JP2012137634A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

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秀和 松田
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匠 古川
Yusuke Yagisawa
勇介 八木沢
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Abstract

【課題】帯電ムラの発生が抑制され、帯電均一性が得られ、長期に亘って帯電ムラに起因するスジ画像の発生が抑制された帯電部材の提供。
【解決手段】バインダー樹脂と体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子とを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する帯電部材に関する。
該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、該微小凸部が周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は電子写真装置に使用される帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置において、電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいうことがある)を所定の電位に帯電させるための部材として帯電部材がある。中でも、帯電部材が導電性ローラであるローラ帯電方式が、帯電の安定性という点で好ましいので、広く用いられている。帯電部材は通常、ゴムやエラストマーといった弾性体中にカーボンブラックや導電性金属酸化物などの導電剤を分散させ、所望の電気抵抗値に調整されている。しかし、このような帯電部材は導電剤の分散状態のばらつき等により生じる微小な抵抗値ムラにより帯電ムラが生じ、これに起因するスジ状の濃度ムラ画像が発生するといった課題があった。他方、ローラの表面層に、体積平均粒径が1μm以上30μm以下程度の導電性の樹脂粒子を含有させ、該樹脂粒子に由来する凸部を形成した帯電ローラが開示されている。係る帯電ローラは、被帯電体である感光体とのニップ前後において帯電ローラ表面から感光体表面への放電回数を増加させることで感光体表面の帯電均一性を向上させることができる(特許文献1参照)。
特開2008−276023号公報
しかしながら、本発明者らが特許文献1に係る帯電部材を検討したところ、電子写真感光体の帯電安定性、とくに低温低湿環境下で連続して電子写真画像の形成に供したときの帯電安定性には未だ改善の余地があるとの認識を得た。
そこで、本発明の目的は、電子写真感光体を安定して帯電均一性が得られ、帯電ムラに起因するスジ画像の発生が長期に亘って抑制できる帯電部材を提供することにある。
本発明は、バインダー樹脂と体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子とを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する帯電部材であって、該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、該微小凸部は周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものであることを特徴とする帯電部材である。
本発明は、また、上記の帯電部材と電子写真感光体とを具備し、電子写真装置の本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明は、さらにまた、上記の帯電部材と、電子写真感光体とを具備することを特徴とする電子写真装置である。
本発明の帯電部材は、帯電ムラの発生が抑制され、帯電均一性が得られ、帯電ムラに起因するスジ画像の発生が長期に亘って抑制できる。
本発明に係る帯電部材の表面層の断面図である。 本発明に係る帯電部材(ローラ形状)の断面図である。 本発明に係る別の帯電部材(ローラ形状)の断面図である。 本発明に係る別の帯電部材(平板形状)の断面図である。 本発明に係る帯電部材の電気抵抗値測定に用いる機器における、(a)測定前の概略図、(b)測定時の概略図を示す。 本発明に係る電子写真装置の一つの形態の断面を表す概略図を示す。 本発明に係るプロセスカートリッジの一つの形態の断面を表す概略図を示す。 本発明に係る帯電部材の製造に用いるクロスヘッド押出成形機の模式図である。
本発明者らは、前記の課題に対して検討を重ねた結果、帯電部材の表面の、粗し粒子に由来する凸部の表面に、特定の物質に由来する多数の微小な凸部を設けることにより、低温低湿環境下で、多数枚の電子写真画像を形成した場合においても、帯電性能が低下しにくく、高品位な電子写真画像を形成できることを見出した。
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る帯電部材は、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する。そして、該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、該微小凸部が周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものである。
周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は、サブミクロンより小さいオーダーの微細な粒子径まで粉砕した場合においてもほとんど凝集を起こさず、これらの粒子を表面層に添加することにより、前述の樹脂粒子由来の凸部の表面に、放電点として機能する多数のミクロンオーダー、あるいはサブミクロンオーダーの高さの微小凸部を形成できることを見出した。
