JP4499578B2 - 光照射装置、結晶化装置、結晶化方法 - Google Patents

光照射装置、結晶化装置、結晶化方法 Download PDF

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本発明は、光照射装置、結晶化装置、結晶化方法、およびデバイスに関する。特に、本発明は、所定の光強度分布を有するレーザ光を多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に関するものである。
従来、たとえば液晶表示装置(Liquid-Crystal-Display:LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:TFT)は、非晶質シリコン(amorphous-Silicon)層や多結晶シリコン(poly-Silicon)層に形成されている。
多結晶シリコン層は、非晶質シリコン層よりも電子または正孔の移動度が高い。したがって、多結晶シリコン層にトランジスタを形成した場合、非晶質シリコン層に形成する場合よりも、スイッチング速度が速くなり、ひいてはディスプレイの応答が速くなる。また、周辺LSIを薄膜トランジスタで構成することが可能になる。さらに、他の部品の設計マージンを減らせるなどの利点がある。また、ドライバ回路やDACなどの周辺回路は、ディスプレイに組み入れる場合に、それらの周辺回路をより高速に動作させることができる。
多結晶シリコンは結晶粒の集合からなるため、例えばTFTトランジスタを形成した場合チャネル領域に結晶粒界が形成され、この結晶粒界が障壁となり単結晶シリコンに比べると電子または正孔の移動度を低くする。また、多結晶シリコンに形成された多数の薄膜トランジスタは、チャネル部に形成される結晶粒界数が各薄膜トランジスタ間で異なり、これがバラツキとなって液晶表示装置であれば表示ムラの問題となる。そこで、最近、電子または正孔の移動度を向上させ且つチャネル部における結晶粒界数のバラツキを少なくするために、少なくとも1個のチャネル領域を形成できる大きさの大粒径の結晶化シリコンを生成する結晶化方法が提案されている。
従来、この種の結晶化方法として、多結晶半導体膜または非晶質半導体膜と平行に近接させた位相シフターにエキシマレーザ光を照射して結晶化半導体膜を生成する「位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)法」が知られている。位相制御ELA法の詳細は、たとえば非特許文献1に開示されている。
表面科学Vol.21, No.5, pp.278-287, 2000
位相制御ELA法では、位相シフターの位相シフト部に対応する点において光強度が周辺よりも低い逆ピークパターン(中心において光強度が最も低く周囲に向かって光強度が急激に増大するパターン)の光強度分布を発生させ、この逆ピーク状の光強度分布を有する光を非単結晶半導体膜(多結晶半導体膜または非晶質半導体膜)に照射する。その結果、被照射領域内において光強度分布に応じて溶融領域に温度勾配が生じ、光強度が最も低い点に対応して最初に凝固する部分もしくは溶融しない部分に結晶核が形成され、その結晶核から周囲に向かって結晶が横方向に成長(以降、「ラテラル成長」もしくは「ラテラル方向成長」とよぶ)することにより大粒径の単結晶粒が生成される。
従来、さらに、非特許文献2に記載された大粒径の結晶化方法がある。非特許文献2では、たとえばV字型の光強度勾配分布を形成するパターンを有する素子、および逆ピーク状の光強度最小分布を形成するパターンを有する素子を、ともにSiO2の基板に位相差を設けることにより実現している。そして、互いに重ね合わせた2枚の素子に被処理基板を近接させた状態でエキシマレーザ光を照射することにより、被処理基板上に結晶化半導体膜を生成している。
また、非特許文献3に記載された大粒径の結晶化方法がある。非特許文献3では、たとえばV字型の光強度勾配分布を形成するパターンを有する素子を光吸収材料SiONxの厚み分布により実現し、逆ピーク状の光強度最小分布を形成するパターンを有する素子をSiO2の位相段差により実現している。これら2つの素子は、1枚の基板に積層形成されている。そして、この1枚の素子基板に被処理基板を近接させた状態でエキシマレーザ光を照射することにより、被処理基板上に結晶化半導体膜を生成している。
M. NAKATA and M. MATSUMURA, "Two-Dimensionally Position-Controlled Ultra-Large Grain Growth Based on Phase-Modulated Excimer-Laser Annealing Method", Electrochemical Society Proceeding Volume 2000-31, page 148-154 井上,中田,松村,「シリコン薄膜の振幅・位相制御エキシマレーザ溶融再結晶化法−新しい2−D位置制御大結晶粒形成法−」,電子情報通信学会論文誌,社団法人電子情報通信学会,2002年8月,第J85−C巻,第8号,p.624−629
従来技術は位相段差が180度であったが、以下のような不都合があった。
この現象を図19を参照して説明する。位相シフター191と被処理基板の間に結像光学系を設けて、位相シフター191の像を結像光学系により被処理基板の所定面に結像させる結晶化装置において、結像光学系を介して被処理基板上に形成される逆ピーク状の光強度分布における最小光強度(逆ピーク点における光強度)192は、位相シフター191の段差193によって得られる位相差に依存することが判った。図19(b)に示すように、段差193による位相差が180度の位相シフター191を用いたとき、結像光学系のフォーカス位置(結像面)に形成される逆ピーク状の光強度分布は左右対称であり、その最小光強度はほぼ0である。
また、結像光学系のフォーカス位置から上下に微小移動したデフォーカス位置においても、形成される逆ピーク状の光強度分布は、図19(a)および(c)に示すように、ほぼ左右対称であり、その最小光強度は僅かに上昇するものの非常に小さい光強度である。このように、180度の位相シフターを用いる場合、デフォーカス方向に依存することなく光強度分布の対称性が維持されるので、深い焦点深度を実現することができる。しかしながら、逆ピーク点における最小光強度が非常に小さいため、最小光強度の照射領域は溶融せず結晶化されない領域(結晶成長の開始点よりも光強度の小さい領域)がある程度大きくなり、結晶粒の充填率を高めることができないという不都合があった。即ち、最小光強度により照射されたとき発生する被照射面の温度が、融点近傍の温度になるように最小光強度を選択することにより、照射面のほとんどを溶融させることができ、結晶化領域を広くすることが可能となる。
180度の位相差を有する位相シフター191を形成するための段差は、レーザ光の波長をλ、透明基材の屈折率をnとしたとき、λ/2(n−1)で求められる。石英基材の屈折率を1.46、XeClエキシマレーザ光の波長が308nmで、180°の位相差を付けるためには334.8nmの段差をエッチング等の方法で形成することができる。位相差が60度となるように段差193を選択したときの位相シフターを用いたとき、結像光学系のフォーカス位置に形成される逆ピーク状の光強度分布は、図20(b)に示すように、ほぼ左右対称であり、その最小光強度はある程度大きくなっている。これに対し、結像光学系のフォーカス位置から上下に微小移動したデフォーカス位置では、図20(a)および(c)に示すように、形成される逆ピーク状の光強度分布の対称性は、大きく崩れ、その最小光強度(逆ピーク点)の位置が移動する。なお、被処理基板には、デフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在する。
