JP2004078064A - レンズ付きフイルムユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッタ速度の異なるレンズ付きフイルムユニットを容易に製造できるようにする。
【解決手段】上面にストッパーが設けられた遮光筒と設けられていない遮光筒とが用意されており、高速なシャッタ速度用には前者の遮光筒が、低速なシャッタ速度用には後者の遮光筒が用いられる。ストッパーが設けられている場合には、シャッタレリーズに応答して回動したシャッタ羽根の押圧突起がシンクロスイッチの上側接片を押圧し下側接片に接触させてストロボ発光を行わせるが、下側接片がストッパーに当接してシャッタ羽根の回動を途中で阻止することで高速なシャッタ速度となる。ストッパーがない場合には、シャッタ羽根の回動角が大きくなるので低速なシャッタ速度となる。
【選択図】 図8
【解決手段】上面にストッパーが設けられた遮光筒と設けられていない遮光筒とが用意されており、高速なシャッタ速度用には前者の遮光筒が、低速なシャッタ速度用には後者の遮光筒が用いられる。ストッパーが設けられている場合には、シャッタレリーズに応答して回動したシャッタ羽根の押圧突起がシンクロスイッチの上側接片を押圧し下側接片に接触させてストロボ発光を行わせるが、下側接片がストッパーに当接してシャッタ羽根の回動を途中で阻止することで高速なシャッタ速度となる。ストッパーがない場合には、シャッタ羽根の回動角が大きくなるので低速なシャッタ速度となる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットの製造方法に関し、更に詳しくは複数の種類を容易に製造できるようにし、設備費用の削減と生産効率の向上を図ったレンズ付きフイルムユニットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
未露光の写真フイルムが予め装填されたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。レンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズ,シャッタ機構,フイルム巻上げ機構等の撮影機構が簡略化されて安価であること、また撮影操作が簡単であること等を特徴としており、手軽に使用できることから広く普及している。このようなレンズ付きフイルムユニットは、普及が進むにつれて、撮影レンズの構成、焦点距離が異なるもの、写真フイルムのフイルム感度が異なるもの等のさまざまな種類のものが製造・販売されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように様々な種類のレンズ付きフイルムユニットを製造するには、各種類ごとに固有の部品が多くなるため、各種類ごとに専用の生産ラインを設ける必要がある。このため、設備費用が膨大となるとともに、生産効率が低くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、複数の種類を容易に製造できるようにし、設備費用の削減と生産効率の向上を図ったレンズ付きフイルムユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、シンクロスイッチの第2の接片に当接又は近接し、シャッタ羽根の全開位置から移動端位置への移動途中で第1の接片と第2接片とを介して押圧部を受け止めるストッパーの有無、またはストッパーの位置を選択することにより、シャッタ速度の異なるレンズ付きフイルムユニットを製造するものである。
【0006】
請求項2記載の発明では、ストッパーを、撮影レンズと写真フイルムとの間を遮光する遮光筒に一体に設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を実施した2種類のレンズ付きフイルムユニットの外観を図1及び図2に示す。図1に示すレンズ付きフイルムユニット2は、室内などの比較的に暗い場所での撮影に最適となるようにシャッタ速度,絞り値が設定された室内タイプのものであり、図2に示すレンズ付きフイルムユニット3は、日中屋外での撮影に最適となるように、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2よりも高速なシャッタ速度,開口径の小さな絞り値が設定された屋外タイプのものとなっている。
【0008】
上記の2種類のレンズ付きフイルムユニット2,3は、詳細を後述するようにほとんどの部品を共通化することによって、複数の種類を容易に製造できるようにし、そして生産設備の共通化、生産効率の向上を図ったものである。
【0009】
室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体5と、ユニット本体5の外周に巻き付けられるようにして貼付されるラベル6とからなる。ユニット本体5の前面には、撮影レンズ7,ファインダ8の対物側窓8a,ストロボ装置のストロボ発光部9と充電操作部材10が設けられている。また、上面には、レリーズボタン11,撮影可能な残りコマ数を表示するカウンタ窓12,充電完了を表示する充電完了表示窓13が設けられている。さらに、ユニット本体5の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ14が露呈されている。ラベル6には、室内タイプのレンズ付きフイルムユニットであることを示す「室内用」の文字が記されている。
【0010】
