JP2003231760A - 耐白化性アクリル系樹脂フィルムとそれを用いた積層成形品 - Google Patents
耐白化性アクリル系樹脂フィルムとそれを用いた積層成形品Info
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Abstract
匠性を維持できるアクリル系樹脂フィルム、又はそれと
他の熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルムを提供
し、さらにはそのフィルムが表面に積層された表面外観
が良好な射出成形品を提供する。 【解決手段】 10μm 以上500μm 以下の厚みを有
し、160℃の雰囲気で10分間加熱処理したときに、
その前後における曇価の差が2%以下であるアクリル系
樹脂フィルムが提供される。このフィルムの片面に他の
熱可塑性樹脂層を少なくとも1層設けて、積層フィルム
とすることができる。このフィルムは、射出成形品の表
層を構成するフィルムとして有用であり、このフィルム
が表層に一体化されたフィルム積層射出成形品も提供さ
れる
Description
に好適に用いられるアクリル系樹脂フィルム、その片面
に他の熱可塑性樹脂層を設けた積層フィルム、及びそれ
らのフィルムが表面に配置されたフィルム積層射出成形
品に関するものである。
の外装などには、射出成形による樹脂成形体が広く用い
られている。かかる成形体を装飾するために、例えば、
射出成形同時貼合法又はインモールド成形法と呼ばれる
手法が採用されている。射出成形同時貼合法(インモー
ルド成形法)には、装飾が施された樹脂フィルム又はそ
れが一方の側に配された積層フィルムを射出成形の雌雄
金型間に挿入し、その金型の一方の側から溶融樹脂を射
出して、射出成形体を形成すると同時にその成形体に上
記の樹脂フィルムを貼合する方法や、装飾が施された樹
脂フィルム又はそれが一方の側に配された積層フィルム
を、真空成形等で予備成形してから射出成形金型内に挿
入するか、あるいは装飾が施された樹脂フィルム又はそ
れが一方の側に配された積層フィルムを射出成形金型内
での真空成形や圧空成形等で予備成形した後、そこに溶
融樹脂を射出して、樹脂と一体成形する方法がある。後
者の方法、すなわち、フィルムを予備成形した後、その
片面に溶融樹脂を射出する方法は、インサート成形法と
も呼ばれている。このようなインサート成形法を包含す
る射出成形同時貼合法は、例えば、特公昭 63-6339号公
報、特公平 4-9647 号公報、特開平 7-9484 号公報など
に記載されている。
に優れるとともに、表面光沢、表面硬度及び表面平滑性
も良好であることから、アクリル系樹脂フィルムが好ま
しく採用されている。
形同時貼合法においては、表層となるべき樹脂フィルム
に対して、通常100℃以上の加熱が行われることとな
るが、従来のアクリル系樹脂フィルムを用いた場合、こ
のような加熱によってフィルム表面の粗度が向上し、薄
く白濁して、意匠性が損なわれるため、その改善が望ま
れていた。特開平8-323934 号公報や特開平 11-147237
号公報には、メタクリル樹脂にアクリル系ゴム粒子が配
合され、射出成形同時貼合に好適に用いられるアクリル
系樹脂フィルムが開示されているが、加熱処理後の曇価
の上昇を抑制する手法については、具体的に記載されて
いない。また、これらの公報に記載されたフィルムを用
い、射出成形同時貼合法により他の熱可塑性樹脂の表面
を加飾した場合、成形後の曇価が上昇することがあり、
その場合には成形品表面をバフ等で研磨して意匠性を高
めなければならず、生産効率が低下することになる。
00℃以上での加熱処理が行われる場合でも、意匠性が
損なわれることなく、良好な意匠性を発現し得るアクリ
ル系樹脂フィルムの開発が強く要望されていた。
形の際に加熱されてもフィルムの白濁がなく、高い意匠
性を維持できるアクリル系樹脂フィルムを開発すべく、
鋭意研究を行った結果、特定の平均粒子径を有するゴム
粒子を特定割合でメタクリル樹脂中に分散させれば、加
熱処理前後で曇価の変化が少ないフィルムが得られるこ
と、したがってこのフィルムは、成形の際に加熱しても
白濁することがなく、意匠性を維持できること、また当
該フィルムを用いた積層フィルムも種々の成形に適する
こと、さらには当該フィルムを表面に有する射出成形品
は、深み感等の意匠性に優れることを見出した。このよ
うな加熱処理前後の曇価の変化が一定値以下であるアク
リル系樹脂フィルムは、従来知られていなかったもので
あり、これに種々の検討を加えて、本発明を完成するに
至った。
に加熱されてもフィルムの白濁がなく、高い意匠性を維
持できるアクリル系樹脂フィルム、特にゴム粒子が配合
されていながら、成形の際に加熱されても白濁すること
のないアクリル系樹脂フィルムを提供することにある。