このように、位相差が60度の位相シフター191は、位相差が180度の位相シフターより逆ピーク点における最小光強度がある程度大きくなるため、結晶化領域を広くすることができる。しかしながら、フォーカス位置から上下したデフォーカス位置での光強度分布は、対称性が大きく崩れ、しかも図20(a)と(c)の光強度分布では、デフォーカス方向に依存して対称性の崩れ方が逆になるので、焦点深度が浅く(狭く)なってしまうとともに、また、デフォーカスにより逆ピーク点の位置が面内で移動するので、生成される結晶粒の位置も所望する位置からシフトしてしまい、この結晶粒を用いて回路を形成する場合に問題になるという不都合があった。即ち、所望する位置に結晶粒が形成できない場合、トランジスターのチャネル部から結晶粒がずれるため、トランジスターの特性が劣化する課題があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を所望する位置に安定的に形成することができ、且つ半導体膜に高い充填率で結晶粒を形成することのできる結晶化装置および結晶化方法を提供することを目的とする。結晶粒の充填率とは、逆ピーク状の光強度分布を有する光を照射したときの、照射面に対する結晶化領域の割合である。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子と、
この光学変調素子を介した光束を非干渉性の異なる2つの光束に分割するための光束分割素子と、
前記光学変調素子および/又は前記光束分割素子を介した光束に基づいて、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系とを備えてなることを特徴とする光照射装置を提供する。
本発明の第2形態では、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子と、
この光学変調素子を介した光束を非干渉性の異なる2つの光束に分割し、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布を得るための光束分割素子と、
この光束分割素子を介した光束に基づいて前記互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系とを備えてなることを特徴とする光照射装置を提供する。
本発明の第3形態では、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子と、
この光学変調素子を介した光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割するための光束分割素子と、
前記光学変調素子および/又は前記光束分割素子を介した光束に基づいて、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系とを備えていることを特徴とする光照射装置を提供する。
本発明の第4形態では、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子と、
この光学変調素子を介した光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割し、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布を得るための光束分割素子と、
この光束分割素子を介した光束に基づいて、前記互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系とを備えていることを特徴とする光照射装置を提供する。
本発明の第1形態〜第4形態では、入射光束に基づいて逆ピーク状の光強度分布を形成するパターンを有する光学変調素子と、入射光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割するための光束分割素子との協働作用により、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を所定面に形成する。この場合、所定面に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度はたとえば最大光強度の半分程度になるとともに、所定面に形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けない。その結果、本発明の光照射装置を結晶化装置に適用した場合、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ基板の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
第1形態〜第4形態の好ましい態様によれば、前記光束分割素子は、前記光学変調素子と前記結像光学系との間または前記結像光学系と前記所定面との間に配置された複屈折素子を有する。この場合、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対して所定の角度をなすように設定された複屈折性の平行平面板を有することが好ましい。あるいは、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板からなるサバール板を有することが好ましい。あるいは、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板と、該一対の平行平面板の間に設けられた1/2波長板とを有することが好ましい。
また、第1形態〜第4形態の好ましい態様によれば、前記光束分割素子は、前記光学変調素子と一体化されたたものである。また、前記光束分割素子は、前記結像光学系の瞳面またはその近傍に配置された複屈折素子を有することが好ましい。この場合、前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ垂直をなすように設定された複屈折性の一対の偏光プリズムからなるウォラストンプリズムを有することが好ましい。
また、第1形態〜第4形態の好ましい態様によれば、前記光学変調素子1は、約180度の位相差を有する。この場合、前記光学変調素子は、所定周期にしたがって配置された約180度の位相差線を含むパターンを有し、前記互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の距離は、前記位相差線のピッチの約半分の奇数倍に対応していることが好ましい。あるいは、前記光学変調素子は、約180度の位相差線が1点において3つ以上交わるようなパターンを有し、前記非干渉性の異なる2つの光束間の前記所定面における距離は、前記位相差線の交点のピッチの約半分の奇数倍に対応していることが好ましい。
また、第1形態〜第4形態の好ましい態様によれば、前記光学変調素子は、3種類以上の位相差領域が1点において接するようなパターンを有し、前記非干渉性の異なる2つの光束間の前記所定面における距離は、前記位相差領域の接点のピッチの約半分の奇数倍に対応している。また、前記光束分割素子により分割された2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなるように、前記光束分割素子への入射光束の偏光状態を制御するための制御素子をさらに備えていることが好ましい。この場合、前記制御素子は、前記光束分割素子の入射側に配置された1/4波長板を有することが好ましい。
また、第1形態〜第4形態の好ましい態様によれば、前記光学変調素子は、入射光束に基づいて光強度勾配分布を形成するパターンをさらに有する。この場合、前記光束分割素子による光束の分割方向は、前記光強度勾配分布の勾配方向とほぼ直交していることが好ましい。また、前記光束分割素子による光束の分割は、光強度が均等な2分割であることが好ましい。また、前記複屈折素子は、水晶、方解石、またはフッ化マグネシウムにより形成されていることが好ましい。
本発明の第5形態では、第1形態〜第4形態の光照射装置の前記結像光学系の結像面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設けるための支持台を設けてなることを特徴とする結晶化装置を提供する。
