JP2010284804A - 艶消し樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】加飾成形品において所望の光沢感や艶を安定的に発現し、立体的な形状の加飾成形品において光沢感や艶のムラを良好に抑制しうる艶消し樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】透明樹脂及び透明微粒子を含むマット層から有する艶消し樹脂フィルム1であって、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsと150℃で2倍に1軸延伸した後のマット層の表面の60度鏡面光沢度Gs’とが式:|Gs−Gs’|/Gs<0.20の関係を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルム1。
【選択図】図1

Description

本発明は、マット層を有する艶消し樹脂フィルムに関する。また、本発明は、この艶消し樹脂フィルムの製造方法や、該フィルムを用いて成形される加飾フィルム、加飾シート、さらには加飾成形品に関する。
従来、自動車内装材、電子機器用部材、建材等の分野で使用される意匠性成形品には艶消し性が求められることがあり、かかる艶消し性を発揮させるために艶消し樹脂フィルムが使用されている。この艶消し樹脂フィルムとして、マット層(艶消し層)を有する艶消し樹脂フィルムが検討されており、例えば、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂に無機系微粒子が配合されたマット層を有するものが提案されている(特許文献1)。
特開2003−211598号公報
しかしながら、例えば上記の如き艶消し樹脂フィルムを使用した加飾フィルムや加飾シートに熱可塑性樹脂を貼合して加飾成形品を得る場合において、得られる加飾成形品の光沢感や艶が、該加飾フィルムや該加飾シートの光沢感や艶から想起される加飾成形品の光沢感や艶と異なることがあり、所望の光沢感や艶を有する加飾成形品が得られないことがあった。また、加飾成形品が立体的な形状を有する場合に該成形品の各部位において光沢感や艶にムラが生じてしまうことがあった。
そこで、本発明の目的は、加飾成形品において所望の光沢感や艶を安定的に発現し、立体的な形状の加飾成形品において光沢感や艶のムラを良好に抑制しうる艶消し樹脂フィルムを提供することにある。また、該艶消しフィルムを使用した加飾フィルム、加飾シート、さらには加飾成形品を提供することにある。
本発明は、透明樹脂及び透明微粒子を含むマット層から有する艶消し樹脂フィルムであって、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsと150℃で2倍に1軸延伸した後のマット層の表面の60度鏡面光沢度Gs’とが式:|Gs−Gs’|/Gs<0.20の関係を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルムを提供するものである。
また、本発明によれば、上記艶消し樹脂フィルムの表面に加飾が施されてなることを特徴とする加飾フィルム、及びこの加飾フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂シートが積層されてなることを特徴とする加飾シートが提供され、さらには、上記加飾フィルムの加飾側の面又は上記加飾シートの熱可塑性樹脂シート側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品が提供される。
本発明によれば、本発明の艶消し樹脂フィルムを使用した加飾フィルムや加飾シートの光沢感や艶から想起される加飾成形品の光沢感や艶と、実際に得られる加飾成形品の光沢感や艶とに違和感なく、所望の光沢感や艶を有する加飾成形品を良好に得ることができる。また、加飾成形品として立体的な形状のものを成形する場合でも該成形品の各部位における光沢感や艶のムラを良好に抑制することができる。
艶消し樹脂フィルムにメタクリル樹脂が射出成形されてなる成形品の一例を示す概略図である。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、透明樹脂及び透明微粒子を含むマット層を有するものである。そして、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsと150℃で2倍に1軸延伸した後のマット層の表面の60度鏡面光沢度Gs’とが式:|Gs−Gs’|/Gs<0.20の関係を満たすものであり、好ましくは式:|Gs−Gs’|/Gs≦0.18の関係を満たすものである。当該関係式を満たす艶消し樹脂フィルムによれば、これを使用した加飾フィルムや加飾シートの光沢感や艶から想起される加飾成形品の光沢感や艶と、実際に得られる加飾成形品の光沢感や艶とに違和感なく、所望の光沢感や艶を有する加飾成形品を良好に得ることができる。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、そのヘイズHが、上記60度鏡面光沢度Gsとの関係で、式:H(%)<1100/Gs(%)を満たすものが好ましく、式:H(%)<1050/Gs(%)を満たすものがより好ましく、式:H(%)<1000/Gs(%)を満たすものがさらに好ましい。このようにHとGsが所定の式を満たすことで、透明性が優れた艶消し樹脂フィルムとなり、その表面に加飾が施された場合に加飾が鮮明になる。また、上記60度鏡面光沢度Gsは、11〜70%が好ましく、13〜60%がより好ましく、15〜50%がさらに好ましい。Gsが小さすぎると、艶消し効果が強すぎて透明性を保ち難くなり、フィルムが白くくすんで見え易くなるため、艶消し樹脂フィルムの表面に絵柄の印刷などの加飾が施された場合に加飾が白濁して不鮮明になり易い。Gsが大きすぎると、艶消し効果が十分でない。