従来のレンズ付きフイルムユニットと同様に、巻上げノブ14を回転操作することでフイルム巻上げが行われ、レリーズボタン11の押圧操作で撮影が行われる。充電操作部材10は、図示されるオフ位置と、このオフ位置から上方に移動したオン位置との間でスライド自在にされている。充電操作部材10をオン位置とすると、ストロボ発光のための充電が行われ、充電完了後にレリーズボタン11を押圧操作すると、撮影に同期してストロボ発光部9から被写体に向けてストロボ光が照射される。充電操作部材10をオフ位置とすると、充電が停止されるとともに、ストロボ発光が禁止される。ストロボ発光部9の前面には、ストロボ光量を小さくするための遮光板15が設けられている。
【0011】
レンズ付きフイルムユニット2のユニット本体5の構成を図3に示す。ユニット本体5は、本体基部20,前カバー21,後カバー22,ストロボ装置23等から構成され、未露光の写真フイルム24がパトローネ25とともに製造時に装填されている。写真フイルム24としては、135タイプのものを用いているが、その他のタイプ、例えばIX240形式のものであってもよい。
【0012】
本体基部20の両側には、フイルムロール室26と、パトローネ室27とが設けられている。フイルムロール室26には、パトローネ25から引き出されてロール状に巻かれた写真フイルム24が収納され、パトローネ室27にはパトローネ25が収納される。また、本体基部20の中央には、写真フイルム24上での撮影コマのサイズ、すなわち露光画面を画定するアパーチャ(図示せず)が形成されており、このアパーチャの前面に露光ユニット28が組み付けられる。
【0013】
露光ユニット28は、撮影レンズ7から写真フイルム24までの間の撮影光路を遮光する遮光筒29の外側にレリーズボタン11の押圧操作に応答してシャッタ羽根を駆動するシャッタ機構や、撮影可能な残りコマ数を表示するフイルムカウンタ機構等を構成する各種部品や、撮影レンズ7,ファインダ8のレンズ等を組み付けたものである。なお、この室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2の遮光筒29としては、後述するシャッタ速度を高速化するためのストッパーがないものが用いられる。また、本体基部20に遮光筒29を一体に設けてもよい。
【0014】
巻上げノブ14は、パトローネ室27の上部に回転自在に配されており、その下部に一体に設けられた軸がパトローネ25のスプール25aの一端に係合する。これにより、巻上げノブ14を矢線方向に回転操作すると、撮影済の写真フイルム24の部分がパトローネ25内に巻き上げられるとともに、未露光の部分がアパーチャの背後にセットされる。
【0015】
前カバー21は、ファインダ8の対物側窓8aやレリーズボタン11が形成されている他、撮影レンズ7,ストロボ発光部9,充電操作部材10を露呈するための開口31〜33が形成されている。この室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2の前カバー21には、ストロボ発光部9を露呈させる開口32内に遮光板15が一体に設けられている。この前カバー21は、ストロボ装置23が組み付けられた本体基部20の前面側に組み付けられる。なお、前カバー21に遮光板15を一体に形成する代わりに、遮光板15を別部品として製造して前カバーに取り付け、前カバーを屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3と共通の部品としてもよい。
【0016】
後カバー22は、写真フイルム24とパトローネ25を収納した本体基部20の背面側を覆う。また、後カバー22には、底蓋35,36が形成されている。これらの底蓋35,36は、フイルムロール室26とパトローネ室27の底部を光密に閉じる。底蓋36は、撮影済の写真フイルム24を収納したパトローネ25を取り出す際に開かれる。
【0017】
ストロボ装置23は、ストロボ回路基板37にストロボ発光部9,シンクロスイッチ38,メインコンデンサ39,電池40等を組み付けてユニット化したものである。充電操作部材10をオン位置に移動することによって、ストロボスイッチを構成する金属片42がストロボ回路基板37上の接点(図示省略)に接触する。これにより、ストロボスイッチがオンとなってメインコンデンサ39が充電されるとともに、ストロボ発光が許容される。後述するようにシャッタ羽根の開閉に同期してシンクロスイッチ38がオンとなると、メインコンデンサ39が放電されてストロボ発光部9からストロボ光が放出される。
【0018】
ストロボ装置23は、室内タイプ及び屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット2,3で共通のものが用いらる。ストロボ装置23は、その発光量が屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3の絞り値とフイルム感度との組み合わせで、所定の撮影距離の被写体に対して適正露出となるようにされている。室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2では、上述の遮光板15によってストロボ光の一部をカットすることで、その絞り値とフイルム感度との組み合わせで、所定の撮影距離の被写体に対して適正露出とする。
【0019】
図4に示すように、遮光筒29の前面には、シャッタ開口45が形成されている。シャッタ羽根46は、ベース部47と、羽根部48と、これらベース部47と羽根部48を接続する連結部49とからなる。シャッタ羽根46は、そのベース部47に設けられた孔47aにピン51が挿通されることによって、遮光筒29に回動自在に取り付けられている。ベース部47に設けられたピン47bに復帰バネ52の一端が掛けられることにより、シャッタ羽根46は、その羽根部48で、シャッタ開口45を塞ぐ閉じ位置に向けて付勢されており、通常はその閉じ位置に保持されている。