本発明の第6形態では、第1形態〜第4形態の光照射装置を用いて、前記所定面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設け、前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成することを特徴とする結晶化方法を提供する。
本発明の第7形態では、第5形態の結晶化装置または第6形態の結晶化方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイスを提供する。
本発明の第8形態では、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調手段と、
この光学変調手段を介した光束を非干渉性の異なる2つの光束に分割するための光束分割手段と、
この光束分割手段を介した光束に基づいて前記互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を所定面に形成するための結像光学系とを備えてなることを特徴とする光照射装置を提供する。
本発明の第9形態では、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調手段と、
この光学変調手段を介した光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割するための光束分割手段と、
この光束分割手段の透過光路に設けられ前記偏光状態の異なる2つの光束を所定面に形成するための結像光学系とを備えていることを特徴とする光照射装置を提供する。
本発明によれば、所望の逆ピーク状の光強度分布を所望する位置に安定的に形成することができ、且つ半導体膜に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。本発明の結晶化装置および結晶化方法では、入射光束に基づいて逆ピーク状の光強度分布を形成するパターンを有する光学変調素子と、入射光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割するための光束分割素子との協働作用により、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を半導体膜基板の表面に形成する。この場合、実施形態を参照して後述するように、半導体膜基板の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度は、たとえば最大光強度の半分程度になる。
また、半導体膜基板にはデフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在するが、半導体膜基板の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けない。その結果、本発明の結晶化装置および結晶化方法では、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ基板の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。図1および図2を参照すると、本実施形態の結晶化装置は、入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子1と、非干渉性の異なる2つの光束に分割する手段例えば入射光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割するための光束分割素子2(例えば複屈折素子2E)とを備えている。
なお、光学変調素子1は、例えば位相シフターであり、そのパターン面(段差を有する面)が光束分割素子2と対向するように光束分割素子2と近接して配置されている。光変調素子1および光束分割素子2は、一体に構成してもよい。光学変調素子1および光束分割素子2の構成および作用については後述する。また、本実施形態の結晶化装置は、光学変調素子1を照明するための照明系3を備えている。照明系3は、たとえば図2に示す光学系で248nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源3aを備えている。なお、光源3aとして、XeClエキシマレーザ光源やYAGレーザ光源のような被結晶化処理体を溶融するエネルギー光線を出射する性能を有する他の適当な光源を用いることもできる。
光源3aから供給されたレーザ光は、ビームエキスパンダ3bを介して拡大された後、第1フライアイレンズ3cに入射する。こうして、第1フライアイレンズ3cの後側焦点面には複数の光源が形成され、これらの複数の光源からの光束は第1コンデンサー光学系3dを介して、第2フライアイレンズ3eの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアイレンズ3eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ3cの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズ3eの後側焦点面に形成された複数の光源からの光束は、第2コンデンサー光学系3fを介して、光学変調素子1を重畳的に照明する。
ここで、第1フライアイレンズ3cおよび第1コンデンサー光学系3dは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより光源3aから供給されたレーザ光について光学変調素子1上での入射角度に関する均一化が図られる。また、第2フライアイレンズ3eおよび第2コンデンサー光学系3fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光について光学変調素子1上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。こうして、照明系3は、ほぼ均一な光強度分布を有するレーザ光により光学変調素子1を照射する。
光学変調素子1で位相変調されたレーザ光は、結像光学系4を介して、被処理基板5に入射される。ここで、結像光学系4は、光学変調素子1のパターン面と被処理基板5とを光学的に共役に配置している。換言すれば、被処理基板5は、光学変調素子1のパターン面と光学的に共役な面(結像光学系4の像面)に設定されている。結像光学系4は、正レンズ群4aと正レンズ群4bとの間に開口絞り4cを備えている。
開口絞り4cは、開口部(光透過部)の大きさの異なる複数の開口絞りを有し、これらの複数の開口絞り4cは光路に対して交換可能に構成されていてもよい。あるいは、開口絞り4cは、開口部の大きさを連続的に変化させることのできる虹彩絞りを有していてもよい。いずれにしても、開口絞り4cの開口部の大きさ(ひいては結像光学系4の像側開口数NA)は、後述するように、被処理基板5の半導体膜上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。なお、結像光学系4は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
また、被処理基板5は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスの上に化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜、非単結晶膜例えば非晶質シリコン膜およびキャップ膜が順次形成されたものである。下地絶縁膜およびキャップ膜は、絶縁膜例えばSiO2である。下地絶縁膜は、非晶質シリコン膜とガラス基板が直接接触してNaなどの異物が非晶質シリコン膜に混入するのを防止し、非晶質シリコン膜の溶融温度が直接ガラス基板に伝熱されるのを防止する。非晶質シリコン膜は、結晶化される半導体膜である。キャップ膜は、非晶質シリコン膜に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、光ビームの入射が遮断されたとき、非晶質シリコン膜の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板5は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ6上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
