JP2006024796A - 光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイス - Google Patents

光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体膜の結晶化と結晶化領域の周辺へのアライメントマークの形成とを同時に行うことのできる結晶化装置。
【解決手段】 入射光束を位相変調する位相領域を有する光学変調素子(1)と、光学変調素子の位相領域(1a)を介して所定の偏光状態で入射する光束を2つの非干渉性の光束に分割するための光束分割素子(2E)と、光束分割素子を介した光束に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系と、光学変調素子の位相領域以外の特定領域(1b)を介して光束分割素子に入射する光束の偏光状態を、光束分割素子において実質的に分割されない偏光状態に設定するための偏光状態設定手段(7,8,9)とを備えている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイスに関する。特に、本発明は、所定の光強度分布を有するレーザ光を非単結晶半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に関するものである。
従来、たとえば液晶表示装置(Liquid-Crystal-Display:LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:TFT)は、非晶質シリコン(amorphous-Silicon)や多結晶シリコン(poly-Silicon)を用いて形成されている。
多結晶シリコンは、非晶質シリコンよりも電子または正孔の移動度が高い。したがって、多結晶シリコンを用いてトランジスタを形成した場合、非晶質シリコンを用いて形成する場合よりも、スイッチング速度が速くなり、ひいてはディスプレイの応答が速くなる。また、周辺LSIを薄膜トランジスタで構成することが可能になる。さらに、他の部品の設計マージンを減らせるなどの利点がある。また、ドライバ回路やDACなどの周辺回路をディスプレイに組み入れる場合に、それらの周辺回路をより高速に動作させることができる。
多結晶シリコンは結晶粒の集合からなるため、例えばTFTトランジスタを形成した場合、チャネル領域に結晶粒界が形成され、この結晶粒界が障壁となり単結晶シリコンに比べると電子または正孔の移動度を低くする。また、多結晶シリコンを用いて形成された多数の薄膜トランジスタは、チャネル部に形成される結晶粒界数が各薄膜トランジスタ間で異なり、これがバラツキとなって液晶表示装置であれば表示ムラの問題となる。そこで、最近、電子または正孔の移動度を向上させ且つチャネル部における結晶粒界数のバラツキを少なくするために、少なくとも1個のチャネル領域を形成できる大きさの大粒径の結晶化シリコンを生成する結晶化方法が提案されている。
従来、この種の結晶化方法として、多結晶半導体膜または非単結晶半導体膜と平行に近接させた位相シフターにエキシマレーザ光を照射して結晶化半導体膜を生成する「位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)法」が知られている。位相制御ELA法の詳細は、たとえば非特許文献1に開示されている。
表面科学Vol.21, No.5, pp.278-287, 2000
位相制御ELA法では、位相シフターの位相シフト部に対応する点において光強度が周辺よりも低い逆ピークパターン(中心において光強度が最も低く周囲に向かって光強度が急激に増大するパターン)の光強度分布を発生させ、この逆ピーク状の光強度分布を有する光を非単結晶半導体膜(多結晶半導体膜または非晶質半導体膜)に照射する。その結果、被照射領域内において光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、光強度が最も低い点に対応して最初に凝固する部分もしくは溶融しない部分に結晶核が形成され、その結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長(以降、「ラテラル成長」もしくは「ラテラル方向成長」とよぶ)することにより大粒径の単結晶粒が生成される。
従来、さらに、非特許文献2に記載された大粒径の結晶化方法がある。非特許文献2では、たとえばV字型の光強度勾配分布を形成するパターンを有する素子、および逆ピーク状の光強度最小分布を形成するパターンを有する素子を、ともにSiO2の基板に位相差を設けることにより実現している。そして、互いに重ね合わせた2枚の素子に被処理基板を近接させた状態でエキシマレーザ光を照射することにより、被処理基板上に結晶化半導体膜を生成している。
また、非特許文献3に記載された大粒径の結晶化方法がある。非特許文献3では、たとえばV字型の光強度勾配分布を形成するパターンを有する素子を光吸収材料SiONxの厚み分布により実現し、逆ピーク状の光強度最小分布を形成するパターンを有する素子をSiO2の位相段差により実現している。これら2つの素子は、1枚の基板に積層形成されている。そして、この1枚の素子基板に被処理基板を近接させた状態でエキシマレーザ光を照射することにより、被処理基板上に結晶化半導体膜を生成している。
M. NAKATA and M. MATSUMURA, "Two-Dimensionally Position-Controlled Ultra-Large Grain Growth Based on Phase-Modulated Excimer-Laser Annealing Method", Electrochemical Society Proceeding Volume 2000-31, page 148-154 井上,中田,松村,「シリコン薄膜の振幅・位相制御エキシマレーザ溶融再結晶化法−新しい2−D位置制御大結晶粒形成法−」,電子情報通信学会論文誌,社団法人電子情報通信学会,2002年8月,第J85−C巻,第8号,p.624−629
従来技術では位相シフターの位相段差が180度であったが、以下に示すような不都合があった。図22および図23を参照して、従来技術の不都合を説明する。位相シフター191と被処理基板との間に結像光学系を設けて、位相シフター191の像を結像光学系により被処理基板の所定面に結像させる結晶化装置において、結像光学系を介して被処理基板上に形成される逆ピーク状の光強度分布における最小光強度(逆ピーク点における光強度)192は、位相シフター191の段差193によって得られる位相差に依存することが判った。図22(b)に示すように、段差193による位相差が180度の位相シフター191を用いたとき、結像光学系のフォーカス位置(結像面)に形成される逆ピーク状の光強度分布は左右対称であり、その最小光強度はほぼ0である。
また、結像光学系のフォーカス位置から上下に微小移動したデフォーカス位置においても、形成される逆ピーク状の光強度分布は、図22(a)および(c)に示すように、ほぼ左右対称であり、その最小光強度は僅かに上昇するものの非常に小さい光強度である。このように、180度の位相シフターを用いる場合、デフォーカス方向に依存することなく光強度分布の対称性が維持されるので、深い焦点深度を実現することができる。しかしながら、逆ピーク点における最小光強度が非常に小さいため、その近傍では結晶成長開始強度(結晶成長が開始する光強度)以下となり、結晶化されないため結晶粒の充填率を高めることができないという不都合があった。
ちなみに、最小光強度を結晶成長開始強度に近づけることにより、照射面のほとんどを溶融させることができ、ひいては結晶化領域を広くすることが可能となる。180度の位相差を有する位相シフター191を形成するための段差は、レーザ光の波長をλとし、透明基材の屈折率をnとしたとき、λ/2(n−1)で求められる。石英基材の屈折率を1.46とすると、XeClエキシマレーザ光の波長が308nmであるから、180°の位相差を付けるためには334.8nmの段差をエッチング等の方法で形成することになる。
一方、位相差が60度となるように段差193を選択した位相シフターを用いたとき、結像光学系のフォーカス位置に形成される逆ピーク状の光強度分布は、図23(b)に示すように、ほぼ左右対称であり、その最小光強度はある程度大きくなっている。これに対し、結像光学系のフォーカス位置から上下に微小移動したデフォーカス位置では、図23(a)および(c)に示すように、形成される逆ピーク状の光強度分布の対称性は、大きく崩れ、その最小光強度(逆ピーク点)の位置が移動する。なお、被処理基板には、デフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在する。
このように、位相差が60度の位相シフター191は、位相差が180度の位相シフターより逆ピーク点における最小光強度がある程度大きくなり結晶成長開始強度に近づけられるため、結晶化領域を広くすることができる。しかしながら、フォーカス位置から上下したデフォーカス位置での光強度分布は、対称性が大きく崩れる。しかも、図23(a)の光強度分布と図23(c)の光強度分布とでは、デフォーカス方向に依存して対称性の崩れ方が逆になるので、焦点深度が浅く(狭く)なってしまう。さらに、デフォーカスにより逆ピーク点の位置が面内で移動するので、生成される結晶粒の位置も所望する位置からシフトしてしまい、この結晶粒を用いて回路を形成する場合に問題になるという不都合があった。即ち、所望する位置に結晶粒が形成できない場合、トランジスタのチャネル部から結晶粒がずれるため、トランジスタの特性が劣化するという不都合があった。
そこで、本出願人は、平成16年1月27日に出願の特願2004−17945号明細書および図面において、複屈折材料を利用した「複像法」の手法を用いて、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を所望する位置に安定的に形成することができ、且つ半導体膜に高い充填率で結晶粒を形成することのできる結晶化装置および結晶化方法を提案している。ここで、結晶粒の充填率とは、逆ピーク状の光強度分布を有する光を照射したときの、照射面に対する結晶粒の面積の割合である。
ただし、複屈折材料を利用した複像法の手法では、以下に示すような新たな不都合が発生する。一般に、非単結晶半導体膜の結晶化を行う場合、結晶化の工程と、結晶化領域と異なる領域(通常は結晶化領域の周辺領域)にアライメントマークを形成(記録)する工程とを同時に行う必要がある。このアライメントマークは、結晶化工程の後の工程において、生成された結晶粒に位置合わせして露光プロセスを行うために必要である。アライメントマークは、例えば、線パターン(またはその組み合わせ)や、正方形パターンの列など、比較的単純なパターンからなる。
