JP2006038949A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 室内や夜間等の暗い場所でも主要被写体及び背景の明るさ等をバランスよく撮影できるレンズ付きフイルムユニットを提供する。
【解決手段】暗い場所での撮影に対応した第2撮影モードを選択すると、絞り値がF4.0,シャッタ速度が1/45秒に設定される。写真フイルム22bは、フイルム感度ISO3200のものが装填されており、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満となるようにされており、ストロボ光を用いずに撮影できるようにされている。
【選択図】 図3
【解決手段】暗い場所での撮影に対応した第2撮影モードを選択すると、絞り値がF4.0,シャッタ速度が1/45秒に設定される。写真フイルム22bは、フイルム感度ISO3200のものが装填されており、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満となるようにされており、ストロボ光を用いずに撮影できるようにされている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、レンズ付きフイルムユニットに関するものである。
写真フイルムが予め装填されたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。このようなレンズ付きフイルムユニットとしては、フラッシュ装置、例えばストロボ装置を搭載し、暗い室内等でも撮影を行うことができるようにしたストロボ内蔵型もある。また、撮影条件に応じた撮影モードを選択することにより、日中屋外等の明るい場所から暗い場所までの撮影に対応したモード切替型のものもあり、このモード切替型では高感度の写真フイルムを用いることにより、室内や夜間の暗い場所での撮影において、背景の描写性を向上させたものが知られている。
ストロボ内蔵型のレンズ付きフイルムユニットは、例えば1/140秒のシャッタ速度とF10の絞りに、ISO800の写真フイルムが組み合せられ、ISO100を基準としたEV値でEV10.8が適正露出となるようにされている。室内や夜間の暗い場所での撮影には、ストロボ発光させることにより、比較的に近距離の主要被写体の露出が適正とすることができる。
しかし、上記のようなストロボ内蔵型のレンズ付きフイルムユニットでは、主要被写体をストロボ光でほぼ適正な露出で撮影することができるものの、ストロボ光が有効でない背景については露光不足となってしまい、結果として背景は極端な露光不足となってしまっていた。
高感度の写真フイルムが装填されたモード切替型のレンズ付きフイルムユニットとして、本出願人により製造販売されているレンズ付きフイルムユニット「Night&Day(商品名)」が知られている。このレンズ付きフイルムユニットは、日中屋外等の明るい場所での撮影に対応する日中撮影モード(ストロボ発光せず)と日中シンクロ撮影モード(ストロボ発光あり)と、夜景や暗い室内を背景にし、その背景を適当な濃度で再現しながら人物等の主要被写体をストロボ光で撮影する場合に対応する夜景シンクロ撮影モードの3つの撮影モードを備えている。
上記の日中撮影モード及び日中シンクロ撮影モードでは、高速なシャッタ速度と小絞りに設定され、夜景シンクロ撮影モードでは、低速なシャッタ速度と大絞りに設定される。具体的には、ISO1600の写真フイルムが用いられ、日中撮影モード及び日中シンクロ撮影モードでは、シャッタ速度が1/120秒に、絞り値がF14に設定され、夜景シンクロ撮影モードでは、シャッタ速度が1/45秒に、絞り値がF6.2に設定されている。これによれば、ISO100を基準としたEV値での適正露出は、日中撮影モード及び日中シンクロ撮影モードがEV10.5、夜景シンクロ撮影モードがEV6.8となる。
ところで、上記の夜景シンクロ撮影モ−ドで撮影を行った場合には、夜景や暗い室内等の背景を適当な濃度で再現しながら、人物等の主要被写体についてはストロボ光で十分な明るさを確保することができるが、ストロボ光で照明された主要被写体の陰影がなくなったり、背景の光源色をストロボ光が打ち消してしまったりして、どの写真を見ても同じような印象の写真になってしまうという問題があった。
