JP2012137634A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バインダー樹脂と体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子とを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する帯電部材に関する。
該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、該微小凸部が周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものである。
【選択図】図1
Description
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る帯電部材は、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する。そして、該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、該微小凸部が周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものである。
周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は、サブミクロンより小さいオーダーの微細な粒子径まで粉砕した場合においてもほとんど凝集を起こさず、これらの粒子を表面層に添加することにより、前述の樹脂粒子由来の凸部の表面に、放電点として機能する多数のミクロンオーダー、あるいはサブミクロンオーダーの高さの微小凸部を形成できることを見出した。
本発明に係る帯電部材の表面層に用いるバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー等が用いられる。具体的には、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体、オレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体等が例示できる。これらは、1種単独で又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、感光体との離型性や、耐汚染性に優れることから、熱硬化性樹脂を好ましいものとして挙げることができる。
本発明に用いる樹脂粒子の体積平均粒径は3μm以上30μm以下の範囲である。
3μm未満では、凸部を形成しにくくなり、30μmを超えると、帯電部材表面が粗れ過ぎて帯電が不均一になったり、帯電部材表面の凹凸の凹部へのトナーや外添剤の堆積量が増えたりしてしまうという弊害がある。
周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は、具体的には、以下のものが挙げられる。
例えば、炭化物の場合は、一例として、タングステン粉末に炭素粉末を混合し、水素あるいは真空中で加熱する方法が挙げられる。
ホウ化物の場合は、金属粉末とホウ素源(ホウ素、酸化ホウ素、炭化ホウ素、ハロゲン化ホウ素等)を加熱する方法が挙げられる。
ケイ化物の場合、金属粉末とケイ素を不活性ガス中で溶融する方法が挙げられる。
窒化物の場合、金属粉末を直接、窒素あるいはアンモニアで窒化させる方法が挙げられる。
例えば、炭化物の場合は、一例として、酸化ジルコニウムを炭素と高温に加熱し反応させる方法が挙げられる。
ホウ化物の場合は、金属酸化物粒子とホウ素源(ホウ素、酸化ホウ素、炭化ホウ素、ハロゲン化ホウ素等)を加熱する方法が挙げられる。
ケイ化物の場合、金属酸化物粒子とケイ素もしくは二酸化ケイ素を炭素又はアルミニウム党の存在下で還元して合成する方法が挙げられる。
窒化物の場合、一例として、酸化チタン粉末、酸化ニオブ粉末等の金属酸化物の粉末と炭素を十分に混合し、窒素気流下で、加熱、還元窒化する方法が挙げられる。
例えば、炭化物の場合は、一例として、水素化ジルコニウムを炭素と反応する方法が挙げられる。
ホウ化物の場合は、金属水素化物ホウ素源(ホウ素、酸化ホウ素、炭化ホウ素、ハロゲン化ホウ素等)を加熱する方法が挙げられる。
窒化物の場合、一例として、水素化チタン粉末、水素化ジルコニウム粉末、水素化タンタル粉末等の金属水素化物の粉末を窒素気流中で加熱する方法が挙げられる。
例えば、炭化物の場合は、一例として、四塩化チタンとメタンを水素気流中で加熱反応させる方法が挙げられる。
窒化物の場合、一例として四塩化チタンを水素と窒素の混合ガスとともに加熱、気相反応させる方法が挙げられる。
上記のような周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子は、一般に市販されており、本発明では、市販品を使用しても差し支えない。例えば、日本タングステン、高純度化学研究所、日本新金属、各種試薬メーカーから販売されている。
一般的に、このような物質を総称して、ファインセラミックスと称することがある。本発明についても、上述した、周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子を、以後、「ファインセラミックス粒子」という。
表面層は、バインダー樹脂と、体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子と、ファインセラミックス粒子とを含む。
本発明に係る帯電部材は、上述の表面層を具備していれば良い。但し、表面層の機能を阻害しない範囲において、他の機能を有する別の層を有していてもよい。
導電性支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。