ルムと他の熱可塑性樹脂フィルムとからなる積層フィル
ムであって、やはり成形の際に加熱処理されてもフィル
ムの白濁がなく、高い意匠性を維持できる積層フィルム
を提供することにある。
貼合に適用した場合に、成形後も白濁することがなく、
良好な外観の射出成形品とすることができる射出成形同
時貼合用樹脂フィルムを提供し、さらにはそのフィルム
が表面に積層されたフィルム積層射出成形品を提供する
ことにある。
ば、10μm以上500μm以下の厚みを有し、160℃
の雰囲気で10分間加熱処理したときに、その前後にお
ける曇価の差が2%以下であるアクリル系樹脂フィルム
が提供される。このフィルムは、ゴム粒子を含有するも
のであり、有利には、メタクリル樹脂50〜95重量部
を母相とし、その中に、平均粒子径が0.05μm以上
0.25μm以下のゴム粒子を5〜50重量部の割合で分
散させ、フィルム化して製造される。
片面に他の熱可塑性樹脂層を少なくとも1層設けて、積
層フィルムとすることができる。そこで本発明によれ
ば、上記のアクリル系樹脂フィルムが、他の熱可塑性樹
脂からなる基材フィルムに積層されてなる積層フィルム
も提供される。
フィルムは、射出成形品の表層を構成するフィルムとし
て有利に使用される。そこで本発明によれば、上記のア
クリル系樹脂フィルム又は積層フィルムからなる射出成
形同時貼合用フィルムも提供され、さらには、当該射出
成形同時貼合用フィルムが表層に一体化されたアクリル
系樹脂フィルム積層射出成形品も提供される。ここで、
積層フィルムを用いる場合は、アクリル系樹脂フィルム
層が最外層となるように積層一体化される。
する。本発明においては、アクリル系樹脂フィルムの厚
みは500μm 以下とされる。フィルム厚みが500μ
m 以下であれば、良好な製膜性が得られ、安定的な生産
が可能であるとともに、射出成形同時貼合法やラミネー
ト法に代表される二次加工において、良好な加工性が実
現できる。さらには意匠性の面からも、500μm 以下
の厚みを有するものは、深み感に優れたものとなる。フ
ィルム厚みが500μm を超えると、単位面積あたりの
質量が増加し、取り扱い性が低下するとともに、コスト
が高くなり、意匠性についても大きな向上効果は得られ
ない。高い二次加工性及び意匠性を維持しつつ、単位面
積あたりの質量を低減させ、さらにはコストを低減させ
る観点からは、フィルム厚みを300μm 以下とするの
がより好ましい。
0μm 以上の厚みとされる。フィルム厚みが10μm 以
上であれば、二次加工に適用可能なフィルム強度を維持
できるとともに、二次加工後の成形品に良好な意匠性を
付与することができる。フィルム厚みが10μm を下回
ると、製膜性が低下し、生産効率が低下する。また、二
次加工時のフィルム強度が不足するとともに、十分な意
匠性が発現しにくい。フィルムへの製膜性、二次加工品
における意匠性及び二次加工時の取り扱い性の観点から
は、その厚みを50μm 以上とするのが好ましく、さら
には100μm以上とするのが一層好ましい。
0℃の雰囲気で10分間加熱処理したときに、その前後
における曇価の差が2%以下のものである。このような
アクリル系樹脂フィルムを用いて、そのフィルムが表層
となった積層射出成形品を製造すれば、成形品表面から
見た外観の意匠性が損なわれることのない成形品が得ら
れ、良好な外観を有する成形品の生産効率を高めること
ができる。意匠性の観点からは、このアクリル系樹脂フ
ィルムは、160℃の雰囲気で10分間加熱処理したと
きに、その前後の曇価の差が1%以下であるのが好まし
く、さらにはこの差が0.5%以下であるのが一層好ま
しい。なお、曇価はヘイズともいわれる曇り具合の指標
であって、JIS K 7105 や ASTM D 1003 に規定されてお
り、(拡散光線透過率/全光線透過率)×100(%)
で表される数値である。
における曇価の差が小さいフィルムとするためには、例
えば、メタクリル樹脂に比較的粒子径の小さいゴム粒子
を配合するのが有効である。具体的には、0.05μm
以上0.25μm 以下の平均粒子径を有するゴム粒子を
配合する。ゴム粒子の平均粒子径がこの範囲にあると、
加熱処理後の曇価の上昇を抑制することができる。フィ
ルムの十分な透明性を実現するうえでは、0.2μm以下
の平均粒子径を有するゴム粒子を用いるのが好ましく、
さらには0.2μmよりも小さい平均粒子径を有するゴム
粒子を用いるのが一層好ましい。このように平均粒子径
が0.2μm以下、さらには0.2μm未満のゴム粒子を配
合することで、成形品の意匠性を効果的に向上させるこ
とが可能となる。フィルムに適度な耐衝撃性を与えるう
えでは、ゴム粒子の平均粒子径は、0.1μm以上である
のが好ましい。
脂フィルムとするのに好適な樹脂組成の例として、メタ
クリル樹脂(A)50〜95重量部と、上記の平均粒子
径を有するアクリル系のゴム粒子(B)5〜50重量部
