JP2003053918A - 化粧シートおよび化粧材 - Google Patents

化粧シートおよび化粧材

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JP2003053918A
JP2003053918A JP2001251837A JP2001251837A JP2003053918A JP 2003053918 A JP2003053918 A JP 2003053918A JP 2001251837 A JP2001251837 A JP 2001251837A JP 2001251837 A JP2001251837 A JP 2001251837A JP 2003053918 A JP2003053918 A JP 2003053918A
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sheet
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polyolefin
base
base sheet
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JP2001251837A
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Yuji Karasawa
勇治 唐沢
Junichi Yamauchi
淳一 山内
Masashi Hashimoto
正志 橋本
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリオレフィン系化粧シートの欠点を
解決するための、真空プレス成形する際に成形不良を生
じない、真空プレス成形性に優れたポリオレフィン系化
粧シートおよびそれを用いた化粧材を提供する。 【解決手段】 下式(1)および(2)を満足させるオ
レフィン系樹脂組成物からなるシートをポリオレフィン
系ベースシート1とし、該ベースシート1の片面に少な
くともインキ層4を積層した2層構造以上の化粧シート
5とする。 TS23/TS120≧10 ・・・・(1) YM23 ≧300 ・・・・(2) (式中、TSはシートの引張破壊強さ(単位:MP
a)、YMはシートのヤング率(単位:MPa)、TS
およびYMの添字は引張破壊強さおよびヤング率の測定
温度(単位:℃)を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種家具類や建築・
車輌内装材等に装飾もしくは表面保護の目的で貼り付け
られるポリオレフィン系化粧シートおよびそれを用いた
化粧材に関する。詳しくは、真空プレス成形性に優れた
ポリオレフィン系化粧シートおよびそれを用いた化粧材
に関する。尚、本発明では、フィルムおよびシートを総
称してシートという。
【0002】
【従来の技術】従来から、合板や鋼板等に接着させて化
粧材とする化粧シートは、印刷性、ダブリング(積層)
性、エンボス性およびラッピング性、真空プレス成形性
などのオーバレイ加工性等に優れ、また、経済的である
という理由から塩化ビニル系樹脂が広く用いられてき
た。
【0003】しかしながら、近年の環境問題の高まりか
ら、燃焼時に塩化水素ガスを発生する塩化ビニル系樹脂
は使用が制限される方向にある。その中で、環境負荷の
より小さい代替樹脂の出現が待たれている。
【0004】塩化ビニル系樹脂の代替樹脂を使用した化
粧シートとしては、特開平8−230113号公報、特
開平8−267682号公報等に見られるように、プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体等を使用した
化粧シートが提案されているが、これらはラッピングお
よびVカット加工の際に折り曲げられた部分に白化を生
じる等の課題を有している。また前記課題を解決する手
段として、特開平10−71683号公報等に見られる
ように、高密度ポリエチレンおよび熱可塑性エラストマ
ー等からなる基材シートとアイソタクチックポリプロピ
レンおよびアタクチックポリプロピレンの混合系表面シ
ートとを積層した化粧シートが提案されている。しかし
ながら、これらは折り曲げられた部分の白化は解消され
ているが、真空プレス成形する際に賦形不良や化粧シー
トの不均一伸びによる絵柄不良が生じる等の課題を有し
ている。また真空プレス成形性を向上させる手段として
は、特開平11−5250号公報に見られるように、シ
ート温度40℃から120℃の範囲内で測定した100