図3は、本実施形態における光学変調素子1の構成および作用を説明する図である。本実施形態の光学変調素子1は、図3(a)に示すように、たとえば位相値が0度の矩形状の領域1aと位相値が180度の矩形状の領域1bとが一方向に沿って交互に繰り返されるライン型位相シフターである。こうして、2つの矩形状の領域1aと1bとの間には、180度の位相差線(位相の境界線:位相シフト線)1cが形成されている。そして、光学変調素子1の全体では、位相差線1cが1又は複数所定のピッチで形成されることになる。
したがって、光束分割素子2が介在されない場合、被処理基板5の表面には、図3(b)に示すように、光学変調素子1の位相差線1c(段差部)に対応する線領域において光強度がほぼ0で周囲に向かって光強度が急激に増大する逆ピーク状の光強度分布が形成される。光学変調素子1は、上記式により例えば石英ガラス基板に所要の位相差に対応する厚さ分布を形成することにより製造することができる。石英ガラス基板の厚さの変化は、選択エッチングやFIB(Focused Ion Beam)加工により形成することができる。
図4は、本実施形態における非干渉性の異なる2つの光束に分割する光束分割素子2の構成および作用を説明する図である。図4を参照すると、本実施形態の光束分割素子2は、その結晶光学軸2aが光軸に対して所定の角度θをなすように設定された複屈折性の平行平面板からなる複屈折素子2Eである。複屈折素子2Eを形成する複屈折性の光学材料として、たとえば水晶、方解石、フッ化マグネシウムなどを用いることができる。
図4に示すように、たとえばランダム偏光状態の光線が光軸と平行に複屈折素子2Eに入射すると、図4の紙面に垂直な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光線すなわち正常光線o(黒丸で表示)は複屈折素子2Eの屈折作用を受けることなく直進して、光軸と平行に射出される。一方、図4の紙面における水平方向を偏光方向とする直線偏光状態の光線(直線で表示)すなわち異常光線eは、複屈折素子2Eの入射界面で屈折されて光軸とφの角度をなす方向に進んだ後、複屈折素子2Eの射出界面で屈折されて光軸と平行に射出される。この現象は広く知られたものであり、例えば、辻内順平著、朝倉書店出版の「光学概論II」の第5章などに詳述されている。
このとき、複屈折素子2Eから光軸と平行に射出される正常光線oと異常光線eとの距離すなわち分離幅dは、複屈折素子2Eを形成する光学材料の種類、結晶光学軸との方向、切り出し方、複屈折素子2Eの光軸方向の寸法すなわち厚さに依存する。一軸結晶材料により形成された平行平面板状の複屈折素子2Eに垂直に光線を入射させた場合の分離幅dは、次の式(1)により表わされる。
d=tanφ×t (1)
ただし、tanφ=(no2−ne2)sinθ・cosθ/(ne2cos2θ+no2sin2θ)
なお、式(1)において、noは正常光線oの屈折率であり、neは異常光線eの屈折率である。また、上述したように、φは異常光線eと入射界面の法線(すなわち光軸)との角度であり、θは結晶光学軸2aと入射界面の法線との角度であり、tは複屈折素子2Eの厚さである。一例として、248nmの波長を有する光およびθ=45度に設定された水晶製の複屈折素子2Eを用いる場合、分離幅d=25μmを得るに必要な複屈折素子2Eの厚さtを求めてみると、波長248nmの光に対する水晶の屈折率はne=1.612,no=1.602であるから、複屈折素子2Eの厚さt=3697μmとなる。
図5は、本実施形態における光学変調素子1と光束分割素子2との協働作用を説明する図である。上述したように、複屈折素子2Eが介在しない場合、被処理基板5の表面には、図5(a)に示すように、光学変調素子1の位相差線1cに対応する線領域において光強度がほぼ0で周囲に向かって光強度が急激に増大する逆ピーク状の光強度分布が形成される。本実施形態では、複屈折素子2Eを介して入射光束が偏光状態の異なる非干渉性の2つの光束に分割されるので、被処理基板5の表面には互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布が形成されることになる。
このとき、複屈折素子2Eへの入射光束がランダム偏光状態であれば、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなる。また、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束が被処理基板5の表面で重ね合わされるとき、2つの光束は互いに干渉しないので単純に光強度の和として合成される。このことを考慮し、本実施形態では、図5(b)に示すように、正常光線oにより被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布と異常光線eにより被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布との距離d1が光学変調素子1の位相差線1cのピッチの半分(一般には半ピッチ奇数倍)に対応するように設定している。
したがって、正常光線oにより形成される逆ピーク状の光強度分布の逆ピーク部分と異常光線eにより形成される逆ピーク状の光強度分布の比較的平らな部分とが重ね合わされ、同様に異常光線eにより形成される逆ピーク状の光強度分布の逆ピーク部分と正常光線oにより形成される逆ピーク状の光強度分布の比較的平らな部分とが重ね合わされる。その結果、本実施形態では、光学変調素子1と複屈折素子2Eとの協働作用により、図5(c)に示すように、光学変調素子1の位相差線1cおよびその中間線に対応する線領域において光強度が最小で周囲に向かって光強度が急激に増大する逆ピーク状の光強度分布が被処理基板5の表面に形成される。即ち、最小光表示強度は、もう片方の光束の強度分加算され、高い光強度となる。この光強度は、被処理基板5の非単結晶膜の融点近傍に選択できる。
ここで、光学変調素子1および複屈折素子2Eを介して被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度は最大光強度の半分程度である。しかも、図19を参照して前述したように、180度の位相シフターを用いて形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けない。したがって、図5(c)に示すように光学変調素子1および複屈折素子2Eを介して被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布も同様に、デフォーカスの影響をほとんど受けることがない。
以上のように、本実施形態では、被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度は最大光強度の半分程度である。また、被処理基板5にはデフォーカスの原因となる板厚偏差が不可避的に存在するが、被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布はデフォーカスの影響をほとんど受けない。その結果、本実施形態では、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
なお、上述の実施形態において、複屈折素子2Eを光学変調素子1の近傍に配置している。しかしながら、これに限定されることなく、複屈折素子2Eを光学変調素子1と被処理基板5との間に配置することにより、上述の複像効果を有効に発生させることができる。具体的には、図21に示すように、複屈折素子2Eを光学変調素子1と結像光学系4との間に配置するか、あるいは結像光学系4と被処理基板5との間に配置することが望ましい。
また、複屈折素子2Eの光入射面を表面加工することにより所望する位相差を得るための段差を設けて、複屈折素子2Eの機能と光学変調素子1の機能とを一体化することも可能である。即ち、光学変調手段と光束分割手段を一体にしてもよい。