とを主成分として含有するものが挙げられる。ここで用
いるメタクリル樹脂(A)は、メタクリル酸エステルの
単独重合体や、それを主成分とする共重合体であること
ができる。メタクリル酸エステルとしては、通常メタク
リル酸のアルキルエステルが用いられ、そのアルキル基
は、炭素数1〜4程度でよい。共重合体とする場合は、
メタクリル樹脂の共重合成分として有利であることが知
られているアクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合
物、ビニルシアン化合物などが用いられる。
素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
50〜100重量%と、アクリル酸エステル0〜50重
量%と、これらに共重合可能な他のビニル単量体の少な
くとも1種0〜49重量%とからなる単量体の重合によ
って得られ、ガラス転移温度が40℃以上の熱可塑性重
合体である。ここで、アクリル酸エステルは、より好ま
しくは0.1〜50重量%の範囲、さらに好ましくは0.
5〜50重量%の範囲で用いられ、したがって、メタク
リル酸アルキルのより好ましい共重合割合は50〜9
9.9重量%の範囲、さらに好ましい共重合割合は50
〜99.5重量%の範囲である。また、このメタクリル
樹脂のガラス転移温度は、より好ましくは60℃以上で
ある。なお、本明細書において単に「単量体」というと
きは、ある単量体1種からなる場合のみならず、複数の
単量体が混合された状態も包含するものとする。
ル酸アルキルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどが挙げら
れるが、特にメタクリル酸メチルが好ましく用いられ
る。アクリル酸エステルとしては、通常アクリル酸のア
ルキルエステルが用いられ、そのアルキル基は、炭素数
1〜8程度でよい。例えば、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチルなどが挙げられる。ま
た、メタクリル酸アルキル及び/又はアクリル酸エステ
ルに共重合可能な他のビニル単量体としては、従来から
この分野で知られている各種単量体が使用でき、例え
ば、スチレンのような芳香族ビニル化合物や、アクリロ
ニトリルのようなビニルシアン化合物などが挙げられ
る。
おり、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸
アルキルエステル50〜100重量%、より好ましくは
50〜99.9重量%と、アクリル酸エステル0〜50
重量%、より好ましくは0.1〜50重量%と、これら
に共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜
49重量%とからなる単量体を重合させて得られるもの
が好適であり、この範囲に入る重合体を単独で、又は2
種以上の重合体の混合物として用いることができる。こ
のメタクリル樹脂は、ガラス転移温度が40℃以上であ
ればよく、好ましくは60℃以上のガラス転移温度を有
するものである。メタクリル樹脂のガラス転移温度が4
0℃未満では、得られるフィルムの耐熱性が低くなるた
め、実用上好ましくない。ガラス転移温度は、メタクリ
ル酸アルキルエステルと共重合される他の単量体の種類
と量を変化させることにより、適宜設定できる。なお、
メタクリル酸メチルの単独重合体のガラス転移温度は約
106℃であるので、メタクリル酸アルキルとしてメタ
クリル酸メチルを用いる場合、得られるメタクリル樹脂
のガラス転移温度は、通常106℃以下となる。
ず、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の方法で行
うことができる。また、好適なガラス転移温度を得るた
め、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るた
めに、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。
連鎖移動剤の量は、単量体の種類及び組成に応じて、適
宜決定すればよい。
キル50〜99.9重量%と、これに共重合可能な他の
ビニル単量体の少なくとも1種0〜49.9重量%と、
共重合性の架橋性単量体0.1〜10重量%とからなる
単量体を重合して得られる弾性共重合体の層を有する重
合体100重量部の存在下に、メタクリル酸エステル5
0〜100重量%と、アクリル酸エステル0〜50重量
%と、これらに共重合可能な他のビニル単量体の少なく
とも1種0〜49重量%とからなる単量体10〜400
重量部を重合させることにより、後者の単量体からの重
合層を前記弾性共重合体の表面に少なくとも1層結合し
てなるものが有利に用いられる。そしてこの際、重合条
件を調節して、上記弾性共重合体層の平均粒子径が0.
