JP2009051203A - 艶消し樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】マット面と反対側の面に絵柄が印刷された場合に、マット面側から絵柄が鮮明に見える艶消し樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】樹脂フィルム基体の少なくとも一方の面にマット層を形成して、艶消し樹脂フィルムとする。マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsは5〜60%とし、ヘイズHは式:H(%)<70−Gs(%)を満たすようにする。マット層は透明樹脂及びその中に分散した透明微粒子からなる層であるのがよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂フィルム基体の表面にマット層が形成されてなる艶消し樹脂フィルムに関するものである。また、本発明は、上記の艶消し樹脂フィルムを用いてなるマーキングフィルムにも関係しており、さらには、上記の艶消し樹脂フィルムを他のフィルム若しくはシートに積層してなる多層のフィルム若しくはシート、また上記の艶消し樹脂フィルム又は多層のフィルム若しくはシートが熱可塑性樹脂成形体の表面に積層一体化されてなる積層成形体にも関係している。
従来、艶消し処理を行う対象基材としては、一般的にプラスチック板、例えばアクリル樹脂板やポリカーボネート樹脂板が用いられ、熱成形などにより表面に艶消し形状が形成され、意匠性成形体として用いられている。これに対し、近年では、かかる高意匠性成形体の製造方法として、射出成形同時貼合法などのフィルム貼合法が採用されることが多くなっており、艶消し樹脂フィルムへの要望が高まっている。
艶消し樹脂フィルムとしては、艶消し形状を表面に転写したものや、艶消し剤を練り込んだものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。また、特開2003−211598号公報(特許文献3)には、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂と無機系微粒子により、表面にマット層(艶消し層)を形成したものが提案されている。
特開平3−237134号公報 特開平10−237261号公報 特開2003−211598号公報
艶消し樹脂フィルムは、それが貼合される成形体の意匠性を高めるべく、マット面と反対側の面に絵柄が印刷されて用いられることが多いが、従来の艶消し樹脂フィルムでは、マット面側から見える絵柄が白濁して不鮮明になり易いという問題があった。
そこで、本発明の目的は、マット面と反対側の面に絵柄が印刷された場合に、マット面側から絵柄が鮮明に見える艶消し樹脂フィルムを得ることにある。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、樹脂フィルム基体の表面にマット層が形成されてなる艶消し樹脂フィルムであって、所定の光沢度及びヘイズを有するものが、上記目的に適うことを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、樹脂フィルム基体及びその少なくとも一方の面に形成されたマット層からなる艶消し樹脂フィルムであって、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsが5〜60%であり、ヘイズHが式:H(%)<70−Gs(%)を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルムを提供するものである。
この艶消し樹脂フィルムにおいては、例えば、マット層をフィルム基体の一方の面に形成し、それと反対側の面に絵柄を印刷して、意匠性を付与することができる。この場合、絵柄が印刷されている面に粘着剤層を設ければ、マーキングフィルムとして使用することができる。また、上記の艶消し樹脂フィルムのマット層を表面とし、その反対側の面に他のフィルム若しくはシートを積層して、多層のフィルム若しくはシートとすることができる。さらには、上記の艶消し樹脂フィルム又は多層のフィルム若しくはシートを、そのマット層を表面として熱可塑性樹脂成形体に積層一体化すれば、意匠性の優れた積層成形体とすることができる。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、マット面と反対側の面に絵柄が印刷された場合に、マット面側から絵柄が鮮明に見えるので、このフィルムを用いれば、良好な意匠性を有する積層成形体を得ることができる。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、樹脂フィルム基体の少なくとも一方の面にマット層が形成されてなるものである。そして、該マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsは、5〜60%であり、好ましくは10〜50%であり、より好ましくは20〜40%である。Gsが5%を下回ると、艶消し効果が強すぎて透明性を保ち難くなり、フィルムが白くくすんで見え易くなるため、マット面と反対側の面に絵柄が印刷された場合に、マット面側から見える絵柄が白濁して不鮮明になり易い。Gsが60%を上回ると、艶消し効果が十分でない。