また、上述の実施形態では、複屈折素子2Eが1枚の複屈折性の平行平面板により構成されているので、正常光線oと異常光線eとで光路長が異なる。このため、複屈折素子2Eを介して分割された2つの光束の間に位相差が生じ、この2つの光束の結像位置が光軸方向に分離してしまう。この問題を回避するための、光束分割素子2として、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板からなるサバール(Savart)板を用いることができる。
図6を参照すると、サバール板20を構成する一対の平行平面板20aと20bとは互いに同じ厚さを有し、その結晶光学軸が光軸と約45度の角度をなすようにそれぞれ設定されている。すなわち、第2平行平面板20bは、第1平行平面板20aを光軸廻りに90度回転させた状態にある。サバール板20では、図6に示すように分割された二つの光束の光路長が同じになるので、上述したような位相差による結像位置の分離問題は発生しない。
あるいは、位相差による結像位置の分離問題を回避するために、光束分割素子2として、いわゆるフランコン(Francon)によるサバール板の変形を用いることができる。図7を参照すると、フランコンによるサバール板の変形例に基づく複屈折素子21は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板21aおよび21bと、この一対の平行平面板21aと21bとの間に設けられた1/2波長板21cとにより構成されている。
複屈折素子21を構成する一対の平行平面板21aと21bとは互いに同じ厚さを有し、その結晶光学軸が光軸と約45度の角度をなすようにそれぞれ設定されている。すなわち、第1平行平面板21aと第2平行平面板21bとは、1/2波長板21cに関して対称に配置されている。また、1/2波長板21cを介して、正常光線oが異常光線eに変換され、異常光線eが正常光線oに変換される。その結果、複屈折素子21では、図7に示すように分割された二つの光束の光路長が同じになるので、上述したような位相差による結像位置の分離問題は発生しない。
また、上述の実施形態では、光束分割素子2として、光学変調素子1の近傍に配置された複屈折素子2Eを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、図8に示すように、複屈折素子2Eに代えて、結像光学系4の瞳面またはその近傍に配置された複屈折素子22を用いることができる。複屈折素子22は、図9に示すように、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の偏光プリズム22aおよび22bからなるウォラストンプリズムである。
ここで、第1偏光プリズム22aの結晶光学軸は図9の紙面において水平に設定され、第2偏光プリズム22bの結晶光学軸は図9の紙面に垂直に設定されている。すなわち、結晶光学軸が互いに直交する一対の偏光プリズム22aと22bとにより平行平面板状のウォラストンプリズム22が構成されている。ウォラストンプリズム22は、入射光を偏光状態の異なる2つの光束、すなわち図9の紙面に垂直な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光束と、図9の紙面に平行な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光束とに分離する。
このとき、偏光状態の異なる2つの光束は、入射光に関して対称な偏向角で分離される。ウォラストンプリズム22による2つの光束の分離角θwは、正常光線oの屈折率をnoとし、異常光線eの屈折率をneとするとき、次の式(2)で表わされる。
sinθw=2(ne−no)tanθw{1−(ne−no)2・tan2θw/2+・・・}(2)
光束分割素子2としてウォラストンプリズム22を用いる場合、分離角θwを適宜設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、ウォラストンプリズムと同様に偏光方向により角度分離する素子としてローションプリズムやセナルモンプリズムがあり、これらも用いることができる。また、右回り偏光と左回り偏光に角度分離する素子としてフレネルの(多重)プリズムがあるが、これも用いることができる。なお、これらの素子やサバール板などは、これを通すことにより物体が二つに見えるため総称して複像子と呼ばれている。
また、上述の実施形態では、光学変調素子1として、所定周期にしたがって配置された180度の位相差線を含むライン型の位相シフターを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、光学変調素子として、3種類以上の位相値領域が1点において接するようなパターンを有する位相シフターを用いることもできる。具体的には、図10(a)に示すように、互いに位相値の異なる4種類の矩形状領域10a,10b,10c,10dが所定の点10eにおいて互いに隣接する形態を有する光学変調素子10を用いることもできる。
ここで、光学変調素子10は、例えば位相値が0度の第1矩形状領域10aと、位相値が90度の第2矩形状領域10bと、位相値が180度の第3矩形状領域10cと、位相値が270度の第4矩形状領域10dとを有する。そして、点10eにおいて十字状に交差する4つの直線は、第1矩形状領域10aと第2矩形状領域10bとの間の境界線、第2矩形状領域10bと第3矩形状領域10cとの間の境界線、第3矩形状領域10cと第4矩形状領域10dとの間の境界線、および第4矩形状領域10dと第1矩形状領域10aとの間の境界線に対応するように構成されている。
なお、図示を省略しているが、光学変調素子10には、図10(a)に示す位相パターンが二次元的に繰り返し形成されている。この場合、点10eだけでなく矩形状領域の各隅角部10fも4種類の位相値領域(10a〜10d)の接点を構成し、ひいては位相差点(位相シフト点)を構成することになる。その結果、複屈折素子2E(または20〜22)が介在しない場合、図10(b)に示すように、被処理基板5の表面には、光学変調素子10の位相差点(10e,10f)に対応するスポット領域10gにおいて光強度が最も小さく周辺のすべての方向に向かって急激に光強度が増大する逆ピーク状の光強度分布が得られる。
実際には複屈折素子2E(または20〜22)が介在するので、被処理基板5の表面には矩形状領域の対角方向に沿って互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布が重ね合わされ、所望の逆ピーク状の光強度分布が形成される。ここで、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の距離は、光学変調素子10における4種類の位相差領域(10a〜10d)の接点(10e,10f)の、矩形状領域の対角方向に沿ったピッチの半分(一般には半ピッチの奇数倍)に対応するように設定されている。
こうして、光学変調素子10を用いる変形例の場合、被処理基板5の表面には、図10(c)に示すように、位相差点(10e,10f)に対応するスポット領域10gおよびその中間に位置するスポット領域10hにおいて光強度が最も小さく周辺のすべての方向に向かって急激に光強度が増大する逆ピーク状の光強度分布が得られる。その結果、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。すなわち、所望の逆ピーク状の光強度分布を所望する位置に安定的に形成することができ、且つ半導体膜に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
あるいは、光学変調素子として、約180度の位相差線が1点において3つ以上交わるようなパターンを有する位相シフターを用いることもできる。具体的には、図11(a)に示すように、例えば位相値が0度の第1矩形状領域11aと位相値が180度の第2矩形状領域11bとの間に形成される180度の位相差線11cが所定の点11dにおいて直交するような光学変調素子11を用いることもできる。すなわち、光学変調素子11では、位相値が0度の第1矩形状領域11aと位相値が180度の第2矩形状領域11bとが、交互に二次元的に形成されている。