05μm以上0.25μm以下となるようにする。
の上記成分を乳化重合法等により、少なくとも一段の反
応で重合させて弾性共重合体を得、この弾性共重合体の
存在下、上記したメタクリル酸エステルを含む単量体を
乳化重合法等により、少なくとも一段の反応で重合させ
て製造することができる。このような複数段階の重合に
より、後段で用いるメタクリル酸エステルを含む単量体
は弾性共重合体にグラフト共重合され、グラフト鎖を有
する架橋弾性共重合体が生成する。すなわち、このゴム
粒子は、アクリル酸アルキルをゴムの主成分として含む
多層構造を有するグラフト共重合体となる。なお、弾性
共重合体の重合を二段以上で行う場合、又はその後のメ
タクリル酸エステルを主成分とする単量体の重合を二段
以上で行う場合には、いずれも、各段の単量体組成では
なく、全体としての単量体組成が上記範囲内にあればよ
い。
合体を構成するために用いるアクリル酸アルキルとして
は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜8のものが挙げ
られる。なかでも、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−
エチルヘキシルのような、アルキル基の炭素数が4〜8
のものが好ましい。
構成するために所望に応じて用いられ、アクリル酸アル
キルに共重合可能な他のビニル単量体としては、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シク
ロヘキシルのようなメタクリル酸エステル、スチレンの
ような芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルのような
ビニルシアン化合物などが好ましい。
構成するために用いる共重合性の架橋性単量体は、1分
子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有す
るものであればよく、例えば、エチレングリコールジメ
タクリレート、ブタンジオールジメタクリレートのよう
なグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル、アクリ
ル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのよ
うな不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸
ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポ
リアルケニルエステル、トリメチロールプロパントリア
クリレートのような多価アルコールの不飽和カルボン酸
エステル、ジビニルベンゼンなどを挙げることができ
る。なかでも、不飽和カルボン酸のアルケニルエステル
や多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましい。これ
らの架橋性単量体は、それぞれ単独で、又は必要により
2種以上組み合わせて使用することができる。
とする単量体の重合により得られる弾性共重合体には、
メタクリル酸エステル50〜100重量%と、アクリル
酸エステル0〜50重量%と、これらに共重合可能な他
のビニル単量体の少なくとも1種0〜49重量%とから
なる単量体をグラフトさせる。弾性共重合体にグラフト
させるメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸の
アルキルエステルが好ましく、例えば、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキ
シルなどが挙げられる。アクリル酸エステルとしては、
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸シクロヘキシルのような、アクリル酸のアルキルエ
ステルが挙げられ、またメタクリル酸エステル及び/又
はアクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体
としては、例えば、スチレンのような芳香族ビニル化合
物や、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物な
どが挙げられる。
00重量部に対し、好ましくは10〜400重量部、よ
り好ましくは20重量部以上、またより好ましくは20
0重量部以下の割合で使用し、一段以上の反応で重合す
ることができる。ここで、グラフトさせる単量体の使用
量を10重量部以上にすると、弾性共重合体の凝集が生
じにくく、フィルムとした際の透明性が良好となる。
メタクリル酸エステルを主体とする硬質層を設けること
ができる。この場合には、最内層を構成する硬質層の単
量体をまず重合させ、得られる硬質重合体の存在下で、
上記の弾性共重合体を構成する単量体を重合させ、さら
に得られる弾性共重合体の存在下で、上記のメタクリル
酸エステルを主体とし、グラフトされる単量体を重合さ
せればよい。ここで、最内層となる硬質層は、メタクリ
ル酸エステル70〜100重量%と、それに共重合可能
な他のビニル単量体0〜30重量%とからなる単量体を