本発明は上記問題を解消するためになされたもので、室内や夜間などでも主要被写体及び背景をその場の雰囲気を活かして撮影できるレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットでは、フラッシュ装置を内蔵せずに、写真フイルムのフイルム感度がISO1600以上であるとともに、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満に設定される撮影モードを有するものである。
請求項2記載のレンズ付きフイルムユニットでは、写真フイルムのフイルム感度がISO3200以上としたものである。
請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットでは、前記撮影モードにおける絞り値をF0としたときに,
F2.8≦F0≦F8
を満たすようにしたものである。
F2.8≦F0≦F8
を満たすようにしたものである。
請求項4記載のレンズ付きフイルムユニットでは、撮影レンズの焦点距離をLとしたときに、
L≦28mm
を満たすようにしたものである。
L≦28mm
を満たすようにしたものである。
請求項5記載のレンズ付きフイルムユニットでは、撮影レンズの焦点距離をLとしたときに、
17mm≦L≦28mm
を満たすようにしたものである。
17mm≦L≦28mm
を満たすようにしたものである。
請求項6記載のレンズ付きフイルムユニットでは、フラッシュ装置を内蔵せずに、絞りを小絞りと大絞りとの間で切り替える絞り切替手段と、絞り切替手段を小絞りとした第1撮影モードと、絞り切替手段を大絞りとして、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満とした第2撮影モードとを選択するための撮影モード選択手段とを備え、写真フイルムのフイルム感度がISO1600以上としたものである。
請求項7記載のレンズ付きフイルムユニットでは、写真フイルムのフイルム感度をISO3200以上としたものである。
請求項8記載のレンズ付きフイルムユニットでは、絞り切替手段は、小絞りの絞り値をF1、大絞りの絞り値をF2としたときに、
F13≦F1
F2.8≦F2≦F8
を満たすようにしたものである。
F13≦F1
F2.8≦F2≦F8
を満たすようにしたものである。
請求項9記載のレンズ付きフイルムユニットでは、第1撮影モードではシャッタ速度を高速とし、前記第2撮影モードではシャッタ速度を低速とするシャッタ速度切替手段を備えたものである。
請求項10記載のレンズ付きフイルムユニットでは、シャッタ速度切替手段は、高速のシャッタ速度をT1、低速のシャッタ速度をT2としたときに、
1/80秒≧T1
1/30秒≧T2≧1/60秒
を満たすようにしたものである。
1/80秒≧T1
1/30秒≧T2≧1/60秒
を満たすようにしたものである。
請求項11記載のレンズ付きフイルムユニットでは、フラッシュ装置を内蔵せずに、絞り値がF13以上の小絞りと、F8以下の大絞りとの間で切り替える絞り切替手段と、シャッタ速度を1/80秒以下の高速シャッタ速度と、1/60秒以上の低速シャッタ速度とで切り替えるシャッタ速度切替手段と、絞り切替手段を小絞りに、シャッタ速度切替手段を高速シャッタ速度とした第1撮影モード,絞り切替手段を大絞りに、シャッタ速度切替手段を低速シャッタ速度とした第2撮影モードを選択するための撮影モード選択手段とを備え、前記写真フイルムのフイルム感度がISO3200以上としたものである。
上記本発明によれば、フラッシュ装置を内蔵していないレンズ付きフイルムユニットに、フイルム感度がISO1600以上の写真フイルムを装填し、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満となる撮影モードを設けたから、室内等の暗い場所で撮影をフラッシュ装置からの光を用いずに行うことができ、アベイラブル光を活かした撮影によって、背景と主要被写体との明るさや色合いに一体感がある良好な写真画像を得ることができる。
