JP3287255B2 - アクリルフィルムおよびそれを用いた成形体 - Google Patents

アクリルフィルムおよびそれを用いた成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出成形同時貼合等
に適したアクリルフィルムまたはシート(以下、両者を
合わせてフィルムと称することがある)、およびそれを
用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形同時貼合方法は、特公昭63−
6339号公報、特公平4−9647号公報、特開平7
−9484号公報に開示されるように、射出成形の際に
雌雄金型間に挿入したフィルムをキャビティ内に射出さ
れる溶融樹脂と一体化させ、成形体表面を加飾あるいは
絵付けする方法であり、使用されるフィルムの種類の違
いにより、ラミネート法または転写印刷法と呼ばれてい
る成形方法である。
【0003】すなわち、ラミネート法においては、基材
フィルムおよび絵柄層からなる絵付けフィルムの全層が
成形体の表面に接着一体化されて化粧層となる貼合用絵
付けフィルム(ラミネートフィルム)が使用される。転
写印刷法においては、転写フィルムを使用し、成形体表
面に一体化した絵付けフィルムのうち基材フィルムのみ
を剥離し、絵柄層等の転写層を成形体側に残留させ、化
粧印刷層とする。
【0004】従来このような方法では、例えば、絵柄を
印刷した塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルムま
たはポリスチレンフィルム等を、アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン(ABS)樹脂またはポリスチレン
樹脂の表面上にラミネート法や転写印刷法により貼合
し、成形品を得ている。また自動車内装用途に用いられ
る木目調等の柄を印刷した成形品は、ABS樹脂成形品
表面に水圧転写法(カールフィット法)などにより柄を
印刷し、その表面をウレタン等の透明樹脂で被覆し、深
みを与えて製造される。
【0005】このように樹脂表面を被覆する目的は、基
材の保護、表面機能付与、透過遮蔽性の付与などの機能
付与、表面の艶を調整する、立体感(深み)を与える、
絵柄を付けるなどの意匠性の向上、さらには構造力学的
な強度の付与といったことが主である。
【0006】そして被覆樹脂は、そのコスト、機能性、
外観、後加工性によって、熱可塑性または熱硬化性樹脂
の中から選択される。熱可塑性樹脂フィルムとしては、
ポリ塩化ビニルフィルム(塩ビフィルム)、ポリオレフ
ィン系フィルム、ポリエステル系フィルム、アクリル系
樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム等がある。アクリ
ル系樹脂フィルムは、塩ビフィルムとの熱融着が可能で
あり、塩ビフィルムの表面を被覆することで、その耐候
性や紫外線遮蔽性能によって、下地の塩ビフィルムを保
護することができる特徴があり、外装建材用途に用いら
れる。
【0007】このようなアクリル系樹脂フィルムとし
て、特公昭56−27378号公報には、メタクリル酸
アルキルエステルを主成分とする樹脂組成物及び紫外線
吸収剤等からなるフィルムが開示されている。
【0008】さらに特開昭51−129449号公報に
は、多層構造重合体組成物として、その多層構造におい
ては中心から外層に向かってアルキルメタクリレートが
単調に増加しており、透明性、耐ストレス白化性に優れ
たアクリル系樹脂のフィルムが開示されている。また、
市販されているアクリル系樹脂のフィルムとしては、商
品名がアクリプレンあるいはサンジュレンといったもの
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に用いられる塩ビ
フィルムについては、前述のように耐候性が低く、加え
てそれが廃棄物として焼却された場合に環境を汚染する
という問題を有する。また、建材分野で用いられている
市販のアクリル系樹脂フィルムは、一般的に軟質であ
り、その表面硬度が低い。さらに、前述した木目調の柄
を予め印刷した樹脂成形品の表面を透明の樹脂でクリア
塗装する方法は、クリア層の塗布が重ね塗りとなるた
め、不良の発生率が高い、コストが高い、あるいは工場
内で溶剤を使用するため、環境汚染発生のおそれがある
などの問題点を有する。
【0010】本発明者らはかかる事情に鑑み、表面硬度
を保ち、加飾された成形品について鋭意検討した結果、
特定のアクリル系樹脂にゴム弾性層を含む多層構造アク