重合させたものが好ましい。この際、他のビニル単量体
の一つとして、共重合性の架橋性単量体を用いるのも有
効である。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル
酸のアルキルエステル、特にメタクリル酸メチルが有効
である。このような3層構造のゴム粒子は、例えば、特
公昭 55-27576 号公報(= USP 3,793,402)に開示され
ている。特に同公報の実施例3に記載のものは、好まし
い組成の一つである。
は、重合開始剤の種類や量、また重合時間などを調節す
ることによって、0.05μm 以上0.25μm 以下の範
囲内で適当な値に設定すればよい。なお、ゴム粒子の平
均粒子径は、そのゴム粒子をメタクリル樹脂と混合して
フィルム化し、その断面において、酸化ルテニウムによ
るゴム成分の染色を施し、電子顕微鏡で観察して、染色
された粒子外層部の直径から求めることができる。すな
わち、アクリル酸アルキルを主成分とする弾性共重合体
層を含むゴム粒子をメタクリル樹脂に混合し、その断面
を酸化ルテニウムで染色すると、母相のメタクリル樹脂
は染色されず、ゴム粒子の最外層にメタクリル酸エステ
ル主体の硬質層がある場合はその硬質層も母体樹脂と混
和して染色されず、アクリル酸アルキルを主成分とする
弾性共重合体層のみが染色されるので、こうして染色さ
れ、電子顕微鏡でほぼ円形状に観察される部分の直径か
ら、粒子径を求めることができる。
合体が、全ての成分、すなわち、メタクリル樹脂及びゴ
ム粒子の合計100重量部を基準に、5〜35重量部と
なるようにするのが好ましい。さらには、この弾性共重
合体は、メタクリル樹脂及びゴム粒子の合計100重量
部を基準に10重量部以上、また25重量部以下となる
ようにするのがより好ましい。メタクリル樹脂とゴム粒
子の合計100重量部あたり弾性共重合体の量が5重量
部以上となるようにすれば、フィルムが脆くなることな
く、製膜性を向上させることができる。一方、メタクリ
ル樹脂とゴム粒子の合計100重量部あたり弾性共重合
体の量が35重量部を越えると、フィルムの透明性や表
面硬度が失われる傾向となる。
の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、有機系染料、顔料、
無機系色素、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤など
を含有してもよい。なかでも紫外線吸収剤は、より長時
間の耐候性に優れた積層成形体を与える点で好ましく用
いられる。紫外線吸収剤としては、例えば、一般に用い
られるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロ
キシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニ
ルエステル系紫外線吸収剤などが挙げられる。ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2,2′
−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノール〕、2−(5−メチル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ
−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5
−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−
オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが例示され
る。2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤とし
て具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフ
ェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−4′−クロロベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ
ベンゾフェノンなどが例示される。また、サリチル酸フ
ェニルエステル系紫外線吸収剤として具体的には、p−
tert−ブチルフェニルサリチル酸エステル、p−オクチ
ルフェニルサリチル酸エステルなどが例示される。
で、又は2種以上混合して用いることができる。紫外線
吸収剤を配合する場合、その量は、メタクリル樹脂及び
ゴム粒子の合計100重量部を基準に、通常0.1重量
部以上であり、好ましくは0.3重量部以上、また2重
量部以下である。
鉛筆硬度がH以上、すなわちH又はそれより硬くなるよ
うにするのが好ましい。鉛筆硬度がH以上であれば、特
に表面硬度や耐擦傷性を必要とする部材、具体的には家
庭電器製品の外装部材や自動車の内装及び外装部材にお
ける最表面構成材料として、好適に用いることができ
る。鉛筆硬度は、 JIS K 5400 に規定される鉛筆引っか
き値で表示される。フィルムの鉛筆硬度は、母相となる
メタクリル樹脂の種類、そこに分散させるゴム粒子の種
類や量などを変更することで、適当な値に調節できる。