【0020】
シャッタ駆動レバー53は、シャッタレリーズ機構を構成する部品の一つであり、フイルム巻上げに連動してシャッタチャージ機構によってチャージ位置に回動される。そして、レリーズボタン11の押圧に応答して、図中矢線方向に回動して瞬間的にリリース位置にまで回動する。その際にベース部47の突出部47cが蹴飛ばされ、シャッタ羽根46が復帰バネ52の付勢に抗して図中時計方向に向けて回動する。そして、シャッタ開口45を全開させる全開位置を経て、ストッパーピン55(図6参照)に当接する移動端位置に達し、その後は復帰バネ52の付勢によって閉じ位置に戻る。
【0021】
ベース部47にシンクロスイッチ38をオンとするための押圧突起47dが設けられており、この押圧突起47dの回動軌跡内にシンクロスイッチ38の各接片38a,38bの自由端が配されている。シンクロスイッチ38は、上側接片38a及び下側接片38bと、各接片38a,38bを上下に所定の間隔で保持するホルダ38cとから構成されている。各接片38a,38bは、導電性を有する金属製とされ、また比較的に弱い力で自由端(他端)が上下方向に移動するように弾性変形可能にされている。シャッタ羽根46が閉じ位置から移動端位置に向けての回動時に、押圧突起47dが上側接片38aを押下し、下側接片38bに接触させ、シンクロスイッチ38をオンとする。このシンクロスイッチ38のONにより、ストロボ発光が行われる。
【0022】
シャッタ開口45の前方には、絞り板56(図6参照),撮影レンズ7が配されている。絞り板56には、室内タイプに応じた比較的に大きな開口径、例えばF5.6の絞り開口56aが形成されている。
【0023】
図2に示されるように、外観的には、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3は、そのラベル60に「屋外用」の文字が記されている点と、ストロボ発光部9の前面に遮光板15が設けられていない点の他は、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2と同じである。
【0024】
上記のように、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3では、遮光板15を設けていないため、前カバー21に代えて遮光板15が形成されていない前カバー61が用いられる。これにより、ストロボ装置23からのストロボ光を減光することなく被写体に向けて照射する。
【0025】
また、図5に示すように、遮光筒29に代えて、上面にストッパー62aが一体に形成された遮光筒62が用いられ、絞り板56に代えて、比較的に小さな開口径、例えばF14.0の絞り開口63aが形成された絞り板63(図7参照)が用いられる。ストッパー62aは、シンクロスイッチ30の下側接片38bの自由端側の下面に当接または近接して配されている。屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3のその他の構成部材は、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2と同じとされている。なお、図2,図5では、レンズ付きフイルムユニット2と同じものには同じ符号を付してある。
【0026】
室内タイプ,屋外タイプのいずれの場合でも、シャッタレリーズが行われると、シャッタ羽根46の押圧突起47dに押圧されたシンクロスイッチ38の上側接片38aが弾性変形されて下側接片38bに接触し、シンクロスイッチ38がオンとなってストロボ発光が行われる。
【0027】
室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2では、図6に示すように、上側接片38aが接触した下側接片38bは、ストッパーで規制されず弾性変形するため、シャッタ羽根46は移動端位置まで回動する。その結果、シャッタ羽根46の回動角が大きくなり、閉じ位置に復帰するまでの時間が長くなって、比較的に遅いシャッタ速度が得られる。例えば1/45秒のシャッタ速度を得ることができる。
【0028】
一方、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3では、図7に示すように、上側接片38aが接触した下側接片38bは、下側への弾性変形がストッパー62aで規制される。このため、シャッタ羽根46は移動端位置への途中で回動が阻止される。これにより、シャッタ羽根47の回動角が小さくなり、短時間で閉じ位置に復帰する。これにより、ストッパー62aがない場合と比べて高速なシャッタ速度が得られる。例えば1/110秒のシャッタ速度を得ることができる。
【0029】
なお、シンクロスイッチ38は、シャッタ羽根46が全開位置と移動端位置との間でオンとなるようにされており、これを妨げないようにストッパー62aが設けられる。
【0030】
上記のように構成されたレンズ付きフイルムユニット2,3の組み立て工程について、図8を参照しながら説明する。本体基部20に、巻上げノブ14,露光ユニット29が組み付けられる。露光ユニット29は、例えば別工程によって予め組み立てられている。この露光ユニット29の組み立てでは、室内タイプまたは屋外タイプに応じて、遮光筒29または遮光筒62が選択される。
【0031】
