、透明微粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記透明微粒子の体積平均粒子径は、3〜10μmであることが好ましく、4〜9μmであることがより好ましく、4.5〜8μmであることがさらに好ましい。透明微粒子の体積平均粒子径が3μm未満である場合、透明微粒子を多量に含有させなければ、マット層(C)の表面の凹凸が不充分となるおそれがあり、透明微粒子の含有量が増えると、経済的でないうえに、得られる艶消し樹脂フィルムが脆く割れ易くなるおそれがある。一方、透明微粒子の体積平均粒子径が10μmを超えると、与えられるマット感がざらついた感じになるおそれがある。
前記透明微粒子は、その屈折率(Nd)と、前記樹脂材料(C)中のメタクリル樹脂(前記樹脂材料(B)中に含有させる透明微粒子の場合には、樹脂材料(B)中のメタクリル樹脂)の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.01以下であることが好ましく、0.008以下であるのがより好ましく、0.005以下であるのがさらに好ましい。この屈折率の差(|Nd−Nb|)が0.01を超えると、得られる艶消し樹脂フィルムの一方の面に加飾が施された場合、加飾面を反対側のマット面側から見たときに加飾が白濁して不鮮明になるおそれがある。
前記樹脂材料(C)中の透明微粒子の含有量は、通常、前記樹脂材料(C)中のメタクリル樹脂:透明微粒子(重量比)=60:40〜99:1の割合で設定される。好ましくは、メタクリル樹脂:透明微粒子(重量比)=65:35〜98:2の割合で設定するのがよい。透明微粒子の量が前述した割合よりも少ないと、マット層(C)の表面の微細な凹凸が不充分になるおそれがあり、一方、前述した割合よりも多いと、得られる艶消し樹脂フィルムが脆く割れ易くなるおそれがある。
前記樹脂材料(A)、前記樹脂材料(B)および前記樹脂材料(C)には、必要に応じ、それぞれ各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。添加剤としては、例えば、有機系染料、無機系染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、滑剤、シリコーン系化合物などの難燃剤、フィラー、ガラス繊維、耐衝撃性改質剤等が挙げられる。とりわけ、前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)には、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。これにより、ポリカーボネート樹脂層(A)の光劣化も抑制でき、長期にわたり黄変し難い、紫外線カット能を有する艶消し樹脂フィルムとすることができる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、サリチル酸誘導体系紫外線吸収剤、置換アクリロニトリル系紫外線吸収剤、ニッケル錯体系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中でも、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](市販品では、例えば(株)ADEKA製「LA31」など)や、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(市販品では、例えばチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「チヌビン234」など)の如き、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。なお、紫外線吸収剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)に紫外線吸収剤を含有させる場合、その含有量は、各樹脂材料毎に、樹脂材料の総量に対して、通常0.5〜10重量%とするのがよく、好ましくは1〜5重量%とするのがよい。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲よりも少ないと、艶消し樹脂フィルムの紫外線カット能が不充分となりやすく、一方、前記範囲よりも多いと、艶消し樹脂フィルムを製造する際に紫外線吸収剤の熱揮散によって作業環境の悪化や設備の汚染を招いたり、得られるフィルムに表面荒れなどの不具合を生じるおそれがある。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、少なくとも、前記樹脂材料(A)をフィルム化して形成したポリカーボネート樹脂層(A)と、前記樹脂材料(B)をフィルム化して形成したメタクリル樹脂層(B)とを積層することにより得られるものであり、上述したように、さらに前記樹脂材料(C)をフィルム化して形成したマット層(C)を積層することもできる。