%モジュラスの応力の傾きが特定の範囲にある延伸加工
されたポリオレフィン系化粧シートが提案されている。
しかしながら、前記化粧シートは延伸加工されているた
め、印刷やダブリング、エンボス加工時等に皺、カー
ル、印刷絵柄ずれやエンボス不良等を発生し易く使用で
きるものでなかった。以上の様に、従来のポリオレフィ
ン系化粧シートでは真空プレス成形する際に大きな制限
があり、実質上、真空プレス成形できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
のポリオレフィン系化粧シートの欠点すなわち、真空プ
レス成形する際に成形不良が生じない、真空プレス成形
性に優れたポリオレフィン系化粧シートおよびそれを用
いた化粧材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するべく、鋭意研究を行った。その結果、シート
の引張破壊強さ(TS:[MPa])とヤング率(YM:
[MPa])が、特定の範囲を満足させるオレフィン系樹
脂組成物からなるシートをポリオレフィン系ベースシー
トとし、該ベースシートの片面に少なくともインキ層が
積層された2層構造以上の化粧シートが、優れた真空プ
レス成形性を有する化粧シートになることを見出し、こ
の知見に基づき、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は以下の構成からなる。 (1)下式(1)および(2)を満足させるオレフィン
系樹脂組成物からなるシートをポリオレフィン系ベース
シートとし、該ベースシートの片面に少なくともインキ
層が積層された2層構造以上の化粧シート。 TS23/TS120≧10 ・・・・(1) YM23 ≧300 ・・・・(2) (式中、TSはシートの引張破壊強さ(単位:MP
a)、YMはシートのヤング率(単位:MPa)、TS
およびYMの添字は引張破壊強さおよびヤング率の測定
温度(単位:℃)を表す。) (2)ポリオレフィン系ベースシートの片面にインキ層
が積層され、かつ前記インキ層の面に少なくともポリオ
レフィン系トップシートが順次積層された3層構造以上
の化粧シートであって、該ベ−スシ−トおよびトップシ
ートが、前記第1項記載のオレフィン系樹脂組成物から
なるベ−スシ−トおよびトップシートで構成された化粧
シート。 (3)ポリオレフィン系ベ−スシ−トおよびトップシー
トが、オレフィン系樹脂および石油樹脂を含有するオレ
フィン系樹脂組成物からなるベ−スシ−トおよびトップ
シートで構成された前記第1項または第2項記載の化粧
シート。 (4)前記第1〜3項のいずれか1項記載の化粧シート
の裏面に少なくとも接着剤を介して、化粧シートと化粧
基材を張り合わせて得られる化粧材。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の化粧シートはポリオレフィン系ベース
シートの片面に少なくともインキ層が積層された2層構
造以上の化粧シート、またはポリオレフィン系ベースシ
ートの片面にインキ層が積層され、かつ前記インキ層の
面に少なくともポリオレフィン系トップシートが順次積
層された3層構造以上の化粧シートであり、好ましくは
ポリオレフィン系ベースシートの片面に少なくともイン
キ層が積層され、かつ前記インキ層の反対面にプライマ
ー層を設けた3層構造以上の化粧シート、またはポリオ
レフィン系ベースシートの片面に少なくともインキ層お
よびポリオレフィン系トップシートが順次積層され、か
つ前記インキ層の反対面にプライマー層を設けた4層構
造以上の化粧シートである。
【0009】特に、ポリオレフィン系ベースシートの両
面にプライマー層を設け、さらにその片面にインキ層、
トップコート層を順次積層した5層構造以上の化粧シー
ト、またはポリオレフィン系ベースシートの両面にプラ
イマー層を設け、さらにその片面にインキ層、ポリオレ
フィン系トップシートおよびトップコート層を順次積層
した6層構造以上の化粧シートが好ましい。
【0010】本発明のポリオレフィン系ベースシートお
よびトップシートは、以下に説明するオレフィン系樹脂
組成物により製造されたものであれば、同じ組成物によ
り製造されたものであっても、また異なる組成物により
製造されたものであってもかまわないが、ベースシート
は着色剤等により着色、不透明化され、トップシートは
透明であることが好ましい。前記ベースシートの着色剤
としては、二酸化チタン、チタンイエロー、弁柄、群
青、カーボンブラック等の無機顔料、アゾ系、キナクリ
ドン系、イソインドリノン系、フタロシアニン系等の有