説明したメタクリル樹脂及びゴム粒子を混合し、必要に
応じてその他の添加剤を配合した混合物をフィルム化し
て製造すればよい。その製造法としては、溶融流延法、
Tダイ法やインフレーション法の如き溶融押出法、カレ
ンダー法など、いずれの方法を用いてもよい。なかで
も、上記混合物を、例えばTダイから溶融押出しし、得
られるフィルム状物の少なくとも片面をロール又はベル
トに接触させて製膜する方法は、表面性状の良好なフィ
ルムが得られる点で好ましい。とりわけ、フィルムの表
面平滑性及び表面光沢性を向上させる観点からは、上記
混合物を溶融押出成形して得られるフィルム状物の両面
をロール表面又はベルト表面に接触させてフィルム化す
る方法が好ましい。この際に用いるロール又はベルト
は、いずれも金属製であるのが好ましい。またロール
は、その表面が鏡面となっているものが好ましい。した
がって、好ましい形態として、上記メタクリル樹脂及び
ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂をTダイから溶融押
出しした後、少なくとも1本の鏡面ロールに接触させ
て、より好ましくは2本の鏡面ロールに接触させて挟み
込んだ状態で、製膜する方法が挙げられる。
は、着色されていてもよい。着色法としては、メタクリ
ル樹脂とゴム粒子との混合物自体に顔料又は染料を含有
させ、フィルム化前の樹脂自体を着色する方法、アクリ
ル系樹脂フィルムを、染料が分散した液中に浸漬して着
色させる染色法などが挙げられるが、特に限定されるも
のではない。アクリル系樹脂フィルムが着色される場合
には、そのアクリル系樹脂フィルムの表面に印刷される
図形等に用いられる色彩を選択的に着色することで、色
彩の同じ図形等については印刷を省略できるという効果
が得られる。
少なくとも一方の面に、絵柄などの印刷が施されてもよ
い。印刷は、深みのある印刷模様を与えるうえで、別の
熱可塑性樹脂と接する側に施すのが好ましい。
片面に他の熱可塑性樹脂からなる層が少なくとも1層積
層されてもよい。アクリル系樹脂フィルムの片面に印刷
が施されている場合は、その印刷層側に他の樹脂を積層
することになる。別の熱可塑性樹脂との積層一体成形法
としては、例えば、アクリル系樹脂フィルムと熱可塑性
樹脂とをそれぞれ別個に、予めフィルム状に成形してお
き、加熱ロール間で連続的にラミネートする方法、プレ
スで熱圧着する方法、圧空又は真空成形すると同時に積
層する方法、接着層を介在させてラミネートする方法
(ウェットラミネーション)、予め成形されたアクリル
系樹脂フィルムに、Tダイから溶融押出しされた熱可塑
性樹脂をラミネートする方法などが挙げられる。これら
の方法を用いる場合、フィルム状に成形されたアクリル
系樹脂は、もう一方の熱可塑性樹脂基材と貼合される側
の面に、例えば、コロナ処理などが施されてもよいし、
接着層が設けられてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、他の(メタ)アクリル樹脂、ABS(アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂など
が挙げられる。
の片面に他の熱可塑性樹脂層を少なくとも1層積層した
積層フィルムは、射出成形同時貼合用フィルムとして好
ましく用いられ、例えば、別の熱可塑性樹脂と一体成形
することにより、成形品の最表層に配置される。かかる
一体成形法としては、特に限定されるものでないが、例
えば、前述した同時貼合射出成形法と呼ばれる手法が有
利に採用される。具体的には、これらのフィルムのいず
れかを射出成形の雌雄金型間に挿入し、その金型の一方
の側から溶融樹脂を射出して、射出成形体を形成すると
同時にその成形体に上記フィルムを貼合する方法や、こ
れらフィルムのいずれかを真空成形等で予備成形してか
ら射出成形金型内に挿入するか、又はこれらフィルムの
いずれかを射出成形金型内での真空成形や圧空成形等で
予備成形した後、そこに溶融樹脂を射出して樹脂と一体
成形する方法などが挙げられる。後者の方法、すなわ
ち、フィルムを予備成形した後その片面に溶融樹脂を射
出する方法は、インサート成形法とも呼ばれる。このよ
うなインサート成形法を含む射出成形同時貼合法は、例
えば、特公昭 63-6339号公報、特公平 4-9647 号公報、
特開平 7-9484 号公報などに記載の方法に準じて行うこ
とができる。この際、アクリル系樹脂フィルムの片面に
他の熱可塑性樹脂の層が設けられた積層フィルムを用い
る場合には、積層された他の熱可塑性樹脂が射出成形さ
れる樹脂側となるように、換言すれば、アクリル系樹脂
フィルムが最表面となるように配置される。また、アク
リル系樹脂フィルムの片面に印刷が施されている場合
は、その印刷層が射出成形される樹脂側となるように、
換言すれば、アクリル系樹脂フィルムが最表面となるよ
うに配置される。
本発明のアクリル系樹脂フィルムが積層された状態とな
り、深み感、表面硬度、表面平滑性などに優れるととも
に、成型加工時に白濁を起こさず、意匠性を維持したも
のとなる。
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら制
限されるものではない。なお、例中、含有量ないし使用
