JP3754516B2 - モノアゾ化合物及びそれを用いる繊維材料の染色又は捺染方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なビニルスルホン系のモノアゾ化合物、及び、それを用いる繊維材料の染色または捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の反応染料が知られており、繊維材料の染色または捺染の分野に広く使用されている。例えば、ビニルスルホン系の反応染料としては、
【0003】
【0004】
〔式中、Aはフェニレン類又はナフチレン類を表し、Yは脂肪族系の2価基を表し、Z1及びZ2は互いに独立に、―CH=CH2又は―CH2CH2−Zを表し、ここにZはアルカリの作用で脱離する基を表し、Rは水素原子等を表し、Fはモノアゾ系の有機染料残基を表す。〕
で示されるモノアゾ化合物(特開平5−32907号公報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、それらのモノアゾ化合物を反応染料として用いて繊維材料を染色又は捺染しても、現在の要求水準に比し、吸尽特性、固着率、ビルドアップ性、カラーバリュー、未固着染料の繊維材料からの洗浄除去の容易さ、乾燥状態、湿潤状態及び溶液状態での保存安定性、再現性、溶解性、他の反応性染料との相容性、配合染色における染め上がり具合、より経済的な染色処方への適性等、並びに、全般的堅牢性、例えば、耐光堅牢性、耐汗堅牢性、耐汗日光堅牢性、耐塩素堅牢性、耐酸加水分解堅牢性、耐アルカリ堅牢性、耐洗濯堅牢性、耐過酸化洗濯堅牢性、熱変色性、ホトトロピー性、繊維−染料の結合安定性等を十分満足することはなく、これらを十分満足し得る黄色の反応染料の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、染色又は捺染処理において、吸尽特性が優れ、固着率が高く、優れたビルドアップ性と高いカラーバリューを示し、未固着染料の繊維材料からの洗浄除去が容易で、乾燥状態、湿潤状態及び溶液状態での保存安定性が良く、再現性、溶解性、他の反応性染料との相容性、配合染色における染め上がり具合、経済的な染色処方への適性等が良好で、しかも、全般的堅牢性、例えば、耐光堅牢性、耐汗堅牢性、耐汗日光堅牢性、耐塩素堅牢性、耐酸加水分解堅牢性、耐アルカリ堅牢性、耐洗濯堅牢性、耐過酸化洗濯堅牢性、熱変色性、ホトトロピー性、繊維−染料の結合安定性が良好な黄色の染色物及び捺染物を与える反応染料を開発すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有するビニルスルホン系のモノアゾ化合物が、目的とする性能を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、遊離酸の形が、下式(I)
【0007】
【0008】
〔式中、R 1 は水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を表し、lは2または3を表し、Z 1 およびZ 2 は、互いに独立に、―CH=CH2または―CH2CH2−Zを表し、ここにZはアルカリの作用で脱離する基を表す。〕
で示されるモノアゾ化合物及びその塩、並びにそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法を提供する。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明におけるモノアゾ化合物は、遊離酸の形が前記式(I)で示されるものであり、R 1 は水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を表す。
かかる低級アルキル基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル等の炭素数1〜4個のアルキル基を挙げることができ、その置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基、ハロゲノ基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、およびスルホ基等を挙げることができる。
【0010】
R 1 における置換されていてもよい低級アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、クロロメチル、ブロモメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、4−クロロブチル、4−ブロモブチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、1,2−ジカルボキシエチル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−メトキシカルボニルブチル、4−エトキシカルボニルブチル、メチルカルボニルオキシメチル、エチルカルボニルオキシメチ、2−メチルカルボニルオキシエチル、2−エチルカルボニルオキシエチル、3−メチルカルボニルオキシプロピル、3−エチルカルボニルオキシプロピル、4−メチルカルボニルオキシブチル、4−エチルカルボニルオキシブチル、スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル等を挙げることができる。