上記のような性質は、カーボンブラックやグラファイトなどに比べて、上記の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は粒子表面に存在する官能基の割合が少ないことによるものと推測される。
また、周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子はほとんど吸湿性を示さず、また酸化されにくく、化学的にも安定である。そのため、高温高湿環境や低温低湿環境下にもかかわらず、これら炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は安定して放電点として作用し、長期に亘って帯電均一性を維持することができる。
本発明に係る帯電部材について以下にその構成を詳細に説明する。
<バインダー樹脂>
本発明に係る帯電部材の表面層に用いるバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー等が用いられる。具体的には、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体、オレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体等が例示できる。これらは、1種単独で又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、感光体との離型性や、耐汚染性に優れることから、熱硬化性樹脂を好ましいものとして挙げることができる。
<樹脂粒子>
本発明に用いる樹脂粒子の体積平均粒径は3μm以上30μm以下の範囲である。
3μm未満では、凸部を形成しにくくなり、30μmを超えると、帯電部材表面が粗れ過ぎて帯電が不均一になったり、帯電部材表面の凹凸の凹部へのトナーや外添剤の堆積量が増えたりしてしまうという弊害がある。
樹脂粒子の材質としては、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、これらの共重合体や変性物、誘導体等の樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴム等のゴム、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
樹脂粒子の作製方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。樹脂粒子の作製方法の一例として、次の方法が挙げられる。まず、熱可塑性樹脂あるいはゴムからなる組成物を、分散媒とともに加圧混練機で加熱しながら混練し、分散媒中に組成物を微粒子サイズに分散していく。次に、得られた混練物を冷却し粉砕した後、組成物の貧溶媒でかつ分散媒の良溶媒である展開溶媒と、前記混練物とを混合して懸濁液とする。この懸濁液から目的とする樹脂粒子を、遠心分離、濾過、又はこれらの方法を組み合わせて分離する。また、樹脂粒子の他の作製方法としては、樹脂組成物の機械粉砕や冷凍粉砕にて作製する方法でもよい。また、懸濁重合法や分散重合法等によって製造される樹脂粒子は粒径や形状が揃っており好ましい。
<周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子>
周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は、具体的には、以下のものが挙げられる。
炭化物として、炭化チタン(TiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タンタル(TaC)、炭化クロム(Cr)、炭化モリブデン(一炭化一モリブデンMoC、一炭化二モリブデンMoC)、炭化タングステン(一炭化一タングステンWC,一炭化二タングステンWC)が例示できる。
窒化物として、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化バナジウム(VN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)、窒化クロム(CrN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化タングステン(WN)が例示できる。
ホウ化物として、ホウ化チタン(TiB)、ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ホウ化ハフニウム(HfB)、ホウ化バナジウム(VB)、ホウ化ニオブ(NbB)、ホウ化タンタル(TaB)、ホウ化クロム(一ホウ化一クロムCrB,二ホウ化一クロムCrB)、ホウ化モリブデン(一ホウ化一モリブデンMoB、一ホウ化二モリブデンMoB、五ホウ化二モリブデンMo)、ホウ化タングステン(WB)が例示できる。
ケイ化物として、ケイ化チタン(TiSi)、ケイ化ジルコニウム(ZrSi)、ケイ化ハフニウム(HfSi)、ケイ化バナジウム(VSi)、ケイ化ニオブ(NbSi)、ケイ化タンタル(TaSi)、ケイ化クロム(CrSi)、ケイ化モリブデン(MoSi)、ケイ化タングステン(WSi)が例示できる。
上記に例示したような周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子の電気抵抗は、カーボンブラックやグラファイト等に比較して低い電気抵抗値を有している。このため、上述のような導電性の樹脂粒子よりも更に抵抗が低く、この粒子に由来する凸部は放電点として作用しやすい。また、金属と比較した場合、金属よりは抵抗が高いため、過帯電によるポチ画像等の発生を抑制できる。
周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子の作製方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の金属粒子を直接、炭化、窒化、ホウ化又はケイ化する方法。
例えば、炭化物の場合は、一例として、タングステン粉末に炭素粉末を混合し、水素あるいは真空中で加熱する方法が挙げられる。
ホウ化物の場合は、金属粉末とホウ素源(ホウ素、酸化ホウ素、炭化ホウ素、ハロゲン化ホウ素等)を加熱する方法が挙げられる。