さらに、本発明の艶消し樹脂フィルムは、150℃で2倍に1軸延伸した後の延伸フィルムの状態において、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gs’とヘイズH’とが、好ましくは式:H’(%)<1100/Gs’(%)の関係を満たすものであり、より好ましくは式:H’(%)<1050/Gs’(%)の関係を満たすものであり、さらに好ましくは式:H’(%)<1000/Gs’(%)の関係を満たすものである。
このようにH’とGs’が所定の式を満たすことで、熱成形などの成形後、例えば射出成形同時貼合などのフィルム貼合後やその前の真空成形や圧空成形などの予備成形後においても、優れた艶消し効果と透明性を維持する艶消し樹脂フィルムとなる。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、透明樹脂及び透明微粒子を含むマット層から構成される単層のものであってもよく、マット層と、該マット層の一方の面に積層された透明樹脂層とを備える多層のものであってもよいが、後者の多層のものが好ましい。
マット層や透明樹脂層を構成する透明樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。中でも、透明性や耐候性の点から、アクリル系樹脂が好ましく用いられ、特にメタクリル樹脂が好ましく用いられる。
メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする単量体を重合させてなる重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50重量%以上とこれ以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。
メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体の合計100重量%を基準として、好ましくは、メタクリル酸アルキルが50〜100重量%、アクリル酸アルキルが0〜50重量%、これら以外の単量体が0〜49重量%であり、より好ましくは、メタクリル酸アルキルが50〜99.9重量%、アクリル酸アルキルが0.1〜50重量%、これら以外の単量体が0〜49重量%であり、さらに好ましくは、メタクリル酸アルキルが50〜99.5重量%、アクリル酸アルキルが0.5〜50重量%、これら以外の単量体が0〜49重量%である。
メタクリル酸アルキルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。中でも、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
アクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。
メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。
単官能単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのような芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルのようなアルケニルシアン化合物、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミドが挙げられる。
多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのような多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンのような芳香族ポリアルケニル化合物が挙げられる。
なお、上記のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、及びこれら以外の単量体は、それぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
メタクリル樹脂は、耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であるのが好ましく、60℃以上であるのがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などにより重合させることにより、調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適な多層フィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜調整すればよい。