【0011】
R 1 としては、中でも、水素原子、メチル又はエチルが好ましい。
【0012】
また、本発明におけるモノアゾ化合物(I)において、Z 1 およびZ 2 は、互いに独立に、−CH=CH2または−CH2CH2−Zを表し、ここにZはアルカリの作用で脱離する基を表す。
Zとしては、硫酸エステル基及びクロロが好ましい。
従って、Z 1 およびZ 2 の好ましい具体例としては、−CH=CH2、−CH2CH2OSO3H、−CH2CH2Clなどを挙げることができ、中でも、−CH2CH2OSO3Hが特に好ましい。
【0013】
本発明におけるモノアゾ化合物(I)は遊離酸の形であっても、その塩の形であっても、又、それらの混合物の形であってもよい。好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びそれらを含有する混合物であり、中でもソーダ塩、カリウム塩、リチウム塩及びそれらを含有する混合物が好ましい。
【0014】
本発明におけるモノアゾ化合物(I)の製造方法は特に限定されないが、例えば、次のようにして製造することができる。下式 (II)
【0015】
【0016】
で示される化合物と、下式 (III)
NH 2 −(CH 2 )l−SO 2 Z 2 ( III )
〔式中、lは2または3を表し、Z 2 は前記と同じ意味を表す。]
で示される化合物と、下式(IV)
【0017】
【0018】
〔式中、R 1 およびZ 1 は前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物を、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジンまたは2,4,6−トリフルオロ−s−トリアジンに、任意の順序でそれぞれ縮合させることにより製造することができる。
【0019】
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジンまたは2,4,6−トリフルオロ−s−トリアジンとの縮合反応において、その順序は特に制限されるものではなく、また反応条件も特に制限されないが、一次的には温度−10℃〜40℃でpH1〜9、二次的には温度0〜70℃でpH4〜10、三次的には温度10〜100℃でpH1〜8に調整しながら縮合させる。
【0020】
式(II)で示される化合物の製造方法も特に限定されないが、例えば、下式 ( V )
【0021】
【0022】
で示される化合物をジアゾ化し、次いで下式(VI)
【0023】
【0024】
で示される化合物とジアゾカップリングを行うことにより、式 (II)の化合物を得ることができる。
【0025】
式 (IV)で示される化合物としては、例えば、
【0026】
【0027】
等を挙げることができる。
【0028】
また、式(III)で示される化合物としては、例えば
H2NCH2CH2SO2CH=CH2
H2NCH2CH2CH2SO2CH=CH2
H 2 NCH 2 CH 2 SO 2 CH 2 CH 2 OSO 3 H
H2NCH2CH2CH2SO2CH2CH2OSO3H
H2NCH2CH2SO2CH2CH2OCOCH3
H2NCH2CH2CH2SO2CH2CH2OCOCH3
H 2 NCH 2 CH 2 SO 2 CH 2 CH 2 Cl
H2NCH2CH2CH2SO2CH2CH2Cl
【0029】
等が挙げられ、中でも、
【0030】
H2NCH2CH2SO2CH=CH2
H2NCH2CH2CH2SO2CH=CH2
H 2 NCH 2 CH 2 SO 2 CH 2 CH 2 OSO 3 H
H2NCH2CH2CH2SO2CH2CH2OSO3H
H 2 NCH 2 CH 2 SO 2 CH 2 CH 2 Cl
H2NCH2CH2CH2SO2CH2CH2Cl
が好ましい。
【0031】
本発明の化合物は、ビニルスルホン系の繊維反応基を有し、繊維材料を染色及び捺染する染料として用いることができる。かかる繊維材料としては、ヒドロキシ基及び/又はアミド基を含有するものであれば特に限定されないが、例えば、天然又は再生セルロース繊維、天然又は合成ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、皮革、及びこれらを含有する混紡材料等を挙げることができる。
【0032】
天然セルロース繊維として、具体的には、木綿、ネリン、麻、ジュート、ラミー繊維等を挙げることができる。好ましくは、木綿である。
【0033】
再生セルロース繊維として、具体的には、レーヨン、ポリノジック、キュプラ繊維、及び商品名「テンセル」、「タフセル」、「モダール」、「セルティマ」等を挙げることができる。