また、本発明の艶消し樹脂フィルムは、そのヘイズHが、上記60度鏡面光沢度Gsとの関係で、式:H(%)<70−Gs(%)を満たすものであり、好ましくは式:H(%)<68−Gs(%)を満たすものであり、より好ましくは式:H(%)<65−Gs(%)を満たすものである。このようにHとGsが所定の式を満たすことで、透明性が優れた艶消し樹脂フィルムとなり、マット面と反対側の面に絵柄が印刷された場合に、マット面側から見える絵柄が鮮明になる。
本発明に係る艶消し樹脂フィルムの好ましい層構成の例を、図1に断面の模式図で示す。この例では、マット層5がフィルム基体1の片面に形成されている。また、この例では、フィルム基体1が母体樹脂にゴム粒子3が分散してなる樹脂組成物で構成されている。
前記の如き所定の光学特性を満たす本発明の艶消し樹脂フィルムは、フィルム基体1及びマット層5の組成や厚みなどを調整することにより、製造することができる。
フィルム基体1を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。なかでも透明性や耐候性の点から、アクリル系樹脂が好ましく用いられ、特にメタクリル酸アルキルを主体とする重合体を母体樹脂とし、この母体樹脂にアクリル系ゴム粒子が分散してなる樹脂組成物(耐衝撃性アクリル系樹脂)が好ましく用いられる。
メタクリル酸アルキルを主体とする重合体は、メタクリル酸アルキルを50重量%以上含む単量体を重合させてなる重合体であり、具体的には、実質的にメタクリル酸アルキルのみの重合体であるホモポリメタクリル酸アルキルや2種以上のメタクリル酸アルキルの共重合体のほか、メタクリル酸アルキルとそれに共重合可能な単量体、例えばアクリル酸エステルとの共重合体などでありうる。メタクリル酸アルキルは、そのアルキル部分の炭素数が1〜4程度でありうるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。また、メタクリル酸アルキルとアクリル酸エステルとの共重合体とする場合、共重合成分であるアクリル酸エステルの具体的な例としては、アクリル酸アルキルが挙げられ、そのアルキル部分の炭素数は1〜10程度であるのが好ましい。かかるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの共重合体とする場合は、例えば、メタクリル酸アルキル単位50〜99.5重量%程度、そしてアクリル酸アルキル単位50〜0.5重量%程度の共重合比とするのが好ましい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、他の単量体単位を共重合成分として含んでいてもよい。
これらのメタクリル酸アルキルを主体とする重合体は、ガラス転移温度が60〜110℃で、かつ重量平均分子量が7万〜60万の範囲にあるのが好ましい。そのガラス転移温度は、より好ましくは75℃以上、また105℃以下である。一方、重量平均分子量は、より好ましくは12万以上、また30万以下である。ここでガラス転移温度は、示差走査熱量分析計を用いて測定することができ、その際の条件は通常、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分である。また重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
ガラス転移温度があまり低いと、必要な表面硬度のフィルムが得られない傾向にある。一方、重量平均分子量があまり小さいと、重合体の溶融粘度が低すぎて、フィルムへの成形加工性が悪くなり、またマット加工されたフィルムを射出成形同時貼合法などに適用する場合にも成形性が悪くなり、十分な厚み精度や表面艶消し性が得られない傾向にある。重量平均分子量があまり大きい場合には、重合体の溶融粘度が高すぎて、フィルムに加工する際の成形性が悪くなるとともに、得られたフィルム中にゲル状異物が発生して、問題を生じ易くなる傾向にある。なお、一般にアクリル系樹脂のガラス転移温度は概ね30〜110℃の範囲にあるが、これらのうちで60〜110℃のガラス転移温度を示すものを適宜選択して用いればよい。アクリル系樹脂のガラス転移温度は、その樹脂を構成する単量体の組成によってほぼ決まるので、ここで述べた範囲のガラス転移温度となるように、単量体組成を調整すればよい。