アライメントマークが露光装置により確実に検出されるためには、アライメントマーク自体が鮮明に形成されていることはいうまでもなく、アライメントマークの周辺に不要なパターンがあってはならない。半導体膜にアライメントマークを形成するには、露光領域(光が照射された領域)だけをポリシリコン化し、未露光領域(光が照射されない領域)をアモルファスシリコンのままで残す方法がある。この場合、露光装置は、たとえばポリシリコン化された領域の反射率とアモルファスシリコンのままで残された領域の反射率との差によりアライメントマークを認識することになる。
ところが、複屈折材料を利用した複像法により結晶化工程とアライメントマークの形成工程とを同時に行うと、図24に示すように、結晶化領域200の周辺のアライメントマーク領域201において、本来のアライメントマーク202が複像作用を受けて、図中水平方向に並んで重複(複像)して形成されたアライメントマーク202aになったり、図中鉛直方向に並んで重複して形成されたアライメントマーク202bになったりする。アライメントマークが重複形成されると、露光装置によるアライメントマークの検出が不可能になってしまう。アライメントマークの重複形成を回避するには、結晶化工程の前工程あるいは後工程において、アライメントマークだけを別工程で形成せざるを得ない。この場合、アライメント精度およびスループットの低下、装置の複雑化という不都合が発生することになる。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、複屈折材料を利用した複像法を用いているにもかかわらず、半導体膜の結晶化と結晶化領域の周辺へのアライメントマークの形成とを同時に行うことのできる結晶化装置および結晶化方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、入射光束を位相変調する位相領域を有する光学変調素子と、
前記光学変調素子の前記位相領域を介して所定の偏光状態で入射する光束を2つの非干渉性の光束に分割するための光束分割素子と、
前記光束分割素子を介した光束に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系と、
前記光学変調素子の前記位相領域以外の特定領域を介して前記光束分割素子に入射する光束の偏光状態を、前記光束分割素子において実質的に分割されない偏光状態に設定するための偏光状態設定手段とを備えていることを特徴とする光照射装置を提供する。
第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための円偏光変換手段と、該円偏光変換手段と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、円偏光状態で入射した光を円偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、円偏光状態で入射した光を直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有する。この場合、前記円偏光変換手段は、光の入射側から順に、直線偏光器と、1/4波長板とを有することが好ましい。また、前記偏光素子の前記変換領域には1/4波長板が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光をランダム偏光状態のまま前記位相領域へ導き且つ入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換して前記特定領域へ導くための偏光素子を有する。この場合、前記偏光素子は、前記特定領域に対応する領域に設けられた直線偏光器を有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換するための直線偏光器と、該直線偏光器と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有する。この場合、前記偏光素子の前記変換領域には1/2波長板が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換するための直線偏光器と、該直線偏光器と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態に変換して前記位相領域へ導くための変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための無変換領域とを有する。この場合、前記偏光素子の前記変換領域には1/2波長板が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換するための直線偏光器と、該直線偏光器と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を円偏光状態に変換して前記位相領域へ導くための変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための無変換領域とを有する。この場合、前記偏光素子の前記変換領域には1/4波長板が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための1/4波長板と、該1/4波長板と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、円偏光状態で入射した光を円偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、円偏光状態で入射した光を直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有する。この場合、前記偏光素子の前記変換領域には1/4波長板が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光をランダム偏光状態の光に変換するためのデポラライザと、該デポラライザと前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、ランダム偏光状態で入射した光をランダム偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、ランダム偏光状態で入射した光を直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有する。この場合、前記偏光素子の前記変換領域には直線偏光器が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態の光に変換するための1/2波長板と、該1/2波長板と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有する。この場合、前記偏光素子の前記変換領域には1/2波長板が設けられていることが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態の光に変換して前記位相領域へ導き且つ入射する直線偏光状態の光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための偏光素子を有する。この場合、前記偏光素子は、前記特定領域に対応する領域に設けられた1/2波長板を有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換して前記位相領域へ導き且つ入射する直線偏光状態の光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための偏光素子を有する。この場合、前記偏光素子は、前記特定領域に対応する領域に設けられた1/4波長板を有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記光束分割素子は、前記光学変調素子と前記所定面との間に配置された複屈折素子を有する。この場合、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対して所定の角度をなすように設定された複屈折性の平行平面板を有することが好ましい。あるいは、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板からなるサバール板を有することが好ましい。あるいは、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板と、該一対の平行平面板の間に設けられた1/2波長板とを有することが好ましい。
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記光束分割素子は、前記結像光学系の瞳面またはその近傍に配置された複屈折素子を有する。この場合、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ垂直をなすように設定された複屈折性の一対の偏光プリズムからなるウォラストンプリズムを有することが好ましい。
本発明の第2形態では、第1形態の光照射装置の前記結像光学系の結像面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設けるためのステージを備え、前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化装置を提供する。
本発明の第3形態では、第1形態の光照射装置を用いて、前記所定面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設け、前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化方法を提供する。
本発明の第4形態では、第2形態の結晶化装置または第3形態の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイスを提供する。
本発明の第5形態では、所定の偏光状態で入射した光を前記所定の偏光状態のまま第1領域へ導くための無変換領域と、前記所定の偏光状態で入射した光を別の偏光状態に変換して前記第1領域とは異なる第2領域へ導くための変換領域とを有することを特徴とする偏光素子を提供する。
第5形態の好ましい態様によれば、前記変換領域には、直線偏光器または位相子が設けられている。この場合、前記直線偏光器は、光透過性の基板上に形成された導電体パターンを有することが好ましい。また、前記位相子は、光透過性の基板上にオプティカルコンタクトにより貼り付けられた波長板を有することが好ましい。