なお、図示を省略しているが、光学変調素子11には、図11(a)に示す位相パターンが二次元的に繰り返し形成されている。この場合、点11dだけでなく矩形状領域の各隅角部11eも位相差点を構成し、十字状の交差線11cだけでなく矩形状領域の各辺11fも位相差線を構成することになる。その結果、複屈折素子2E(または20〜22)が介在しない場合、図11(b)に示すように、被処理基板5の表面には、光学変調素子11の位相差点(11d,11e)に対応するスポット領域11gおよび光学変調素子11の位相差線(11c,11f)に対応する線領域11hにおいて光強度が最も小さく周辺に向かって急激に光強度が増大する逆ピーク状の光強度分布が得られる。
実際には複屈折素子2E(または20〜22)が介在するので、被処理基板5の表面には、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布が重ね合わされ、所望の逆ピーク状の光強度分布が形成される。ここで、互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の距離は、光学変調素子11における位相差線(11c,11f)の交点(11d,11e)のピッチの半分(一般には半ピッチの奇数倍)に対応するように設定されている。
こうして、光学変調素子11を用いる変形例の場合、被処理基板5の表面には、図11(c)に示すように、位相差点(11d,11e)に対応するスポット領域11gおよびその中間に位置するスポット領域11i、並びに位相差線(11c,11f)に対応する線領域11hおよびその中間に位置する線領域11jにおいて光強度が最も小さく周辺に向かって急激に光強度が増大する逆ピーク状の光強度分布が得られる。その結果、深い焦点深度に基づいて所望の逆ピーク状の光強度分布を安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。すなわち、所望の逆ピーク状の光強度分布を所望する位置に安定的に形成することができ、且つ半導体膜に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。
また、上述の実施形態では、図12(a)に示すように、ランダム偏光状態の光束が複屈折素子2Eに入射し、複屈折素子2Eにより分割される2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなる場合を想定している。しかしながら、複屈折素子2Eに入射する光束の偏光状態に偏りがあると、複屈折素子2Eにより分割された2つの光束の強度は互いに等しくならない。具体的には、図12(b)に示すように、その紙面に垂直な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光束が複屈折素子2Eに入射する場合、入射光束がその偏光状態を維持したまま複屈折素子2Eを直進し、光束が分割されなくなってしまう。
複屈折素子2Eにより分割される2つの光束の強度が異なると、被処理基板5の表面に形成される逆ピーク状の光強度分布における逆ピーク点の最小光強度が等しくならない。その結果、光強度の異なる2種類の逆ピーク点の近傍から結晶成長が開始することになり、形成される結晶の大きさおよび形状に違いが生じるという問題が発生する。そこで、本実施形態において複屈折素子2Eに入射する光束の偏光状態に偏りがある場合、複屈折素子2Eにより分割された2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなるように、複屈折素子2Eへの入射光束の偏光状態を制御するための制御素子を付設することが好ましい。
複屈折素子2Eへの入射光束の偏光状態を制御するための制御素子として、図12(c)に示すように、複屈折素子2Eの入射側に配置された1/2波長板7を用いることができる。具体的には、図12の紙面に垂直な方向を偏光方向とする直線偏光状態の光束が1/2波長板7に入射する場合、1/2波長板7の作用により光束の偏光方向が光軸廻りに45度回転されて複屈折素子2Eに入射する。その結果、ランダム偏光状態の光束が複屈折素子2Eに入射する場合と同様に、複屈折素子2Eにより分割される2つの光束の強度は互いにほぼ等しくなる。なお、1/2波長板7に代えて1/4波長板を用いて直線偏光を円偏光に変換して複屈折素子2Eに入射させることにより、2つの光束の強度を互いにほぼ等しくすることもできる。また、フレネルロムのような反射型波長板を用いて変換してもよく、また種々の偏光器により特定の成分の偏光のみを取り出して用いてもよい。
また、上述の実施形態では、入射光束に基づいて逆ピーク状の光強度分布を形成するパターンを有する光学変調素子1を用いている。しかしながら、図13に示すように、逆ピーク状の光強度分布を形成するパターンを有する光学変調素子1に加えて、入射光束に基づいて光強度勾配分布を形成するパターンを有する第2光学変調素子12を用いることもできる。図13において、第2光学変調素子12は光学変調素子1と複屈折素子2Eとの間の光路中に配置され、光学変調素子1の位相パターン面と第2光学変調素子12の位相パターン面とが対向するように配置されている。
光学変調素子1には、図14(a)に示すように、X方向に直線状に延びる180度の位相差線1cがY方向に所定のピッチで形成されている。また、複屈折素子2Eは、入射光束をY方向に離間した2つの光束に分割するように設定されている。この場合、図14(a)に示す位相パターンを有する光学変調素子1と複屈折素子2Eとの作用により、図14(b)に示す所望の逆ピーク状の光強度分布が被処理基板5の表面上に形成されるのは上述した通りである。
図15は、図13の変形例における第2光学変調素子のパターンを示す図である。また、図16は、図15に示す第2光学変調素子における基本パターンを示す図である。図15(a)に示す第2光学変調素子12のパターンは、図16(a)に示す基本パターンを含んでいる。図16(a)を参照すると、第2光学変調素子12の基本パターンは、結像光学系4の点像分布範囲の半径よりも光学的に小さいサイズの複数のセル(図中矩形状の破線で示す)12cを有する。
各セル12cには、たとえば−90度の位相値(第1の位相値)を有する第1領域(図中斜線部で示す)12bと、たとえば0度の位相値(第2の位相値)を有する第2領域(図中空白部で示す)12aとが形成されている。図16(a)に示すように、各セル12c内における第1領域12bと第2領域12aとの占有面積率がセル毎に変化している。換言すれば、位相値が−90度の第1領域12bと位相値が0度の第2領域12aとの占有面積率がX方向の位置によって変化する位相分布を有する。さらに具体的には、セル内における第2領域12aの占有面積比は、図中左側のセルにおいて最も50%に近く、図中右側のセルにおいて最も100%に近く、その間においてX方向に沿って単調に変化している。
上述のように、第2光学変調素子12は、結像光学系4の点像分布範囲の半径よりも光学的に小さいサイズの位相変調単位(セル)12cに基づく位相分布を有する。したがって、各位相変調単位12cにおける第1領域12bと第2領域12aとの占有面積率を、すなわち2つの位相ベクトルの和を適宜変化させることにより、被処理基板5上に形成される光強度分布を解析的に且つ簡単な計算にしたがって自由に制御することが可能である。
具体的には、図15(b)に示すように、第2領域12aの占有面積比が最も100%に近い両側位置において最も光強度が大きく、第2領域12aの占有面積比が最も50%に近い中央位置において最も光強度が小さい一次元の(X方向に勾配を有する)V字型の光強度勾配分布が得られる。このように、複屈折素子2Eによる光束の分割方向(Y方向)は、光強度勾配分布の勾配方向(X方向)と直交している。第2光学変調素子12は、例えば石英ガラス基板に所要の位相段差に対応する厚さ分布を形成することにより製造することができる。石英ガラス基板の厚さの変化は、選択エッチングやFIB(Focused Ion Beam)加工により形成することができる。