リル系重合体を分散した樹脂組成物からなるフィルム
が、射出成形同時貼合用のフィルムとして優れており、
表面硬度を保ち、加飾された成形品を安価に容易に製造
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、メタ
クリル酸メチルを主成分としガラス転移温度が40〜1
05℃のアクリル系樹脂95〜50重量%に、ゴム弾性
層を含む多層構造アクリル系重合体5〜50重量%を分
散した樹脂組成物からなり、両面をロール表面または金
属ベルト表面に接触させて成形されてなり、かつ厚みが
0.1〜0.6mmであることを特徴とするアクリルフィル
ムまたはシートを提供し、また、その片面に絵柄が印刷
されている前記のアクリルフィルムまたはシートをも提
供する。さらに本発明によれば、これらいずれかのアク
リルフィルムまたはシートが熱可塑性樹脂成形品の表層
に接着一体化されてなる成形体も提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
メタクリル酸メチルを主成分とするアクリル系樹脂は、
メタクリル酸メチルが少なくとも50重量%、およびそ
れと共重合可能な1種以上のビニル系単量体が50重量
%以下からなる共重合体である。かかるアクリル系樹脂
のガラス転移温度を40〜105℃とするには、メタク
リル酸メチルと共重合される単量体の種類と量を調整す
る。つまり、共重合に用いる単量体の単独重合体のガラ
ス転移温度が低ければ、その単量体を用いたメタクリル
酸メチルとの共重合体のガラス転移温度は低下する。
【0013】ここで、メタクリル酸メチルと共重合され
るビニル系単量体は、例えば、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベン
ジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−
ヘドロキシエチルなどのアクリル酸エステル類、アクリ
ル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪酸、スチレン、α
−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘ
キシルマレイミド等である。これらの中でも、本発明に
おいては、アクリル酸エステル類、特にアクリル酸アル
キルエステルが好適に用いられ、そのアルキルエステル
部分の炭素数が多いもの程、少量の共重合でガラス転移
温度を下げることができる。
【0014】本発明におけるアクリル系樹脂としては、
メタクリル酸メチル50〜99重量%とアクリル酸アル
キルエステル50〜1重量%を共重合してなるアクリル
系樹脂が好適であり、この共重合体を単独で、または複
数の共重合体の混合物として用いる。その混合物は、ガ
ラス転移温度が40〜105℃の範囲のものであれば差
し支えない。アクリル系樹脂のガラス転移温度が105
℃を越えると、本発明のフィルムを金型内貼合して形状
を賦形する際に、該フィルムを賦形可能な温度域に保つ
ことが困難となるため、好ましくない。また、ガラス転
移温度が40℃未満では、本発明のフィルムの耐熱性が
低くなるため、実用上好ましくない。なお、通常は射出
成形貼合時にフィルム表面に発生する成形時凹凸現象を
著しく改善できる点で、ガラス転移温度は80℃以下で
あることが好ましい。
【0015】ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合
体は、少なくとも2層であり、好ましくは3層の多層構
造アクリル系重合体粉末である。2層の多層構造アクリ
ル系重合体は、内層がアルキル基の炭素数4〜8のアク
リル酸アルキルエステルと多官能単量体の共重合体から
なる軟質ゴムであり、外層がメタクリル酸メチルを主成
分とする硬質の重合体である2層構造を基本とするもの
である。3層構造のアクリル系重合体は、最内層がメタ
クリル酸メチルを主成分とする硬質の重合体、中間層が
アルキル基の炭素数4〜8のアクリル酸アルキルエステ
ルと多官能単量体の共重合体からなる軟質のゴム弾性
層、および最外層がメタクリル酸メチルを主成分とする
硬質の重合体からなる3層構造を基本とするものであ
る。中でも、ゴム弾性層を20〜60重量%含むものが
より好ましい。これらは、例えば、特公昭55−275
76号公報や特開平1−252653号公報に記載のも
のである。
【0016】前記のアクリル系樹脂95〜50重量%
に、上記のゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体