ケイ化物の場合、金属粉末とケイ素を不活性ガス中で溶融する方法が挙げられる。
窒化物の場合、金属粉末を直接、窒素あるいはアンモニアで窒化させる方法が挙げられる。
(2)周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の金属酸化物粒子を還元しながら、炭化、窒化、ホウ化又はケイ化する方法。
例えば、炭化物の場合は、一例として、酸化ジルコニウムを炭素と高温に加熱し反応させる方法が挙げられる。
ホウ化物の場合は、金属酸化物粒子とホウ素源(ホウ素、酸化ホウ素、炭化ホウ素、ハロゲン化ホウ素等)を加熱する方法が挙げられる。
ケイ化物の場合、金属酸化物粒子とケイ素もしくは二酸化ケイ素を炭素又はアルミニウム党の存在下で還元して合成する方法が挙げられる。
窒化物の場合、一例として、酸化チタン粉末、酸化ニオブ粉末等の金属酸化物の粉末と炭素を十分に混合し、窒素気流下で、加熱、還元窒化する方法が挙げられる。
(3)周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の金属水素化物粒子を炭化、窒化、ホウ化又はケイ化する方法。
例えば、炭化物の場合は、一例として、水素化ジルコニウムを炭素と反応する方法が挙げられる。
ホウ化物の場合は、金属水素化物ホウ素源(ホウ素、酸化ホウ素、炭化ホウ素、ハロゲン化ホウ素等)を加熱する方法が挙げられる。
窒化物の場合、一例として、水素化チタン粉末、水素化ジルコニウム粉末、水素化タンタル粉末等の金属水素化物の粉末を窒素気流中で加熱する方法が挙げられる。
(4)周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の金属ハロゲン化物を炭化、窒化、ホウ化又はケイ化する方法。
例えば、炭化物の場合は、一例として、四塩化チタンとメタンを水素気流中で加熱反応させる方法が挙げられる。
窒化物の場合、一例として四塩化チタンを水素と窒素の混合ガスとともに加熱、気相反応させる方法が挙げられる。
(5)その他、ケイフッ化アルカリ溶融塩中に金属、金属酸化物又は金属フッ化物を溶解させて電解還元する方法等が挙げられる。
上記のような周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は、一般に市販されており、本発明では、市販品を使用しても差し支えない。例えば、日本タングステン、高純度化学研究所、日本新金属、各種試薬メーカーから販売されている。
一般的に、このような物質を総称して、ファインセラミックスと称することがある。本発明についても、上述した、周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子を、以後、「ファインセラミックス粒子」という。
<表面層>
表面層は、バインダー樹脂と、体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子と、ファインセラミックス粒子とを含む。
また、表面層は図1に示すように、その表面に樹脂粒子50に由来する凸部を有し、その凸部の表面にファインセラミックス粒子51に由来する複数個の微小凸部を有する。
樹脂粒子50に由来する凸部の表面に、ファインセラミックス粒子51に由来する微小な多数の凸部を有し、微小な多数の凸部は電気抵抗の低い粒子に由来し、従来にない強い放電が起こるため、帯電ムラの発生が抑制され、帯電均一性が得られ、帯電ムラに起因するスジ画象の発生が長期に亘って抑制できるものと推測される。
表面層に存在する樹脂粒子に由来する凸部の総数に対し、ファインセラミックス粒子に由来した複数個の微小凸部を有する樹脂粒子由来の凸部の数は80%以上であることが好ましい。
この樹脂粒子に由来する凸部の割合は、樹脂粒子に由来する凸部の殆ど、又は全てに、ファインセラミックス粒子に由来する複数個の微小凸部が存在することを具体的な数値として表したものである。
また、上記の樹脂粒子に由来する凸部の割合は、表面層が、樹脂粒子に由来する凸部の80%以上に、ファインセラミックス粒子に由来する複数個の微小凸部を有していれば、感光体に対し、強い放電が様々な方向に向かって起こり、結果的に帯電ムラの発生が抑制されるという技術的意義を具体的な数値としたものである。
樹脂粒子に由来する凸部の表面に存在するファインセラミックス粒子に由来する複数個の微小凸部の割合を測定する方法としては、樹脂粒子に由来する凸部を鋭利な刃物等で切り出し、その断面を観察することによりファインセラミックス粒子に由来する微小凸部の数を観察する。
ファインセラミックス粒子による微小凸部は、放電点として複数個存在することが重要であり、微小凸部の個数が多いほど、放電点として作用する点が増えることとなり、結果的に本発明の効果を発揮することができる。
ファインセラミックス粒子による微小凸部は複数個存在していればよく、具体的には2個以上存在していればよく、より好ましくは10個以上、更に好ましくは100個以上である。
樹脂粒子由来の凸部上に、ファインセラミックス粒子による複数個の微小凸部を形成させる手段としては、樹脂粒子の粒径とファインセラミックス粒子の粒径との比及び樹脂粒子の添加量とファインセラミックス粒子の添加量との比を適宜変化させることによって制御することができる。具体的には、樹脂粒子とファインセラミックス粒子の種類が同じ場合、ファインセラミックス粒子の粒径が樹脂粒子の粒径よりも小さいほど、またファインセラミックス粒子の添加量が樹脂粒子の添加量よりも大きいほど、微小凸部の個数が多くなる傾向にある。
なお、樹脂粒子及びファインセラミックス粒子の粒径は、光学顕微鏡、ビデオマイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)等により、樹脂粒子及びファインセラミックス粒子を各々100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒径とする。
本発明に係る表面層は、バインダー樹脂、樹脂粒子及びファインセラミックス粒子を分散させた表面層形成用塗料を公知の方法により支持体又は支持体上に形成した弾性層の表面に所定の厚さに塗布することにより形成できる。