量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
また、ゴム粒子の平均粒子径は、以下の方法で測定し
た。
をメタクリル樹脂と混合してフィルム化し、得られたフ
ィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5%四酸
化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬し、ゴム粒子
部分(弾性共重合体部分)を染色した。さらに、ミクロ
トームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した
後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行った。この写真か
ら無作為に100個の染色されたゴム粒子部を選択し、
その各々の粒子径を算出した後、その平均値を平均粒子
径とした。
及びアクリル酸メチル2.2% のモノマー組成からバル
ク重合法により得られた樹脂のペレット(ガラス転移温
度103℃)を用いた。またゴム粒子としては、特公昭
55-27576 号公報(= USP 3,793,402)の実施例3に準
じて製造され、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメ
タクリル酸アリルを用いて重合された架橋重合体、中間
層がアクリル酸ブチルを主成分としてさらにスチレン及
び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の
弾性共重合体、最外層がメタクリル酸メチルに少量のア
クリル酸エチルを用いて重合された硬質重合体からなる
球形3層構造であり、弾性共重合体層の平均粒子径が
0.19μmのものを用いた。このゴム粒子における中間
層の弾性共重合体は、このゴム粒子全体のうち66.6
%であった。
とゴム粒子30部とをスーパーミキサーで混合し、二軸
押出機で溶融混錬して、ペレットとした。次いでこのペ
レットを、東芝機械(株)製の65mmφ一軸押出機を用
い、設定温度275℃のT型ダイを介して押し出し、ポ
リシングロールに両面が完全に接するようにして冷却
し、厚さ0.13mm のアクリル系樹脂フィルムを得た。
このフィルムにおいて、ゴム粒子中の弾性重合体含有量
は、フィルム全体のうち20%となる。このフィルムに
ついて以下の試験を行い、結果を表1に示した。
にフィルムを10分間放置し、その前後におけるフィル
ムの曇価(ヘイズ)を測定した。曇価の測定は、 JIS K
7105 に従って行い、加熱試験前の曇価H1 及び加熱試
験後の曇価H2 から試験前後における曇価の差ΔH(=
H2−H1)を求めた。ΔHが大きいほど、加熱試験に伴
う白化が顕著に発生したことを意味する。さらに、この
加熱試験後のフィルムを目視で評価し、意匠性良好なも
のを○、意匠性に欠けるものを×と表示した。 〔表面硬度〕JIS K 5400 に従って鉛筆引っかき値を測
定した。 〔全光線透過率〕JIS K 7105 に従って測定した。
であるが、重合条件を変えて平均粒子径が0.14μmと
なった球形3層構造のものに変更し、その他は実施例1
と同様にして、厚さ0.13mm のアクリル系樹脂フィル
ムを作製した。ここで用いたゴム粒子における中間層の
弾性共重合体は、このゴム粒子全体のうち66.6%で
あった。したがって、ここで得られたフィルムにおい
て、ゴム粒子中の弾性重合体は、フィルム全体のうち2
0%となる。得られたフィルムについて実施例1と同様
の試験を行い、結果を表1に示した。
ポリシングロールの間隙を調節して、厚さ0.3mm のア
クリル系樹脂フィルムを作製した。得られたフィルムに
ついて実施例1と同様の試験を行い、結果を表1に示し
た。
し、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用
いて重合された軟質の弾性共重合体、外層が、メタクリ
ル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合され
た硬質重合体からなる球形2層構造であり、弾性共重合
体層の平均粒子径が約0.075μmのものを用いた。こ
のゴム粒子における内層の弾性共重合体は、このゴム粒
子全体のうち66.6%であった。
ペレット50部と上に示したゴム粒子50部とをスーパ
ーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬してペレッ
トとした。次いでこのペレットを、東芝機械(株)製の
65mmφ一軸押出機を用い、設定温度275℃のT型ダ
イを介して押し出し、ポリシングロールに両面が完全に
接するようにして冷却し、厚さ0.10mm のアクリル系
樹脂フィルムを得た。このフィルムにおいて、ゴム粒子
中の弾性重合体含有量は、フィルム全体のうち33.3
%となる。このフィルムについて実施例1と同様の試験
を行い、結果を表1に示した。
であるが、重合条件を変えて平均粒子径が0.28μmと
なった球形3層構造のものに変更し、その他は実施例1
と同様にして、厚さ0.13mm のアクリル系樹脂フィル
ムを作製した。ここで用いたゴム粒子における中間層の