を5〜50重量%分散させる。該ゴム弾性層を含む多層
構造アクリル系重合体が5重量%未満では、本発明のフ
ィルムの衝撃強度が低くなるうえに、破断伸びが小さく
なり、金型内での成形に伴う伸びに追随できず、破れを
生じるため、好ましくない。またその量が50重量%を
越えると、フィルムの表面硬度が低くなるため、好まし
くない。一方、単層構造の弾性体を用いた場合には、得
られるフィルムの表面硬度が著しく低くなるため、やは
り好ましくない。ゴム弾性層を含む3層構造のアクリル
系重合体を用いた場合には、2層の多層構造アクリル系
重合体を用いた場合と比較して、弾性率、表面硬度、耐
摩耗性などの向上が認められる。
【0017】前記のアクリル系樹脂に、ゴム弾性層を含
む多層構造アクリル系重合体を分散させる方法は、両者
を均一に混合する方法であれば特に制限されるものでは
ないが、一般的には、両者を十分に混合し、熱可塑性樹
脂を溶融混合できる押出機を用いて分散させる。この溶
融混合の際、周知のヒンダードフェノール系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤、紫外
線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤等の耐候剤、難
燃剤、着色剤、顔料、無機系充填剤などを配合してもよ
い。紫外線吸収剤として、一般的には、ベンゾトリアゾ
ール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が、それぞれ
単独でまたは混合して用いられるが、フィルムからの揮
発をなくし、また印刷絵柄の劣化を防止する観点から、
高分子量のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好まし
い。具体的には、2,2′−メチレンビス[4−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく用
いられる。なお、その添加量は少なくとも1000ppm
とすることが望ましい。
【0018】本発明のフィルムは、通常よく知られたチ
ルロールによる押出キャスティング法、フィルムの両面
をロール表面に接触させて成形する押出成形法、両面を
金属ベルトに接触させて成形するベルト冷却押出法、イ
ンフレーション押出成形法、溶剤キャステイング法等に
より製造できる。これらの中で、フィルムが良好な表面
状態で得られる、フィルムの両面をロール表面または金
属ベルトに接触させて成形する押出成形法またはベルト
冷却押出法により製造する方法が、得られるフィルムお
よびシートの外部ヘイズの低下および絵柄の印刷特性で
ある印刷抜け防止効果の観点から望ましい。
【0019】本発明のフィルムは、一般に、絵柄等を片
面に印刷するか、または着色した状態で、射出成形同時
貼合に用いられることが多い。また、予めフィルムに真
空成形等の熱成形を施して形状を付与したものを、射出
成形同時貼合に用いることもある。さらに、本発明のフ
ィルムを多層フィルムの最外層として用いてもよい。つ
まり、本発明のフィルムに、塩化ビニルフィルム、透明
ABSフィルム等の他の樹脂フィルムを裏打ちして、多
層フィルムとすることも可能である。
【0020】本発明のフィルムの厚みは、0.1〜0.6
mmであることが望ましい。このフィルムは、通常、絵柄
等が片面に印刷された状態で、印刷された面を射出成形
金型の後で溶融射出される樹脂側に向けて供給される。
これは、最終成形品となった状態で透明(クリアー)層
による印刷の深みを出すことを目的としているためであ
る。このため、該フィルムの厚みが0.1mm 未満では、
印刷柄等の深みが乏しくなるので、好ましくない。ま
た、工業的に本発明のフィルムを用いた射出成形同時貼
合を金型内で実施しようとすれば、連続的にフィルムを
金型内に供給する方式が望ましい。このため、該フィル
ムの厚みが0.6mm を越えると、連続的なロール状で巻
けなくなるので、好ましくない。
【0021】本発明のフィルムを用いた射出成形同時貼
合時に金型内に溶融射出される樹脂としては、前述した
ように、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリスチレン樹脂またはポリオレフィン樹脂等が使用可
能であるが、できあがる最終製品の耐衝撃性、寸法の安
定性等の観点から、ABS樹脂またはポリカーボネート
樹脂を選択することが望ましい。さらに、工業的な生産
として連続的にフィルムを供給する場合には、巻き重量
の低減および真空成形時の賦型性の観点より、0.1〜