機顔料やパール顔料、金属顔料等を例示できるが、隠蔽
性、耐熱性や経済性等により無機顔料が好ましい。
【0011】本発明のポリオレフィン系ベースシートお
よびトップシートは、下式(1)および(2)を満足さ
せるオレフィン系樹脂組成物からなるシートで構成され
る。 TS23/TS120≧10 ・・・・(1) YM23 ≧300 ・・・・(2) (式中、TSはシートの引張破壊強さ(単位:MP
a)、YMはシートのヤング率(単位:MPa)、TS
およびYMの添字は引張破壊強さおよびヤング率の測定
温度(単位:℃)を表す。) 式(1)のTS23/TS120が10未満では真空プレス
成形する際に凹部の賦形不良や絵柄伸び等の成形不良を
生じ、また式(2)のYM23 が300未満ではシート
に腰がなく、インキ層の積層(印刷)やトップシートの
積層(ダブリング)時に弛みや皺が発生したり、絵柄ず
れが発生する。
【0012】本発明で用いるオレフィン系樹脂組成物を
構成するオレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂、
プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂、イソプレン系樹脂、
ペンテン系樹脂、メチルペンテン系樹脂等を例示できる
が、機械的特性や経済性、リサイクル(再使用)性に優れ
る化粧シートが製造できるエチレン系樹脂およびプロピ
レン系樹脂が好ましい。
【0013】前記エチレン系樹脂としては、エチレンの
単独重合体、エチレンを主成分とするエチレン以外の単
量体との二元以上のランダムまたはブロック共重合体お
よびこれらの2種類以上との混合物が挙げられる。前記
エチレン以外の単量体としては、特に限定されないが、
プロピレンや1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィ
ン、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸エチル
等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル等のメタ
クリル酸エステル、一酸化炭素等が例示できる。これら
は1種でも2種以上の併用でもよい。尚、本発明におい
て主成分とは最も多い成分を意味する。
【0014】前記プロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン
以外の単量体との二元以上のランダムまたはブロック共
重合体およびこれらの2種類以上との混合物が挙げられ
る。前記プロピレン以外の単量体としては、特に限定さ
れないが、エチレンや1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレ
フィン等が例示できる。これらは1種でも2種以上の併
用でもよい。このうちエチレンが製造コストの点から好
ましい。
【0015】本発明のポリオレフィン系ベースシートお
よびトップシートにおいて、上記式(1)および(2)
を満足させる範囲内で、本発明で用いるオレフィン系樹
脂組成物には前記オレフィン系樹脂の他に石油樹脂やス
チレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー、タル
ク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等の無機充填剤を
添加しても良い。これらのうち、石油樹脂が得られる化
粧シートの腰の強さと真空プレス成形性のバランスが最
も優れるため特に好ましい。
【0016】前記石油樹脂は、特に限定はなく、脂肪族
系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化
水素樹脂、DCPD(ジシクロペンタジエン)樹脂、ロジ
ン誘導体、テンペル樹脂、テンペルフェノール樹脂等お
よびこれらの水素添加系樹脂等を例示できる。これらの
うち、水素添加芳香族系炭化水素樹脂が、オレフィン系
樹脂との相溶性に優れ、また透明性が良好なシートが得
られるため好ましい。
【0017】前記石油樹脂の軟化点は、石油樹脂の操作
性、得られるオレフィン系樹脂組成物の製膜加工性や該
組成物から得られる化粧シートの真空プレス成形性等か
ら、60〜140℃が好ましく、70〜120℃である
ことが特に好ましい。軟化点が60℃未満の場合は、石
油樹脂同士の粘着等により操作性が低下したり、製膜時
にロール等に粘着し易く、軟化点が140℃を超えると