マット層を構成する透明微粒子としては、例えば、アクリル系やスチレン系などの架橋粒子、タルク、ガラスビーズ、シリコーン粒子が挙げられる。中でも、屈折率やサイズを制御し易い点から、アクリル系の架橋粒子が好ましく用いられる。
透明微粒子は、その屈折率Ndとマット層を構成する透明樹脂の屈折率Nbとの差(|Nd−Nb|)が0.01以下であるのが好ましく、0.008以下であるのがより好ましく、0.005以下であるのがさらに好ましい。|Nd−Nb|があまり大きいと、ヘイズが高くなり易く、前記式:H(%)<1100/Gs(%)を満たし難くなる。
透明微粒子の体積平均粒径は、3〜10μmであるのが好ましく、4〜9μmであるのがより好ましく、4.5〜8μmであるのがさらに好ましい。体積平均粒径があまり小さいと、光沢を下げ所望のマット感とするためにマット層中の透明微粒子の量を多くする必要があり、経済的でないうえ、フィルムが脆く割れ易くなるため、好ましくない。体積平均粒径があまり大きいと、前記式:H(%)<1100/Gs(%)を満たすことが困難となり、ざらついたマット感となるため、好ましくない。
マット層や透明樹脂層を構成する透明樹脂にゴム粒子を配合して、その組成物によりマット層及び/又は透明樹脂層を構成することで、得られる艶消し樹脂フィルムの柔軟性や強度を向上させることができる。
ゴム粒子としては、例えば、アクリル系、ブタジエン系、スチレン−ブタジエン系、オレフィン系の各ゴム粒子が挙げられるが、中でも、耐候性の点から、アクリル系ゴム粒子が好ましく用いられる。なお、マット層及び透明樹脂層の両方にゴム粒子を含有させる場合、両ゴム粒子は、互いに同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
アクリル系ゴム粒子は、アルキル基の炭素数が4〜8であるアクリル酸アルキルと多官能単量体とを、必要に応じて他の単官能単量体と共に、共重合させてなるゴム弾性体を含有するものであるのがよい。このようなゴム弾性体からなる単層のアクリル系ゴム粒子の他、このようなゴム弾性体を一つの層とする多層構造のアクリル系ゴム粒子も使用できる。ここで用いる多官能単量体は、1分子中に少なくとも2個の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸アリルや(メタ)アクリル酸メタリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、マレイン酸ジアリルのような二塩基酸のジアルケニルエステル、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステルが挙げられる。また、任意に共重合成分とされる他の単官能単量体としては、例えば、スチレン、核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリルが挙げられる。
多層構造のアクリル系ゴム粒子は、例えば、アクリル酸アルキルと多官能単量体とを共重合させてなるゴム弾性体の層のまわりに、メタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体の層が形成されたものであることができ、2層、3層又はそれより多くの層からなるものが包含される。2層構造のアクリル系ゴム粒子としては、例えば、内層がアクリル酸アルキルと多官能単量体とを共重合させてなるゴム弾性体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体であるものが挙げられる。3層構造のアクリル系ゴム粒子としては、例えば、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体であり、中間層がアクリル酸アルキルと多官能単量体とを共重合させてなるゴム弾性体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体であるものが挙げられる。最内層は、メタクリル酸メチルの他に少量の多官能単量体を用い、架橋されているのが好ましい。かかる3層構造のアクリル系ゴム粒子は、例えば、特公昭55−27576号公報(米国特許第3793402号明細書)に記載の方法によって製造することができる。本発明においては、少なくとも2層の多層構造を有するゴム粒子を用いるのが好ましく、さらにフィルムとしたときの表面硬度向上の観点からは、3層構造のゴム粒子を用いるのが一層好ましい。
かかるアクリル系ゴム粒子の平均粒径は、ゴム弾性体の層の数平均径で表して、通常50nm以上、好ましくは80nm以上、より好ましくは150nm以上であり、また通常500nm以下、好ましくは350nm以下、より好ましくは300nm以下である。平均粒径があまり小さいと、得られるフィルムの耐衝撃性が低くなる傾向にあり、あまり大きいと、透明性が低くなる傾向にある。