メタクリル酸アルキルを主体とする重合体は、重合によって得られるものをそのまま用いてもよいし、重量平均分子量の異なる2種類以上の重合体を混合して用いてもよい。特にフィルムの表面硬度を上げることが望まれる場合には、重量平均分子量が7万〜20万の範囲にある重合体成分を少なくとも1種類含む混合物を用いればよい。さらに、フィルム化後の熱成形時に凹凸の発生を防止するなどの成形性の向上と、表面硬度の向上とを併せて持たせることが望まれる場合には、重量平均分子量が7万〜20万である成分と重量平均分子量が15万〜70万の範囲にある成分とを、それぞれ少なくとも1種類含む混合物であるのが有利である。かかる混合物は、GPCで測定した重量平均分子量をチャートで観察すると、裾野が広がった形態又はショルダーを伴った形態を呈している。なお、重量平均分子量が7万〜20万の成分は、ガラス転移温度が概ね90〜110℃の範囲にあるのが適当であり、重量平均分子量が15万〜70万の成分は、ガラス転移温度が概ね40〜80℃の範囲にあるのが適当である。
アクリル系ゴム粒子は、例えば、アルキル部分の炭素数が4〜8であるアクリル酸アルキルと多官能単量体とを、必要に応じて他の単官能単量体と共に、共重合させて得られるゴム弾性体を含有するものであればよい。このような共重合体からなる単層のアクリル系ゴム粒子のほか、このような共重合体を一つの層とする多層構造のアクリル系ゴム粒子も使用できる。ここで用いる多官能単量体は、1分子中に少なくとも2個の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸アリルや(メタ)アクリル酸メタリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、マレイン酸ジアリルのような二塩基酸のジアルケニルエステル、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステルなどが挙げられる。また、任意に共重合成分とされる他の単官能単量体としては、例えば、スチレン、核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
アクリル酸アルキルと多官能単量体を必須に含む単量体混合物を共重合させて得られるゴム弾性体を含む多層構造のアクリル系ゴム粒子は、例えば、上記のアクリル酸アルキルと多官能単量体とを必須の単量体とする共重合体からなるゴム弾性体の層のまわりに、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体からの硬質重合体の層が形成されたものであることができ、2層、3層又はそれより多くの層からなるものが包含される。2層構造のアクリル系ゴム粒子としては、例えば、内層が上記のアクリル酸アルキルと多官能単量体を必須に含む単量体混合物の共重合によって得られるゴム弾性体であり、外層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体であるものが挙げられる。3層構造のアクリル系ゴム粒子としては、例えば、最内層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体であり、中間層が上記のアクリル酸アルキルと多官能単量体を必須に含む単量体混合物の共重合によって得られるゴム弾性体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体であるものが挙げられる。最内層は、メタクリル酸メチルのほかに少量の多官能単量体を用い、架橋されているのが好ましい。かかる3層構造のアクリル系ゴム粒子は、例えば、特公昭55−27576号公報(米国特許第3793402号明細書)などに記載の方法によって製造することができる。本発明においては、少なくとも2層の多層構造を有するゴム粒子を用いるのが好ましく、さらにフィルムとしたときの表面硬度向上の観点からは、3層構造のゴム粒子を用いるのが一層好ましい。
かかるアクリル系ゴム粒子の平均粒径は、通常、約50〜500nmであり、好ましくは約80nm以上、さらには約150nm以上であり、また、好ましくは約350nm以下、さらには約300nm以下である。平均粒径があまり小さいと、得られるフィルムの耐衝撃性が低くなる傾向にあり、またあまり大きいと、透明性が低くなる傾向にある。
なお、最外層がメタクリル酸メチルを主たる単量体とする硬質重合体であり、その中にゴム弾性体が包み込まれているアクリル系ゴム粒子は、それを母体のアクリル系樹脂に混合すると、ゴム粒子の最外層が母体樹脂と混和するため、その断面において酸化ルテニウムによるゴム成分への染色を施し、電子顕微鏡で観察した場合、そのゴム粒子が、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がゴム弾性体であり、外層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体である2層構造のアクリル系ゴム粒子を用いた場合には、そのゴム弾性体部分が染色されて単層構造の粒子として観察され、また、最内層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体であり、中間層がゴム状弾性体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体である3層構造のアクリル系ゴム粒子を用いた場合には、最内層である粒子中心部分が染色されず、中間層のゴム弾性体部分のみが染色された2層構造の粒子として観察されることになる。本明細書において、ゴム粒子の平均粒径とは、このように、ゴム粒子を母体樹脂に混合して断面を酸化ルテニウムで染色したときに、染色されてほぼ円形状に観察される部分の径の数平均値である。