室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2用には、ストッパーがない遮光筒29が選択され、これにシャッタ機構や、撮影可能な残りコマ数を表示するフイルムカウンタ機構等を構成する各種部品や、室内タイプ用の絞り板56,撮影レンズ7,ファインダ8のレンズ等が組み付けられる。一方、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3用には、ストッパー62aが形成された遮光筒62が選択され、これにシャッタ機構や、撮影可能な残りコマ数を表示するフイルムカウンタ機構等を構成する各種部品や、屋外タイプ用の絞り板63,撮影レンズ7,ファインダ8のレンズ等が組み付けられる。すなわち、露光ユニット29の組み立て工程では、室内タイプと屋外タイプの2種類の露光ユニット29を組み立てるが、遮光筒と、絞り板とが異なるだけであり、その他の部品は共通である。
【0032】
本体基部20に露光ユニット29が組み付けられた後、その本体基部20にストロボ装置23が組み付けられる。そして、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2用の本体基部20には、遮光板15が設けられた前カバー21が、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3用の本体基部20には、遮光板15がない前カバー61が組付けられる。
【0033】
前カバー21または前カバー61が組み付けられた本体基部21は、写真フイルム24の装填工程に送られ、パトローネ25から引き出されてロール状にされた写真フイルム24がフイルムロール室26に、またそのパトローネ25がパトローネ室27にぞれそれ装填される。装填完了後に後カバー22が本体基部20の背面に組み付けられ、フイルムロール室26とパトローネ25が底蓋35,36で閉じられる。
【0034】
以上のようにして、ユニット本体5が完成し、タイプに応じたラベル6またはラベル50が貼付されて、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2または屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3が完成する。
【0035】
上記のように2種類のレンズ付きフイルムユニット2,3のユニット本体5は、遮光筒,絞り板,前カバーの他は、全て共通な部品が用いることができ、製造コストの削減,生産効率の向上を図ることができる。
【0036】
上記実施形態では、異なる種類(タイプ)のレンズ付きフイルムユニット間での差別化を明確にするために、遮光板の有無や絞り値をレンズ付きフイルムユニットの種類毎に変更したが、ストッパーの有無によりシャッタ速度だけを変更することができる。もちろん、写真フイルムのフイルム感度,撮影レンズの焦点距離,外観のデザインなども変更することもできる。
【0037】
また、上記実施形態では、ストッパーを遮光筒と一体に形成しているため、シャッタ速度に応じた遮光筒を用いているが、ストッパーと遮光筒とを別部品として作成し、高速なシャッタ速度とする場合に、ストッパーを遮光筒に組み付けてもよい。また、ストッパーは、遮光筒に限らず、本体基部,前カバーなどに設けてもよい。
【0038】
上記実施形態では、低速と高速の2種類のシャッタ速度を採用したが、例えば図8に示すように、シンクロスイッチ38の下側接片38bのホルダ38c側の端部にストッパーを配して、中速のシャッタ速度を得ることもできる。また、ストッパーの位置を変更することで所望とするシャッタ速度を調整することができる。
【0039】
さらに、撮影モードを選択する操作部材の操作に連動して、シンクロスイッチの下側接片の自由端側の下方に入り込んだ挿入位置と退避した位置との間で移動するストッパーを別部品として作成し、このストッパーの組み付けの有無により、選択する撮影モードに応じてシャッタ速度が切り換わるレンズ付きフイルムユニットと、シャッタ速度が固定されたレンズ付きフイルムユニットとを容易に作り分けることもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットの製造方法によれば、シャッタ羽根の全開位置から移動端位置への移動途中でストロボ装置のシンクロスイッチを構成する第1の接片と第2接片とを介してシャッタ羽根の押圧部を受け止めるストッパーの有無、あるいはストッパーの位置を選択することによってシャッタ速度の異なるレンズ付きフイルムユニットを製造するから、シャッタ速度の異なる複数種類のレンズ付きフイルムユニットの各種部品を共通化でき、また製造コストの削減,生産効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した低速なシャッタ速度のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明を実施した高速なシャッタ速度のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】図1のレンズ付きフイルムユニットのユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1のレンズ付きフイルムユニットの要部構成を示す分解斜視図である。
【図5】図2のレンズ付きフイルムユニットの要部構成を示す分解斜視図である。
【図6】ストッパーがない場合のシャッタ羽根の作動を説明する説明図である。
【図7】ストッパーを設けた場合のシャッタ羽根の作動を説明する説明図である。
【図8】レンズ付きフイルムユニットの組み付け工程を示すものである。
【図9】シャッタ速度を中速とした例を示すものである。
【符号の説明】
2,3 レンズ付きフイルムユニット
5 ユニット本体
