JP2006028351A - 反応染料組成物、及びその繊維材料への適用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、スカーレット色の染料と赤色の染料の相容性が良好であり、上記染色物の色違いが生じない緋赤色の反応染料組成物を提供することにある。
また、本発明は、上記反応染料組成物を用いて繊維材料を染色又は捺染する方法を提供するものである。
[式中、X1はフッ素原子、塩素原子又は下式(IIa)で示される基を表す。X2は下式(IIb)で示される基を表す。
−N(R1)−A1−SO2−Y1 (IIa)
−N(R2)−A2−SO2−Y2 (IIb)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。A1及びA2は、それぞれ独立にフェニレン基を表し、該フェニレン基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。Y1及びY2は、それぞれ独立に−CH=CH2又は−CH2CH2L1を表す。L1はアルカリの作用で脱離する基である。)]
[式中、X3は下式(IVa)で示される繊維反応基を表す。X4は下式(IVb)、(IVc)又は(IVd)で示される基を表す。
−N(R3)−A3−SO2−Y3 (IVa)
−N(R4)−R5 (IVb)
(IVc)
−OR6 (IVd)
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。A3はフェニレン基を表し、該フェニレン基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。Y3は−CH=CH2又は−CH2CH2L2を表し、L2はアルカリの作用で脱離する基を表す。R4、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又はフェニル基を表し、該フェニル基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。Tは−CH2−、−O−、−S−、−SO2−又は−N(R13)−を表す。R13は水素原子、フェニル基又はアルキル基を表す。該フェニル基及びアルキル基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。mは1、2又は3である。)]
また、本発明の繊維材料の染色又は捺染方法によれば、上記の染色条件が変動した場合であっても、上述した色違いが生じない。
式(I)におけるX1は、フッ素原子、塩素原子又は上式(IIa)で示される基を表し、X2は上式(IIb)で示される基を表す。式(IIa)におけるR1及び式(IIb)におけるR2は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基やsec−ブチル基等を挙げることができる。好ましいR1及びR2は水素原子、メチル基やエチル基であり、特に好ましいR1及びR2は水素原子である。
<繊維反応基>
セルロースのヒドロキシル基又はポリアミドのアミノ基及び場合によりカルボキシル基と共有化学結合の形成下に反応し得る基。
そして、該繊維反応基の具体例は、特開平8−48897号公報の段落番号0023に記載されている。
上記のL1としては、例えば、硫酸エステル基、チオ硫酸エステル基、燐酸エステル基、酢酸エステル基やハロゲン原子、又はピリジニオ基等を挙げることができる。該ピリジニオ基における1〜2個の水素原子は、カルボキシル基及びウレイド基からなる群より選ばれる1〜2個の置換基で置換されていてもよい。
かかるフェニレン基としては、例えば、以下の基等を挙げることができる。特に、フェニレン基における水素原子の1個又は2個が、メチル基及びメトキシ基からなる群より選ばれる1個又は2個の非繊維反応基で置換されていてもよいフェニレン基が好ましい。
フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−、3−又は4−イソプロピルフェニル、2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2−カルバモイルフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、4−カルバモイルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−スルホフェニル基、3−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−スルホ−4−メトキシフェニル基、2−スルホ−4−アセチルアミノフェニル基、2−カルボキシ−4−アセチルアミノフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基及び2,5−ジメトキシフェニル基等。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3,4−ジヒドロキシブチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、1,2−ジカルボキシエチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、4−カルバモイルブチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、4−メトキシカルボニルブチル基、4−エトキシカルボニルブチル基、メチルカルボニルオキシメチル基、エチルカルボニルオキシメチル基、2−メチルカルボニルオキシエチル基、2−エチルカルボニルオキシエチル基、3−メチルカルボニルオキシプロピル基、3−エチルカルボニルオキシプロピル基、4−メチルカルボニルオキシブチル基、4−エチルカルボニルオキシブチル基、スルホメチル基、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、スルファモイルメチル基、2−スルファモイルエチル基、3−スルファモイルプロピル基、4−スルファモイルブチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、4−クロロブチル基や4−ブロモブチル基等。