弾性層を構成する材料としては、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等を例示することができる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー(SBS)、スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー(SEBS)等を例示することができる。これらの中でも、エピクロルヒドリンゴムは、当該ゴム自体が、1×104Ω・cm以上1×108Ω・cm以下程度の中抵抗領域の導電性を有しており、導電性弾性層の電気抵抗のバラツキを抑制できるため好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン(EP)単独重合体、EP−エチレンオキサイド(EO)共重合体、EP−アリルグリシジルエーテル(AGE)共重合体、EP−EO−AGE三元共重合体等を挙げることができる。これらのうち、EP−EO−AGE三元共重合体は、重合度や組成比を調整して導電性や加工性を制御することができ、また、硫黄架橋することにより良好な機械強度を持ち、導電性も高い弾性層が得られることから、特に好適である。弾性層には、本発明の帯電ローラとして必要とされる導電性や機械強度等の特性を損なわない範囲で一般的な配合剤を添加することができる。
弾性層の形成方法としては、上記のゴム又はエラストマーと、必要に応じて配合される配合剤の原料を混練し、成形する方法を挙げることができる。原料の混練方法としては、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧式ニーダー等の密閉型混練機を使用する方法や、オープンロール等の開放型混練機を使用する方法を用いることができる。混練して得られた混練物を導電性支持体の上に形成する方法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形等の成形方法を使用することができる。
本発明の帯電部材を適用できる電子写真装置の一例の概略構成を図6に示す。
図7に示すように、感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジを構成することもできる。
スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合体(共重合比=90:10:0.05)のペレットをハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕した。続いて、ターボミル(T−250型:ターボ工業株式会社製)にて微粉砕した。回転子の周速は115m/sにした。次いでハイブリダイザー(株式会社奈良機械製作所製)を用いて30分間、球形化処理を行った。更に、風力分級して、スチレン樹脂粒子1を得た。スチレン樹脂粒子1の体積平均粒径は15μmであった。
製造例1において、回転子の周速を調整することにより、体積平均粒径を表1に示すように変化させた以外は、製造例1と同様にして、体積平均粒径の異なるスチレン樹脂粒子2〜4を作製した。
窒素ガスで十分に置換し乾燥させた容積2Lのオートクレーブに、下記の材料を入れ、更に窒素ガスにて十分に上方置換した後密閉し、120℃で20時間攪拌混合して反応させた。その後、減圧下で未反応のHDIを除去した後、トルエンを加えて不揮発分90質量%のポリイソシアネートプレポリマーを得た。
製造例2において、懸濁安定剤の濃度及び攪拌回転数を調整することにより、体積平均粒径を表1に示すように変化させた以外は、製造例2と同様にして、体積平均粒径の異なるウレタン樹脂粒子2〜5を作製した。
下記の材料を混合し、ビスコミル分散機を用いて分散し、混合液1を得た。分散メディアには直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、周速度は10m/sで、分散時間は60時間とした。
製造例3において、撹拌回転数を適宜調整することにより、体積平均粒径を表1に示すように変化させた以外は、製造例3と同様にして、体積平均粒径の異なるアクリル樹脂粒子2〜5を作製した
下記の材料を混合し、ビスコミル分散機を用いて分散し、混合液3を得た。分散メディアには直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、周速度は10m/sで、分散時間は60時間とした。
導電性支持体付き弾性層<1>
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(メタロックU−20 株式会社東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥したものを導電性支持体として使用した。
エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGC三元共重合体、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部に対して、下記成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(メタロックU−20 株式会社東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥したものを導電性支持体として使用した。
<表面層用塗布溶液の作製>
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)にメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、固形分が19質量%となるように調整した。
(*2)ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3混合物。なお、HDIとIPDIについては、HDI「デュラネートTPA−B80E」(商品名、旭化成工業株式会社製)及びIPDI「ベスタナートB1370」(商品名、デグサ・ヒュルス社製)を使用した。