上記式(1)を満足しなくなる場合がある。
【0018】前記石油樹脂の配合量は、オレフィン系樹
脂100重量部に対して、石油樹脂15〜50重量部が
好ましく、特に好ましくは20〜40重量部の割合であ
る。石油樹脂の配合量が15重量部未満では、得られる
化粧シートの真空プレス成形性が低下し賦形不良となり
易く、50重量部を越えると製膜加工性が低下する場合
がある。
【0019】さらに、本発明で用いるオレフィン系樹脂
組成物には、必要に応じて従来のポリオレフィンに用い
られている公知の酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤、耐
候剤、分散剤、スリップ剤、滑剤、難燃剤、合成ゴム、
合成樹脂等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範
囲で添加することができる。
【0020】本発明で用いるオレフィン系樹脂組成物
は、オレフィン系樹脂と上記の添加剤が均一に分散可能
な混合方法であればいかなる方法で製造してもよいが、
公知、公用の各種方法により行うことができる。具体的
には、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー(商品
名)、バンバリーミキサー等により混合して得ることが
できる。また、その後、所望により加熱溶融混練され、
さらに粒状に切断されたペレットとして後述のシート製
造に使用しても良い。
【0021】本発明のインキ層は、グラビア印刷、オフ
セット印刷、スクリーン印刷、転写等の方法でポリオレ
フィン系ベースシートの片面に積層でき、インキとして
はウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等をビヒクル
とした公知または市販のインキを例示できるが、環境面
から塩素等のハロゲン元素を含まないインキが好まし
い。また、ポリオレフィン系ベースシートとインキ層と
の密着性や合板等の化粧基材と化粧シートとの接着性を
向上させるためポリオレフィン系ベースシートの片面ま
たは両面にプライマー層を積層することが好ましい。
【0022】上記のプライマー層は、グラビアコータ
ー、ロールコーター等の方法により積層でき、プライマ
ーとしては、公知または市販のポリオレフィン用プライ
マーを使用できる。具体的にはポリウレタン系、ポリエ
ステル系、塩素化ポリオレフィン系等のプライマーを例
示できるが、環境面から塩素等のハロゲン元素を含まな
いプライマーが好ましい。さらに、化粧シートの最外層
には、耐候性、耐汚染性、耐スクラッチ性等を向上させ
るためトップコート層を積層することが好ましい。
【0023】本発明のポリオレフィン系トップシート
は、インキ層の保護や耐スクラッチ性等を向上させるた
めに積層される。前記ポリオレフィン系トップシート
は、接着剤を用いたドライラミネート法や押出ラミネー
ト法、熱ラミネート法等の方法により積層できる。
【0024】上記のトップコート層は、グラビアコータ
ー、ロールコーター等の方法により積層でき、シリコン
系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹
脂やポリエステル系樹脂等の公知または市販のトップコ
ート剤を使用できる。
【0025】本発明のポリオレフィン系ベースシートお
よびトップシートの製造方法は特に限定はなく、上記オ
レフィン系樹脂に、必要に応じて添加剤を添加して得ら
れたオレフィン系樹脂組成物を、公知、公用の各種製膜
方法すなわちカレンダー法、押出成形法、圧縮成形法、
注型成形法等により製造する方法を例示できる。
【0026】前記公知、公用の製膜方法の中でも生産性
が良好な点から、カレンダー法と押出成形法が好まし
い。具体的には、バンバリミキサー、ミキシングロー
ル、ウォーミングロール、押出機、カレンダーロール、
冷却ロール、トリミングカッター、マスキング、定尺切
断カッター、巻き取り機等からなるカレンダー成形機を
用いたカレンダー法および押出機、Tダイ、冷却ロー
ル、ガイドロール、引取りロール、トリミングカッタ
ー、定尺切断カッター、巻き取り機等を備えた装置(T
ダイシート成形機)を用いたTダイ法がさらに好まし
い。
【0027】上記ベースシートおよびトップシートを製
造する速度は、生産性の点から、1〜100m/分であ
る。速度が1m/分以上であれば、時間当たりのシート
の生産量が多く、厚みが均一なシートが得られ不良率が
少なくなり、また100m/分以下であればシートが十
分に冷却でき良好な外観が得られる。