このとき、表面層の膜厚は、樹脂粒子の体積平均粒径に対して、好ましくは、1/2倍以上10倍以下、より好ましくは、1倍以上5倍以下である。表面層の膜厚が1/2倍以上であれば、被帯電体との接触や摺擦による樹脂粒子の欠落を抑制することができ、10倍以下であれば、表面層中に埋設される樹脂粒子量を低減し、表面に樹脂粒子由来の凸部を効率よく形成することができる。なお、表面層の膜厚は、ローラ状の帯電部材にあっては、その表面層を軸方向3箇所、円周方向3箇所の計9箇所を鋭利な刃物で切り出して、その断面における膜厚を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察して測定することができ、その平均値を当該帯電部材の表面層の膜厚とする。ベルト状の帯電部材にあっては、その表面層を軸方向3箇所、円周方向3箇所の計9箇所を鋭利な刃物で切り出して、上記と同様に、膜厚を測定する。平板形状の帯電部材にあっては、軸方向3箇所を鋭利な刃物で切り出して、膜厚を測定する。
表面層の膜厚の制御は、後述する塗料の固形分の大きさ、粘度やディッピング時の引き上げ速度及び回数等を適宜調整することによって可能である。表面層用塗料の固形分が大きく、その粘度が高く、引き上げ速度が高く、塗工回数が多い程、膜厚を厚くできる。
表面層形成用塗料の塗布方法としては、塗料のスプレー塗布及びディッピング塗布等の塗布法により形成することができる。
上記表面層は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、イオン導電剤及び電子導電剤を含有させてもよい。また、表面層には、表面層の電気抵抗の均一性向上、誘電率の調整、弾性率の調整等の目的で、無機粒子等を添加してもよい。無機粒子としては、シリカ及び酸化チタン等が例示できる。
<帯電部材>
本発明に係る帯電部材は、上述の表面層を具備していれば良い。但し、表面層の機能を阻害しない範囲において、他の機能を有する別の層を有していてもよい。
本発明の帯電部材の一例として、ローラ形状の概略断面図を図2及び図3に、平板形状の概略断面図を図4に示す。図2は導電性支持体1の上に弾性層2を設け、更にその上に表面層3を設けたローラ形状の帯電部材(帯電ローラ)である。図3は弾性層2と表面層1の間に、中間層21を有するローラ形状の帯電部材(帯電ローラ)である。
図4は弾性層2と表面層3の間に、中間層21及び第2の中間層22を有する平板形状の帯電部材(帯電ブレード)である。
なお、帯電部材には、上記形状以外にも、ベルト形状等のものもある。以下、主に帯電ローラについて詳細に説明するが、本発明はローラ形状の帯電部材に限定されるものではない。
[導電性支持体]
導電性支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。
[弾性層]
弾性層を構成する材料としては、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等を例示することができる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー(SBS)、スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー(SEBS)等を例示することができる。これらの中でも、エピクロルヒドリンゴムは、当該ゴム自体が、1×104Ω・cm以上1×108Ω・cm以下程度の中抵抗領域の導電性を有しており、導電性弾性層の電気抵抗のバラツキを抑制できるため好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン(EP)単独重合体、EP−エチレンオキサイド(EO)共重合体、EP−アリルグリシジルエーテル(AGE)共重合体、EP−EO−AGE三元共重合体等を挙げることができる。これらのうち、EP−EO−AGE三元共重合体は、重合度や組成比を調整して導電性や加工性を制御することができ、また、硫黄架橋することにより良好な機械強度を持ち、導電性も高い弾性層が得られることから、特に好適である。弾性層には、本発明の帯電ローラとして必要とされる導電性や機械強度等の特性を損なわない範囲で一般的な配合剤を添加することができる。
[弾性層の形成方法]
弾性層の形成方法としては、上記のゴム又はエラストマーと、必要に応じて配合される配合剤の原料を混練し、成形する方法を挙げることができる。原料の混練方法としては、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧式ニーダー等の密閉型混練機を使用する方法や、オープンロール等の開放型混練機を使用する方法を用いることができる。混練して得られた混練物を導電性支持体の上に形成する方法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形等の成形方法を使用することができる。
例えば、図8に示すようなクロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性支持体1を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物を被覆して、導電性支持体1と弾性体層材料を一体的に押出して作製する方法が例示できる。ここでは、導電性支持体1として、芯金を用いた。導電性支持体1は芯金送りロール83によってクロスヘッド82へ送られる。クロスヘッド82は、一般に電線や針金の被覆に用いられている装置であり、押出機81のシリンダのゴム排出部に取り付けて使用されるものである。このようにして導電性支持体1を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物を被覆した導電性部材予備成形体80を得る。また、導電性支持体としては、必要に応じて、高導電性を失わない範囲で、弾性層との接着を目的とした接着剤を塗工したものを用いることもできる。接着剤としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂に導電剤を含有するものが挙げられ、樹脂としてはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリエーテル樹脂系、エポキシ樹脂系等を用いることができる。その後、弾性層に架橋が必要な場合には、型架橋、加硫缶架橋、連続架橋、遠・近赤外線架橋、誘導加熱架橋等の架橋工程を経ることが好ましい。成形後の弾性層は、表面の平滑化及び形状の精密仕上げのために、研削してもよい。研削方法としては、トラバース方式又は幅広研削方式を採用することができる。トラバース方式は短い砥石をローラ表面に移動させて研削する方法であり、それに対して、幅広研削方式は幅の広い砥石、即ち、弾性層の長さよりも広い幅の砥石を用い、僅かな時間で研削を行う方法である。作業の効率化等の点から、幅広研削方式が好ましい。