その製造方法は、特に制限されないが、例えば、各層の形成材料(樹脂材料(A)、樹脂材料(B)及び必要に応じて樹脂材料(C))をそれぞれ押出機にて溶融させ、フィードブロック法やマルチマニホールド法により共押出成形することにより積層する方法(共押出成形法)や、各層の形成材料のうちいずれか一方を押出成形法などによりフィルム化し、このフィルムの表面に、他方の層の形成材料を、必要に応じて溶剤に溶解するなどしてコーティングする方法等が、好ましく採用される。とりわけ、本発明の艶消し樹脂フィルムは、各樹脂材料が共押出成形されてなるものであることが、製造工程が簡便である点で、好ましい。
共押出成形法により艶消し樹脂フィルムを得る場合、溶融した各層形成材料(樹脂材料(A)、樹脂材料(B)及び必要に応じて樹脂材料(C))をロールやベルトに密着させてフィルム化する。このとき、ロールやベルトの本数、配置、材質等については特に制限されないが、例えば、溶融物(溶融した各層形成材料)を2本の金属ロール間あるいは金属ロールと金属ベルトとの間に接触、通過させて、ロールやベルトの表面を転写させるようにすると、フィルム表面の面精度を高め、加飾性を向上させることができるので、好ましい。また、金属剛性ロール(通常の金属ロール)と金属弾性ロール(表面が弾性を有する金属ロール)とを用いて、面で溶融物(溶融した各層形成材料)の両面を接触、通過させると、成形時の歪みを低減し、強度や熱収縮性の異方性が少ないフィルムを得ることができるので、好ましい。ここで、金属弾性ロールとしては、例えば、軸ロールと該軸ロールの外周面を覆うように配された円筒形の金属製薄膜とを備えるとともに、この軸ロールと金属製薄膜との間に水や油などの温度制御された流体が封入されたものや、ゴムロールの表面に金属ベルトを巻いたもの等が挙げられる。このような金属弾性ロールと金属剛性ロールとの間に溶融物を挟み込むと、金属弾性ロールが溶融物を介して金属剛性ロールの外周面に沿って凹状に弾性変形する。これにより、金属剛性ロール及び金属弾性ロールは溶融物に対して面接触で圧着するので、これらロール間に挟み込まれる溶融物は面状に均一加圧されながら成形されることになる。
特に、前記樹脂材料(C)を用いてマット層(C)を設ける場合には、前述した共押出成形法は、例えば、ダイから押し出された溶融物(樹脂材料(A)、樹脂材料(B)及び樹脂材料(C))を金属弾性ロールである第一冷却ロールと金属剛性ロールである第二冷却ロールとの間に挟み込み、次いで、第二冷却ロールに密着させて巻きつけながら、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間に挟み込み、その後、第三冷却ロールに巻きつけて冷却すればよく、さらに、第四以降の冷却ロールを使用してもよい。その際、第一冷却ロールと第二冷却ロールとの間では、マット層(C)を形成する樹脂材料(C)は、第一冷却ロールと接触する側と第二冷却ロールと接触する側のいずれの側に位置していてもよいが、好ましくは、第二冷却ロールと接触する側に位置するのがよい。樹脂材料(C)が第二冷却ロールと接触する側に位置する場合には、該樹脂材料(C)は、次いで第三冷却ロールの外側に位置することになるので、第一冷却ロールと第二冷却ロールとの間で該樹脂材料内に押さえ込まれていた透明微粒子が、第三冷却ロール外側にて樹脂材料の表面に突出することとなり、その結果、マット層(C)表面の微細な凹凸が形成される。また、樹脂材料(C)が第二冷却ロールと接触する側に位置している過程においてもマット層(C)表面に微細な凹凸形状が形成されるため、第二冷却ロールと接触する側にて冷却された樹脂材料(C)は、その後通過する第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間では、通常の押出成形とは異なりロールに密着させないことが望ましい。具体的には、第二冷却ロールと第三冷却ロールのロール間隔は、フィルムの全厚より大きく保つことが好ましく、フィルムの全厚の2倍以上に保つことがより好ましい。これにより、マット層(C)の表面状態は適度な凹凸を有するものとなる。
かくして得られる艶消し樹脂フィルムは、その全体の厚さが20〜200μmであることが好ましく、より好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは50〜130μmであるのがよい。艶消し樹脂フィルム全体の厚さがあまりに厚いと、これを用いて加飾する際に成形加工に時間がかかるおそれがあり、コスト的にも不利になる傾向がある。一方、艶消し樹脂フィルム全体の厚さがあまりに薄いと、押出成形等による成膜自体が機械的に難しくなるとともに、フィルムの破断強度が低くなり、フィルム製造時の不具合の発生確率が高くなる傾向がある。なお、艶消し樹脂フィルム全体の厚さは、成膜する際に、成膜速度、T型ダイスの吐出口厚み、ロールの間隙などを調節することにより、調整できる。