【0028】本発明のポリオレフィン系ベースシートお
よびポリオレフィン系トップシートの片面または両面に
はインキ層やプライマー層が積層される前に、ぬれ張力
36mN/m以上のコロナ処理、好ましくはぬれ張力3
8mN/m以上のコロナ処理、特に好ましくはぬれ張力
40mN/m以上のコロナ処理が施されることが好まし
い。ぬれ張力36mN/m以上のコロナ処理が施されて
いれば、シートとインキ層やプライマー層等との接着性
が良好となる。
【0029】本発明のポリオレフィン系ベースシートお
よびポリオレフィン系トップシートの厚みは、両者共に
それぞれ0.02mm〜0.5mm、好ましくは0.04
mm〜0.3mm、特に好ましくは0.06mm〜0.2
mmである。
【0030】本発明の化粧シートには公知の方法による
木目導管模様等の任意のエンボス加工、ワイピング加工
を施すことができる。
【0031】本発明の化粧材は、本発明の化粧シートの
裏面と化粧基材とを少なくとも接着剤を介して張り合わ
せて得られる。前記化粧基材としては、合板、パーティ
クルボード、中質繊維板等の木質系基材、鉄板、アルミ
板、石膏ボード等の金属・無機系基材、塩化ビニル樹脂
板、メラミン樹脂板、発泡ポリスチレン板等のプラスチ
ック系基材、もしくはこれらを組み合わせた複合基材を
例示することができる。また、これらの化粧基材の形状
は特に制限を受けない。
【0032】本発明において、接着剤としては公知また
は市販のポリウレタン系、エポキシ樹脂系、エチレン/
酢酸ビニル共重合体系等の接着剤を例示することができ
るが、化粧基材の材質によって最適なものが選択され
る。また、接着剤は化粧シートの裏面や化粧基材に公知
のロール法、スプレー法等で塗布する。
【0033】本発明において、化粧シートと化粧基材と
を張り合わせる方法としては、公知のロールラミネート
法やプレス法によるラッピング、真空プレス成形法、押
出ラミネート法等が例示できる。さらに前述の通り、化
粧基材との接着性を向上させるため化粧シートの裏面に
は、ポリオレフィン用プライマーを積層することが好ま
しい。
【0034】
【実施例】以下、図面を使用し実施例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。なお、実施例、比較例にお
いて用いた測定方法は下記の通りである。
【0035】1)引張破壊強さ(単位 MPa):JI
S K7127準拠、厚み0.1mmのシートについ
て、500mm/minの引張速度にて測定した。 2)ヤング率(単位 MPa):ASTM D882準
拠、厚み0.1mmのシートについて、5mm/min
の引張速度にて測定した。 印刷、ダブリング性:印刷、ダブリング加工時のシート
を目視観察し、下記基準に従って評価した。 ◎:シートの弛み、皺、カール等がなく、印刷が良好で
ある。 ○:シートの皺、カールがなく、印刷が良好であるが、
希にシートに弛みがある。 ×:シートに弛み、皺、カール等の発生が見られるまた
は印刷絵柄ずれが見られる。 真空プレス成形性:真空プレス成形法により、溝を施し
た化粧基材(中質繊維板製)と化粧シートを貼り合わせ
た化粧材を目視観察し、下記基準に従って評価した。 ◎:賦形が良好である。 ○:賦形は良好であるが、希にシートの不均一伸びがあ
る。 ×:溝部分等にシートが密着しておらず、賦形不良があ
る。
【0036】実施例1〜9、比較例1〜5 表1および2に示す配合割合の配合物を高速撹拌式混合
機(ヘンシェルミキサー、商品名)を用いて、室温下で
5分間混合し、コロナ処理装置を備えたシート押出成形
機(スクリュウ径65mmφ)を用いてTダイ法によ
り、押出温度230℃、押出速度5m/minで厚み
0.08mmおよび0.1mm、幅1,000mmのポ
リオレフィン系ベースシート1およびトップシート2を
未延伸製膜した。この時、シート両面の濡れ張力が48
mN/mになる様にコロナ処理した。
【0037】得られた厚み0.1mmのシートについ
て、湿度50%、室温23℃の室内で48時間状態調整
し、23℃および120℃における物性値を測定した。
その結果を表1および表2に示した。
【0038】一方、得られた厚み0.08mmのポリオ
レフィン系ベースシート1は、グラビア印刷機でウレタ
ン系樹脂にイソシアネート硬化剤を添加したプライマー
(東洋インキ製造(株)製、V316URプライマー、商
品名)およびインキ(東洋インキ製造(株)製、V316
URインキ、商品名)を用いてポリオレフィン系ベース
シート1両面にプライマー層3、さらに片面に絵柄イン
キ層4を順次積層(印刷)した。引き続き、厚み0.0