本発明の典型的な形態による結晶化装置では、複屈折材料を利用した複像法の適用に際して、本来の結晶化領域では複像機能を維持し、たとえばアライメントマーク領域(一般には結晶化領域以外の特定領域)では複像機能を無効化する構成を採用している。その結果、本発明では、複像法を用いているにもかかわらず、結晶化領域における半導体膜の結晶化と、結晶化領域の周辺におけるアライメントマーク領域へのアライメントマークの形成とを同時に行うことができ、アライメント精度およびスループットの低下、装置の複雑化という不都合を回避することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる結晶化装置の基本構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。図1および図2を参照すると、本実施形態の結晶化装置は、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子1と、入射光束を偏光状態の異なる非干渉性の2つの光束に分割するための光束分割素子2(本実施形態では複屈折素子2E)とを備えている。
なお、光学変調素子1は、その位相パターン面(段差を有する面)が光束分割素子2と対向するように、光束分割素子2と近接して配置されている。光学変調素子1と光束分割素子2とを一体に構成してもよい。光学変調素子1および光束分割素子2の構成および作用については後述する。また、本実施形態の結晶化装置は、光学変調素子1を照明するための照明系3を備えている。照明系3は、たとえば図2に示す光学系で248nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源3aを備えている。なお、光源3aとして、XeClエキシマレーザ光源やYAGレーザ光源のような被結晶化処理体を溶融するエネルギー光線を出射する性能を有する他の適当な光源を用いることもできる。
光源3aから供給されたレーザ光は、ビームエキスパンダ3bを介して拡大された後、第1フライアイレンズ3cに入射する。こうして、第1フライアイレンズ3cの後側焦点面には複数の光源が形成され、これらの複数の光源からの光束は第1コンデンサー光学系3dを介して、第2フライアイレンズ3eの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアイレンズ3eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ3cの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズ3eの後側焦点面に形成された複数の光源からの光束は、第2コンデンサー光学系3fを介して、光学変調素子1を重畳的に照明する。
ここで、第1フライアイレンズ3cおよび第1コンデンサー光学系3dは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより光源3aから供給されたレーザ光について光学変調素子1上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2フライアイレンズ3eおよび第2コンデンサー光学系3fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光について光学変調素子1上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。
こうして、照明系3は、ほぼ均一な光強度分布を有するレーザ光により光学変調素子1を照射する。光学変調素子1で位相変調されたレーザ光は、結像光学系4を介して、被処理基板5に入射する。ここで、結像光学系4は、光学変調素子1の位相パターン面(後述する位相領域1a)と被処理基板5とを光学的に共役に配置している。換言すれば、被処理基板5は、光学変調素子1の位相パターン面と光学的に共役な面(結像光学系4の像面)に設定されている。結像光学系4は、正レンズ群4aと正レンズ群4bとの間に開口絞り4cを備えている。
開口絞り4cは、開口部(光透過部)の大きさの異なる複数の開口絞りを有し、これらの複数の開口絞り4cは光路に対して交換可能に構成されていてもよい。あるいは、開口絞り4cは、開口部の大きさを連続的に変化させることのできる虹彩絞りを有していてもよい。いずれにしても、開口絞り4cの開口部の大きさ(ひいては結像光学系4の像側開口数NA)は、後述するように、被処理基板5の半導体膜上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。なお、結像光学系4は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
また、被処理基板5は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスの上に化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜、非単結晶膜例えば非晶質シリコン膜およびキャップ膜が順次形成されたものである。下地絶縁膜およびキャップ膜は、絶縁膜例えばSiO2である。下地絶縁膜は、非晶質シリコン膜とガラス基板が直接接触してNaなどの異物が非晶質シリコン膜に混入するのを防止し、非晶質シリコン膜の溶融温度が直接ガラス基板に伝熱されるのを防止する。非晶質シリコン膜は、結晶化される半導体膜である。キャップ膜は、非晶質シリコン膜に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、光ビームの入射が遮断されたとき、非晶質シリコン膜の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板5は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ6上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
図3は、本実施形態における光学変調素子の構成を概略的に示す図である。本実施形態の光学変調素子1は、図3に示すように、位相パターンが形成された位相領域1aと、被処理基板5上に形成すべきアライメントマークに対応するアライメントパターンが形成された一対の周辺領域1bとを備えている。一対の周辺領域1bは、互いに同じ構成を有し、位相領域1aを挟むように対称的に設けられている。
位相領域1aには、たとえば位相値が0度の矩形状の領域1aaと位相値が180度(または60度)の矩形状の領域1abとが一方向に沿って交互に繰り返し形成されている。こうして、2つの矩形状の領域1aaと1abとの間には、180度(または60度)の位相差線(位相の境界線:位相シフト線)1acが形成されている。換言すれば、位相領域1aは、位相差が180度(または60度)のライン型位相シフターを構成している。なお、ここで用いている位相値とは、所定の位置での位相(変調量)を0度と基準化したときの、この位相からの相対的な位相差である。
また、各周辺領域1bには、たとえば複数の正方形パターン1baからなるアライメントパターンが形成されている。さらに具体的に、各周辺領域1bには、たとえばクロムからなる遮光領域1bbに光透過性の正方形パターン1baが間隔を隔てて一列に複数個(図3では6個)形成されている。そして、各正方形パターン1baを透過する光の強度を低減するために、各正方形パターン1baをメッシュ構造としている。すなわち、各正方形パターン1baは、間隔を隔てて縦横に配置された複数個(図3では9個)の光透過領域1baaにより構成されている。
以下、図4を参照して、位相差が180度のライン型位相シフターを含む光学変調素子1の作用を説明する。光束分割素子2が介在しない場合、被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域(図24の領域200に対応)には、図4(b)に示すように、位相差線1ac(段差部:図4(a)を参照)に対応する線領域において光強度がほぼ0で周囲に向かって光強度が急激に増大する逆ピーク状の光強度分布が形成される。また、光束分割素子2が介在しない場合、被処理基板5の表面において一対の周辺領域1bに対応する一対のアライメントマーク領域(図24の領域201に対応)には、複数の正方形パターン1baからなるアライメントパターンに対応する光強度分布が形成される。
位相パターン領域1aは、例えば石英ガラス基板に所要の位相差に対応する厚さ分布を形成することにより製造することができる。石英ガラス基板の厚さの変化は、選択エッチングやFIB(Focused Ion Beam)加工により形成することができる。また、周辺領域1bは、たとえばクロムパターンを周知技術にしたがって石英ガラス基板上に形成することにより製造することができる。
図5は、本実施形態における光束分割素子の構成および作用を説明する図である。図5(a)を参照すると、本実施形態の光束分割素子2は、例えばその結晶光学軸2aが光軸に対して所定の角度θをなすように設定された複屈折性の平行平面板からなる複屈折素子2Eである。複屈折素子2Eを形成する複屈折性の光学材料として、たとえば水晶、方解石、フッ化マグネシウムなどを用いることができる。
図5(a)に示すように、たとえばランダム偏光状態の光線Gが光軸と平行に複屈折素子2Eに入射すると、図5(a)の紙面に垂直な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光線すなわち正常光線o(黒丸で表示)は複屈折素子2Eの屈折作用を受けることなく直進して、光軸と平行に射出される。一方、図5(a)の紙面における水平方向を偏光方向とする直線偏光状態の光線すなわち異常光線e(直線で表示)は、複屈折素子2Eの入射界面で屈折されて光軸とφの角度をなす方向に進んだ後、複屈折素子2Eの射出界面で屈折されて光軸と平行に射出される。この現象は広く知られたものであり、例えば、辻内順平著、朝倉書店出版の「光学概論II」の第5章や、工藤恵栄および上原富美哉著、現代工学社出版の「基礎光学<光線光学・電磁光学>」などに詳述されている。
このとき、複屈折素子2Eから光軸と平行に射出される正常光線oと異常光線eとの距離すなわち分離幅(離間距離)dは、複屈折素子2Eを形成する光学材料の種類、結晶光学軸との方向、切り出し方、複屈折素子2Eの光軸方向の寸法すなわち厚さなどに依存する。図5(b)は光学変調素子1上の1点が、複屈折素子2Eにより、二点に分離されて観察される様子を示した図である。なお、複屈折素子2Eによる分離幅dは結像光学系4の物体側における値であり、結像光学系4の像面における分離幅は、分離幅dに結像光学系4の倍率(たとえば1/5)を乗じた値になる。
一軸結晶材料により形成された平行平面板状の複屈折素子2Eに垂直に光線を入射させた場合の分離幅dは、次の式(1)により表わされる。