弾性層は、その硬さとして、マイクロ硬度30°以上80°以下であることが適切であり、より好ましくは45°以上65°以下である。この弾性層の硬さが上記範囲内であると、帯電ローラが感光体と当接した際、表面層の感光体への当接状態を維持することができる。ここで、マイクロ硬度としては以下の方法により測定した測定値を採用することができる。微小領域ゴム硬さ計「アスカーマイクロゴム硬度計MD−1型」(商品名、高分子計器株式会社製)を用い、23℃/55%RH(NN)環境に12時間以上放置した帯電ローラを測定対象として、ピークホールドモードで測定する。
また、本発明に係る帯電ローラは、電子写真感光体に対して、長手のニップ幅を均一に形成するという観点から、長手方向中央部が一番太く、長手方向両端部にいくほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状を有していてもよい。その場合のクラウン量としては、中央部の外径と中央部から90mm離れた位置の外径との差が、30μm以上200μm以下であることが好ましい。
本発明に係る帯電ローラの表面は、帯電ローラが有する一般的な十点平均粗さ(Rzjis)を有していることが好ましい。具体的には、表面の十点平均粗さRzjisが2μm以上30μm以下程度、表面の凹凸平均間隔Smが15μm以上150μm以下程度である。Rzjis及びSmとしては、JIS B0601−2001表面粗さに準じた測定方法により得られた値を採用することができる。その測定には、表面粗さ測定器「SE−3400」(商品名、株式会社小坂研究所製)を用いることができる。ここで、Smは、測定長さ中の10点の凹凸間隔を測定したものである。Rzjis及びSmとしては、帯電ローラを無作為に6箇所測定し、その平均値を採用することができる。具体的な測定条件としては、測定長さを8mm、カットオフを0.8mm、測定速さを0.5mm/secとする。
帯電ローラの表面粗さは、導電性弾性層の表面粗さ、表面層の膜厚、樹脂粒子の体積平均粒径と添加量、ファインセラミックス粒子の体積平均粒径と添加量により調整することができる。
また、帯電ローラの電気抵抗値は、接触帯電ローラとして一般的な値であればよい。具体的には、温度23℃相対湿度50%RHの環境において、1×104Ω以上1×108Ω以下程度である。帯電ローラの電気抵抗値は、図5に示す電気抵抗値測定用の機器を用いて測定できる。
まず、帯電ローラ5を軸受け33aと33bにより、円柱形金属32(直径30mm)に対して帯電部材が平行になるように当接させる(図5(a))。ここで、当接圧はバネによる押し圧力により一端が4.9N、両端で合計9.8Nに調整した。
次に、図示しないモータにより周速45mm/secで駆動回転される円柱形金属32に従い帯電部材が従動回転する。
従動回転中、図5(b)の様に、安定化電源34から直流電圧−200Vを印加し、帯電部材に流れる電流値を電流計35で測定する。印加電圧及び電流値から、帯電部材の電気抵抗値を算出した。
なお、帯電部材は、NN(常温常湿:23℃/55%RH)環境に24時間以上放置した後に電気抵抗値を測定した。
<電子写真装置>
本発明の帯電部材を適用できる電子写真装置の一例の概略構成を図6に示す。
電子写真装置は、主に、電子写真感光体、感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置等から構成されている。
電子写真感光体4は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体は矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電装置は、感光体4に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電部材(帯電ローラ)5を有する。帯電部材5は、感光体の回転に従い回転する従動回転方式の帯電ローラであり、帯電用電源19から所定の電圧(直流電圧のみの電圧又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加することにより、感光体を所定の電位に帯電する。該帯電部材が本発明に係る帯電部材である。
感光体4に静電潜像を形成する露光手段11は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、感光体4に近接又は接触して配設される現像ローラ6を有する。弾性規制ブレード13により現像ローラ6の表面上で薄層になったトナーは、感光体4の表面と接触することによって、静電潜像が現像され、可視化したトナー像が形成される。このとき、現像ローラ6、弾性規制ブレード13、トナー供給ローラ14には現像バイアス印加電源18から所定の電圧が供給され、トナーに所望の電位を与えている。
転写装置は、接触式の転写ローラ8を有する。転写ローラ8にはトナーとは逆極性の転写電圧が転写バイアス印加電源20から印加され、感光体からトナー像を普通紙などの転写材7(転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材10及び回収容器を有し、転写した後、感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。
ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。
定着装置9は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材7に定着し、機外に排出する。
一方、感光体4は、帯電前露光装置12によって感光体4に残った潜像に露光し、感光体4の電位がアース電位に戻る。
<プロセスカートリッジ>
図7に示すように、感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジを構成することもできる。
すなわち、少なくとも帯電部材及び電子写真感光体を具備し、帯電部材が感光体と一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されたプロセスカートリッジであり、該帯電部材が本発明に係る帯電部材である。
また、電子写真装置は、少なくとも、プロセスカートリッジ、露光装置及び現像装置を有し、該プロセスカートリッジが上記のプロセスカートリッジである。トナー供給ローラ14は現像ローラ6にトナーを供給するローラである。電子写真プロセスカートリッジが使用される前には、トナーシール30で現像ローラ6とトナーの接触を避けておくことが好ましい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、本実施例で使用したファインセラミック粒子以外のファインセラミック粒子についても、本発明の範囲内であれば、同様の効果が得られる。
[製造例1] スチレン樹脂粒子1の作製
スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合体(共重合比=90:10:0.05)のペレットをハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕した。続いて、ターボミル(T−250型:ターボ工業株式会社製)にて微粉砕した。回転子の周速は115m/sにした。次いでハイブリダイザー(株式会社奈良機械製作所製)を用いて30分間、球形化処理を行った。更に、風力分級して、スチレン樹脂粒子1を得た。スチレン樹脂粒子1の体積平均粒径は15μmであった。
製造例1において、回転子の周速を調整することにより、体積平均粒径を表1に示すように変化させた以外は、製造例1と同様にして、体積平均粒径の異なるスチレン樹脂粒子2〜4を作製した。
[製造例2] ウレタン樹脂粒子1の作製
窒素ガスで十分に置換し乾燥させた容積2Lのオートクレーブに、下記の材料を入れ、更に窒素ガスにて十分に上方置換した後密閉し、120℃で20時間攪拌混合して反応させた。その後、減圧下で未反応のHDIを除去した後、トルエンを加えて不揮発分90質量%のポリイソシアネートプレポリマーを得た。
Figure 2012137634
得られたポリイソシアネートプレポリマーは、イソシアネート含有量8.73%で粘度1500cps(25℃)であった。次に、懸濁安定剤(リン酸カルシウム)を含む水中に、得られたポリイソシアネートプレポリマーを混合、攪拌して懸濁液とした。次いで、この懸濁液を加温して反応を開始し、十分反応させて樹脂粒子を生成させた。その後、これを固液分離し、洗浄して樹脂粒子に付着している懸濁安定剤を取り除き、乾燥し、ウレタン樹脂粒子1を得た。ウレタン樹脂粒子1の体積平均粒径は12μmであった。
製造例2において、懸濁安定剤の濃度及び攪拌回転数を調整することにより、体積平均粒径を表1に示すように変化させた以外は、製造例2と同様にして、体積平均粒径の異なるウレタン樹脂粒子2〜5を作製した。
[製造例3] アクリル樹脂粒子1の作製
下記の材料を混合し、ビスコミル分散機を用いて分散し、混合液1を得た。分散メディアには直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、周速度は10m/sで、分散時間は60時間とした。
Figure 2012137634
一方、下記の材料を混合し、混合液2を用意した。
Figure 2012137634
次いで、高速撹拌装置(TK式ホモミキサー:特殊機化工業株式会社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中に混合液1及び混合液2を投入し、回転数を13000rpmで分散することで分散液を得た。その後、撹拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入れ、窒素置換した後、回転数を55rpm、反応系温度を60℃で12時間攪拌して懸濁重合を完了した。冷却後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥、分級して体積平均粒径が10μmのアクリル樹脂粒子1を得た。
製造例3において、撹拌回転数を適宜調整することにより、体積平均粒径を表1に示すように変化させた以外は、製造例3と同様にして、体積平均粒径の異なるアクリル樹脂粒子2〜5を作製した
[製造例4] カーボンブラック含有アクリル樹脂粒子1の作製
下記の材料を混合し、ビスコミル分散機を用いて分散し、混合液3を得た。分散メディアには直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、周速度は10m/sで、分散時間は60時間とした。
Figure 2012137634
一方、下記の材料を混合し、混合液4を用意した。
Figure 2012137634
次いで、高速撹拌装置(TK式ホモミキサー:特殊機化工業株式会社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中に混合液3及び混合液4を投入し、回転数を13000rpmで分散することで分散液を得た。その後、撹拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入れ、窒素置換した後、回転数を55rpm、反応系温度を60℃で12時間攪拌して懸濁重合を完了した。冷却後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥、分級して体積平均粒径が11μmのカーボンブラック含有アクリル樹脂粒子1を得た。