【0034】
天然又は合成ポリアミド繊維として、具体的には、羊毛、絹、ポリアミド−6,6、ポリアミド−6、ポリアミド−11、ポリアミド−4等を挙げることができる。
【0035】
またこれらを含有する混紡材料としては、これら繊維材料の混紡材料の他、これらの繊維材料と、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維との混紡材料等も例示することができる。
【0036】
本発明の化合物は、上述の材料上、特に上述の繊維材料上に、物理的化学的性状に応じた方法で、染色又は捺染できる。
【0037】
具体的には、例えば、上述の繊維上に、吸尽染色法、コールドバッチアップ法、連続染色法、捺染法等の方法により染色又は捺染する方法を挙げることができる。
例えば、セルロース繊維上に吸尽染色法で染色する場合においては、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、第三燐酸ソーダ、苛性ソーダ等の酸結合剤の存在下、必要に応じて芒硝、食塩等の中性塩を加え、更に必要に応じて、溶解助剤、浸透剤又は均染剤等を併用し、30〜100℃程度の温度で染色する方法等が例示される。ここで酸結合剤、中性塩等の添加は、一度に行ってもよく、また常法により分割して行ってもよい。
【0038】
セルロース繊維上にコールドバッチアップ法で染色する場合においては、芒硝、食塩等の中性塩、及び、苛性ソーダやケイ酸ソ−ダ等の酸結合剤を用いてパジング後、密閉包装材料中に一定温度で放置して処理する方法等が例示される。
【0039】
セルロース繊維上に連続染色法で染色する場合においては、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ等の酸結合剤の存在下、公知の方法で室温又は高められた温度でパジング後、スチーミング又は乾熱により処理する一相パジング法や、本発明の化合物が溶解されているパジング液に繊維を浸漬後、芒硝又は食塩等の中性塩、及び、苛性ソーダやケイ酸ソ−ダ等の酸結合剤をパジングし、スチーミング又は乾熱することにより処理する二相パジング法等が例示される。
【0040】
セルロース繊維上に捺染する場合においては、一相で、重曹等の酸結合剤を含有する捺染ペーストで印捺し、次いで80℃以上の高温でスチーミングする方法や、二相で、例えば中性又は弱酸性の捺染ペーストで印捺し、これを電解質含有のアルカリ性浴に通過させた後、又はアルカリ性の電解質含有パジング液でオーバパジングし、その後スチーミング又は乾熱処理することにより処理する方法等が例示される。ここで、捺染ペーストには、例えばアルギン酸ソーダ、澱粉エーテル等の糊剤及び/又は乳化剤を含んでいてもよく、また必要に応じて、例えば尿素等の捺染助剤及び/又は分散剤を含んでいてもよい。
【0041】
セルロース繊維上に本発明の化合物を染色又は捺染する場合、用いられる酸結合剤は特に限定されず、上記の炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、第三燐酸ソーダ、苛性ソーダ、ケイ酸ソーダの他、苛性カリ、蟻酸ソーダ、炭酸カリ、第一又は第二燐酸ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダ等を用いることもできる。
【0042】
合成又は天然のポリアミド繊維上や、ポリウレタン繊維上に吸尽染色する場合においては、酸性〜弱酸性の染浴中、pHの制御下に、本発明の化合物を吸尽させ、次いで60〜120℃程度の温度下、中性〜アルカリ性にpHに変化させる方法等が例示される。ここで必要に応じて、均染剤等、例えば、塩化シアヌルとアミノベンゼンスルホン酸の縮合生成物、塩化シアヌルとアミノナフタレンスルホン酸の縮合生成物、ステアリルアミンとエチレンオキサイドとの付加生成物等の均染剤等を用いても差し支えない。
【0043】
本発明の化合物は、所望の色相を得るために、必要に応じて本発明の特徴を損なわない範囲で、他の染料と混合して使用することができる。混合して使用する染料としては、反応染料であれば特に制約はないが、例えば、反応基としてスルファトエチルスルホン基、ビニルスルホン基、モノクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、モノニコチン酸トリアジン基、ジクロロトリアジン基、ジフルオロモノクロロピリミジン基、および、トリクロロピリミジン基の少なくとも1種を少なくとも1つ以上有する染料、又はSumifix 、Sumifix Supra 、Remazol 、Levafix 、Procion 、Cibacron、Basilen 、Drimarene 、Kayacion、Kayacelon React などの冠称名で市販されている染料、更には、特開昭50-178号、特開昭 56-9483号、特開昭56-15481号、特開昭 56-118976号、特開昭 56-128380号、特開昭 57-2365号、特開昭57-89679号、特開昭 