メタクリル酸アルキルを主体とする重合体とアクリル系ゴム粒子との割合は、メタクリル酸アルキルを主体とする重合体が95〜40重量部程度、アクリル系ゴム粒子が5〜60重量部程度、両者の合計が100重量部となるようにするのが好ましい。アクリル系ゴム粒子の量があまり少ないと、フィルムへの成形が難しくなり、またその量があまり多いと、フィルムの表面硬度が低くなるため、好ましくない。アクリル系ゴム粒子は、メタクリル酸アルキルを主体とする重合体との合計100重量部に対して、10重量部程度又はそれよりも多くなるようにするのがより好ましく、さらに、印刷時又は同時貼合成形時のフィルム破断を有効に防止する観点からは、15重量部以上となるように配合するのが一層好ましい。また、このフィルム基体を構成する樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合体成分を含有していてもよい。
フィルム基体1は、通常の添加剤を含有していてもよい。かかる添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤のような耐候剤、難燃剤、着色剤、顔料、無機系充填剤などが挙げられる。これらの添加剤は、例えばフィルム基体を上記樹脂組成物で構成する場合、メタクリル酸アルキルを主体とする重合体及びアクリル系ゴム粒子を混練する際に添加されてもよいし、予めメタクリル酸アルキルを主体とする重合体又はアクリル系ゴム粒子に含有させておいてもよい。
なかでも紫外線吸収剤を含有させることは、耐候性の一層優れた積層成形品とすることができる点で、好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を、それぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として具体的には、2,2′−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール〕、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールなどが例示される。ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−クロロベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなどが例示される。なかでも、フィルムからの揮発分を少なくし、また印刷絵柄の劣化を防止する観点からは、高分子量のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば、2,2′−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール〕などが好ましい。
フィルム基体1は、それを構成する樹脂を、必要に応じて配合される添加剤と共に混練し、チルロールによる押出キャスティング、インフレーション押出成形法などによってフィルム化することで、好適に製造できるが、印刷適性や厚み精度の面からは、フィルムの両面をロール表面に接触させて成形する押出成形法、又は両面を金属ベルトに接触させて成形するベルト冷却押出法によりフィルム化するのが好ましい。
こうして得られるフィルム基体1の少なくとも一方の面に、前記所定の光学特性が満たされるようにマット層5を設けることにより、艶消し樹脂フィルム10とする。そして、このマット層5は、透明樹脂及びその中に分散した透明微粒子からなる層であるのが好ましい。
透明微粒子は、その屈折率Ndと透明樹脂の屈折率Nbとの差(|Nd−Nb|)が0.02以下であるのが好ましく、0.01以下であるのがより好ましく、0.005以下であるのがさらに好ましい。|Nd−Nb|があまり大きいと、ヘイズが高くなり易く、前記式:H(%)<70−Gs(%)を満たし難くなる。
透明微粒子の体積平均粒径は、0.5〜10μmであるのが好ましく、1〜6μmであるのがより好ましく、2〜4μmであるのがさらに好ましい。体積平均粒径があまりに小さいと、それに応じてマット層の厚みを薄くする必要があり、十分な塗膜強度が保てなくなるため好ましくない。体積平均粒径があまりに大きいと、それに応じてマット層の厚みを厚くする必要があり、通常塗工できる範囲を越えて技術的に困難となり、且つ、経済的でない。