本発明を実施したレンズ付きフイルムユニットの外観を図1及び図2に示す。なお、図1は第1撮影モードの状態を、図2は第2撮影モードの状態をそれぞれ示している。レンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体3と、このユニット本体3の製造時に装填されたフイルムパトローネと、ユニット本体3の外周に巻き付けられるようにして貼付されるラベル4とからなる。ラベル4には、ユニット本体3の各部を露呈させるための開口が形成されている。
このレンズ付きフイルムユニット2には、ストロボ装置が搭載されていない。本発明は、フラッシュ装置を備えていないレンズ付きフイルムユニットであり、フラッシュ装置とは、ストロボ装置の他、被写体に向け補助光を照射する発光ダイオード等の各種光源装置を含む。
ユニット本体3の前面には、撮影レンズ5,ファインダ6,撮影モード選択部8が設けられている。また、ユニット本体3の上面には、レリーズボタン9,カウンタ表示窓10が設けられ、背面には撮影後のフイルム巻き上げに用いられる巻上げノブ12の一部が露呈されている。
撮影モード選択部8は、ユニット本体3の前面に形成された操作開口14と、この操作開口14内で回動自在とされた略小判形状の操作部材15とからなる。操作部材15は、図1に示される第1操作位置と、図2に示されるように、第1操作位置から図中時計方向に回動された第2操作位置との間で回動される。
レンズ付きフイルムユニット2は、操作部材15が第1操作位置にある際に、小絞り及び高速シャッタの第1撮影モードとなる。また、操作部材15が第2操作位置にある際には、大絞り及び低速シャッタの第2撮影モードとなる。なお、例えば第2撮影モードのときにファインダ6内に所定の表示をする等して、撮影者がファインダ6を覗いた状態で第1撮影モードと第2撮影モードとのいずれであるかを判別できるようにしてもよい。
ユニット本体3の構成を図3に示す。ユニット本体3は、135タイプのフイルムパトローネ22が装填される本体基部23と、撮影モードの切り替えを行うモード切替機構25と、本体基部23の前面側及び背面側に取り付けられる前カバー26及び後カバー27とからなる。
フイルムパトローネ22は、パトローネ22aと、写真フイルム22bとからなり、前述のように製造時に装填される。写真フイルム22bとしては、フイルム感度がISO3200のものが用いられている。
本体基部23の前面中央には、遮光筒35が設けられている。この遮光筒35の周囲には、シャッタチャージ機構,シャッタ機構,フイルム巻上げ機構,フイルム巻止機構,フイルムカウント機構,絞り切替機構,シャッタ速度切替機構,撮影光学系,ファインダ光学系等が組み込まれている。
図4は、遮光筒35の周囲に組み込まれたシャッタレリーズ機構,絞り切替機構,シャッタ速度切替機構,撮影光学系の構成を示す分解斜視図である。遮光筒35の前面には、矩形状の露光開口37が形成されている。遮光筒35の側方には、シャッタ羽根38を揺動自在に支持するピン39と、バネ40の一端が掛けられるピン41とが設けられている。
シャッタ機構を構成するシャッタ羽根38は、ピン39に挿通される穴43aが形成されたベース部43と、露光開口37の前方に配置されて該露光開口37の開閉を行う羽根部44と、ベース部43と羽根部44とを接続する連結部45とからなる。ベース部43には、バネ40の他端が掛けられるピン43bと、シャッタ駆動レバー47によって蹴飛ばされる突出部43cと、速度調節突起43dとが設けられている。シャッタ羽根38は、バネ40に付勢されて露光開口37を塞ぐ閉じ位置に保持されている。
シャッタ駆動レバー47は、シャッタ機構を構成する部品の一つであり、シャッタチャージ機構によって図中矢線Aと逆方向に回動し、チャージ位置にセットされる。そして、レリーズボタン9の押圧操作に応答して、チャージ解除位置に向けて矢線A方向に回動し、その際にシャッタ羽根38の突出部43cを蹴飛ばす。シャッタ駆動レバー47に蹴飛ばされたシャッタ羽根38は、バネ40の付勢に抗して図中矢線B方向に回動し、露光開口37を全開した後に、バネ40の付勢によって閉じ位置に復帰する。シャッタ羽根38は、露光開口37を全開させる全開位置を経て、レンズホルダ56の内面に設けられたストッパーピン56a(図5,図6参照)に当接する移動端位置に達するまで回動可能にされている。