d=tanφ×t (1)
ただし、tanφ=(no2−ne2)sinθ・cosθ/(ne2cos2θ+no2sin2θ)
なお、式(1)において、noは正常光線oの屈折率であり、neは異常光線eの屈折率である。また、上述したように、φは異常光線eと入射界面の法線(すなわち光軸)との角度であり、θは結晶光学軸2aと入射界面の法線との角度であり、tは複屈折素子2Eの厚さである。一例として、248nmの波長を有する光およびθ=45度に設定された水晶製の複屈折素子2Eを用いる場合、分離幅d=25μmを得るに必要な複屈折素子2Eの厚さtを求めてみると、波長248nmの光に対する水晶の屈折率はne=1.6124,no=1.6016であるから、複屈折素子2Eの厚さt=3697μmとなる。
図6は、位相差が180度のライン型位相シフターを含む光学変調素子と光束分割素子との協働作用を説明する図である。上述したように、図1に示す結晶化装置において光束分割素子2としての複屈折素子2Eが介在しない場合、被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域には、図6(a)に示すように、位相差線1acに対応する線領域において光強度がほぼ0で周囲に向かって光強度が急激に増大する逆ピーク状の光強度分布が形成される。本実施形態では、複屈折素子2Eを介して入射光束が偏光状態の異なる非干渉性の2つの光束に分割されるので、被処理基板5の表面上の結晶化領域には互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布が形成されることになる。
このとき、複屈折素子2Eへの入射光束がランダム偏光状態であれば、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなる。また、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束が複像作用により被処理基板5の表面で重ね合わされるとき、2つの光束は互いに干渉しないので単純に光強度の和として合成される。このことを考慮し、本実施形態では、図6(b)に示すように、正常光線oにより被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布と異常光線eにより被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布との距離d1が位相差線1acのピッチの半分に対応するように設定している。
したがって、正常光線oにより形成される逆ピーク状の光強度分布の逆ピーク部分と異常光線eにより形成される逆ピーク状の光強度分布の比較的平らな部分とが重ね合わされ、同様に異常光線eにより形成される逆ピーク状の光強度分布の逆ピーク部分と正常光線oにより形成される逆ピーク状の光強度分布の比較的平らな部分とが重ね合わされる。その結果、本実施形態では、光学変調素子1と複屈折素子2Eとの協働作用により、図6(c)に示すように、位相差線1acおよびその中間線に対応する線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する逆ピーク状の光強度分布が被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される。
ここで、位相差が180度のライン型位相シフターを含む光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度は最大光強度の半分程度である。しかも、図22を参照して前述したように、180度の位相シフターを用いて形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けない。したがって、図6(c)に示すように光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布も同様に、デフォーカスの影響をほとんど受けることがない。
以上のように、本実施形態では、被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度は最大光強度の半分程度である。また、被処理基板5にはデフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在するが、被処理基板5の表面上の結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けない。その結果、本実施形態では、複屈折素子2Eの複像作用により、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
前述したように、複屈折素子2Eにランダム偏光状態の光が入射するとき、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果を得ることができ、その複像方向は図5の紙面に平行な方向である。また、円偏光状態の光、および図5の紙面と45度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態(以下、「45度直線偏光状態」という)の光が複屈折素子2Eに入射するときも同様に、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果を得ることができ、その複像方向は図5の紙面に平行な方向である。これに対し、図5の紙面と平行な方向または図5の紙面と直交する方向に偏光方向を有する直線偏光状態、すなわち図5の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態(以下、「0度/90度直線偏光状態」という)の光が複屈折素子2Eに入射すると、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
したがって、ランダム偏光状態の光、円偏光状態の光、または45度直線偏光状態の光が光学変調素子1の位相領域1aを介して複屈折素子2Eに入射し、0度/90度直線偏光状態の光が光学変調素子1の周辺領域1bを介して複屈折素子2Eに入射するように構成すれば、位相領域1aに形成された位相パターンだけが複屈折素子2Eの複像作用を受け、周辺領域1bに形成されたアライメントパターンは複屈折素子2Eの複像作用を受けないことになる。そこで、本実施形態では、被処理基板5上の半導体膜の結晶化と結晶化領域の周辺へのアライメントマークの形成とを同時に行うために、図7に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、照明系3側から順に、直線偏光器7、1/4波長板8、および偏光素子9を配置している。
直線偏光器7は、光軸に対して傾けて配置された光透過性の基板7aの入射側(照明系3側)の面に多層膜7bを形成することにより構成されている。位相子としての1/4波長板8は、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/4波長板である。また、偏光素子9は、光軸に対して直交するように配置された光透過性の基板9aの射出側(光学変調素子1側)の面において光学変調素子1の周辺領域1bに対応する領域に、1/4波長板9bをオプティカルコンタクト(光学接着)の技術により貼り付けることにより構成されている。1/4波長板9bは、1/4波長板8と同様に、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/4波長板である。
したがって、KrFエキシマレーザ光源やXeClエキシマレーザ光源を含む照明系3からランダム偏光状態の光が供給される場合、このランダム偏光状態の光は、直線偏光器7を介して所定方向に偏光方向を有する直線偏光状態の光に変換された後、1/4波長板8を介して円偏光状態の光に変換される。1/4波長板8を介して円偏光状態に変換された光のうち、偏光素子9の基板9aだけを透過した光は、円偏光状態のまま光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには円偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。その結果、本実施形態では、上述したように、複屈折素子2Eの複像作用により、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
一方、1/4波長板8を介して円偏光状態に変換された光のうち、偏光素子9の基板9aおよび1/4波長板9bを透過した光は、円偏光状態から0度/90度直線偏光状態に変換され、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態(図7の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
その結果、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域には、光学変調素子1の周辺領域1bに形成されたアライメントパターン(間隔を隔てて一列に並んだ複数の正方形パターン1ba)に対応するアライメントマークが、複屈折素子2Eの複像作用を全く受けることなく鮮明に形成される。したがって、本実施形態では、複屈折素子2E(複屈折材料)を利用した複像法を用いているにもかかわらず、被処理基板5の表面上の結晶化領域における半導体膜の結晶化と、結晶化領域の周辺におけるアライメントマーク領域へのアライメントマークの形成とを同時に行うことができ、アライメント精度およびスループットの低下、装置の複雑化という不都合を回避することができる。
次に、図8を参照して、位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子の作用を説明する。光束分割素子2としての複屈折素子2Eが介在しない場合、結像光学系4のフォーカス位置(像面)に設定された被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域(図24の領域200に対応)には、図8(b)に示すように、光学変調素子1の位相差線1ac(図8(a)を参照)に対応する線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する左右対称な逆ピーク状の光強度分布が形成される。