8mmのポリオレフィン系トップシート2にドライラミ
ネーターでポリエステル系接着剤(東洋モートン(株)
製、TM−593、商品名)を塗布、乾燥し、続いて、
前記ベースシート1の絵柄インキ層4面と前記トップシ
ート2の接着剤層が対向する様に重ねて、予熱温度を適
宜変えながら、ロール温度50℃、速度15m/min
の条件で積層(ダブリング)し、総厚み約0.16mm
の化粧シート5を作製した。印刷およびダブリング性の
結果を表1および表2に示した。
【0039】次いで、巾15mm、深さ3mmの溝を施
した縦×横×厚さ=135×200×25mmの化粧基
材(中質繊維板製)にポリウレタン系接着剤(ノーテー
プ工業(株)製、G4904、商品名)をスプレー塗布、
乾燥し、真空プレス成形機を用いてプレス温度140
℃、プレス圧力0.4MPaの条件で化粧シート5を貼
り合わせ、化粧材を作製した。その結果を表1および表
2に示した。
【0040】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、燃焼時に発
生する有害で腐食性の塩化水素ガス等を伴わず、真空プ
レス成形性および経済性に優れたポリオレフィン系化粧
シートおよびそれを用いた化粧材が得られる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における化粧シートを例示した断面図で
ある。
【符号の説明】
1…ポリオレフィン系ベースシート 2…ポリオレフィン系トップシート 3…プライマー層 4…インキ層 5…化粧シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 正志 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 Fターム(参考) 2E110 AA64 AB23 BB02 BB23 BB32 GA24X GA32W GA32X GA32Z GA33X GB02X GB06X GB43X GB44W GB46W GB46X GB49X GB52W GB53W GB54W GB62X 4F100 AK02A AK02C AK03A AK03C AL05A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C EH23 EH232 EJ55 EJ551 GB08 GB33 GB81 HB32B JK17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(1)および(2)を満足させるオ
    レフィン系樹脂組成物からなるシートをポリオレフィン
    系ベースシートとし、該ベースシートの片面に少なくと
    もインキ層が積層された2層構造以上の化粧シート。 TS23/TS120≧10 ・・・・(1) YM23 ≧300 ・・・・(2) (式中、TSはシートの引張破壊強さ(単位:MP
    a)、YMはシートのヤング率(単位:MPa)、TS
    およびYMの添字は引張破壊強さおよびヤング率の測定
    温度(単位:℃)を表す。)
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系ベースシートの片面に
    インキ層が積層され、かつ前記インキ層の面に少なくと
    もポリオレフィン系トップシートが順次積層された3層
    構造以上の化粧シートであって、該ベ−スシ−トおよび
    トップシートが、請求項1記載のオレフィン系樹脂組成
    物からなるベ−スシ−トおよびトップシートで構成され
    た化粧シート。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系ベ−スシ−トおよびト
    ップシートが、オレフィン系樹脂および石油樹脂を含有
    するオレフィン系樹脂組成物からなるベ−スシ−トおよ
    びトップシートで構成された請求項1または請求項2記
    載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧
    シートの裏面に少なくとも接着剤を介して、化粧シート
    と化粧基材を張り合わせて得られる化粧材。
JP2001251837A 2001-08-22 2001-08-22 化粧シートおよび化粧材 Pending JP2003053918A (ja)

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