特に好ましい反応染料(I)及び(III)は、ソーダ塩、カリウム塩、リチウム塩及びそれらを含有する混合物である。
また、本発明の反応染料組成物の形態は、粉末状であってもよく、顆粒状であってもよく、水性の液体状であってもよい。
本発明における反応染料(I)は、例えば特開昭63−101458号公報に記載の方法で製造することができる。また、反応染料(III)は、例えば特開昭60−173060号公報に記載の方法で製造することができる。
本発明の反応染料組成物は、上述の材料上、特に上述の繊維材料上に、物理的化学的性状に応じた方法で染色又は捺染することができる。具体的には、吸尽染色法、コールドバッチアップ法、連続染色法や捺染法等の方法により、上述の繊維上に染色又は捺染する方法を挙げることができる。
例えば、セルロース繊維上に吸尽染色法で染色する際は、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、第三燐酸ソーダや苛性ソーダ等のアルカリの存在下、必要に応じて芒硝や食塩等の中性塩を加え、溶解助剤、浸透剤や均染剤等を必要に応じて併用し、30〜100℃程度の温度で染色する方法等が例示される。アルカリや中性塩等は、一度に添加してもよく、分割して添加してもよい。
セルロース繊維上にコールドバッチアップ法で染色する際は、芒硝や食塩等の中性塩と苛性ソーダやケイ酸ソーダ等のアルカリを用いてパジング後、密閉包装材料中に一定温度で放置して処理する方法等が例示される。
セルロース繊維上に連続染色法で染色する際は、炭酸ソーダや重炭酸ソーダ等のアルカリの存在下、室温又は室温よりも高められた温度でパジング後、スチーミング又は乾熱により処理する一相パジング法;上記の反応染料組成物が溶解しているパジング液に繊維を浸漬後、芒硝又は食塩等の中性塩と苛性ソーダ又はケイ酸ソーダ等のアルカリをパジングし、スチーミング又は乾熱することにより処理する二相パジング法等が例示される。
セルロース繊維上に捺染する場合は、重曹等のアルカリを含有する捺染ペーストを用いて一相で印捺後、80℃以上の高温でスチーミングする方法や;中性又は弱酸性の捺染ペーストを用いて二相で印捺した後に電解質含有のアルカリ性浴に通過させた後、又はアルカリ性の電解質含有パジング液でオーバパジングした後に、スチーミング又は乾熱処理する方法等が例示される。上記の捺染ペーストには、アルギン酸ソーダや澱粉エーテル等の糊剤及び/又は乳化剤を含んでいてもよく、必要に応じて、尿素等の捺染糊剤及び/又は分散剤を含んでいてもよい。
本発明の反応染料組成物は、所望の色相を得るために、必要に応じて本発明の特徴を損なわない範囲で他の染料と混合して使用することができる。混合して使用する染料としては、反応染料であれば特に制約はないが、例えば、反応基としてスルファトエチルスルホン基、ビニルスルホン基、モノクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、モノニコチン酸トリアジン基、ジクロロトリアジン基、ジフルオロモノクロロピリミジン基及びトリクロロピリミジン基の1種以上を1つ以上有する染料;Sumifix、Sumifix HF、Sumifix Supra、Remazol、Levafix、ReaNova、Procion、Cibacron、Basilen、Drimarene、Kayacion、Kayacelon React等の冠称名で市販されている染料、更には、特開昭50−178号公報、特開昭56−9483号公報、特開昭56−15481号公報、特開昭56−118976号公報、特開昭56−128380号公報、特開昭57−2365号公報、特開昭57−89679号公報、特開昭57−143360号公報、特開昭59−15451号公報、特開昭58−191755号公報、特開昭59−96174号公報、特開昭59−161463号公報、特開昭60−6754号公報、特開昭60−123559号公報、特開昭60−229957号公報、特開昭60−260654号公報、特開昭61−155469号公報、特開昭61−225256号公報、特開昭63−77974号公報、特開昭63−225664号公報、特開平1−185370号公報、特開平3−770号公報、特開平5−32907号公報、特開平5−247366号公報、特開平6−287463号公報に記載されている染料及びC.I.Reactive Blue 19、C.I.Reactive Black5で表される染料等が例示される。
また、本発明の反応染料組成物は、セルロース繊維材料を緋赤色の色調に染色することができ、洗濯堅牢度等に優れた染色物を与える。
このようにして得た組成物0.08g及び無水芒硝5.0gを、綿繊維からなる編み物5gをセットした染色装置(浴比1:20、浴温は70℃)中に投入し、投入後70℃で約20分間編み物を処理し、次いで炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入し、更に後70℃で60分間編み物を染色後、洗浄した。斑のない均一で濃い緋赤色の染色物を得た。また、上記染色の再現性も良好であった。