弾性共重合体は、このゴム粒子全体のうち66.6%で
あった。したがって、ここで得られたフィルムにおい
て、ゴム粒子中の弾性重合体は、フィルム全体のうち2
0%となる。得られたフィルムについて実施例1と同様
の試験を行い、結果を表1に示した。
ィルムを、印刷フィルムを間に挟んで厚さ0.3mm のA
BS樹脂フィルムに重ね合わせ、熱プレス機で貼合し
て、積層フィルムを作製した。この積層フィルムについ
て、意匠性を目視により評価し、意匠性良好なものを
○、意匠性に欠けるものを×として、結果を表2に示し
た。ここで意匠性は、表面光沢性、下層印刷への深み感
等の一般的、総合的判断とした。
ィルムの片面に印刷フィルムを貼合した状態で、アクリ
ル系樹脂フィルムが金型に押し付けられる側となるよう
にして射出金型内に入れ、その裏面(印刷フィルム側)
にABS樹脂を3mm厚さで射出して、成形体を得た。こ
のときのアクリル系樹脂フィルムの温度は130℃、金
型温度は50℃、射出成形圧力は1,150kg/cm2、A
BS樹脂の温度は230℃であった。得られた成形体に
ついて、実施例5と同様の評価を行い、結果を表2に示
した。
ィルムを用いて、実施例6と同じ実験を行い、評価結果
を表2に示した。
するのに適したアクリル系樹脂フィルムが提供され、こ
のアクリル系樹脂フィルムは、成形の際の加熱によって
も白濁することがなく、意匠性を維持できる。そして、
このアクリル系樹脂フィルムが最表層に一体化された熱
可塑性樹脂射出成形品は、深み感等の意匠性に優れたも
のとなる。
Claims (9)
- 【請求項1】10μm 以上500μm 以下の厚みを有
し、160℃の雰囲気で10分間加熱処理したときに、
その前後における曇価の差が2%以下であることを特徴
とするアクリル系樹脂フィルム。 - 【請求項2】メタクリル樹脂(A)に、平均粒子径0.
05μm 以上0.25μm 以下のゴム粒子(B)が分散
したアクリル系樹脂からなる請求項1記載のアクリル系
樹脂フィルム。 - 【請求項3】メタクリル樹脂(A)は、炭素数1〜4の
アルキル基を有するメタクリル酸アルキル50〜100
重量%と、アクリル酸エステル0〜50重量%と、これ
らに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0
〜49重量%とからなる単量体の重合により得られるガ
ラス転移温度が40℃以上の熱可塑性重合体であり、 ゴム粒子(B)は、アクリル酸アルキル50〜99.9
重量%と、これに共重合可能な他のビニル単量体の少な
くとも1種0〜49.9重量%と、共重合性の架橋性単
量体0.1〜10重量%とからなる単量体の重合により
得られる弾性共重合体の層を有する重合体100重量部
の存在下に、メタクリル酸エステル50〜100重量%
と、アクリル酸エステル0〜50重量%と、これらに共
重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49
重量%とからなる単量体10〜400重量部を重合させ
ることにより、後者の単量体からの重合層を前記弾性共
重合体の表面に少なくとも1層結合してなり、前記弾性
共重合体層の平均粒子径が0.05μm 以上0.25μm
以下のゴム含有重合体であり、 アクリル系樹脂は、前記メタクリル樹脂(A)50〜9
5重量部、及び前記ゴム粒子(B)5〜50重量部を含
有し、 ゴム粒子(B)中の前記弾性共重合体の量は、メタクリ
ル樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部あ
たり5〜35重量部である、請求項2記載のアクリル系
樹脂フィルム。 - 【請求項4】鉛筆硬度がH又はそれよりも硬い値である
請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィル
ム。 - 【請求項5】アクリル系樹脂をTダイから溶融押出しし
た後、少なくとも1本の鏡面ロールに接触させて製膜し
てなる請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル系樹脂
フィルム。 - 【請求項6】アクリル系樹脂をTダイから溶融押出しし
た後、2本の鏡面ロールに接触させて挟み込んだ状態で
製膜してなる請求項5記載のアクリル系樹脂フィルム。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のアクリル
系樹脂フィルムが、他の熱可塑性樹脂からなる基材フィ
ルムに積層されてなることを特徴とする積層フィルム。 - 【請求項8】射出成形同時貼合用である請求項1〜7の
いずれかに記載のフィルム。 - 【請求項9】請求項8記載のフィルムが、アクリル系樹
脂フィルム面を最外層として射出成形品の表面に積層さ
れてなることを特徴とする積層射出成形品。
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- 2002-02-13 JP JP2002035060A patent/JP3956712B2/ja not_active Expired - Lifetime
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