なお、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体であり、その中にゴム弾性体が包み込まれているアクリル系ゴム粒子は、それを母体のアクリル系樹脂に混合すると、ゴム粒子の最外層が母体のアクリル系樹脂と混和するため、その断面において酸化ルテニウムによるゴム弾性体部分への染色を施し、電子顕微鏡で観察した場合、そのゴム粒子が、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がゴム弾性体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体である2層構造のアクリル系ゴム粒子を用いた場合には、そのゴム弾性体部分が染色されて単層構造の粒子として観察され、また、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体であり、中間層がゴム状弾性体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体である3層構造のアクリル系ゴム粒子を用いた場合には、最内層である粒子中心部分が染色されず、中間層のゴム弾性体部分のみが染色された2層構造の粒子として観察されることになる。ゴム弾性体の層の数平均径は、このようにゴム粒子を母体樹脂に混合して断面を酸化ルテニウムで染色したときに、染色されてほぼ円形状に観察される部分の径の数平均値である。
マット層や透明樹脂層にゴム粒子を含有させる場合、その量は適宜調整されるが、マット層に含まれるゴム粒子の量は、マット層に含まれる透明樹脂及びゴム粒子の合計100重量%を基準に10〜60重量%であるのがよく、また、透明樹脂層に含まれるゴム粒子の量は、透明樹脂層に含まれる透明樹脂及びゴム粒子の合計100重量%を基準に10〜60重量%であるのがよい。
なお、透明樹脂層及びマット層には、必要に応じて他の成分、例えば、紫外線吸収剤、有機系染料、無機系染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤を含有させてもよい。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、透明樹脂及び透明微粒子を含むマット層の構成材料を溶融押出し、得られたフィルム状の溶融物をロール等に密着させて、冷却、成形することで得ることができる。具体的には、艶消し樹脂フィルムが、前記マット層から構成される単層のものである場合、該マット層の構成材料を溶融押出し、得られた単層のフィルム状の溶融物をロールやベルトに密着させて、冷却、成形することで得ることができ、艶消し樹脂フィルムが、前記マット層と、該マット層の一方の面に積層された透明樹脂層を備える多層のものである場合、該マット層の構成材料と該透明樹脂層の構成材料とをそれぞれ押出機にて溶融させ、フィードブロック法やマルチマニホールド法を用いて積層し、得られた多層フィルム状の溶融物をロールやベルトに密着させて、冷却、成形することで得ることができる。
このときのロールやベルトの本数や配置、材質は適宜選択されるが、溶融物を2本の金属ロール間又は金属ロールと金属ベルトに接触、通過させて、ロールやベルトの表面を転写させる方法が、フィルム表面の面精度を高め、加飾性を向上させるうえで好ましい。また、金属剛性ロールと、金属弾性ロールにより、面で溶融物の両面を接触、通過させる方法は、成形時の歪みを低減させ、強度や熱収縮性の異方性を低減したフィルムを得るのに好適である。金属弾性ロールとしては、例えば、軸ロールと、この軸ロールの外周面を覆うように配置され、溶融物に接触する円筒形の金属製薄膜とを備えており、これら軸ロールと金属製薄膜との間に水や油などの温度制御された流体が封入されたものや、ゴムロールの表面に金属ベルトを巻いたものが例として挙げられる。このような金属弾性ロールと金属剛性ロールとの間に溶融物を挟み込むと、金属弾性ロールが溶融物を介して金属剛性ロールの外周面に沿って凹状に弾性変形する。これにより、金属剛性ロール及び金属弾性ロールは、溶融物に対して面接触で圧着するので、これらロール間に挟み込まれる溶融物は面状に均一加圧されながら成形される。また、艶消し樹脂フィルムとして、前述したマット層と透明樹脂層を備えるものを製造する場合、マット層及び透明樹脂層の各構成材料を溶融し、共押出して得られる溶融物のマット層側を金属弾性ロールに接触させて成形すると、透明微粒子が透明樹脂中に押し込まれるのを抑制することができるので、マット調の外観が損なわれるのを抑制することができ、所望のマット性を有する艶消し樹脂フィルムを得ることができる。
例えば、ダイから押し出された溶融物は、金属弾性ロールである第一冷却ロールと金属剛性ロールである第二冷却ロールとの間に挟み込み、第二冷却ロールに密着して巻きつけながら、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間に挟み込み、第三冷却ロールに巻きつけて冷却する。その際、第四以降の冷却ロールを使用する場合もある。
艶消し樹脂フィルムとして、前述したマット層と透明樹脂層を備えるものを得る場合には、前記冷却過程で、マット層が、第一冷却ロールと第二冷却ロールとの間では第一冷却ロールと接触する側にあり、次いで第二冷却ロール外側にて冷却されることになる。さらに、その後通過する第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間は、通常の共押出成形と異なり密着させず、フィルムの全厚より僅かに広い間隔を保つのが好ましい。第二冷却ロール外側にてマット層が急冷されることで、透明樹脂と透明微粒子との熱収縮率の違いにより、透明微粒子が表面により多く突出する。また、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間でフィルムに線圧がかからないことにより、突出した透明微粒子が押し戻されず、適度な凹凸を有する表面状態となる。