これに対し、結像光学系4のフォーカス位置から僅かな距離、例えば10μmだけ移動したデフォーカス位置に設定された被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域には、図8(c)に示すように、光学変調素子1の位相差線1acに対応する線領域から位置ずれした線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する左右非対称な逆ピーク状の光強度分布が形成される。また、複屈折素子2Eが介在しない場合、被処理基板5の表面において一対の周辺領域1bに対応する一対のアライメントマーク領域(図24の領域201に対応)には、複数の正方形パターン1baからなるアライメントパターンに対応する光強度分布が形成される。
図9は、位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子と光束分割素子との協働作用を説明する図である。上述したように、図1に示す結晶化装置において光束分割素子2としての複屈折素子2Eが介在しない場合、結像光学系4のフォーカス位置に設定された被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域には、図8(b)に示すように、位相差線1acに対応する線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する左右対称な逆ピーク状の光強度分布が形成される。結晶化装置に複屈折素子2Eを介在させた場合、入射光束が偏光状態の異なる非干渉性の2つの光束に分割されるので、被処理基板5の表面には互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布が形成されることになる。
このとき、複屈折素子2Eへの入射光束がランダム偏光状態であれば、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなる。また、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束が被処理基板5の表面で重ね合わされるとき、2つの光束は互いに干渉しないので単純に光強度の和として合成される。本実施形態では、光学変調素子1の位相領域1aにおける位相差線1acのピッチが、被処理基板5の表面における2つの逆ピーク状の光強度分布の間隔(すなわち結像光学系4の像面における分離幅)と一致するように設定されている。
換言すれば、複屈折素子2Eにより分割されて被処理基板5の表面に結像する2つの逆ピーク状の光強度分布の間隔は、位相差線1acの間隔に対応(一般には位相差線1acの間隔の奇数倍に対応)するように設定される。したがって、フォーカス状態では、正常光線oにより形成される逆ピーク状の光強度分布と異常光線eにより形成される逆ピーク状の光強度分布とが完全に重なり合うだけである。その結果、最終的には複屈折素子2Eの影響を受けることなく、図8(b)に示すように、位相差線1acに対応する線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する左右対称な逆ピーク状の光強度分布が被処理基板5の表面に形成される。
一方、複屈折素子2が介在しない場合、結像光学系4のデフォーカス位置に設定された被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域には、図8(c)に示すように、位相差線1acに対応する線領域から位置ずれした線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する左右非対称な逆ピーク状の光強度分布が形成される。複屈折素子2Eを介した光束は、入射光束が偏光状態の異なる非干渉性の2つの光束に分割されるので、被処理基板5の表面には互いに離間した2つの左右非対称な逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布が形成することになる。
すなわち、デフォーカス状態では、図9(a)に示すような正常光線oにより形成される左右非対称な逆ピーク状の光強度分布と、図9(b)に示すような異常光線eにより形成される左右非対称な逆ピーク状の光強度分布とが形成されることになる。ここで、図9(a)に示す左右非対称な逆ピーク状の光強度分布と図9(b)に示す左右非対称な逆ピーク状の光強度分布とは、複屈折素子2Eの作用によりd2だけ位置ずれしている。また、図8(c)において隣接する2つの逆ピーク状の光強度分布は、隣接する2つの位相差線1acの中間線に対応する線領域に関して反転対称になっており、その中間線に対応する線領域のピッチもd2である。
したがって、デフォーカス状態では、正常光線oにより形成される左右非対称な逆ピーク状の光強度分布と、異常光線eにより形成される左右非対称な逆ピーク状の光強度分布との合成により、図9(c)に示すように左右対称な逆ピーク状の光強度分布が形成されることになる。なお、デフォーカス状態において被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布では、光強度の最小になる逆ピーク点が位相差線1acに対応する線領域から位置ずれすることはなくなる。
以上のように、本実施形態において位相差が60度(位相差が180度と実質的に異なる)のライン型位相シフターを含む光学変調素子1を用いる場合、被処理基板5の表面において位相領域1aに対応する結晶化領域に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度は0よりもある程度大きい値になる。また、被処理基板5にはデフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在するが、光学変調素子1と光束分割素子2との協働作用により、被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けることなく左右対称である。その結果、位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子1を用いる場合にも、複屈折素子2Eの複像作用により、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
さらに、位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子1を用いる場合にも、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域には、光学変調素子1の周辺領域1bに形成されたアライメントパターン(間隔を隔てて一列に並んだ複数の正方形パターン1ba)に対応するアライメントマークが、複屈折素子2Eの複像作用を全く受けることなく鮮明に形成される。その結果、複屈折素子2E(複屈折材料)を利用した複像法を用いているにもかかわらず、被処理基板5の表面上の結晶化領域における半導体膜の結晶化と、結晶化領域の周辺におけるアライメントマーク領域へのアライメントマークの形成とを同時に行うことができる。
本実施形態では、位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子1を用いる実施例において、被処理基板5の表面上の結晶化領域における半導体膜の結晶化と、結晶化領域の周辺におけるアライメントマーク領域へのアライメントマークの形成とを同時に行った。この実施例において、光源3aとして、波長λ=248nmでランダム偏光状態の光をパルス幅20nsで出力するKrFエキシマレーザ光源を用いている。その結果、照明系3は、同じく波長λ=248nmでランダム偏光状態のパルス光を供給することになる。
また、結像光学系4の像側開口数NAは0.13であり、結像光学系4の倍率の大きさは1/5であり、σ値(コヒーレンスファクター)は0.5である。また、合成石英基板により形成された光学変調素子1の位相領域1aには、位相差が60度のライン型位相シフターを構成するように25μm幅(像面換算で5μm幅)の矩形状領域1aaと1abとが交互に形成されている。光学変調素子1の周辺領域1bには、クロムからなる遮光領域1bbに15μm×15μm(像面換算で3μm×3μm)の光透過性の正方形パターン1baが15μm(像面換算で3μm)の間隔を隔てて一列に複数個形成されている。
さらに、複屈折素子2Eとして、水晶により形成され且つ結晶光学軸2aの角度θが45度に設定された厚さt=3697μmの平行平面板を用いている。したがって、複屈折素子2Eによる分離幅dは25μmであり、結像光学系4の像面における分離幅は5μmである。被処理基板5は、基板上に、Si基板、厚さ300nmのSiO2層(下部絶縁層)、200nmのa−Si層、および厚さ300nmのSiO2層(上部絶縁層)が順次設けることにより形成されている。
上述の条件にしたがう実施例では、複屈折素子2Eの複像作用により、十分に深いDOF(焦点深度)を確保した状態で、被処理基板5の半導体膜上の結晶化領域において所望の結晶化を達成することができた。また、被処理基板5の半導体膜上のアライメントマーク領域において、複屈折素子2Eの複像作用を受けることなくアライメントマークを鮮明にパターニングすることができた。なお、被処理基板5の半導体膜上に形成されたアライメントマークにおいて、正方形パターンの内部は光の照射を受けてポリシリコン化し、正方形パターンの外部は光の照射を受けることなくアモルファスシリコンのままである。この半導体基板(被処理基板5)にレジストを塗布して露光装置にセッティングしたところ、アライメントマークを正確に認識することができた。
なお、上述の実施形態では、直線偏光器7として、光軸に対して傾けた多層膜7bを利用している。しかしながら、これに限定されることなく、直線偏光器7として、ニコルプリズム、グラントムソンプリズム、グランプリズム、テイラープリズム、ポラロイド、パイルオブプレーツ、グリッド格子などを用いることができる。また、上述の実施形態では、1/4波長板8として、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/4波長板を用いているが、これに限定されることなく、反射型の1/4波長板を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、ランダム偏光状態の光を供給する照明系3と光学変調素子1との間に、直線偏光器7、1/4波長板8、および偏光素子9を配置している。しかしながら、これに限定されることなく、照明系3と光学変調素子1との間の要部構成については様々な変形例が可能である。具体的に、第1変形例では、図10(a)に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、光透過性基板10aと直線偏光器としてのグリッド格子10bとからなる偏光素子10だけが配置されている。