本発明の艶消し樹脂フィルムにおけるポリカーボネート樹脂層(A)の厚さは、艶消し樹脂フィルム全体の厚さの10〜90%であり、かつメタクリル樹脂層(B)の厚さ(前記マット層(C)を配する場合には、当該マット層(C)の厚さ)が5μm以上であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂層(A)の厚さがあまりに薄いと、艶消し樹脂フィルムが脆く、割れ易くなるおそれがあり、一方、ポリカーボネート樹脂層(A)の厚さが厚すぎたり、メタクリル樹脂層(B)やマット層(C)の厚さが薄すぎたりすると、艶消し樹脂フィルムの表面硬度が不充分になるおそれがある。さらに、メタクリル樹脂層(B)の厚さがあまりに薄いと、該層(B)に対して良好な印刷が施せなくなるおそれがある。
以上のような本発明の艶消し樹脂フィルムは、加飾用フィルムや加飾シートとして好ましく用いられる。
本発明の加飾用フィルムは、i)前記本発明の艶消し樹脂フィルムにおける面(β)に加飾が施されたものである。かかる加飾用フィルムを用いれば、フィルムから期待した通りに所望の光沢感や艶を備え、さらに印刷等により幅広い意匠性を付与された各種プラスチック成形品を、例えば射出成形同時貼合法により容易に得ることができる。
前記艶消し樹脂フィルムに加飾を施す際の手法は、特に制限されるものではなく、例えば、連続グラビア印刷やシルク印刷などによって艶消し樹脂フィルムの表面に木目調などの各種デザインを直接印刷する方法や、蒸着やスパッタリングなどによって金属メッキ調の加飾を施す方法や、あらかじめ印刷や蒸着などにより加飾が施された樹脂フィルムをラミネートする方法等を採用することができる。
本発明の加飾用シートは、前記本発明の加飾用フィルムの加飾側の面に、バッキング材として熱可塑性樹脂シートが積層されてなるものである。ここで、熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、前記熱可塑性樹脂シートの厚さは、通常0.1〜2mmである。
本発明の加飾成形品は、前記本発明の加飾用フィルムの加飾側の面に、あるいは、前記本発明の加飾用シートの熱可塑性樹脂シート側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなるものである。このように、加飾層が設けられていない側の樹脂層面が、得られる加飾成形品の表面に位置するように射出成形を行うことにより、フィルムから期待した通りに所望の光沢感や艶を備え、さらに印刷等により幅広い意匠性を付与された加飾成形品が得られる。ここで、射出成形に供する熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ABS樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
本発明の加飾成形品を得るための方法としては、射出成形同時貼合法が好ましく採用される。詳しくは、射出成形同時貼合法は、i)加飾フィルム又は加飾シートを予備成形することなく射出成形金型内に挿入し、そこに溶融樹脂を射出することにより、射出成形品を形成すると同時に、その成形品に加飾フィルム又は加飾シートを貼合する方法(狭義の「射出成形同時貼合法」と称されることがある)、ii)加飾フィルム又は加飾シートを真空成形や圧空成形などにより予備成形してから射出成形金型内に挿入し、そこに溶融樹脂を射出することにより、射出成形品を形成すると同時に、その成形品に加飾フィルム又は加飾シートを貼合する方法(「インサート成形法」と称されることがある)、iii)加飾フィルム又は加飾シートを射出成形金型内で真空成形や圧空成形などにより予備成形した後、そこに溶融樹脂を射出することにより、射出成形品を形成すると同時に、その成形品に加飾フィルム又は加飾シートを貼合する方法(「インモールド成形法」と称されることがある)などによって行うことができる。射出成形同時貼合法のさらなる詳細については、例えば、特公昭63−6339号公報、特公平4−9647号公報、特開平7−9484号公報等に記載されているような従来公知の技術に従えばよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、含有量または使用量を表す「部」および「%」は、特に断りのない限り「重量部」および「重量%」を意味するものとする。
実施例および比較例における各種物性の測定は、以下の方法により行った。
<ガラス転移温度>
JIS−K7121−1987に準じて、示差走査熱量測定を行い、加熱速度10℃/分で求めた補外ガラス転移開始温度(℃)をガラス転移温度とした。