23 ストロボ装置
29,62 遮光筒
38 シンクロスイッチ
38a,38b 接片
46 シャッタ羽根
47d 押圧部
62a ストッパー
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットの製造方法に関し、更に詳しくは複数の種類を容易に製造できるようにし、設備費用の削減と生産効率の向上を図ったレンズ付きフイルムユニットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
未露光の写真フイルムが予め装填されたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。レンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズ,シャッタ機構,フイルム巻上げ機構等の撮影機構が簡略化されて安価であること、また撮影操作が簡単であること等を特徴としており、手軽に使用できることから広く普及している。このようなレンズ付きフイルムユニットは、普及が進むにつれて、撮影レンズの構成、焦点距離が異なるもの、写真フイルムのフイルム感度が異なるもの等のさまざまな種類のものが製造・販売されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように様々な種類のレンズ付きフイルムユニットを製造するには、各種類ごとに固有の部品が多くなるため、各種類ごとに専用の生産ラインを設ける必要がある。このため、設備費用が膨大となるとともに、生産効率が低くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、複数の種類を容易に製造できるようにし、設備費用の削減と生産効率の向上を図ったレンズ付きフイルムユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、シンクロスイッチの第2の接片に当接又は近接し、シャッタ羽根の全開位置から移動端位置への移動途中で第1の接片と第2接片とを介して押圧部を受け止めるストッパーの有無、またはストッパーの位置を選択することにより、シャッタ速度の異なるレンズ付きフイルムユニットを製造するものである。
【0006】
請求項2記載の発明では、ストッパーを、撮影レンズと写真フイルムとの間を遮光する遮光筒に一体に設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を実施した2種類のレンズ付きフイルムユニットの外観を図1及び図2に示す。図1に示すレンズ付きフイルムユニット2は、室内などの比較的に暗い場所での撮影に最適となるようにシャッタ速度,絞り値が設定された室内タイプのものであり、図2に示すレンズ付きフイルムユニット3は、日中屋外での撮影に最適となるように、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2よりも高速なシャッタ速度,開口径の小さな絞り値が設定された屋外タイプのものとなっている。
【0008】
上記の2種類のレンズ付きフイルムユニット2,3は、詳細を後述するようにほとんどの部品を共通化することによって、複数の種類を容易に製造できるようにし、そして生産設備の共通化、生産効率の向上を図ったものである。
【0009】
室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体5と、ユニット本体5の外周に巻き付けられるようにして貼付されるラベル6とからなる。ユニット本体5の前面には、撮影レンズ7,ファインダ8の対物側窓8a,ストロボ装置のストロボ発光部9と充電操作部材10が設けられている。また、上面には、レリーズボタン11,撮影可能な残りコマ数を表示するカウンタ窓12,充電完了を表示する充電完了表示窓13が設けられている。さらに、ユニット本体5の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ14が露呈されている。ラベル6には、室内タイプのレンズ付きフイルムユニットであることを示す「室内用」の文字が記されている。
【0010】
従来のレンズ付きフイルムユニットと同様に、巻上げノブ14を回転操作することでフイルム巻上げが行われ、レリーズボタン11の押圧操作で撮影が行われる。充電操作部材10は、図示されるオフ位置と、このオフ位置から上方に移動したオン位置との間でスライド自在にされている。充電操作部材10をオン位置とすると、ストロボ発光のための充電が行われ、充電完了後にレリーズボタン11を押圧操作すると、撮影に同期してストロボ発光部9から被写体に向けてストロボ光が照射される。充電操作部材10をオフ位置とすると、充電が停止されるとともに、ストロボ発光が禁止される。ストロボ発光部9の前面には、ストロボ光量を小さくするための遮光板15が設けられている。
【0011】
レンズ付きフイルムユニット2のユニット本体5の構成を図3に示す。ユニット本体5は、本体基部20,前カバー21,後カバー22,ストロボ装置23等から構成され、未露光の写真フイルム24がパトローネ25とともに製造時に装填されている。写真フイルム24としては、135タイプのものを用いているが、その他のタイプ、例えばIX240形式のものであってもよい。
【0012】
本体基部20の両側には、フイルムロール室26と、パトローネ室27とが設けられている。フイルムロール室26には、パトローネ25から引き出されてロール状に巻かれた写真フイルム24が収納され、パトローネ室27にはパトローネ25が収納される。また、本体基部20の中央には、写真フイルム24上での撮影コマのサイズ、すなわち露光画面を画定するアパーチャ(図示せず)が形成されており、このアパーチャの前面に露光ユニット28が組み付けられる。