偏光素子10は、光軸に対して直交するように配置された光透過性の基板10aの射出側(光学変調素子1側)の面において光学変調素子1の周辺領域1bに対応する領域に、たとえばリソグラフイ技術によりグリッド格子10bを作製することにより構成されている。グリッド格子10bは、図10(b)に示すように、光の波長よりも小さいピッチを有する導電体(たとえばクロム)の格子パターンであり、ピッチ方向に偏光方向を有する直線偏光成分だけを透過させる特性を有する。
第1変形例では、照明系3から供給されたランダム偏光状態の光のうち、偏光素子10の基板10aだけを透過した光が、ランダム偏光状態のまま光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eにはランダム偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、照明系3から供給されたランダム偏光状態の光のうち、偏光素子10の基板10aおよびグリッド格子10bを透過した光は、ランダム偏光状態から、グリッド格子10bのピッチ方向に偏光方向を有する直線偏光状態(すなわち図10(a)の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する0度/90度直線偏光状態)に変換され、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
第2変形例では、図11に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、照明系3側から順に、直線偏光器7および偏光素子11が配置されている。偏光素子11は、光軸に対して直交するように配置された光透過性の基板11aの射出側(光学変調素子1側)の面において光学変調素子1の周辺領域1bに対応する領域に、1/2波長板11bをオプティカルコンタクトにより貼り付けることにより構成されている。位相子としての1/2波長板11bは、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/2波長板である。
第2変形例では、照明系3から供給されたランダム偏光状態の光が、直線偏光器7を介して45度直線偏光状態(図11の紙面と45度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光に変換される。直線偏光器7を介して45度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子11の基板11aだけを透過した光は、45度直線偏光状態のまま光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには45度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、直線偏光器7を介して45度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子11の基板11aおよび1/2波長板11bを透過した光は、45度直線偏光状態から0度/90度直線偏光状態(図11の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)に変換され、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
第3変形例では、図12に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、照明系3側から順に、直線偏光器7および偏光素子12が配置されている。偏光素子12は、光軸に対して直交するように配置された光透過性の基板12aの射出側(光学変調素子1側)の面において光学変調素子1の位相領域1aに対応する領域に、1/2波長板12bをオプティカルコンタクトにより貼り付けることにより構成されている。1/2波長板12bは、1/2波長板11bと同様に、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/2波長板である。
第3変形例では、照明系3から供給されたランダム偏光状態の光が、直線偏光器7を介して0度/90度直線偏光状態(図12の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光に変換される。直線偏光器7を介して0度/90度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子12の基板12aおよび1/2波長板12bを透過した光は、45度直線偏光状態(図12の紙面と45度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)に変換された後、光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには45度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、直線偏光器7を介して0度/90度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子12の基板12aだけを透過した光は、0度/90度直線偏光状態のまま、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
なお、第3変形例では、偏光素子12の1/2波長板12bに代えて、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/4波長板12cを用いることもできる。この場合、直線偏光器7を介して0度/90度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子12の基板12aおよび1/4波長板12cを透過した光は、円偏光状態に変換された後、光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには円偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
ところで、上述の実施形態および第1変形例〜第3変形例では、照明系3からランダム偏光状態の光が供給されることを想定しているが、KrFエキシマレーザ光源やXeClエキシマレーザ光源を含む照明系3から直線偏光状態の光が供給される場合もある。この場合、照明系3と光学変調素子1との間の要部構成については様々な変形例が可能である。具体的に、第4変形例では、図13に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、照明系3側から順に、1/4波長板8および偏光素子9が配置されている。
第4変形例では、照明系3から供給された0度/90度直線偏光状態(図13の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光が、1/4波長板8を介して円偏光状態の光に変換される。1/4波長板8を介して円偏光状態に変換された光のうち、偏光素子9の基板9aだけを透過した光は、円偏光状態のまま光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには円偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、1/4波長板8を介して円偏光状態に変換された光のうち、偏光素子9の基板9aおよび1/4波長板9bを透過した光は、円偏光状態から0度/90度直線偏光状態(図13の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)に変換され、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
第5変形例では、図14に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、照明系3側から順に、デポラライザ(非偏光化素子)13および偏光素子10が配置されている。デポラライザ13は、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された一対の楔形状の偏角プリズム13aと13bとにより構成されている。ここで、偏角プリズム13aと13bとは相補的な形状を有し、互いに貼り合わされて全体的に平行平面板の形態を有する。そして、第1偏角プリズム13aの結晶光学軸および第2偏角プリズム13bの結晶光学軸はともに光軸に対して垂直で且つ互いに直交するように設定されている。
第5変形例では、照明系3から供給された0度/90度直線偏光状態(図14の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光が、デポラライザ13を介して面内方向での位相差の急激な変化により実質的にランダム偏光状態の光に変換される。デポラライザ13を介して実質的にランダム偏光状態の光に変換された光のうち、偏光素子10の基板10aだけを透過した光は、実質的にランダム偏光状態のまま光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには実質的にランダム偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、デポラライザ13を介してランダム偏光状態の光に変換された光のうち、偏光素子10の基板10aおよびグリッド格子10bを透過した光は、ランダム偏光状態から、グリッド格子10bのピッチ方向に偏光方向を有する直線偏光状態(すなわち図14の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する0度/90度直線偏光状態)に変換され、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
第6変形例では、図15に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、照明系3側から順に、1/2波長板14および偏光素子11が配置されている。1/2波長板14は、1/2波長板11bなどと同様に、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/2波長板である。ただし、透過型の1/2波長板14に代えて、反射型の1/2波長板を用いることもできる。