<フィルムの算術平均粗さ(Ra1、Ra2)>
得られたフィルムを50mm角にカッターで切り出して試験片を作製し、表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製「SJ−201P」)を使用して、フィルムの両面の算術平均粗さを測定した。測定に際しては、JIS−B0601:1994に基づき、カットオフ値は0.8mm、評価長さは4mmとして行った。マット層(C)側(第二冷却ロール接触側)の面である面(α)の算術平均粗さ値をRa1(μm)とし、メタクリル樹脂層(B)側(第一冷却ロール接触側)の面である面(β)の算術平均粗さ値をRa2(μm)とした。
実施例および比較例においては、メタクリル樹脂、アクリル系ゴム粒子および透明微粒子として、以下のものを使用した。
<メタクリル樹脂>
メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル97.8%とアクリル酸メチル2.2%とからなる単量体成分のバルク重合により得られた、ガラス転移温度が104℃、屈折率(Nb)が1.490である熱可塑性重合体のペレットを用いた。
<アクリル系ゴム粒子>
アクリル系ゴム粒子としては、内層がアクリル酸ブチル81%とスチレン17%とメタクリル酸アリル2%とからなる単量体成分を重合させて得られた弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチル94%とアクリル酸メチル6%とからなる単量体成分を重合させて得られた硬質重合体であり、内層(弾性重合体の層)/外層(硬質重合体の層)の重量割合が60/40である、乳化重合法により得られた球形2層構造のゴム粒子を用いた。
このアクリル系ゴム粒子における弾性重合体部(内層である弾性重合体の層)の数平均粒子径を以下の方法で測定したところ、80nmであった。
〔アクリル系ゴム粒子における弾性重合体部の数平均粒子径〕
アクリル系ゴム粒子を上記メタクリル樹脂と混合してフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5%四酸化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬し、該ゴム粒子中の弾性重合体の層を染色した。さらに、ミクロトームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行い、この写真から無作為に100個の染色された弾性重合体の層を選択し、その各々の径を算出した後、その平均値を求め、これを弾性重合体部の数平均粒子径とした。
<透明微粒子>
透明微粒子としては、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業(株)製「MBX−5H」;屈折率(Nd)1.495、体積平均粒径5.1μm)を用いた。
(実施例1、2および比較例1、2)
まず、以下のようにしてポリカーボネート樹脂層(A)の形成材料として樹脂材料(A)を調製した。すなわち、ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製「カリバー303−10」、ガラス転移温度145℃)95部を75mmφ二軸押出機(東芝機械(株)製)を用いて溶融させ、バレルの途中からポンプで液状の可塑剤(クレジルジフェニルホスフェート(大八化学工業(株)製「CDP」))5部を送り込み、ポリカーボネート樹脂と可塑剤とを混合した樹脂材料(A)をペレットとして得た。
なお、この樹脂材料(A)のガラス転移温度(TgA)は117℃であった。
他方、以下のようにしてメタクリル樹脂層(B)の形成材料及びマット層(C)の形成材料とする樹脂材料(樹脂材料(B)、(C))を調製した。すなわち、メタクリル樹脂とアクリル系ゴム粒子と透明微粒子とを、表1に示す割合でスーパーミキサーにて混合し、75mmφ二軸押出機(東芝機械(株)製)を用いて溶融混錬して、メタクリル樹脂およびアクリル系ゴム粒子に透明微粒子をも含有させた樹脂材料(樹脂材料(B)、(C))をペレットとして得た。かくして得られた1つの樹脂材料(これを「樹脂材料(B・C)」とする)を樹脂材料(B)及び樹脂材料(C)として共用した。
なお、樹脂材料(B)のガラス転移温度(TgB)を、透明微粒子を使用しないこと以外は上記と同様にして作製したペレットを用いて測定したところ、表1に示す通りであった。