遊離酸の形で表すと、下式(3)
遊離酸の形で表すと、上式(1)で示される染料300部、遊離酸の形で表すと、上式(3)で示される染料200部、及び遊離酸の形で表すと、上式(2)で示される染料500部を混合して、緋赤色の反応染料組成物を得た。
このようにして得られる組成物0.10g及び無水芒硝5.0gを、綿繊維からなる編み物5gをセットした染色装置(浴比1:20、浴温は70℃)中に投入し、投入後70℃で約20分間編み物を処理し、次いで、炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入し、更に70℃で60分間編み物を染色後、洗浄した。斑のない均一で濃い緋赤色の染色物を得た。また、上記染色の再現性も良好であった。
実施例1で得た緋赤色の反応染料組成物200部を熱水で溶解後、25℃迄冷却し、アルギン酸ソーダ1部、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ10部及び炭酸水素ナトリウム20部を添加し、更に水を加えて全量を25℃で1000部とし、この液をパジング液として木綿織物をパジングし、織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で5分間スチーミングして染料を固着させる。均一な濃い赤色であり、洗濯堅牢度及び汗日光堅牢度が良好な染色物が得られる。また、上記染色の再現性は良好である。
実施例1で得た反応染料組成物を用いて、以下の組成をもつ色糊を作る。
実施例1で得た反応染料組成物30gをそれぞれ熱水に溶解した後、25℃に冷却する。この染料溶液に32.5%苛性ソーダ水溶液15g及び50度ボーメの水ガラス150gを添加し、更に25℃で水を加えて全量を1000gとした直後に、この液をパジング液として木綿織物をパジングする。パジングした木綿織物を巻き上げ、ポリエチレンフィルムで密閉して25℃の室温で20時間放置した後、常法で洗浄し、乾燥して仕上げる。 均一で濃い赤色の染色物が得られる。
また、本発明の染色方法で得られる繊維材料は、均一で斑のないものである。
Claims (7)
- 遊離酸の形で表すと、下式(I)で示される反応染料と、遊離酸の形で表すと、下式(III)で示される反応染料とを含有してなる反応染料組成物。
(I)
[式中、X1はフッ素原子、塩素原子又は下式(IIa)で示される基を表す。X2は下式(IIb)で示される基を表す。
−N(R1)−A1−SO2−Y1 (IIa)
−N(R2)−A2−SO2−Y2 (IIb)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。A1及びA2は、それぞれ独立にフェニレン基を表し、該フェニレン基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。Y1及びY2は、それぞれ独立に−CH=CH2又は−CH2CH2L1を表す。L1はアルカリの作用で脱離する基である。)]
(III)
[式中、X3は下式(IVa)で示される繊維反応基を表す。X4は下式(IVb)、(IVc)又は(IVd)で示される基を表す。
−N(R3)−A3−SO2−Y3 (IVa)
−N(R4)−R5 (IVb)
(IVc)
−OR6 (IVd)
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。A3はフェニレン基を表し、該フェニレン基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。Y3は−CH=CH2又は−CH2CH2L2を表し、L2はアルカリの作用で脱離する基を表す。R4、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又はフェニル基を表し、該フェニル基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。Tは−CH2−、−O−、−S−、−SO2−又は−N(R13)−を表す。R13は水素原子、フェニル基又はアルキル基を表す。該フェニル基及びアルキル基における水素原子は非繊維反応基で置換されていてもよい。mは1、2又は3である。)] - 式(I)におけるX1が式(IIa)で示される基であり、A1及びA2が無置換のフェニレン基である請求項1に記載の反応染料組成物。
- 式(I)におけるX1が塩素原子であり、X2が式(IIb)で示される基であり、A2が無置換のフェニレン基である請求項1に記載の反応染料組成物。
- 式(III)におけるX4が式(IVb)又は(IVc)で示される基であり、X3が式(IVa)で示される基であり、且つ、該式(IVa)におけるA3が無置換のフェニレン基である請求項1〜3のいずれかに記載の反応染料組成物。
- 式(I)で示される反応染料及び式(III)で示される反応染料の重量割合が、99:1〜1:99の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の反応染料組成物。
- 式(I)で示される反応染料及び式(III)で示される反応染料の重量割合が、90:10〜10:90の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の反応染料組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の反応染料組成物を用いることを特徴とする繊維材料の染色又は捺染方法。
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