上記表面層用塗布溶液を用いて、上記で作製した導電性支持体付き弾性層<1>に1回ディッピング塗布した。常温で30分間以上風乾した後、熱風循環乾燥機にて80℃で1時間、更に160℃で1時間乾燥して、弾性層上に表面層を形成した帯電ローラを得た。
ここで、ディッピング塗布は以下の通りである。浸漬時間9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度20mm/s、最終速度2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させて行った。
表面層の断面を観察したところ、樹脂粒子に由来する凸部の表面にTiC粒子に由来する複数個の微小凸部が確認された。樹脂粒子1個に由来する凸部の上部に、TiC粒子に由来する微小凸部が482個確認された。
図6に示す構成を有する電子写真装置であるカラーレーザープリンタ(商品名:LBP5400、キヤノン株式会社製)用のプロセスカートリッジの帯電ローラとして、上記で作成した帯電ローラを装着した。このプロセスカートリッジを、紙の出力速度が240mm/sec(A4縦出力)となるように改造した上記カラーレーザープリンタに装填した。なお、上記プリンタ用のプロセスカートリッジは図7に示す構成を有する。
具体的には、アルファベットの「E」の文字が、印字濃度1%となるように印字された電子写真画像を2枚連続出力し、次いで、電子写真感光体の回転を3秒間停止させるという間欠的な画像出力動作を行って、合計1万枚の電子写真画像を出力した。引き続いて、ハーフトーン画像、すなわち、電子写真感光体の回転方向と直交する方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像を出力した。このハーフトーン画像を、5人の評価者が目視にて観察し下記の基準にて評価し、最も多い評価結果を、各実施例および比較例における評価結果とした。
ランクA;帯電ムラに起因するスジが画像上に認められない。
ランクB;帯電ムラに起因する軽微なスジが認められる。
ランクC;帯電ローラの回転の周期に連動した、帯電ムラ起因のスジが認められる。
ランクD;帯電ムラ起因の明瞭なスジが認められる。
実施例1において、導電性支持体付き弾性層<1>を導電性支持体付き弾性層<2>に変更し、また、ファインセラミックス粒子の種類、体積平均粒径及び添加部数、並びに樹脂粒子の種類及び添加部数を表2に記載するように変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で実施例2の帯電ローラを作製した。実施例2で作製した帯電ローラについて、実施例1と同様の方法により評価した。
実施例1において、帯電ローラに使用したファインセラミックス粒子の種類、体積平均粒径及び添加部数、並びに樹脂粒子の種類及び添加部数を表2に記載するように変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で各実施例の帯電ローラを作製した。各実施例で作製した帯電ローラについて、実施例1と同様の方法により評価した結果を表2に示す。
実施例1において、表面層用塗布溶液の作製時にファインセラミックス粒子300質量部のかわりにカーボンブラック(平均粒子径28nm、pH=6.0)40質量部とし、スチレン樹脂粒子1 30質量部のかわりにカーボンブラック含有アクリル樹脂粒子1 10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で比較例1の帯電ローラを作製した。比較例1で作製した帯電ローラについて実施例1と同様の方法により評価した。
実施例1において、表面層用塗布溶液の作製時にファインセラミックス粒子300質量部のかわりにカーボンブラック(平均粒子径28nm、pH=6.0)40質量部とし、スチレン樹脂粒子1 30質量部のかわりにウレタン樹脂粒子4 15質量部及びアクリル樹脂粒子2 30質量部に変更した以外は、実施例1と同様の材料及び製法で比較例2の帯電ローラを作製した。この帯電ローラの表面層の断面を実施例1と同様の方法により観察したところ、ウレタン樹脂粒子4に由来する凸部の表面にアクリル樹脂粒子2に由来する複数個の微小凸部が見られた。比較例2で作製した帯電ローラについて、実施例1と同様の方法により評価した。
実施例1〜22および比較例1〜2の評価結果を表2に示す。
50 樹脂粒子
51 ファインセラミックス粒子
Claims (3)
- バインダー樹脂と体積平均粒径が3μm以上30μm以下の樹脂粒子とを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有する表面層を具備する帯電部材であって、
該樹脂粒子に由来する凸部は、該凸部表面に放電点としての複数個の微小凸部を更に有しており、
該微小凸部は、周期律表における4A、5A及び6A族の遷移金属の炭化物粒子、窒化物粒子、ホウ化物粒子及びケイ化物粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つの粒子に由来するものであることを特徴とする帯電部材。 - 請求項1に記載の帯電部材と電子写真感光体とを具備し、電子写真装置の本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1に記載の帯電部材と、電子写真感光体とを具備することを特徴とする電子写真装置。
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2010
- 2010-12-27 JP JP2010290267A patent/JP2012137634A/ja active Pending
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