第6変形例では、照明系3から供給された0度/90度直線偏光状態(図15の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光が、1/2波長板14を介して45度直線偏光状態(図15の紙面と45度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光に変換される。1/2波長板14を介して45度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子11の基板11aだけを透過した光は、45度直線偏光状態のまま光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには45度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、1/2波長板14を介して45度直線偏光状態に変換された光のうち、偏光素子11の基板11aおよび1/2波長板11bを透過した光は、45度直線偏光状態から0度/90度直線偏光状態に変換され、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
第7変形例では、図16に示すように、照明系3と光学変調素子1との間に、偏光素子12だけが配置されている。第7変形例では、照明系3から供給された0度/90度直線偏光状態(図16の紙面と0度または90度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)の光のうち、偏光素子12の基板12aおよび1/2波長板12bを透過した光は、45度直線偏光状態(図16の紙面と45度の角度をなす方向に偏光方向を有する直線偏光状態)に変換された後、光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには45度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
一方、照明系3から供給された0度/90度直線偏光状態の光のうち、偏光素子12の基板12aだけを透過した光は、0度/90度直線偏光状態のまま、光学変調素子1の周辺領域1bおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上のアライメントマーク領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには0度/90度直線偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる複像作用は全く起こらない。
なお、第7変形例では、偏光素子12の1/2波長板12bに代えて、たとえば水晶のような複屈折材料により形成された透過型の1/4波長板12cを用いることもできる。この場合、照明系3から供給された0度/90度直線偏光状態の光のうち、偏光素子12の基板12aおよび1/4波長板12cを透過した光は、円偏光状態に変換された後、光学変調素子1の位相領域1aおよび複屈折素子2Eを介して、被処理基板5の表面上の結晶化領域に達する。この場合、複屈折素子2Eには円偏光状態の光が入射するので、複屈折素子2Eによる1:1の複像効果が得られる。
ところで、上述の実施形態において、複屈折素子2Eを光学変調素子1の近傍に配置している。しかしながら、これに限定されることなく、複屈折素子2Eを光学変調素子1と被処理基板5との間に配置することにより、上述の複像効果を有効に発生させることができる。具体的には、図25に示すように、複屈折素子2Eを光学変調素子1と結像光学系4との間に配置するか、あるいは結像光学系4と被処理基板5との間に配置することが望ましい。
また、複屈折素子2Eの光入射面を表面加工することにより所望する位相差を得るための段差を設けて、複屈折素子2Eの機能と光学変調素子1の機能とを一体化することも可能である。即ち、光学変調手段と光束分割手段とを一体に形成してもよい。
また、上述の実施形態では、複屈折素子2Eが1枚の複屈折性の平行平面板により構成されているので、正常光線oと異常光線eとで光路長が異なる。このため、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束の間に位相差が生じ、この2つの光束の結像位置が光軸方向に分離してしまう。この問題を回避するための、光束分割素子2として、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板からなるサバール(Savart)板を用いることができる。
図17を参照すると、サバール板20を構成する一対の平行平面板20aと20bとは互いに同じ厚さを有し、その結晶光学軸が光軸と約45度の角度をなすようにそれぞれ設定されている。すなわち、第2平行平面板20bは、第1平行平面板20aを光軸廻りに90度回転させた状態にある。サバール板20では、図17に示すように分割された2つの光束の光路長が同じになるので、上述したような位相差による結像位置の分離問題は発生しない。
あるいは、位相差による結像位置の分離問題を回避するために、光束分割素子2として、いわゆるフランコン(Francon)によるサバール板の変形を用いることができる。図18を参照すると、フランコンによるサバール板の変形例に基づく複屈折素子21は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板21aおよび21bと、この一対の平行平面板21aと21bとの間に設けられた1/2波長板21cとにより構成されている。
複屈折素子21を構成する一対の平行平面板21aと21bとは互いに同じ厚さを有し、その結晶光学軸が光軸と約45度の角度をなすようにそれぞれ設定されている。すなわち、第1平行平面板21aと第2平行平面板21bとは、1/2波長板21cに関して対称に配置されている。また、1/2波長板21cを介して、正常光線oが異常光線eに変換され、異常光線eが正常光線oに変換される。その結果、複屈折素子21では、図18に示すように分割された二つの光束の光路長が同じになるので、上述したような位相差による結像位置の分離問題は発生しない。
また、上述の実施形態では、光束分割素子2として、光学変調素子1の近傍に配置された複屈折素子2Eを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、図19に示すように、複屈折素子2Eに代えて、結像光学系4の瞳面またはその近傍に配置された複屈折素子22を用いることができる。複屈折素子22は、図20に示すように、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の偏光プリズム22aおよび22bからなるウォラストンプリズムである。
ここで、第1偏光プリズム22aの結晶光学軸は図20の紙面において水平に設定され、第2偏光プリズム22bの結晶光学軸は図20の紙面に垂直に設定されている。すなわち、結晶光学軸が互いに直交する一対の偏光プリズム22aと22bとにより平行平面板状のウォラストンプリズム22が構成されている。ウォラストンプリズム22は、入射光を偏光状態の異なる2つの光束、すなわち図20の紙面に垂直な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光束と、図20の紙面に平行な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光束とに分離する。
このとき、偏光状態の異なる2つの光束は、入射光に関して対称な偏向角で分離される。ウォラストンプリズム22による2つの光束の分離角θwは、正常光線oの屈折率をnoとし、異常光線eの屈折率をneとするとき、次の式(2)で表わされる。
sinθw=2(ne−no)tanθw{1−(ne−no)2・tan2θw/2+・・・}(2)
光束分割素子2としてウォラストンプリズム22を用いる場合、分離角θwを適宜設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、ウォラストンプリズムと同様に偏光方向により角度分離する素子としてローションプリズムやセナルモンプリズムがあり、これらも用いることができる。また、右回り偏光と左回り偏光に角度分離する素子としてフレネルの(多重)プリズムがあるが、これも用いることができる。なお、これらの素子やサバール板などは、これを通すことにより物体が二つに見えるため総称して複像子と呼ばれている。
図21は、本実施形態の結晶化装置を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。図21(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO2積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板5を準備する。そして、本実施形態にしたがう結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
こうして、図21(b)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、図21(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば薄膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO2膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図21(d)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)をイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85にソース領域91、ドレイン領域92を形成する。次に、図21(e)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
以上の工程において、図21(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に薄膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
なお、上述の説明では、非単結晶半導体膜に所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、一般的に結像光学系を介して所定の光強度分布を所定面に形成する光照射装置に対して本発明を適用することができる。