本発明では、前記Gs及び前記Gs’が式:|Gs−Gs’|/Gs<0.20の関係を満たす上で、第一冷却ロールの温度を10〜55℃にするのが好ましく、20〜50℃にするのがより好ましい。第一冷却ロールの温度が55℃よりも高くなると、式:|Gs−Gs’|/Gsで示される値が0.20より高くなる傾向がある。一方、第二冷却ロールや第三冷却ロールの温度については適宜調整することができ、通常10〜100℃、好ましくは20〜90℃である。
こうして得られる艶消し樹脂フィルムは、その厚さが通常20〜800μmであり、好ましくは30〜300μmであり、より好ましくは50〜150μmである。あまり厚い艶消し樹脂フィルムは、例えば自動車内装材として成形する際に成形加工に時間がかかると共に、物性や意匠性の向上効果が小さく、コストも高くなる。一方、あまり薄い艶消し樹脂フィルムは、押出成形による製膜自体が、機械的制約により困難になると共に、破断強度が小さくなり、生産不具合の発生確率が高くなる。艶消し樹脂フィルムの厚さは、製膜速度、T型ダイスの吐出口厚み、ロールの間隙などを調節することにより、調整できる。
艶消し樹脂フィルムが、マット層と、該マット層の一方の面に積層された透明樹脂層を備える多層のものである場合、そのマット層の厚さは艶消し樹脂フィルム全体の厚さの50%以下であるのがよい。また、その厚さは、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは7〜50μmであり、さらに好ましくは8〜15μmである。マット層が薄すぎると、透明微粒子の平均粒子径よりも小さくなって透明微粒子を均一に分散させることが難しくなり、斑が生じ、前記式:H(%)<1100/Gs(%)を満たし難くなる。また、マット層が厚すぎると、透明微粒子の必要量が増え、コストが増加するため好ましくない。
本発明の艶消し樹脂フィルムは、加飾フィルム、特に射出成形同時貼合用の加飾フィルムとして好ましく用いられる。この加飾フィルムは、透明樹脂層側の面に加飾が施されたものであるのがよい。
加飾方法としては、例えば、連続グラビア印刷やシルク印刷などにより表面に木目調や各種デザインなどの直接印刷を施す方法、蒸着やスパッタリングなどにより金属メッキ調の加飾を施す方法、印刷や蒸着などで加飾が施された他の樹脂フィルムをラミネートする方法が挙げられる。
加飾フィルムは、その加飾側の面に、バッキング材として熱可塑性樹脂シートを積層して、加飾シートとすることもできる。熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂としては、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂シートの厚さは、通常0.1〜2mmである。
このような加飾フィルム又は加飾シートを、マット層側が表側に配置されるように、熱可塑性樹脂成形品に積層することにより、すなわち加飾フィルムであれば、加飾側の面に熱可塑性樹脂成形品を積層することにより、また加飾シートであれば、熱可塑性樹脂シート側の面に熱可塑性樹脂成形品を積層することにより、加飾成形品を得ることができる。
熱可塑性樹脂成形品を構成する樹脂としては、例えば、ABS樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
加飾成形品を得るための方法としては、射出成形同時貼合法が有利に採用される。射出成形同時貼合法は、加飾フィルム又は加飾シートを予備成形することなく、射出成形金型内に挿入し、そこに溶融樹脂を射出して、射出成形品を形成すると同時に、その成形品に加飾フィルム又は加飾シートを貼合する方法(狭義の射出成形同時貼合法と呼ばれることがある)、加飾フィルム又は加飾シートを真空成形や圧空成形などにより予備成形してから射出成形金型内に挿入し、そこに溶融樹脂を射出して、射出成形品を形成すると同時に、その成形品に加飾フィルム又は加飾シートを貼合する方法(インサート成形法と呼ばれることがある)、加飾フィルム又は加飾シートを射出成形金型内で真空成形や圧空成形などにより予備成形した後、そこに溶融樹脂を射出して、射出成形品を形成すると同時に、その成形品に加飾フィルム又は加飾シートを貼合する方法(インモールド成形法と呼ばれることがある)によって行うことができる。射出成形同時貼合法のさらに詳しい説明は、例えば、特公昭63−6339号公報、特公平4−9647号公報、特開平7−9484号公報に記載されている。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中及び表中、含有量ないし使用量を表す%は、特記ないかぎり重量基準である。また、各物性の測定方法は次のとおりである。
〔ヘイズ(H及びH’)〕
フィルムから100mm角の試験片を作製し、(株)村上色彩技術研究所のHR−100を使用して、透明樹脂層側を光源側として、JIS K7136に従って測定した。