透明微粒子としては、例えば、アクリル系やスチレン系の架橋粒子のほか、タルク、ガラスビーズ、シリコーン粒子などが用いられる。なかでも、屈折率やサイズを制御し易い面から、アクリル系の架橋粒子を用いることが好ましい。
透明樹脂としては、例えば、アクリル系、エポキシ系、エステル系、ウレタンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などの樹脂が挙げられる。なかでも、フィルム基体の伸びに対する追従性に鑑みると、ウレタンアクリレート系の樹脂が好ましく用いられる。
マット層5の形成は、例えば、透明樹脂又はその原料を溶解した溶液に透明微粒子を分散させた状態で塗料を構成し、これを上記フィルム基体1のマット層を形成しようとする面に塗布することによって行われる。塗布には、ダイコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ディップコート法、フローコート法など、公知の各種方法が使用できる。形成された塗膜は乾燥させて溶剤を揮発させることでマット層5とすることができる。その際、塗料の組成や塗膜ないしマット層5の厚みを調整することで、前記所定の光学特性を備えた艶消し樹脂フィルム10を得ることができる。
マット層5の厚みは、透明微粒子の体積平均粒径の2〜5倍であるのが好ましく、2.5〜3倍であるのがより好ましい。マット層の厚みがこの範囲にあれば、透明微粒子が塗膜に内包され、塗膜表面になだらかで微細な凹凸が形成されて、良好な艶消し性能でありながら透明性が高い、つまり、光沢度の割にヘイズが低い艶消し樹脂フィルムとすることができる。マット層の厚みが透明微粒子の体積平均粒径に対しあまりに小さいと、塗膜の表面に透明微粒子による多数の突起が形成され、突起部分で入射光が鋭角に散乱されるため、光沢度が十分に下がらない割に、ヘイズが高くなる。マット層の厚みが透明微粒子の体積平均粒径に対しあまりに大きいと、所望とする光沢度とするのに大量の透明微粒子が必要となること、塗料も大量に必要となることから、経済的でない。
かくして得られる艶消し樹脂フィルム10は、全体の厚みを40〜800μm程度とするのが好ましく、50〜500μm程度とするのがより好ましい。この艶消しフィルム10は、片面のみにマット層5が形成されている場合、他方の面7には絵柄が印刷されてもよいし、またフィルム基体1自体を着色して、意匠性を付与してもよい。両面にマット層5を形成する場合も、フィルム基体1自体を着色して、意匠性を付与することができる。この艶消し樹脂フィルム10は、優れた成形加工性を有しているため、成形時の艶消し性能維持の観点からも望ましく、射出成形同時貼合法をはじめとする表面被覆手法に好適に用いられる。
また、この艶消し樹脂フィルム10は、その片面に粘着剤層や接着剤層などを有していてもよく、かかる層は、粘着剤や接着剤などを所望の面にコーティングすることによって、容易に付与することができる。フィルム基体1の片面にマット層5を設けた場合には、そのマット層5側の面に粘着剤層や接着剤層が設けられてもよいし、それとは反対側の艶消し加工されていない側の平滑な面7に粘着剤層や接着剤層が設けられてもよい。片面にマット層5が形成されている場合、通常は、その反対側の面7に粘着剤層又は接着剤層を形成するのが有利である。
片面のみにマット層5が形成されたフィルムについて、マット層の形成されていない面7に絵柄を印刷する場合は、この面7が平滑であるという特長を生かして、グラビア印刷、スクリーン印刷あるいは、コンピューターグラフィック技術を利用したインクジェットプリンター等による印刷などの方法が採用できる。マット層が形成されていない側の平滑な面7に印刷が施された場合には、その印刷層上に粘着剤層を設けて、マーキングフィルムとして使用することができる。
マーキングフィルムとは、各種の文字、記号、写真などの絵柄が印刷され、各種構造物の表面に貼り付けて、広告、宣伝、警告、表示などに使用されるフィルムであり、例えば、屋外看板、案内サイン(駅の構内サインなど)、乗用車やトラック、バス、鉄道車両(電車、客車など)のような各種車両へのマーキング、自動販売機へのマーキング、工場や建設現場の板囲いなどへのマーキング、シャッターや外壁へのマーキング、建設機械へのマーキング、船舶へのマーキング、乗用車やトラック、二輪車、弱電部品などにおけるインライン部材としての加飾表示などに使用されるものである。従来からマーキングフィルムとしては、軟質塩化ビニル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが主に用いられてきたが、本発明において、基体となる樹脂フィルムがアクリル系樹脂フィルムである場合は、これら従来から用いられているフィルムに比べ、耐候性や耐光性に優れている。