次に、65mmφ一軸押出機(東芝機械(株)製)を用いてポリカーボネート樹脂層(A)を形成する上記樹脂材料(A)を、45mmφ一軸押出機(東芝機械(株)製)を用いてメタクリル樹脂層(B)及びマット層(C)を形成する上記樹脂材料(B・C)を、それぞれ溶融させ、マット層(C)/ポリカーボネート樹脂層(A)/メタクリル樹脂層(B)の3層構成となるようフィードブロック法にて溶融積層一体化させて、設定温度265℃のT型ダイスを介して押し出した。次いで、押し出されたフィルム状物を、金属弾性ロールである第一冷却ロール、金属剛性ロールである第二冷却ロール、および金属剛性ロールである第三冷却ロールからなる冷却ユニットに通すことにより成形し、艶消し樹脂フィルムを作製した。
なお、用いた冷却ユニットは、押し出されたフィルム状物を第一冷却ロールと第二冷却ロールとの間に挟み込み、次いで、第二冷却ロールに密着させて巻きつけながら、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間に挟み込み、その後、第三冷却ロールに巻きつけて冷却するものである。フィードブロック法にて溶融積層一体化させる際には、フィードブロックのピンの調整により、マット層(C)側が第二冷却ロールと接触する側となるようにした。また、冷却ユニットにおいては、第一冷却ロールと第二冷却ロールはフィルムに面で密着するようにし、第二冷却ロールと第三冷却ロールの間は密着させず0.5mmの間隔を空けてフィルムを通すようにした。第一、第二及び第三冷却ロールの各設定温度は、表1に示す温度とした。
得られた艶消し樹脂フィルムの厚さについて、得られたフィルムを50mm角にカッターで切り出して試験片を作製し、その断面を光学顕微鏡で観察して、フィルム全体の厚さ、層(A)の厚さ、層(B)の厚さを測定したところ、表1に示す通りであった。
また、得られた艶消し樹脂フィルムの各面の算術平均粗さは、表2に示す通りであった。
なお、得られた艶消し樹脂フィルムのメタクリル樹脂層(B)及びマット層(C)における透明微粒子の屈折率(Nd)とメタクリル樹脂の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)は、0.005である。
得られた各フィルム(艶消し樹脂フィルム)について、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
<ヘイズ(H)>
得られたフィルムを50mm角にカッターで切り出して試験片を作製し、ヘーズメーター・反射計((株)村上色彩技術研究所製「HR−100」)を使用して、マット層(C)側(第二冷却ロール接触側)を光源側とし、JIS−K7136に従い測定した。
<60度鏡面光沢度(Gs)>
ヘイズの測定に用いた試験片について、光沢計(ミノルタ(株)製「GM−268」)を使用して、マット層(C)側(第二冷却ロール接触側)の面である面(α)の表面の60度鏡面光沢度(Gs(α))と、メタクリル樹脂層(B)側(第一冷却ロール接触側)の面である面(β)の表面の60度鏡面光沢度(Gs(β))とをJIS−Z8741に従い測定した。
<貼合時60度鏡面光沢度(Gs’)>
メタクリル樹脂板(成形体)の表面に水を塗布し、塗布した水の上に、ヘイズの測定に用いたのと同じ試験片(50mm角に切断した艶消し樹脂フィルム)を載置し、成形体の表面に艶消し樹脂フィルムを密着、貼合させることにより、フィルム付成形体を作製した。水の上に試験片(艶消し樹脂フィルム)を載置するに際しては、得られるフィルム付成形体の表面にフィルムのマット層(C)が存在するように(換言すれば、フィルムのメタクリル樹脂層(B)が水と接するように)載置した。
得られたフィルム付成形体に貼合したフィルム表面(すなわち、マット層(C)側(第二冷却ロール接触側)の面である面(α))の60度鏡面光沢度を、前述したGsの測定方法と同様にして測定し、得られた値を貼合時60度鏡面光沢度(Gs(α)’)とした。Gs(α)’とGs(α)との差(Gs(α)’−Gs(α))が小さいほど、成形品に貼合した際に、貼合前後での光沢感や艶の具合いの変化が少ない、と言える。
<耐衝撃性(シャルピー衝撃試験における吸収エネルギー)>
まず、得られたフィルムから10mm×120mmの短冊状の試験片をカッターで切り出した。このとき、試験片の長辺がフィルムの成形方向に対して平行になるように切り出した試験片(MD方向の試験片)を10本、試験片の長辺がフィルムの成形方向に対して垂直となるように切り出した試験片(TD方向の試験片)を10本、用意した。
次に、各試験片を、試験片の平面(切り出す前のフィルム表面)に垂直な方向から衝撃が加わるように、その両端を試験片支持台に両面粘着テープ(コニシ(株)製「ボンド両面テープ固定用」)で固定し、JIS−K7111に準じてシャルピー衝撃試験を行い、試験片を破断するのに要した吸収エネルギー(J)を測定した。そして、各方向ごとに、10本の試験片の平均値を求め、これを各方向の吸収エネルギー(J)とした。各方向の吸収エネルギー(J)が大きいほど、耐衝撃性が高く丈夫なフィルムであると言える。
<強度(引張破壊ひずみ)>