0.2mmのフィルム厚みが好ましい。また、0.2mm を
超えるフィルム厚みの場合には、毎葉で金型内に供給す
ることが有利である。
【0022】本発明のフィルムを用いた射出成形同時貼
合は、特公昭63−6339号公報、特公平4−964
7号公報、特開平7−9484号公報等に記載の方法と
同様に行われる。すなわち、キャビティ空間を形成する
雌型と雄型とを開き、両金型間にフィルムを挿入し、そ
のフィルムを間に挟んで両金型を閉じ、型締めし、ゲー
トより熔融樹脂をキャビティ内に射出充填し、冷却固化
させることにより、射出された成形体の表面にフィルム
を接着一体化させ、その後、両金型を開き、成形体を得
る。射出成形の樹脂温度、射出圧力等の条件は、樹脂の
種類等を勘案して適宜設定される。
【0023】
【発明の効果】本発明のアクリルフィルムは、射出成形
同時貼合用のフィルムとして優れており、このフィルム
を用いれば、表面硬度を保ち、かつ深みのある透明感を
持った成形品を、安価にかつ容易に製造することができ
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限さ
れるものではない。なお、評価方法は以下の通りであ
る。 (1)成形時凹凸発生試験: 貼合成形体の表面状態を目視で観察し、表面状態の良い
のを○、微細凹凸が発生したものを×、その中間を△と
判定した。 (2)ガーゼ摩耗性: (株)東洋精機製作所製の染色堅牢度用摩擦試験機D型
の測定治具にガーゼを装着し、荷重200gで500往
復の摩耗試験を行い、目視判定した。摩耗しないのを
○、摩耗したのを×、その中間を△とした。 (3)表面硬度: JIS K 5400 に従い、鉛筆硬度を測定した。 (4)透明性: JIS K 6718 に記載の方法に準じて全光線透過率(Tt)
とヘイズを測定した。 (5)フィルムのガラス転移温度(Tg): 示差走査熱量測定(DSC)により、フィルムサンプル
を10℃/分の昇温速度で加熱したときに観察される吸
熱開始温度を接線法により求めた。 (6)印刷抜け個数: フィルム片面に絵柄をグラビア印刷し、幅が約1mで長
さが約10mのフィルムについて目視で検査し、その印
刷抜け個数を1m2当たりに換算した。
【0025】実施例1 バルク重合法により得られたアクリル系樹脂(メタクリ
ル酸メチル単位97.8重量%、アクリル酸メチル単位
2.2重量%)のペレット76重量部と、球形3層構造
のゴム弾性層アクリル系重合体(最内層がメタクリル酸
メチル架橋重合体、中間層がブチルアクリレートを主成
分とする軟質のゴム弾性体、最外層がメタクリル酸メチ
ル重合体からなるアクリル系重合体 : 平均粒径が約3
00nm)(特公昭55−27576号公報実施例3参
照)24重量部とを、スーパーミキサーで混合し、二軸
押出機にて溶融混練してペレットとした。次いでこのペ
レットを、東芝機械(株)製の65mmφ1軸押出機を用
い、設定温度255℃のT型ダイスを介して押出し、ポ
リシングロールに両面が完全に接するようにして冷却
し、厚さ0.13mmのアクリルフィルムを得た。
【0026】得られた厚み0.13mmのアクリルフィル
ムを射出成形金型内に入れ、その裏面にABS樹脂を3
mm厚さに射出し、成形体を得た。このときのアクリルフ
ィルム温度は130℃、金型温度は50℃、射出成形条
件は、射出圧力1150kg/cm2 、ABS樹脂温度23
0℃であった。得られたフィルムおよび成形体の評価結
果を表1に示す。
【0027】実施例2 懸濁重合法により得られたアクリル系樹脂(メタクリル
酸メチル単位87重量%、アクリル酸メチル単位3重量
%、アクリル酸ブチル単位10重量%)の粉末75重量
部と、実施例1と同じ3層構造のゴム弾性体層アクリル
系重合体25重合部とをスーパーミキサーにて混合し、
二軸押出機にて溶融混練してペレットとした。次いでこ
のペレットを、東芝機械(株)製の65mmφ1軸押出機
を用い、設定温度255℃のT型ダイスを介して押出
し、連続ステンレスベルト冷却装置に両面が完全に接す
るようにして冷却し、厚さ0.13mmのアクリルフィル
ムを得た。このアクリルフィルムを用いて実施例1と同
様に操作し、成形体を得た。得られたフィルムおよび成
形体の評価結果を表1に示す。
【0028】実施例3 実施例2におけるアクリル系樹脂の粉末の使用量を80
重量部とし、3層構造のゴム弾性体層アクリル系重合体
の使用量を20重量部とする以外は実施例2と同様にし
てペレットを得、次いで実施例2におけるフィルムの冷
却を、ポリシングロールに両面が完全に接触するように
した以外は、実施例2と同様に行った。得られたフィル