本発明の艶消しフィルムは、他のフィルム若しくはシートに積層して、多層のフィルム若しくはシートとして使用することもできる。この場合、マット層5が多層のフィルム若しくはシートの表面となるように貼合される。フィルム基体1の片面にマット層5を形成した場合は、そのマット層5と反対側の面7に他のフィルム若しくはシートを積層すればよく、フィルム基体1の両面にマット層5を形成した場合は、その一方の面に他のフィルム若しくはシートを積層すればよい。他のフィルム若しくはシートを構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。他のフィルム若しくはシートの表面には、絵柄の印刷が施されていてもよい。多層のフィルム若しくはシートとする場合は、例えば、熱可塑性樹脂を予めフィルム状若しくはシート状に成形しておき、それと本発明の艶消しフィルムとを、加熱ロール間で連続的にラミネートする方法や、プレスで熱圧着する方法、接着剤層を介在させてラミネートする方法(ウェットラミネーション)など、いわゆるラミネート法が採用できる。
かかる多層のフィルムも、艶消しフィルムが貼合された側とは反対側の面に粘着剤層を設けて、マーキングフィルムとすることができる。このような多層のフィルムをマーキングフィルムとする場合、絵柄は、フィルム基体1の片面にマット層5を形成して本発明に係る艶消しフィルム10を構成し、マット層5と反対側の面7に印刷してもよいし、艶消しフィルム10に貼り合わされる他のフィルムの貼り合わせ面に印刷してもよいし、艶消しフィルム10に貼り合わされる他のフィルムの貼り合わせ面とは反対側の面に印刷してもよい。
また、本発明に係る艶消しフィルム、片面にマット層が形成され、他面に印刷が施された艶消しフィルム、あるいは、これらのフィルムのマット層を表面にして他のフィルム若しくはシートと積層した多層のフィルム若しくはシートは、例えば射出成形同時貼合法により、熱可塑性樹脂成形体の表面に積層一体化することができる。いずれの場合も、通常は、艶消しフィルムにおけるマット層が最も外側となるように積層される。本発明の艶消しフィルム又はそれを含む多層のフィルム若しくはシートを積層するのに適した熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
射出成形同時貼合法は、上記のフィルム又はシートを予備成形することなく、射出成形金型内に挿入し、そこに溶融樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に、その成形体に上記のフィルム又はシートを貼合する方法(狭義の射出成形同時貼合法と呼ばれることがある)、上記のフィルム又はシートを真空成形圧空成形などにより予備成形してから射出成形金型内に挿入し、そこに溶融樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に、その成形体に上記のフィルム又はシートを貼合する方法(インサート成形法と呼ばれることがある)、上記のフィルム又はシートを射出成形金型内で真空成形や圧空成形などにより予備成形した後、そこに溶融樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に、その成形体に上記のフィルム又はシートを貼合する方法(インモールド成形法と呼ばれることがある)などによって行うことができる。射出成形同時貼合法のさらに詳しい説明は、例えば、特公昭63−6339号公報、特公平4−9647号公報、特開平7−9484号公報などに記載されている。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら制限されるものではない。例中、使用量を表す部は、特記ないかぎり重量基準である。
実施例1〜17、比較例1〜10
(アクリル系樹脂フィルムの製造)
メタクリル酸アルキルを主体とする重合体として、バルク重合法により製造され、メタクリル酸メチル単位99重量%及びアクリル酸メチル単位1重量%からなり、ガラス転移温度が105℃、重量平均分子量が約14万のアクリル樹脂を用いた。なお、ガラス転移温度は、JIS K7121に従い、示差走査熱量測定により加熱速度10℃/分で求めた補外ガラス転移開始温度である。また、重量平均分子量の測定は、GPCにより、カラム:東ソー(株)のTSKgel GMHHR−H(7.8mmφ×300mm)を3本直列、溶媒:テトラヒドロフラン、温度:40℃、検出器:RI、流量:1.0ml/分の条件で行い、分子量標準として標準PMMA試料を用いた。
アクリル系ゴム粒子として、特公昭55−27576号公報(米国特許第3793402号明細書)の実施例3に準じて製造され、最内層が、メタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合させた硬質重合体、中間層が、アクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合させた弾性重合体、最外層が、メタクリル酸メチルと少量のアクリル酸エチルを用いて重合させた硬質重合体からなる球状の3層構造体であって、母体樹脂に混合したときの数平均粒径が約210nmのものを用いた。