その結果、図13の変形例では、図17に示すように、第2光学変調素子12を介して形成される一次元V字型の光強度勾配分布5aと、光学変調素子1と複屈折素子2Eとを介して形成される逆ピーク状の光強度分布5bとの合成光強度分布、すなわちV字型パターン+逆ピーク状パターンの光強度分布5cが被処理基板5の表面上に形成される。ここで、前述したように、逆ピーク状の光強度分布5bにおける逆ピーク点の光強度は0よりも実質的に大きい所定の値を有し、逆ピーク状の光強度分布5bはデフォーカスの影響をほとんど受けることがない。
こうして、図13の変形例においても上述の実施形態の場合と同様に、深い焦点深度に基づいてV字型パターン+逆ピーク状パターンの光強度分布5cを安定的に形成することができ、且つ被処理基板5の半導体膜上に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。すなわち、所望の逆ピーク状の光強度分布を所望する位置に安定的に形成することができ、且つ半導体膜に形成される結晶粒の充填率を高めることができる。また、V字型パターン+逆ピーク状パターンの光強度分布5cでは、結晶核の形成位置すなわち結晶成長の開始点を、逆ピーク状の光強度分布5bにおいて光強度の最も小さい位置へ極力近づけることができる。そして、一次元V字型の光強度勾配分布5aにおける光強度の勾配方向(X方向)に沿って結晶核からの十分なラテラル方向の結晶成長を実現して、大粒径の結晶化半導体膜を生成することができる。
なお、図13の変形例において、結像光学系4によるフォーカスの観点から、光学変調素子1の位相パターン面と第2光学変調素子12の位相パターン面とができるだけ近接するように配置することが望ましい。また、光学変調素子1の後側に第2光学変調素子12を配置しているが、これに限定されることなく、第2光学変調素子12の後側に光学変調素子1を配置することもできる。さらに、光学変調素子1と第2光学変調素子12とを別々に用いているが、これに限定されることなく、例えば光学変調素子1の位相パターンと第2光学変調素子12の位相パターンとの位相値を加算してできる合成位相パターンを有する1つの光学変調素子を用いることもできる。
また、図13の変形例において、光束分割素子2として、1つの平行平面板からなる複屈折素子2Eを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、上述の実施形態の場合と同様に、サバール板としての複屈折素子20や、フランコンによるサバール板の変形例に基づく複屈折素子21や、ウォラストンプリズムとしての複屈折素子22を用いることもできる。
また、図13の変形例において、逆ピーク状の光強度分布を形成するパターンを有する光学変調素子として、所定周期にしたがって配置された180度の位相差線を含むライン型の位相シフターを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、上述の実施形態の場合と同様に、180度の位相差線が1点において3つ以上交わるようなパターンを有する位相シフターや、種類以上の位相値領域が1点において接するようなパターンを有する位相シフターなどを用いることもできる。
図18は、本実施形態の結晶化装置を用いて結晶化された領域に電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。図18(a)に示すように、絶縁基板80(例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミドなど)の上に、下地膜81(例えば、膜厚50nmのSiNおよび膜厚100nmのSiO2積層膜など)および非晶質半導体膜82(例えば、膜厚50nm〜200nm程度のSi,Ge,SiGeなど)を、化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜した被処理基板5を準備する。そして、本実施形態にしたがう結晶化装置を用いて、非晶質半導体膜82の表面の予め定められた領域に、レーザ光83(例えば、KrFエキシマレーザ光やXeClエキシマレーザ光など)を照射する。
こうして、図18(b)に示すように、大粒径の結晶を有する多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84が生成される。次に、図18(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84を例えば薄膜トランジスタを形成するための領域となる島状の半導体膜85に加工し、表面にゲート絶縁膜86として膜厚20nm〜100nmのSiO2膜を化学気相成長法やスパッタ法などを用いて成膜する。さらに、図18(d)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極87(例えば、シリサイドやMoWなど)を形成し、ゲート電極87をマスクにして不純物イオン88(Nチャネルトランジスタの場合にはリン、Pチャネルトランジスタの場合にはホウ素)をイオン注入する。その後、窒素雰囲気でアニール処理(例えば、450°Cで1時間)を行い、不純物を活性化して島状の半導体膜85にソース領域91、ドレイン領域92を形成する。次に、図18(e)に示すように、層間絶縁膜89を成膜してコンタクト穴をあけ、チャネル90でつながるソース91およびドレイン92に接続するソース電極93およびドレイン電極94を形成する。
以上の工程において、図18(a)および(b)に示す工程で生成された多結晶半導体膜または単結晶化半導体膜84の大粒径結晶の位置に合わせて、チャネル90を形成する。以上の工程により、多結晶トランジスタまたは単結晶化半導体に薄膜トランジスタ(TFT)を形成することができる。こうして製造された多結晶トランジスタまたは単結晶化トランジスタは、液晶表示装置(ディスプレイ)やEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどの駆動回路や、メモリ(SRAMやDRAM)やCPUなどの集積回路などに適用可能である。
なお、上述の説明では、多結晶半導体膜または非晶質半導体膜に所定の光強度分布を有する光を照射して結晶化半導体膜を生成する結晶化装置および結晶化方法に本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、一般的に結像光学系を介して所定の光強度分布を所定面に形成する光照射装置に対して本発明を適用することができる。
本発明の実施形態にかかる結晶化装置の構成を概略的に示す図である。 図1の照明系の内部構成を概略的に示す図である。 本実施形態における光学変調素子の構成および作用を説明する図である。 本実施形態における光束分割素子の構成および作用を説明する図である。 本実施形態における光学変調素子と光束分割素子との協働作用を説明する図である。 本実施形態における光束分割素子として使用可能なサバール板の構成および作用を説明する図である。 本実施形態における光束分割素子として使用可能なサバール板の変形例の構成および作用を説明する図である。 結像光学系の瞳面またはその近傍に複屈折素子を配置した変形例を示す図である。 図8に示すウォラストンプリズムの構成および作用を説明する図である。 光学変調素子として4種類の位相値領域が1点において接するようなパターンを有する位相シフターを用いた変形例を示す図である。 光学変調素子として180度の位相差線が1点において4つ交わるようなパターンを有する位相シフターを用いた変形例を示す図である。 複屈折素子への入射光束の偏光状態を制御するための制御素子を付設した変形例を示す図である。 入射光束に基づいて光強度勾配分布を形成するパターンを有する第2光学変調素子を付設した変形例を示す図である。 図13の変形例において光学変調素子と複屈折素子との作用により形成される逆ピーク状の光強度分布を示す図である。 図13の変形例における第2光学変調素子のパターンを示す図である。 図15に示す第2光学変調素子における基本パターンを示す図である。 図13の変形例において形成されるV字型の光強度勾配分布と逆ピーク状の光強度分布との合成光強度分布を示す斜視図である。 本実施形態の結晶化装置を用いて電子デバイスを作製する工程を示す工程断面図である。 位相差が180度の位相シフターを用いたときに結像光学系を介して形成される逆ピーク状の光強度分布を模式的に示す図である。 位相差が60度の位相シフターを用いたときに結像光学系を介して形成される逆ピーク状の光強度分布を模式的に示す図である。 複屈折素子を光学変調素子と結像光学系との間あるいは結像光学系と被処理基板との間に配置した変形例を示す図である。