【0013】
露光ユニット28は、撮影レンズ7から写真フイルム24までの間の撮影光路を遮光する遮光筒29の外側にレリーズボタン11の押圧操作に応答してシャッタ羽根を駆動するシャッタ機構や、撮影可能な残りコマ数を表示するフイルムカウンタ機構等を構成する各種部品や、撮影レンズ7,ファインダ8のレンズ等を組み付けたものである。なお、この室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2の遮光筒29としては、後述するシャッタ速度を高速化するためのストッパーがないものが用いられる。また、本体基部20に遮光筒29を一体に設けてもよい。
【0014】
巻上げノブ14は、パトローネ室27の上部に回転自在に配されており、その下部に一体に設けられた軸がパトローネ25のスプール25aの一端に係合する。これにより、巻上げノブ14を矢線方向に回転操作すると、撮影済の写真フイルム24の部分がパトローネ25内に巻き上げられるとともに、未露光の部分がアパーチャの背後にセットされる。
【0015】
前カバー21は、ファインダ8の対物側窓8aやレリーズボタン11が形成されている他、撮影レンズ7,ストロボ発光部9,充電操作部材10を露呈するための開口31〜33が形成されている。この室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2の前カバー21には、ストロボ発光部9を露呈させる開口32内に遮光板15が一体に設けられている。この前カバー21は、ストロボ装置23が組み付けられた本体基部20の前面側に組み付けられる。なお、前カバー21に遮光板15を一体に形成する代わりに、遮光板15を別部品として製造して前カバーに取り付け、前カバーを屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3と共通の部品としてもよい。
【0016】
後カバー22は、写真フイルム24とパトローネ25を収納した本体基部20の背面側を覆う。また、後カバー22には、底蓋35,36が形成されている。これらの底蓋35,36は、フイルムロール室26とパトローネ室27の底部を光密に閉じる。底蓋36は、撮影済の写真フイルム24を収納したパトローネ25を取り出す際に開かれる。
【0017】
ストロボ装置23は、ストロボ回路基板37にストロボ発光部9,シンクロスイッチ38,メインコンデンサ39,電池40等を組み付けてユニット化したものである。充電操作部材10をオン位置に移動することによって、ストロボスイッチを構成する金属片42がストロボ回路基板37上の接点(図示省略)に接触する。これにより、ストロボスイッチがオンとなってメインコンデンサ39が充電されるとともに、ストロボ発光が許容される。後述するようにシャッタ羽根の開閉に同期してシンクロスイッチ38がオンとなると、メインコンデンサ39が放電されてストロボ発光部9からストロボ光が放出される。
【0018】
ストロボ装置23は、室内タイプ及び屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット2,3で共通のものが用いらる。ストロボ装置23は、その発光量が屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3の絞り値とフイルム感度との組み合わせで、所定の撮影距離の被写体に対して適正露出となるようにされている。室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2では、上述の遮光板15によってストロボ光の一部をカットすることで、その絞り値とフイルム感度との組み合わせで、所定の撮影距離の被写体に対して適正露出とする。
【0019】
図4に示すように、遮光筒29の前面には、シャッタ開口45が形成されている。シャッタ羽根46は、ベース部47と、羽根部48と、これらベース部47と羽根部48を接続する連結部49とからなる。シャッタ羽根46は、そのベース部47に設けられた孔47aにピン51が挿通されることによって、遮光筒29に回動自在に取り付けられている。ベース部47に設けられたピン47bに復帰バネ52の一端が掛けられることにより、シャッタ羽根46は、その羽根部48で、シャッタ開口45を塞ぐ閉じ位置に向けて付勢されており、通常はその閉じ位置に保持されている。
【0020】
シャッタ駆動レバー53は、シャッタレリーズ機構を構成する部品の一つであり、フイルム巻上げに連動してシャッタチャージ機構によってチャージ位置に回動される。そして、レリーズボタン11の押圧に応答して、図中矢線方向に回動して瞬間的にリリース位置にまで回動する。その際にベース部47の突出部47cが蹴飛ばされ、シャッタ羽根46が復帰バネ52の付勢に抗して図中時計方向に向けて回動する。そして、シャッタ開口45を全開させる全開位置を経て、ストッパーピン55(図6参照)に当接する移動端位置に達し、その後は復帰バネ52の付勢によって閉じ位置に戻る。
【0021】
ベース部47にシンクロスイッチ38をオンとするための押圧突起47dが設けられており、この押圧突起47dの回動軌跡内にシンクロスイッチ38の各接片38a,38bの自由端が配されている。シンクロスイッチ38は、上側接片38a及び下側接片38bと、各接片38a,38bを上下に所定の間隔で保持するホルダ38cとから構成されている。各接片38a,38bは、導電性を有する金属製とされ、また比較的に弱い力で自由端(他端)が上下方向に移動するように弾性変形可能にされている。シャッタ羽根46が閉じ位置から移動端位置に向けての回動時に、押圧突起47dが上側接片38aを押下し、下側接片38bに接触させ、シンクロスイッチ38をオンとする。このシンクロスイッチ38のONにより、ストロボ発光が行われる。