まず、得られたフィルムから10mm×150mmの短冊状の試験片をカッターで切り出した。このとき、試験片の長辺がフィルムの成形方向に対して平行になるように切り出した試験片(MD方向の試験片)を5本、試験片の長辺がフィルムの成形方向に対して垂直となるように切り出した試験片(TD方向の試験片)を5本、用意した。
次に、各試験片を、インストロン万能試験機(インストロン社製「INSTRON5500R」)を用いて、チャック間50mm、温度25℃、速度50mm/分の条件で、JIS−K7127に準じて試験片が破断するまで延伸し、引張破壊ひずみ(%)もしくは引張破壊時予備ひずみ(%)を測定した。そして、各方向ごとに5本の試験片の平均値を求め、これを各方向の引張破壊ひずみ(%)とした。各方向の引張破壊ひずみ(%)が大きいほど、伸びがよく、強度の高い丈夫なフィルムであると言える。
<柔軟性>
JIS−K5600−5−1:1999に準じて、得られたフィルムを、層(B)側の面と層(C)側の面で、それぞれ二つ折りにしたときの耐屈曲性を、下記の基準で評価した。
○:フィルムが破断せず、柔軟性が良好である
×:フィルムが破断し、柔軟性に欠ける
<耐白化性>
JIS−K5600−5−1:1999に準じて、得られたフィルムを、層(B)側の面と層(C)側の面で、それぞれ二つ折りにしたときの耐屈曲性を、下記の基準で評価した。
○:フィルムの屈曲部分が白化せずに透明である
×:フィルムの屈曲部分に白化が認められる
<表面硬度(鉛筆硬度)>
JIS−K−5600−5−4に準じて、得られたフィルムのマット層(C)側(第二冷却ロール接触側)の面である面(α)の表面硬度を測定した。
<成形性(最大応力)>
得られたフィルムから10mm×150mmの短冊状の試験片を、その長辺がフィルムの成形方向に対して平行になるようにカッターで切り出し、得られた試験片を、インストロン万能試験機(インストロン社製「INSTRON5500R」)を用いて、チャック間50mm、温度140℃、速度50mm/分の条件で、試験片が破断するまで延伸し、延伸中の最大応力(kgf)を測定した。一般に、通常の射出成形同時貼合法における予備成形(真空成形や圧空成形など)時のフィルム表面の温度は140〜160℃程度であることから、140℃における延伸時の最大応力が小さいほど、成形が容易であると言える。
Figure 2011110916
Figure 2011110916

Claims (23)

  1. ポリカーボネート樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(A)からなるポリカーボネート樹脂層(A)の片面に、メタクリル樹脂を樹脂成分とする樹脂材料(B)からなるメタクリル樹脂層(B)が積層された多層フィルムであって、
    多層フィルムの前記ポリカーボネート樹脂層(A)側に位置する面(α)は、表面に微細な凹凸を有するマット面であり、この面(α)の算術平均粗さRa1と、多層フィルムの前記メタクリル樹脂層(B)側に位置する面(β)の算術平均粗さRa2とが、式:(Ra1−Ra2)/Ra1>0.40を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルム。
  2. 前記算術平均粗さRa2が0.25以下である請求項1に記載の艶消し樹脂フィルム。
  3. 前記樹脂材料(A)のガラス転移温度TgA(℃)と前記樹脂材料(B)のガラス転移温度TgB(℃)とが、式:TgA−TgB<25を満たす請求項1又は2に記載の艶消し樹脂フィルム。
  4. 前記樹脂材料(A)が、可塑剤を、ポリカーボネート樹脂:可塑剤(重量比)=70:30〜99:1の割合で含有する請求項3に記載の艶消し樹脂フィルム。
  5. 前記可塑剤が、リン酸エステル系化合物である請求項4に記載の艶消し樹脂フィルム。
  6. マット面である前記面(α)が、メタクリル樹脂を樹脂成分とし、かつ透明微粒子を含む樹脂材料(C)からなるマット層(C)で構成されている請求項1〜5のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  7. 前記樹脂材料(B)が透明微粒子を含有する(但し、前記樹脂材料(B)の前記TgBは、透明微粒子を含まない状態で測定される値である)請求項1〜6のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  8. 前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)におけるメタクリル樹脂と透明微粒子との含有割合が、メタクリル樹脂:透明微粒子(重量比)=60:40〜99:1である請求項6又は7に記載の艶消し樹脂フィルム。