本発明の実施形態にかかる結晶化装置の基本構成を概略的に示す図である。 図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。 本実施形態における光学変調素子の構成を概略的に示す図である。 位相差が180度のライン型位相シフターを含む光学変調素子の作用を説明する図である。 本実施形態における光束分割素子の作用を説明する図である。 位相差が180度のライン型位相シフターを含む光学変調素子と光束分割素子との協働作用を説明する図である。 本実施形態にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子の作用を説明する図である。 位相差が60度のライン型位相シフターを含む光学変調素子と光束分割素子との協働作用を説明する図である。 本実施形態の第1変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の第2変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の第3変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の第4変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の第5変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の第6変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態の第7変形例にかかる結晶化装置の要部構成を概略的に示す図である。 本実施形態における光束分割素子として使用可能なサバール板の構成および作用を説明する図である。 本実施形態における光束分割素子として使用可能なサバール板の変形例の構成および作用を説明する図である。 結像光学系の瞳面またはその近傍に複屈折素子を配置した変形例を示す図である。 図19に示すウォラストンプリズムの構成および作用を説明する図である。 本実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。 位相差が180度の位相シフターを用いたときに結像光学系を介して形成される逆ピーク状の光強度分布を模式的に示す図である。 位相差が60度の位相シフターを用いたときに結像光学系を介して形成される逆ピーク状の光強度分布を模式的に示す図である。 複屈折材料を利用した複像法の不都合を説明する図である。 複屈折素子を光学変調素子と結像光学系との間あるいは結像光学系と被処理基板との間に配置した変形例を示す図である。
符号の説明
1 光学変調素子
2 光束分割素子
2E 複屈折素子
3 照明系
3a KrFエキシマレーザ光源
3b ビームエキスパンダ
3c,3e フライアイレンズ
3d,3f コンデンサー光学系
4 結像光学系
4c 開口絞り
5 被処理基板
6 基板ステージ
7 直線偏光器
8 1/4波長板
9〜12 偏光素子
13 デポラライザ
14 1/2波長板

Claims (18)

  1. 入射光束を位相変調する位相領域を有する光学変調素子と、
    前記光学変調素子の前記位相領域を介して所定の偏光状態で入射する光束を2つの非干渉性の光束に分割するための光束分割素子と、
    前記光束分割素子を介した光束に基づいて所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系と、
    前記光学変調素子の前記位相領域以外の特定領域を介して前記光束分割素子に入射する光束の偏光状態を、前記光束分割素子において実質的に分割されない偏光状態に設定するための偏光状態設定手段とを備えていることを特徴とする光照射装置。
  2. 前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための円偏光変換手段と、該円偏光変換手段と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、円偏光状態で入射した光を円偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、円偏光状態で入射した光を直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記円偏光変換手段は、光の入射側から順に、直線偏光器と、1/4波長板とを有することを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
  4. 前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光をランダム偏光状態のまま前記位相領域へ導き且つ入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換して前記特定領域へ導くための偏光素子を有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  5. 前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換するための直線偏光器と、該直線偏光器と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  6. 前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換するための直線偏光器と、該直線偏光器と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態に変換して前記位相領域へ導くための変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための無変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  7. 前記偏光状態設定手段は、入射するランダム偏光状態の光を直線偏光状態の光に変換するための直線偏光器と、該直線偏光器と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を円偏光状態に変換して前記位相領域へ導くための変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための無変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  8. 前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換するための1/4波長板と、該1/4波長板と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、円偏光状態で入射した光を円偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、円偏光状態で入射した光を直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  9. 前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光をランダム偏光状態の光に変換するためのデポラライザと、該デポラライザと前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、ランダム偏光状態で入射した光をランダム偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、ランダム偏光状態で入射した光を直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  10. 前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態の光に変換するための1/2波長板と、該1/2波長板と前記光学変調素子との間に配置された偏光素子とを有し、
    前記偏光素子は、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記位相領域へ導くための無変換領域と、直線偏光状態で入射した光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態に変換して前記特定領域へ導くための変換領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  11. 前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を偏光方向の異なる別の直線偏光状態の光に変換して前記位相領域へ導き且つ入射する直線偏光状態の光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための偏光素子を有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  12. 前記偏光状態設定手段は、入射する直線偏光状態の光を円偏光状態の光に変換して前記位相領域へ導き且つ入射する直線偏光状態の光を偏光方向の同じ直線偏光状態のまま前記特定領域へ導くための偏光素子を有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  13. 前記光束分割素子は、前記光学変調素子と前記所定面との間に配置された複屈折素子を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光照射装置。
  14. 前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対して所定の角度をなすように設定された複屈折性の平行平面板を有することを特徴とする請求項13に記載の光照射装置。
  15. 前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板からなるサバール板を有することを特徴とする請求項13に記載の光照射装置。
  16. 前記光束分割素子は、前記結像光学系の瞳面またはその近傍に配置された複屈折素子を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光照射装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光照射装置の前記結像光学系の結像面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設けるためのステージを備え、前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化装置。
  18. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光照射装置を用いて、前記所定面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設け、前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化方法。
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