符号の説明
1,10〜12 光学変調素子
2,20〜22 複屈折素子
3 照明系
3a KrFエキシマレーザ光源
3b ビームエキスパンダ
3c,3e フライアイレンズ
3d,3f コンデンサー光学系
4 結像光学系
4c 開口絞り
5 被処理基板
6 基板ステージ
7 制御素子(1/2波長板)

Claims (21)

  1. レーザ光源と、
    入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子と、
    前記光学変調素子と所定面とを光学的に共役に配置する結像光学系と、
    前記所定面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設けるための支持台と、
    前記光学変調素子と前記所定面との間の光路中に配置されて、入射光束を非干渉性の異なる2つの光束に分割するための複屈折素子とを備え、
    互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を前記所定面に形成することを特徴とする光照射装置。
  2. レーザ光源と、
    入射光束から逆ピーク状の光強度分布を形成するための光学変調素子と、
    前記光学変調素子と所定面とを光学的に共役に配置する結像光学系と、
    前記所定面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設けるための支持台と、
    前記光学変調素子と前記所定面との間の光路中に配置されて、入射光束を偏光状態の異なる2つの光束に分割するための複屈折素子とを備え、
    互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の合成に対応する所定の光強度分布を前記所定面に形成することを特徴とする光照射装置。
  3. 前記複屈折素子は、前記光学変調素子と前記結像光学系との間または前記結像光学系と前記所定面との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射装置。
  4. 前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対して所定の角度をなすように設定された複屈折性の平行平面板を有することを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
  5. 前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板からなるサバール板を有することを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
  6. 前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ所定の角度をなすように設定された複屈折性の一対の平行平面板と、該一対の平行平面板の間に設けられた1/2波長板とを有することを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
  7. 前記複屈折素子は、前記光学変調素子と一体化されたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光照射装置。
  8. 前記複屈折素子は、前記結像光学系の瞳面またはその近傍に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射装置。
  9. 前記複屈折素子は、結晶光学軸が光軸に対してそれぞれ垂直をなすように設定された複屈折性の一対の偏光プリズムからなるウォラストンプリズムを有することを特徴とする請求項8に記載の光照射装置。
  10. 前記光学変調素子は、180度の位相差を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光照射装置。
  11. 前記光学変調素子は、所定周期にしたがって配置された180度の位相差線を含むパターンを有し、
    前記互いに離間した2つの逆ピーク状の光強度分布の距離は、前記位相差線のピッチの半分の奇数倍に対応していることを特徴とする請求項10に記載の光照射装置。
  12. 前記光学変調素子は、180度の位相差線が1点において3つ以上交わるようなパターンを有し、
    前記非干渉性の異なる2つの光束間の前記所定面における距離は、前記位相差線の交点のピッチの半分の奇数倍に対応していることを特徴とする請求項11に記載の光照射装置。
  13. 前記光学変調素子は、3種類以上の位相差領域が1点において接するようなパターンを有し、
    前記非干渉性の異なる2つの光束間の前記所定面における距離は、前記位相差領域の接点のピッチの半分の奇数倍に対応していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光照射装置。
  14. 前記複屈折素子により分割された2つの光束の強度が互いにほぼ等しくなるように、前記複屈折素子への入射光束の偏光状態を制御するための制御素子をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光照射装置。
  15. 前記制御素子は、前記複屈折素子の入射側に配置された1/4波長板を有することを特徴とする請求項14に記載の光照射装置。
  16. 前記光学変調素子は、入射光束に基づいて光強度勾配分布を形成するパターンをさらに有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光照射装置。
  17. 前記複屈折素子による光束の分割方向は、前記光強度勾配分布の勾配方向とほぼ直交していることを特徴とする請求項16に記載の光照射装置。
  18. 前記複屈折素子による光束の分割は、光強度が均等な2分割であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の光照射装置。
  19. 前記複屈折素子は、水晶、方解石、またはフッ化マグネシウムにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の光照射装置。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の光照射装置の前記結像光学系の結像面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設け、前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布の最小光強度が非単結晶半導体膜の融点近傍となるようにレーザ光を照射して前記非単結晶半導体膜の照射面を溶融させ、この溶融領域を結晶化半導体膜に生成することを特徴とする結晶化装置
  21. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の光照射装置を用いて、前記所定面に非単結晶半導体膜を有する被処理基板を設け、
    前記非単結晶半導体膜に前記所定の光強度分布の最小光強度が非単結晶半導体膜の融点近傍となるようにレーザ光を照射して前記非単結晶半導体膜の照射面を溶融させ、この溶融領域を結晶化半導体膜に生成することを特徴とする結晶化方法
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