【0022】
シャッタ開口45の前方には、絞り板56(図6参照),撮影レンズ7が配されている。絞り板56には、室内タイプに応じた比較的に大きな開口径、例えばF5.6の絞り開口56aが形成されている。
【0023】
図2に示されるように、外観的には、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3は、そのラベル60に「屋外用」の文字が記されている点と、ストロボ発光部9の前面に遮光板15が設けられていない点の他は、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2と同じである。
【0024】
上記のように、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3では、遮光板15を設けていないため、前カバー21に代えて遮光板15が形成されていない前カバー61が用いられる。これにより、ストロボ装置23からのストロボ光を減光することなく被写体に向けて照射する。
【0025】
また、図5に示すように、遮光筒29に代えて、上面にストッパー62aが一体に形成された遮光筒62が用いられ、絞り板56に代えて、比較的に小さな開口径、例えばF14.0の絞り開口63aが形成された絞り板63(図7参照)が用いられる。ストッパー62aは、シンクロスイッチ30の下側接片38bの自由端側の下面に当接または近接して配されている。屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3のその他の構成部材は、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2と同じとされている。なお、図2,図5では、レンズ付きフイルムユニット2と同じものには同じ符号を付してある。
【0026】
室内タイプ,屋外タイプのいずれの場合でも、シャッタレリーズが行われると、シャッタ羽根46の押圧突起47dに押圧されたシンクロスイッチ38の上側接片38aが弾性変形されて下側接片38bに接触し、シンクロスイッチ38がオンとなってストロボ発光が行われる。
【0027】
室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2では、図6に示すように、上側接片38aが接触した下側接片38bは、ストッパーで規制されず弾性変形するため、シャッタ羽根46は移動端位置まで回動する。その結果、シャッタ羽根46の回動角が大きくなり、閉じ位置に復帰するまでの時間が長くなって、比較的に遅いシャッタ速度が得られる。例えば1/45秒のシャッタ速度を得ることができる。
【0028】
一方、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3では、図7に示すように、上側接片38aが接触した下側接片38bは、下側への弾性変形がストッパー62aで規制される。このため、シャッタ羽根46は移動端位置への途中で回動が阻止される。これにより、シャッタ羽根47の回動角が小さくなり、短時間で閉じ位置に復帰する。これにより、ストッパー62aがない場合と比べて高速なシャッタ速度が得られる。例えば1/110秒のシャッタ速度を得ることができる。
【0029】
なお、シンクロスイッチ38は、シャッタ羽根46が全開位置と移動端位置との間でオンとなるようにされており、これを妨げないようにストッパー62aが設けられる。
【0030】
上記のように構成されたレンズ付きフイルムユニット2,3の組み立て工程について、図8を参照しながら説明する。本体基部20に、巻上げノブ14,露光ユニット29が組み付けられる。露光ユニット29は、例えば別工程によって予め組み立てられている。この露光ユニット29の組み立てでは、室内タイプまたは屋外タイプに応じて、遮光筒29または遮光筒62が選択される。
【0031】
室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2用には、ストッパーがない遮光筒29が選択され、これにシャッタ機構や、撮影可能な残りコマ数を表示するフイルムカウンタ機構等を構成する各種部品や、室内タイプ用の絞り板56,撮影レンズ7,ファインダ8のレンズ等が組み付けられる。一方、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3用には、ストッパー62aが形成された遮光筒62が選択され、これにシャッタ機構や、撮影可能な残りコマ数を表示するフイルムカウンタ機構等を構成する各種部品や、屋外タイプ用の絞り板63,撮影レンズ7,ファインダ8のレンズ等が組み付けられる。すなわち、露光ユニット29の組み立て工程では、室内タイプと屋外タイプの2種類の露光ユニット29を組み立てるが、遮光筒と、絞り板とが異なるだけであり、その他の部品は共通である。
【0032】
本体基部20に露光ユニット29が組み付けられた後、その本体基部20にストロボ装置23が組み付けられる。そして、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2用の本体基部20には、遮光板15が設けられた前カバー21が、屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3用の本体基部20には、遮光板15がない前カバー61が組付けられる。
【0033】