紫外線吸収剤として、2,2′−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール〔旭電化工業(株)のアデカスタブ LA−31〕を用いた。
上記のアクリル樹脂80部、ゴム粒子20部及び紫外線吸収剤0.5部をタンブラー型混合機で混合し、同方向回転の二軸押出機を用いて樹脂温度を255℃に保ちながら溶融混練して、ペレット化した。次に、一軸押出機〔東芝機械(株)製、バレル径65mmφ〕を用い、各アクリル樹脂組成物のペレットをT型フィルムダイス(リップクリアランス0.5mm、600mm幅、設定温度250℃)を介して押出し、冷却ポリシングロールに両面を完全に接触させて成形し、厚み75μmのアクリル系樹脂フィルムを得た。
(マット層を構成する透明樹脂の屈折率測定)
アクリルポリオールを含む塗料〔大日精化工業(株)のトップコート剤PTC−NT U−605メヂウム(A)〕10部とイソシアネート系の硬化剤〔大日精化工業(株)のトップコート剤No.73〕1部又は2部を混合し、それぞれガラス基板上に塗布し、60℃のオーブン中に2時間放置して、乾燥及び硬化を行い、透明樹脂(硬化物)を得た。各透明樹脂の切片を屈折率が1.496の標準液中に浸し、光学顕微鏡で観察したところ、切片の輪郭が見えなかった。屈折率が1.492の標準液及び屈折率が1.500の標準液中では、切片の輪郭が見えた。以上のことから、上記塗料10部に対して上記硬化剤を1〜2部の割合で用いた場合、得られる透明樹脂の屈折率Nbは1.496±0.002になると判断し、以下、この割合の範囲で上記塗料及び硬化剤を用いて、マット層を形成した。
(マット層の形成)
架橋粒子として、次のものを用いた。
架橋粒子(A):積水化成品工業(株)のXX−66K(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径2.7μm、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体)。
架橋粒子(B):積水化成品工業(株)のMBX−8(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径7.9μm、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体)。
架橋粒子(C):積水化成品工業(株)のMBX−5(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径5.1μm、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体)。
架橋粒子(D):積水化成品工業(株)のXX−235K(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径1.6μm、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体)。
架橋粒子(E):積水化成品工業(株)のMBX−12(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径12μm、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体)。
架橋粒子(F):積水化成品工業(株)のXX−133K(屈折率Nd=1.525、体積平均粒径5.0μm、メタクリル酸メチル−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)。
表1に示す架橋粒子18部、アクリルポリオールを含む塗料(同上)55部、及び溶剤〔大日精化工業(株)のPTC−NT No.2〕7部を混合し、透明微粒子分散液とした。この透明微粒子分散液(表1中「分散液」と略記する)、アクリルポリオールを含む塗料(同上;表1中「塗料」と略記する)、イソシアネート系の硬化剤(同上;表1中「硬化剤」と略記する)、及び溶剤(同上)を表1に示す重量比で混合し、この調合塗料を上で製造したアクリル系樹脂フィルムの片面に、表1に示すバーコーターを使用して塗布し、その後、60℃のオーブン中に2時間放置して、乾燥及び硬化を行った。これにより、片面にマット層を有する艶消し樹脂フィルムを得た。
得られた艶消し樹脂フィルムについて、(株)村上色彩技術研究所のHR−100を使用し、マット面を光源側として、ヘイズ(H)をJIS K7136に従って測定した。また、ミノルタ(株)の光沢計GM−268を使用し、マット面の60度鏡面光沢度(Gs)をJIS K7105に従って測定した。また、(株)日立製作所の電解放射型走査電子顕微鏡FE−SEM S−4200を使用し、マット層と基材層(アクリル系樹脂フィルム層)の境界からマット層表面までの最短距離をを測定し、これをマット層の厚みとした。これらの結果を表1に示した。
Figure 2009051203
(絵柄の評価)