ムおよび成形体の評価結果を表1に示す。
【0029】比較例1 実施例2におけるフィルムの冷却を、ポリシングロール
に片面のみ接触するようにした以外は、実施例2と同様
に行った。得られたフィルムおよび成形体の評価結果を
表1に示す。
【0030】比較例2 実施例3におけるゴム弾性体層アクリル系重合体に代え
て、2層構造のゴム弾性体層アクリル系重合体(内層が
ブチルアクリレートを主成分とする軟質のゴム弾性体、
外層がメタクリル酸メチル重合体からなるアクリル系重
合体:平均粒径が約300nm、特公昭55−27576
号公報の実施例3に準じて最内層を形成することなく製
造した)を用いる以外は、実施例3と同様に行った。得
られたフィルムおよび成形体の評価結果を表1に示す。
【0031】比較例3 一般に市販されているアクリルフィルム〔商品名“アク
リプレン HBX006”、厚さ0.1mm 、三菱レイヨン
(株)製〕を用い、実施例1と同様に操作して成形体を
得た。なお、このフィルムは、透過型電子顕微鏡の観察
結果より、単層構造のゴム弾性体を含むことを確認し
た。フィルムおよび成形体の評価結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ガラス 鉛筆 ガーゼ 光学特性 成形時 印刷抜け 転移温度 硬度 摩耗性 凹凸発生 個数 (Tg) Tt ヘイズ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 97℃ HB △ 93 % 0.9 % △ 0.4個/m2 実施例2 75℃ HB ○ 93 % 0.4 % ○ 0.1個/m2 実施例3 78℃ HB ○ 93 % 0.8 % ○ 0.3個/m2 ───────────────────────────────── 比較例1 75℃ HB ○ 92 % 2.5 % ○ 7.8個/m2 比較例2 78℃ B △ 93 % 0.9 % ○ 0.4個/m2 比較例3 75℃ <4B × 92 % 2.1 % ○ 8.2個/m2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 51/06 C08L 51/06 // B29L 9:00 B29L 9:00 (56)参考文献 特開 平11−147237(JP,A) 特開 平5−222265(JP,A) 特開 平3−237134(JP,A) 特開 昭48−55233(JP,A) 特開 平9−12741(JP,A) 特開 平9−208789(JP,A) 特開 平9−263614(JP,A) 特公 昭55−27576(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/00 - 33/26 C08J 5/00 - 5/24 C08L 51/00 - 51/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクリル酸メチル単位50〜99重量%
    とアクリル酸アルキルエステル単位50〜1重量%から
    なるガラス転移温度が40〜105℃のアクリル系樹脂
    95〜50重量%に、ゴム弾性層を含む多層構造アクリ
    ル系重合体であって、最内層がメタクリル酸メチルを主
    成分とする硬質の重合体、中間層がアルキル基の炭素数
    4〜8のアクリル酸アルキルエステルと多官能単量体の
    共重合体からなる軟質のゴム弾性体、最外層がメタクリ
    ル酸メチルを主成分とする硬質の重合体からなる3層構
    造アクリル系重合体5〜50重量%を分散した樹脂組成
    物からなり、両面をロール表面または金属ベルト表面に
    接触させて成形されてなり、かつ厚みが0.1〜0.6mm
    であることを特徴とする、それ自身は透明なアクリルフ
    ィルムまたはシート。
  2. 【請求項2】請求項1記載の透明なフィルムまたはシー
    トの片面に絵柄が印刷されているアクリルフィルムまた
    はシート。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のアクリルフィルム
    またはシートが熱可塑性樹脂成形品の表層に接着一体化
    されてなる成形体。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂がアクリロニトリル・ブタジ
    エン・スチレン樹脂またはポリカーボネート樹脂である
    請求項3記載の成形体。
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