レンズホルダ56上部には、ストップレバー49を回動自在に支持するピン50が形成されている。ストップレバー49は、ピン50に支持されるボス51と、このボス51の側面から突出された2本のアーム52,53とからなり、一方のアーム52の先端にパッド52aが形成されている。
このストップレバー49は、パッド52aがシャッタ羽根38の速度調節突起43dの移動軌跡内に入り込んだ高速シャッタ位置と、パッド52aがその移動軌跡から退避した低速シャッタ位置との間で回動される。
図5に示すように、ストップレバー49が高速シャッタ位置にあるときにシャッタレリーズが行われると、シャッタ羽根38の速度調節突起43dがパッド52aに当接するので、シャッタ羽根38は全開位置から移動端位置への途中で回動が阻止される。これにより、短時間でシャッタ羽根38が閉じ位置に復帰する。このときのシャッタ速度は1/100秒とされており、これが第1撮影モードの高速シャッタのシャッタ速度となる。
上記とは逆に、図6に示すように、ストップレバー49が低速シャッタ位置にあるときには、速度調節突起43dがパッド52aに当接しないで回動する。このため、シャッタ羽根38は、移動端位置まで回動する。その結果、シャッタ羽根38が閉じ位置に復帰するまでの時間が長くなって、シャッタ速度が遅くなる。このときのシャッタ速度は1/45秒とされており、これが第2撮影モードの低速シャッタのシャッタ速度となる。
図4に示されるように、遮光筒35の前方には、レンズホルダ56が取り付けられる。レンズホルダ56の前面中央には、筒形状の鏡筒57が形成されている。鏡筒57内には、開口58が形成されており、鏡筒57の側面には切欠59が形成されている。鏡筒57内には、撮影レンズ5を構成する第1レンズ60と第2レンズ61とが収納される。これら第1レンズ60と第2レンズ61との間には、大絞り板62,絞り切替板63の挿入スペースを確保するスペーサー64が収められる。レンズホルダ56の前面には、鏡筒57に収められた撮影レンズ5等の部品と、鏡筒57の外周に取り付けられた切替リング68とが外れないように押さえるレンズ押さえ板65が取り付けられる。
大絞り板62,絞り切替板63,スペーサー64,切替リング68等により、絞り切替機構が構成される。大絞り板62は、円形の薄板からなり、中央に大径の絞り開口62aが形成されている。絞り開口62aは、第2撮影モードの大絞りとなるものであって、絞り値がF4.0となるようにその径が決められている。
絞り切替板63は、く字形状の薄板からなり、一端に大絞り開口62aを塞ぐ大きさの小絞り部63aが設けられ、この小絞り部63aに小径の絞り開口63bが形成されている。絞り開口63aは、第1撮影モードの小絞りとなるものであって、絞り値がF18となるようにその径が決められている。絞り切替板63の他端には、穴63cと屈曲された長穴63dとが形成されている。穴63cは、レンズホルダ56の鏡筒57の近傍に形成されたピン66に挿通され、絞り切替板63を揺動自在とする。
上記の絞り切替板63は、小絞り部63aを撮影光軸上に配置する小絞り位置と、小絞り部63aを切欠59から鏡筒57の外に退避させ、大絞り開口62aを露呈させる大絞り位置との間で回動される。小絞り位置となると、撮影光は、大径の絞り開口62aと、小径の絞り開口63bとを通過するようになり、結果的には径の小さい小絞り開口63bによって光量が制限される。
鏡筒57の外周には、切替リング68が回動自在に嵌入される。切替リング68には、バネ70の一端が掛けられるバネ掛けピン68aと、絞り切替板63の長穴63dに挿入されるリンクピン68bと、ストップレバー49のアーム53を間に挟み込む一対の挟持ピン68cと、背面側に突出した従動ピン68dとが設けられている。
バネ70の他端は、レンズホルダ56の前面下部に形成されたピン71に掛けられ、切替リング68を図中矢線C方向に付勢する。なお、バネ70によって付勢された切替リング68は、絞り切替板63によって所定の位置に保持される。
操作部材15には、略小判形状の切替板74が一体に形成されており、この切替板74には水平方向に突出された押圧レバー74aが一体に形成されている。操作部材15が第1操作位置から第2操作位置に回動すると、押圧レバー74aが切替リング68の従動ピン68dを下方から押圧する。これにより、切替リング68は、バネ70の付勢に抗して矢線C方向と逆方向に回動される。