〔60度鏡面光沢度(Gs及びGs’)〕
ヘイズの測定に用いた試験片と同じものを用い、ミノルタ(株)の光沢計GM−268を使用して、マット層の表面の60度鏡面光沢度をJIS Z8741に従って測定した。
各例で使用した透明樹脂層(A)、マット層(B)を構成する材料は、次のとおりである。
〔メタクリル樹脂〕
メタクリル樹脂として、メタクリル酸メチル97.8%とアクリル酸メチル2.2%とからなる単量体のバルク重合により得られた、ガラス転移温度が104℃であり、屈折率(Nb)が1.490である熱可塑性重合体のペレットを用いた。なお、このガラス転移温度は、JIS K7121:1987に従い、示差走査熱量測定により加熱速度10℃/分で求めた補外ガラス転移開始温度である。
〔透明微粒子〕
透明微粒子として、次のものを用いた。
透明微粒子(a):積水化成品工業(株)のMBX−5H(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径5.1μm)。
透明微粒子(b):積水化成品工業(株)のMBX−5(屈折率Nd=1.495、体積平均粒径5.0μm)。
〔アクリルゴム粒子(I)〕
アクリルゴム粒子(I)として、最内層がメタクリル酸メチル93.8%とアクリル酸メチル6%とメタクリル酸アリル0.2%とからなる単量体の重合により得られた硬質重合体であり、中間層がアクリル酸ブチル81%とスチレン17%とメタクリル酸アリル2%とからなる単量体の重合により得られた弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチル94%とアクリル酸メチル6%とからなる単量体の重合により得られた硬質重合体であり、最内層/中間層/最外層の重量割合が35/45/20であり、中間層の弾性重合体の層の数平均径が220nmである、乳化重合法による球形3層構造のゴム粒子を用いた。
〔アクリルゴム粒子(II)〕
アクリルゴム粒子(II)として、最内層がアクリル酸ブチル81%とスチレン17%とメタクリル酸アリル2%とからなる単量体の重合により得られた弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチル94%とアクリル酸メチル6%とからなる単量体の重合により得られた硬質重合体であり、最内層/最外層の重量割合が60/40であり、最内層の弾性重合体の平均粒子径が80nmである、乳化重合法による球形2層構造のゴム粒子を用いた。
(平均径の測定)
アクリルゴム粒子(I)及びアクリルゴム粒子(II)の数平均径は、次の方法により測定した。すなわち、測定対象であるアクリルゴム粒子をメタクリル樹脂と混合してフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5%四酸化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬し、該ゴム粒子中の弾性重合体の層を染色した。さらに、ミクロトームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行った。この写真から無作為に100個の染色された弾性重合体の層を選択し、その各々の径を算出した後、その数平均値を求めた。
実施例1〜8、比較例1〜5
前記メタクリル樹脂、透明微粒子(a)、及び、アクリルゴム粒子(I)又はアクリルゴム粒子(II)を表1に示す組み合わせ及び割合で用いた。すなわち、まず、メタクリル樹脂のペレットとアクリルゴム粒子(I)又はアクリルゴム粒子(II)とを、表1に示す組み合わせ及び割合でスーパーミキサーにて混合し、二軸押出機で溶融混錬してアクリル透明樹脂層用のメタクリル樹脂組成物のペレットを得た。一方、前記メタクリル樹脂、透明微粒子(a)、及び、アクリルゴム粒子(I)又はアクリルゴム粒子(II)を、表1に示す組み合わせ及び割合でスーパーミキサーにて混合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、マット層用の樹脂組成物をペレットとして得た。
次いで、透明樹脂層用の樹脂組成物を65mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)製〕で、マット層用の樹脂組成物を45mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)製〕で、それぞれ溶融させ、フィードブロック法にて溶融積層一体化させ、設定温度265℃のT型ダイスを介して押し出した。得られたフィルム状物を、第一冷却ロールが金属弾性ロールであり、第二冷却ロール及び第三冷却ロールがそれぞれ金属剛性ロールである、3本のロールからなる冷却ユニットを通すことにより成形し、全体の厚さが表1に示される値である2層構成の艶消し樹脂フィルムを製造した。その際、フィードブロックのピンの調整により、マット層側が第一冷却ロールと接触する側とした。また、その際、第一冷却ロールと第二冷却ロールはフィルムに面で密着するようにし、第二冷却ロールと第三冷却ロールの間は密着させず0.5mm間隔を空けてフィルムを通した。また、第一冷却ロールの温度を表1に示される温度に、第二冷却ロールの温度を80℃に、第三冷却ロールの温度を80℃に設定した。各押出機の時間当たりの樹脂組成物の消費量から層厚の比を計算し、この比と全体の厚さから、透明樹脂層の厚さとマット層の厚さを計算し、さらに全体の厚さに対するマット層の厚さの割合を求めて、これらの値を表1に示した。なお、透明微粒子(a)の屈折率(Nd)とメタクリル樹脂の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)は、0.005である。