57-143360号、特開昭59-15451号、特開昭 58-191755号、特開昭59-96174号、特開昭 59-161463号、特開昭 60-6754号、特開昭 60-123559号、特開昭 60-229957号、特開昭 60-260654号、特開昭 61-126175号、特開昭 61-155469号、特開昭 61-225256号、特開昭63-77974号、特開昭 63-225664号、特開平1-185370号、特開平 3-770号、特開平5-32907 号、特開平5-117538号、特開平5-247366号、特開平6-287463号の各公報に記載されている染料、及びC.I.Reactive Blue 19、C.I.Reactive Black 5で表される染料等が例示される。
【0044】
【発明の効果】
本発明のモノアゾ化合物は、繊維材料に対する染色及び捺染処理において、吸尽特性が優れ、固着率が高く、優れたビルドアップ性と高いカラーバリューを示し、未固着染料の繊維材料からの洗浄除去が容易で、乾燥状態、湿潤状態及び溶液状態での保存安定性が良く、再現性、溶解性、他の反応性染料との相容性、配合染色における染め上がり具合、経済的な染色処方への適性等が良好であり、これを用いることにより、全般的堅牢性、例えば、耐光堅牢性、耐汗堅牢性、耐汗日光堅牢性、耐塩素堅牢性、耐酸加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯堅牢性、耐過酸化洗濯堅牢性に優れ、熱変色性、ホトトロピー性、繊維−染料の結合安定性が良好な黄色の染色物及び捺染物が得られる。
また、本発明のモノアゾ化合物を用いて得た染色物及び捺染物は、フィックス処理時、樹脂加工時、マーセライズ加工時等における変色が小さく、保存中の塩基性物質との接触による変色も小さい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を詳細に説明する。例中、部及び%は、特記ない限り、各々、重量部及び重量%を表わす。
【0046】
比較例1
常法により合成した、遊離酸の形が式(1)
【0047】
【0048】
で示されるモノアゾ中間体51.7部と2, 4, 6−トリクロロ−s−トリアジン18.4部とをpH3〜8、温度10〜40℃で縮合させ、遊離酸の形が式(2)で示される化合物を得た。
【0049】
【0050】
これに、pH3〜8、温度10〜60℃、水性媒体中で2−(β−スルファトエチルスルホニル)エチルアミン18.4部を縮合させ、遊離酸の形が式(3)で示される化合物を得た。
【0051】
【0052】
これに、pH1〜6、温度30〜100℃、水性媒体中でアニリン−4−β−スルファトエチルスルホン28.1部を縮合させ、遊離酸の形が式(4)で示される化合物を得た。この化合物は、水溶液中でλmax420nmを示し、また木綿上で黄色の色調を与えた。
【0053】
【0054】
比較例2
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジンの代りに2,4,6−フルオロ−s−トリアジンを用いる以外は比較例1と同様の方法で合成しても、遊離酸の形が上式(4)で示される化合物が得られた。
【0055】
比較例3
モノアゾ中間体、2−(β−スルファトエチルスルホニル)エチルアミンおよびアニリン−4−β−スルファトエチルスルホンの2,4,6−トリクロロ−s−トリアジンに対する一次的縮合、二次的縮合および三次的縮合の縮合順序を替える以外は比較例1と同様に行って、遊離酸の形が上式(4)で示される化合物が得られた。
【0056】
実施例1
比較例1及び比較例2において使用したアニリン−4−β−スルファトエチルスルホンの代りにアニリン−3−β−スルファトエチルスルホンを用いる以外は比較例1及び比較例2に準拠して合成することにより、下式で示されるモノアゾ化合物(1)が得られた。このモノアゾ化合物(1)は、木綿上で中庸黄色の色調を示した。
【0057】
【0058】
実施例2
比較例1で得た化合物(2)に、2−(β−スルファトエチルスルホニル)エチルアミンの代わりに3−(β−スルファトエチルスルホニル)プロピルアミンの当量を用いる以外は比較例1と同様にして、下式で示される化合物を得た。
【0059】
【0060】
実施例3
実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物0.3部を、各々、200部の水に溶解し、芒硝20部を加え、さらに木綿10部を加えて60℃に昇温した。60℃に達してから、30分経過後、炭酸ソーダ4部を加え、同温度で1時間染色した。次いで水洗い及びソーピングを行った。水洗い時、及びソーピング時のウオッシュオフ性はいずれのモノアゾ化合物を用いた場合でも良好であり、染色排水の着色量はわずかであった。得られた染色物はいずれも均一で濃い黄色であった。染色加工時において、溶解性は良好であり、吸尽特性が優れ、固着率が高く、高いカラーバリュウーを示した。得られた染色物の耐光性、耐汗性、耐汗日光性、耐塩素性、耐加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯性、耐過酸化洗濯性の諸堅牢度は、いずれも良好であり、熱変色性、ホトトロピー性についても良好であった。