<導電性支持体付き弾性層の作製>
導電性支持体付き弾性層<1>
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(メタロックU−20 株式会社東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥したものを導電性支持体として使用した。
エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGC三元共重合体、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部に対して、下記成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
Figure 2012137634
これに、加硫剤として硫黄0.8質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)1質量部及びテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)0.5質量部を添加し、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、弾性層用コンパウンドを得た。
続いて、図8に示すクロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性支持体を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物(弾性層用コンパウンド)を被覆して、原料ゴム組成物層の外径がφ9mmである帯電部材予備成形体80を得た。
クロスヘッド82は、一般に電線や針金の被覆に用いられている装置であり、押出機81のシリンダのゴム排出部に取り付けて使用されるものである。
次いで、電気オーブンの中、160℃で1時間、帯電部材予備成形体80について加硫及び接着剤の硬化を行った。ゴムの両端部を突っ切り、ゴム長さを228mmとした後、外径が8.5mmのローラ形状になるように表面の研磨加工を行って、導電性支持体上に弾性層を形成して、導電性支持体付き弾性層を得た。なお、このローラのクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は120μmであった。
導電性支持体付き弾性層<2>
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(メタロックU−20 株式会社東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥したものを導電性支持体として使用した。
弾性層用のコンパウンド作製にあたり、まず、50℃に調節した密閉型ミキサーにて下記材料を15分間混練し、ゴムコンパウンドAを調整した。
Figure 2012137634
次に、20℃に冷却した二本ロール機にて下記材料を15分間混練して、ゴムコンパウンドBを調整した。
Figure 2012137634
続いて、図8に示すクロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性支持体を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物(ゴムコンパウンドB)を被覆して、原料ゴム組成物層の外径がφ9mmである帯電部材予備成形体80を得た。
クロスヘッドは、一般に電線や針金の被覆に用いられている装置であり、押出機のシリンダのゴム排出部に取り付けて使用されるものである。
次いで、電気オーブンの中、160℃で1時間、帯電部材予備成形体80について加硫及び接着剤の硬化を行った。ゴムの両端部を突っ切り、ゴム長さを228mmとした後、外径が8.5mmのローラ形状になるように表面の研磨加工を行って、導電性支持体上に弾性層を形成して、導電性支持体付き弾性層を得た。なお、このローラのクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は120μmであった。
〔実施例1〕
<表面層用塗布溶液の作製>
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)にメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、固形分が19質量%となるように調整した。
この溶液690.11質量部(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記成分を加え、混合溶液を調製した。
Figure 2012137634
(*1)変性ジメチルシリコーンオイル「SH28PA」(商品名、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)
(*2)ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3混合物。なお、HDIとIPDIについては、HDI「デュラネートTPA−B80E」(商品名、旭化成工業株式会社製)及びIPDI「ベスタナートB1370」(商品名、デグサ・ヒュルス社製)を使用した。
また、上記のブロックイソシアネート混合物の量は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量である。
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液191.55gを、メディアとしての体積平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散した。
分散後、スチレン樹脂粒子1 9.12gを添加した。アクリルポリオール固形分100質量部に対して、スチレン樹脂粒子1が、30質量部相当量である。その後、上記混合物を5分間分散し、ガラスビーズを除去して表面層用塗布溶液を得た。