実施例1〜17及び比較例1〜10で得られた艶消し樹脂フィルムのマット面と反対側の面に、艶消し黒色塗料〔(株)GSIクレオスのMr.COLOR33〕を塗布し、マット面側から目視で観察した。60度鏡面光沢度(Gs)が近いもの同士を比較したところ、実施例は比較例に比べて、白っぽさが少ない鮮明な黒色が観察され、例えば、実施例1、4及び5は比較例3及び4に比べて、実施例3は比較例1に比べて、実施例6は比較例5に比べて、実施例7は比較例6に比べて、実施例8は比較例7に比べて、それぞれ白っぽさが少ない鮮明な黒色が観察された。また、実施例9は比較例8に比べて、実施例10は比較例9に比べて、実施例11は比較例10に比べて、それぞれ60度鏡面光沢度(Gs)が近い又は下回っているにも関わらず、白っぽさが少ない鮮明な黒色が観察された。
本発明に係る艶消し樹脂フィルムの層構成の例を示す断面模式図である。
符号の説明
1……フィルム基体、
3……ゴム粒子、
5……マット層、
7……マット層と反対側の平滑面、
10……艶消しフィルム。

Claims (16)

  1. 樹脂フィルム基体及びその少なくとも一方の面に形成されたマット層からなる艶消し樹脂フィルムであって、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsが5〜60%であり、ヘイズHが式:H(%)<70−Gs(%)を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルム。
  2. マット層が透明樹脂及びその中に分散した透明微粒子からなる層である請求項1に記載の艶消し樹脂フィルム。
  3. 透明微粒子の屈折率Ndと透明樹脂の屈折率Nbとの差(|Nd−Nb|)が0.02以下である請求項2に記載の艶消し樹脂フィルム。
  4. 透明微粒子の体積平均粒径が0.5〜10μmである請求項2又は3に記載の艶消し樹脂フィルム。
  5. マット層の厚みが透明微粒子の体積平均粒径の2〜5倍である請求項2〜4のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  6. 透明微粒子がアクリル系の架橋粒子である請求項2〜5のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  7. 樹脂フィルム基体がメタクリル酸アルキルを主体とする重合体及びアクリル系ゴム粒子を含有する樹脂組成物からなるアクリル系樹脂フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  8. メタクリル酸アルキルを主体とする重合体がメタクリル酸アルキルのみの重合体又はメタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとの共重合体である請求項7に記載の艶消し樹脂フィルム。
  9. メタクリル酸アルキルを主体とする重合体が60〜110℃のガラス転移温度及び7万〜60万の重量平均分子量を有する重合体である請求項7又は8に記載の艶消し樹脂フィルム。
  10. アクリル系ゴム粒子が、アルキルの炭素数が4〜8であるアクリル酸アルキルと多官能単量体との共重合体からなるゴム弾性体の層のまわりに、メタクリル酸メチルを主体とする硬質重合体の層が形成されてなる多層構造の粒子である請求項7〜9のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  11. アクリル系ゴム粒子が50〜500nmの平均粒径を有する粒子である請求項7〜10のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  12. 全体の厚みが40〜800μmである請求項1〜11のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  13. 樹脂フィルム基体の一方の面にマット層が形成されており、それと反対側の面に絵柄が印刷されている請求項1〜12のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  14. 請求項13記載の艶消しアクリル系樹脂フィルムの絵柄が印刷されている面に粘着剤層が設けられてなることを特徴とするマーキングフィルム。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルムのマット層を表面とし、その反対側の面に他のフィルム若しくはシートが積層されてなることを特徴とする多層のフィルム若しくはシート。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム又は請求項15記載の多層のフィルム若しくはシートが、マット層を表面として熱可塑性樹脂成形体に積層一体化されてなることを特徴とする積層成形体。
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