前カバー21または前カバー61が組み付けられた本体基部21は、写真フイルム24の装填工程に送られ、パトローネ25から引き出されてロール状にされた写真フイルム24がフイルムロール室26に、またそのパトローネ25がパトローネ室27にぞれそれ装填される。装填完了後に後カバー22が本体基部20の背面に組み付けられ、フイルムロール室26とパトローネ25が底蓋35,36で閉じられる。
【0034】
以上のようにして、ユニット本体5が完成し、タイプに応じたラベル6またはラベル50が貼付されて、室内タイプのレンズ付きフイルムユニット2または屋外タイプのレンズ付きフイルムユニット3が完成する。
【0035】
上記のように2種類のレンズ付きフイルムユニット2,3のユニット本体5は、遮光筒,絞り板,前カバーの他は、全て共通な部品が用いることができ、製造コストの削減,生産効率の向上を図ることができる。
【0036】
上記実施形態では、異なる種類(タイプ)のレンズ付きフイルムユニット間での差別化を明確にするために、遮光板の有無や絞り値をレンズ付きフイルムユニットの種類毎に変更したが、ストッパーの有無によりシャッタ速度だけを変更することができる。もちろん、写真フイルムのフイルム感度,撮影レンズの焦点距離,外観のデザインなども変更することもできる。
【0037】
また、上記実施形態では、ストッパーを遮光筒と一体に形成しているため、シャッタ速度に応じた遮光筒を用いているが、ストッパーと遮光筒とを別部品として作成し、高速なシャッタ速度とする場合に、ストッパーを遮光筒に組み付けてもよい。また、ストッパーは、遮光筒に限らず、本体基部,前カバーなどに設けてもよい。
【0038】
上記実施形態では、低速と高速の2種類のシャッタ速度を採用したが、例えば図8に示すように、シンクロスイッチ38の下側接片38bのホルダ38c側の端部にストッパーを配して、中速のシャッタ速度を得ることもできる。また、ストッパーの位置を変更することで所望とするシャッタ速度を調整することができる。
【0039】
さらに、撮影モードを選択する操作部材の操作に連動して、シンクロスイッチの下側接片の自由端側の下方に入り込んだ挿入位置と退避した位置との間で移動するストッパーを別部品として作成し、このストッパーの組み付けの有無により、選択する撮影モードに応じてシャッタ速度が切り換わるレンズ付きフイルムユニットと、シャッタ速度が固定されたレンズ付きフイルムユニットとを容易に作り分けることもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットの製造方法によれば、シャッタ羽根の全開位置から移動端位置への移動途中でストロボ装置のシンクロスイッチを構成する第1の接片と第2接片とを介してシャッタ羽根の押圧部を受け止めるストッパーの有無、あるいはストッパーの位置を選択することによってシャッタ速度の異なるレンズ付きフイルムユニットを製造するから、シャッタ速度の異なる複数種類のレンズ付きフイルムユニットの各種部品を共通化でき、また製造コストの削減,生産効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した低速なシャッタ速度のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明を実施した高速なシャッタ速度のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】図1のレンズ付きフイルムユニットのユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1のレンズ付きフイルムユニットの要部構成を示す分解斜視図である。
【図5】図2のレンズ付きフイルムユニットの要部構成を示す分解斜視図である。
【図6】ストッパーがない場合のシャッタ羽根の作動を説明する説明図である。
【図7】ストッパーを設けた場合のシャッタ羽根の作動を説明する説明図である。
【図8】レンズ付きフイルムユニットの組み付け工程を示すものである。
【図9】シャッタ速度を中速とした例を示すものである。
【符号の説明】
2,3 レンズ付きフイルムユニット
5 ユニット本体
23 ストロボ装置
29,62 遮光筒
38 シンクロスイッチ
38a,38b 接片
46 シャッタ羽根
47d 押圧部
62a ストッパー
Claims (2)
- 露光開口を閉じる閉じ位置と移動端位置との間で移動自在とされるとともに閉じ位置に向けて付勢されており、レリーズ操作に応答して閉じ位置から移動端位置に向けて移動し、付勢力によって閉じ位置に戻るシャッタ羽根と、弾性変形可能な第1の接片と第2の接片とを有しこれら接片が接触されることによりオンとなってストロボを発光させるシンクロスイッチと、シャッタ羽根のシャッタ開口を全開する全開位置から移動端位置への移動途中で第1の接片を押圧して弾性変形させて第2の接片に接触させるシャッタ羽根に設けられた押圧部とを備えるレンズ付きフイルムユニットの製造方法において、
前記第2の接片に当接又は近接し、シャッタ羽根の全開位置から移動端位置への移動途中で第1の接片と第2接片とを介して押圧部を受け止めるストッパーの有無、またはストッパーの位置を選択することにより、シャッタ速度の異なるレンズ付きフイルムユニットを製造することを特徴とするレンズ付きフイルムユニットの製造方法。 - 前記ストッパーは、撮影レンズと写真フイルムとの間を遮光する遮光筒に一体に設けることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットの製造方法。
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