【0061】
実施例4
実施例3における芒硝の使用量を20部から10部に変える以外は、実施例3に準拠して染色を行った。得られた染色物は、実施例3で得られた染色物と同等の品質を有していた。
【0062】
実施例5
実施例3における芒硝の使用量を20部から4部に変える以外は、実施例3に準拠して染色を行った。得られた染色物は、実施例3で得られた染色物と同等の品質を有していた。
【0063】
実施例6
実施例3〜5の各々において、染色の温度を60℃から70℃に代える以外は、実施例3〜5に準拠して染色を行った。得られた染色物は、各々、実施例3〜5で得られた染色物と同等の品質を有していた。
【0064】
実施例7
実施例3〜6の各々において、各ビスアゾ化合物0.3部を用いる代わりに、各ビスアゾ化合物0.3部、及び、スルホン化度110%、平均重合度1.8のメチルナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩0.06部を用いる以外は、実施例3〜6の各々に準拠して染色を行った。得られた染色物は、各々、実施例3〜6で得られた染色物と同等の品質を有していた。
【0065】
実施例8
実施例3〜7の各々において、モノアゾ化合物0.3部を用いる代わりに、モノアゾ化合物0.1部、又は、0.6部を用いる以外は、実施例3〜7の各々に準拠して染色を行った。得られた染色物は、モノアゾ化合物0.6部を用いたものでは、0.3部を用いた実施例3〜7のものに比べて十分に濃く、実施例1〜2の化合物のビルドアップ性はいずれも良好であることがわかった。その他の品質においては、各々、実施例3〜7で得られた染色物と同等であった。
【0066】
実施例9
実施例1〜2で得られたそれぞれのモノアゾ化合物を用いて、以下の組成をもつ色糊を作った。
【0067】
色糊組成
モノアゾ化合物 5部
尿素 5部
アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部
熱湯 25部
重曹 2部
バランス(水) 13部
合 計 100部
【0068】
この色糊をシルケット加工綿ブロード上に印捺し、中間乾燥後、100℃で5分間スチーミングを行い、湯洗い、ソーピング、湯洗い、そして乾燥して、仕上げた。得られた染色物は、いずれも均一で濃い黄色であった。得られた捺染物の耐光性、耐汗性、耐汗日光性、耐塩素性、耐加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯性、耐過酸化洗濯性の諸堅牢度は、いずれも良好であり、熱変色性、ホトトロピー性についても良好な特性を示した。
【0069】
実施例10
実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物30部をそれぞれ熱水に溶解した後、25℃に冷却した。この染料溶液に、32.5%苛性ソーダ水溶液15部および50度ボーメの水ガラス150部を添加し、さらに25℃で水を加えて全量を1000部とした直後に、この液をパジング液として木綿織物をパジングした。パジングした木綿織物を巻き上げ、ポリエチレンフィルムで密閉して、25℃の室温で20時間放置した後、常法で洗浄し、乾燥して仕上げた。得られた染色物は、いずれも均一で濃い黄色であった。得られた染色物の耐光性、耐汗性、耐汗日光性、耐塩素性、耐加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯性、耐過酸化洗濯性の諸堅牢度は、いずれも良好であり、熱変色性、ホトトロピー性についても良好な特性を示した。
【0070】
実施例11
実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物20部をそれぞれ熱水に溶解した後、25℃に冷却した。この染料溶液に、アルギン酸ソーダ1部、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ10部、および重炭酸ソーダ20部を添加し、さらに25℃で水を加えて全量を1000部とした直後に、この液をパジング液として木綿織物をパジングした。パジングした木綿織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で5分間スチーミングして、染料を固着させた。得られた染色物は、いずれも均一で濃い黄色であった。得られた染色物の耐光性、耐汗性、耐汗日光性、耐塩素性、耐加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯性、耐過酸化洗濯性の諸堅牢度は、いずれも良好であり、熱変色性、ホトトロピー性についても良好な特性を示した。
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