<帯電ローラの作製>
上記表面層用塗布溶液を用いて、上記で作製した導電性支持体付き弾性層<1>に1回ディッピング塗布した。常温で30分間以上風乾した後、熱風循環乾燥機にて80℃で1時間、更に160℃で1時間乾燥して、弾性層上に表面層を形成した帯電ローラを得た。
ここで、ディッピング塗布は以下の通りである。浸漬時間9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度20mm/s、最終速度2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させて行った。
<樹脂粒子に由来する凸部の表面に形成された複数個の微小凸部の確認>
表面層の断面を観察したところ、樹脂粒子に由来する凸部の表面にTiC粒子に由来する複数個の微小凸部が確認された。樹脂粒子1個に由来する凸部の上部に、TiC粒子に由来する微小凸部が482個確認された。
<耐久評価>
図6に示す構成を有する電子写真装置であるカラーレーザープリンタ(商品名:LBP5400、キヤノン株式会社製)用のプロセスカートリッジの帯電ローラとして、上記で作成した帯電ローラを装着した。このプロセスカートリッジを、紙の出力速度が240mm/sec(A4縦出力)となるように改造した上記カラーレーザープリンタに装填した。なお、上記プリンタ用のプロセスカートリッジは図7に示す構成を有する。
このカラーレーザープリンタを用いて、温度15℃、相対湿度10%RHの環境にて電子写真画像の出力を行った。
具体的には、アルファベットの「E」の文字が、印字濃度1%となるように印字された電子写真画像を2枚連続出力し、次いで、電子写真感光体の回転を3秒間停止させるという間欠的な画像出力動作を行って、合計1万枚の電子写真画像を出力した。引き続いて、ハーフトーン画像、すなわち、電子写真感光体の回転方向と直交する方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像を出力した。このハーフトーン画像を、5人の評価者が目視にて観察し下記の基準にて評価し、最も多い評価結果を、各実施例および比較例における評価結果とした。
ランクA;帯電ムラに起因するスジが画像上に認められない。
ランクB;帯電ムラに起因する軽微なスジが認められる。
ランクC;帯電ローラの回転の周期に連動した、帯電ムラ起因のスジが認められる。
ランクD;帯電ムラ起因の明瞭なスジが認められる。
〔実施例2〕
実施例1において、導電性支持体付き弾性層<1>を導電性支持体付き弾性層<2>に変更し、また、ファインセラミックス粒子の種類、体積平均粒径及び添加部数、並びに樹脂粒子の種類及び添加部数を表2に記載するように変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で実施例2の帯電ローラを作製した。実施例2で作製した帯電ローラについて、実施例1と同様の方法により評価した。
〔実施例3〜22〕
実施例1において、帯電ローラに使用したファインセラミックス粒子の種類、体積平均粒径及び添加部数、並びに樹脂粒子の種類及び添加部数を表2に記載するように変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で各実施例の帯電ローラを作製した。各実施例で作製した帯電ローラについて、実施例1と同様の方法により評価した結果を表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、表面層用塗布溶液の作製時にファインセラミックス粒子300質量部のかわりにカーボンブラック(平均粒子径28nm、pH=6.0)40質量部とし、スチレン樹脂粒子1 30質量部のかわりにカーボンブラック含有アクリル樹脂粒子1 10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で比較例1の帯電ローラを作製した。比較例1で作製した帯電ローラについて実施例1と同様の方法により評価した。
〔比較例2〕
実施例1において、表面層用塗布溶液の作製時にファインセラミックス粒子300質量部のかわりにカーボンブラック(平均粒子径28nm、pH=6.0)40質量部とし、スチレン樹脂粒子1 30質量部のかわりにウレタン樹脂粒子4 15質量部及びアクリル樹脂粒子2 30質量部に変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で比較例2の帯電ローラを作製した。この帯電ローラの表面層の断面を実施例1と同様の方法により観察したところ、ウレタン樹脂粒子4に由来する凸部の表面にアクリル樹脂粒子2に由来する複数個の微小凸部が見られた。比較例2で作製した帯電ローラについて、実施例1と同様の方法により評価した。
実施例1〜22および比較例1〜2の評価結果を表2に示す。
Figure 2012137634
Figure 2012137634
3 表面層
50 樹脂粒子
51 ファインセラミックス粒子

Claims (3)

  1. バインダー樹脂と体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子とを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する帯電部材であって、
    該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、
    該微小凸部は、周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものであることを特徴とする帯電部材。
  2. 請求項1に記載の帯電部材と電子写真感光体とを具備し、電子写真装置の本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 請求項1に記載の帯電部材と、電子写真感光体とを具備することを特徴とする電子写真装置。
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