  9. 前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)に含まれる透明微粒子の体積平均粒子径が3〜10μmである請求項6〜8のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  10. 前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)に含まれる透明微粒子がアクリル系の架橋粒子である請求項6〜9のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  11. 前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)における透明微粒子の屈折率(Nd)とメタクリル樹脂の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.01以下である請求項6〜10のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  12. 前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)が、アクリル系ゴム粒子を、メタクリル樹脂:アクリル系ゴム粒子(重量比)=20:80〜99:1の割合で含有する請求項1〜11のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  13. 前記アクリル系ゴム粒子が、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、アクリル酸アルキルを50〜99.9重量%と、メタクリル酸アルキルを0〜49.9重量%と、単官能単量体を0〜49.9重量%と、多官能単量体を0.1〜10重量%とを重合させてなる弾性重合体の層を含む弾性重合体部を有する粒子である請求項12に記載の艶消し樹脂フィルム。
  14. 前記アクリル系ゴム粒子が、前記弾性重合体の層の外側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルを50〜100重量%と、アクリル酸アルキルを0〜50重量%と、単官能単量体を0〜50重量%と、多官能単量体を0〜10重量%とを重合させてなる硬質重合体の層を備えた多層構造の粒子である請求項13に記載の艶消し樹脂フィルム。
  15. 前記アクリル系ゴム粒子が、前記弾性重合体の層の内側に、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、これら以外の単官能単量体及び多官能単量体の合計を100重量%として、メタクリル酸アルキルを70〜100重量%と、アクリル酸アルキルを0〜30重量%と、単官能単量体を0〜30重量%と、多官能単量体を0〜10重量%とを重合させてなる硬質重合体の層を備えた多層構造の粒子である請求項13又は14に記載の艶消し樹脂フィルム。
  16. 前記弾性重合体部の数平均粒子径が100nm以下である請求項13〜15のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  17. 前記樹脂材料(B)および/または前記樹脂材料(C)が、各樹脂材料毎に、樹脂材料の総量に対して0.5〜10重量%の紫外線吸収剤を含有するものである請求項1〜16のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  18. 艶消し樹脂フィルム全体の厚さが20〜200μmであり、ポリカーボネート樹脂層(A)の厚さが艶消し樹脂フィルム全体の厚さの10〜90%であり、かつメタクリル樹脂層(B)の厚さが5μm以上である請求項1〜17のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  19. 前記多層フィルムを構成する各樹脂材料が共押出成形されてなる請求項1〜18のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルムにおける面(β)に加飾が施されていることを特徴とする加飾用フィルム。
  21. 請求項20に記載の加飾用フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂シートが積層されてなることを特徴とする加飾用シート。
  22. 請求項20に記載の加飾用フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品。
  23. 請求項21に記載の加飾用シートの熱可塑性樹脂シート側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品。
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