得られた艶消し樹脂フィルムについて、ヘイズHおよび60度鏡面光沢度Gsを測定し、さらに1100/Gs(%)を求めて、これらの値を表2に示した。
また、得られた艶消し樹脂フィルムから幅方向50mm×押出方向150mmの試験片を作製し、インストロン社のINSTRON5500Rを使用して、チャック間50mmにセットし、150℃にて50mm/minの速度で、チャック間100mmまで引っ張ることにより、押出方向に2倍に一軸延伸した。この延伸後のフィルムについて、中央付近のヘイズH’及び60度鏡面光沢度Gs’を測定し、さらに1100/Gs’(%)と|Gs−Gs’|/Gsを求めて、これらの値を表2に示した。
比較例6、7
メタクリル樹脂80部及びアクリルゴム粒子(I)20部をタンブラー型混合機で混合し、二軸押出機を用いて溶融混練して、樹脂組成物をペレットとして得た。次いで、この樹脂組成物を65mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)製〕で溶融させ、T型ダイスを介して押し出した。得られたフィルム状物を、上と同じ3本のロールからなる冷却ユニットを通すことにより、各冷却ロールに両面を完全に接触させて成形し、厚さ125μmのアクリル系樹脂フィルムを得た。
次に、透明微粒子(b)18部、アクリルポリオールを含む塗料〔大日精化工業(株)のトップコート剤PTC−NT U−605メヂウム(A1)〕55部、及び溶剤〔大日精化工業(株)のPTC−NT No.2〕27部を混合し、透明微粒子分散液とした。
この透明微粒子分散液15.4部(比較例6)又は23.1部(比較例7)、アクリルポリオールを含む塗料(同上)61.5部(比較例6)又は53.8部(比較例7)、イソシアネート系の硬化剤〔大日精化工業(株)のトップコート剤No.73〕7.7部、及び溶剤(同上)15.4部を混合し、この調合塗料を上で得たアクリル系樹脂フィルムの片面に、バーコーター#6を使用して塗布し、その後、60℃のオーブン中に2時間放置して、乾燥及び硬化を行った。これにより、片面にマット層を有する艶消し樹脂フィルムを得た。なお、透明微粒子(b)の屈折率(Nd)と、マット層を構成するバインダー樹脂(透明微粒子以外)の屈折率(Nb)とは、ほぼ等しかった(|Nd−Nb|=0)。
得られた艶消し樹脂フィルムについて、ヘイズHおよび60度鏡面光沢度Gsを測定し、さらに1100/Gs(%)を求めて、これらの値を表2に示した。
また、得られた艶消し樹脂フィルムについて、先と同様にアクリル系樹脂フィルムの押出方向に2倍に一軸延伸したところ、マット層全体に細かいひび割れが生じた。この延伸後のフィルムについて、中央付近のヘイズH’及び60度鏡面光沢度Gs’を測定し、さらに1100/Gs’(%)と|Gs−Gs’|/Gsを求めて、これらの値を表2に示した。
Figure 2010284804
Figure 2010284804
〔成形品の評価〕
実施例1〜4および比較例1〜4、6、7で得られたフィルムを15cm×25cmに切断し、該フィルムを12cm×20cm、最大深さ3cmの射出成形用金型の固定側に、キャビティーからはみ出るように装着した。金型を閉じた後に、射出成形機〔東芝機械(株)製、IS130FII−3AV〕を用いてメタクリル樹脂〔住友化学(株)製、スミペックスMH〕を射出し、フィルムと一体化させて、図1で示すような成形品を得た。なお、射出成形時の金型温度は60℃、メタクリル樹脂温度は245℃、射出圧力は32%、冷却時間は40秒で行った。
実施例1〜4で得られたフィルムとメタクリル樹脂を一体化させた成形品を目視で観察したところ、該成形品の光沢感や艶は使用したフィルムの光沢感や艶と同程度に感じられ、該フィルムから想起される成形品の光沢感や艶と実際に得られた成形品の光沢感や艶とに相違なく、所望の成形品が得られていた。また、成形品の各部位における光沢感や艶にムラはなく均質であった。
比較例1〜4で得られたフィルムとメタクリル樹脂を一体化させた成形品を目視で観察したところ、該成形品の光沢感は使用したフィルムに比べ低く感じられ、該フィルムから想起される成形品の光沢感と実際に得られた成形品の光沢感とに違いが感じられた。また、成形品のフィルム側の平面部(図1の2a)に比べ、成形品のフィルム側の側面部(図1の2b)の光沢感の方が低く感じられ、成形品の部位によって光沢感にムラが観察された。
比較例6、7で得られたフィルムとメタクリル樹脂を一体化させた成形品を目視で観察したところ、該成形品の光沢感は使用したフィルムに比べ低く感じられ、該フィルムから想起される成形品の光沢感と実際に得られた成形品の光沢感とに違いが感じられた。また、成形品のフィルム側の平面部(図1の2a)に比べ、成形品のフィルム側の側面部(図1の2b)の光沢感の方が低く感じられ、成形品の部位によって光沢感にムラが観察された。さらに、成形品のフィルム側の側面部(図1の2b)に細かいひび割れが観測された。