第1撮影モードのときの切替リング68の状態を図7に、第2影モードのときの切替リング68の状態を図8にそれぞれ示す。図7に示されるように、操作部材15が第1操作位置のときには、操作部材15の押圧レバー74aは切替リング68の従動ピン68dに接触しない。そのため、切替リング68は、絞り切替板63によって初期位置に保持されている。
切替リング68が初期位置にある際には、リンクピン68bによって絞り切替板63の小絞り部63aが鏡筒57内に挿入される。これにより、小絞り部63aが大絞り開口62aを塞いで小絞り状態となる。また、一対の挟持ピン68cは、ストップレバー49を高速シャッタ位置に保持している。
図8に示すように、操作部材15が第1操作位置から第2操作位置へと回動されると、バネ70の付勢に抗して押圧レバー74aが従動ピン68dを下方から押圧して切替リング68を図中反時計方向に回動させる。この切替リング68の回動により、リンクピン68bに押圧された絞り切替板63が図中時計方向に回動し、小絞り部63aが光軸上から退避して大絞り状態となる。また、一対の挟持ピン68cはストップレバー49を低速シャッタ位置にセットする。
上記のように、このレンズ付きフイルムユニット2は、写真フイルム22bとしてフイルム感度がISO3200のものが用いられ、第1撮影モードではシャッタ速度が1/100秒,絞り値がF18とされ、第2撮影モードではシャッタ速度が1/45秒,絞り値がF4.0であり、いずれの撮影モードでもストロボ非発光となっている。
第1撮影モードでは、ISO100を基準としたEV値で、適正EV値がEV10となっており、カラーネガタイプの写真フイルム22bのラチチュードを考慮して+5.5EV(露光オーバ)、−1.5EV(露光アンダー)の露光量の過不足を許容すると、EV8.5〜EV15.5の範囲で撮影が行うことができる。第2撮影モードでは、ISO100を基準としたEV値で、適正EV値がEV4.5となっており、ラチチュードを考慮すると、EV3.0〜EV10.0の範囲で撮影が行うことができ、ストロボ発光を用いずに暗い室内や夜間屋外での撮影が可能とされている。なお、ISO100を基準とした適正EV値は、絞り値をF,シャッタ速度をT(秒)、フイルム感度をSとしたときに、「EV=log2(F2/T)−log2(S/100)」で与えられる。
ストロボ発光させずに、暗い室内や夜間屋外での撮影に対応する第2撮影モード場合では、写真フイルム22bのフイルム感度がISO1600以上とし、ISO100を基準としたEV値で適正EV値がEV8未満となるようにするのが好ましい。また、フイルム感度は、ISO3200以上とするがより好ましい。さらに、第2撮影モードでの、絞り値は、F2.8以上F8以下であることが好ましく、第2撮影モードにおけるシャッタ速度は、1/60秒以上(低速)とするのが好ましい。
撮影レンズ5の焦点距離は、ピントの実質的な合致範囲を考慮して、撮影レンズ5を広角化して、大絞りの下でも適当な被写界深度を確保するのが好ましく、大絞りの絞り値をF2.8以上F8以下としたときに、焦点距離は28mm以下、好ましくは17mm以上28mm以下とするのがよい。
この例では、撮影レンズ5の焦点距離は、26mmとされており、第2撮影モードでの絞り値は前述のようにF4.0とされている。撮影レンズ5は、被写体距離が2mの被写体にピントが合致するようにされており、実質的に第1撮影モードでは1m〜無限遠の被写体に、第2撮影モードで1m〜3mの被写体にピントが合うようになっている。
日中屋外での撮影に対応する第1撮影モードの絞り(小絞り)の絞り値は、F13以上とするのが好ましい。シャッタ速度を変化させずに、絞りの切替だけで日中屋外での撮影に対応してもよいが、この例に説明するようにシャッタ速度を絞りとともに切り換えるのが好ましく、この場合には第1撮影モードにおけるシャッタ速度1/80秒以下(高速)とするのがよい。
次に、上記実施形態の作用について説明する。日中屋外等の明るい場所で撮影を行う場合には、第1撮影モードを選択する。第1撮影モードを選択するには、図1に示されるように、操作部材15を第1操作位置にする。