1 成形品
2 フィルム
2a 成形品のフィルム側の平面部
2b 成形品のフィルム側の側面部
3 メタクリル樹脂

Claims (23)

  1. 透明樹脂及び透明微粒子を含むマット層から有する艶消し樹脂フィルムであって、マット層の表面の60度鏡面光沢度Gsと150℃で2倍に1軸延伸した後のマット層の表面の60度鏡面光沢度Gs’とが式:|Gs−Gs’|/Gs<0.20の関係を満たすことを特徴とする艶消し樹脂フィルム。
  2. 前記GsとヘイズHとが式:H(%)<1100/Gs(%)の関係を満たす請求項1に記載の艶消し樹脂フィルム。
  3. 前記Gs’と150℃で2倍に1軸延伸した後のヘイズH’とが式:H’(%)<1100/Gs’(%)の関係を満たす請求項1又は2に記載の艶消し樹脂フィルム。
  4. マット層と、該マット層の一方の面に積層された透明樹脂層とを備える請求項1〜3のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  5. 全体の厚さが20〜800μmである請求項1〜4のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  6. マット層の厚さが全体の厚さの50%以下である請求項4又は5に記載の艶消し樹脂フィルム。
  7. マット層の厚さが5〜100μmである請求項4〜6のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  8. マット層に含まれる透明微粒子の屈折率(Nd)とマット層に含まれる透明樹脂の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.01以下である請求項1〜7のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  9. マット層に含まれる透明微粒子の体積平均粒径が3〜10μmである請求項1〜8のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  10. マット層に含まれる透明微粒子がアクリル系の架橋粒子である請求項1〜9のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  11. 透明樹脂層に含まれる透明樹脂がメタクリル樹脂である請求項1〜10のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  12. マット層に含まれる透明樹脂がメタクリル樹脂である請求項1〜11のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  13. メタクリル樹脂が、全単量体の合計100重量%を基準にメタクリル酸アルキルを50〜100重量%、アクリル酸アルキルを0〜50重量%、及びこれら以外の単量体を0〜49重量%の割合で重合させてなる重合体である請求項11又は12に記載の艶消し樹脂フィルム。
  14. マット層がゴム粒子を含む層である請求項1〜13のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  15. 透明樹脂層がゴム粒子を含む層である請求項1〜14のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  16. ゴム粒子がアクリル系ゴム粒子である請求項14又は15に記載の艶消し樹脂フィルム。
  17. アクリル系ゴム粒子が、アルキル基の炭素数が4〜8であるアクリル酸アルキルと多官能単量体とを共重合させてなるゴム弾性体の層のまわりに、メタクリル酸メチルを主体とする単量体を重合させてなる硬質重合体の層が形成されてなる多層構造の粒子である請求項16に記載の艶消し樹脂フィルム。
  18. 前記ゴム弾性体の層の数平均径が50〜500nmである請求項17に記載の艶消し樹脂フィルム。
  19. マット層の構成材料を溶融押出して得られたフィルム状の溶融物を10〜55℃の第一冷却ロールに密着させて冷却、成形して得られる請求項1〜18のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルム。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の艶消し樹脂フィルムの表面に、加飾が施されてなることを特徴とする加飾フィルム。
  21. 請求項20に記載の加飾フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂シートが積層されてなることを特徴とする加飾シート。
  22. 請求項20に記載の加飾フィルムの加飾側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品。
  23. 請求項21に記載の加飾シートの熱可塑性樹脂シート側の面に、熱可塑性樹脂が射出成形されてなることを特徴とする加飾成形品。
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