操作部材15が第1操作位置とされることにより、図7に示されるように、切替リング68がバネ70に付勢されて初期位置とされる。また、切替リング68が初期位置となることにより、絞り切替板63が小絞り位置にセットされるとともに、ストップレバー49が高速シャッタ位置にセットされる。
この第1撮影モード下でレリーズボタン9を押圧すると、これに応答してシャッタ羽根38が閉じ位置から開き位置に向けて回動し、再び閉じ位置に戻る開閉動作が行われ、露光開口37の開閉が行われる。このときに、ストップレバー49が高速シャッタ位置にセットされているので、シャッタ羽根38は、その速度調節突起43dがパッド52aに当接し、移動端位置に達する前に閉じ位置に復帰する。これにより、1/100秒のシャッタ速度で露光が行われる。
上記のようにシャッタ羽根38の開閉動作が行われている間に、撮影レンズ5に入射した被写体からの光は、小絞り開口63b,大絞り開口62aを通して写真フイルム22bに露光を与えるが、この場合には絞り値F18の小絞り開口63bで光量が規制される。
結果として、フイルム感度ISO3200の写真フイルム22bに対して、シャッタ速度1/100秒,絞り値F18で露光が行われ、この第1撮影モードでは、適正EV値がEV10であって、EV8.5〜EV15.5の範囲で良好な撮影が行える。
一方、夜景等のように暗い被写体を撮影するような場合、あるいは室内を背景に人物等の主要被写体を撮影する場合には、図2に示されるように、操作部材15を第1操作位置から第2操作位置に回動し、第2撮影モードを選択する。
操作部材15が第2操作位置に回動されると、図8に示されるように、切替板74の押圧レバー74aが切替リング68の従動ピン68dを下方から押圧する。このため、切替リング68は、バネ70の付勢に抗して初期位置から反時計方向に回動する。この切替リング68の回動に連動して絞り切替板63が大絞り位置に回動し、小絞り部63aが撮影レンズ5の光路上から退避し、大絞り開口62aによって光量の規制が行われるようになる。また、ストップレバー49は、低速シャッタ位置にセットされる。
この第2撮影モードでレリーズボタン9を押圧して撮影を行うと、ストップレバー49が低速シャッタ位置にあるため、シャッタ羽根38は、パッド52aに当接することなく回動し、移動端位置に達した後に閉じ位置に復帰する。また、このようにシャッタ羽根38の開閉動作が行われている間に、撮影レンズ5に入射した被写体からの光は、小絞り開口63bを通らずに大絞り開口62aを通して写真フイルムに露光を与える。
結果として、フイルム感度ISO3200の写真フイルム22bに対して、1/45秒のシャッタ速度と絞り値F4.0とで露光が行われる。この第2撮影モードでの適正EV値はEV4.5であって、EV3.0〜EV10.0の範囲で良好な撮影が行える。また、ストロボ発光をさせていないので、室内の照明等のアベイラブル光を活かした撮影ができ、例えば背景と主要被写体との明るさや色合いに一体感がある写真画像を得ることができる。また、ストロボ光を使用しないことにより、赤目が発生しない、ストロボ光による濃い影が生じない等の効果もある。さらに、ストロボ装置を内蔵していないので、電池,や各種部品等の部品の点数の削減、軽量化を図ることができる。
上記実施形態では、第1撮影モードと第2撮影モードと切り換えるレンズ付きフイルムユニットについて撮影したが、第2撮影モードの機能だけのレンズ付きフイルムユニットとすることもできる。
2 レンズ付きフイルムユニット
3 ユニット本体
8 撮影モード選択部
15 操作部材
22b 写真フイルム
25 モード切替機構
38 シャッタ羽根
49 ストップレバー
62 大絞り板
63 絞り切替板
3 ユニット本体
8 撮影モード選択部
15 操作部材
22b 写真フイルム
25 モード切替機構
38 シャッタ羽根
49 ストップレバー
62 大絞り板
63 絞り切替板
Claims (11)
- 未露光の写真フイルムが予め装填され、フラッシュ装置を内蔵しないレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記写真フイルムのフイルム感度がISO1600以上であるとともに、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満に設定される撮影モードを有することを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記写真フイルムのフイルム感度がISO3200以上であることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記撮影モードにおける絞り値をF0としたときに,
F2.8≦F0≦F8
を満たすことを特徴とする請求項1または2記載のレンズ付きフイルムユニット。 - 撮影レンズの焦点距離をLとしたときに、
L≦28mm
を満たすことを特徴とする請求項3記載のレンズ付きフイルムユニット。 - 前記撮影レンズの焦点距離をLとしたときに、
17mm≦L≦28mm
を満たすことを特徴とする請求項3記載のレンズ付きフイルムユニット。 - 未露光の写真フイルムが予め装填され、フラッシュ装置を内蔵しないレンズ付きフイルムユニットにおいて、
絞りを小絞りと大絞りとの間で切り替える絞り切替手段と、絞り切替手段を小絞りとした第1撮影モードと、絞り切替手段を大絞りとして、ISO100を基準とした適正EV値が「8」未満とした第2撮影モードとを選択するための撮影モード選択手段とを備え、前記写真フイルムのフイルム感度がISO1600以上であることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記写真フイルムのフイルム感度がISO3200以上であることを特徴とする請求項6記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記絞り切替手段は、小絞りの絞り値をF1、大絞りの絞り値をF2としたときに、
F13≦F1
F2.8≦F2≦F8
を満たすことを特徴とする請求項6または7記載のレンズ付きフイルムユニット。 - 前記第1撮影モードではシャッタ速度を高速とし、前記第2撮影モードではシャッタ速度を低速とするシャッタ速度切替手段を備えたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載のレンズ付きフイルムユニット。
- 前記シャッタ速度切替手段は、高速のシャッタ速度をT1、低速のシャッタ速度をT2としたときに、
1/80秒≧T1
1/30秒≧T2≧1/60秒
を満たすことを特徴とする請求項9記載のレンズ付きフイルムユニット。 - 未露光の写真フイルムが予め装填され、フラッシュ装置を内蔵しないレンズ付きフイルムユニットにおいて、
絞り値がF13以上の小絞りと、F8以下の大絞りとの間で切り替える絞り切替手段と、シャッタ速度を1/80秒以下の高速シャッタ速度と、1/60秒以上の低速シャッタ速度とで切り替えるシャッタ速度切替手段と、絞り切替手段を小絞りに、シャッタ速度切替手段を高速シャッタ速度とした第1撮影モード,絞り切替手段を大絞りに、シャッタ速度切替手段を低速シャッタ速度とした第2撮影モードを選択するための撮影モード選択手段とを備え、前記写真フイルムのフイルム感度がISO3200以上であることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
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JP2004214753A JP2006038949A (ja) | 2004-07-22 | 2004-07-22 | レンズ付きフイルムユニット |
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- 2004-07-22 JP JP2004214753A patent/JP2006038949A/ja active Pending
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- 2005-07-22 US US11/186,806 patent/US20060098965A1/en not_active Abandoned
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